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特開2024-134576駆動ユニット、駆動ユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134576
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】駆動ユニット、駆動ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20240927BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240927BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B60K1/00
B60L50/60
B60L9/18 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044834
(22)【出願日】2023-03-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207859
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 尚人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆由
(72)【発明者】
【氏名】藤井 淳
(72)【発明者】
【氏名】倉光 修司
(72)【発明者】
【氏名】秋津 佳紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 徳久
(72)【発明者】
【氏名】河合 勝児
(72)【発明者】
【氏名】天野 春樹
【テーマコード(参考)】
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA16
3D235BB19
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC15
3D235DD12
3D235DD13
3D235DD19
3D235DD37
3D235FF12
3D235GA07
3D235GA13
3D235GA62
5H125AA11
5H125AB01
5H125AC12
5H125FF01
5H125FF03
(57)【要約】
【課題】設計開発に要する期間の長期化やコストの増加を抑制しつつ、信頼性の高い駆動ユニット、及び駆動ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】駆動ユニット20は、最高速度が60km/h以下である電動車両10に適用される。駆動ユニット20は、駆動輪12に回転動力を付与するシャフト54と、モータ30と、インバータと、モータ30及びインバータを収容するハウジングとを備えている。モータ30は、公道を走行可能な自動車に使用される電動パワーステアリング用のモータである。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪(12)を備える電動車両(10,110)であって、最高速度が60km/h以下である電動車両に適用される駆動ユニット(20,120A~120D)において、
前記駆動輪に回転動力を付与するシャフト(54,154A~154D)と、
ステータ巻線(33a)、及び前記シャフトを回転させるロータ(31)を含むモータ(30,130A~130D)と、
前記ステータ巻線に電気的に接続され、スイッチング制御されることにより前記ステータ巻線に電流を流すインバータ(45)と、
前記モータ及び前記インバータを収容するハウジング(34)と、
を備え、
前記モータは、公道を走行可能な自動車に使用される電動パワーステアリング用のモータである、駆動ユニット。
【請求項2】
前記駆動ユニットの前記モータを構成する主要部品は、電動パワーステアリング用のモータを構成する主要部品と同一である、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記主要部品は、前記モータの磁気回路を構成する部品である、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記主要部品は、前記モータの駆動制御用の電気回路を構成する部品である、請求項2又は3に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記電気回路を構成する部品には、前記インバータ、前記モータの駆動制御を行うマイコン(47)、及び前記駆動制御に用いるセンサ(49)が含まれる、請求項4に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記駆動ユニットの前記モータは、前記電動パワーステアリング用のモータと同じ出力を有する、請求項2又は3に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
駆動輪(12)を備える電動車両(10,110)であって、最高速度が60km/h以下である電動車両に適用される駆動ユニット(20,120A~120D)の製造方法において、
前記駆動ユニットは、
前記駆動輪に回転動力を付与するシャフト(54,154A~154D)と、
ステータ巻線(33a)、及び前記シャフトを回転させるロータ(31)を含むモータ(30,130A~130D)と、
前記ステータ巻線に電気的に接続され、スイッチング制御されることにより前記ステータ巻線に電流を流すインバータ(45)と、
前記モータ及び前記インバータを収容するハウジング(34)と、
を備え、
前記モータを製造する工程と、
製造された前記モータのうち、一部のモータを、電動パワーステアリング装置を製造するためのモータとして供給し、一部のモータを、前記駆動ユニットを製造するためのモータとして供給する工程と、
供給された前記モータを用いて、前記駆動ユニットを製造する工程と、
を備える、駆動ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記駆動輪は、複数であり、
前記電動車両には、直流電源装置(14,15)が備えられ、
前記駆動ユニットは、各駆動輪に対応して設けられ、
前記各駆動ユニットの前記ハウジングに設けられ、前記インバータと前記直流電源装置とを電気的に接続するケーブル(74)のプラグ(70)が挿入されるレセプタクル(60,160A~160D)を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
前記各駆動ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を上側に向けた状態で前記ハウジングの上部に設けられている、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記電動車両には、前記駆動輪として、
車長方向(X)において前記直流電源装置に対して前側に設けられた前側駆動輪(12FL,12FR)と、
車長方向において前記直流電源装置に対して後側に設けられた後側駆動輪(12RL,12RR)と、
が備えられ、
前記前側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである前側ユニット(20F)は、車幅方向(Y)において前記前側駆動輪と並んで配置されており、
前記後側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである後側ユニット(20R)は、車幅方向において前記後側駆動輪と並んで配置されており、
前記前側ユニット及び前記後側ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を車長方向において前記直流電源装置側に向けた状態で、前記ハウジングのうち車長方向において前記直流電源装置側の側面に設けられている、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項11】
前記レセプタクルには、前記インバータの高電位側に電気的に接続された正極端子(63H)と、前記インバータの低電位側に電気的に接続されたグランド端子(63L)とが設けられており、
前記グランド端子が前記正極端子よりも下側になる状態で、前記グランド端子及び前記正極端子が上下方向(Z)に並んで設けられている、請求項10に記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記各駆動ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を下側に向けた状態で前記ハウジングの下部に設けられている、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項13】
前記電動車両には、前記駆動輪として、
車長方向(X)において前記直流電源装置に対して前側に設けられた前側駆動輪(12FL,12FR)と、
車長方向において前記直流電源装置に対して後側に設けられた後側駆動輪(12RL,12RR)と、
が備えられ、
前記前側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである前側ユニット(20F)は、車幅方向(Y)において前記前側駆動輪と並んで配置されており、
前記後側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである後側ユニット(20R)は、車幅方向において前記後側駆動輪と並んで配置されており、
前記前側ユニット及び前記後側ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を車長方向において前記直流電源装置の側とは反対側に向けた状態で、前記ハウジングのうち車長方向において前記直流電源装置の側とは反対側の側面に設けられている、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項14】
前記電動車両には、前記駆動輪として、
車幅方向(Y)において前記直流電源装置に対して左側に設けられた左側駆動輪(12FL,12RL)と、
車幅方向において前記直流電源装置に対して右側に設けられた右側駆動輪(12FR,12RR)と、
が備えられ、
前記左側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである左側ユニットは、車幅方向において前記左側駆動輪と並んで配置されており、
前記右側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである右側ユニットは、車幅方向において前記左側ユニット及び前記右側駆動輪と並んで配置されており、
前記左側ユニット及び前記右側ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を車幅方向の中央側に向けた状態で、前記ハウジングのうち車幅方向において中央側の端部の側面に設けられている、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項15】
前記電動車両には、前記電動車両の車体(11,111)と前記駆動輪とを接続するとともに、前記駆動輪の操舵を行う操舵機構(17,117A~117D)が備えられ、
前記ケーブルは、伸縮可能に構成されている、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項16】
電動車両は、最高速度が10km/h以下の無人搬送車である、請求項1~3のいずれか1項に記載の駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動ユニット、及び駆動ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、最高速度が60km/h以下である電動車両が知られている。なお、このような電動車両の例として、特許文献1に開示された無人搬送車が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-30131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動車両の駆動輪を回転させるためには、駆動ユニットが必要になる。駆動ユニットは、駆動輪に回転動力を付与するシャフトと、モータと、モータのステータ巻線に電気的に接続されるインバータと、モータ及びインバータを収容するハウジングとを備えている。上記電動車両は、例えば、走行路面の凹凸による振動や、湿気、塵埃等にさらされ得る。このため、信頼性の高い駆動ユニットを新たに設計開発する必要がある。しかしながら、この場合、設計開発に要する期間が長期化したり、設計開発に伴うコストが増加したりする懸念がある。
【0005】
本開示は、設計開発に要する期間の長期化やコストの増加を抑制しつつ、信頼性の高い駆動ユニット、及び駆動ユニットの製造方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、駆動輪を備える電動車両であって、最高速度が60km/h以下である電動車両に適用される駆動ユニットにおいて、
前記駆動輪に回転動力を付与するシャフトと、
ステータ巻線、及び前記シャフトを回転させるロータを含むモータと、
前記ステータ巻線に電気的に接続され、スイッチング制御されることにより前記ステータ巻線に電流を流すインバータと、
前記モータ及び前記インバータを収容するハウジングと、
を備え、
前記モータは、公道を走行可能な自動車に使用される電動パワーステアリング用のモータである。
【0007】
本開示において、駆動ユニットを構成するモータとして、公道を走行可能な自動車に使用される電動パワーステアリング(Electric Power Steering)用のモータが流用されている。これにより、設計開発に要する期間の長期化やコストの増加を抑制しつつ、信頼性の高い駆動ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る無人搬送車の側面図。
図2】無人搬送車の電動駆動装置及び蓄電部等を上方から見た図。
図3】駆動ユニットの縦断面図。
図4図3のモータ部分における4-4線断面図。
図5】無人搬送車の電気的構成を示す図。
図6】駆動ユニットの一部の平面図。
図7】駆動ユニットの一部の側面図。
図8】各駆動ユニットと変圧器,上位ECUとのケーブルを介した接続態様を示す平面図。
図9】第2実施形態に係る駆動ユニットの一部の側面図。
図10】各駆動ユニットと変圧器,上位ECUとのケーブルを介した接続態様を示す平面図。
図11】第3実施形態に係る駆動ユニットの一部の側面図。
図12】各駆動ユニットと変圧器,上位ECUとのケーブルを介した接続態様を示す平面図。
図13】第4実施形態に係る各駆動ユニットと変圧器,上位ECUとのケーブルを介した接続態様を示す平面図。
図14】第5実施形態に係る各駆動ユニットと変圧器,上位ECUとのケーブルを介した接続態様を示す平面図。
図15】駆動ユニットを車幅方向の中央側から見た図。
図16】第6実施形態に係るスパイラルケーブルを示す図。
図17】スパイラルケーブルの横断面を示す図。
図18】第7実施形態に係る無人搬送車の電動駆動装置及び蓄電部等を上方から見た図。
図19】第8実施形態に係る電動駆動装置等の製造工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分及び/又は関連付けられる部分には同一の参照符号、又は百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分及び/又は関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0010】
<第1実施形態>
以下、本開示に係る電動駆動装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。電動駆動装置は、小型モビリティに適用される。本実施形態の小型モビリティは、走行速度(具体的には最高走行速度)が例えば10km/h以下の低速で走行する車両であり、具体的には工場で用いられる電動車両の無人搬送車(AGV)である。
【0011】
図1及び図2に示すように、無人搬送車10は、車体11と、複数の駆動輪12とを備えている。本実施形態において、複数の駆動輪12は、左側の前側駆動輪12FL、右側の前側駆動輪12FR、左側の後側駆動輪12RL、及び右側の後側駆動輪12RRである。各駆動輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転中心軸線は、後述する操舵機構17の操舵角が0度である場合において、無人搬送車10の車幅方向Yに延びている。
【0012】
車体11の上部は、搬送物を載置する搬送物載置部13となっている。各駆動輪12FL,12FR,12RL,12RRは、搬送物載置部13よりも下側に設けられている。
【0013】
車体11には、無人搬送車10を走行させるための電動駆動装置と、電動駆動装置の電力供給源となる直流電源としての蓄電部14と、変圧器15と、上位ECU16とが備えられている。蓄電部14は、例えば、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池又は鉛蓄電池等の2次電池である。蓄電部14の定格電圧は、例えば、12V、24V又は48Vである。なお、蓄電部14は、例えば燃料電池であってもよい。
【0014】
車体11において搬送物載置部13よりも下側には、無人搬送車10の車幅方向Y及び車長方向Xに広がる機器載置部11aが設けられている。機器載置部11aの上面は、例えば、上下方向Zにおいて各駆動輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転中心軸線よりも下側に位置している。機器載置部11aには、蓄電部14が設けられている。詳しくは、車体11の平面視において、機器載置部11aのうち、車長方向Xにおける中央部及び車幅方向Yにおける中央部に蓄電部14が設けられている。本実施形態では、蓄電部14の上側に変圧器15が設けられており、変圧器15の上側に上位ECU16が設けられている。蓄電部14は、車長方向Xにおいて、前側の各駆動輪12FL,12FRと後側の各駆動輪12RL,12RRとの間に配置されている。
【0015】
電動駆動装置は、各駆動輪12FL,12FR,12RL,12RRに対応して個別に設けられた駆動ユニット20を備えている。各駆動ユニット20は、車幅方向Yに延びる形状をなしており、本実施形態では横断面が円筒状をなしている。本実施形態の各駆動ユニット20は、同一の構成である。前側の各駆動輪12FL,12FRを回転させるための駆動ユニット20が「前側ユニット20F」であり、後側の各駆動輪12RL,12RRを回転させるための駆動ユニット20が「後側ユニット20R」である。また、左側の各駆動輪12FL,12RLを回転させるための駆動ユニット20が「左側ユニット」であり、右側の各駆動輪12FR,12RRを回転させるための駆動ユニット20が「右側ユニット」である。
【0016】
各駆動ユニット20は、モータ30を備えている。図3及び図4を用いて、駆動ユニット20について説明する。図3は、左側の前側駆動輪12FLを回転させる駆動ユニット20の縦断面図であり、図4は、図3の4-4線断面図のうち、モータ30部分を示す断面図である。
【0017】
モータ30は、界磁極(例えば永久磁石)を含むロータ31と、ロータ31に固定されたモータ軸32と、ロータ31に対して径方向外側に対向配置されたステータ33とを備えている。モータ軸32の回転中心軸線は、水平方向に延びている。ステータ33は、図示しないステータコアと、ステータコアに巻回されたステータ巻線33a(図5参照)とを備えている。なお、モータ30の定格出力は、例えば400~700Wである。
【0018】
モータ30は、モータハウジング34を備えている。モータハウジング34は、管状部35、第1接続部36、第2接続部37及び蓋部38を備えている。管状部35は、モータ軸32が延びる方向に長い管状をなしており、具体的には円筒状をなしている。管状部35の長手方向における両端のうち第1端側には、第1接続部36が設けられ、第2端側には、第2接続部37が設けられている。管状部35、第1接続部36及び第2接続部37で囲まれる筒状の空間には、ロータ31及びステータ33が収容されている。ステータ33は、管状部35の内周面に設けられている。なお、モータハウジング34は、横断面が円筒状のものに限らず、例えば横断面が矩形状のものであってもよい。
【0019】
第1接続部36には第1開口部36aが形成されている。第1開口部36aには第1軸受39が設けられている。また、第2接続部37には第2開口部37aが形成されており、第2開口部37aには第2軸受40が設けられている。本実施形態において、各軸受39,40は、内輪、外輪、及び内輪と外輪との間に設けられた転動体を有する転がり軸受である。モータ軸32の第1端側は第1軸受39に回転可能に支持され、モータ軸32の第2端側は第2軸受40に回転可能に支持されている。
【0020】
第2接続部37のうち、モータハウジング34の長手方向において管状部35とは反対側には、蓋部38が設けられている。第2接続部37及び蓋部38により囲まれる空間には、制御基板41が配置されている。本実施形態では、制御基板41の板面がモータ軸32の延びる方向と直交するように制御基板41が配置されている。制御基板41には、後述するインバータ45(図5参照)が設けられている。蓋部38には、図4に示すように、開口部38aが形成されている。開口部38aには、制御基板41に電気的に接続されたレセプタクル60が挿通されている。レセプタクル60は、電源レセプタクル60Aと、通信レセプタクル60Bとを含んでいる(図6参照)。
【0021】
駆動ユニット20は、減速装置50を備えている。減速装置50は、モータ30のモータ軸32からの入力トルクを増幅して出力する。減速装置50は、第1接続部36に連結されたハウジング51を備えている。ハウジング51には、遊星歯車機構52が収容されている。遊星歯車機構52は、モータ軸32に固定されるサンギア52Sと、サンギア52Sに噛み合う複数のプラネタリギア52Pと、プラネタリギア52Pに噛み合うリングギア52Rと、プラネタリギア52Pを回転自在に支持するプラネタリキャリア52Cとを備えている。サンギア52Sの回転中心軸線と、プラネタリキャリア52Cのシャフトの回転中心軸線は同じである。
【0022】
サンギア52Sは、外歯歯車であり、ハウジング51の第1開口部51aに挿通されたモータ軸32に固定され、モータ軸32と一体回転する。リングギア52Rは、環状の内歯歯車であり、ハウジング51の内周面に固定されている。プラネタリギア52Pは、外歯歯車であり、プラネタリキャリア52Cのシャフトに対し、転がり軸受を介して、回転可能に支持されている。
【0023】
ハウジング51には第2開口部51bが形成されており、第2開口部51bには、軸受53(転がり軸受)が設けられている。軸受53は、プラネタリキャリア52Cの出力であるシャフト54を回転可能に支持する。シャフト54には、駆動輪12が連結されている。なお、ハウジング51に収容される減速機構は、例えば、サイクロイド歯車機構であってもよい。
【0024】
図2に示すように、無人搬送車10は、駆動輪12の操舵を行う操舵機構17を備えている。操舵機構17は、各駆動ユニット20に対応して個別に設けられており、駆動ユニット20と車体11とを接続する。操舵機構17は、車体11に対して、上下方向Zに延びる操舵中心軸線周りに駆動ユニット20を回転可能に支持する。本実施形態において、操舵機構17は、減速装置50を構成するハウジング51の上部に取り付けられている。
【0025】
続いて、図5を用いて、無人搬送車10が備える電気的構成について説明する。
【0026】
変圧器15は、蓄電部14から出力された直流電圧を変圧してインバータ45に供給するDCDCコンバータである。変圧器15は、上位ECU16により制御される。変圧器15の出力部とインバータ45の入力部とは、後述する充電ケーブル74Aによって電気的に接続されている。例えば、モータ30及びインバータ45の定格が12V仕様であってかつ蓄電部14の定格電圧が48Vの場合、変圧器15は、蓄電部14から出力された直流電圧を降圧してインバータ45に供給する。また、例えば、モータ30及びインバータ45の定格が24V仕様であってかつ蓄電部14の定格電圧が12Vの場合、変圧器15は、蓄電部14から出力された直流電圧を昇圧してインバータ45に供給する。なお、本実施形態において、変圧器15及び蓄電部14が「直流電源装置」に相当する。
【0027】
各駆動ユニット20の制御基板41には、インバータ45と、マイコン47とが備えられている。インバータ45は、上,下アームの半導体スイッチを3相分備えている。インバータ45は、上,下アームの半導体スイッチのスイッチング制御により、変圧器15から供給される直流電力を交流電力に変換してステータ巻線33aに供給する。
【0028】
各駆動ユニット22は、センサ49を備えている。センサ49は、電流センサ及び回転角センサを含む。電流センサは、ステータ巻線33aに流れる電流(相電流)を検出する。回転角センサは、ロータ31の回転角度位置(電気角)を検出する。センサ49の検出値は、マイコン47に入力される。本実施形態において、電流センサ及び回転角センサは、モータハウジング34に収容されている。本実施形態のモータ30は、ロータ31、ステータ33、制御基板41及びセンサ49がモータハウジング34に収容された機電一体型のモータである。
【0029】
マイコン47は、各検出値に基づいて、モータ30の制御量を指令値に制御すべく、インバータ45のスイッチング制御を行う。制御量は例えばトルク又はロータ31の回転速度である。
【0030】
各駆動ユニット20のマイコン47は、レセプタクル60を構成する通信レセプタクル60Bを介して、無人搬送車10が備える上位ECU16と通信(例えばCAN通信)を行う。上位ECU16は、マイコンを主体として構成されている。上位ECU16は、無人搬送車10の走行制御等の所望の制御を実現できるように、通信レセプタクル60Bを介して、各駆動ユニット20のマイコン47に指令値を送信する。
【0031】
上位ECU16は、無人搬送車10の直進走行が指示されていると判定した場合、左側の各駆動輪12FL,12RL及び右側の各駆動輪12FR,12RRを同じ方向にかつ同じ回転速度で回転駆動させるモータ30の駆動制御を行うために、各駆動ユニット20のマイコン47に回転速度指令値を送信する。
【0032】
上位ECU16は、無人搬送車10の制動が指示されていると判定した場合、各モータ30に制動トルクを発生させるように、各駆動ユニット20のマイコン47にトルク指令値を送信する。これにより、無人搬送車10に制動力が付与され、無人搬送車10がその後停止する。
【0033】
上位ECU16は、無人搬送車10の旋回走行が指示されていると判定した場合、各駆動輪12FL,12RL,12FR,12RRを同じ方向に回転させるとともに、各駆動輪12FL,12RL及び右側の各駆動輪12FR,12RRのうち、指示された旋回方向の駆動輪の回転速度を残りの駆動輪の回転速度よりも低くするモータ30の駆動制御を行うために、各駆動ユニット20のマイコン47に回転速度指令値を送信する。
【0034】
なお、上位ECU16は、左側の各駆動輪12FL,12RLと右側の各駆動輪12FR,12RRとを互いに逆方向に回転させるように、各マイコン47に回転速度指令値を送信することもできる。この場合、無人搬送車10は超信地旋回する。
【0035】
なお、マイコン47及び上位ECU16のマイコンが提供する機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、マイコンがハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。例えば、マイコンは、自身が備える記憶部としての非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に格納されたプログラムを実行する。プログラムが実行されることにより、プログラムに対応する方法が実行される。記憶部は、例えば不揮発性メモリである。なお、記憶部に記憶されるプログラムは、OTA(Over The Air)等、インターネット等のネットワークを介して更新可能である。
【0036】
本実施形態のモータ30は、公道を走行可能な自動車(具体的には乗用自動車)に使用される電動パワーステアリング用のモータである。詳しくは、インバータ45及びマイコン47が実装された制御基板41とセンサ49とを備える機電一体型のモータ30(つまり、駆動ユニット20のうち減速装置50以外の構成)は、電動パワーステアリング装置を構成する機電一体型のモータと同一である。機電一体型のモータ30は、電動パワーステアリング用のモータと同じ外観である。公道を走行可能な自動車とは、60km/h以上で公道を走行可能な自動車である。電動パワーステアリング装置は、ドライバのハンドル操作をアシストする装置である。電動パワーステアリング用のモータが流用されていることにより、小型電動車両向けの駆動ユニットの設計開発に要する期間の長期化やコストの増加を抑制できる。また、電動パワーステアリング用の信頼性の高い機電一体型のモータを流用できるため、信頼性の高い駆動ユニット20を提供することができる。
【0037】
駆動ユニット20における機電一体型のモータ30を構成する主要部品は、従来から実績のある電動パワーステアリング用のモータを構成する主要部品と同一である。これにより、駆動ユニット20の信頼性を高めつつ、駆動ユニット20の設計開発のコストを抑制できる。
【0038】
ここで、主要部品は、モータ30の磁気回路を構成する部品であり、具体的には、ロータ31の永久磁石及びステータコアを含む。このため、モータ30における永久磁石の磁力は、電動パワーステアリング用のモータにおける永久磁石の磁力と同じである。また、モータ30におけるステータコア,永久磁石の形状,寸法,重さ,材料は、電動パワーステアリング用のモータにおけるステータコア,永久磁石の形状,寸法,重さ,材料と同じである。
【0039】
また、主要部品は、モータ30の駆動制御用の電気回路を構成する部品であり、具体的には、インバータ45、マイコン47及びセンサ49を含む。
【0040】
駆動ユニット20のモータ30は、電動パワーステアリング用のモータと同じ出力(例えば定格出力)を有している。
【0041】
続いて、図6図8を用いて、変圧器15と各駆動ユニット20のインバータ45とを電気的に接続する構成と、上位ECU16と各駆動ユニット20のマイコン47とを通信可能に接続する構成とについて説明する。
【0042】
モータハウジング34には、モータハウジング34から突出するレセプタクル60が設けられている。レセプタクル60は、端子が設けられた底板部62と、底板部62の周縁部から延びる周壁部61とを有している。周壁部61において一端側の開口部がレセプタクル開口部65となっている。本実施形態において、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を上側に向けた状態でモータハウジング34の上部に設けられている、詳しくは、レセプタクル60は、モータハウジング34のうち車幅方向Yにおいて中央側の端部(蓋部38)の上部に設けられている。これにより、ケーブル74の長さを短縮する。
【0043】
底板部62には、端子として、正極端子63H、グランド端子63L及び通信端子64が設けられている。本実施形態では、車長方向Xにおいて前側から順に、通信端子64、正極端子63H及びグランド端子63Lが並んでいる。通信端子64は、マイコン47と電気的に接続されている。
【0044】
正極端子63Hは、インバータ45の高電位側の入力部に電気的に接続され、グランド端子63Lは、インバータ45の低電位側の入力部に電気的に接続されている。インバータ45の高電位側の入力部は、具体的には、インバータ45の上アームスイッチの高電位側端子であり、インバータ45の低電位側の入力部は、具体的には、インバータ45の下アームスイッチの低電位側端子である。例えば、上,下アームスイッチがNチャネルMOSFETである場合、スイッチの高電位側端子はドレインであり、低電位側端子はソースである。
【0045】
レセプタクル60のうち、正極端子63H及びグランド端子63Lに対応する部分が電源レセプタクル60Aであり、通信端子64に対応する部分が通信レセプタクル60Bである。つまり、本実施形態のレセプタクル60は、電源レセプタクル60A及び通信レセプタクル60Bが一体化されたものである。
【0046】
変圧器15の出力部には、各充電ケーブル74Aの第1端が電気的に接続されている。詳しくは、前側ユニット20Fのレセプタクル60に対応する各充電ケーブル74Aは、変圧器15の側面のうち車長方向Xにおいて前側の側面から延びており、後側ユニット20Rのレセプタクル60に対応する各充電ケーブル74Aは、変圧器15の側面のうち車長方向Xにおいて後側の側面から延びている。各充電ケーブル74Aは、変圧器15の高電位側の出力部及びインバータ45の高電位側の入力部を電気的に接続する高電位側ケーブルと、変圧器15の低電位側の出力部及びインバータ45の低電位側の入力部を電気的に接続する低電位側ケーブルとを含む。
【0047】
上位ECU16には、各通信ケーブル74Bの第1端が電気的に接続されている。詳しくは、前側ユニット20Fのレセプタクル60に対応する各通信ケーブル74Bは、上位ECU16の側面のうち車長方向Xにおいて前側の側面から延びており、後側ユニット20Rのレセプタクル60に対応する各通信ケーブル74Bは、上位ECU16の側面のうち車長方向Xにおいて後側の側面から延びている。本実施形態において、通信ケーブル74B及び充電ケーブル74Aは、電気的絶縁性を有するチューブによって束ねられることにより、一体化されたケーブル74とされている。ただし、チューブは必須ではない。
【0048】
ケーブル74の第2端には、レセプタクル60に挿入されるプラグ70が設けられている。レセプタクル60及びプラグ70がコネクタを構成する。プラグ70は、端子が設けられた底板部72と、底板部72の周縁部から延びる周壁部71とを有している。周壁部71において一端側の開口部がプラグ開口部73となっている。底板部72には、端子として、高電位側ケーブルに電気的に接続された正極端子、低電位側ケーブルに電気的に接続されたグランド端子、及び通信ケーブル74Bに電気的に接続された通信端子が設けられている。
【0049】
レセプタクル開口部65とプラグ開口部73とを向き合わせた状態でプラグ70がレセプタクル60に挿入されることにより、レセプタクル60の正極端子63Hとプラグ70の正極端子が接触し、レセプタクル60のグランド端子63Lとプラグ70のグランド端子が接触する。これにより、インバータ45の入力部と変圧器15の出力部とが充電ケーブル74Aによって電気的に接続された状態となる。また、プラグ70がレセプタクル60に挿入されることにより、レセプタクル60の通信端子64とプラグ70の通信端子が接触する。これにより、マイコン47と上位ECU16とが通信ケーブル74Bによって電気的に接続された状態となり、マイコン47と上位ECU16との通信が可能となる。各ケーブル74は、蓋部38の上部から変圧器15,上位ECU16に向かって延びている。
【0050】
本実施形態では、各駆動輪12に対応して個別に駆動ユニット20が設けられている。各駆動ユニット20は、モータ30、インバータ45及びモータハウジング34を備えている。各駆動ユニット20において、モータハウジング34にモータ30及びインバータ45が収容されている。このため、モータ30のステータ巻線33aとインバータ45とを電気的に接続する配線もモータハウジング34に収容でき、電動駆動装置の構成を簡素化することができる。
【0051】
また、インバータ45に電気的に接続されたレセプタクル60が各駆動ユニット20のモータハウジング34に設けられ、レセプタクル60に、ケーブル74のプラグ70が挿入可能になっている。これにより、駆動ユニット20ごとにレセプタクル60と変圧器15,上位ECU16とをケーブル74で電気的に接続できるため、電動駆動装置の構成を簡素化することができる。
【0052】
各駆動ユニット20において、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を上側に向けた状態でモータハウジング34の上部に設けられている。これにより、走行中の無人搬送車10が振動を受けたとしても、レセプタクル60とプラグ70とを外れにくくできる。その結果、蓄電部14から各インバータ45への給電と、上位ECU16及び各マイコン47の間の通信とを的確に維持することができる。
【0053】
レセプタクル開口部65を上側に向けた状態でモータハウジング34の上部にレセプタクル60が設けられている。このため、無人搬送車10の走行路面からの異物(例えば、埃や水)がレセプタクル60やプラグ70にかかりにくくなる。また、異物がレセプタクル60やプラグ70にかかったとしても、レセプタクル60の上下方向Zに延びる周壁部61と、プラグ70の上下方向Zに延びる周壁部71とにより、レセプタクル60の周壁部61を越えて異物が端子(例えば正極端子63H)にかかることを的確に防止できる。
【0054】
車体11の機器載置部11aのうち、車幅方向Y及び車長方向Xそれぞれの中央部に蓄電部14、変圧器15及び上位ECU16が配置されている。この配置状態において、車長方向Xにおいて蓄電部14に対して前側に各前側ユニット20Fが配置され、車長方向Xにおいて蓄電部14に対して後側に各後側ユニット20Rが配置されている。これにより、4つの駆動ユニット20から蓄電部14側へと延びるケーブル74の長さを短くしつつ、各ケーブル74の長さを同等にできる。その結果、変圧器15と各インバータ45とを接続する電気経路のインピーダンスを同等にしたり、上位ECU16と各マイコン47とを接続する通信経路のインピーダンスを同等にしたりすることができる。これにより、各充電ケーブル74Aの導通損失を低減したり、各通信ケーブル74Bを介した通信タイミグのずれを抑制したりできる。
【0055】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図9及び図10に示すように、各駆動ユニット20において、レセプタクル60は、車長方向Xにおいてレセプタクル開口部65を蓄電部14及び変圧器15側に向けた状態で、モータハウジング34のうち車長方向Xにおいて蓄電部14及び変圧器15側の側面に設けられている。詳しくは、各前側ユニット20Fにおいて、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を車長方向Xにおいて後側ユニット20R側に向けた状態で、モータハウジング34を構成する蓋部38のうち車長方向Xにおいて後側ユニット20R側の側面に設けられている。また、各後側ユニット20Rにおいて、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を車長方向Xにおいて前側ユニット20F側に向けた状態で、蓋部38のうち車長方向Xにおいて前側ユニット20F側の側面に設けられている。
【0056】
以上説明した本実施形態によれば、各ケーブル74の長さを短縮することができる。これにより、各充電ケーブル74Aの長さを短縮して各充電ケーブル74Aの導通損失の低減効果を大きくしたり、各通信ケーブル74Bを介した通信の遅延を抑制したりできる。
【0057】
また、本実施形態では、各前側ユニット20F及び各後側ユニット20Rにおいて、グランド端子63Lが正極端子63Hよりも下側になる状態で、グランド端子63L、正極端子63H及び通信端子64が上下方向Zに並んで設けられている。各端子63H,63L,64のうち、無人搬送車10の走行路面との電位差が最も小さいグランド端子63Lを走行路面に近づける配置とすることにより、電源レセプタクル60Aから走行路面への放電を的確に防止できる。
【0058】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図11及び図12に示すように、各駆動ユニット20において、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を下側に向けた状態で、モータハウジング34を構成する蓋部38の下部に設けられている。
【0059】
以上説明した本実施形態によれば、無人搬送車10が被水するような環境下であっても、レセプタクル60の周壁部61とプラグ70の周壁部71との隙間から水が入り込みにくい構造を実現できる。
【0060】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図13に示すように、各駆動ユニット20において、レセプタクル60は、車長方向Xにおいてレセプタクル開口部65を蓄電部14及び変圧器15側とは反対側に向けた状態で、モータハウジング34のうち車長方向Xにおいて蓄電部14及び変圧器15側とは反対側の側面に設けられている。詳しくは、各前側ユニット20Fにおいて、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を車長方向Xにおいて後側ユニット20R側とは反対側に向けた状態で、モータハウジング34を構成する蓋部38のうち車長方向Xにおいて後側ユニット20R側とは反対側の側面に設けられている。また、各後側ユニット20Rにおいて、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を車長方向Xにおいて前側ユニット20F側とは反対側に向けた状態で、蓋部38のうち車長方向Xにおいて前側ユニット20F側とは反対側の側面に設けられている。
【0061】
以上説明した本実施形態によれば、レセプタクル60に対するプラグ70の取り付け及び取り外し作業を容易に実施できる。
【0062】
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図14及び図15に示すように、各駆動ユニット20において、レセプタクル60は、レセプタクル開口部65を車幅方向Yの中央側に向けた状態で、モータハウジング34(具体的には蓋部38)のうち車幅方向Yにおいて中央側の側面に設けられている。これにより、各前側ユニット20Fのレセプタクル60は、車幅方向Yにおいて対向しており、各後側ユニット20Rのレセプタクル60は、車幅方向Yにおいて対向している。
【0063】
また、図15に示すように、電源レセプタクル60Aと通信レセプタクル60Bとが上下方向Zに並んでいる。これにより、例えば電源レセプタクル60Aと通信レセプタクル60Bとが車長方向Xに並ぶ構成と比較して、ケーブル74のうちプラグ70付近の部分を変圧器15側に曲げやすくすることができ、ケーブル74の配線作業の作業性を高めることができる。なお、図15では、蓋部38の形状を簡略化して外径が円形のものとして示している。
【0064】
また、本実施形態によれば、図15に示すように、蓋部38を車幅方向Yの中央側から見た場合において、蓋部38からレセプタクル60がはみ出していない。このため、駆動ユニット20の寸法を小さくすることができる。
【0065】
<第6実施形態>
以下、第6実施形態について、第1~第5実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、各駆動ユニット20のレセプタクル60に接続されるケーブルとして、図16に示すように、スパイラルケーブル174が用いられている。スパイラルケーブル174は、らせん状のケーブルであり、伸縮性を有している。図16(A)は伸びる前のスパイラルケーブル174を示し、図16(B)は伸びた状態のスパイラルケーブル174を示す。スパイラルケーブル174は、図17に示すように、充電ケーブル174A及び通信ケーブル174Bを含む。
【0066】
以上説明した本実施形態によれば、操舵機構17により駆動輪12が操舵される場合において、スパイラルケーブル174が伸縮するため、スパイラルケーブル174の乱れを防止することができる。
【0067】
<第7実施形態>
以下、第7実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。図18に示すように、本実施形態の無人搬送車110は、各駆動ユニットが備える減速装置の構成が変更されている。詳しくは、無人搬送車110の車体111には、駆動ユニットとして、第1駆動ユニット120A、第2駆動ユニット120B、第3駆動ユニット120C及び第4駆動ユニット120Dが備えられている。
【0068】
第1駆動ユニット120Aは、左側の前側駆動輪12FLを回転させるためのユニットであり、第2駆動ユニット120Bは、右側の前側駆動輪12FRを回転させるためのユニットである。第3駆動ユニット120Cは、左側の後側駆動輪12RLを回転させるためのユニットであり、第4駆動ユニット120Dは、右側の後側駆動輪12RRを回転させるためのユニットである。
【0069】
まず、前輪側の駆動ユニットについて説明する。
【0070】
第1駆動ユニット120Aは、第1モータ130Aと、第1減速装置150Aとを備えている。第1モータ130Aの構成は、第1実施形態のモータ30の構成と同じである。第1モータ130Aのモータハウジング(具体的には蓋部)の上部には、第1レセプタクル160Aが設けられている。
【0071】
第1減速装置150Aは、車長方向Xに長い形状をなしている。詳しくは、第1減速装置150Aは、第1モータ130Aのモータハウジングのうち車幅方向Yにおける端部から車長方向Xに延びている。本実施形態の第1減速装置150Aは、複数の平歯車を備えた装置である。各平歯車のうち入力側の平歯車には、第1モータ130Aのシャフトが固定されている。各平歯車のうち出力側の平歯車には、第1シャフト154Aが固定されている。第1シャフト154Aには、左側の前側駆動輪12FLが連結されている。
【0072】
第2駆動ユニット120Bは、第2モータ130B及び第2減速装置150Bを備え、第1駆動ユニット120Aと同じ構成である。第2モータ130Bのモータハウジング(具体的には蓋部)の上部には、第2レセプタクル160Bが設けられており、第2減速装置150Bは、右側の前側駆動輪12FRが連結された第2シャフト154Bを備えている。
【0073】
第1減速装置150Aのうち車長方向Xにおいて後側の部分と、第2減速装置150Bのうち車長方向Xにおいて前側の部分とは、車幅方向Yにおいて対向している。また、第1減速装置150Aのうち車長方向Xにおいて後側の部分と、第2モータ130Bのモータハウジングのうち車幅方向Yにおいて左側の部分とは、車長方向Xにおいて対向している。また、第2減速装置150Bのうち車長方向Xにおいて前側の部分と、第1モータ130Aのモータハウジングのうち車幅方向Yにおいて右側の部分とは、車長方向Xにおいて対向している。これにより、車幅方向Yにおけるサイズを低減した構成を実現している。
【0074】
続いて、後輪側の駆動ユニットについて説明する。
【0075】
第3駆動ユニット120Cは、第3モータ130Cと、第3減速装置150Cとを備えている。第3モータ130Cの構成は、第1実施形態のモータ30の構成と同じである。第3モータ130Cのモータハウジング(具体的には蓋部)の上部には、第3レセプタクル160Cが設けられている。また、第3減速装置150Cの構成は、基本的には第1減速装置150Aと同じ構成である。第3減速装置150Cは、左側の後側駆動輪12RLが連結された第3シャフト154Cを備えている。
【0076】
第4駆動ユニット120Dは、第4モータ130D及び第4減速装置150Dを備え、第3駆動ユニット120Cと同じ構成である。第4モータ130Dのモータハウジング(具体的には蓋部)の上部には、第4レセプタクル160Dが設けられており、第4減速装置150Dは、右側の後側駆動輪12RRが連結された第4シャフト154Dを備えている。
【0077】
第3減速装置150Cのうち車長方向Xにおいて前側の部分と、第4減速装置150Dのうち車長方向Xにおいて後側の部分とは、車幅方向Yにおいて対向している。また、第3減速装置150Cのうち車長方向Xにおいて前側の部分と、第4モータ130Dのモータハウジングのうち車幅方向Yにおいて左側の部分とは、車長方向Xにおいて対向している。また、第4減速装置150Dのうち車長方向Xにおいて後側の部分と、第3モータ130Cのモータハウジングのうち車幅方向Yにおいて右側の部分とは、車長方向Xにおいて対向している。これにより、車幅方向Yにおけるサイズを低減した構成を実現している。
【0078】
なお、第1,第4減速装置150A,150Dのハウジングのうち、車長方向Xにおいて後側部分(具体的には、第1,第4シャフト154A,154Dに対応する部分)には、第1実施形態の操舵機構17と同様の第1,第4操舵機構117A,117Dが取り付けられている。また、第2,第3減速装置150B,150Cのハウジングのうち、車長方向Xにおいて前側部分(具体的には、第2,第3シャフト154B,154Cに対応する部分)には、第1実施形態の操舵機構17と同様の第2,第3操舵機構117B,117Cが取り付けられている。また、図18では、各レセプタクル60A,60B,60C,60Dと変圧器15,上位ECU16とを接続するケーブルの図示省略している。
【0079】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0080】
<第8実施形態>
以下、第8実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、電動駆動装置及び電動駆動装置を備える小型電動車両(具体的には無人搬送車)の製造方法について説明する。以下、図19を用いて、製造工程について説明する。
【0081】
工程200は、自動車向け電動パワーステアリング装置用のモータを製造する工程である。工程200で製造されるモータは、図3及び図4に示したモータ30と同じ構成である。
【0082】
詳しくは、工程201では、モータのうち、図4に示す制御基板41等の電気的な構成以外の部分を製造する。工程202では、モータのうち、制御基板41等の電気的な構成を製造する。制御基板41には、上述したようにインバータ45が含まれる。工程203では、工程201,202で製造されたアセンブリを用いて、モータを製造する。
【0083】
工程200で製造されたモータのうち、一部のモータは、電動パワーステアリング装置を製造するためのモータとして供給する。供給されたモータを用いて、工程300では、電動パワーステアリング装置を製造する。工程300は、例えば、工程200を行う企業とは別の企業(例えば、自動車メーカ又は車載システムメーカ)で行われる。
【0084】
工程200で製造されたモータのうち、残りのモータは、無人搬送車の電動駆動装置を製造するためのモータとして供給する。工程220では、供給されたモータと、工程210で製造された減速装置とを用いて、電動駆動装置を製造する。工程210で製造される減速装置は、図3に示した減速装置50と同じ構成である。
【0085】
工程400では、工程220で製造された電動駆動装置を用いて、無人搬送車を製造する。工程400は、例えば、工程200,210,220を行う企業とは別の企業(例えば、無人搬送車製造メーカ)で行われる。詳しくは、工程401では、無人搬送車のうち電動駆動装置以外の部分を製造する。工程402では、工程401で製造された無人搬送車に電動駆動装置を取り付けることにより、無人搬送車を製造する。この際、図8に示したケーブル74の接続態様であるため、配線作業の作業性を高めることができる。
【0086】
パワーステアリング装置を構成するモータは、安全性が高い設計とされている。このモータを小型電動車両に転用することにより、より安全性の高い小型電動車両を製造することができる。
【0087】
また、小型電動車両の製造台数が少ない場合であっても、製造台数の多い自動車向け電動パワーステアリング装置のモータと小型電動車両のモータとが共通化されているため、小型電動車両向けのモータの価格の上昇を抑制することができる。
【0088】
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0089】
・小型電動車両に変圧器15が備えられていなくてもよい。この場合、レセプタクル60と蓄電部14とが充電ケーブル74Aにより直接接続されればよい。なお、この場合、蓄電部14が「直流電源装置」に相当する。
【0090】
・駆動ユニットに減速装置が備えられなくてもよい。この場合、例えば、ロータ31のモータ軸32が駆動輪に連結されるシャフトになってもよい。
【0091】
・電源レセプタクル60Aと通信レセプタクル60Bとが一体化された構造に限らず、電源レセプタクル60Aと通信レセプタクル60Bとが個別に設けられる構造であってもよい。この場合、電源レセプタクル60A及び変圧器を電気的に接続するケーブルと、通信レセプタクル60B及び上位ECU16を電気的に接続するケーブルとが個別に設けられればよい。
【0092】
・各駆動ユニットのマイコン47と上位ECU16とが、有線通信ではなく無線通信してもよい。この場合、通信レセプタクル60B及び通信ケーブル74Bが設けられなくてもよい。
【0093】
・モータとしては、インナロータ型のものに限らず、アウタロータ型のものであってもよい。また、モータとしては、ラジアルギャップ型のものに限らず、アキシャルギャップ型のものであってもよい。
【0094】
・無人搬送車としては、4輪車両に限らず、例えば、車幅方向に並ぶ駆動輪を3組備える6輪車両であってもよいし、1組備える2輪車両であってもよい。また、無人搬送車としては、全ての車輪を駆動輪とするものに限らず、一部の車輪を従動輪とするものであってもよい。
【0095】
・モータ軸32が延びる方向は、車幅方向に限らず、例えば車長方向であってもよい。この場合、例えば、減速装置は、ウォームホイールを備え、モータ軸32からウォームホイールを介して駆動輪に回転動力が伝達されればよい。
【0096】
・工場で用いられる無人搬送車としては、AGVに限らず、例えば自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)であってもよい。
【0097】
また、小型電動車両としては、無人搬送車に限らず、例えば、電動車椅子又はセニアカー等の最高速度が20km/h以下、15km/h以下、又は10km/h以下の車両であってもよい。
【0098】
・本開示に記載のマイコン、ECU及びマイコン,ECUの制御手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のマイコン、ECU及びマイコン,ECUの制御手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載のマイコン、ECU及びマイコン,ECUの制御手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0099】
以下、上述した各実施形態から抽出される特徴的な構成を記載する。
[構成1A]
駆動輪(12)を備える電動車両(10,110)であって、最高速度が60km/h以下である電動車両に適用される駆動ユニット(20,120A~120D)において、 前記駆動輪に回転動力を付与するシャフト(54,154A~154D)と、
ステータ巻線(33a)、及び前記シャフトを回転させるロータ(31)を含むモータ(30,130A~130D)と、
前記ステータ巻線に電気的に接続され、スイッチング制御されることにより前記ステータ巻線に電流を流すインバータ(45)と、
前記モータ及び前記インバータを収容するハウジング(34)と、
を備える、駆動ユニット。
[構成1B] 前記モータは、公道を走行可能な自動車に使用される電動パワーステアリング用のモータである、構成1Aに記載の駆動ユニット。
[構成2]
前記駆動ユニットの前記モータを構成する主要部品は、電動パワーステアリング用のモータを構成する主要部品と同一である、構成1A又は構成1Bに記載の駆動ユニット。
[構成3]
前記主要部品は、前記モータの磁気回路を構成する部品である、構成2に記載の駆動ユニット。
[構成4]
前記主要部品は、前記モータの駆動制御用の電気回路を構成する部品である、構成2又は3に記載の駆動ユニット。
[構成5]
前記電気回路を構成する部品には、前記インバータ、前記モータの駆動制御を行うマイコン(47)、及び前記駆動制御に用いるセンサ(49)が含まれる、構成4に記載の駆動ユニット。
[構成6]
前記駆動ユニットの前記モータは、前記電動パワーステアリング用のモータと同じ出力を有する、構成2~5のいずれか1つに記載の駆動ユニット。
[構成7]
駆動輪(12)を備える電動車両(10,110)であって、最高速度が60km/h以下である電動車両に適用される駆動ユニット(20,120A~120D)の製造方法において、
前記駆動ユニットは、
前記駆動輪に回転動力を付与するシャフト(54,154A~154D)と、
ステータ巻線(33a)、及び前記シャフトを回転させるロータ(31)を含むモータ(30,130A~130D)と、
前記ステータ巻線に電気的に接続され、スイッチング制御されることにより前記ステータ巻線に電流を流すインバータ(45)と、
前記モータ及び前記インバータを収容するハウジング(34)と、
を備え、
前記モータを製造する工程と、
製造された前記モータのうち、一部のモータを、電動パワーステアリング装置を製造するためのモータとして供給し、一部のモータを、前記駆動ユニットを製造するためのモータとして供給する工程と、
供給された前記モータを用いて、前記駆動ユニットを製造する工程と、
を備える、駆動ユニットの製造方法。
[構成8]
前記駆動輪は、複数であり、
前記電動車両には、直流電源装置(14,15)が備えられ、
前記駆動ユニットは、各駆動輪に対応して設けられ、
前記各駆動ユニットの前記ハウジングに設けられ、前記インバータと前記直流電源装置とを電気的に接続するケーブル(74)のプラグ(70)が挿入されるレセプタクル(60,160A~160D)を備える、構成1A,1B~6のいずれか1つに記載の駆動ユニット。
[構成9]
前記各駆動ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を上側に向けた状態で前記ハウジングの上部に設けられている、構成8に記載の駆動ユニット。
[構成10]
前記電動車両には、前記駆動輪として、
車長方向(X)において前記直流電源装置に対して前側に設けられた前側駆動輪(12FL,12FR)と、
車長方向において前記直流電源装置に対して後側に設けられた後側駆動輪(12RL,12RR)と、
が備えられ、
前記前側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである前側ユニット(20F)は、車幅方向(Y)において前記前側駆動輪と並んで配置されており、
前記後側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである後側ユニット(20R)は、車幅方向において前記後側駆動輪と並んで配置されており、
前記前側ユニット及び前記後側ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を車長方向において前記直流電源装置側に向けた状態で、前記ハウジングのうち車長方向において前記直流電源装置側の側面に設けられている、構成8に記載の駆動ユニット。
[構成11]
前記レセプタクルには、前記インバータの高電位側に電気的に接続された正極端子(63H)と、前記インバータの低電位側に電気的に接続されたグランド端子(63L)とが設けられており、
前記グランド端子が前記正極端子よりも下側になる状態で、前記グランド端子及び前記正極端子が上下方向(Z)に並んで設けられている、構成10に記載の駆動ユニット。
[構成12]
前記各駆動ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を下側に向けた状態で前記ハウジングの下部に設けられている、構成8に記載の駆動ユニット。
[構成13]
前記電動車両には、前記駆動輪として、
車長方向(X)において前記直流電源装置に対して前側に設けられた前側駆動輪(12FL,12FR)と、
車長方向において前記直流電源装置に対して後側に設けられた後側駆動輪(12RL,12RR)と、
が備えられ、
前記前側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである前側ユニット(20F)は、車幅方向(Y)において前記前側駆動輪と並んで配置されており、
前記後側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである後側ユニット(20R)は、車幅方向において前記後側駆動輪と並んで配置されており、
前記前側ユニット及び前記後側ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を車長方向において前記直流電源装置の側とは反対側に向けた状態で、前記ハウジングのうち車長方向において前記直流電源装置の側とは反対側の側面に設けられている、構成8に記載の駆動ユニット。
[構成14]
前記電動車両には、前記駆動輪として、
車幅方向(Y)において前記直流電源装置に対して左側に設けられた左側駆動輪(12FL,12RL)と、
車幅方向において前記直流電源装置に対して右側に設けられた右側駆動輪(12FR,12RR)と、
が備えられ、
前記左側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである左側ユニットは、車幅方向において前記左側駆動輪と並んで配置されており、
前記右側駆動輪を回転させる前記駆動ユニットである右側ユニットは、車幅方向において前記左側ユニット及び前記右側駆動輪と並んで配置されており、
前記左側ユニット及び前記右側ユニットにおいて、前記レセプタクルは、前記レセプタクルに形成されたレセプタクル開口部(65)を車幅方向の中央側に向けた状態で、前記ハウジングのうち車幅方向において中央側の端部の側面に設けられている、構成8に記載の駆動ユニット。
[構成15]
前記電動車両には、前記電動車両の車体(11,111)と前記駆動輪とを接続するとともに、前記駆動輪の操舵を行う操舵機構(17,117A~117D)が備えられ、
前記ケーブルは、伸縮可能に構成されている、構成8~14のいずれか1つに記載の駆動ユニット。
[構成16]
電動車両は、最高速度が10km/h以下の無人搬送車である、構成1A,1B~6,8~15のいずれか1つに記載の駆動ユニット。
【符号の説明】
【0100】
10…無人搬送車、12…駆動輪、20…駆動ユニット、30…モータ、34…モータハウジング、45…インバータ、60…レセプタクル、70…プラグ、74…ケーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図19