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特開2024-134604処理装置、処理システム、処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134604
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】処理装置、処理システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20240927BHJP
【FI】
G06F9/44
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044876
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 壮志
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AA02
5B376AA11
5B376CA47
5B376FA01
(57)【要約】
【課題】BIOSの設定を記憶するCMOSにアクセスする手段を用いない場合であっても、BIOSの設定を変更することのできるBIOS設定変更システムを提供する。
【解決手段】処理装置は、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納する第1処理手段、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納する第1処理手段、
を備える処理装置。
【請求項2】
前記第1処理手段が前記設定値を前記機能部に格納する妥当性を確認する第2処理手段、
を備える請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第2処理手段は、
前記データの正当性を示す固有の鍵で署名した署名データに基づいて、前記妥当性を確認する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記外部メモリへのアクセスを可能にするインターフェース、
を備える請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の処理装置と、
前記外部メモリと
を備える処理システム。
【請求項6】
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納すること
を含む処理方法。
【請求項7】
処理装置に、
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理装置、処理システム、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな分野でコンピュータシステムが用いられている。一般的に、コンピュータでは、起動時にBIOSによってハードウェアの設定が行われる。特許文献1には、関連する技術として、BIOSの更新作業を迅速に行う設定変更システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-123426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、BIOSの設定を変更する対象の装置が備えるCMOS内の設定を変更することにより、BIOSの設定を変更するものである。この場合、CMOSにアクセスしBIOSの設定を書き替える手段を有することが前提となる。そこで、BIOSの設定を記憶するCMOSにアクセスする手段を用いない場合であっても、BIOSの設定を変更することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできる処理装置、処理システム、処理方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、処理装置は、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納する第1処理手段、を備える。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理システムは、前記の処理装置と、前記外部メモリとを備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納することを含む。
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、処理装置に、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の各態様によれば、BIOSの設定を記憶するCMOSにアクセスする手段を用いない場合であっても、BIOSの設定を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】関連する技術によるBIOS設定変更システムの構成の一例を示す図である。
図2】本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システムの構成の一例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による外部記憶装置が記憶するデータの一例を示す図である。
図4】本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システムの処理フローの一例を示す第1の図である。
図5】本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システムの処理フローの一例を示す第2の図である。
図6】本開示の別の実施形態によるBIOS設定変更システムの構成の一例を示す図である。
図7】本開示の実施形態による処理装置の最小構成を示す図である。
図8】本開示の実施形態による最小構成の処理装置の処理フローの一例を示す図である。
図9】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
後述する本開示の各実施形態によるBIOS(Basic Input Output System)設定変更システム1の理解を容易にするために、まず、図1を参照して、関連する技術によるBIOS設定変更システム100について説明する。
【0013】
図1は、関連する技術によるBIOS設定変更システム100の構成の一例を示す図である。関連する技術によるBIOS設定変更システム100は、図1に示すように、キーボード1001、および情報処理装置1002を備える。
【0014】
キーボード1001は、ユーザによるキー操作に応じた信号を情報処理装置1002に出力する。例えば、ユーザがキーボード1001に対して、BIOSのセットアップメニュー(以下、単に「セットアップメニュー」と記載)を起動するための操作、セットアップメニューにおける各メニュー間を移動するための操作、セットアップメニューの設定値を変更するための操作、変更したセットアップメニューの設定値をセーブするための操作、情報処理装置1002を再起動させるための操作などを行ったとする。この場合、キーボード1001は、ユーザによる各キー操作に応じた信号を情報処理装置1002に出力する。なお、別の関連する技術によるBIOS設定変更システム100は、キーボード1001の代わりに、キーボード1001と同様な制御を行う外部機材を用いるものであってもよい。
【0015】
情報処理装置1002は、図1に示すように、フラッシュROM(Read Only Memory)1002a、およびBIOS機能部1002bを備える。例えば、情報処理装置1002は、コンピュータを含む。
【0016】
フラッシュROM1002aは、セットアップメニューの設定値を記憶する。BIOS機能部1002bは、セットアップメニューの設定値を変更することにより、BIOSの設定(すなわち、情報処理装置1002において動作するハードウェアの設定)を変更する。BIOS機能部1002bは、HW(HardWare)初期設定機能部1002b1、およびセットアップメニューエンジン機能部1002b2を有する。
【0017】
情報処理装置1002が起動すると、HW初期設定機能部1002b1によりBIOS機能部1002bは、フラッシュROM1002aからセットアップメニューの設定値を読み出すことにより、情報処理装置1002において動作させるハードウェアを設定する。
【0018】
また、情報処理装置1002が起動する際(例えば、POST(Power On Self Test)中)にキーボード1001に対して、セットアップメニューを起動するための操作を行った場合、キーボード1001は、ユーザによる各キー操作に応じた信号を情報処理装置1002に出力する。セットアップメニューエンジン機能部1002b2によりBIOS機能部1002bは、その信号に応じてセットアップメニューを起動させる処理を行う。その結果、情報処理装置1002は、セットアップメニューを起動する。
【0019】
また、情報処理装置1002において、セットアップメニューが起動した後、ユーザがキーボード1001に対して、セットアップメニューにおける各メニュー間を移動するための操作、セットアップメニューの設定値を変更するための操作、変更したセットアップメニューの設定値をセーブするための操作、情報処理装置1002を再起動させるための操作などを行ったとする。この場合、キーボード1001は、ユーザによる各キー操作に応じた信号を情報処理装置1002に出力する。セットアップメニューエンジン機能部1002b2によりBIOS機能部1002bは、各信号に応じて、各メニュー間を移動させる処理、セットアップメニューの設定値を変更させる処理、変更したセットアップメニューの設定値をセーブさせる処理、情報処理装置1002を再起動させる処理などを行う。その結果、情報処理装置1002は、各メニュー間を移動し、セットアップメニューの設定値を変更し、変更したセットアップメニューの設定値をセーブするとともに変更前のセットアップメニューの設定値をバックアップデータとしてセーブし、再起動する。
【0020】
上述したように、BIOS設定変更システム100においてBIOSの設定(すなわち、情報処理装置1002において動作するハードウェアの設定)を変更する場合、キーボード1001またはキーボード1001と同様な制御を行う外部機材が必要となる。
【0021】
次に、本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システム1について説明する。図2は、本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システム1の構成の一例を示す図である。BIOS設定変更システム1は、図2に示すように、外部記憶装置10、および情報処理装置20を備える。
【0022】
外部記憶装置10は、セットアップメニューの設定値を含むデータを記憶する。例えば、外部記憶装置10は、USB(Universal Serial Bus)メモリである。
【0023】
図3は、本開示の一実施形態による外部記憶装置10が記憶するデータの一例を示す図である。外部記憶装置10が記憶するデータは、図3に示すように、識別コード、構造データサイズ情報、構造データ数情報、フラッシュROM書き込み反映フラグ、セットアップメニュー名、セットアップメニューの設定値、バックアップデータ格納エリア、および装置署名データを含む。
【0024】
識別コードは、読み込み用データであることを判別するためのコードである。この識別コードにより、データが読み込み対象である読み込み用データであるか否かを判別することが可能となる。
【0025】
構造データサイズ情報は、データにあるセットアップメニューのデータ長を示す情報である。構造データ数情報は、データにあるセットアップメニューの数を示す情報である。
【0026】
フラッシュROM書き込み反映フラグは、セットアップメニューの設定値をフラッシュROMに書き込むか書き込まないかを切り替えるためのフラグである。例えば、フラッシュROM書き込み反映フラグがセットアップメニューの設定値をフラッシュROM1002aに書き込むことを示すフラグである場合、後述するBIOS処理機能部201aにより、外部記憶装置10に記録されているセットアップメニューの設定値をHW初期設定機能部1002b1に書き込む際に、そのセットアップメニューの設定値は、フラッシュROM1002aにも書き込まれる。つまり、また、例えば、フラッシュROM書き込み反映フラグがセットアップメニューの設定値をフラッシュROM1002aに書き込まないことを示すフラグである場合、後述するBIOS処理機能部201aにより、外部記憶装置10に記録されているセットアップメニューの設定値をHW初期設定機能部1002b1に書き込む際に、そのセットアップメニューの設定値は、フラッシュROM1002aに書き込まれない。
【0027】
セットアップメニュー名は、各セットアップメニューの名称を示す情報である。セットアップメニューの設定値は、各セットアップメニューに対して設定する値を示す情報である。
【0028】
バックアップデータ格納エリアは、フラッシュROMのデータを書き替える場合に書き替え前の設定値を格納するための記憶領域を示す情報である。
【0029】
装置署名データは、データエリアのデータの正当性を示す装置に固有の鍵で署名したデータである。装置署名データは、装置に固有の鍵で署名したデータである場合、装置に紐づいたデータであること、およびそのデータが有効であることが保証される。
【0030】
情報処理装置20は、図2に示すように、BIOS機能部201、およびフラッシュROM1002aを備える。例えば、情報処理装置20は、コンピュータを含む。情報処理装置20は、図1に示す情報処理装置1002のBIOS機能部1002bに後述するBIOS処理機能部201aを追加した構成である。
【0031】
BIOS機能部201は、セットアップメニューの設定値を変更することにより、BIOSの設定(すなわち、情報処理装置20において動作するハードウェアの設定)を変更する。BIOS機能部201は、BIOS処理機能部201a、HW初期設定機能部1002b1、およびセットアップメニューエンジン機能部1002b2を有する。
【0032】
BIOS処理機能部201aは、外部記憶装置アクセスインターフェース機能部(以下、「外部記憶装置アクセスI/F機能部」と記載)201a1、およびセットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2を備える。
【0033】
外部記憶装置アクセスI/F機能部201a1は、外部記憶装置10へアクセスするためのインターフェースである。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、外部記憶装置10から取得したデータを解析する。そして、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、解析結果に基づいて、セットアップメニューの設定値をHW初期設定機能部1002b1に格納する。
【0034】
なお、情報処理装置20は、情報処理装置20に含まれる情報処理装置1002と同様の構成(すなわち、フラッシュROM1002a、HW初期設定機能部1002b1、およびセットアップメニューエンジン機能部1002b2)により、キーボード1001またはキーボード1001と同様な制御を行う外部機材を介したユーザによる操作に応じた情報処理装置1002が実行可能な処理も実行可能である。
【0035】
なお、上述のBIOS設定変更システム1が備える各処理部が行う処理は、上述の処理に限定されるものではない。BIOS設定変更システム1が備える各処理部が行う処理は、上述していない処理も含み得る。BIOS設定変更システム1が備える各処理部が行う処理は、以下で説明する処理を実行するものであってもよい。
【0036】
図4は、本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システム1の処理フローの一例を示す第1の図である。図5は、本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システム1の処理フローの一例を示す第2の図である。次に、図4および図5を参照して、本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システム1の処理について説明する。なお、外部記憶装置10が記憶するフラッシュROM書き込み反映フラグが、セットアップメニューの設定値をフラッシュROM1002aに書き込むことを示すフラグであるか、セットアップメニューの設定値をフラッシュROM1002aに書き込まないことを示すフラグであるかにより、HW初期設定機能部1002b1に格納するセットアップメニューの設定値を、フラッシュROM1002aに書き込まない動作と、フラッシュROM1002aに(バックアップとして)書き込む動作の2つがある。ここでは、フラッシュROM書き込み反映フラグが、セットアップメニューの設定値をフラッシュROM1002aに書き込まないことを示すフラグであるものとする。
【0037】
まず、図4を参照して、BIOS設定変更システム1が行う全体の動作について説明する。外部記憶装置アクセスI/F機能部201a1、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、それぞれ、外部記憶装置10へのアクセスするためインターフェースデバイスの初期化、外部アクセス可能となるようデバイスの有効処理を実施する(ステップS1)。
【0038】
セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、外部記憶装置10へアクセスを試み、外部装置の有無を確認する(ステップS2)。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、外部装置がある場合(ステップS2において「有」)、データ内に図3に示す所定の識別コード及び装置署名データがあるか否かに応じて、外部装置にセットアップメニューの設定値を示すデータがあるかの妥当性、データが情報処理装置20が対象とするデータであるかの妥当性を確認する(ステップS3)。
【0039】
セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、外部装置(本開示の一実施形態では外部記憶装置10)に対象とするデータがある場合(ステップS3において「妥当である」)、キーボード入力を無効化する(ステップS4)。これにより、ユーザによる操作によるセットアップメニューの設定値の変更が抑止される。
【0040】
セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、外部記憶装置10からセットアップメニューの設定値を含むデータを読み出す(ステップS5)。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、読み出したデータに含まれるセットアップメニューの設定値を、HW初期設定機能部1002b1の対応するセットアップメニューの各設定変数に格納する(ステップS6)。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、各設定変数に格納したセットアップメニューの設定値により、前回セットアップメニューの設定値が更新された場合、更新状態を確認させる(知らせる)ために、セットアップメニューの設定値による設定内容を示す設定情報を表示する(ステップS7)。HW初期設定機能部1002b1は、格納した設定値に基づいて、対応するハードウェアの機能の初期化を実行する(ステップS8)。HW初期設定機能部1002b1は、BIOS設定変更システム1の処理を終了させる。
【0041】
また、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、外部装置がない場合(ステップS2において「無」)、過去に記録されたフラッシュROM1002aのセットアップメニューの設定値を読み出す(ステップS9)。そして、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、ステップS6の処理に進める。
【0042】
また、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、対象とするデータがない場合(ステップS3において「妥当でない」)、ステップS9の処理に進める。
【0043】
次に、図5を参照して、BIOS設定変更システム1が行うフラッシュROM1002aが記憶するセットアップメニューの設定値をバックアップし、外部記憶装置10が記憶するセットアップメニューの設定値をフラッシュROM1002aに反映する動作について説明する。
【0044】
図4に示すステップS1~ステップS4の処理が行われる。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、フラッシュROM1002aが記憶するセットアップメニューの設定値を含むデータを、外部記憶装置10のバックアップデータ格納エリアに書き込む(ステップS11)。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、ステップS5の処理に進める。セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、読み出したデータを、新たなセットアップメニューの設定値を含むデータとしてフラッシュROM1002aに書き込む(ステップS12)。そして、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2は、ステップS6の処理に進める。
【0045】
以上、本開示の一実施形態によるBIOS設定変更システム1について説明した。BIOS設定変更システム1の情報処理装置20(処理装置の一例)において、セットアップメニューデータ取得モジュール機能部201a2(第1処理手段の一例)は、外部記憶装置10(外部メモリの一例)から読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するHW初期設定機能部1002b1(BIOSの機能部の一例)に直接格納する。
【0046】
この情報処理装置20(処理装置の一例)により、BIOSの設定を記憶するCMOSにアクセスする手段を用いない場合であっても、BIOSの設定を変更することができる。
【0047】
なお、本開示の一実施形態では、情報処理装置20は、情報処理装置20に含まれる情報処理装置1002と同様の構成(すなわち、フラッシュROM1002a、HW初期設定機能部1002b1、およびセットアップメニューエンジン機能部1002b2)により、キーボード1001またはキーボード1001と同様な制御を行う外部機材を介したユーザによる操作に応じた情報処理装置1002が実行可能な処理も実行可能であるものとして説明した。しかしながら、本開示の別の実施形態では、キーボード1001またはキーボード1001と同様な制御を行う外部機材を介したユーザによる操作に応じた情報処理装置1002が実行可能な処理を行う必要がない場合、情報処理装置20は、情報処理装置20に含まれる情報処理装置1002と同様の構成(すなわち、フラッシュROM1002a、HW初期設定機能部1002b1、およびセットアップメニューエンジン機能部1002b2)を備えなくてもよい。
【0048】
なお、本開示の別の実施形態によるBIOS設定変更システム1は、ネットワーク接続が前提とした装置を運用するものであってもよい。図6は、本開示の別の実施形態によるBIOS設定変更システム1の構成の一例を示す図である。本開示の別の実施形態によるBIOS設定変更システム1では、ネットワークにおいて、セットアップメニューの設定値を格納したサーバを1台配置する。これにより、サーバは、そのネットワークに接続した複数台の装置1~nに対して一括してセットアップメニューの設定値を設定、設定の変更、設定の管理などを行うことができる。なお、装置1~nのそれぞれは、図2に示す情報処理装置20に相当する。ネットワークに接続された装置1~nは、ネットワークを介してセットアップメニューの設定値を含むデータを取得する。そして、各HW初期設定機能部は、セットアップメニューの設定値によりハードウェアの初期化を実行する。
【0049】
図7は、本開示の実施形態による処理装置300の最小構成を示す図である。処理装置300は、図7に示すように、第1処理手段300aを備える。第1処理手段300aは、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納する。第1処理手段300aは、例えば、図2に例示されている情報処理装置20が有する機能を用いて実現することができる。
【0050】
図8は、本開示の実施形態による最小構成の処理装置300の処理フローの一例を示す図である。次に、本開示の実施形態による最小構成の処理装置300の処理について図8を参照して説明する。
【0051】
第1処理手段300aは、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納する(ステップS101)。
【0052】
以上、本開示の実施形態による最小構成の処理装置300について説明した。この処理装置300により、BIOSの設定を記憶するCMOSにアクセスする手段を用いない場合であっても、BIOSの設定を変更することができる。
【0053】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0054】
本開示の実施形態について説明したが、上述のBIOS設定変更システム1、情報処理装置20、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0055】
図9は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、図9に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
【0056】
例えば、上述のBIOS設定変更システム1、情報処理装置20、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0057】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0058】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0060】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0061】
(付記1)
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納する第1処理手段、
を備える処理装置。
【0062】
(付記2)
前記第1処理手段が前記設定値を前記機能部に格納する妥当性を確認する第2処理手段、
を備える付記1に記載の処理装置。
【0063】
(付記3)
前記第2処理手段は、
前記データの正当性を示す固有の鍵で署名した署名データに基づいて、前記妥当性を確認する、
付記2に記載の処理装置。
【0064】
(付記4)
前記外部メモリへのアクセスを可能にするインターフェース、
を備える付記1に記載の処理装置。
【0065】
(付記5)
付記1から付記4の何れか1つに記載の処理装置と、
前記外部メモリと
を備える処理システム。
【0066】
(付記6)
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納すること
を含む処理方法。
【0067】
(付記7)
処理装置に、
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納すること、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0068】
1、100・・・BIOS設定変更システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・外部記憶装置
20、1002・・・情報処理装置
201a・・・BIOS処理機能部
201a1・・・外部記憶装置アクセスI/F機能部
201a2・・・セットアップメニューデータ取得モジュール機能部
300・・・処理装置
300a・・・第1処理手段
1001・・・キーボード
1002a・・・フラッシュROM
1002b・・・BIOS機能部
1002b1・・・HW初期設定機能部
1002b2・・・セットアップメニューエンジン機能部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納するBIOS処理機能部であって、前記外部メモリが記憶するフラグが前記セットアップメニューをフラッシュROMに書き込むことを示すフラグであるか否かを判定し、前記フラッシュROMに書き込むことを示すフラグであると判定した場合に、前記フラッシュROMに前記セットアップメニューを書き込むことにより前記BIOSの設定を変更するBIOS処理機能部
を備える処理装置。
【請求項2】
前記BIOS処理機能部は、
前記設定値を前記機能部に格納する妥当性を確認する
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記BIOS処理機能部は、
前記データの正当性を示す固有の鍵で署名した署名データに基づいて、前記妥当性を確認する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記外部メモリへのアクセスを可能にするインターフェース、
を備える請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の処理装置と、
前記フラグを記憶する前記外部メモリと
を備える処理システム。
【請求項6】
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納することと、
前記外部メモリが記憶するフラグが前記セットアップメニューをフラッシュROMに書き込むことを示すフラグであるか否かを判定することと、
前記フラッシュROMに書き込むことを示すフラグであると判定した場合に、前記フラッシュROMに前記セットアップメニューを書き込むことにより前記BIOSの設定を変更することと、
を含む処理方法。
【請求項7】
処理装置に、
外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納することと、
前記外部メモリが記憶するフラグが前記セットアップメニューをフラッシュROMに書き込むことを示すフラグであるか否かを判定することと、
前記フラッシュROMに書き込むことを示すフラグであると判定した場合に、前記フラッシュROMに前記セットアップメニューを書き込むことにより前記BIOSの設定を変更することと
を実行させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、処理装置は、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納するBIOS処理機能部であって、前記外部メモリが記憶するフラグが前記セットアップメニューをフラッシュROMに書き込むことを示すフラグであるか否かを判定し、前記フラッシュROMに書き込むことを示すフラグであると判定した場合に、前記フラッシュROMに前記セットアップメニューを書き込むことにより前記BIOSの設定を変更するBIOS処理機能部、を備える
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納することと、前記外部メモリが記憶するフラグが前記セットアップメニューをフラッシュROMに書き込むことを示すフラグであるか否かを判定することと、前記フラッシュROMに書き込むことを示すフラグであると判定した場合に、前記フラッシュROMに前記セットアップメニューを書き込むことにより前記BIOSの設定を変更することと、を含む
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、処理装置に、 外部メモリから読み出したデータにおけるBIOSのセットアップメニューの設定値を、ハードウェアの初期化を実行するBIOSの機能部に直接格納することと、前記外部メモリが記憶するフラグが前記セットアップメニューをフラッシュROMに書き込むことを示すフラグであるか否かを判定することと、前記フラッシュROMに書き込むことを示すフラグであると判定した場合に、前記フラッシュROMに前記セットアップメニューを書き込むことにより前記BIOSの設定を変更することと、を実行させる