(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134545
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】コネクタ配置構成
(51)【国際特許分類】
H01R 13/641 20060101AFI20240926BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01R13/641
H01R13/639 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024043699
(22)【出願日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】23162964
(32)【優先日】2023-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】310022361
【氏名又は名称】ヤザキ・ヨーロッパ・リミテッド
【住所又は居所原語表記】Beechwood House, 2-3 Commercial Way, Christy Close, Basildon, Essex, SS15 6EF United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリオ マンディール
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA09
5E021FC36
5E021FC40
5E021HC09
5E021KA06
5E021KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】CPA部材と切替え可能な電気回路を備える検出装置とを備えるコネクタ配置構成を提供する
【解決手段】コネクタ3及びコネクタと嵌合するように構成される対応する嵌合コネクタと、開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成されるCPA部材1であって、閉状態においてコネクタと嵌合コネクタとの適切な嵌合を確認するのに適応しており、コネクタと嵌合コネクタとの偶発的な脱嵌合を防止するCPA部材と、CPA部材の閉状態を検出する為の検出装置5であって電気回路を備える検出装置と、を備えるコネクタ配置構成。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ(3)及び前記コネクタ(3)と嵌合するように構成される対応する嵌合コネクタ(4)と、
開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成されるCPA部材(1)であって、前記閉状態において前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との適切な嵌合を確認するのに適応しており、前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との偶発的な脱嵌合を防止するCPA部材(1)と、
前記CPA部材の前記閉状態を検出する為の検出装置(5)であって、この検出装置は電気回路(8)と前記電気回路を接続及び切断する為のばね接点(7)とを備え、前記ばね接点は弾性部材(9,10)を備え、前記CPA部材(1)が前記開状態から前記閉状態へ移動したときに、前記弾性部材は前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との少なくとも一方により撓曲し、前記弾性部材は前記電気回路の導体部を含む、検出装置(5)と、
を備えるコネクタ配置構成。
【請求項2】
コネクタ(3)及び前記コネクタ(3)と嵌合するように構成される対応する嵌合コネクタ(4)と、
開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成されるCPA部材(1)であって、前記閉状態において前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との適切な嵌合を確認するのに適応しており、前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との偶発的な脱嵌合を防止するCPA部材(1)と、
前記CPA部材の前記閉状態を検出する為の検出装置(5)であって、当該検出装置は電気回路(8)と前記電気回路を接続及び切断する為のばね接点(7)とを備え、前記ばね接点は弾性部材(9,10)を備え、前記CPA部材(1)が前記開状態から前記閉状態へ移動したときに、前記弾性部材は前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との少なくとも一方により撓曲し、前記弾性部材は前記電気回路の導体部を含む、検出装置と、
を備え、
前記検出装置(5)は前記CPA部材(1)にのみ配置され、前記検出装置(5)は、モジュール部材が前記CPA部材(1)に接続されるか、前記CPA部材(1)に一体化されるかのどちらかである、
コネクタ配置構成。
【請求項3】
前記検出装置(5)は、前記コネクタ(3)と前記CPA部材(1)とに部分的に配置される、請求項1又は2のいずれかに記載のコネクタ配置構成。
【請求項4】
前記電気回路(8)は互いに電気絶縁された二つの接点部分(11)を有して、前記弾性部材(9)が前記二つの接点部分を架橋するのに適応しており、前記CPA部材(1)が前記閉状態にあるときに前記導体部は前記電気回路(8)を接続又は切断する、請求項1又は2のいずれか一項に記載のコネクタ配置構成。
【請求項5】
前記CPA部材(1)が前記閉状態にあるときに、撓曲した前記弾性部材(8)のばね張力が前記導体部を前記二つの接点部分(11)に押圧するか、又は前記二つの接点部分(11)から離間させる、請求項4に記載のコネクタ配置構成。
【請求項6】
前記弾性部材(9)は二つの脚部(20,21)を有し、前記導体部は一方の脚部から他方の脚部まで延在して、各脚部が前記二つの接点部分(11)の一方を前記導体部と接触させるのに適応している、請求項4に記載のコネクタ配置構成。
【請求項7】
前記二つの接点部分(11)は前記コネクタ(3)に配置され、前記弾性部材(9)は前記CPA部材(1)に配置される、請求項4に記載のコネクタ配置構成。
【請求項8】
コネクタ(3)及び前記コネクタ(3)と嵌合するように構成される対応する嵌合コネクタ(4)と、
開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成されるCPA部材(1)であって、前記閉状態において前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との適切な嵌合を確認するのに適応しており、前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との偶発的な脱嵌合を防止するCPA部材(1)と、
前記CPA部材の前記閉状態を検出する為の検出装置(5)であって、この検出装置は電気回路(8)と前記電気回路を接続及び切断する為のばね接点(7)とを備え、前記ばね接点は弾性部材(9,10)を備え、前記CPA部材(1)が前記開状態から前記閉状態へ移動したときに、前記弾性部材は前記コネクタ(3)と前記嵌合コネクタ(4)との少なくとも一方により撓曲して、前記弾性部材は前記電気回路の導体部を含む、検出装置と、
を備え、
前記電気回路(8)は互いに電気絶縁された二つの接点部分(11)を有して、前記弾性部材(9)は前記二つの接点部分を架橋するのに適応しており、前記CPA部材(1)が前記閉状態にあるときに前記導体部は前記電気回路(8)を接続又は切断し、
前記電気回路(8)の少なくとも一部が回路基板(16)に配設されて、前記回路基板は前記導体(3)に配置され、前記二つの接点部分(11)は前記コネクタ(3)の係止アーム(6)に装着され、前記二つの接点部分は前記回路基板(16)の前記電気回路(8)に接続される、
コネクタ配置構成。
【請求項9】
前記検出装置(5)は二つの弾性部材(9,10)を有して、各弾性部材は前記電気回路(8)の導体部を備える、請求項2又は8のいずれかに記載のコネクタ配置構成。
【請求項10】
前記電気回路(8)は電気絶縁された接点ブリッジ(12)を有し、前記CPA部材(1)が前記閉状態にあるときに、前記弾性部材(9,10)は、前記接点ブリッジを前記両方の導体部と接触させることにより前記二つの導体部の間に電気接点を確立して、前記電気回路を接続又は切断するのに適応している、請求項9に記載のコネクタ配置構成。
【請求項11】
前記CPA部材(1)が前記閉状態にあるときに、撓曲した前記弾性部材(9,10)のばね張力が前記導体部を前記接点ブリッジ(12)に押圧するか、又は前記接点ブリッジ(12)から離間させる、請求項9に記載のコネクタ配置構成。
【請求項12】
前記弾性部材(9,10)は前記コネクタ(3)に配置されて、前記接点ブリッジ(12)は前記CPA部材(1)に配置される、請求項9に記載のコネクタ配置構成。
【請求項13】
前記電気回路(8)の少なくとも一部が回路基板(16)に配設され、前記二つの弾性部材(9,10)は前記回路基板(16)に装着されて、前記回路基板は前記コネクタ(3)に配置される、請求項9に記載のコネクタ配置構成。
【請求項14】
前記コネクタ部と前記ブリッジ部分(12)と前記接点部分(11)とのうち少なくとも一つが導電性コーティング(18)として設けられる、請求項8に記載のコネクタ配置構成。
【請求項15】
前記弾性部材(9)は、前記導体部を形成する中実の金属ワイヤ又は平坦な金属ワイヤの形をした金属ばねである、請求項2又は8のいずれかに記載のコネクタ配置構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コネクタ及びコネクタと嵌合するように構成される対応する嵌合コネクタと、開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成されるCPA部材であって閉状態においてコネクタと嵌合コネクタとの適切な嵌合を確認するのに適応していてコネクタと嵌合コネクタとの偶発的な脱嵌合を防止するCPA部材と、CPA部材の閉状態を検出する為の検出装置であって電気回路を備える検出装置と、を備えるコネクタ配置構成に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタ配置構成のコネクタ位置保証(「CPA」)部材は、電気コネクタが完全に嵌合したことを保証するように設けられる。CPA部材は、コネクタが完全に嵌合するまで係合できない二次ロックである。CPA部材が適切に設置及び配備されたことを更に証明するように、無線周波数識別(「RFID」)タグのような電気回路が使用される。
【0003】
特許文献1は、コネクタ位置保証の特徴を備えるRFID対応の電気コネクタを開示している。RFIDタグは、CPA特徴が完全に配備された後にのみ読取り可能である。電気コネクタは少なくとも二つの部品、つまりソケットとプラグとから成る。コネクタハウジングはソケットとプラグとの間に位置し、ソケットとプラグの両方がコネクタハウジングに接続される。CPA特徴が完全に配備されてしまうまで、RFIDタグは導電性材料、好ましくは導電性プラスチックにより被覆される。RFIDタグは、CPA特徴が完全に配備された後でのみ適切に読み取られ得る。
【0004】
被覆されたRFIDタグでは、信号漏出が課題となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CPA部材と切替え可能な電気回路を備える検出装置とを備えるコネクタ配置構成を提供することが目的となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のコネクタ配置構成によりこの目的が達成される。従属請求項には実施形態が記載される。
【0008】
コネクタ配置構成は、コネクタ及びコネクタと嵌合するように構成される対応する嵌合コネクタと、開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成されるCPA部材とを具備し、閉状態においてCPA部材はコネクタと嵌合コネクタとの適切な嵌合を確認するのに適応していてコネクタと嵌合コネクタとの偶発的な脱嵌合を防止する。コネクタ配置構成は更に、CPA部材の閉状態を検出するための検出装置を具備し、検出装置は、電気回路と電気回路を接続及び切断する為のばね接点とを有し、ばね接点は弾性部材又は少なくとも一つの弾性部材を具備し、CPA部材が開状態から閉状態へ移動するときに弾性部材はコネクタと嵌合コネクタとの少なくとも一方により撓曲し、弾性部材は電気回路の導体部を含む。
【0009】
電気回路と電気回路を接続及び切断する為のばね接点とを有する検出装置は、検出装置のオン及びオフを切り替えることができるので有利である。こうして電気回路を接続又は切断することによる電気回路の状態変化は、CPA部材が開状態から閉状態へ移動したことを示す。電気回路は、送信アンテナと、CPA部材が開状態から閉状態へ移動したことを無線で示す為の論理ブロックとのうち少なくとも一方を具備し得る。電気回路は特に、RFIDタグとRFIDアンテナとを具備し得る。こうして電気回路の接続及び切断は、送信アンテナと論理ブロックの一方又は両方の作動又は作動停止、あるいは送信アンテナ及び論理ブロックにより送信される情報の変更という結果を生じ得る。こうして作業者又は管理者は、CPA部材が開状態から閉状態に移動したとの通知を受け、コネクタが嵌合コネクタと適切に嵌合したことも間接的に確認する。通知は更に、検証目的で記録されてもよい。
【0010】
コネクタと対応する嵌合コネクタとは通常、電気接続、例えば高電圧接続を確立するのに使用される。CPA部材は接続位置保証部材を指し、これは、コネクタと嵌合コネクタとが適切に嵌合するまで係合することができないコネクタ配置構成の二次ロックである。CPA部材の開状態と閉状態とはCPA部材の位置を表し、開状態はCPA部材が係合していないことを意味して閉状態はCPA部材が係合していることを意味し、コネクタと嵌合コネクタとの適切な嵌合を確認して、コネクタと嵌合コネクタとの偶発的な脱嵌合を防止する。CPA部材の閉状態を検出する為の検出装置は、閉じているか、又は開いているかのCPA部材の状態を検出するものとしても記され得る。ばね接点の弾性部材は、撓曲によるばね張力が接続と切断のいずれかの状態に電気回路を保持するという利点を有する。電気回路の導体部を含む弾性部材は、弾性部材が導体部であり得るか導体部が弾性部材に装着され得ることを意味する。
【0011】
一実施形態によれば、検出装置はCPA部材にのみ配置され得る。検出装置は、例えばスナップフィット接続によってCPA部材に接続されるモジュール部材であり得る。代替的に、検出装置はCPA部材に一体化されてもよい。更に代替的に、検出装置はコネクタとCPA部材とに部分的に配置されてもよい。
【0012】
更なる実施形態によれば、電気回路は互いに電気絶縁された二つの接点部分を有して、弾性部材は二つの接点部分を架橋するのに適応しており、CPA部材が閉状態にあるときに導体部は電気回路を接続又は切断する。CPA部材が閉状態にあるときに、撓曲した弾性部材のばね張力は導体部を二つの接点部分に押圧するか、又は二つの接点部分から離間させ得る。二つの接点部分はコネクタに配置され、弾性部材はCPA部材に配置され得る。とりわけ、電気回路の少なくとも一部が回路基板に配設され、回路基板はコネクタに配置される。回路基板の電気回路に接続される二つの接点部分は、コネクタの係止アームに装着され得る。
【0013】
更なる実施形態によれば、弾性部材は二つの脚部を有し、導体部は一方の脚部から他方の脚部まで延在して、各脚部は二つの接点部分の一方を導体部と接触させるのに適応している。
【0014】
更なる実施形態によれば、検出装置は二つの弾性部材を有して、各弾性部材は電気回路の導体部を含む。電気回路は電気絶縁された接点ブリッジを有し、弾性部材は、CPA部材が閉状態にあるときに、接点ブリッジを両方の導体部と接触させることにより二つの導体部を架橋することで、電気回路を接続又は切断するのに適応している。CPA部材が閉状態にあるときに、撓曲した弾性部材のばね張力は導体部を接点ブリッジに押圧するか接点ブリッジから離間させ得る。
【0015】
更なる実施形態によれば、二つの弾性部材はコネクタに配置されて、接点ブリッジはCPA部材に配置され得る。電気回路の少なくとも一部が回路基板に配設され、二つの弾性部材は回路基板に装着され、回路基板はコネクタに配置される。
【0016】
記載される実施形態の一つ又は二つの導体部とブリッジ部分と接点部分とのうち少なくとも一つは、導電性の塗料又は箔として設けられ得る。弾性部材は導電性ばね、例えば単数又は複数の導体部を形成する金属ばねであり得る。弾性部材は、中実の金属ワイヤ又は平坦な金属ワイヤであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面に関して発明がより詳しく記載される。図解は例示的であって発明の範囲を制限しない。
【
図1】コネクタ配置構成の第一実施形態によるCPA部材を備えるコネクタを斜視図で示す。
【
図2】コネクタ配置構成の第一実施形態によるCPA部材を備えるコネクタを分解斜視図で示す。
【
図3】
図1のCPA部材の検出装置を異なる視点で示す。
【
図4】
図1のCPA部材の検出装置を異なる視点で示す。
【
図5】開状態及び閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第一実施形態を断面図で示す。
【
図6】開状態及び閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第一実施形態を断面図で示す。
【
図7】コネクタ配置構成の第二実施形態によるCPA部材を備えるコネクタを斜視図で示す。
【
図8】異なる状態における
図7の検出装置及びCPA部材を斜視図で示す。
【
図9】異なる状態における
図7の検出装置及びCPA部材を斜視図で示す。
【
図10】異なる状態における
図7の検出装置及びCPA部材を側面図で示す。
【
図11】異なる状態における
図7の検出装置及びCPA部材を側面図で示す。
【
図12】コネクタ配置構成の第三実施形態の詳細を斜視図で示す。
【
図14】コネクタ配置構成の第四実施形態によるCPA部材を斜視図で示す。
【
図15】第四実施形態によるコネクタを異なる斜視図で示す。
【
図16】第四実施形態によるコネクタを異なる斜視図で示す。
【
図17】開状態及び閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第四実施形態を断面図で示す。
【
図18】開状態及び閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第四実施形態を断面図で示す。
【
図19】コネクタ配置構成の第五実施形態によるCPA部材を備えるコネクタを断面図で示す。
【
図21】閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第五実施形態を断面図で示す。
【
図22】第六実施形態による検出装置を異なる視点で示す。
【
図23】第六実施形態による検出装置を異なる視点で示す。
【
図24】第六実施形態による検出装置を異なる視点で示す。
【
図26】検出装置を備えるか備えない第六実施形態によるCPA部材を異なる視点で示す。
【
図27】検出装置を備えるか備えない第六実施形態によるCPA部材を異なる視点で示す。
【
図28】検出装置を備えるか備えない第六実施形態によるCPA部材を異なる視点で示す。
【
図29】開状態及び閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第六実施形態を断面図で示す。
【
図30】開状態及び閉状態におけるCPA部材を備えるコネクタ配置構成の第六実施形態を断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、コネクタ配置構成の第一実施形態によるCPA部材1を備えるコネクタ3が斜視図で描かれている。コネクタ3は
図2にも分解斜視図で描かれている。
図1及び2について合わせて記載される。CPA部材1は、
図1に示される開状態と閉状態との間で移動可能であるように構成され、コネクタ3の係止アーム6は、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動するときにCPA部材1と相互作用を行なうように構成されており、これは以下で記載される。CPA部材1の閉状態を検出する為の検出装置5が、CPA部材1に設置される。コネクタ3は、電気端子(不図示)を収容する為の端子受容部24を有する。端子受容部24は、コネクタ3についての以下の説明ではほぼ省略される。以下の図で該当する場合に、矢印X,Y,Zはデカルト座標による空間内の三つの直交方向を示す。
【0019】
検出装置5は、電気回路8と、電気回路8を接続及び切断する為のばね接点7とを具備する。ばね接点7は、弾性部材9、例えば金属ばねを具備する。電気回路8は互いに電気絶縁される二つの接点部分11を有し、弾性部材9は、撓曲したときに二つの接点部分11を架橋して電気回路8を接続するのに適応している。弾性部材9はその際に電気回路の導体部を形成する。しかしながら、例えば弾性部材9は、導電性ブリッジが装着された誘電材料である場合には、弾性部材が代替的に導体部を支えてもよい。
【0020】
図3及び4には、CPA部材1の検出装置5が異なる視点で描かれている。
図3及び4について合わせて記載される。図示された実施形態において、検出装置5はCPA部材1にのみ配置される。更に、検出装置5は、固定クリップ14又は他の適当な手段によってCPA部材1に装着されるモジュール部材である。電気回路8は、無線送信の為の受信品質を向上させるように設置されたときにCPA部材1と反対向きであるモジュール検出装置5の表面に装着される送信アンテナ27、例えばRFIDアンテナを具備する。電気回路8は更に、論理ブロック26、例えばRFIDタグを具備し得る。
【0021】
検出装置5は、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを無線で示すのに適応しており、これは、CPA部材1を備えるコネクタ配置構成の第一実施形態を
図5の開状態と
図6の閉状態とで示す
図5及び6に関して記載され、各図はX及びZの空間方向により規定される平面における断面図で描かれている。端子受容部24が省略されているので、コネクタ3は部分的にのみ描かれている。コネクタ3に嵌合するように構成される嵌合コネクタ4に同じことが当てはまる。
図5に示されるコネクタ配置構成の脱嵌合位置では、係止アーム6のビーム29により阻止される突出部28をCPA部材1のアーム2が有するので、CPA部材1は開状態から閉状態へ移動できない。検出装置5の弾性部材9は屈曲しておらず、弾性部材9と電気回路8の接点部分11との間の間隙が電気回路8の早期閉鎖を防止する。
【0022】
図6に示されるコネクタ配置構成の嵌合位置に達するように、CPA部材1がまだ
図5に示される開状態にあるままでコネクタ3を嵌合コネクタ4へZ方向に挿入することにより、嵌合コネクタ4はコネクタ3に装着される。係止アーム6が固定アーム15に自由にスナップ止めされるまでの嵌合プロセス中に、つまり固定アーム15の他所より大きい延在範囲をX方向に有する固定アーム15の頭部31をビーム29が通過したときに、嵌合コネクタ4の固定アーム15はコネクタ3の係止アーム6とCPA部材1のアーム2とをX方向に対して撓曲させる。固定アーム15の頭部31とビーム29との間にZ方向での確実な形状固定を確立する位置に、係止アーム6はスナップ止めされる。嵌合プロセス中に、係止アーム6の自由端部30は、まだ屈曲していない弾性部材9から離れている。嵌合位置で初めて、固定アーム15の頭部31はCPA部材1のアーム2をX方向に対して撓曲させ、係止アーム6が初期位置に戻るので、突出部28はもはやビーム29に阻止されない。その時に初めて、CPA部材1は開状態から閉状態へZ方向に移動する。
【0023】
図6に図示されるようにCPA部材が閉状態に達すると、アーム2が解放され、突出部28はZ方向においてビーム29の以前とは反対の側に位置する。CPA部材1が開位置へ戻る場合に、アーム2は再び撓曲する。コネクタ3と嵌合コネクタ4とが適切に嵌合したときにのみCPA部材1は閉位置に移動することができるので、検出装置5は、CPA部材1の閉位置が検出及び指示されたときにコネクタ3と嵌合コネクタ4とが適切に嵌合したことを間接的に示す。CPA部材1を閉状態へ移動させることで、係止アーム6の自由端部30により弾性部材9が撓曲し、弾性部材9が電気回路8の接点部分11へ押圧されて電気回路8を閉じるまで弾性部材9と電気回路8の接点部分11との間の間隙が減少する。係止アーム6の自由端部30は弾性部材9によりX方向に阻止されるので、CPA部材1はコネクタ3と嵌合コネクタ4とが偶発的に脱嵌合となるのを防止する。二つの接点部分11は互いに電気絶縁されている。弾性部材9は二つの接点部分11を架橋することで電気回路8を接続する。電気回路8を接続することによる電気回路8の状態変化は、とりわけ、論理ブロック26により発生された信号を、送信アンテナ27を介して送ることにより、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを示す。代替実施形態において、電気回路8の状態変化は電気回路8の遮断であり、信号の送信終了はCPA部材1の閉状態を示す。
【0024】
図7には、コネクタ配置構成の第二実施形態によるCPA部材1を備えるコネクタ3が斜視図で描かれている。CPA部材1は、アーム2が係止アーム6と嵌合した閉状態にある。係合コネクタ4が描かれていなくてもコネクタ配置構成が係合状態にあることに当業者は気付く。
図8乃至11は、CPA部材1と検出装置5とを異なる視点で示す。この実施形態の検出装置5は、コネクタ3とCPA部材1とに部分的に配置されている。コネクタ3は描かれていない。電気回路8は、コネクタ3に配置されている回路基板16に一部が配設されている。検出装置5は、電気回路8の導体部を含む二つの弾性部材9,10を有する。描かれている実施形態において、二つの弾性部材9,10は、接点パッド25を介して電気回路に接続される導電性ばねである。電気回路8は、CPA部材1のプレート部材32に配置されている、電気絶縁された接点ブリッジ12を有する。接点ブリッジ12は、金属プレート、あるいは箔又は塗料の形の導電性コーティングであり得る。
図8及び10は開状態のCPA部材1を示し、
図9及び11は閉状態のCPA部材を示す。コネクタ3に装着された回路基板16に対してCPA部材1をZ方向に移動させることにより、CPA部材1のプレート部材32は両方の弾性部材9,10の当該の斜面形状部33と係合し、
図9及び11に描かれている閉状態にCPA部材1が達したときに両方の弾性部材9,10の当該の接点部34がプレート部材32の表面に沿って接点ブリッジ12へ摺動するまで弾性部材は撓曲する。CPA部材1が閉状態にあるときに接点ブリッジ12と接触することで電気回路8を接続することにより、弾性部材9,10は電気接点を確立する。撓曲した弾性部材9,10のばね張力が導体部を接点ブリッジ12に押圧する。電気回路8を接続することによる電気回路8の状態変化は、例えば論理ブロック26により発生される信号を、送信アンテナ27を介して送ることにより、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを示す。代替実施形態において、電気回路8の状態変化は電気回路8の遮断となり得、信号の送信終了はCPA部材1の閉状態を示す。
【0025】
図12には、コネクタ配置構成の第三実施形態によるCPA部材1と検出装置5とが斜視図で示されている。第三実施形態は、
図13に詳細が描かれている弾性部材9,10の材料について、上記の第二実施形態と異なっている。弾性部材9,10は、プラスチックのような絶縁材料で通常製作される。弾性部材9,10は、例えば成形により一体に製造され得る。当該の導電性コーティング18が両方の弾性部材9,10に塗着され、この導電性コーティング18は電気回路8の導体部を形成する。導電性コーティング18は、接点パッド25を介して電気回路8に接続される。電気回路8は、電気絶縁された接点ブリッジ12をCPA部材1のプレート部材32に有する。
図12は、開状態のCPA部材1を示す。コネクタ3に装着された回路基板16に対してCPA部材1をZ方向に移動させることにより、CPA部材1のプレート部材32は、両方の弾性部材9,10の当該の斜面形状部33と係合し、描かれていない閉状態にCPA部材1が達したときに両方の弾性部材9,10の当該の接点部34がプレート部材32の表面上で接点ブリッジ12へ摺動するまで、弾性部材9,10は撓曲する。CPA部材1が閉状態にあるときに接点ブリッジ12と接触することで電気回路8を接続することにより、弾性部材9,10の導電性コーティング18が電気接点を確立する。撓曲した弾性部材9,10のばね張力は、導電性コーティング18により形成される導体部を接点ブリッジ12に押圧する。
【0026】
図14には、コネクタ配置構成の第四実施形態によるCPA部材1が斜視図で示されている。
図15及び16は、第四実施形態によるコネクタ3を異なる斜視図で示す。第四実施形態では、二つの接点部分11がコネクタ3に配置され、弾性部材9はCPA部材1に配置される。二つの接点部分11は、導電性コーティング18の形態でコネクタ3の係止アーム6の表面に形成され、例えば係止アーム6の表面に塗着された導電性コーティング18をも介して、二つの接点部分11は回路基板16の電気回路8に接続される。回路基板16はコネクタ3に設置される。
【0027】
検出装置5は、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを無線で示すのに適応しており、これは、X及びZの空間方向により規定される平面における断面図で各々が描かれている
図17の開状態と
図18の閉状態においてCPA部材1を備えるコネクタ配置構成の第四実施形態を示す
図17及び18に関して記載される。端子受容部24が省略されているので、コネクタ3は部分的にのみ描かれている。嵌合コネクタ4は描かれていない。
図17に示されているコネクタ配置構成の脱嵌合位置において、CPA部材1は開状態から閉状態へ移動できない。検出装置4の単一の弾性部材9は屈曲しておらず、係止アーム6の電気回路8の接点部分11から距離を置いている。嵌合コネクタ4を含まない
図18に示されているコネクタ配置構成の嵌合位置において、CPA部材1は開状態から閉状態へZ方向に移動している。CPA部材1が閉状態にあって、係止アーム6の自由端部30により弾性部材9が撓曲し、撓曲した弾性部材9のばね張力は導体部を二つの接点部分11へ押圧し、接点部分11を架橋し、こうして電気回路8を閉じる。係止アーム6の自由端部30が弾性部材9によりX方向に阻止されるので、CPA部材1はコネクタ3と嵌合コネクタ4とを偶発的な脱嵌合から防止する。電気回路8を接続することによる電気回路8の状態変化は、とりわけ、論理ブロック26により発生された信号を、送信アンテナ27を介して送ることにより、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを示す。代替実施形態において、電気回路8の状態変化は電気回路8の遮断となり得、信号の送信終了はCPA部材1の閉状態を示す。
【0028】
図19には、コネクタ配置構成の第五実施形態によるCPA部材を備えるコネクタが断面図で示されている。
図20は
図19のCPA部材を斜視図で示す。第五実施形態による検出装置5はCPA部材1に一体化され、CPA部材1のみに装着されている。電気回路8は、送信アンテナ27を含むプレート部材32に大部分は配設される。単一の弾性部材9は、導体部を形成する金属ばね、例えば、アーム2のスロットに配設される中実の金属ワイヤである。弾性部材9の突出部35はスロットから突出する。接点部34は、電気回路8の単一の接点部分11と接触する。第五実施形態によれば、
図19に示されているCPA部材の開状態では電気回路8が接続されている。
図21には、CPA部材1が閉状態であるコネクタ配置構成の第五実施形態が断面図で示されている。CPA部材1は開状態から閉状態へZ方向に移動している。CPA部材1が閉状態にあって、弾性部材9は嵌合コネクタ4の固定アーム15により撓曲し、固定アームが突出部35と相互作用を行なうことで接点部34を接点部分11から持ち上げて電気回路8を切断する。電気回路8を切断することによる電気回路8の状態変化は、とりわけ送信アンテナ27を介して送信された信号の送信を切断することにより、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを示す。
【0029】
図22乃至24には、第六実施形態による検出装置5が異なる視点で示されている。
図26乃至28に関して説明されるように、検出装置5は、CPA部材1に設置され得るモジュール部材である。
図25は検出装置5の詳細を示す。弾性部材9は、二つの脚部20,21と、第1脚部20から第2脚部21まで延在する導体部とを有し、各脚部20,21は二つの接点部分11の一方と接触するのに適応している。弾性部材9は、導体部を形成する導電性金属ばねであり得る。弾性部材9は、電気回路8も収容するモジュールハウジング19に装着される。電気回路8は、
図25に図示されるように小型の回路基板16に配設される。電気回路8は、論理ブロック26と、送信アンテナ27と、回路基板16の両側表面に配設されて互いに電気絶縁されている二つの接点部分11とを具備する。接点部分11の一方は第1脚部20と接触するのに適応し、接点部分11の他方は第2脚部21と接触するのに適応することで、弾性部材9を介して電気回路8を閉じる。モジュール検出装置5は、検出装置5を含まない
図26に描かれているCPA部材1のスロット22へ挿入される。モジュール検出装置5がCPA部材1に取り付けられると、スロット22が電気回路8に占められて送信アンテナ27がCPA部材1の表面に位置決めされ、こうして送信可能な信号強度を高めるので有利である。モジュールハウジング19は、固定クリップ14へのスナップフィットによりCPA部材1に締結される。第1及び第2脚部20,21はCPA部材1の自由空間に延出し、接点部34は接点部分11に隣接して配置される。
【0030】
検出装置5は、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを無線で示すのに適応しており、Y及びZの空間方向により規定される平面における断面図で各々が描かれている
図29の開状態と
図30の閉状態におけるCPA部材1を備えるコネクタ配置構成の第六実施形態を示す
図29及び30に関してこれが記載される。
図29に示されているコネクタ配置構成の脱嵌合位置で、CPA部材1は開状態から閉状態へ移動できない。検出装置5の弾性部材9の第1及び第2脚部20,21は屈曲しておらず、断面に延在する。第1及び第2脚部20,21の接点部34は接点部分11から距離を置いて配置されている。ゆえに電気回路8は開いている。
図30に示されているコネクタ配置構成の嵌合位置で、嵌合コネクタはコネクタ3と嵌合しており、CPA部材1は開状態から閉状態へZ方向に移動している。CPA部材1が閉状態にあるので、弾性部材9の第1及び第2脚部20,21は係止アーム6の係止側壁23により接点部分11に向かって撓曲し、撓曲した第1及び第2脚部20,21のばね張力は導体部34を二つの接点部分11へ押圧し、接点部分11を架橋し、こうして電気回路8を閉じる。係止側壁23は、X及びZの空間方向により規定される平面に対して平行な平面に延在する。電気回路8を接続することによる電気回路8の状態変化は、とりわけ、論理ブロック26により発生される信号を、送信アンテナ27を介して送ることにより、CPA部材1が開状態から閉状態へ移動したことを示す。
【符号の説明】
【0031】
1 CPA部材
2 アーム
3 コネクタ
4 嵌合コネクタ
5 検出装置
6 係止アーム
7 ばね接点
8 電気回路
9 弾性部材
10 弾性部材
11 接点部分
12 接点ブリッジ
14 固定クリップ
15 固定アーム
16 回路基板
17 ベース部分
18 導電性コーティング
19 モジュールハウジング
20 脚部,第1脚部
21 脚部,第2脚部
22 スロット
23 係止側壁
24 端子受容部
25 接点パッド
26 論理ブロック,RFIDタグ
27 送信アンテナ,RFIDアンテナ
28 突出部
29 ビーム
30 自由端部
31 頭部
32 プレート部材
33 斜面形状部
34 接点部
35 突出部
X,Y,Z 空間方向,デカルト座標
【外国語明細書】