(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134516
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、端末及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240926BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20240926BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20240926BHJP
【FI】
G06Q30/0241 446
H04N21/235
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003024
(22)【出願日】2024-01-12
(62)【分割の表示】P 2023044645の分割
【原出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】羅皓蓉
(72)【発明者】
【氏名】楊家宜
(72)【発明者】
【氏名】江侑馨
(72)【発明者】
【氏名】張政傑
(72)【発明者】
【氏名】王勝延
(72)【発明者】
【氏名】蔡良方
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA27
5C164SA25S
5C164SB08P
5C164SC11P
5C164UD61S
5C164YA11
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】ライブコマースにおいて配信者側の活動と視聴者側の反応との相関を容易に見出すことができるようにする。
【解決手段】コンピュータプログラムは、販売対象に関連付けられたライブ配信の分析画面をディスプレイに表示させる機能と、配信者側の販売活動を示す第1オブジェクトと、視聴者側の反応を示す第2オブジェクトと、を併せて同じ時間軸に沿って分析画面に表示させる機能と、を端末に実現させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売対象を販売するための動画をライブ配信する配信者側の端末に、
前記配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトに含まれる前記販売対象を示す第1販売オブジェクトと、前記動画を視聴する視聴者側の反応を示す反応オブジェクトと、を同じ時間軸に沿って表示するグラフを含むように生成された前記ライブ配信の分析画面を、前記端末のディスプレイに表示させる機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記反応オブジェクトは、前記一又は複数の販売対象を注文するために行われる動作の数を示すオブジェクトを含み、前記販売オブジェクトは、前記ライブ配信における前記一又は複数の販売対象の紹介に係る活動を示すオブジェクトを含む請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記販売対象は、複数の販売対象を含み、
前記ライブ配信は前記複数の販売対象に関連付けられ、前記反応オブジェクトは、それぞれが前記複数の販売対象のうちの対応する販売対象を注文するために行われる動作の数を示す複数のオブジェクトを含み、前記販売オブジェクトは、それぞれが対応する販売対象の紹介に係る活動を示す複数のオブジェクトを含む請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
各視聴者は行動履歴によって複数のカテゴリのうちのひとつに分類され、前記反応オブジェクトは、それぞれが対応するカテゴリに属する視聴者の反応を示す複数のオブジェクトを含む請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記反応オブジェクトは、前記ライブ配信におけるコメントの数を示すオブジェクト、前記ライブ配信がシェアされた回数を示すオブジェクト、前記ライブ配信において所定のアイコンが指定された回数を示すオブジェクトのうちの少なくともひとつを含む請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
管理者側からのメッセージを前記分析画面にリアルタイムで表示させる機能をさらに前記端末に実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトに含まれる販売対象を示す第1販売オブジェクトと、視聴者側の反応を示す反応オブジェクトと、を同じ時間軸に沿って表示するグラフを含むように生成された、前記販売対象に関連付けられたライブ配信の分析画面を、ディスプレイに表示させる手段を備える端末。
【請求項8】
販売対象に関連付けられたライブ配信に係る動画データの、配信者側の端末から視聴者側の端末への伝送を中継する手段と、
ライブ配信中の配信者側の販売活動を示す信号を、配信者側の端末からネットワークを介して受信する手段と、
ライブ配信中の視聴者側の反応を示す信号を、視聴者側の端末からネットワークを介して受信する手段と、
配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトに含まれる前記販売対象を示す第1販売オブジェクトと、視聴者側の反応を示す反応オブジェクトと、を同じ時間軸に沿って表示するグラフを含むように生成された前記ライブ配信の分析画面を生成する手段と、
生成された分析画面を配信者側の端末にネットワークを介して送信する手段と、を備えるサーバ。
【請求項9】
ライブ配信の撮像を行う端末と分析画面を表示する端末とは異なる請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記販売オブジェクトは、前記一又は複数の販売対象が紹介されている期間又は紹介されていた期間を示す第2販売オブジェクトを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記分析画面は、前記配信者側の販売活動の履歴を示す第1履歴データと、前記視聴者側の反応を示す第2履歴データと、に基づいて生成される、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記第1履歴データは、前記販売対象を識別する販売対象IDと、前記配信者側が前記販売対象の紹介をいつ開始したかを示す第1時刻データと、を含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記第2履歴データは、前記視聴者を識別する視聴者IDと、前記視聴者の反応がなされた時刻と、を含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記グラフは、前記分析画面内のグラフ表示領域に表示され、
前記グラフ表示領域には、前記時間軸に沿って前記配信者側が前記販売対象の紹介を開始した紹介開始時点及び前記販売対象の紹介を終了した紹介終了時点が表示される、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記販売オブジェクトは、前記紹介開始時点を示すマーク及び前記紹介終了時点を示すマークを含む、
請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラム、端末及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ライブコマース(Live Commerce)とは、ライブ配信とEC(E-Commerce)とを組み合わせた新しい接客・販売手法である。ライブコマースによると、場所にとらわれず、実店舗で行うような購買体験をユーザに提供することができる(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/106034号パンフレット
【特許文献2】特開2019-109785号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「ライブコマースとは」、HandsUP、URL:https://handsup.17.live/live-commerce/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ライブコマースでは、売り手側すなわち配信者側の一挙手一投足が、買い手側すなわち視聴者側の行動に、ダイレクトにかつリアルタイムで反映される。配信者側の活動と視聴者側の反応との相関を見出すことができれば、配信者側はその知見によりライブコマースの最適化を図ることができる。しかしながら、従来の技術ではそのような相関を見出すことは容易ではない。
【0006】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブコマースにおいて配信者側の活動と視聴者側の反応との相関を容易に見出すことを可能とする技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、コンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、販売対象に関連付けられたライブ配信の分析画面をディスプレイに表示させる機能と、配信者側の販売活動を示す第1オブジェクトと、視聴者側の反応を示す第2オブジェクトと、を併せて同じ時間軸に沿って分析画面に表示させる機能と、を端末に実現させる。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、サーバである。このサーバは、販売対象に関連付けられたライブ配信に係る動画データの、配信者側の端末から視聴者側の端末への伝送を中継する手段と、ライブ配信中の配信者側の販売活動を示す信号を、配信者側の端末からネットワークを介して受信する手段と、ライブ配信中の視聴者側の反応を示す信号を、視聴者側の端末からネットワークを介して受信する手段と、配信者側の販売活動を示す第1オブジェクトと、視聴者側の反応を示す第2オブジェクトと、を併せて同じ時間軸に沿って表示する分析画面を生成する手段と、生成された分析画面を配信者側の端末にネットワークを介して送信する手段と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ライブコマースにおいて配信者側の活動と視聴者側の反応との相関を容易に見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係るライブコマースシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の配信者携帯端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の配信者制御端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の視聴者端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1のLCサーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図6】
図5の配信情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図5のコメント履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図8】
図5のエフェクト送信履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図9】
図5の視聴者履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図10】
図5の視聴者情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図11】
図5のシェア履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図12】
図5のカートイン履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図13】LCライブ配信中に分析画面を更新するときのライブコマースシステムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される配信画面の代表画面図である。
【
図15】配信制御者の配信者制御端末のディスプレイに表示される配信制御画面の代表画面図である。
【
図16】配信制御者の配信者制御端末のディスプレイに表示されるユーザ動向分析画面の代表画面図である。
【
図17】配信制御者の配信者制御端末のディスプレイに表示されるカートイン数分析画面の代表画面図である。
【
図18】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図19】変形例に係るカートイン数分析画面のグラフ表示領域の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
実施の形態に係るライブコマースシステムでは、販売対象の商品および/または役務(以下、単に販売対象と称す)の販売を目的として行われるライブ配信(以下、LCライブ配信と称す)の最中にリアルタイムで、または、当該LCライブ配信が終わった後に、配信者側の販売活動と視聴者側の反応とを同じ時間軸に沿って表示する分析画面が配信者側のユーザに提供される。配信者側のユーザは分析画面を見ることで販売活動と反応との相関を理解することができる。配信者側のユーザは発見された相関に基づいてLCライブ配信の内容を最適化することができる。これにより、ライブコマースシステムを通じた販売対象の販売を促進することができる。
【0014】
図1は、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成を示す模式図である。ライブコマースシステム1は、LC(ライブコマース)サーバ10と、配信者側の配信者携帯端末20と、配信者側の配信者制御端末30と、ライブコマースシステム1により提供されるライブコマースサービスの管理者42が使用する管理者端末40と、視聴者(52a、52b、…)側の視聴者端末50(50a、50b、…)と、を備える。LCサーバ10、配信者携帯端末20、配信者制御端末30、管理者端末40および視聴者端末50はインターネットなどのネットワーク60により互いに通信可能に接続される。LCサーバ10は、ネットワーク60に接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。配信者携帯端末20は、例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよい。配信者制御端末30および管理者端末40は、例えばデスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。視聴者端末50は、例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。
【0015】
配信者携帯端末20および配信者制御端末30は配信者側の端末を構成する。配信者側では、配信者22が配信者携帯端末20に向けて販売対象を紹介し、配信制御者32が配信者制御端末30を通じてLCライブ配信の内容を制御する。本実施の形態では配信者側が配信者22と配信制御者32とを含む場合を説明するが、他の実施の形態では一名の配信者が一台の端末を用いてLCライブ配信を行ってもよい。この場合、以下で説明する配信者制御端末30の機能を配信者携帯端末20に持たせてもよい。
【0016】
LCサーバ10はLCライブ配信をホストする。LCサーバ10は、LCライブ配信が行われている間、販売対象の紹介開始や紹介終了などの配信者側の販売活動と、コメントやシェアやカートインなどの視聴者側の反応と、を履歴データとして蓄積する。LCサーバ10はLCライブ配信の履歴データに基づき分析画面を生成し、ネットワーク60を介して配信者制御端末30に送信する。配信者制御端末30は分析画面をディスプレイに表示させる。配信制御者32は、分析画面から理解される相関に基づいて販売対象の紹介の仕方を策定し、配信者22に指示をする。なお、他の実施の形態では、分析画面は配信者制御端末30によって生成されてもよい。
【0017】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者携帯端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者端末50で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者がコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者が所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者と視聴者とのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0018】
本明細書において「動画データ」は、配信者携帯端末20の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、配信者携帯端末20の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、視聴者端末50で再生されることで、視聴者によるコンテンツの視聴を可能とする。
【0019】
図1の例では、配信者22がLCライブ配信において販売対象を紹介している。配信者22の配信者携帯端末20は配信者22の像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。併せて配信者携帯端末20および配信者制御端末30はそれぞれ、録画された配信者22の動画像VDをディスプレイに表示させることで、配信者側(配信者22および配信制御者32)による配信内容の確認を可能とする。
【0020】
配信者22のLCライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bはそれぞれ、ネットワーク60を介してLCライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各視聴者端末50a、50bで表示される動画像VD1、VD2は配信者22の配信者携帯端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各視聴者端末50a、50bで出力される音声も配信者22の配信者携帯端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0021】
配信者22の配信者携帯端末20における録音・録画と、視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者22が紹介する販売対象についてひとりの視聴者52aが質問を視聴者端末50aに入力すると、LCサーバ10は当該質問をリアルタイムで配信者22の配信者携帯端末20および配信制御者32の配信者制御端末30に表示させると共に各視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bにも表示させる。配信者22が質問に回答をすると、その回答の動画像と音声が各視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bで出力され、これにより配信者22と視聴者52aとの会話が成立したと認識される。このように、LCライブ配信では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0022】
図2は、
図1の配信者携帯端末20の機能および構成を示すブロック図である。
図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0023】
配信者22は、ダウンロードサイトからネットワーク60を介して、本実施の形態に係るアプリケーションプログラムを配信者携帯端末20にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、アプリケーションプログラムは配信者携帯端末20にプリインストールされていてもよい。アプリケーションプログラムが配信者携帯端末20により実行されることにより、配信者携帯端末20はネットワーク60を介してLCサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、配信者携帯端末20(のCPUなどのプロセッサ)がアプリケーションプログラムを実行することにより実現する機能を配信者携帯端末20の機能として説明する。それらの機能は実際はアプリケーションプログラムが配信者携帯端末20に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、LCサーバ10から配信者携帯端末20のウェブブラウザにネットワーク60を介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。同様に、配信制御者32は配信者制御端末30にアプリケーションプログラムをインストールし、視聴者は視聴者端末50にアプリケーションプログラムをインストールする。
【0024】
配信者携帯端末20は、配信者22の像および音声を記録した動画データを生成してLCサーバ10に提供する。配信者携帯端末20は、撮像制御部202と、音声制御部204と、動画送信部206と、配信側UI制御部208と、配信側通信部210と、を含む。撮像制御部202は
図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部202はカメラから画像データを取得する。音声制御部204は
図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部204は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部206は、撮像制御部202により取得された画像データおよび音声制御部204により取得された音声データを含む動画データを、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。動画送信部206による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部202および音声制御部204による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部206による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0025】
配信側UI制御部208は、配信者22向けのUIを制御する。配信側UI制御部208は、
図2では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部206による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部208は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者22による入力を取得する。配信側UI制御部208は、動画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、配信者22から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、LCサーバ10から取得した情報と、を含んでもよい。
【0026】
配信側通信部210は、LCライブ配信中のLCサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部210は、配信側UI制御部208が取得した配信者22による入力の内容を、LCサーバ10にネットワーク60を介して送信する。配信側通信部210は、LCライブ配信に関連付けられた各種の情報をLCサーバ10からネットワーク60を介して受信する。
【0027】
図3は、
図1の配信者制御端末30の機能および構成を示すブロック図である。配信者制御端末30は、ネットワーク60を介して配信者携帯端末20と協働し、LCライブ配信を提供する。配信者制御端末30は、表示制御部302と、コメント処理部304と、販売対象制御部306と、グラフ表示部308と、メッセージ表示部310と、を含む。
【0028】
表示制御部302は、LCライブ配信の内容を制御するための配信制御画面を生成し、配信者制御端末30のディスプレイに表示させる。表示制御部302は、販売対象に関連付けられたLCライブ配信の分析画面を、配信者制御端末30のディスプレイに表示させる。本実施の形態では、分析画面は、配信者側による販売対象の紹介活動と視聴者側の動向とを合わせて表示するユーザ動向分析画面と、配信者側による販売対象の紹介活動と視聴者によって販売対象を注文するために行われる動作の数とを合わせて表示するカートイン数分析画面と、を含む。
【0029】
コメント処理部304は、LCライブ配信の視聴者52の視聴者端末50で入力されたコメントを配信制御画面に表示させる。コメント処理部304は、配信制御者32によるコメントの入力を受け付ける。コメント処理部304は、配信者側の配信者IDと入力されたコメントとを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0030】
販売対象制御部306は、LCライブ配信において紹介する販売対象を制御する。販売対象制御部306は、配信制御画面において販売対象の紹介を開始するための指示を受け付けると、紹介を開始する販売対象の販売対象IDを含む紹介開始要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。販売対象制御部306は、配信制御画面において販売対象の紹介を終了するための指示を受け付けると、紹介を終了する販売対象の販売対象IDを含む紹介終了要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0031】
グラフ表示部308は、配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトと、視聴者側の反応を示す反応オブジェクトと、を併せて同じ時間軸に沿って分析画面に表示させる。グラフ表示部308が表示させるグラフの横軸は、LCライブ配信の開始時間を原点とする配信時間である。このグラフには販売オブジェクトと反応オブジェクトとが重ね合わせて表示される。グラフは分析画面生成部110により生成されてもよいし、グラフ表示部308により生成されてもよい。
【0032】
メッセージ表示部310は、管理者42側からのメッセージを分析画面にリアルタイムで表示させる。
【0033】
本実施の形態では、配信制御者32は配信者制御端末30を通じて販売対象の紹介の開始、終了を行い、またコメント対応を行う場合を説明するが、他の実施の形態では配信者制御端末30はクーポンの発行や値引きの受け付けを行ってもよい。
【0034】
図4は、
図1の視聴者端末50の機能および構成を示すブロック図である。視聴者端末50は、LCサーバ10からLCライブ配信に係る動画データを取得して再生する。視聴者端末50は、視聴側UI制御部502と、視聴側通信部504と、購入受付部506と、を含む。視聴側通信部504は、LCライブ配信中のLCサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部504は、ネットワーク60を介してLCサーバ10からLCライブ配信に係る動画データを受信する。
【0035】
視聴側UI制御部502は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部502は、
図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部502は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部502は、LCサーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者や配信者により入力されたコメントと、LCサーバ10により生成された情報と、を含む。
【0036】
視聴側通信部504は、視聴側UI制御部502が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。視聴者による入力は、コメントの入力と、エフェクトの表示要求と、LCライブ配信のシェア要求と、を含む。視聴者によりコメントが入力された場合、視聴側通信部504は当該視聴者の視聴者IDと当該コメントとを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。視聴者によりエフェクトの表示要求がなされた場合、視聴側通信部504は当該視聴者の視聴者IDと当該エフェクトを特定するエフェクトIDとを含むエフェクト表示要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。視聴者によりシェア要求がなされた場合、視聴側通信部504は、当該視聴者の視聴者IDを含むシェア要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0037】
購入受付部506は、LCライブ配信に関連付けられた販売対象を購入するための指示を視聴者から受け付ける。LCライブ配信を視聴している視聴者は、所望の販売対象を注文するために所定の動作を行う。購入受付部506はこの所定の動作を購入の指示として受け付ける。所定の動作は例えばLCライブ配信の配信画面に表示されている販売対象のサムネイルをタップすることであってもよい。あるいはまた、所定の動作は、販売対象のリストのなかから所望の販売対象を選択することであってもよい。あるいはまた、所定の動作は、所望の販売対象をカートに入れる(カートイン)ための一連の入力であってもよい。あるいはまた、所定の動作は、販売対象を注文することや販売対象の購入のための決済を完了させることであってもよい。購入受付部506は、所定の動作を受け付けると、所定の動作を行った視聴者の視聴者IDと所定の動作に係る販売対象の販売対象IDとを含む購入要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0038】
図5は、
図1のLCサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。LCサーバ10は、中継部102と、販売活動受付部104と、反応受付部106と、EC処理部108と、分析画面生成部110と、メッセージ処理部112と、通信部114と、配信情報保持部116と、コメント履歴保持部118と、エフェクト送信履歴保持部120と、視聴者履歴保持部122と、視聴者情報保持部124と、シェア履歴保持部126と、カートイン履歴保持部128と、を備える。
【0039】
図6は、
図5の配信情報保持部116の一例を示すデータ構造図である。配信情報保持部116は、過去のLCライブ配信の情報および現在行われているLCライブ配信の情報を保持する。配信情報保持部116は、ライブコマースシステム1が提供するライブコマースプラットフォームにおいてLCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信の配信者側を特定するユーザIDである配信者IDと、当該LCライブ配信を通して購入可能な販売対象を特定する販売対象IDと、当該LCライブ配信における販売活動データと、を対応付けて保持する。
【0040】
配信者IDは配信者を特定してもよいし、配信者のグループ(例えば、企業)を特定してもよい。LCライブ配信において複数の販売対象を扱う場合、複数の販売対象IDがストリームIDに対応付けて登録される。
【0041】
販売活動データは、LCライブ配信における配信者側の販売活動を示すデータである。本実施の形態では、販売活動データは、LCライブ配信における販売対象の紹介に係る活動を示すデータを含む。
図6の例では、販売活動データは、配信者側がいつ、どの販売対象の紹介を開始したかを示すデータと、配信者側がいつ、どの販売対象の紹介を終了したかを示すデータと、を含む。
【0042】
図7は、
図5のコメント履歴保持部118の一例を示すデータ構造図である。コメント履歴保持部118は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてコメントが投稿された時刻である投稿時刻と、当該コメントを投稿した視聴者または配信者を特定する投稿者IDと、当該コメントと、を対応付けて保持する。
【0043】
図8は、
図5のエフェクト送信履歴保持部120の一例を示すデータ構造図である。エフェクト送信履歴保持部120は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてエフェクトが送信(または使用)された時刻である送信時刻と、当該エフェクトを送信した視聴者を特定する送信者IDと、当該エフェクトを特定するエフェクトIDと、を対応付けて保持する。
【0044】
図9は、
図5の視聴者履歴保持部122の一例を示すデータ構造図である。視聴者履歴保持部122は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信において視聴者を検出した時刻である検出時刻と、当該検出時刻の時点で当該LCライブ配信を視聴している視聴者を特定する視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0045】
図10は、
図5の視聴者情報保持部124の一例を示すデータ構造図である。視聴者情報保持部124は、視聴者IDと、当該視聴者IDで特定される視聴者が過去に視聴したLCライブ配信の情報を含む視聴履歴と、当該視聴者の属性(性別、年齢、居住国)と、を対応付けて保持する。視聴履歴は、対応する視聴者が過去に視聴したLCライブ配信の配信者を特定する配信者IDを含む。視聴履歴は、対応する視聴者がLCライブ配信を視聴するごとに更新されてもよい。視聴者の属性は、当該視聴者がライブコマースプラットフォームに登録する際に取得され、視聴者情報保持部124に登録されてもよい。
【0046】
図11は、
図5のシェア履歴保持部126の一例を示すデータ構造図である。シェア履歴保持部126は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信において当該LCライブ配信がシェアされた時刻であるシェア時刻と、当該LCライブ配信をシェアした視聴者を特定するシェア元IDと、を対応付けて保持する。シェアは、視聴者がライブコマースプラットフォーム以外のシステムやサービス(例えば、ソーシャルネットワークサービス(SNS)やメッセージングサービスやプッシュ通知サービス)にLCライブ配信の情報を提供することにより実現される。シェアを実現するための技術自体は公知であるから本明細書では詳述しない。
【0047】
図12は、
図5のカートイン履歴保持部128の一例を示すデータ構造図である。カートイン履歴保持部128は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてカートインが発生した時刻であるカートイン時刻と、当該カートインを行った視聴者を特定する視聴者IDと、当該カートインの対象となった販売対象を特定する販売対象IDと、を対応付けて保持する。
図12の例では、第1行目に保持されるデータは、LCライブ配信「ST01」の4分22秒時点で、視聴者「ABC」が販売対象「PD001」をカートに入れたことを示す。
【0048】
図5に戻り、中継部102は、LCライブ配信に係る動画データの、配信者22の配信者携帯端末20から視聴者52の視聴者端末50への伝送を中継する。中継部102は、LCライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を視聴側通信部504から受信する。ユーザ入力を示す信号は、視聴者端末50のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号であってもよい。
【0049】
EC処理部108は、LCライブ配信における電子商取引に係る処理を行う。EC処理部108は、LCライブ配信において視聴者が販売対象を購入することを可能とする。EC処理部108は、LCライブ配信におけるカートに関する処理を行う。EC処理部108は、例えば特許文献1や特許文献2や非特許文献1に記載される公知の技術を用いて実現されてもよい。また、本実施の形態におけるコメントの入力や反映、販売対象の登録や紹介やカートインや注文、エフェクトの送信や反映、もまた例えば特許文献1や特許文献2や非特許文献1に記載される公知の技術を用いて実現されてもよい。
【0050】
販売活動受付部104は、LCライブ配信中の配信者側の販売活動を示す信号を、配信者側の端末(配信者携帯端末20、配信者制御端末30)からネットワーク60を介して受信する。販売活動受付部104は、販売活動を示す信号の受信に応じて配信情報保持部116を更新する。
【0051】
販売活動受付部104は、LCライブ配信中に配信者制御端末30からネットワーク60を介して紹介開始要求信号を受信する。販売活動受付部104は、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が配信者制御端末30において生成された時刻に、当該信号に含まれる販売対象IDで特定される販売対象の紹介が開始されたことを示すデータを、当該LCライブ配信のストリームIDに対応する販売活動データに加えるよう配信情報保持部116を更新する。
【0052】
販売活動受付部104は、LCライブ配信中に配信者制御端末30からネットワーク60を介して紹介終了要求信号を受信する。販売活動受付部104は、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が配信者制御端末30において生成された時刻に、当該信号に含まれる販売対象IDで特定される販売対象の紹介が終了したことを示すデータを、当該LCライブ配信のストリームIDに対応する販売活動データに加えるよう配信情報保持部116を更新する。
【0053】
反応受付部106は、LCライブ配信中の視聴者側の反応を示す信号を、視聴者側の視聴者端末50からネットワーク60を介して受信する。反応受付部106は、反応を示す信号の受信に応じてコメント履歴保持部118、エフェクト送信履歴保持部120、視聴者履歴保持部122、シェア履歴保持部126およびカートイン履歴保持部128を更新する。
【0054】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50または配信者制御端末30からネットワーク60を介してコメント入力信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、当該信号に含まれるコメントを入力したことを示すデータをコメント履歴保持部118に登録する。
【0055】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50からネットワーク60を介してエフェクト表示要求信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、当該信号に含まれるエフェクトIDで特定されるエフェクトを送信したことを示すデータをエフェクト送信履歴保持部120に登録する。
【0056】
反応受付部106は、周期的にLCライブ配信に参加している視聴者を検出し、検出された視聴者を視聴者履歴保持部122に登録する。反応受付部106は、例えば5秒に1回、LCライブ配信を視聴している視聴者のリストを生成し、視聴者履歴保持部122に登録する。
【0057】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50からネットワーク60を介してシェア要求信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が当該LCライブ配信をシェアしたことを示すデータをシェア履歴保持部126に登録する。
【0058】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50からネットワーク60を介して購入要求信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、当該信号に含まれる販売対象IDで特定される販売対象をカートインしたことを示すデータをカートイン履歴保持部128に登録する。
【0059】
分析画面生成部110は、配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトと、視聴者側の反応を示す反応オブジェクトと、を併せて同じ時間軸に沿って表示する分析画面を生成する。分析画面生成部110は、配信情報保持部116、コメント履歴保持部118、エフェクト送信履歴保持部120、視聴者履歴保持部122、視聴者情報保持部124、シェア履歴保持部126およびカートイン履歴保持部128を参照することで分析画面を生成する。生成される分析画面の詳細は後述する。
【0060】
メッセージ処理部112は、管理者42の管理者端末40からネットワーク60を介してメッセージを受信する。メッセージは、管理者端末40においてLCライブ配信を視聴している管理者42による、配信者側への提案や警告を含む。メッセージ処理部112は所定のアルゴリズムに従いLCライブ配信の内容を解析することでメッセージを自動生成してもよい。
【0061】
通信部114は、分析画面生成部110によって生成された分析画面のデータを配信者側の配信者制御端末30にネットワーク60を介して送信する。通信部114は、メッセージ処理部112によって受信または生成されたメッセージを配信者側の配信者制御端末30にネットワーク60を介して送信する。
【0062】
以上の構成によるライブコマースシステム1の動作を説明する。
図13は、LCライブ配信中に分析画面を更新するときのライブコマースシステム1における一連の処理の流れを示すフローチャートである。配信者側がLCライブ配信を開始することにより、LCサーバ10は視聴者へのLCライブ配信の提供を開始する(S202)。LCライブ配信が行われている間、LCサーバ10は以下の処理を所定間隔、例えば1分間隔で繰り返す。LCサーバ10は、各種履歴保持部(コメント履歴保持部118、エフェクト送信履歴保持部120、視聴者履歴保持部122、シェア履歴保持部126、カートイン履歴保持部128)を参照することで分析画面を生成する(S204)。LCサーバ10は、ステップS204で生成された分析画面を配信者制御端末30に送信する(S206)。LCサーバ10はLCライブ配信が終了したか否かを判定する(S208)。終了した場合(S208のYES)、処理は終了する。終了していない場合(S208のNO)、1分後に処理はステップS204に戻る。
【0063】
図14は、視聴者52の視聴者端末50のディスプレイに表示される配信画面600の代表画面図である。配信画面600は、配信者22の配信者携帯端末20で生成された動画像をリアルタイムで表示すると共に、視聴者による販売対象の購入を可能とするカート機能を備えている。配信画面600は、コメント入力領域602と、コメント表示領域604と、シェアボタン606と、ハートボタン608と、LCサーバ10から受信した動画データを再生することにより得られる配信者22の動画像610と、サムネイル612と、LCライブ配信の配信時間を示す時刻表示領域614と、カートアイコン616と、を有する。視聴側UI制御部502は、動画データを再生することにより得られる動画像610に、他のオブジェクトを重畳表示することにより配信画面600を生成する。
【0064】
コメント入力領域602は視聴者52によるコメントの入力を受け付ける。視聴者52は所望のコメントをコメント入力領域602に入力して送信ボタンをタップする。視聴側通信部504は、送信ボタンへのタップを検出すると、コメント入力領域602に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0065】
コメント表示領域604は、視聴者により入力されたコメントと、配信者側により入力されたコメントと、システムからの通知と、を含みうる。システムからの通知は、視聴者が販売対象を購入したことを示すメッセージを含む。視聴側UI制御部502はLCサーバ10から受信した表示すべきコメントを含むコメント表示領域604を生成する。
【0066】
シェアボタン606は、視聴者によるシェア要求を受け付けるためのオブジェクトである。視聴側UI制御部502は、シェアボタン606へのタップを検出すると、LCライブ配信をシェア可能な外部サービスの候補を配信画面600に表示させる。視聴側通信部504は、視聴者の視聴者IDと選択された外部サービスの情報とを含むシェア要求を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0067】
ハートボタン608は、視聴者によるハートエフェクトの表示要求を受け付けるためのオブジェクトである。視聴側通信部504は、ハートボタン608へのタップを検出すると、視聴者の視聴者IDを含むエフェクト表示要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、エフェクト表示要求信号を受信すると、LCライブ配信に参加している全ての参加者(配信者側、視聴者側含む)の端末に、エフェクト表示指示を送信する。視聴側UI制御部502は、エフェクト表示指示をLCサーバ10から受信すると、ハートの形をしたエフェクト(ハートエフェクト)を配信画面600に表示させる。ハートエフェクトはLCライブ配信を盛り上げるために使用される。この例ではエフェクトはハートエフェクトである場合を説明したが、他の例ではエフェクトを複数種類設け、視聴者が選べるようにしてもよい。この場合、エフェクト表示要求信号は選択されたエフェクトを特定するエフェクトIDを含む。
【0068】
サムネイル612は、LCライブ配信において現在紹介中の販売対象を示すサムネイルである。LCサーバ10は、配信者側から販売対象の紹介開始の要求を受けてから紹介終了の要求を受けるまでの間、LCライブ配信の配信画面600に、紹介中の販売対象を表すサムネイル612を表示させる。購入受付部506は、サムネイル612へのタップを検出すると、対応する販売対象をカートに入れるための購入要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。あるいはまた、購入受付部506は、サムネイル612へのタップを検出すると、対応する販売対象の詳細を説明する画面をディスプレイに表示させ、当該画面から販売対象をカートに入れるための指示を受け付けてもよい。
【0069】
カートアイコン616は、カートに入れられた販売対象のリストを表示する画面に遷移するためのアイコンである。視聴者はこの画面から購入手続きに進むことができる。視聴者が配信画面600を下から上にスワイプすると、視聴側UI制御部502は、LCライブ配信で紹介されたかされる予定の販売対象と、紹介はされないが当該LCライブ配信の内容に関連する販売対象と、を含むリストを配信画面600に重畳して表示させる。視聴者がそのリストにおいて所望の販売対象を選択すると、購入受付部506は選択された販売対象をカートに入れるための処理を行う。これらのカートや購入手続きに係る機能は公知の電子商取引の技術を用いて実現されてもよい。
【0070】
図15は、配信制御者32の配信者制御端末30のディスプレイに表示される配信制御画面620の代表画面図である。表示制御部302、コメント処理部304、販売対象制御部306は協働して配信制御画面620をディスプレイに表示させる。配信制御画面620は、配信者22の配信者携帯端末20が撮像したLCライブ配信の動画像VDと、LCライブ配信における販売対象を制御するための販売対象制御領域622と、LCライブ配信におけるコメントを制御するためのコメント制御領域624と、配信制御タブボタン626と、配信分析タブボタン628と、を有する。
図15は配信制御画面620を表示するモードであるから配信制御タブボタン626が強調表示されている。
【0071】
販売対象制御領域622は、販売対象を表すサムネイル630と、販売対象の金額を表示する金額表示領域632と、紹介開始ボタン634と、紹介終了ボタン636と、紹介中表示領域638と、を有する。販売対象制御領域622では販売対象ごとに行が設けられている。配信制御者32は動画像VDを視ながら適切なタイミングで所望の販売対象の紹介開始ボタン634をクリックする。販売対象制御部306は当該クリックを検出すると、対応する販売対象の販売対象IDを含む紹介開始要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。販売対象制御部306は併せてクリックされた販売対象の紹介開始ボタン634を紹介終了ボタン636に置き換えると共に、サムネイル630の近くに紹介中表示領域638を出現させる。配信制御者32は動画像VDを視ながら適切なタイミングで所望の販売対象の紹介終了ボタン636をクリックする。販売対象制御部306は当該クリックを検出すると、対応する販売対象の販売対象IDを含む紹介終了要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。販売対象制御部306は併せてクリックされた販売対象の紹介終了ボタン636を紹介開始ボタン634に置き換えると共に、紹介中表示領域638の表示を止める。
【0072】
コメント制御領域624は、コメント表示領域640と、コメント入力領域642と、を有する。配信者側のコメント表示領域640は視聴者側のコメント表示領域604と同じコメントを表示する。コメント入力領域642は配信制御者32によるコメントの入力を受け付ける。配信制御者32は所望のコメントをコメント入力領域642に入力して送信ボタンをタップする。コメント処理部304は、送信ボタンへのタップを検出すると、コメント入力領域642に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0073】
図16は、配信制御者32の配信者制御端末30のディスプレイに表示されるユーザ動向分析画面650の代表画面図である。表示制御部302、グラフ表示部308、メッセージ表示部310はユーザ動向分析画面650のデータをLCサーバ10から受信し、協働してユーザ動向分析画面650をディスプレイに表示させる。
図15の配信制御画面620において配信制御者32が配信分析タブボタン628をクリックすると、表示制御部302は配信制御画面620からユーザ動向分析画面650に表示を遷移させる。
図16は分析画面を表示するモードであるから配信分析タブボタン628が強調表示されている。ユーザ動向分析画面650は、配信制御タブボタン626と、配信分析タブボタン628と、ユーザ動向分析タブボタン652と、カートイン数分析タブボタン654と、リアルタイムメッセージ表示領域656と、視聴者カテゴリ選択領域678と、視聴者内訳表示領域664と、グラフ表示領域668と、過去メッセージアイコン670と、過去メッセージポップアップ672と、視聴者側凡例表示領域674と、配信者側凡例表示領域676と、を有する。
図16はユーザ動向分析画面650を表示するモードであるからユーザ動向分析タブボタン652が強調表示されている。
【0074】
メッセージ表示部310は、LCサーバ10から受信した管理者42からまたはシステムからのメッセージをリアルタイムメッセージ表示領域656にリアルタイムで表示させる。リアルタイムメッセージ表示領域656は、現在の配信時間と、提案または警告に係るメッセージと、を表示する。メッセージがない場合はリアルタイムメッセージ表示領域656は非表示とされてもよい。
【0075】
視聴者カテゴリ選択領域678は、分析の対象とする視聴者のカテゴリを配信制御者32に選択させるための領域である。視聴者カテゴリ選択領域678は、全てボタン658と、初回視聴者ボタン660と、リピート視聴者ボタン662と、を有する。本実施の形態では、各視聴者は行動履歴によって複数のカテゴリのうちのひとつに分類される。特に、視聴者は対象のLCライブ配信の配信者側にとって新規の視聴者(初回視聴者)であるか、リピーター(リピート視聴者)であるか、の2つのカテゴリに分類される。分析画面生成部110は、ユーザ動向分析画面650を生成する際、視聴者履歴保持部122および視聴者情報保持部124を参照することで、対象のLCライブ配信の視聴者の視聴履歴に当該LCライブ配信の配信者側の配信者IDが含まれていればその視聴者をリピーターに分類し、含まれていなければ新規の視聴者に分類する。視聴者カテゴリ選択領域678において全てボタン658が選択された場合、分析画面生成部110はカテゴリによらず全ての視聴者を分析の対象とする。初回視聴者ボタン660が選択された場合、分析画面生成部110は新規の視聴者のみを分析の対象とする。リピート視聴者ボタン662が選択された場合、分析画面生成部110はリピーターのみを分析の対象とする。以下、全てボタン658が選択された場合を説明する。
【0076】
本実施の形態では、視聴者のカテゴリとして新規の視聴者とリピーターとを採用する場合を説明するが、他の実施の形態では他のカテゴリが用いられてもよい。例えば、コメントの有無や数、ギフティングの有無や数、エフェクト送信の有無や数、ライブコマースプラットフォームでの購入の有無や数、配信者側のウェブサイトを訪問したか否か、などの行動履歴によってカテゴリを定義してもよい。あるいはまた、視聴者の属性によってカテゴリを定義してもよい。あるいはまた、視聴者の行動履歴に基づき決定される嗜好性によってカテゴリを定義してもよい。
【0077】
視聴者内訳表示領域664は、視聴者のカテゴリごとの内訳(人数や割合)を表示する。視聴者内訳表示領域664は、LCライブ配信の現在の視聴者総数と、初回視聴者の割合および数と、リピート視聴者の割合および数と、を表示する。
【0078】
紹介中販売対象表示領域666は、対象のLCライブ配信において現在紹介中の販売対象を示す情報を表示する。現在紹介中の販売対象は、紹介開始要求信号を受信したが紹介終了要求信号を受信していない販売対象である。紹介中販売対象表示領域666は、現在紹介中の販売対象のサムネイルと、現在の配信時間と、現在紹介中の販売対象の説明と、を表示する。
【0079】
グラフ表示部308は、横軸を配信時間とし、販売オブジェクトと反応オブジェクトとが重ね合わせて表示されるグラフをグラフ表示領域668に表示させる。販売オブジェクトは、対象のLCライブ配信における販売対象の紹介に係る活動を示すオブジェクトである。販売オブジェクトは、販売対象のサムネイル680と、当該販売対象が紹介されていたまたはされている期間を示す紹介期間表示オブジェクト682と、を含む。紹介期間表示オブジェクト682は、対応するサムネイル680で表される販売対象がLCライブ配信において紹介されていたまたはされている期間の始期と終期の間を埋める透過型のグレーのオブジェクトである。
図16のグラフの例では、販売対象「リボン」の紹介が配信時間「18:06」に開始され、配信時間「18:14」に終了したので、当該期間に対応する紹介期間表示オブジェクト682(グレーの領域)が表示されている。
【0080】
対象のLCライブ配信において複数の販売対象が紹介される場合、販売オブジェクトは、それぞれが対応する販売対象の紹介に係る活動を示す複数のオブジェクトを含む。
図16の例では、販売対象「リボン」のサムネイルおよび紹介期間表示オブジェクトと、販売対象「帽子」のサムネイルおよび紹介期間表示オブジェクトと、がグラフ上に表示されている。この例では一度にひとつの販売対象が紹介される場合を説明するが、複数の販売対象が同時に紹介される場合、異なる複数の紹介期間表示オブジェクトがグラフ上で重なり合ってもよい。
【0081】
図16のユーザ動向分析画面650における反応オブジェクトは、対象のLCライブ配信におけるコメントの数を示す棒グラフオブジェクト686と、対象のLCライブ配信がシェアされた回数を示す棒グラフオブジェクト688と、対象のLCライブ配信においてハートボタン608が押された回数を示す棒グラフオブジェクト690と、対象のLCライブ配信の販売対象を注文するために行われた動作の数を示す棒グラフオブジェクト684と、対象のLCライブ配信の総視聴者数の推移を示す線グラフオブジェクト692と、対象のLCライブ配信の初回視聴者数の推移を示す線グラフオブジェクト694と、対象のLCライブ配信のリピート視聴者数の推移を示す線グラフオブジェクト696と、を含む。この例では、棒グラフオブジェクト684は対象のLCライブ配信で発生したカートインの数を示す。この例では、分析画面生成部110は1分ごとに対応する各履歴保持部を参照することで、コメントの数、シェアの回数、ハートエフェクト送信の回数、カートインの数、視聴者の数、を集計する。分析画面生成部110は、集計結果に基づき棒グラフオブジェクト684、686、688、690および線グラフオブジェクト692、694、696を生成する。
【0082】
対象のLCライブ配信で発生したカートインの数を示す棒グラフオブジェクト684は、初回視聴者によるカートインの数を示す部分684bと、リピート視聴者によるカートインの数を示す部分684aと、を含む。対象のLCライブ配信におけるコメントの数を示す棒グラフオブジェクト686は、初回視聴者により投稿されたコメントの数を示す部分と、リピート視聴者により投稿されたコメントの数を示す部分と、を含む。対象のLCライブ配信がシェアされた回数を示す棒グラフオブジェクト688は、初回視聴者によってシェアされた回数を示す部分と、リピート視聴者によってシェアされた回数を示す部分と、を含む。対象のLCライブ配信においてハートボタン608が指定された回数を示す棒グラフオブジェクト690は、初回視聴者によってハートエフェクトが送信された回数を示す部分と、リピート視聴者によってハートエフェクトが送信された回数を示す部分と、を含む。
【0083】
過去メッセージアイコン670は、過去にLCサーバ10から受信した管理者42からまたはシステムからのメッセージを表すアイコンである。過去メッセージアイコン670は、グラフの横軸の下方において、対応するメッセージを受信した配信時間に対応する位置に表示される。配信制御者32が過去メッセージアイコン670をタップすると、表示制御部302はタップされた過去メッセージアイコン670に対応する過去のメッセージを表示する過去メッセージポップアップ672をユーザ動向分析画面650に重畳表示させる。
【0084】
視聴者側凡例表示領域674は反応オブジェクトの凡例を示す。視聴者側凡例表示領域674は項目ごとにチェックボックスを有する。チェックが入っていると対応する項目のオブジェクトが表示され、チェックが外されると対応する項目のオブジェクトは表示されない。
【0085】
配信者側凡例表示領域676は販売オブジェクトの凡例を示す。配信者側凡例表示領域676は項目ごとにチェックボックスを有する。チェックが入っていると対応する項目のオブジェクトが表示され、チェックが外されると対応する項目のオブジェクトは表示されない。
【0086】
図17は、配信制御者32の配信者制御端末30のディスプレイに表示されるカートイン数分析画面700の代表画面図である。表示制御部302、グラフ表示部308、メッセージ表示部310はカートイン数分析画面700のデータをLCサーバ10から受信し、協働してカートイン数分析画面700をディスプレイに表示させる。
図16のユーザ動向分析画面650において配信制御者32がカートイン数分析タブボタン654をクリックすると、表示制御部302はユーザ動向分析画面650からカートイン数分析画面700に表示を遷移させる。
図17はカートイン数分析画面700を表示するモードであるからカートイン数分析タブボタン654が強調表示されている。
【0087】
カートイン数分析画面700は、配信制御タブボタン626と、配信分析タブボタン628と、ユーザ動向分析タブボタン652と、カートイン数分析タブボタン654と、リアルタイムメッセージ表示領域656と、カートイン内訳表示領域702と、紹介中販売対象表示領域704と、グラフ表示領域706と、過去メッセージアイコン670と、過去メッセージポップアップ672と、紹介販売対象凡例表示領域708と、カートイン数表示領域710と、を有する。
【0088】
カートイン内訳表示領域702は、販売対象のカテゴリごとの内訳(カートイン数や割合)を表示する。カートイン内訳表示領域702は、LCライブ配信でこれまで発生したカートインの総数と、紹介販売対象のカートインの割合および数(
図17の「Highlight items」)と、非紹介販売対象のカートインの割合および数(
図17の「Other items」)と、を表示する。本実施の形態では、各販売対象は属性によって複数のカテゴリのうちのひとつに分類される。特に、販売対象は対象のLCライブ配信で紹介されたかされる予定であるか(紹介販売対象)、またはそうでないか(非紹介販売対象)、の2つのカテゴリに分類される。分析画面生成部110は、カートイン数分析画面700を生成する際、配信情報保持部116を参照することで、対象のLCライブ配信でカートインされた販売対象を紹介販売対象か非紹介販売対象に分類する。
【0089】
紹介中販売対象表示領域704は、対象のLCライブ配信において現在紹介中の販売対象を示す情報を表示する。現在紹介中の販売対象は、紹介開始要求信号を受信したが紹介終了要求信号を受信していない販売対象である。紹介中販売対象表示領域704は、現在紹介中の販売対象のサムネイルと、現在の配信時間と、現在紹介中の販売対象の説明と、を表示する。
【0090】
グラフ表示部308は、横軸を配信時間とし、販売オブジェクトと反応オブジェクトとが重ね合わせて表示されるグラフをグラフ表示領域706に表示させる。販売オブジェクトは、販売対象のサムネイル712と、当該販売対象が紹介されていたまたはされている期間を示す紹介期間表示オブジェクト714と、を含む。
図17のサムネイル712、紹介期間表示オブジェクト714はそれぞれ
図16のサムネイル680、紹介期間表示オブジェクト682に対応する。
【0091】
図17のカートイン数分析画面700における反応オブジェクトは、対象のLCライブ配信で発生したカートインの数を示す棒グラフオブジェクト716を含む。棒グラフオブジェクト716は、それぞれがLCライブ配信で販売される対応する販売対象のカートインの数を示す複数の部分716a、716b、716cを含む。この例では、分析画面生成部110は1分ごとにカートイン履歴保持部128を参照することで、カートインの数を販売対象ごとに集計する。分析画面生成部110は、集計結果に基づき棒グラフオブジェクト716を生成する。
【0092】
紹介販売対象凡例表示領域708は紹介販売対象の凡例を示す。カートイン数表示領域710は、販売対象ごとにそれまでのカートイン数の合計を数値で示す。
【0093】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0094】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1によると、配信者に、配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトと、視聴者側の反応を示す反応オブジェクトと、を併せて同じ時間軸に沿って表示する分析画面が提供される。配信者は、分析画面に表示される情報を見ることで、配信者側の販売活動と視聴者側の反応との相関関係を見出すことができる。配信者は見出された相関関係に基づきLCライブ配信の内容を最適化することで、販売対象の販売を促進することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、各視聴者は行動履歴によって複数のカテゴリのうちのひとつに分類され、ユーザ動向分析画面650においてカテゴリごとに視聴者の反応を表示することが可能となっている。これにより、配信者は視聴者の行動履歴とLCライブ配信における反応との相関関係を見出すことができる。配信者は見出された相関関係に基づきLCライブ配信のターゲット視聴者を絞り込み、より効果的な露出、広告戦略につなげることができる。例えば、初回視聴者とリピート視聴者とでカートイン数に違いがある場合は多い方をターゲット視聴者として設定し、プロモーションを仕掛けることができる。
【0096】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、カートイン数分析画面700において、どの販売対象がいつ紹介されたかを示す情報と、各販売対象のカートイン数の時間推移と、を一つの画面で併せて確認することができる。これにより、LCライブ配信中にリアルタイムでシナリオを調整することができる。例えば販売対象の紹介期間中に当該販売対象のカートイン数が想定より増えた場合には配信者は当該販売対象の紹介期間を予定よりも延長するといった戦略をとることができる。あるいはまた、販売対象の紹介期間中にもかかわらず当該販売対象のカートイン数の時間推移が紹介期間の前から変化がない場合には当該販売対象の紹介期間を予定よりも短縮するか、紹介者を交替させるか、割引を行うなど戦略をとることができる。あるいはまた、紹介予定の販売対象以外の販売対象のカートイン数が伸びてきた場合には新たにその販売対象の紹介を設けることができる。
【0097】
例えば、元々販売対象A、販売対象B、販売対象Cの順に紹介する予定でLCライブ配信を進めていたところ、販売対象Aの紹介中に販売対象Cのカートイン数が多くなってきたとする。この場合、次は販売対象Bの紹介であるが、販売対象Cへの関心が高いと判断して、販売対象Bの紹介をスキップし販売対象Cの紹介を開始することができる。あるいはまた、販売対象Aの紹介中の販売対象Aのカートイン数が少ない場合、同じ系統の販売対象Bの紹介をスキップして、別系統の販売対象Cの紹介を開始することができる。
【0098】
例えば、販売対象Aの紹介中に、まだ紹介していない販売対象Bのカートイン数が伸びてきた場合、視聴者が紹介を見ていないか、興味を示していないことが分かる。この場合、販売対象Aの紹介の方法や紹介者を見直すべきであるという示唆が得られる。
【0099】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、ユーザ動向分析画面650において視聴者側の各種反応(コメント、エフェクト、シェア、人数、カートイン数)を一つの画面で併せて確認することができる。したがって、一覧性が向上すると共に各種反応の間の相関も理解しやすくなる。
【0100】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、管理者からのまたはシステムからのメッセージをリアルタイムで分析画面に表示することができる。これにより、配信者は現在進行中のLCライブ配信に対する管理者やシステムからの有益なコメントやフィードバックをリアルタイムで受け取り、LCライブ配信の内容に反映させることができる。例えば、システムが過去3分間に視聴者の50%がある特定の販売対象をカートに入れたことを検知すると、それは視聴者がその販売対象に興味を持っていることを示しているので、システムはその販売対象をもっと紹介するよう促すメッセージを生成して配信者側に提供することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、カートイン数の時間推移を示すカートイン数分析画面700に加えて、エフェクトの回数やコメントの回数やシェアの回数や視聴者数の時間推移を示すユーザ動向分析画面650が提供される。これにより、販売対象の紹介の効果測定を多面化することができる。例えば自動車など販売対象の単価が高い場合、カートイン数は小さくなりノイズの影響を受けやすくなる。このような場合でもエフェクトの回数やコメントの回数やシェアの回数や視聴者数の時間推移を検討することでより精度の高い効果測定が可能となる。
【0102】
図18を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図18は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるLCサーバ10、配信者携帯端末20、配信者制御端末30、管理者端末40、視聴者端末50のそれぞれを実現しうる。
【0103】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0104】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0105】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0106】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0107】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0108】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0109】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0110】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0111】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0112】
以上、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0113】
実施の形態では、販売オブジェクトがサムネイル680と紹介期間表示オブジェクト682とを含む場合を説明したが、これに限られない。配信者側の販売活動を示す販売オブジェクトの他の例として以下のものが考えられる。
・販売対象の紹介を開始した時点を示すマーク、紹介を終了した時点を示すマーク
・販売対象向けのクーポンの配布開始時点を示すマーク
・販売対象の値引きの開始時点および値引き額や割合を示すマーク
・配信者側の紹介者を示すアイコン
クーポンや値引きに関する販売オブジェクトが表示される場合、配信者はクーポンや値引きによる販売促進効果を測定することができる。
【0114】
実施の形態では、配信制御者32が販売対象の紹介の開始や終了を配信者制御端末30に指示する場合を説明したが、これに限られず、例えばLCサーバ10がLCライブ配信の音声を認識して分析することで販売対象の紹介の開始や終了を検出してもよい。
【0115】
実施の形態では、カートイン数分析画面700において時間軸に沿ってサムネイル680および紹介期間表示オブジェクト682を表示する場合を説明したが、これに限られない。
図19は、変形例に係るカートイン数分析画面のグラフ表示領域800の模式図である。グラフ表示部308は、横軸を配信時間とするグラフをグラフ表示領域800に表示させる。反応オブジェクトは、対象のLCライブ配信で発生したカートインの数を示す棒グラフオブジェクト802を含む。棒グラフオブジェクト802は、それぞれがLCライブ配信で販売される対応する販売対象のカートインの数を示す複数の部分802a、802bを含む。販売オブジェクト804は、それぞれが対応する販売対象の紹介期間に対応する複数のインジケータ804a、804bを含む。
図19の例では、棒グラフオブジェクト802の部分802aに対応する販売対象は、LCライブ配信においてインジケータ804bで示される期間(18:14~18:20)に紹介される。棒グラフオブジェクト802の部分802bに対応する販売対象は、LCライブ配信においてインジケータ804aで示される期間(18:06~18:10)に紹介される。この例では、販売オブジェクトおよび反応オブジェクトについて、同じ販売対象に対応する部分は同じまたは対応する表示態様(色、ハッチング等)で表示される。これにより、相関の視認性が向上する。
【0116】
実施の形態では、反応オブジェクトは視聴者によって販売対象を注文するために行われる動作の数を表す場合を説明したが、これに限られない。例えば、反応オブジェクトは販売対象の注文数や販売対象の売上金額を表すオブジェクトを含んでもよい。
【0117】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0118】
LCサーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、LCサーバ10以外の装置、例えば配信者携帯端末20や配信者制御端末30や視聴者端末50により実現されてもよい。配信者携帯端末20や配信者制御端末30や視聴者端末50により実現される機能の少なくとも一部は、それ以外の装置、例えば、LCサーバ10により実現されてもよい。