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特開2024-134503車両用表示装置の制御方法、媒体及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134503
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】車両用表示装置の制御方法、媒体及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240926BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190136
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】202310281432.3
(32)【優先日】2023-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522381085
【氏名又は名称】小米汽車科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】リー, リャンジ
【テーマコード(参考)】
3D344
5H181
【Fターム(参考)】
3D344AA21
3D344AA27
3D344AA30
3D344AB01
3D344AC24
3D344AD01
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運転者が車両をより良く運転するのを補助し、車両の運転の安全性を向上させることができる車両用表示装置の制御方法、媒体、及び表示装置に関する。
【解決手段】車両が収集した走行パラメータを取得し、走行パラメータによってターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定し、ターゲット表示モードによってターゲット表示コンテンツを表示することにより、車両の走行状態に基づいて投影表示モードとスクリーン表示モードとを動的に切り替えることができ、また、車両の走行状態に基づいて表示コンテンツを動的に調整することにより、運転者が中央制御スクリーンまたはダッシュボードを頭を下げて見ることなく車両情報を見ることができるだけでなく、表示モード及び表示コンテンツを動的に調整することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用表示装置の制御方法であって、前記表示装置が、外部端末と通信接続して前記外部端末から送信されたデータ情報を取得するために使用され、投影表示モードとスクリーン表示モードとを含み、
車両が収集した走行パラメータを取得するステップと、
前記走行パラメータに基づいて、ターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定するステップであって、前記ターゲット表示モードが、前記投影表示モード及び前記スクリーン表示モードのうちの1つまたは複数を含むステップと、
前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップと、
を含む、車両用表示装置の制御方法。
【請求項2】
前記走行パラメータに基づいて、ターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定するステップが、
前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定するステップと、
前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップと、
を含む請求項1に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項3】
前記走行パラメータが、照度情報を含み、
前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定するステップは、
前記照度情報が予め設定された条件を満たす場合、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオであると決定するステップであって、前記予め設定された条件が、前記車両の第1の領域の照度と前記車両の第2の領域の照度との差が第1の予め設定された閾値よりも大きいことを含むステップを含み、
前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、
前記走行シナリオのタイプが前記第1の走行シナリオである場合、前記スクリーン表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、前記車両が収集した道路状況画像を含む第1の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む請求項2に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項4】
前記走行パラメータが、障害物情報を含み、
前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定するステップは、
前記障害物情報が、障害物の数が第2の予め設定された閾値よりも大きいことを特徴付ける場合、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプが第2の走行シナリオであると決定するステップを含み、
前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、
前記走行シナリオのタイプが前記第2の走行シナリオである場合、前記スクリーン表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、前記車両が収集した前記障害物情報を含む第2の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む請求項2に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項5】
前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、
前記走行シナリオのタイプが、前記車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が予め設定された第3の予め設定された閾値よりも小さいことを特徴付ける場合、前記投影表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、運転疲労を緩和するための運転支援情報を含む第3の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む請求項2に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項6】
前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、
前記走行シナリオのタイプが、前記車両の車速が予め設定された車速閾値以下であることを特徴付ける場合、前記投影表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、オーディオ及びビデオコンテンツを含む第4の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む請求項2に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項7】
前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップは、
前記投影表示モード及び前記オーディオ及びビデオコンテンツのターゲット再生進度に基づいて、前記オーディオ及びビデオコンテンツをディスプレイし、ターゲット再生進度が、前記オーディオ及びビデオコンテンツの前回の再生が停止した進度であるステップを含む請求項6に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項8】
前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップは、
前記ターゲット表示モードが前記スクリーン表示モードである場合、前記ターゲット表示コンテンツに対応するターゲット優先度を決定するステップと、
前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上である場合、前記表示装置の表示スクリーンに前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするように制御するステップと、
前記ターゲット優先度が前記予め設定された優先度よりも小さい場合、前記ターゲット表示コンテンツを前記車両の中央制御スクリーンに送信して、前記中央制御スクリーンによって、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップと、
を含む請求項1に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項9】
前記表示装置が、複数の表示スクリーンを備え、
前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上である場合、前記表示装置の表示スクリーンに前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするように制御するステップは、
前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上ある場合、前記複数の表示スクリーンの位置情報を検出するステップと、
前記位置情報と前記ターゲット優先度とに基づいて、ターゲット表示スクリーンを決定するステップであって、前記ターゲット表示スクリーンは、前記複数の表示スクリーンのうち、スクリーン優先度が前記ターゲット優先度と一致する表示スクリーンであり、前記スクリーン優先度の大きさが、この表示スクリーンと運転者キャビンとの間の距離と負の相関であるステップと、
前記ターゲット表示スクリーンによって、前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするステップと、
を含む請求項8に記載の車両用表示装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラム命令がプロセッサによって実行される場合、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法のステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
投影表示モードを提供するための投影装置と、
スクリーン表示モードを提供するための表示スクリーンと、
外部端末と通信するための通信モジュールと、
コントローラが実行可能な命令を記憶するためのメモリと、
前記実行可能な命令を実行して、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法のステップを実現するためのコントローラと、
を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の技術分野に関し、特に、車両用表示装置の制御方法、媒体、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術では、一般的に車両の状態情報を車両のダッシュボードで表示するので、運転中に運転者が頭を下げて車速などのパラメータを見る必要があり、運転安全上の問題が生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、関連技術に存在する問題を克服するために、運転者が車両情報を見るために中央制御スクリーン又はダッシュボードを頭を下げて見る必要があるという技術的問題を解決するために、車両用表示装置の制御方法、媒体及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の第1の態様によれば、外部端末と通信接続して前記外部端末から送信されたデータ情報を収集するために使用され、投影表示モードとスクリーン表示モードとを含む車両用表示装置の制御方法が提供され、前記方法は、車両が収集した走行パラメータを取得するステップと、前記走行パラメータに応じて、前記投影表示モード及び前記スクリーン表示モードのうちの1つまたは複数を含むターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定するステップと、前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップと、を含む。
【0005】
選択的に、前記走行パラメータに基づいて、ターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定するステップは、前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定するステップと、前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モードとターゲット表示コンテンツを決定するステップと、を含む。
【0006】
選択的に、前記走行パラメータは、照度情報を含み、前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定するステップは、前記照度情報が、予め設定された条件を満たす場合、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを第1の走行シナリオと決定するステップであって、ここで前記予め設定された条件が前記車両の第1の領域の照度と前記車両の第2の領域の照度との差が予め設定された第1の予め設定された閾値より大きいことを含むステップを含み、前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、前記走行シナリオのタイプが前記第1の走行シナリオである場合、前記スクリーン表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、前記車両が収集した道路状況画像を含む第1の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む。
【0007】
選択的に、前記走行パラメータは、障害物情報を含み、前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定するステップは、前記障害物情報が、障害物の数が予め設定された第2の予め設定された閾値より大きいことを特徴付ける場合、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを第2の走行シナリオであると決定するステップを含み、前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、前記走行シナリオのタイプが前記第2の走行シナリオである場合、前記スクリーン表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、前記車両が収集した前記障害物情報を含む前記第2の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む。
【0008】
選択的に、前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、前記走行シナリオのタイプが、前記車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が予め設定された第3の予め設定された閾値より小さいことを特徴付ける場合、前記投影表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、運転疲労を緩和するための運転支援情報を含む第3の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む。
【0009】
選択的に、前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定するステップは、前記走行シナリオのタイプが、前記車両の車速が予め設定された車速閾値以下であることを特徴付ける場合、前記投影表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、オーディオ及びビデオコンテンツを含む第4の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定するステップを含む。
【0010】
選択的に、前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップは、前記投影表示モード及び前記オーディオ及びビデオコンテンツのターゲット再生進度に基づいて、前記オーディオ及びビデオコンテンツをディスプレイし、ここで、ターゲット再生進度が、前記オーディオ及びビデオコンテンツの前回の再生が停止した進度であるステップを含む。
【0011】
選択的に、前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップは、前記ターゲット表示モードが前記スクリーン表示モードである場合、前記ターゲット表示コンテンツに対応するターゲット優先度を決定するステップと、前記ターゲット優先度が前記予め設定された優先度以上ある場合、前記表示装置の表示スクリーンに前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするように制御するステップと、前記ターゲット優先度が前記予め設定された優先度より低い場合、前記ターゲット表示コンテンツを前記車両の中央制御スクリーンに送信し、前記中央制御スクリーンによって、前記ターゲット表示コンテンツを表示するステップと、を含む。
【0012】
選択的に、選択的に、前記表示装置は、複数の表示スクリーンを含み、前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上ある場合、前記表示装置の表示スクリーンに前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするように制御するステップは、前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上ある場合、前記複数の表示スクリーンの位置情報を検出するステップと、前記位置情報と前記ターゲット優先度とに基づいて、ターゲット表示スクリーンを決定し、ここで、前記ターゲット表示スクリーンは、前記複数の表示スクリーンのうち、スクリーン優先度が前記ターゲット優先度と一致する表示スクリーンであり、前記スクリーン優先度の大きさが、この表示スクリーンと運転者キャビンとの間の距離と負の相関であるステップと、前記ターゲット表示スクリーンによって、前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするステップと、を含む。
【0013】
本開示の実施例の第2の態様によれば、コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供され、前記プログラム命令がプロセッサによって実行される場合、本開示の第1の態様によって提供される車両用表示装置の制御方法のステップを実行する。
【0014】
本開示の実施例の第3の態様によれば、投影表示モードを提供するための投影装置と、スクリーン表示モードを提供するための表示スクリーンと、外部端末と通信するための通信モジュールと、コントローラが実行可能な命令を記憶するためのメモリと、前記実行可能な命令を実行して、第1の態様の前記方法のステップを実現するためのコントローラとを備える表示装置が提供される。
【0015】
本開示の実施例によって提供される技術方案は、以下の有益な効果を含むことができる。即ち、車両が収集した走行パラメータを取得し、走行パラメータに基づいて、ターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定し、ターゲット表示モードに基づいて、ターゲット表示コンテンツを表示することにより、本開示の実施例によって提供される車両用表示装置は、車両の走行状態に基づいて投影表示モードとスクリーン表示モードとを動的に切り替えることができ、また、車両の走行状態に基づいて表示コンテンツを動的に調整することにより、運転者が中央制御スクリーンまたはダッシュボードを頭を下げて見ることなく車両情報を見ることができるだけでなく、表示モード及び表示コンテンツを動的に調整することにより、運転者が車両をより良く運転するのを補助し、車両の運転の安全性を向上させることができる。
【0016】
なお、上記一般的な説明及び後文の詳細な説明は、単なる例示的及び解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、本明細書の一部として構成され、本開示に適合する実施例を示し、本開示の原理を説明するために明細書とともに使用される。
図1】例示的な一実施例によって示される車両用表示装置の概略構成図である。
図2】例示的な一実施例によって示される車両用表示装置の制御方法のフローチャートである。
図3図2に示すステップ220の詳細なフローチャートである。
図4図2に示すステップ230の詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明が図面に関連する場合、別段の表現がない限り、異なる図面の同じ数字は同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載の実施形態は、本開示と一致する全ての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付の請求項の範囲に詳細に記載された、本開示のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例にすぎない。
【0019】
なお、本開示における信号、情報、またはデータを取得するすべての動作は、所在国の対応するデータ保護規制方針に従って、かつ、対応する装置の所有者の許可を得て実行される。
【0020】
図1は、例示的な一実施例によって示される車両用表示装置の概略構成図である。図1に示すように、本開示の実施例によって提供される表示装置は、投影装置110と、表示スクリーン120と、通信モジュール130と、メモリ140と、コントローラ150とを備え、投影装置110、表示スクリーン120、通信モジュール130、メモリ140は、それぞれコントローラ150に接続される。
【0021】
投影装置110は、投影表示モードを提供する表示装置本体に配置することができる。例えば、投影装置110は、車両のフロントガラスに向けて配置され、車両のフロントガラスに表示コンテンツを投影することができる。表示スクリーン120は、表示装置本体に配置することができる。また、表示スクリーン120は、表示装置本体に固定的に配置され、または表示装置本体に着脱可能に接続することができる。表示スクリーン120は、運転者が表示スクリーン120を介して表示コンテンツを見ることができるように、運転者の方向に向けて配置することができる。例示的に、表示スクリーン120は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)またはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)などであってもよい。
【0022】
通信モジュール130は、外部端末と通信して、外部端末から送信されたデータ情報を取得するためのものである。外部端末は、スマートフォン、タブレットなどの移動端末であってもよい。もちろん、外部端末は車両であってもよい。表示装置は、通信モジュール130を介して、車内の移動端末及び/または車両の中央制御とローカルエリアネットワーク接続することができる。通信モジュール130は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュールなどであってもよい。もちろん、この通信モジュール130は、ワイヤハーネスを介して車両と接続するためのコントローラ150に接続されたデータポートであってもよい。例えば、データポートはバス通信ポートとすることができ、データポートは、ワイヤハーネスを介して車両の中央制御ポートに接続され、車両が収集したデータ情報を取得することができる。
【0023】
表示装置は、表示装置本体を車両の中央制御スクリーンに固定するための固定具を備えることができることを説明すべきである。例示的に、固定具は、車両に配置された第2の磁気吸引部と吸引し位置合わせるための第1の磁気吸引部と、締め具によって、表示装置本体を車両に固定するための固定部とを備えることができる。締め具は、ボルト、リベットなどであってもよく、すなわち、表示装置本体をボルトによって車両に接続されてもよいし、またはリベットによって車両に接続されてもよい。もちろん、固定部は、留め具などの他の固定用部品であってもよい。
【0024】
また、表示装置は、バッテリと、バッテリに接続され、車両の電圧出力ポートに接続するための電源ポートとを備える電源モジュールを備えることができる。
【0025】
図2は、例示的な一実施例によって示される車両用表示装置の制御方法のフローチャートである。図2に示すように、この制御方法は、図1に示すような表示装置に使用され、以下のステップを含む。
【0026】
ステップ210において、車両が収集した走行パラメータを取得する。
【0027】
ここで、走行パラメータは、車速情報、車両位置情報、障害物情報、照度情報などを含むことができる。車速情報は、車両に配置された速度センサにより取得された車両のリアルタイムテストを指すことができる。車両位置情報は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)または北斗衛星測位システムである車両の測位モジュールによって取得されたこの車両の現在位置情報を指すことができる。車両位置情報によって、高速道路、都市道路、田園道路など、車両が現在位置している道路のタイプを判断することができる。障害物情報は、他の車両の台数、非自動車の台数、歩行者の数など、車両の周囲に存在する障害物のタイプ及び数を指すことができる。障害物情報は、車両に配置されたレーザレーダによって取得された点群データ及び/又は撮像装置によって取得された撮影画像から決定することができる。照度情報は、車両に配置された照度センサによって取得された車両に照射される光線の照度情報である。この照度情報に基づいて、車両がグレアシナリオにあるか否かを決定することができ、例えば、車両が夜間に走行しているとき、対向車両にハイビームを点灯させると、照度センサが検出した照度情報から、車両がグレアシナリオにあることを決定することができる。
【0028】
なお、表示装置は、車両との通信接続により、車両が収集した走行パラメータを取得することができる。もちろん、表示装置は、移動端末との通信接続により、車両が収集した走行パラメータを取得することができ、該移動端末は車両と通信接続され、車両が収集した走行パラメータを取得し、走行パラメータを表示装置に送信する。
【0029】
ステップ220において、前記走行パラメータに基づいて、ターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定する。
【0030】
ここで、異なる走行パラメータ対して、異なるターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツに対応することができる。ターゲット表示モードは、投影表示モード及びスクリーン表示モードのうちの1つまたは複数を含む。ターゲット表示コンテンツは、オーディオ及びビデオコンテンツ、車両状態パラメータ、道路状況画像、運転支援情報、障害物情報などのコンテンツのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0031】
ステップ230において、前記ターゲット表示モードに基づいて、前記ターゲット表示コンテンツを表示する。
【0032】
ここで、表示装置は、ターゲット表示モードによって、ターゲット表示コンテンツを表示する。例えば、ターゲット表示モードが投影表示モードであり、ターゲット表示コンテンツが車両状態パラメータである場合、表示装置は、車両状態パラメータを投影するように投影装置を制御する。ターゲット表示モードがスクリーン表示モードであり、ターゲット表示コンテンツが道路状況画像である場合、表示装置は、道路状況画像を表示するように表示スクリーンを制御する。ターゲット表示モードが投影表示モードとスクリーン表示モードであり、ターゲット表示コンテンツがオーディオ及びビデオコンテンツである場合、表示装置は、オーディオ及びビデオコンテンツを投影するように投影装置を制御し、オーディオ及びビデオコンテンツを表示するように表示スクリーンを制御する。
【0033】
これにより、車両が収集した走行パラメータを取得し、走行パラメータに基づいてターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定し、ターゲット表示モードに基づいてターゲット表示コンテンツを表示することにより、本開示の実施例が提供した車両用表示装置は、車両の走行状態に基づいて投影表示モードとスクリーン表示モードとを動的に切り替えることができ、また、車両の走行状態に基づいて表示コンテンツを動的に調整することにより、運転者が中央制御スクリーンまたはダッシュボードを頭を下げて見ることなく車両情報を見ることができるだけでなく、表示モード及び表示コンテンツを動的に調整することにより、運転者が車両をより良く運転できるように支援し、車両の運転の安全性を向上させることができる。
【0034】
図3は、図2に示すステップ220の詳細なフローチャートである。図3に示すように、ステップ220は、以下のステップを含むことができる。
【0035】
ステップ221において、前記走行パラメータに基づいて、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定する。
【0036】
ここで、走行パラメータによって、車両が現在位置している走行シナリオのタイプが異なる。例えば、車両位置情報が高速道路にあることを特徴付ける場合、車両が現在位置している走行シナリオのタイプは高速道路シナリオである。照度情報が予め設定された照度よりも大きい場合、車両が現在位置している走行シナリオのタイプはグレアシナリオである。障害物情報が、障害物の数が予め設定された第2の予め設定された閾値よりも大きいことを特徴付ける場合、車両が現在位置している走行シナリオのタイプが複雑な道路状況シナリオであることを特徴付ける。
【0037】
ステップ222において、前記走行シナリオのタイプに基づいて、前記ターゲット表示モード及び前記ターゲット表示コンテンツを決定する。
【0038】
ここで、走行シナリオのタイプによって、ターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツが異なる。走行シナリオのタイプはターゲット表示モードとターゲット表示コンテンツとのマッピング関係に基づいて、車両が現在位置している走行シナリオのタイプに対応するターゲット表示モードと前記ターゲット表示コンテンツを決定することができる。
【0039】
これにより、走行パラメータに基づいて、車両が現在位置している走行シナリオのタイプを決定し、走行シナリオのタイプに基づいて、表示装置のターゲット表示モード及びターゲット表示コンテンツを決定し、車両の走行シナリオのタイプに応じて、表示モード及び表示コンテンツを動的に調整して、運転者が車両をより良く運転できるように支援して、車両の運転の安全性を向上させることができる。例えば、走行シナリオのタイプが複雑な道路状況を特徴付ける場合、投影表示するターゲット表示コンテンツが運転者の視線に影響を与えないように、表示装置はスクリーン表示モードでターゲット表示コンテンツをディスプレイする。走行シナリオのタイプが道路状況の安全レベルが予め設定されたレベルよりも大きいことを特徴付ける場合、表示装置は投影表示モードに切り替えることができ、投影表示モードでターゲット表示コンテンツをフロントガラスに投影することにより、運転者が頭を下げることなくターゲット表示コンテンツを直接見ることができる。
【0040】
実現可能ないくつかの実施形態では、前記照度情報が予め設定された条件を満たす場合、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオであると決定し、ここで、前記予め設定された条件が、前記車両の第1の領域の照度と前記車両の第2の領域の照度との差が第1の予め設定された閾値よりも大きいことを含む。前記走行シナリオのタイプが前記第1の走行シナリオである場合、前記スクリーン表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、前記車両が収集した道路状況画像を含む第1の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定する。
【0041】
ここで、照度情報は、第1の領域の照度と、第2の領域の照度とを含むことができる。車両は、第1の領域と第2の領域に配置された照度センサにより、第1の領域の照度及び第2の領域の照度を取得することができる。第1の領域と第2の領域は、車両のフロントガラスの両側面を指すことができる。
【0042】
車両の第1の領域の照度と車両の第2の領域の照度との差は、第1の予め設定された閾値よりも大きい場合、車両の運転者が強い光に照射されていることを特徴付ける。例えば、車両が夜間に走行しているときに、対向車両にハイビームを点灯させると、運転位置の照度が助手位置よりも大きい。このとき、車両が現在位置している走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオである。この第1の走行シナリオは、車両がグレアシナリオに位置していることを特徴付ける。
【0043】
第1の予め設定された閾値は、実際の状況に基づいて設定された、グレアシナリオにおける車両の照度を特徴付けることができる数値であってもよいことが理解されたい。この第1の予め設定された閾値は、実際の状況に応じて設定することができる。
【0044】
走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオである場合、表示装置はスクリーン表示モードをターゲット表示モードに決定し、第1の表示コンテンツをターゲット表示コンテンツに決定することができる。第1の表示コンテンツは、車両が収集した道路状況画像を含む。
【0045】
車両が収集した道路状況画像は、車両が画像収集装置で取得した車両の周囲又は車両前方の道路の道路状況画像であってもよい。この画像収集装置は、可視光撮像装置、赤外線撮像装置などの撮像装置であってもよく、レーザレーダ、ミリ波レーダなどのレーダであってもよい。
【0046】
走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオである場合、表示装置は車両が収集した道路状況画像を表示スクリーンで表示することができるため、運転者がグレアで道路状況が見えない場合でも、表示スクリーンに表示された道路状況画像で運転を支援することができる。
【0047】
走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオである場合、表示装置は、運転者に不要な干渉を与ないために投影表示モードをオフにしてもよく、第1の走行シナリオの場合、グレア光源の影響で道路状況画像をフロントガラスに投影してもはっきりと見えない。
【0048】
もちろん、第1の表示コンテンツには、道路状況画像の他に、速度、回転速度、油量、電力量などの他の必要な表示コンテンツを含むことができる。
【0049】
これにより、走行シナリオのタイプが第1の走行シナリオである場合、スクリーン表示モードに切り替えて車両が収集した道路状況画像を表示することにより、運転者のグレア環境での安全な運転を支援することができる。
【0050】
実現可能ないくつかの実施形態では、前記障害物情報が第2の予め設定された閾値よりも大きい障害物を特徴付ける場合、前記車両が現在位置している走行シナリオのタイプを第2の走行シナリオであると決定する。前記走行シナリオのタイプが前記第2の走行シナリオである場合、前記スクリーン表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、前記車両が収集した前記障害物情報を含む第2の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定する。
【0051】
ここで、障害物情報は、障害物の数が第2の予め設定された閾値よりも大きいことを特徴付けるものであり、車両の周囲または車両の前方の道路で検出された障害物の数であってもよい。障害物情報が、障害物の数が第2の予め設定された閾値よりも大きいことを特徴付ける場合、車両が現在位置している走行シナリオのタイプが第2の走行シナリオであると決定する。第2の予め設定された閾値の大きさは、実際の状況に応じて設定することができる。
【0052】
第2の走行シナリオは、車両が複雑な道路状況に位置している時、車両の周囲の環境は、車両に潜在的危険性をもたらしやすいことを意味することができることが理解されたい。例えば、車両が、人ごみの多いエリアを通過し、または渋滞している道路にいる場合、車両が現在位置している走行シナリオのタイプは第2の走行シナリオであると理解することができる。
【0053】
走行シナリオのタイプが第2の走行シナリオである場合、表示装置はスクリーン表示モードをターゲット表示モードに決定し、第2の表示コンテンツをターゲット表示コンテンツに決定することができる。第2の表示コンテンツは、車両が収集した障害物情報を含む。
【0054】
なお、走行シナリオのタイプが第2の走行シナリオである場合、表示装置は、表示スクリーンによって、障害物情報を表示することができるため、表示スクリーンに表示された障害物情報によって運転者が障害物を認識するのを補助し、障害物を回避することができる。表示スクリーンに表示される障害物情報は、表示障害物の形状、のタイプ、及び距離などであってもよい。
【0055】
もちろん、第2の表示コンテンツには、障害物情報の他に、速度、回転速度、油量、電力量などの他の必要な表示コンテンツを含むことができる。
【0056】
これにより、走行シナリオのタイプが第2の走行シナリオである場合、スクリーン表示モードに切り替えて障害物情報を表示することにより、表示スクリーンに表示された障害物情報によって運転者が障害物を認識するのを補助し、障害物を回避することができ、運転の安全性を大幅に向上させることができる。
【0057】
実現可能ないくつかの実施形態では、前記走行シナリオのタイプが、前記車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が第3の予め設定された閾値よりも小さいことを特徴付ける場合、前記投影表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、運転支援情報を含む第3の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定する。
【0058】
ここで、車両位置情報に基づいて、車両が高速道路の走行シナリオにあるか否かを決定することができる。例えば、車両位置情報に基づいて、車両が高速道路を走行しているか否かを判断し、そうであれば、車両が高速道路の走行シナリオにあると判断する。障害物の数が第3の予め設定された閾値より少ないであるか否かは、車両が収集した障害物情報によって決定することができる。
【0059】
走行シナリオのタイプが、車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が第3の予め設定された閾値よりも少ないことを特徴付ける場合、車両は高速道路の走行シナリオにあることを示し、車両が位置している走行環境が、車両に与える潜在的危険性が低いことが理解されたい。
【0060】
もちろん、運転の安全性をさらに強化するために、表示装置は、車両が収集した気象情報を取得し、気象情報によって、車両の運転環境が車両に与える潜在的危険性の大きさをさらに測定する。例えば、雨や雪の天気は、車両の運転環境が車両に与える潜在的危険性が高いことを特徴付け、晴れた天気は、車両の運転環境が車両に与える潜在的危険性が低いことを特徴付ける。
【0061】
ここで、第3の予め設定された閾値は第2の予め設定された閾値より小さくて、この第3の予め設定された閾値は実際の使用状況に応じて設定することができる。
【0062】
走行シナリオのタイプが、車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が第3の予め設定された閾値よりも少ないことを特徴付ける場合、車両の運転環境は、車両に与える潜在的危険性が低く、運転手は、運転疲労を起こしやすいことを示す。このとき、表示装置は投影表示モデルをターゲット表示モデル、第3の表示コンテンツをターゲット表示に決定することができる。
【0063】
ここで、第3の表示コンテンツは、運転の疲労を緩和するための運転支援情報を含む。この支援情報は、運転手の運転の疲労を緩和するための表示コンテンツである。例えば、運転支援情報は動的地図、経路計画、またはまばたき率を向上させることができる他の画像であってもよい。
【0064】
なお、走行シナリオのタイプが、車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が第3の予め設定された閾値よりも少ないことを特徴付ける場合、表示装置は投影装置によって、運転支援情報を投影することができ、運転手が高速道路の走行シナリオで運転支援情報によって視覚の疲労を緩和し、運転手の注意力を高めることができる。
【0065】
もちろん、第3の表示コンテンツには、運転支援情報の他に、速度、回転速度、油量、電力量などの他の必要な表示コンテンツを含むことができる。
【0066】
これにより、走行シナリオのタイプが、車両が高速道路の走行シナリオに位置しており、かつ障害物の数が第3の予め設定された閾値よりも少ないことを特徴付ける場合、投影表示モードに切り替えて運転支援情報を表示することにより、運転者が、投影装置によって投影された障害物情報によって、注意力を高めることができ、運転の安全性を大幅に向上させることができる。
【0067】
実現可能ないくつかの実施形態では、前記走行シナリオのタイプが、前記車両の車速が予め設定された車速閾値以下であることを特徴付ける場合、前記投影表示モードを前記ターゲット表示モードに決定し、オーディオ及びビデオコンテンツを含む第4の表示コンテンツを前記ターゲット表示コンテンツに決定する。
【0068】
ここで、走行シナリオのタイプは、車両の車速が予め設定された車速閾値以下であることを特徴付け、車両が駐停車シナリオにあることを指すことができる。ここで、駐停車シナリオは、車両が停車状態にあることを指すことができ、停車状態は、エンスト停車状態であってもよいし、停車して信号待ちをするなどの駐車状態であってもよい。
【0069】
例示的に、車両の車速情報に基づいて、車両が駐停車シナリオにあるか否かを決定することができる。車速情報が0である場合、駐停車シナリオにあることを示す。車速情報が0より大きい場合、駐停車シナリオにないことを示す。もちろん、他の実施形態では、車両のパーキングブレーキ(ハンドブレーキ)がオンか否かに基づいて、車両が駐停車シナリオにあるか否かを判断することもできる。例えば、車両のパーキングブレーキがオンになっている場合、車両が駐停車シナリオにあると決定し、車両のパーキングブレーキがオンになっていない場合、車両が駐停車シナリオにないと決定する。
【0070】
もちろん、走行シナリオのタイプは、車両の車速が予め設定された車速閾値以下であることを特徴付けることができ、車両が低速走行シナリオにあることを指すこともできる。いくつかの実施形態では、車速情報が予め設定された車速閾値以下である場合、車両が低速走行シナリオにあると決定する。例えば、車両の車速が10km/h以下である場合、車両が低速走行シナリオにあると決定する。予め設定された車速閾値の具体的な取りうる値は、実際な状況に応じて設定することができる。
【0071】
なお、車両の車速が予め設定された車速閾値以下であり、かつ予め設定された時間長が維持されている場合、頻繁に表示モードが切り替えされないように、走行シナリオのタイプが、車両の車速を予め設定された車速閾値以下であることを特徴付けると決定することができる。
【0072】
走行シナリオのタイプは、車両の車速が予め設定された車速閾値以下であることを特徴付ける場合、車両がより安全な走行環境にあることを示し、表示装置は、投影表示モードをターゲット表示モードに決定し、オーディオ及びビデオコンテンツを含む第4の表示コンテンツをターゲット表示コンテンツに決定することができる。オーディオ及びビデオコンテンツには、ビデオ、写真などのコンテンツが含まれ得る。もちろん、第4の表示コンテンツには、オーディオ及びビデオコンテンツの他に、速度、回転速度、油量、電力量などの他の必要な表示コンテンツも含むことができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、表示装置は、投影表示モード及びオーディオ及びビデオコンテンツのターゲット再生進度に基づいてオーディオ及びビデオコンテンツをディスプレイすることができる。
【0074】
ターゲット再生の進度は、オーディオ及びビデオコンテンツの前回の再生が停止した進度である。オーディオ及びビデオコンテンツは、車両が前回に駐停車シナリオにいたときに再生されたオーディオ及びビデオコンテンツであってもよく、ターゲット再生進度は、こオーディオ及びビデオコンテンツが駐停車シナリオから走行シナリオに切り替わるときの再生進度であってもよい。
【0075】
なお、投影表示モード及びオーディオ及びビデオコンテンツのターゲット再生進度に基づいて、オーディオ及びビデオコンテンツをディスプレイすることは、表示装置がオーディオ及びビデオコンテンツを投影装置により投影し、このオーディオ及びビデオコンテンツのターゲット再生進度から再生を開始することを指す。
【0076】
これにより、走行シナリオのタイプは、車両が駐停車シナリオにある場合、投影表示モードに切り替えてオーディオ及びビデオコンテンツを表示することにより、駐車休憩時に迅速にオーディオ及びビデオコンテンツの表示を切り替えることができ、車両のオーディオ及びビデオ鑑賞効果を取得することができ、車内の運転の楽しみを増やすことができる。
【0077】
図4図2に示すステップ230の詳細なフローチャートである。図4に示すように、ステップ230は、以下のステップを含むことができる。
【0078】
ステップ231において、前記ターゲット表示モードが前記スクリーン表示モードである場合、前記ターゲット表示コンテンツに対応するターゲット優先度を決定する。
【0079】
ここで、表示装置は、ターゲット表示モードがスクリーン表示モードである場合、予め設定された構成の表示コンテンツと優先度との対応関係に基づいて、ターゲット表示コンテンツに対応するターゲット優先度を決定することができる。
【0080】
ここで、表示コンテンツのタイプごとにこのタイプの表示コンテンツと運転との関連度に基づいて優先度を決定することができる。関連度が大きい表示コンテンツほど優先度が高く、関連度が小さい表示コンテンツほど優先度が低い。例えば、オーディオ及びビデオコンテンツの優先度をAにして、車両状態パラメータの優先度をBにして、道路状況画像の優先度をCにして、運転支援情報の優先度をDにして、障害物情報の優先度をEとすると、優先度の関係はA<B<D<E<Cとなる。
【0081】
ステップ232において、前記ターゲット優先度が予め設定された優先度よりも低いか否かを判断する。
【0082】
ここで、表示装置は、ターゲット表示コンテンツに対応するターゲット優先度が、実際の状況に基づいて設定可能な予め設定された優先度よりも低いか否かを判断する。ターゲット優先度が予め設定された優先度より小さい場合、ステップ234を実行し、ターゲット優先度が予め設定された優先度以上である場合、ステップ233を実行する。
【0083】
ステップ233において、前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上である場合、前記表示装置の表示スクリーンに前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイするように制御する。
【0084】
ここで、ターゲット優先度が予め設定された優先度以上であることは、ターゲット表示コンテンツが、運転との関連性が高い表示コンテンツであることを示すため、より重要なターゲット表示コンテンツは、表示装置の表示スクリーンによってディスプレイすることができ、運転者が頭を下げなくてもターゲット表示コンテンツを直接見ることができる。
【0085】
ステップ234において、前記ターゲット優先度が前記予め設定された優先度よりも低い場合、前記ターゲット表示コンテンツを前記車両の中央制御スクリーンに送信し、前記中央制御スクリーンによって、前記ターゲット表示コンテンツ表示する。
【0086】
ここで、ターゲット優先度が予め設定された優先度よりも低いことは、ターゲット表示コンテンツが、運転に関連しない表示コンテンツであることを示す。このとき、表示装置の表示スクリーンは、より優先度の高い他のコンテンツを表示するために使用することができ、予め設定された優先度よりも低いターゲット優先度のターゲット表示コンテンツは、車両の中央制御スクリーンに送信され、中央制御スクリーンによって表示され得る。
【0087】
例えば、ターゲット表示コンテンツがオーディオ及びビデオコンテンツであってもよく、オーディオ及びビデオコンテンツに対応するターゲット優先度が予め設定された優先度よりも小さい場合、オーディオ及びビデオコンテンツを車両の中央制御スクリーンに送信して、中央制御スクリーンによって、ターゲット表示コンテンツを表示することができる。これに基づいて、表示装置の表示スクリーンは、道路状況画像、障害物情報、車両状態パラメータなど、より優先度の高い他のコンテンツを表示するために使用することができる。
【0088】
もちろん、いくつかの実施形態では、表示装置は、オーディオ及びビデオコンテンツを車両の中央制御スクリーンに送信し、中央制御スクリーンにヒント情報を表示することができ、該ヒント情報は、中央制御スクリーンでオーディオ及びビデオコンテンツを表示するか否かをユーザに提示するために使用される。ユーザが中央制御スクリーンでオーディオ及びビデオコンテンツを表示することを選択した場合、中央制御スクリーンでオーディオ及びビデオコンテンツを表示する。
【0089】
これにより、ターゲット優先度が予め設定された優先度以上ターゲット表示コンテンツを表示装置の表示スクリーンに表示し、ターゲット優先度が予め設定された優先度より小さいターゲット表示コンテンツを中央制御スクリーンに送信して表示することにより、より重要なターゲット表示コンテンツを表示装置の表示スクリーンにディスプレイすることができ、運転者が頭を下げなくてもターゲット表示コンテンツを直接見ることができるだけでなく、中央制御スクリーンの利用効率を向上させることができる。
【0090】
実現可能ないくつかの実施形態では、表示装置は、スクリーン表示モードを提供するための複数の表示スクリーンを備えることができる。
【0091】
実現可能ないくつかの実施形態では、前記ターゲット優先度が予め設定された優先度以上ある場合、前記複数の表示スクリーンの位置情報を検出し、前記位置情報と前記ターゲット優先度とに基づいて、ターゲット表示スクリーンを決定し、ここで、前記ターゲット表示スクリーンは、前記複数の表示スクリーンのうち、スクリーン優先度が前記ターゲット優先度と一致する表示スクリーンであり、前記スクリーン優先度の大きさが、この表示スクリーンと運転者キャビンとの間の距離と負の相関であり、
前記ターゲット表示スクリーンによって、前記ターゲット表示コンテンツをディスプレイする。
【0092】
ここで、第1の表示スクリーンと第2の表示スクリーンとを備える複数の表示スクリーンを例として、表示装置は、表示装置は第1の表示スクリーンの第1の位置情報と、第2の表示スクリーンの第2の位置情報とを決定することができる。第1の表示スクリーン及び第2の表示スクリーンに位置センサを配置してもよく、位置センサにより、第1の表示スクリーンの第1の位置情報及び第2の表示スクリーンの第2の位置情報を決定することができる。
【0093】
もちろん、他の実施形態では、慣性測定ユニット(Inertial Measurement Unit,IMU)が表示装置に配置されてもよい。表示装置に複数の表示スクリーンが固定されている場合、慣性測定ユニットにより、表示装置の車両での配置位置及び配置角度を決定でき、複数の表示スクリーンの位置情報を決定することができる。
【0094】
第1の位置情報及び第2の位置情報は、第1及び第2の表示スクリーンの車内での配置位置及び配置角度を指すことができることを理解されたい。
【0095】
表示装置は、複数の表示スクリーンの位置情報と、ターゲット表示コンテンツのターゲット優先度とに基づいて、複数の表示スクリーンからターゲット表示スクリーンを決定することができる。例えば、表示装置は、第1の位置情報、第2の位置情報及びターゲット優先度に基づいて、第1の表示スクリーン及び第2の表示スクリーンからターゲット表示スクリーンを決定することができる。ターゲット表示スクリーンは、複数の表示スクリーンのうち、スクリーン優先度がターゲット優先度と一致する表示スクリーンである。スクリーン優先度とは、複数の表示スクリーンにおける表示に使用するコンテンツの優先度を指し、表示スクリーンのスクリーン優先度が高いほど、ターゲット優先度が高い表示コンテンツを表示スクリーンに表示する
【0096】
いくつかの実施形態では、スクリーン優先度の大きさは、表示スクリーンと運転者キャビンとの距離と負の相関である。すなわち、運転者キャビンに近い表示スクリーンほど、対応するスクリーン優先度が高い。例えば、複数の表示スクリーンのうち、運転者キャビンとの距離が最も近い表示スクリーンは、対応するスクリーン優先度が最も高い表示スクリーンである。表示ターゲット表示スクリーンが、運転者の視覚範囲内に配置され、運転者キャビンとの距離が最も近く、障害なく観察可能な表示スクリーンである。
【0097】
複数の表示スクリーンの位置情報に基づいて、各表示スクリーンが現在位置に配置されたときに対応するスクリーン優先度を決定することができ、このスクリーン優先度に基づいて、各ターゲット表示コンテンツに対応するターゲット表示スクリーンを決定することができる。例えば、オーディオ及びビデオコンテンツの優先度をAにして、車両状態パラメータの優先度をBにして、道路状況画像の優先度をCにして、運転支援情報の優先度をDにして、障害物情報の優先度をEとすると、優先度の関係はA<B<D<E<Cとなる。第1の表示スクリーンのスクリーン優先度は5であり、第2の表示スクリーンのスクリーン優先度は4である。ターゲット表示コンテンツが道路状況画像とともに障害物情報を含む場合、障害物情報を表示するターゲット表示スクリーンを第1表示スクリーンとし、道路状況画像を表示するターゲット表示スクリーンを第2表示スクリーンとする。
【0098】
ターゲット表示スクリーンが決定された後、表示装置はターゲット表示スクリーンにターゲット表示コンテンツをディスプレイさせるように制御する。
【0099】
ターゲット表示スクリーン以外の他の表示スクリーンについては、この既存の表示コンテンツを維持することができることが理解されたい。例えば、第2の表示スクリーンがターゲット表示スクリーンである場合、ターゲット表示コンテンツが第2の表示スクリーンによってディスプレイされる。第1の表示スクリーンについては、この既存の表示コンテンツが維持される。すなわち、第1表示スクリーンと第2表示スクリーンの表示コンテンツを独立して制御することができる。
【0100】
これにより、複数の表示スクリーンの位置情報とターゲット優先度とによってターゲット表示スクリーンを決定し、このターゲット表示スクリーンを介してターゲット表示コンテンツをディスプレイすることで、他の表示スクリーンのコンテンツに影響を与えることなく、運転者がターゲット表示スクリーンでターゲット表示コンテンツを迅速に見ることができる。
【0101】
本開示は、プロセッサによって実行される場合、本開示によって提供される車両用表示装置の制御方法のステップを実行するコンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0102】
図1に示すように、本開示は、投影表示モードを提供する投影装置110と、スクリーン表示モードを提供するための表示スクリーン120と、外部端末と通信するための通信モジュール130と、コントローラが実行可能な命令を記憶するためのメモリ140と、前記実行可能な命令を実行して、本開示によって提供される車両用表示装置の制御方法のステップを実現するためのコントローラ150とを備える表示装置をさらに提供する。
【0103】
いくつかの実施例では、表示スクリーン120の数は複数であってもよく、例えば、表示スクリーン120は、第1の表示スクリーン及び第2の表示スクリーンを備えることができる。
【0104】
当業者は、明細書を検討し、かつ、本開示を実践した後、本開示の他の実施案を容易に想到し得る。本開示は、本開示のいかなる変形、用途または適宜な変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途または適宜な変化は、本開示の一般原理に従るとともに、本開示で開示されていない当分野の公知常識または慣用技術手段を含む。明細書および実施例は、単なる例示と見なされ、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって指摘される。
【0105】
なお、本開示は、上記に記載され、図面に示されている厳密な構造に限定されず、その範囲から逸脱しない限り、様々な修正や変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
図4