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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134489
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240926BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240926BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240926BHJP
   H01L 21/8249 20060101ALI20240926BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240926BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240926BHJP
   H10B 41/40 20230101ALI20240926BHJP
   H01L 29/861 20060101ALN20240926BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L29/06 301G
H01L27/06 311B
H01L27/06 321J
H01L27/088 H
H01L27/04 H
H10B41/40
H01L29/91 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023115750
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】112110227
(32)【優先日】2023-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】599039843
【氏名又は名称】聯華電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】帥 宏勳
(72)【発明者】
【氏名】陳 志容
【テーマコード(参考)】
5F038
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F038AR27
5F038AV04
5F038BH09
5F038BH11
5F038CA02
5F038CA18
5F038DF05
5F048AA07
5F048AB01
5F048AC10
5F048BA01
5F048BA20
5F048BB05
5F048BB08
5F048BC06
5F048BC15
5F048BG13
5F083EP02
5F083EP24
5F083EP28
5F083EP35
5F083EP47
5F083EP48
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA27
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA32
5F083JA35
5F083KA01
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F101BA01
5F101BB02
5F101BB05
5F101BC02
5F101BE07
5F101BH04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】メモリを保護し、プラズマがメモリのゲート誘電体層またはトンネル層を損傷するのを防ぎ、メモリの保持性能を向上させることのできる半導体素子を提供する。
【解決手段】半導体素子SD1は、基板10、ドープリング38、複数のコンタクト42及び複数の導電線44を含む。基板は、第1領域AR及び第1領域を取り囲む第2領域PRを含む。ドープリングは、第2領域の基板内に位置し、第1領域を取り囲み、第1ドープ領域及び複数の第2ドープ領域を含む。第1ドープ領域は、第2領域の基板内に位置し、第1領域を取り囲む。第1ドープ領域は、開口部を有する。複数の第2ドープ領域は、互いに離れており、開口部の基板内に位置する。コンタクトは、複数の第2ドープ領域に電気接続される。導電線は、コンタクト及び第1領域内の複数の導電層に接続される。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域および前記第1領域を取り囲む第2領域を含む基板と、
前記第2領域の前記基板内に位置し、前記第1領域を取り囲むドープリングであって、
前記第2領域の前記基板内に位置し、前記第1領域を取り囲み、開口部を有する第1ドープ領域と、
互いに離れており、前記開口部の前記基板内に位置する複数の第2ドープ領域と、
を含む前記ドープリングと、
前記複数の第2ドープ領域および前記第1ドープ領域の端部に電気接続された複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトに接続され、前記第1領域内の複数の導電層に接続された複数の導電線と、
を含む半導体素子。
【請求項2】
前記複数の導電線が、複数の制御ゲートおよび前記複数の制御ゲートの複数のデコーダに接続された請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第2領域の前記基板上に位置し、前記ドープリングに隣接するガードリングをさらに含む請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記ガードリングが、前記ドープリングと部分的に重なった請求項3に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記ガードリングが、前記ドープリングと重ならない請求項3に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記ドープリングが、前記ガードリングよりも前記第1領域に近い請求項3に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記ドープリングが、前記ガードリングよりも前記第1領域から遠く離れている請求項3に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記第1ドープ領域および前記複数の第2ドープ領域のそれぞれが、
ウェル領域内に位置し、前記ウェル領域が、少なくとも前記第2領域の前記基板内に位置する低濃度ドープ領域と、
前記低濃度ドープ領域内に位置する高濃度ドープ領域と、
を含み、前記ウェル領域内のドーパントの導電型が、前記低濃度ドープ領域および前記高濃度ドープ領域内のドーパントの導電型とは異なる請求項3に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記ガードリングが、前記ウェル領域内に位置する請求項8に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記高濃度ドープ領域上に位置する金属シリサイド層をさらに含む請求項8に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記第1領域と前記第2領域との間に位置する隔離構造をさらに含む請求項8に記載の半導体素子。
【請求項12】
第1領域および前記第1領域を取り囲む第2領域を含む基板と、
前記第1領域内に位置する複数のメモリデバイスと、
前記第2領域の前記基板内に位置する複数のダイオードと、
前記複数のダイオードに電気接続された複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトに接続され、前記複数のメモリデバイスに接続された複数の導電線と、
を含む半導体素子。
【請求項13】
前記ダイオードのそれぞれが、
前記第2領域の前記基板内に位置するウェル領域と、
前記ウェル領域内に位置する低濃度ドープ領域と、
前記低濃度ドープ領域内に位置する高濃度ドープ領域と、
を含み、前記ウェル領域内のドーパントの導電型が、前記低濃度ドープ領域および前記高濃度ドープ領域内のドーパントの導電型とは異なる請求項12に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記高濃度ドープ領域上に位置する金属シリサイド層をさらに含む請求項13に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記第2領域の前記基板内上に位置し、前記複数のダイオードに隣接するガードリングをさらに含む請求項12に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記ガードリングが、前記複数のダイオードと部分的に重なった請求項15に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記ガードリングが、前記複数のダイオードと重ならない請求項15に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記複数のダイオードが、前記ガードリングよりも前記第1領域に近い請求項15に記載の半導体素子。
【請求項19】
前記複数のダイオードが、ガードリングよりも前記第1領域から遠く離れている請求項15に記載の半導体素子であって、
【請求項20】
前記メモリデバイスが、複数のフラッシュメモリデバイスを含み、前記複数の導電線が、前記複数のフラッシュメモリデバイスの複数の制御ゲートおよび前記複数の制御ゲートの複数のデコーダに接続された請求項12に記載の半導体素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路に関するものであり、特に、半導体素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、半導体製造プロセスにおいて堆積およびエッチングプロセスでよく使用される。しかしながら、そのプロセス中に、プラズマ放電により半導体素子を損傷する可能性がある。例えば、半導体バックエンドプロセスにおいてプラズマを使用すると、放電によって基板上のメモリデバイスのゲート誘電体層を損傷する可能性があるため、メモリデバイスの保持性能が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US10,163,641 B2
【0004】
【特許文献2】US7,151,302 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、メモリを保護し、プラズマがメモリのゲート誘電体層またはトンネル層を損傷するのを防ぎ、メモリの保持性能を向上させることのできる半導体素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る半導体素子は、基板、ドープリング(doped ring)、複数のコンタクト、および複数の導電線を含む。基板は、第1領域、および第1領域を取り囲む第2領域を含む。ドープリングは、第2領域の基板内に位置し、第1領域を取り囲む。ドープリングは、第1ドープ領域および複数の第2ドープ領域を含む。第1ドープ領域は、第2領域の基板内に位置し、第1領域を取り囲む。第1ドープ領域は、開口部を有する。第2ドープ領域は、互いに離れており、開口部の基板内に位置する。コンタクトは、第2ドープ領域に電気接続される。導電線は、コンタクトおよび第1領域内の複数の導電層に接続される。
【0007】
本発明の別の実施形態に係る半導体素子は、基板、複数のメモリデバイス、複数のダイオード、複数のコンタクト、および複数の導電線を含む。基板は、第1領域、および第1領域を取り囲む第2領域を含む。メモリデバイスは、第1領域内に位置する。ダイオードは、第2領域の基板内に位置する。コンタクトは、ダイオードに電気接続される。導電線は、コンタクトに接続され、メモリデバイスに接続される。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明の実施形態において、ダイオード(例えば、ドープリング)を配置することによって、半導体構造は、メモリデバイスを保護し、後続の金属化プロセスにおいて使用されるプラズマがメモリデバイスのゲート誘電体層を損傷するのを防ぎ、メモリデバイスの保持性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本発明の1つの実施形態に係る半導体素子の上面図である。
図1B図1Aの線I-I’に沿った断面図である。
図1C図1Aの線I-I’に沿った別の断面図である。
図2A】本発明の実施形態に係る半導体素子の上面図である。
図2B図2Aの線II-II’に沿った断面図である。
図2C図2Aの線II-II’に沿った別の断面図である。
図3A】本発明の実施形態に係る半導体素子の上面図である。
図3B図3Aの線III-III’に沿った断面図である。
図4A】本発明の実施形態に係る半導体素子の上面図である。
図4B図4Aの線IV-IV’に沿った断面図である。
図5A】本発明の実施形態に係る半導体素子の上面図である。
図5B図5Aの線V-V’に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aは、本発明の実施形態に係る半導体素子の上面図である。図1Bは、図1Aの線I-I’に沿った断面図である。図1Cは、図1Aの線I-I’に沿った別の断面図である。
【0011】
図1Aおよび図1Bを参照すると、本発明の実施形態に係る半導体素子SD1は、基板10、複数のメモリデバイス116A、ガードリング16、複数のダイオード33、複数のコンタクト42、および複数の導電線44を含む。基板10は、半導体または半導体化合物を含むことができる。半導体は、バルクシリコンまたはシリコン・オン・インシュレータ(silicon-on-insulator, SOI)等のシリコンを含む。半導体化合物は、ゲルマニウムシリサイド(germanium silicide)を含む。基板10内には、隔離構造14が配置される。隔離構造14は、酸化シリコン、窒化シリコン、またはそれらの組み合わせを含むことができる。隔離構造14は、基板10の第1領域ARおよび第2領域PRを定義する。第1領域ARは、例えば、メモリアレイ領域である。第2領域PRは、例えば、周辺領域である。第2領域PRは、第1領域ARを取り囲む。
【0012】
複数のメモリデバイス116Aは、第1領域ARの領域100Aに配置される。メモリデバイス116Aは、行と列に配列され、メモリアレイを形成することができる。メモリデバイス116Aは、フラッシュメモリデバイスであってもよい。フラッシュメモリデバイスは、さまざまな構造を有することができる。例えば、フラッシュメモリデバイスは、トンネル層118、浮遊ゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、キャップ層130、およびスペーサー132を含む。トンネル層118、浮遊ゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、およびキャップ層130を下から上に積み重ねることにより、ゲートスタック構造SK1を形成する。トンネル層118は、酸化シリコンを含むことができる。浮遊ゲート層120は、ポリシリコンを含むことができる。ゲート間誘電体層125は、例えば、酸化シリコン層122、窒化シリコン層124、および酸化シリコン層126を含む。制御ゲート層128は、ポリシリコンを含むことができる。キャップ層130は、窒化シリコンを含むことができる。スペーサー132は、トンネル層118、浮遊ゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、およびキャップ層130によって形成されたゲートスタック構造SK1の側壁を覆う。
【0013】
図1Aを参照すると、半導体素子SD1は、さらに、複数のダミーメモリデバイス116A’を含むことができる。複数のダミーメモリデバイス116A’は、領域100Aの外側にある第1領域AR内に配置される。ダミーメモリデバイス116A’は、メモリデバイス116Aと類似する構成および構成要素を有することができる。
【0014】
図1Aおよび図1Bを参照すると、ガードリング16は、第2領域PRの基板10上に位置する。ガードリング16は、メモリデバイス116Aの境界を取り囲む閉リング(closed ring)であり、製造プロセスにおける第1領域ARと第2領域PRの密度差によって生じる負荷効果の影響を減らし、メモリデバイス116Aを保護することができる。ガードリング16の構成は、メモリデバイス116Aのゲートスタック構造SK1に類似していてもよい。いくつかの実施形態において、ガードリング16は、誘電体層18、導電層20、誘電体層22、24、および26、導電層28、キャップ層30、およびスペーサ32を含むことができる。誘電体層18、導電層20、誘電体層22、24、および26、導電層28、キャップ層30、およびスペーサ32の材料は、それぞれトンネル層118、浮遊ゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、およびキャップ層130の材料と同じであり、誘電体層18、導電層20、誘電体層22、24、および26、導電層28、キャップ層30、およびスペーサ32は、それぞれトンネル層118、浮遊ゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、およびキャップ層130と同時に形成されてもよい。
【0015】
図1Aおよび図1Bを参照すると、本発明の実施形態の複数のダイオード33は、第2領域PRの基板10内に配置される。複数のダイオード33は、ウェル領域12およびドープリング38を含む。ウェル領域12は、第1領域ARと第2領域PRの間の1つの隔離構造14の下から第2領域PRに延伸し、その後、第2領域PRの外側にある別の隔離構造14の下に延伸するが、本発明はこれに限定されない。ウェル領域12は、第1導電型のドーパントを含むことができる。ウェル領域12のドーパントは、ホウ素または三フッ化ホウ素(boron trifluoride)等のP型であってもよい。ウェル領域12のドーパントは、例えば、リンまたはヒ素等のN型であってもよい。
【0016】
図1Aおよび図1Bを参照すると、ドープリング38およびガードリング16は、いずれもウェル領域12の境界内に位置する。ドープリング38は、ガードリング16に隣接して配置される。ドープリング38およびガードリング16は、部分的に重なっていてもよく(図1Bに示す)、または重ならずに(図1Cに示す)、非ゼロの距離で互いに離れていてもよい。ドープリング38は、ガードリング16の内側に位置するため、ドープ領域38は、ガードリング16よりも第1領域ARに近い。
【0017】
図1Aを参照すると、ドープリング38は、図1Bに示すように、第2領域PRのウェル領域12内に位置する。図1Aを参照すると、ドープリング38は、第1ドープ領域38Aおよび複数の第2ドープ領域38Bを含む。第1ドープ領域38Aは、閉じていない(non-closed)開リングであり、例えば、第1領域ARを取り囲むウェル領域12内に位置する。言い換えると、第1ドープ領域38Aは、開口部38Cを有する。第2ドープ領域38Bは、開口部38Cのウェル領域12内に位置する。第2ドープ領域38Bは、例えば、島状であり、互いに離れている。言い換えると、第1ドープ領域38Aおよび複数の第2ドープ領域38Bによって形成されたドープリング38は、閉じていないリングである。
【0018】
図1Aおよび図1Bを参照すると、ドープリング38の第1ドープ領域38Aおよび第2ドープ領域38Bのそれぞれは、低濃度ドープ領域36および高濃度ドープ領域34を含む。低濃度ドープ領域36は、ウェル領域12内に位置し、高濃度ドープ領域34は、低濃度ドープ領域36内に位置する。低濃度ドープ領域および高濃度ドープ領域におけるドーパントの導電型は、ウェル領域におけるドーパントの導電型と異なる。低濃度ドープ領域36および高濃度ドープ領域34は、第2導電型のドーパントを含んでもよい。低濃度ドープ領域36および高濃度ドープ領域34のドーパントは、リンまたはヒ素等のN型であってもよい。低濃度ドープ領域36および高濃度ドープ領域34のドーパントは、ホウ素または三フッ化ホウ素等のP型であってもよい。低濃度ドープ領域36は、ウェル領域12内に位置し、ガードリング16に隣接する。低濃度ドープ領域36およびガードリング16は、部分的に重なっていてもよく(図1Bに示す)、または重ならずに(図1Cに示す)、非ゼロの距離で互いに離れていてもよい。高濃度ドープ領域34およびガードリング16は、重ならずに(図1Bおよび図1Cに示す)、非ゼロの距離で互いに離れていてもよい。
【0019】
図1Aおよび図1Bを参照すると、内部接続構造50は、基板10上に位置する。内部接続構造50は、誘電体層160、複数のコンタクト42、142、および複数の導電線44を含む。
【0020】
図1Bを参照すると、誘電体層160は、酸化シリコンを含むことができる。誘電体層160は、平坦化プロセスを介して平坦な表面を有することができる。コンタクト42、142は、誘電体層160内に形成される。コンタクト42は、誘電体層160を通って延伸し、ドープ領域34に電気接続される。コンタクト142は、誘電体層160およびキャップ層130を通って延伸し、制御ゲート128に電気接続される。図1Aに示すように、コンタクト42は、第2ドープ領域38Bおよび第1ドープ領域38Aの端部E1およびE2に電気接続される。
【0021】
図1Aおよび図1Bを参照すると、導電線44は、誘電体層160上に形成され、第1領域ARから第2領域PRに延伸する。導電線44は、コンタクト142を介して第1領域ARの制御ゲート128に接続されてもよく、デコーダに接続されてもよい。導電線44は、また、コンタクト42を介してダイオード33の高濃度ドープ領域34にも接続される。言い換えると、コンタクト42およびコンタクト142は、同じ導電線44に接続されるため、同じ電位(等電位)にある。
【0022】
いくつかの実施形態において、半導体素子SD1は、さらに、金属シリサイド層(metal silicide layer)140および40を含み、接触抵抗を低減する。金属シリサイド層140は、コンタクト142と制御ゲート層128の間に位置する。金属シリサイド40は、コンタクト42と高濃度ドープ領域34の間に位置する。
【0023】
コンタクト42は、第1領域ARの外側に位置する。したがって、後続の金属化プロセスにおいて、プラズマ放電46が第1領域ARに入る前に、導電線44およびコンタクト42が放電経路として機能し、プラズマ放電をダイオード33に導く。そのため、このような構成により、プラズマ放電がメモリデバイスのトンネル層(例えば、ゲート誘電体層)118を損傷するのを防ぎ、メモリデバイスの保持性能を向上させることができる。コンタクト42およびコンタクト142は、同じフォトマスクを介して形成されるため、追加のフォトマスクを必要としない。
【0024】
上記の実施形態において、複数のダイオード33は、ガードリング16とメモリデバイス116Aの間に配置される。別の実施形態において、図2Aおよび図2Bを参照すると、半導体素子SD2のダイオード33は、ガードリング16の外側に位置することもできる。つまり、ガードリング16は、メモリデバイス116Aとダイオード33の間に配置される。
【0025】
図2Aは、本発明の1つの実施形態に係る半導体素子の上面図である。図2Bは、図2Aの線II-II’に沿った断面図である。図2Cは、図2Aの線II-II’に沿った別の断面図である。
【0026】
図2Bを参照すると、ドープリング38は、ガードリング16に隣接して配置される。ドープリング38およびガードリング16は、いずれもウェル領域12の境界内に位置する。ドープリング38およびガードリング16は、部分的に重なっていてもよく(図2Bに示す)、または重ならずに(図2Cに示す)、非ゼロの距離で互いに離れていてもよい。ドープリング38は、ガードリング16の外側に位置するため、ドープリング38は、ガードリング16よりも第1領域ARから遠く離れている。
【0027】
ドープリング38は、図2Bに示すように、第2領域PRのウェル領域12内に位置する。図2Aを参照すると、ドープリング38は、第1ドープ領域38Aおよび複数の第2ドープ領域38Bを含む。第1ドープ領域38Aは、閉じていない開リングであり、例えば、第1領域ARを取り囲むウェル領域12内に位置する。言い換えると、第1ドープ領域38Aは、開口部38Cを有する。第2ドープ領域38Bは、開口部38Cのウェル領域12内に位置する。第2ドープ領域38Bは、例えば、島状であり、互いに離れている。言い換えると、第1ドープ領域38Aおよび複数の第2ドープ領域38Bによって形成されたドープリング38は、閉じていないリングである。
【0028】
低濃度ドープ領域36およびガードリング16は、部分的に重なってもよく(図2Bに示す)、または重ならずに(図2Cに示す)、非ゼロの距離で互いに離れていてもよい。重ドープ領域34およびガードリング16は、重ならずに(図2Bおよび図2Cに示す)、非ゼロ距離で互いに離れていてもよい。
【0029】
上記の実施形態は、メモリデバイス116Aを用いて説明されている。しかしながら、本発明の実施形態は、図3Aおよび図3B図4Aおよび図4B、および図5Aおよび図5Bにそれぞれ示すように、さまざまなメモリデバイス116B、116C、116Dにも適用することができる。図3A図4Aおよび図5Aにおいて、ダイオード33は、説明の例として、ガードリング16の内側に位置する。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されない。ダイオード33は、図2Aおよび図2Bに示すように、ガードリング16の外側に配置することもできる。ダイオード33は、また、半導体素子SD1またはSD4と類似する構成要素および構造を有してもよい。簡潔にするため、図3B図4B、および図5Bにおいて、ダイオード33は、図示されていない。
【0030】
図3Aは、本発明の1つの実施形態に係る半導体素子の上面図である。図3Bは、図3Aの線III-III’に沿った断面図である。図4Aは、本発明の1つの実施形態に係る半導体素子の上面図である。図4Bは、図4Aの線IV-IV’に沿った断面図である。図5Aは、本発明の1つの実施形態に係る半導体素子の上面図である。図5Bは、図5Aの線V-V’に沿った断面図である。
【0031】
図3Aおよび図3Bを参照すると、半導体素子SD3の領域100B内のメモリデバイス116Bは、ゲートスタック構造SK2、選択ゲート構造SG、ワード線構造WL、およびドープ領域138を含む。ゲートスタック構造SK2は、トンネル層118、フローティングゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、キャップ層130、およびスペーサ132を含む。選択ゲート構造SGは、隣接する2つのゲートスタック構造SK2の間に位置する。ワード線構造WLは、2つのゲートスタック構造SK2の外側に位置する。選択ゲート構造SGおよびワード線構造WLのそれぞれは、ゲート誘電体層およびゲート導電層を含む。ドープ領域138は、2つのワード線構造WLの外側および選択ゲート構造SGの下にある基板10内に位置する。半導体素子SD3は、さらに、選択ゲート構造SGおよびワード線構造WLのゲート導電層上に金属シリサイド層を含んでもよい。
【0032】
ガードリング16は、ゲートスタック構造SK2と類似する構成要素および構造を有することができるが、簡潔にするため、ガードリング16の詳細な構成要素は、図示されていない。
【0033】
図4Aおよび図4Bを参照すると、半導体素子SD4の領域100C内のメモリデバイス116Cは、ゲートスタック構造SK3、選択ゲート構造SG、およびドープ領域138を含む。ゲートスタック構造SK3は、トンネル層117、電荷蓄積層119、ブロッキング層121、および制御ゲート層128を含む。トンネル層117は、酸化シリコンを含んでもよい。電荷蓄積層119は、窒化シリコンを含んでもよい。ブロッキング層121は、酸化シリコンを含んでもよい。制御ゲート層128は、ポリシリコンを含んでもよい。選択ゲート構造SGは、ゲート誘電体層およびゲート導電層を含む。ドープ領域138は、ゲートスタック構造SK3および選択ゲート構造SGの外側にある基板10内にある。
【0034】
ガードリング16は、ゲートスタック構造SK3と類似する構成要素および構造を有することができるが、簡潔にするため、ガードリング16の詳細な構成要素は、図示されていない。
【0035】
図5Aおよび図5Bを参照すると、半導体素子SD5のメモリデバイス116Dは、ゲートスタック構造SK4を含む。ゲートスタック構造SK4は、トンネル層118、フローティングゲート層120、ゲート間誘電体層125、制御ゲート層128、および金属シリサイド層140を含む。金属シリサイド層140は、制御ゲート層128の上表面の大部分またはすべてを覆う。金属シリサイド層140は、さらに、ドープ領域138の上表面を覆う。
【0036】
ガードリング16は、ゲートスタック構造SK4と類似する構成要素および構造を有することができるが、簡潔にするため、ガードリング16の詳細な構成要素は、図示されていない。
【0037】
以上のように、本発明の実施形態は、ダイオードを配置することによってメモリデバイスを保護するため、後続の金属化プロセスにおいて使用されるプラズマ放電がメモリデバイスのゲート誘電体層またはトンネル層を損傷するのを防ぎ、それに応じて、メモリデバイスの保持性能を向上させる。ダイオードは、ガードリングと部分的に重なってもよく、または重ならなくてもよい。ダイオードは、ガードリングとメモリアレイの間に位置してもよく、またはガードリングの外側に位置しいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の半導体素子は、メモリデバイスおよびダイオードを含む半導体素子に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 基板
12 ウェル領域
14 隔離構造
16 ガードリング
18 誘電体層
20 導電層
22 誘電体層
24 誘電体層
26 誘電体層
28 導電層
30 キャップ層
32 スペーサー
33 ダイオード
34 高濃度ドープ領域
36 低濃度ドープ領域
38 ドープリング
38A 第1ドープ領域
38B 第2ドープ領域
38C 開口部
40 金属シリサイド層
42 コンタクト
44 導電線
46 プラズマ放電
50 内部接続構造
100A 領域
100B 領域
100C 領域
100D 領域
116A メモリデバイス
116A’ ダミーメモリデバイス
116B メモリデバイス
116C メモリデバイス
116D メモリデバイス
117 トンネル層
118 トンネル層
119 電荷蓄積層
120 フローティングゲート層
121 ブロッキング層
122 酸化シリコン層
124 窒化シリコン層
125 ゲート間誘電体層
126 酸化シリコン層
128 制御ゲート層
130 キャップ層
132 スペーサー
138 ドープ領域
140 金属シリサイド層
142 コンタクト
160 誘電体層
AR 第1領域
E1 端部
E2 端部
PR 第2領域
SD1 半導体素子
SD2 半導体素子
SD3 半導体素子
SD4 半導体素子
SD5 半導体素子
SG 選択ゲート構造
SK1 ゲートスタック構造
SK2 ゲートスタック構造
SK3 ゲートスタック構造
SK4 ゲートスタック構造
WL ワード線構造
I-I’ 線
II-II’ 線
III-III’ 線
IV-IV’ 線
V-V’ 線

図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域および前記第1領域を取り囲む第2領域を含む基板と、
前記第2領域の前記基板内に位置し、前記第1領域を取り囲むドープリングであって、
閉じていない開リングである第1ドープ領域であって、前記第2領域の前記基板内に位置し、前記第1領域を取り囲み、開口部を有する、前記第1ドープ領域と、
互いに離れており、前記開口部の前記基板内に位置する複数の第2ドープ領域と、
を含む前記ドープリングと、
前記複数の第2ドープ領域および前記第1ドープ領域の端部に電気接続された複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトに接続され、前記第1領域内の複数の導電層に接続された複数の導電線と、
を含む半導体素子。
【請求項2】
前記複数の導電線が、複数の制御ゲートおよび前記複数の制御ゲートの複数のデコーダに接続された請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第2領域の前記基板上に位置し、前記ドープリングに隣接するガードリングをさらに含む請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記ガードリングが、前記ドープリングと部分的に重なった請求項3に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記ガードリングが、前記ドープリングと重ならない請求項3に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記ドープリングが、前記ガードリングよりも前記第1領域に近い請求項3に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記ドープリングが、前記ガードリングよりも前記第1領域から遠く離れている請求項3に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記第1ドープ領域および前記複数の第2ドープ領域のそれぞれが、
ウェル領域内に位置し、前記ウェル領域が、少なくとも前記第2領域の前記基板内に位置する低濃度ドープ領域と、
前記低濃度ドープ領域内に位置する高濃度ドープ領域と、
を含み、前記ウェル領域内のドーパントの導電型が、前記低濃度ドープ領域および前記高濃度ドープ領域内のドーパントの導電型とは異なる請求項3に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記ガードリングが、前記ウェル領域内に位置する請求項8に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記高濃度ドープ領域上に位置する金属シリサイド層をさらに含む請求項8に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記第1領域と前記第2領域との間に位置する隔離構造をさらに含む請求項8に記載の半導体素子。
【請求項12】
第1領域および前記第1領域を取り囲む第2領域を含む基板と、
前記第1領域内に位置する複数のメモリデバイスと、
前記第2領域の前記基板内に位置し、ドープリングを含む複数のダイオードと、
前記複数のダイオードに電気接続された複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトに接続され、前記複数のメモリデバイスに接続された複数の導電線と、
を含み、
前記ドープリングは、
閉じていない開リングである第1ドープ領域であって、前記第2領域の前記基板内に位置し、前記第1領域を取り囲み、開口部を有する、前記第1ドープ領域と、
互いに離れており、前記開口部の前記基板内に位置する複数の第2ドープ領域と、
を含む半導体素子。
【請求項13】
前記ダイオードのそれぞれが、
前記第2領域の前記基板内に位置するウェル領域と、
前記ウェル領域内に位置する低濃度ドープ領域と、
前記低濃度ドープ領域内に位置する高濃度ドープ領域と、
を含み、前記ウェル領域内のドーパントの導電型が、前記低濃度ドープ領域および前記高濃度ドープ領域内のドーパントの導電型とは異なる請求項12に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記高濃度ドープ領域上に位置する金属シリサイド層をさらに含む請求項13に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記第2領域の前記基板内上に位置し、前記複数のダイオードに隣接するガードリングをさらに含む請求項12に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記ガードリングが、前記複数のダイオードと部分的に重なった請求項15に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記ガードリングが、前記複数のダイオードと重ならない請求項15に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記複数のダイオードが、前記ガードリングよりも前記第1領域に近い請求項15に記載の半導体素子。
【請求項19】
前記複数のダイオードが、ガードリングよりも前記第1領域から遠く離れている請求項15に記載の半導体素子。
【請求項20】
前記メモリデバイスが、複数のフラッシュメモリデバイスを含み、前記複数の導電線が、前記複数のフラッシュメモリデバイスの複数の制御ゲートおよび前記複数の制御ゲートの複数のデコーダに接続された請求項12に記載の半導体素子。
【外国語明細書】