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特開2024-134540ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法
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  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図1A
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図1B
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図2
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図3
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図4A
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図4B
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図5
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図6
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図7
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図8A
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図8B
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図9
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図10
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図11
  • 特開-ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134540
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
H02K3/50 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024042791
(22)【出願日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】10 2023 106 612.9
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2024 104 394.6
(32)【優先日】2024-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ヴァウアー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン ゼムラー
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604BB01
5H604CC01
5H604CC04
5H604DB01
5H604QB01
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、従来技術と比較して上述した課題を、できるだけ複雑化せずに、従って、所定の設置スペースで、ステータ-クラスタ接続と組み合わせて、より簡単かつコスト効率よく解決することである。
【解決手段】本発明によるクラスタ組立体は、冷媒圧縮機の駆動に適した電動モータのステータユニットのコイル接続、接触及び絶縁のためのクラスタ組立体であって、以下の構成を備える。
-射出成形で形成された環状の支持部品に絶縁カバーをオーバーモールドしたもの、
-ステータユニットのステータコアの一方の側のステータ巻線の3相ワイヤのワイヤ端に接続するための3つの第1の接続要素、及び各々が第1の接続要素の1つと接続される3つの第1の導体部分、及び、-固定子巻線の第1接続要素への電線接続とは反対側で、3つの電線端部を互いに電気的に接続するための、共通の第2導体部分の3つの第2接続要素とを有する環状クラスタである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒圧縮機駆動用電動モータのステータユニットのコイル接続、接触及び絶縁のためのクラスタ組立体であって、
射出成形で形成され、絶縁カバー(24;124)でオーバーモールドされた環状支持部(20;120)と、
ステータユニット(1;101)のステータコア(11)の一方の側のステータ巻線の三相ワイヤのワイヤ端部(13a)に接続するための3つの第1の接続要素(21.1)と、各々が第1の接続要素(21.1)の1つと接続された3つの第1の導体部分(40)と、を備え、
第1接続要素(21.1)へのワイヤ接続とは反対側の固定子巻線の側で、3つのワイヤ端部(13b)を互いに電気的に接続するための、共通の第2導体部分の3つの第2接続要素(21.2)と、を有する環状クラスタ(16;116)と、
ここで、クラスタ(16;116)は、絶縁カバー(24;124)のない切り欠き部(29、30;129、130)を有し、この切り欠き部において、3つの第1の接続要素(21.1)及び/叉は第2の接続要素(21.2)が、クラスタ(16;116)の射出成形された支持部(20;120)から半径方向外側に突出し、クラスタ(16;116)の射出成形された支持部(20;120)から軸方向外側に突出しており、3つのワイヤ端部(13a)の第1の接続要素(21.1)叉は3つの電線端部(13b)と第2の接続要素(21.2)との接続及びそれらの絶縁を、環状のクラスタ(16;116)の外周上の取り付け接続によって固定し、側部閉鎖リングセグメント(1;101)は、それぞれの場合において、クラスタ(16;116)の絶縁カバーのない切り欠き部(29、30;129、130)の1つに対応することを特徴とするステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体。
【請求項2】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)を、切り欠き部(29、30;129、130)の少なくとも1つにおいてクラスタ(16;116)と組み立てることによって、絶縁充填材(35)を充填するための複数の容器(32;132)が形成され、その各々が、ワイヤ端部(13a、13b)を有する接続要素(21.1、21.2)の接触点(31)の周囲の空間を囲むことを特徴とする請求項1に記載のステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体。
【請求項3】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)が一体プラスチック射出成形部品として具現化されていることを特徴とする請求項1叉は2に記載のステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体。
【請求項4】
前記切り欠き部(29、30;129、130)はそれぞれ、その外縁に半径方向凹部(28;128)を有し、この半径方向凹部を通ってリード線(13)のそれぞれを接続要素(21.1、21.2)との接触点(31)の方向に軸方向に通すことができ、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)は、リングセグメント壁(2;102)の内側に、リングセグメント壁(2;102)の曲率方向に分布する多数の側部閉鎖要素(6;106)を有し、これらの側部閉鎖要素は、形状、数及び分布の点で、それぞれの切り欠き部(29、30;129、130)の半径方向凹部(28;128)に対応し、これにより、半径方向凹部(28;128)は、少なくとも部分的に閉鎖されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体 。
【請求項5】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)が、側部閉鎖リングセグメント(1;101)がクラスタ(16;116)に取り付けられるスナップ接続システムの部品であるクランプ要素(3、9;103、109)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体。
【請求項6】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)が、リングセグメント壁(2;102)の湾曲方向において互いに対向するそれぞれの側部閉鎖リングセグメント(1;101)のリングセグメント壁(2;102)の2つの端部のそれぞれに半径方向突起の形態で設計された2つの外側クランプ要素(3;103)を有し、この突起が湾曲方向において外側を向くフック状端部(3a;103a)を有することを特徴とする請求項5に記載のステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体。
【請求項7】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)が、クラスタ(16;116)のベースプレート(23;123)の下面に係合するようにリングセグメント壁(2;102)の内側に位置決めされて配置される少なくとも2つの下部クランプ要素(9;109)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体。
【請求項8】
少なくとも実質的に中空円筒の形状を有するステータコア(11)であって、その内側に、円周上に均等に分布するように配置され、その断面に対して半径方向内側に向けられたコイルウェブ(12)を有し、コイル(14)を形成するリード線(13)が、少なくとも3相に分割されたコイルウェブ(12)に巻回され、ステータコア(11)が、ステータコア(11)と巻回されたコイル(14)との間に形成された絶縁体(15)を備えるステータコア(11)と、
環状クラスタ(16;116)がステータユニット(10;110)のステータコア(11)の軸方向壁面(11a)上に配置され、導体部品の接続要素(21.1;21.2)は、それぞれの場合において、ベースプレート(23;123)の凹部(28;128)を軸方向に通過するコイル(14)のリード線(13)の線端部(13a;13b)に、切り欠き部(29、30;129、130)であって、クラスタ(16;116)を少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)に組み付けることによって形成される、それぞれの場合の接触点(31)の周囲の空間を囲む容器(32;132)が、絶縁充填材(35)で充填されていることを特徴とするステータユニット(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)が、ステータコア(11)の軸方向壁面(11a)上の絶縁体(15)によって形成された壁段差(15a)上に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のステータユニット(1)。
【請求項10】
請求項8叉は9に記載のステータユニット(10;110)用のステータ絶縁システムを製造するための方法であって、
ステータコア(11)をオーバーモールドし、ステータコア(11)の内側には、その断面に対して半径方向内側に向けられたコイルウェブ(12)と、コイル(14)を形成するためにリード線(13)がその周囲に完全に巻かれ、絶縁体(15)を形成するためのプラスチックがその円周上に均等に分布するように配置されているステップと、
リード線(13)の線端(13a、13b)を軸方向に整列させ、
絶縁体(15)が設けられたオーバーモールドされたステータコア(11)上にクラスタ(16;116)を取り付け、クラスタ(16;116)をステータコア(11)の軸方向壁面(11a)上に配置し、電線端部(13a、13b)を接触点(31)でクラスタ(16;116)の導体部分の接続要素(21、21.1、21.2)に接続するステップと
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)を取り付ける工程であって、各場合において接点(31)を囲む容器(32;132)が、側部閉鎖リングセグメント(1;101)をクラスタ(16;116)に取り付けることによって形成されるステップと、
容器(32;132)に絶縁充填材のキャスティングコンパウンド(35)を充填するステップと、を含むことを特徴とする方法 。
【請求項11】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント(1;101)が、クラスタ(16;116)に半径方向、軸方向、叉は両方の方向の組み合わせで取り付けられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
絶縁充填材(35)がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項10叉は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータユニットのコイル接続、接触、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法に係り、より詳しくは、冷媒コンプレッサ、特に自動車空調システム用の冷媒コンプレッサを駆動するための電動モータのステータユニットのコイル接続、接触及び、電気絶縁のためのクラスタ組立体、及びステータ絶縁システムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最大1000ボルトの高電圧範囲のため、電気的に作動する冷媒コンプレッサーのステータの絶縁調整に関する要件は極めて高い。絶縁調整に関するこのような要件は、特に、2つの導電性端子間の空気中での最短距離としてのいわゆる空気距離と、これら2つの導電性端子間の絶縁材料の表面に沿った最短距離としてのいわゆる漏れ電流長に関連している。
例えば、電気式冷媒圧縮機のステータの絶縁調整を保証叉は維持するためには、電気式冷媒圧縮機内を流れるオイルと冷媒の混合物は電気伝導性であるため、接点叉は移行接続を電気的に絶縁する必要がある。これは、ステータコイル巻線とバスバースターポイントとの溶接叉は融着接続部、及びステータコイル巻線と電気コネクタシステム(Eピンシステム)との溶接叉は融着接続部、特にコイル巻線のワイヤがバスバー叉はバスバースターポイントに溶接叉は融着接続される接続部に適用される。溶接叉は融着されたこれらの接点は、依然として空気にさらされており、エアギャップと漏れ電流に関する絶縁調整を満たすために適切な保護カバーが必要である。
【0003】
ステータとクラスタ、すなわち絶縁部品とバスバー及び他の導体部品との組立体が密に充填されているため、これは通常、絶縁充填材として液体キャスティングコンパウンドを使用して達成され、これは硬化して固体ブロックを形成し、冷媒とオイルの組み合わせによるあらゆる影響、及び性質上及び使用による機械的な影響に耐える。例えばエポキシ樹脂は、その後の硬化が必要ではあるが、絶縁性充填材叉はキャスティングコンパウンドとして適している。電気絶縁は、多かれ少なかれ複雑なプロセスにおいて、キャスティングコンパウンドを用いた容器の鋳造、下流のプラスチックの追加オーバーモールディング、叉は類似の方法によって達成することができる。キャスティングコンパウンドを受け入れるために、複雑な手段、工具、追加部品、プロセスステップなどを必要とする追加の容器を作成する必要がある場合もある。
【0004】
適切な保護カバーは、そのように設計されなければならない:
-絶縁充填材、好ましくは液状エポキシ樹脂キャスティングコンパウンドを収容するのに適した容器を形成する、
-他のステータやクラスタパーツに取り付けられても、その位置を維持する、
-ステータコイル巻線部分との界面でのエポキシ樹脂の流出を防ぐ、
-エポキシ樹脂は、適切なセクターやカットアウト・パターンの設計によって、可能な限り多く保持することができる、
-ステータパッケージの外径を超えないこと、
-組み立てが簡単で、
-エアギャップとリーク電流の要件に適した堅牢な絶縁効率と、あらゆる動作条件下での高電圧保護を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術と比較して上述した課題を、できるだけ複雑化せずに、従って、所定の設置スペースで、ステータクラスタ接続と組み合わせて、より簡単かつコスト効率よく解決することである。
この目的は、冷媒圧縮機を駆動するための電動モータのステータユニットのコイル接続、接触及び絶縁のための請求項1に記載のクラスタ組立体、そのようなクラスタ組立体を構成するステータユニット、及び対応するステータユニットのステータ絶縁システムを製造する方法によって達成される。改良点は、従属請求項に明記されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるクラスタ組立体は、冷媒圧縮機の駆動に適した電動モータのステータユニットのコイル接続、接触及び絶縁のためのクラスタ組立体であって、以下の構成を備える。
-射出成形で形成された環状の支持部品に絶縁カバーをオーバーモールドしたもの、
-ステータユニットのステータコアの一方の側のステータ巻線の3相ワイヤのワイヤ端に接続するための3つの第1の接続要素、及び各々が第1の接続要素の1つと接続される3つの第1の導体部分、及び
-固定子巻線の第1接続要素への電線接続とは反対側で、3つの電線端部を互いに電気的に接続するための、共通の第2導体部分の3つの第2接続要素と
を有する環状クラスタである。
【0007】
クラスタは、絶縁カバーのない切り欠き部を有し、この切り欠き部において、3つの第1の接続要素及び/叉は第2の接続要素が、クラスタの射出成形された支持部から半径方向外側に突出し、かつクラスタの射出成形された支持部から軸方向外側に突出しており、かつ少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントが、環状クラスタの外周上の取り付け接続部によって、3つのワイヤ端部と第1の接続要素との接続、叉は3つのワイヤ端部と第2の接続要素との接続、及びそれらの絶縁を固定し、側部閉鎖リングセグメントが、それぞれの場合において、クラスタの絶縁カバーのない切り欠き部の1つに対応する。
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントを組み立てることによって、電気絶縁性充填材を充填するための複数の容器が、切り欠き部の少なくとも1つに形成され、その各々が、電線端部との接続要素の接触点の周りの空間を囲むことが好ましい。
【0008】
本発明の有利な実施形態によれば、クラスタは少なくとも2つの円弧状クラスタベース部品を有し、このクラスタベース部品によって、クラスタをステータユニットの中空円筒状ステータコアの軸方向壁面に配置することができる。導体部品とその接続要素は、環状支持部品によって運ばれ、少なくとも部分的にその中に封入される。
既に述べた絶縁カバーに加えて、支持部は好ましくはベースプレートからなる。有利なことに、円弧状のクラスタベース部品は絶縁カバーに接続され、ベースプレートの上方に配置された絶縁カバーから、ステータコアに面する軸方向にベースプレートの下方の領域へと延びている。クラスタベース部品は、一般に、環状クラスタの外周に沿って走行し、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。本発明の有利な実施形態によれば、組立接続部によってクラスタに取り付けられる少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、湾曲したリングセグメント壁と、リングセグメント壁の凹状内側に形成され、リングセグメント壁の湾曲方向に分布するように配置された複数の半径方向突起とからなる。
【0009】
絶縁カバーによって覆われていない切り欠き部には、好ましくは、間隔をあけて配置されたクラスタベース部品の間に、外縁が周方向に走るベースプレートの部分がある。円周方向に分布するように配置された3つの接点が切り欠き部に形成され、その各接点において、半径方向に絶縁カバーを通過する導体部分の接続要素が、ベースプレートの凹部を通って軸方向に通過するコイルのリード線の線端に接続可能であるように配置される。
【0010】
本発明によれば、少なくとも2つの側部閉鎖リングセグメントが、クラスタベース部品とリングセグメント壁とが一緒になって閉じた外側リングを形成するように、それぞれの場合に2つのクラスタベース部品の間にクラスタの円周方向に取り付けられ、半径方向突起がベースプレート上に載り、リングセグメント壁の内側に対向する絶縁カバーの壁上に載り、それによって、いくつかの容器が切り欠き部に形成され、そのそれぞれが接点の周りの空間を囲む。これらの容器は、それぞれの接点を電気的に絶縁する充填材、例えばエポキシ樹脂を受け入れるように設けられている。
【0011】
「ベースプレートの上」といった記述は、本発明叉は本発明の実施形態の説明の文脈で、ステータコイルの巻線領域に対してステータコアの軸方向を向かず、反対方向を向くベースプレートの側を向く特徴の位置を説明するために使用され、ベースプレートの上部と呼ばれる。従って、「ベースプレートの下」などの記述は、ステータコイルの巻線領域の空間にステータコアの軸方向を向くベースプレートの側面に面する特徴の位置を指し、ベースプレートの下部を表す。
本発明の核心は、上記の側部閉鎖リングセグメントをステータ絶縁システムに応用し、キャスティングコンパウンドやエポキシ樹脂を節約することである。
【0012】
巻線工程後のコイルのリード線(通常は3相3スターポイントワイヤ)のステータユニットのクラスタへの接続は、それ以上の配線の手間をかけることなく行われる。巻線されたリード線は、ステータコイルの巻線エリアから、それぞれの導体部分、例えばEピンやスターポイントバスバーコンタクトへのそれぞれのインターフェースまで、可能な限り最短距離で簡単に軸方向に誘導することができる。ワイヤの端は、それぞれの導体部分の接続エレメントに接点で溶接されるか、ヒューズで接続され、その後電気的に絶縁されなければならない。クラスタは、ステータのオーバーモールドによって得られる基本的な絶縁の上に「浮いて」おり、その結果、側部閉鎖リングセグメントは、溶接叉は融着された接点の電気絶縁のための充填材、好ましくはエポキシ樹脂充填のための容器を形成するだけでなく、ステータコア叉はコンプレッサーモーターハウジングへの空気及び漏れ電流の形成を回避するために、クラスタとステータのオーバーモールドとの間の界面を確保する必要がある。
【0013】
この複雑な絶縁調整作業は、多数の接点、インターフェース、移行接続を伴うが、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントを使用することで達成される。
側部閉鎖リングセグメントは、その機能に応じてサイドクローザ叉はアウターリングロッククリップとも呼ぶことができ、熟練した、簡単な、効果的な、堅牢な、費用効果の高い方法で、上記のすべての所望の特性を満たす。少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、一体型プラスチック射出成形部品として具現化することができ、簡単な射出成形金型で製造することができる。さらに、本発明に従って使用される少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、所定の設置スペースにおいてもこの課題を果たす。これは、限定されるものではないが、側部閉鎖リングセグメントに一体化された突起によって提供することができ、この突起は、断熱充填材を受け入れて固定するための容器を形成するための構造要素(スペーサ)として機能する。
【0014】
本発明によれば、切り欠き部はそれぞれ、好ましくはベースプレートによって形成される半径方向の凹部をその外縁に有し、この凹部を介して、コイルの巻線領域からのリード線が、それぞれの場合において、接点の方向に軸方向に通すことができる。この場合、側部閉鎖リングセグメント叉は側部閉鎖リングセグメントは、好ましくは、リングセグメント壁の内側に、リングセグメント壁の湾曲方向に分布する多数の側部閉鎖要素を有し/備え、これらの側部閉鎖要素は、形状、位置、数及び分布の点で、それぞれの切り欠き部の半径方向凹部に対応し、これにより、半径方向凹部は、少なくとも部分的に閉鎖される。半径方向凹部は、有利には、少なくとも、鋳造コンパウンドがこれらの凹部を通ってステータコイル巻線領域に逃げ込むことがない程度に閉じられるべきである。
【0015】
さらに、それぞれの側部閉鎖リングセグメントは、側部閉鎖リングセグメントがクラスタに取り付けられるスナップ接続システムの部品であるクランプ要素を有利に備える。典型的には、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、側部閉鎖リングセグメントのリングセグメント壁の湾曲方向において互いに対向する2つの端部の各々に半径方向突起の形態で設計された2つの外側クランプ要素を有し、この突起は、湾曲方向において外側を向くフック形状の端部を有する。好ましくは、これらの外側クランプ要素は、他の突起の大部分と同様に、リングセグメント壁の上部、すなわち、クラスタとの組立て後、ベースプレートの外縁よりも上方にある外側リングセグメント壁の部分に配置され、クラスタに取り付けるためのクラスタの上部、すなわち、ベースプレートよりも上方の領域と横方向に係合するようになっている。さらなる実施形態によれば、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、クラスタのベースプレートの底部に係合するように外側リングセグメント壁の内側に位置決め配置される少なくとも2つの下部クランプ要素を有する。上述のクランプ要素は、側部閉鎖リングセグメントの半径方向及び軸方向の両方の取り付け方向を容易にする。
【0016】
また、本発明は、コイル接続、接触及び電気絶縁のために、本発明によるクラスタ組立体が装着されるステータユニットに関する。ステータユニットは、少なくとも実質的に中空円筒の形状を有するステータコアを備え、このステータコアは、その内側に、その円周上に均等に分布するように配置され、その断面に対して半径方向内側に向けられたコイルウェブを有し、コイルを形成するリード線が、少なくとも3相に分割されたコイルウェブの周囲に巻回され、ステータコアと巻回されたコイルとの間に形成された絶縁体を備える。環状クラスタは、好ましくは、少なくとも2つの円弧状クラスタベース部品によって、ステータユニットの中空円筒状ステータコアの軸方向壁面上に配置される。
【0017】
また、本発明によれば、切り欠き部における接触点において、導体部品の接続要素が、各場合において、ベースプレートの凹部を軸線方向に通過するコイルのリード線の線端に接続され、クラスタを少なくとも1つの環状セグメントと組み立てることによって形成される、各場合における接触点の周囲の空間を囲む容器が、電気絶縁性の充填材料で充填される。
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、その接触面がステータコアの軸方向壁面の絶縁体によって形成された壁段差上に配置される。好ましくは、軸方向における側部閉鎖リングセグメントの範囲は、隣接するクラスタベース部品の範囲よりも短くすることができる。このような壁段差は、導電部分であるコイルのリード線からステータコアの軸方向壁面の金属までの漏れ電流長を延長し、したがって、電気作動式冷媒圧縮機のステータユニットにおける漏れ電流要件を満たすのに役立つ。
【0018】
上述したステータユニットのステータ絶縁システムを製造するための本発明による方法は、以下のステップからなる。
-ステータコアをオーバーモールドし、その内側に、その断面に対して半径方向内側に向けられ、リード線が完全に巻かれてコイルを形成するコイルウェブが、その円周上に均等に分布するように配置され、基本絶縁を形成するためのプラスチックで覆われる、
-リード線の線端を軸方向に揃える、
-絶縁体を備えたオーバーモールドされたステータコアに クラスタを取り付け、クラスタをステータコアの軸方向壁面に配置し、線端部をクラスタの導体部分の接続要素に接触点で接続する、
-少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントをクラスタに取り付ける ことにより、各場合における接点を囲む容器が形成される、
-容器に断熱充填材の鋳造コンパウンドを充填する。
【0019】
少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、半径方向、軸方向、叉は両方向の組み合わせでクラスタに取り付けることができる。絶縁充填材としては、好ましくはエポキシ樹脂が使用される。少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントは、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントを取り付けることによって形成された容器に充填する際に多量のキャスティングコンパウンドを必要としないため、絶縁充填材料の節約も可能にする。さらに、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメントの構造要素は、鋳造コンパウンドの流出を防止するのにも有利に適している。
さらに、ステータ絶縁システムの製造プロセスでは、必要なプロセス工程、部品点数、工具点数が少ないため、プロセスの複雑さが軽減される。その結果、故障の可能性がある部品が減るため、ステータユニットの堅牢性が向上し、品質が向上する。
本発明の構成のさらなる詳細、特徴及び利点は、関連する図面を参照した例示的な実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】側部閉鎖リングセグメントの透視図であり、その内部と底部、及び様々な突起とクランプ要素を示している、
図1B】様々な突起とクランプ要素だけでなく、内部と上部のビューを備えた側部閉鎖リングセグメントの透視図である、
図2】装着されたクラスタと、そこから切り離された、叉はまだ装着されていない2つの側部閉鎖リングセグメントを有するステータユニットのステータコアの透視概略図である。
図3】ステータユニットの透視図であり、2つの側部閉鎖リングセグメントが装着され、まだ鋳造されていない接点が露出したクラスタを示す。
図4A】クラスタに取り付けられた側部閉鎖リングセグメントと、導体部分の接続要素がコイル線に接続され、その周囲に容器が形成される接点とを備えたステータユニットの部分図である。
図4B】接点が露出したままの成形容器の詳細図である。
図5】ステータユニットの透視図であり、2つの側部閉鎖リングセグメントと鋳造された電気的に絶縁された接点を持つクラスタの図である。
図6】ステータコアとクラスタの組立状態を示す部分斜視図であり、クラスタベース部には横方向に突起があり、クラスタベース部に隣接して切り欠き部が設けられている。
図7】壁段差を有する側部閉鎖リングセグメントと隣接するコイルの領域におけるステータユニットの一部の断面図である。
図8A】この発明のさらなる実施形態による側部閉鎖リングセグメントの透視図であり、その内部を示し、側部閉鎖リングセグメントの表面をステータユニットの軸方向外側に向けた図である。
図8B】この発明のさらなる実施形態による側部閉鎖リングセグメントの透視図であり、その内部を示し、側部閉鎖リングセグメントの表面をステータユニットの軸方向外側に向けた図である。
図9】本発明のさらなる実施形態によるステータユニットの部分領域の透視図であり、2つの装着された側部閉鎖リングセグメントを有し、まだ鋳造されていない露出した接触点を有するクラスタの一部の図である。
図10】2つの側部閉鎖リングセグメントと鋳造された電気的に絶縁された接点を備えたクラスタを透視したステータユニットの図である。
図11】ステータコアの壁、コイルウェブ、及びコイルを形成するためにその周囲に巻かれたリード線、クラスタ、及び側部閉鎖リングセグメントを通る断面平面を有するステータユニットの領域の断面図である。
図12】ステータコアの壁、コイルウェブ、コイルを形成するためにその周囲に巻かれたリード線、クラスタ、側部閉鎖リングセグメントを通る断面平面を持つステータのさらなる領域の断面図である。
【0021】
図1A及び図1Bは、熟練した、簡単な、効果的な、堅牢な、費用効果の高い方法で、上述の特性を有する絶縁カバーを可能にする側部閉鎖リングセグメント1を示す。側部閉鎖リングセグメント1は、外側が凸状に湾曲し、内側が凹状に湾曲したリングセグメント壁2からなる。リングセグメント壁2の上部2aには、複数の放射状突起が凹状内側に形成されている。リングセグメント壁2の湾曲方向におけるリングセグメント壁2の2つの対向する端部のそれぞれには、半径方向突起が外側クランプ要素3の形で形成されており、この外側クランプ要素3は、湾曲方向の外側を向くフック状の端部3aを有している。クランプ要素3は、後に続く更なる図に示すように、少なくとも1つの側部閉鎖リングセグメント1がクラスタ組立体を形成するクラスタに組立てた後、側部閉鎖リングセグメント1を保持し、位置決めする役割を果たす。
さらに、いくつかの放射状の突起4、5が、リングセグメント壁2の内側で湾曲方向に外側クランプ要素3の間に配置されている。
【0022】
図1A及び図1Bに示す構成では、このような半径方向突起4、5の形状が異なっている。すなわち、単純な半径方向突起4があり、これらはそれぞれ湾曲方向において外側クランプ要素3に隣接しており、2つの枠状突起5が湾曲方向においてこれらの単純な半径方向突起4の間に配置されている。さらに、図1A及び図1Bの実施形態によるリングセグメント壁2の内側には、別の3つの突起が配置され、これらは側部閉鎖要素6と呼ばれる。これらの側部閉鎖要素6は、それぞれリングセグメント壁2の上部2aの下縁に配置され、湾曲方向において半径方向突起4、5の間に常に位置するように、湾曲方向に分布している。図1Aに見られるように、これらの半径方向突起叉は側部閉鎖要素6の自由端6aは、リングセグメント壁2の曲率方向と同じ曲率方向を有する凹状の曲率を有する。
【0023】
図1A及び図1Bは、各場合において異なる視点から側部閉鎖リングセグメント1を示しており、図1Aは、凹状に湾曲した内部及び側部閉鎖リングセグメント1の接触面7上の図を示しており、この接触面7は、側部閉鎖リングセグメント1の軸方向への取り付け時に、ステータユニットの内部を指し、ステータコアの軸方向壁面叉は絶縁体の付属段差に接触する、図1Bは、側部閉鎖リングセグメント1の反対側の上面8上の図を主に示している。1Bは主に側部閉鎖リングセグメント1の反対側の上面8を示し、この上面は軸方向外側を向いており、単純な半径方向突起4と枠状突起5の隣接する上面と平面上にある。
【0024】
図1Aでは、リングセグメント壁2の上部2aの下縁、したがって上部2a全体が、リングセグメント壁2の下部2bに比べて半径方向内側に突出している。
リングセグメント壁2の上部2aのこの下縁には、既に述べたように、側部閉鎖要素6が、リングセグメント壁2の内側に半径方向の突起として、湾曲方向に分布して配置されている。合計2つの下側クランプ要素9は、端部の下方に放射状の突起として設計されている。上側部分2aの内側に突出する外側クランプ要素3、側部閉鎖要素6、単純な放射状突起4及び枠状突起5とは対照的に、これらの下側クランプ要素9は、リングセグメント壁2の下側部分2bの内側に配置されている。下側クランプ要素9はそれぞれ、湾曲方向において上側部分2aの下縁に隣接する2つの側部閉鎖要素6の間に配置されている。図1A及び図1Bの両方から分かるように、下側クランプ要素9は、軸方向において枠状突起5の下方に位置している。したがって、図1A及び図1Bには示されていないクラスタへの取り付けのためにクラスタの上部に横方向に係合するために設けられている2つの大きな外側のクランプ要素3に加えて、側部閉鎖リングセグメント1は、取り付け後に側部閉鎖リングセグメント1を保持し位置決めするためにクラスタの底部に係合することができる2つの小さな下側のクランプ要素9を有している。
【0025】
図2は、冷媒圧縮機を駆動するための電動モータのステータユニット10のまだ完全に組み立てられていない部品、すなわち、ステータユニット10の他の部品から切り離されているか、まだ取り付けられていない2つの側部閉鎖リングセグメント1を有するステータユニット10の透視図である。ステータユニット10は、少なくとも実質的に中空円筒の形状を有するステータコア11からなり、このステータコア11は、その内側に、円周上に均等に分布するように配置され、その断面に対して半径方向内側に向けられたコイルウェブ12を有し、コイルウェブには、コイル14を形成するリード線13が巻回され、このリード線13は、少なくとも3相に分割されている。ステータコア11には絶縁体15が設けられており、この絶縁体15は、限定されるものではないが、ステータコア11と巻線コイル14との間に、図2に部分的に見えるように形成されており、例えばポリアミドPA66のようなプラスチックでステータコア11をオーバーモールドすることによって得ることができる。
【0026】
さらに、ステータユニット10は、実質的に環状のクラスタ16からなり、このクラスタ16は、円弧状のクラスタベース部品17、18とともに、ステータコア11の軸方向外壁面11a上に配置されている。絶縁体15上に「浮いた」このクラスタ16は、コイル接続手段と、モータ駆動制御ユニットへのインターフェース19と、コイル接続手段及びインターフェース19のための支持部20とから構成されている。コイル接続手段は、相線の線端13aをモータ駆動制御ユニットへのインターフェース19の線要素22に接続するための3つの第1の接続要素21.1のうちの1つをそれぞれ備えた3つの第1の導体部分からなる。さらに、コイル接続手段は、例えばバスバーのような少なくとも1つの第2の導体部分からなり、この導体部分叉はこのバスバーをコイル14のリード線13のさらなる線端13bに接続するための第2の接続要素21.2を有する。
【0027】
図2によれば、インターフェース19の線路要素22は、3つのプラグコネクタ接続(Eピン接続)として具現化されている。支持部20は、ベースプレート23と絶縁カバー24とからなり、全体として円形のリングセグメントを有する実質的に円形のリング形状を有する。コイル(母線スター回路)を接続するための少なくとも1つの第2の導体部分と、コイル14をモータ駆動制御ユニットへのインターフェース19の線路要素22に接続するための第1の導体部分は、それぞれ絶縁カバー24によって覆われ、支持部分20内に囲まれている。さらに、絶縁カバー24は、モータ駆動制御ユニットへのインターフェース19の領域において線路要素22に対応する管状スリーブ25を有し、線路要素22を包囲する。封入された導体部品の接続要素21.1、21.2はそれぞれ、半径方向において絶縁カバー24の合計2つの半径方向側壁26、27のうちの1つを通過する。接続要素21.1、21.2の各々は、半径方向側壁26、27の1つ上に載り、絶縁カバー24によって覆われておらず、ベースプレート23の外縁にある複数の半径方向V字形凹部28の1つ上の領域まで円弧状の外側輪郭を有する、それぞれの場合においてベースプレート23の2つの外側領域の1つの上方に延びるフォーク状端部を有する。
【0028】
クラスタ16のうち、支持部20の絶縁カバー24によって覆われておらず、接続要素21.1、21.2が半径方向に突出する領域は、以下では切り欠き部29、30と呼ぶ。コイル叉はコイル素線のワイヤ端部13a、13bは、軸方向に半径方向凹部28のそれぞれを通過する。接続要素21.1、21.2のフォーク状端部は、軸方向に走るワイヤ端部13a、13bが下方から、すなわちステータコア11内のコイル14から来るワイヤ端部13a、13bがフォーク状端部に挿入されるように整列されている。接続要素21.1、21.2がコイル14叉はコイル素線の線端13a、13bに電気的に接続される点を、以下では接触点31とも呼ぶ。
【0029】
図2によれば、3つの線端13aは、第1の切り欠き部29においてクラスタ16の導体部品の接続要素21.1に接続されている。インターフェース19のライン要素22に接続されるこれらの第1の導体部品は、図2では見えない。ステータコイルの巻線と、クラスタ16の第2の導体部分、例えばバスバーのスターポイントとの接触点31は、さらに第2の切り欠き部30にあり、この導体部分に接続された接続要素21.2は、これらの接触点31で電線端13bに接続されている。
支持部20は、それぞれ第1の端部17a、18aで絶縁カバー24に接続され、それぞれ第2の端部17b、18bでステータコア11の軸方向外側の壁面11a上に載置された、第1の、より小さいクラスタベース部品17と、第2の、より大きいクラスタベース部18とからなる。それぞれの第2の端部17b、18bを有するクラスタベース部品17、18は、軸方向下方に向けられ、すなわちステータコア11に向けられ、ベースプレート23の平面の下方に位置するステータコア11の軸方向壁面11aまで、ベースプレート23の外縁上を走っている。
【0030】
図2では、2つのクラスタベース部品17、18の各々は、円形リング状支持部品20の外周の異なる異なる大きさの領域に沿って配置されており、これらの領域の絶縁カバー24は、円形リング状支持部品20の円形外縁まで半径方向に延びている。小さい方のクラスタベース部17と大きい方のクラスタベース部18との呼称は、それぞれ、円環状支持部20の周方向叉はステータコア11の周方向におけるクラスタベース部17、18の大きさが異なることを意味する。各ケースにおいて環状支持部20の周方向の一部に亘って走行する2つのクラスタベース部17、18は、周方向の両側に互いに間隔を隔てて配置されており、各ケースにおいてクラスタベース部17、18の間の周方向の両側に、絶縁カバー24に覆われない接触点31を有する切り欠き部29、30が延びている。
【0031】
図2は、クラスタ16がステータコア11の絶縁体15に装着され、2つの側部閉鎖リングセグメント1がそこから切り離された、叉はまだ組み立てられていない状態の、ステータユニット10の鋳造ステータコア11を示しているのに対し、図3は、2つの側部閉鎖リングセグメント1がステータコア11上に配置されたクラスタ16に装着されたステータユニット10の透視図を示している。
一方では、側部閉鎖リングセグメント1をクラスタ16の支持部20の外周上叉は切り込み部29、30の外縁に取り付けることにより、円弧状のクラスタベース部品17、18間の隙間が閉じられる。その結果、クラスタベース部品17、18と側部閉鎖リングセグメント1の2つのリングセグメント壁2とからなる閉鎖外側リングが得られ、この外側リングは、切り欠き部29、30におけるベースプレート23の外縁を含む全周にわたってクラスタ16の支持部品20を取り囲む。側部閉鎖リングセグメント1がクラスタ16に取り付けられるクランプ要素3と併せて、側部閉鎖リングセグメント1は、その機能に従って「外側リング閉鎖クランプ」とも呼ぶことができる。
【0032】
一方、側部閉鎖リングセグメント1をクラスタ16に取り付けると、接触点31が容器32内に配置されることにもなる。図3によれば、これらの容器32は、側部閉鎖リングセグメント1の半径方向突起4、5の端部が絶縁カバー24の半径方向側壁26、27に当接することによってそれぞれ形成される。このようにして、容器32はそれぞれ、径方向突起4、5のうちの2つによって形成される2つの対向する境界壁によって、クラスタ16の周方向において区切られ、径方向においては、リングセグメント壁2と絶縁カバー24の側壁26、27とによって区切られ、これらは径方向のさらに内側において互いに対向している。側部閉鎖リングセグメント1は、図3に見られるように、限定することなく、外側クランプ要素3によってクラスタ16の支持部20に取り付けられている。
【0033】
クラスタ16と側部閉鎖リングセグメント1との間の接続をより詳細に図4Aに示しており、この図では、クラスタ16及び接点31に取り付けられた側部閉鎖リングセグメント1を備えたステータユニットの端面の一部を示している。接点31のそれぞれにおいて、第1の導体部分の第1の接続要素21.1が相線の線端13aに接続されている。側部閉鎖リングセグメント1は、外側クランプ要素3のフック状端部3aをクラスタ16の支持部20の対応する凹部33に受け入れることによって、クラスタ16の支持部20との接続、例えばクランプ接続叉はスナップ接続を形成する。
【0034】
既に述べたように、容器32はそれぞれ、径方向突起4、5のうちの2つによって形成される2つの対向する境界壁によって、また、径方向においては、外側リングセグメント壁2と、径方向においてさらに内側にあるクラスタ16の絶縁カバー24の対向する側壁26とによって、クラスタ16の周方向に区画されている。
2つの容器32は、それぞれ形状の異なる放射状の突起4、5によって区切られている。これらの容器32の間の円周方向に容器32が配置され、この容器32は、2つの同一の枠状の突起5によって区切られている。枠状の突起5が、同じく前端面が円周方向に湾曲している絶縁カバー24の側壁26上に載っている間、図4Aに示すように、単純な放射状の突起4はそれぞれ、その自由端が支持部20のさらなる凹部34によって部分的に受け止められている。単純な放射状の突起4は、容器の境界壁を提供するという任務に加えて、さらなる機能、すなわち、クランプ要素3と同様に、クラスタ16に取り付けた後に側部閉鎖リングセグメント1を保持し、位置決めするという機能を果たす。
【0035】
図4Aに示すように、側部閉鎖リングセグメント1の外側リングセグメント壁2の内側に形成されている側部閉鎖要素6は、切り込み領域29の外縁にあるワイヤ端部13aが上に整列している連結要素21.1のフォーク状端部まで通過する半径方向V字形の凹部28に受け入れられている。すなわち、側部閉鎖要素6は、切り欠き領域29の外周縁の半径方向凹部28に対応し、絶縁充填材の鋳造コンパウンドが、凹部28を通ってステータユニットの巻線空間内に漏出するのを防止する働きを有する。
【0036】
図4Bは、接点31がまだそこに露出している状態で、2つの枠状突起5の間に形成された容器32の詳細図である。特に、図4Bは、側部閉鎖要素6の凹状湾曲端部6aが、側壁26から突出した接続要素21.1のフォーク状端部21aに挿入されたリード線の線端部13aにかかっていることを明瞭に示している。同様にして、図4A及び図4Bには図示していない第1の切り欠き部29及び第2の切り欠き部の両方の各凹部28は、少なくとも、鋳造中に鋳造化合物、例えばエポキシ樹脂が逃げない程度に閉じられている。
側部閉鎖リングセグメント1をクラスタ16に取り付けることによって形成された容器32は、キャスティングコンパウンドを受け入れるのに適しているが、図3図4A及び図4Bに示すように、まだ充填されていないので、接点31はまだ絶縁されておらず、露出している。
【0037】
図5は、対応するステータユニット10を示しており、ステータコア11上に配置されたクラスタ16を側部閉鎖リングセグメント1で組み立てることによって生成され、接点が配置された容器は、絶縁充填材35、例えばエポキシ樹脂で充填されている。絶縁充填材35で鋳造することにより、図5では見えない接点が電気的に絶縁される。放射状突起4、5は境界壁を提供し、したがって、絶縁性充填材の液体キャスティングコンパウンド35を受け入れるための容器の形成を可能にする。放射状突起4、5の設計及び側部閉鎖リングセグメント1におけるそれらの配置は、キャスティングコンパウンド35を確実に保持し、できるだけ多くのキャスティングコンパウンド35を節約するのに役立つ。
【0038】
ステータユニット10の取り付けは、通常、以下のステップで構成される。
最初のステップIでは、ステータコア11に、例えばポリアミドPA66のようなプラスチック製の基本的な絶縁体を施こす。これは、オーバーモールドによって行うことができる。この場合、ステータコア11の軸方向の壁面11aには、ステータコア11の周方向に互いに間隔をおいて配置された2つの壁段差15aが絶縁体によって成形される。
第2のステップIIでは、基本絶縁が施されたステータコア11にクラスタ16を取り付ける際に、導体部品の接続要素、例えばバスバースター回路の接続要素や相接続の接続要素に挿入できるように、ワイヤ端部を軸方向に整列させる。
第3のステップIIIでは、クラスタ16を基本絶縁が施されたオーバーモールドのステータコア11に取り付け、クラスタベース部品17、18とともにステータコア11の軸方向壁面11aに貼り付ける。次に、電線端部が接触点で導体部品の接続要素に接続され、これらの導体部品はクラスタ16の構成要素である。
【0039】
各場合に互いに接続されたワイヤ端部及び接続要素を絶縁するために、前記ワイヤ端部及び接続要素は、好ましくは、キャスティングコンパウンド35としてエポキシ樹脂で製造することができ、側部閉鎖リングセグメント1は、キャスティングコンパウンド35をより確実に塗布する目的のために使用され、したがって、コストを節約することができる。第4のステップIVでは、キャスティングコンパウンド35を固定するための要素として複数の放射状突起4、5を有する側部閉鎖リングセグメント1が、クランプ要素3によってクラスタ16にクランプされる。これは、半径方向及び/叉は軸方向のいずれか、叉は両方の方向の組み合わせで行われる。好ましくは、2つの側部閉鎖リングセグメント1は、クラスタベース部品17及び18よりも軸方向に短く設計され、これらとは異なり、ステータコア11の軸方向壁面11a上に載置されず、ステータユニット10の配線領域におけるエアギャップ及び漏れ電流に関する絶縁調整要件を満たすために、絶縁体によって形成されたオーバーモールドステータコア11の特別な壁段差15aの1つ上に各場合に載置される。
【0040】
側部閉鎖リングセグメント1をクラスタ16に取り付けることにより、図3及び図5に従って6つの容器32が形成され、これらの容器32は、各場合において、接点31を取り囲み、絶縁充填材35のキャスティングコンパウンドを受け入れ、その損失を防止することができる。
最後に、最終ステップVで、絶縁の目的で容器内に配置された接点を覆うために、6つの容器に絶縁充填材35、好ましくはエポキシ樹脂のキャスティングコンパウンドを充填する。これでステータユニット10の取り付けは完了である。
【0041】
図6は、絶縁体15が設けられたオーバーモールドステータコア11にクラスタ16が装着され、それによって複数のクラスタベース部品がステータコア11の軸方向壁面11aに適用された、上述の装着ステップIII後の状況に対応するオーバーモールドステータコア11とクラスタ16の組立の一部を示している。図6には、第1のクラスタベース部品17と、それに隣接する側部閉鎖領域叉は第1の切り欠き部29の一部を示している。図示した切り欠き部29の一部において、コイル叉はコイル素線の線端13aは、切り欠き部29のベースプレート23の外縁に設けられた半径方向凹部28に軸方向に通されている。さらに軸方向のコースにおいて、ワイヤ端部13aは、絶縁カバー24の側壁26から突出する、対応する半径方向に整列した接続要素21.1のフォーク状端部21aに挿入され、それと接触点31を形成する。さらに、ステータコア11の周方向における第1のクラスタベース部17の内側の領域には、両側に横方向に突出する壁要素36が形成されており、図6では、第1の切り欠き部29に突出する1つの壁要素36のみが見える。これらの壁要素36は、コイルとモータハウジングの金属との間の狭い直接空隙を塞ぐ機能を有し、この空隙は、ステップIIIでまだ取り付けられていないクラスタ16と側部閉鎖リングセグメントとからなるクラスタ組立体を備えたステータユニットがモータハウジング内に取り付けられると残ることになる。
【0042】
図7は、上述のステップIVに従ってクラスタ16にクランプされた側部閉鎖リングセグメント1を備えたステータユニットの一部を示す断面図である。側部閉鎖リングセグメント1は、その接触面7を、絶縁体15によってステータコア11の軸方向壁面11aに形成された壁段差15a上に載せている。つまり、クラスタベース部品とは対照的に、側部閉鎖リングセグメント1はステータコア11の軸方向壁面11a上に直接配置されていない。図7はまた、側部閉鎖リングセグメント1及び絶縁体15の後方で半径方向に配置されたコイル14と、接続要素21がリード線叉はコイル線13の線端に接続される接点31とを示している。壁段差15aは、導電部であるコイルワイヤ13からステータコア11の軸方向壁面11aの金属まで漏れ電流長37を延ばし、電気作動式冷媒圧縮機のステータユニットにおける漏れ電流要件を満たす。
【0043】
本発明の範囲内において、側部閉鎖リングセグメント1の突起の形状及び配置パターンは、図1図7に示したもの以外にも考えられる。唯一の必要条件は、これらの突起及び配置パターンが、鋳造できるようにするためにクラスタと共に空洞叉は容器を形成する機能を満たし、その結果、露出した巻線端部を絶縁することであり、製造のためにわずかな容積が形成されればよい。対応するように構成された側部閉鎖リングセグメント101が、側部閉鎖リングセグメント101を異なる視点から示す図8A及び図8Bに示している。図8Aは、ステータユニットへの取付け後に上方叉は軸方向外方を向く上面108を透視した側部閉鎖リングセグメント101の透視図である。
【0044】
側部閉鎖リングセグメント101は、外側が凸状に湾曲し、内側が凹状に湾曲したリングセグメント壁102からなる。リングセグメント壁102の上部102aには、複数の放射状突起が凹状内側に形成されている。リングセグメント壁102の曲率方向において対向するリングセグメント壁102の2つの端部のそれぞれにおいて、半径方向突起が外側クランプ要素103の形状に形成され、この外側クランプ要素103は、曲率方向において外側を向くフック形状の端部103aを有する。クランプ要素103は、図8A、Bに示すように、クラスタに取り付けた後、側部閉鎖リングセグメント101を保持し、位置決めする役割を果たす。さらに、外側のクランプ要素103の間のリングセグメント壁102の内側に、複数の異なる形状の半径方向突起104、105a、105bが曲率方向に配置されている。半径方向突起104があり、これらはそれぞれ、湾曲方向において外側ブラケット要素103の1つに隣接して配置され、丸みを帯びた自由角を有する直角三角形に対応する底面積を有し、その斜辺は、湾曲方向に対して側部閉鎖リングセグメント101の中心に向けられた突起104の内側にある。
【0045】
さらに内側には、合計4つのプリズム状の突起105a、105bが曲率方向に間隔をあけて配置されている。ここで、隣接する2つの中央の突起105bは、少なくともほぼ対称な二等辺三角形の台形形状を底面積として有し、さらに外側に配置される残りの2つの突起105aは、それぞれ中央の突起105bとクランプ要素103の1つに隣接して位置する突起104との間に配置され、直角の台形形状を有し、直角は突起105aの台形形状の反対側よりも曲率方向にさらに外側にある。図8Aに示すとおり、すべての突起104、105a、105bは、その上面に凹部が設けられている。さらに、リングセグメント壁102の内側には、別の3つの突起が配置され、これらは側部閉鎖要素106と呼ばれる。これらの側部閉鎖要素106の各々は、リングセグメント壁102の上部102aの下縁に位置し、曲率方向において半径方向突起104、105a、105bの間に常に位置するように、曲率方向に分布している。図8Aに示すように、これらの半径方向突起叉は側部閉鎖要素106の自由端106aは、リングセグメント壁102の曲率方向と同じ曲率方向を有する凹状の曲率を有する。さらに、合計2つの下部クランプ要素109が、中央のプリズム状突起105bとさらに外側に位置する隣接するプリズム状突起105aとの間の隙間の下方に、放射状突起としてそれぞれ配置されている。
【0046】
図8Bは、側部閉鎖リングセグメント101を、凹状に湾曲した内側と、側部閉鎖リングセグメント101の接触面107とを示す図であり、側部閉鎖リングセグメント101の接触面107は、側部閉鎖リングセグメント101が取り付けられたときに軸方向でステータユニットの内部を向き、オーバーモールドされたステータコアの軸方向の壁面叉は絶縁体によって形成された壁段差に接触する。図8Bから、リングセグメント壁102の上部102aの下縁、したがって上部102a全体が、リングセグメント壁102の下部102bに比べて半径方向内側に突出していることが明らかである。リングセグメント壁102の上部102aのこの下縁には、既に述べたように、側部閉鎖要素106が、湾曲方向に分布するリングセグメント壁102の内側に半径方向突起として配置されている。下側クランプ要素109は、上側部分102aの縁のすぐ下に放射状の突起として設計されている。
【0047】
上側部分102aの内側に突出する外側クランプ要素103、側部閉鎖要素106及び突起104、105a、105bとは対照的に、これらの下側クランプ要素109は、リングセグメント壁102の下側部分102bの内側に配置されている。下部クランプ要素109は、2つの側部閉鎖要素106の間の湾曲方向において、上部102aの下縁に隣接して配置されている。したがって、クラスタに取り付けるためにクラスタの上部に横方向に係合する2つの大きな外側クランプ要素103に加えて、側部閉鎖リングセグメント101は、取り付け後に側部閉鎖リングセグメント1を保持し位置決めするためにクラスタの底部に係合することができる2つの小さな下側クランプ要素109を備えている。
【0048】
図9は、ステータコア11上に配置されたクラスタ116に2つの側部閉鎖リングセグメント101が取り付けられたステータユニット110の透視図である。図示の実施形態は、側部閉鎖リングセグメント101の形状だけでなく、クラスタ116の形状に関しても、図2図4に示した実施形態と異なっている。図9に示すクラスタ116においても、接点31において、環状の支持部品120によって囲まれている導体部品の接続要素21.1、21.2が、それぞれ、支持部品120の絶縁カバー124の側壁126、127を半径方向に貫通している。接続要素21.1、21.2は、そのフォーク状端部を半径方向に、ベースプレート123の上方の合計2つの切り欠き部129、130に延在しており、ベースプレート123は、これらの切り欠き部129、130において側壁126、127に対して静止しており、絶縁カバー124によって覆われておらず、環状クラスタ116の外周叉は環状支持部120の外周に沿って円弧状のリングセグメントを有して走行する。
【0049】
切り欠き部129、130の外周縁には、複数、この場合合計6個の放射状V字形凹部が形成され、これらは図9において側部閉鎖リングセグメント101によって覆われている。合計6個の接続要素21.1、21.2の各々は、そのフォーク状端部を、切り欠き部129、130内のベースプレート123の外縁にある放射状V字形凹部の1つ上の位置まで延在させる。コイル叉はコイル素線のワイヤ端部13a、13bは、軸方向において半径方向凹部のそれぞれを通過する。接続要素21.1、21.2のフォーク状端部は、軸方向に走行するワイヤ端部13a、13bが下方から、すなわちステータコア11内のコイル14からフォーク状端部に挿入されるように整列されている。
【0050】
クラスタ116の支持部120はさらに、第1の、より小さいクラスタベース部品117と、第2の、より大きいクラスタベース部品118とからなり、それぞれ第1の端部117a、118aが絶縁カバー124に接続され、第2の端部117b、118bがステータコア11の軸方向外側の壁面11aに載っている。ここで、クラスタベース部品117、118は、それぞれの第2端部117b、118bを軸方向下方に向けられ、すなわちステータコア11に向けられ、ベースプレート123の平面下方に位置するステータコア11の軸方向壁面11aまでベースプレート123の外縁を乗り越えている。つの円弧状クラスタベース部117、128はそれぞれ、クラスタ116の環状支持部120の外周の大きさの異なる異なる領域に沿って走っており、これらの領域の絶縁カバー124は、環状支持部120の外縁まで径方向に延びている。
【0051】
円弧状のクラスタベース部117、118は、周方向の両側で互いに間隔をあけて配置されている。絶縁カバー124によって覆われていない2つの切り欠き部129、130は、2つのクラスタベース部117、118の間、及びクラスタベース部117、118に隣接する絶縁カバー124の領域の間にも、それぞれ周方向に延びている。図2ないし図4に示すクラスタの半径方向側壁とは対照的に、図9に示すクラスタ116の絶縁カバー124の半径方向側壁126、127には、それぞれの場合において実質的に台形の底面積を有する角柱形状の中空体の形態の半径方向突起38が形成されている。合計4つの放射状突起38は、2つの貫通連結要素21.1、21.2の間にそれぞれ配置されるように、ここでは円周方向に分布している。突起38はそれぞれの側壁126、127から、それぞれの切り欠き部129、130のベースプレート123の外縁まで延びている。
【0052】
側部閉鎖リングセグメント101をクラスタ116に取り付けることにより、円弧状のクラスタベース部品117、118間の隙間が、支持部120の外周上叉は切り欠き部129、130の外縁上で閉鎖される。その結果、クラスタ基部117、118と2つの側部閉鎖リングセグメント101のリングセグメント壁102とからなる閉じた外側リングが得られ、この外側リングは、切り欠き部129の外縁を含む全周にわたってクラスタ116の支持部120を取り囲む。側部閉鎖リングセグメント101がクラスタ116に取り付けられるクランプ要素103と併せて、側部閉鎖リングセグメント101は、その機能に従って「外側リング閉鎖クランプ」とも呼ばれる。側部閉塞リングセグメント101を取り付けることによって生じる容器132は、図9に示すように、まだ材料で満たされていないため、導体部品のワイヤ端部と接続要素の接触点31はまだ絶縁されておらず、露出している。側部閉鎖リングセグメント101の構造は、絶縁カバー124の半径方向側壁126、127上の半径方向突出部38に部分的に対応しており、半径方向突出部38はそれぞれ、取り付けられた側部閉鎖リングセグメント101の2つの隣接する半径方向突出部105a、105bの間の空間を埋めている。
【0053】
図10は、ステータコア11と側部閉鎖リングセグメント101に配置されたクラスタ116からクラスタ組立体を組み立てることによって生成され、接点が配置された容器が、例えばエポキシ樹脂などの絶縁充填材35で充填された、対応するステータユニット110を示している。絶縁充填材で鋳造することにより、図10では見えない接点が電気的に絶縁される。半径方向突起104、105a、105bは境界壁を提供し、したがって、絶縁充填材35の液体キャスティングコンパウンド35を受け入れるための容器の形成を可能にする。放射状突起104、105a、105bの設計及び側部閉鎖リングセグメント101におけるそれらの配置は、キャスティングコンパウンド35を確実に保持し、できるだけ多くのキャスティングコンパウンドを節約するのに役立つ。
【0054】
図11は、絶縁充填材35で製造された完全に取り付けられたステータユニットの一部の透視図と、ステータコア11の壁、リード線13がコイル14に巻かれたコイルウェブ12、クラスタ116、及び側部閉鎖リングセグメント101を通る断面平面を示す半径方向の断面図とを組み合わせたものである。この断面平面は側部閉鎖リングセグメント101の位置を通り、側部閉鎖リングセグメント101の下部クランプ要素109がクラスタ116のベースプレート123の下面にある対応するクランプ受け要素39に係合する。この対応するクリップ受け要素39は、クラスタ116の放射状突起38の1つの下に位置している。ベースプレート123は、放射状の突起38によってこの点で補強されており、これにより、側部閉鎖リングセグメント101とクラスタ116との間のクランプ接続の安定性を高めることができる。また、この実施形態では、側部閉鎖リングセグメント101は、絶縁体15によって形成された壁段差15a上に、その接触面107で配置され、壁段差15a及び絶縁体15は、図11では示されているが、実際には見えない。
【0055】
図12は、また、絶縁充填材35で鋳造された完全に取り付けられたステータユニットの一部の透視図と、概略的な半径方向の断面図とを組み合わせたものである。ここで、断面平面は、ステータコア11の壁、絶縁体15及び絶縁体によって形成された壁段差15aを通り、コイルのリード線13を通り、クラスタ116及び壁段差15a上に配置された側部閉鎖リングセグメント101を通る。断面平面では、側部閉鎖リングセグメント101の位置に配置されており、この側部閉鎖リングセグメント101の位置で、ベースプレート123の外縁にある半径方向凹部128に対応する側部閉鎖要素106が、リード線13がベースプレート123を通って、側部閉鎖リングセグメント101のクラスタ116への取り付けによって形成された容器132まで通過し、この容器132に接点31が位置している。図12が明確に示すように、側部閉鎖要素106の凹状に湾曲した端部106aは、リード線13上に載っている。
【0056】
このようにして、凹部128は、少なくとも、絶縁充填材35が鋳造されるときに鋳造コンパウンドが逃げ出さない程度に、側部閉鎖要素106によって囲まれる。図12はまた、モータ駆動制御ユニットへのインタフェースの線要素(図示せず)を取り囲むスリーブ125の簡略化された断面を示しており、これに接続された接続要素21・1の導体部分40も詳細には見えないが、その位置だけ示している。この導体部40は、3つの第1の導体部の1つであり、それぞれが3つの第1の接続要素21.1の1つに接続されている。プラグコネクタ(E-pin)を受けるためにそれ自体スリーブ状である線状要素を導体部分に電気的に接続するために、そのような導体部分は通常、接続部分として環状のプラグレセプタクルを有し、その中にスリーブ状の線状要素が電気的接触のために垂直に挿入される。導体部の環状接続部から出発して、接続要素21.1は、絶縁カバーの半径方向側壁126を貫通して切り欠き部129に半径方向に延び、接点31で相のリード線13の線端13aに電気的に接続される。
【符号の説明】
【0057】
1 側部閉鎖リングセグメント
2 リングセグメント壁
2a リングセグメント壁2の上部
2b リングセグメント壁2の下部
3 外側クランプエレメント
3a 外側クランプ要素3のフック状端部
4 リングセグメント壁の内側にある単純な半径方向の突起 2
5 リングセグメント壁2の内側にある枠状の放射状突起
6 側部閉鎖要素
6a 側部閉鎖要素6の端部
7 側部閉鎖リングセグメント1の接触面
8 側部閉鎖リングセグメント1の上面
9 下部クランプエレメント
10 ステータユニット
11 ステータコア
11a ステータコア11の軸方向壁面
12 コイルウェブ
13 リード線、コイル線
13a ワイヤーエンド
13b ワイヤーエンド
14 コイル
15 基礎断熱
15a ウォールステップ
16 クラスタ
17 クラスタベース部、小型クラスタベース部
17a 小型クラスタベース部17の第1端
17b 小型クラスタベース部17の第2端
18 クラスタベース部、大型クラスタベース部
18a 大型クラスタベース部18の第1端
18b 大型クラスタベース部18の第2端
19 インターフェース
20 支持部 サポート部
21 導体部品の接続要素
21.1 導体部分の接続要素(位相接続)
21.2 導体部分の接続要素(スターポイント回路)
21a 接続要素21のフォーク端
22 インターフェースのライン要素19
23 ベースプレート
24 絶縁カバー
25 絶縁カバーの筒状スリーブ
26 絶縁カバーの側壁
27 絶縁カバーの側壁
28 ベースプレート23の外縁にある放射状の凹部
29 絶縁カバーの切り欠き部
30 絶縁カバーの切り欠き部
31 コンタクトポイント
32 容器
33 クランプ要素3のための支持部20の凹部
34 支持部20の半径方向突起4のための凹部
35 絶縁充填材、キャスティングコンパウンド
36 横方向に突出した壁要素
37 漏れ電流の長さ
38 放射状の突起
39 クランプ受け要素
40 第一導体部
101 側部閉鎖リングセグメント
102 リングセグメント壁
102a リングセグメント壁102の上部
102b リングセグメント壁102の下部
103 外側クランプエレメント
103a 外側クランプエレメント103のフック状端部
104 リングセグメント壁102の内側にある半径方向の突起
105a リングセグメント壁102の内側にある半径方向の突起
105b リングセグメント壁102の内側にある半径方向の突起
106 側部閉鎖要素
106a 側部閉鎖要素106の端部
107 側部閉鎖リングセグメント101の接触面
108 側部閉鎖リングセグメント101の上面
109 下部クランプエレメント
110 ステータユニット
116 クラスタ
117 クラスタベース部、小型クラスタベース部
117a 小型クラスタベース部117の第1端
117b 小型クラスタベース部117の第2端
118 クラスタベース部、大型クラスタベース部
118a 大型クラスタベース部118の第1端
118b 大型クラスタベース部118の第2端
120 支持部、クラスタ116の一部をサポート
123 ベースプレート
124 絶縁カバー
125 絶縁カバーの筒状スリーブ
126 絶縁カバー124の半径方向側壁
127 絶縁カバー124の半径方向側壁
128 ベースプレート123の外縁にある放射状の凹部
129 絶縁カバーの切り欠き部
130 絶縁カバーの切り欠き部
132 容器

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】