(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134617
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】シート搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20240927BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65H7/02
H04N1/00 567H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044892
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】中田 隆介
【テーマコード(参考)】
3F048
5C062
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AA08
3F048AB02
3F048BA07
3F048BB02
3F048CA03
3F048CC03
3F048CC04
3F048DA06
3F048DB03
3F048DB07
3F048DC05
3F048DC12
3F048EB23
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB40
5C062AC67
5C062AC68
5C062AD06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知を可能とする。
【解決手段】シートの搬送方向に沿ったサイズを検知する第1の検知手段を有し、前記シートを積載するシート積載手段と、前記シート積載手段に積載された前記シートをシート搬送路に沿って画像読取位置へ搬送するシート搬送手段と、前記シート搬送路に沿った前記画像読取位置の手前に配置され、前記シートの有無を検知する第2の検知手段と、を備え、前記シート積載手段に積載された前記シートの搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のサイズ判定を前記第2の検知手段を用いて行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの搬送方向に沿ったサイズを検知する第1の検知手段を有し、前記シートを積載するシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載された前記シートをシート搬送路に沿って画像読取位置へ搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送路に沿った前記画像読取位置の手前に配置され、前記シートの有無を検知する第2の検知手段と、
を備え、
前記シート積載手段に積載された前記シートの搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のサイズ判定を前記第2の検知手段を用いて行うシート搬送装置。
【請求項2】
前記第2の検知手段は、前記シート搬送路の前記シートの搬送方向に沿った最も上流側に配置される請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記予め定められた長さは、前記第2の検知手段から前記画像読取位置までの前記シート搬送路に沿った長さより短い請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記第1の検知手段は、前記シート積載手段に積載された前記シートのサイズがA4サイズの長手方向に沿った長さより大きいことを検知する請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記予め定められた長さ以下の前記シートのサイズ判定は、前記シートの先端が前記画像読取位置に到達する以前に、前記シートの後端が前記第2の検知手段を通過したか否かにより行う請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記予め定められた長さ以下の前記シートのサイズ判定は、前記シート積載手段に積載された前記シートが前記第1の検知手段によって検知されなかったときにのみ行う請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
シートの画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段が前記シートの画像を読み取る読取位置に前記シートを搬送するシート搬送手段と、
を備え、
前記シート搬送手段として請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いた画像読取装置。
【請求項8】
シートの画像を読み取る請求項7に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた前記シートの画像を記録媒体に記録する画像記録装置と、
を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿等のシートを搬送するシート搬送装置に関する技術としては、例えば、特許文献1乃至3等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
特許文献1は、原稿トレイに載置された原稿の上方に、発光素子と受光素子を有する光学式センサを備え、光学式センサによって原稿トレイから搬送される原稿の後端を検出するよう構成したものである。
【0004】
特許文献2は、シートを積載可能なシート積載台に載置されたシートの有無を検知する第1の検知手段と、シートの搬送方向における第1の検知手段の上流側でシートの有無を検知する第2の検知手段と、シートの搬送開始前と搬送開始後とで、所定時間内に第2の検知手段の検知結果がシート無しの状態から変化すれば、第2の検知手段の検知結果に基づいてシートのシートサイズを予測し、所定時間内に第2の検知手段の検知結果がシート無しの状態から変化しない場合、第1の検知手段の検知結果に基づいてシートのシートサイズを予測する予測手段と、を備えるよう構成したものである。
【0005】
特許文献3は、原稿が積載される原稿テーブルと、原稿テーブル上に配置された原稿の長さを検知するために設けられた複数の原稿長さ検知手段と、原稿長さ検知手段の原稿搬送下流側に配置され、原稿テーブル上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段と、最終原稿検知手段の原稿搬送下流側に配置され、原稿テーブル上に原稿が積載されたことを検知する原稿セット検知手段と、原稿セット検知手段からの信号に基づいて、原稿を原稿読取位置まで搬送するタイミングを制御する搬送制御を行う搬送制御手段と、原稿長さ検知手段の信号に基づいて設置された原稿の長さを判定する原稿長さ判定手段と、を備えた自動原稿搬送装置において、原稿長さ判定手段は、原稿長さ検知手段で長さを検知できないとき最終原稿検知手段の最終の情報に基づいて前記原稿の長さを判定するよう構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-058899号公報
【特許文献2】特許第7083449号公報
【特許文献3】特開2014-118282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、シートの搬送方向に沿ったサイズを検知する第1の検知手段を有し、前記シートを積載するシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載された前記シートをシート搬送路に沿って画像読取位置へ搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送路に沿った前記画像読取位置の手前に配置され、前記シートの有無を検知する第2の検知手段と、
を備え、
前記シート積載手段に積載された前記シートの搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のサイズ判定を前記第2の検知手段を用いて行うシート搬送装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、前記第2の検知手段は、前記シート搬送路の前記シートの搬送方向に沿った最も上流側に配置される請求項1に記載のシート搬送装置である。
【0010】
請求項3に記載された発明は、前記予め定められた長さは、前記第2の検知手段から前記画像読取位置までの前記シート搬送路に沿った長さより短い請求項2に記載のシート搬送装置である。
【0011】
請求項4に記載された発明は、前記第1の検知手段は、前記シート積載手段に積載された前記シートのサイズがA4サイズの長手方向に沿った長さより大きいことを検知する請求項1に記載のシート搬送装置である。
【0012】
請求項5に記載された発明は、前記予め定められた長さ以下の前記シートのサイズ判定は、前記シートの先端が前記画像読取位置に到達する以前に、前記シートの後端が前記第2の検知手段を通過したか否かにより行う請求項4に記載のシート搬送装置である。
【0013】
請求項6に記載された発明は、前記予め定められた長さ以下の前記シートのサイズ判定は、前記シート積載手段に積載された前記シートが前記第1の検知手段によって検知されなかったときにのみ行う請求項5に記載のシート搬送装置である。
【0014】
請求項7に記載された発明は、シートの画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段が前記シートの画像を読み取る読取位置に前記シートを搬送するシート搬送手段と、
を備え、
前記シート搬送手段として請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いた画像読取装置である。
【0015】
請求項8に記載された発明は、シートの画像を読み取る請求項7に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた前記シートの画像を記録媒体に記録する画像記録装置と、
を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、7及び8に記載された発明によれば、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知が可能となる。
【0017】
請求項2に記載された発明によれば、第2の検知手段をシートの搬送方向に沿った最も上流側以外に配置した場合に比べて、装置を大型化することなく、予め定められた長さを長く設定することが可能となる。
【0018】
請求項3に記載された発明によれば、予め定められた長さは、第2の検知手段から画像読取位置までのシート搬送路に沿った長さより長い場合に比べて、第2の検知手段を通過した後の経過時間を計測することなく、予め定められた長さ以下か否かを検知することできる。
【0019】
請求項4に記載された発明によれば、第1の検知手段は、シート積載手段に積載されたシートのサイズがA4サイズの長手方向に沿った長さ以下を検知する場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を減少させることが可能となる。
【0020】
請求項5に記載された発明によれば、第2の検知手段の出力によってシートのサイズが予め定められた長さ以下か否かを直ちに判定することができる。
【0021】
請求項6に記載された発明によれば、予め定められた長さ以下のシートのサイズ判定を毎回行う必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図2】この発明の実施の形態1に係る画像読取装置を示す構成図である。
【
図4】この発明の実施の形態1に係る画像読取装置を示す斜視構成図である。
【
図5】この発明の実施の形態1に係る画像読取装置の要部を示す平面構成図である。
【
図6】原稿のサイズを判定するテーブルを示す図表である。
【
図7】この発明の実施の形態1に係る画像読取装置の制御装置を示すブロック図である。
【
図8】この発明の実施の形態1に係る画像読取装置の原稿の読取状態を示す断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
[実施の形態1]
図1はこの発明の実施の形態1に係るシート搬送装置及び画像読取装置を適用した画像形成装置の全体の概要を示す構成図である。
【0025】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置は、例えば、原稿の画像を画像読取装置によって読取り、当該画像読取装置によって読取られた原稿の画像情報に必要に応じて所要の画像処理を施し、記録媒体にフルカラー又はモノクロの画像を形成したり、外部から送られてくる画像情報に基づいて記録媒体にフルカラー又はモノクロの画像をプリントするフルカラーの画像形成装置として構成されたものである。
【0026】
この画像形成装置1は、
図1に示されるように、大別して、縦長の略直方体形状の箱体として構成された装置本体2と、装置本体2の上部に配置された画像読取装置3と、装置本体2の内部に配置されて記録媒体の一例としての記録用紙4を収容した複数又は単一の用紙収容部5と、用紙収容部5に収容された記録用紙4を一枚ずつ分離した状態で給紙する給紙部6と、給紙部6によって給紙される記録用紙4を所要の搬送路に沿って搬送する用紙搬送部7と、用紙搬送部7によって搬送される記録用紙4にフルカラー又はモノクロの画像を形成する画像形成手段の一例としての画像形成部8と、画像形成部8によって画像が形成された記録用紙4を排出する複数又は単一の用紙排出部9を備えている。なお、用紙搬送部7は、片面(表面)に画像が形成された記録用紙4を両面搬送部7aによって表裏を反転させて、再度、画像形成部8へと搬送することにより記録用紙4の両面にフルカラー又はモノクロの画像を形成することが可能に構成されている。
【0027】
画像形成部8としては、記録用紙4にフルカラーやモノクロの画像を形成可能なものであれば特に構成が限定されるものではなく、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて電子写真方式により記録用紙4にフルカラーやモノクロの画像を形成するものや、インクジェット記録方式によって記録用紙4にフルカラーやモノクロの画像を形成するものなどが用いられる。
【0028】
<画像読取装置の構成>
実施の形態1に係る画像読取装置3は、原稿の自動両面読取が可能なDADF(Duplex Automatic Document Feeder)としての機能を有している。画像読取装置3は、上述したように、例えば、画像形成装置1の装置本体2の上部に配置される。ただし、画像読取装置3は、画像形成装置1と分離して単独で、あるいは他のグラフィック処理等を行う画像処理装置などの電子機器と組み合わされて配置されるものであっても勿論良い。
【0029】
画像読取装置3は、
図2に示されるように、大別して、プラテンガラス11上に載置された原稿12の画像を読み取る画像読取装置本体13と、画像読取装置本体13の上部に図中の奥側に位置する図示しない回動支点を中心にして開閉可能に装着され、プラテンガラス11上に載置された原稿12を押さえる原稿押さえ部材(プラテンカバー)としての機能を兼ね備えるとともに、原稿25をプラテンガラス11の読取位置へ自動的に搬送するシート搬送装置の一例としての自動原稿搬送装置14を備えている。なお、自動原稿搬送装置14は、後述するように、単に原稿25をプラテンガラス11の読取位置へと自動的に搬送する機能のみならず、自動的に搬送される原稿25の他方の面(裏面)の画像を読み取る第2の画像読取部としても機能するものである。
【0030】
画像読取装置本体13は、上端面が外周端及び幅方向に沿った一端部(図中、左端部)を除いて略全面にわたり開口された直方体状の箱体として構成されている。画像読取装置本体13の上端面に位置する開口部には、原稿12を載置するプラテンガラス11が配置されている。プラテンガラス11は、
図3に示されるように、原稿12の読取方向(主走査方向)に沿った一端部11a(図中上端部)と、原稿12の読取方向と交差する方向(副走査方向)に沿った手前側の端部11b(図中左端部)を基準として、原稿12の対応する各端縁12a及び12bを突き当てて位置決めする所謂サイドレジストレーション方式を採用している。プラテンガラス11には、読取面を下にして載置した状態で自動原稿搬送装置14により押圧されて画像を読み取る原稿12が位置決めされる。なお、原稿押さえ部材としての機能を兼ね備えた自動原稿搬送装置14は、
図2に示されるように、原稿12をプラテンガラス11上に押圧するとともに、プラテンガラス11と対向する下端面が白色に形成された弾性体層15を下端部に備えている。
【0031】
画像読取装置本体13の内部には、
図2に示されるように、プラテンガラス11上に載置された原稿12の画像を照明するLEDやハロゲンランプ等からなる光源16と、原稿12からの反射光像を読取素子21へ向けて反射するフルレートミラー17と、フルレートミラー17によって反射された原稿12の反射光像を読取素子21へと反射する2枚のハーフレートミラー18,19と、ハーフレートミラー18,19によって反射された原稿12の反射光像を所要の倍率で読取素子21に結像する結像レンズ20と、原稿12の反射光像をフルカラー又はモノクロで読み取るCCD等からなる読取素子21が配置されている。なお、光源16やフルレートミラー17、2枚のハーフレートミラー18,19、結像レンズ20及び読取素子21は、第1の画像読取手段を構成している。
【0032】
画像読取装置3は、プラテンガラス11上に載置された原稿12の画像を読み取る際に、光源16及びフルレートミラー17を搭載した第1のキャリッジ22と、ハーフレートミラー18,19を搭載した第2のキャリッジ23が副走査方向に沿って所要の速度で移動することで、読取素子21によって原稿12の全面の画像をフルカラー又はモノクロモードで所要の倍率にて読み取る。
【0033】
ここで、主走査方向とは、読取素子21が原稿12の画像を読み取る際に原稿12の画像情報を走査する方向、つまり読取素子21の配列方向を示し、副走査方向とは、走査方向と交差する方向、つまり光源16やフルレートミラー17、及びハーフレートミラー18,19が移動する方向を示している。
【0034】
また、プラテンガラス11の副走査方向に沿った手前側(図中、左側)の端部には、
図2及び
図3に示されるように、自動原稿搬送装置14によって搬送される原稿25の片面(表面)の画像を読み取るスリット状のガラス面からなる第1の読取部26が設けられている。プラテンガラス11と第1の読取部26との間には、プラテンガラス11上に載置された原稿12の端部を突き当てるとともに、第1の読取部26を通過した原稿25を搬送方向に沿った下流側である斜め上方へと案内する断面略三角形状の原稿ガイド27が設けられている。原稿ガイド27の第1の読取部26側の側面は、原稿25を搬送方向に沿った下流側へとスムーズに案内可能となるよう凹形状の曲面に形成されている。なお、第1の読取部26の上流側には、原稿12を第1の読取部26へと案内する案内ロール27aが回転可能に配置されている。
【0035】
画像読取装置3は、自動原稿搬送装置14によって搬送される原稿25の画像を読み取る際には、光源16及びフルレートミラー17を搭載した第1のキャリッジ22と、ハーフレートミラー18,19を搭載した第2のキャリッジ23が、
図2に示した位置で停止し、第1の読取部26を通過する原稿25の片面である表面の画像を光源16で照明しつつフルレートミラー17及びハーフレートミラー18,19によって反射された反射光像を結像レンズ20を介して読取素子21に結像することで、当該読取素子21によって原稿25の画像を読み取る。
【0036】
自動原稿搬送装置14は、
図2に示されるように、シートの一例としての原稿25を積載する原稿トレイ28(シート積載手段の一例)と、原稿トレイ28に積載された原稿25を原稿搬送路40に沿って第1の読取部26を通過するよう搬送する自動原稿送り部29と、自動原稿送り部29によって搬送される原稿25の一方の面(表面)の画像を読み取る第1の読取部26と、同じく自動原稿送り部29によって搬送される原稿25の他方の面(裏面)の画像を読み取る第2の画像読取手段を備えた第2の読取部30と、第1及び第2の読取部26,30によって画像が読み取られた原稿25を積載した状態で順次排出するシート排出手段の一例としての排出トレイ31を備えている。
【0037】
第2の読取部30は、原稿搬送路40に沿って搬送される原稿25の裏面の画像を近接した位置で読取可能な第2の画像読取手段の一例としてのCIS(Contact Image Sensor)等から構成されている。
【0038】
なお、この実施の形態1に係る自動原稿搬送装置14は、原稿25の一方の面(表面)の画像を読み取る第1の読取部26と、原稿25の他方の面(裏面)の画像を読み取る第2の読取部30の双方を備えているが、これに限定されるものではなく、自動原稿搬送装置14としては、原稿25の一方の面(表面)の画像を読み取る第1の読取部26のみを備え、原稿搬送路40の一部に設けられた図示しない反転搬送路によって原稿25の表裏を反転させて第1の読取部26へと再度搬送するように構成したものであっても良い。
【0039】
原稿トレイ28は、
図2に示されるように、原稿25の搬送方向に沿った後端側に引き出し可能に設けられた図示しない延長トレイを必要に応じて使用することにより、最大A3サイズ(297mm×420mm)(長手方向)の原稿25まで載置可能な平板状に形成されている。原稿トレイ28は、例えば、原稿25の搬送方向と交差する主走査方向(幅方向)に沿った長さがA4サイズ(210mm×297mm)の原稿25を長手方向に沿って載置可能なサイズに設定されている。原稿25は、搬送方向に沿った先端を原稿トレイ28に設けられた突き当て板32に突き当てて整合された状態で原稿トレイ28に読取面を上にして載置される。
【0040】
この実施の形態1では、原稿トレイ28は、原稿25の搬送方向(副走査方向)に沿ったサイズを検知する副走査方向の検知手段として単一の第1のサイズセンサ101のみを備えている。なお、第1のサイズセンサ101は、原稿25のサイズを検知可能なものであれば、光学式のものであっても機械式のものであってもいずれでも良い。
【0041】
第1のサイズセンサ101は、例えば、原稿25の搬送方向(副走査方向)に沿った長さが第1の長さであるL1以上か否かを検知するものである。ここで、第1の長さL1は、例えば、A4サイズの原稿25の長手方向に沿ったサイズである297mmに近い値であって297mmより僅かな長さΔLでだけ大きい値(310mm程度)に設定される。したがって、第1のサイズセンサ101では、例えば、原稿トレイ28上に載置された原稿25がA4サイズの原稿25の長手方向に沿った長さより長いA3サイズやB4サイズ等であることが検知される。
【0042】
また、原稿トレイ28は、
図4に示されるように、原稿25の搬送方向と交差する主走査方向(幅方向)に沿った両端部をそれぞれ突き当てた状態で整合させる一対のサイドガイド33,34を備えている。原稿トレイ28は、プラテンガラス11と異なり、原稿25の搬送方向と交差する主走査方向に沿った中央を基準として原稿25を載置する所謂センターレジストレーション方式を採用している。サイドガイド33,34は、原稿トレイ28の主走査方向に沿った両側にそれぞれ設けられている。左右のサイドガイド33,34は、原稿トレイ28上に載置された原稿25の両端に当接するよう原稿25の搬送方向と交差する主走査方向に沿った中央を基準として移動(連動)するよう構成されている。したがって、原稿トレイ28上に載置された原稿25は、左右のサイドガイド33,34が原稿25の両端に当接した状態で、搬送方向と交差する主走査方向に沿った中央を基準として整合されていることになる。
【0043】
また、サイドガイド33,34は、
図4及び
図5に示されるように、当該サイドガイド33,34の位置に応じて原稿25の搬送方向と交差する主走査方向に沿ったサイズを検知するためのアクチュエータ33a,34aを備えている。そして、原稿トレイ28には、サイドガイド33,34のアクチュエータ33a,34aの位置に応じて原稿25の搬送方向と交差する主走査方向に沿ったサイズ(幅)を検知する第2乃至第5のサイズセンサ102~105が取り付けられている。第2乃至第5のサイズセンサ102~105は、アクチュエータ33a,34aに設けられた図示しない複数の開口部を検知することにより、サイドガイド33,34の副走査方向に沿った位置を選択的に検知する。原稿トレイは、第2乃至第5のサイズセンサ102~105を備えることにより、各第2乃至第5のサイズセンサ102~105の出力であるON/OFFの組み合わせにより、原稿25の副走査方向に沿った最大16種類のサイズを検知することが可能となっている。
【0044】
この実施の形態1では、
図6に示されるように、第2乃至第5のサイズセンサ102~105の出力であるON/OFFの組み合わせ(グループ)として、「ON,OFF/ON,OFF,ON」、「ON,OFF,OFF,OFF」、「ON,OFF,ON,OFF」、「ON,OFF,ON,ON」、「ON,ON,ON,ON」、「ON,ON,ON,OFF」、「OFF,ON,ON,OFF」、「OFF,ON,ON,ON」、「OFF,OFF,ON,ON」、「OFF,OFF,OFF,ON」、「OFF,OFF,OFF,OFF」、「OFF,OFF,ON,OFF」の12種類を採用している。ここで、グループ1の「ON,OFF/ON,OFF,ON」は、第3のサイズセンサ103の出力がOFF又はONのいずれでも良いことを意味している。
【0045】
第2乃至第5のサイズセンサ102~105の出力を組み合わせた各グループ1~12は、ある検知幅を有している。グループ1の検知幅はW1≧W≧W2、グループ2の検知幅はW2>W≧W3、グループ3の検知幅は、W3>W≧W4、グループ4の検知幅はW4>W≧W5、グループ5の検知幅はW5>W≧W6、グループ6の検知幅は、W6>W≧W7、グループ7の検知幅はW7>W≧W8、グループ8の検知幅はW8>W≧W9、グループ9の検知幅はW9>W≧W10、グループ10の検知幅はW10>W≧W11、グループ11の検知幅はW11>W≧W12、グループ12の検知幅は、W12>W≧W13にそれぞれ設定されている。
【0046】
自動原稿送り部29は、
図2に示されるように、原稿トレイ28に積載された原稿25を第1及び第2の読取部26,30へと搬送するシート搬送路の一例としての原稿搬送路40を備えている。原稿搬送路40の最上流側の端部には、原稿トレイ28上に載置された最上位の原稿25を給送するナジャーロール41と、ナジャーロール41の原稿25の搬送方向に沿った下流側に、当該ナジャーロール41によって給送される原稿25を一枚ずつ分離する分離ロール対42が配置されている。
【0047】
分離ロール対42は、原稿25を下流側へ向けて搬送するフィードロール43と、フィードロール43に圧接して当該フィードロール43と逆方向に回転するか又は逆方向に付勢されるリタードロール44とから構成されている。
【0048】
自動原稿搬送装置14の原稿搬送路40には、分離ロール対42により一枚ずつ分離されて搬送される原稿25を挟持した状態で搬送する複数の搬送ロール対45~49と、複数の搬送ロール対45~49によって搬送される原稿25の表面及び裏面を案内する複数のガイド部材50~55と、原稿25を排出手段の一例としての排出トレイ31へ排出する排出ロール対56が設けられている。
【0049】
分離ロール対42の原稿搬送方向に沿った下流側であって、かつ第1の搬送ロール対45の原稿搬送方向に沿った上流側には、
図2及び
図5に示されるように、分離ロール対42によって搬送される原稿25の有無を検知する第2の検知手段の一例としての用紙パスセンサ107が、原稿25の搬送方向と交差する方向に沿った中央部の近傍に配置されている。また、原稿搬送路40には、
図2に示されるように、搬送ロール対46の下流側に原稿25の搬送不良を検知するジャムセンサ108が配置されている。さらに、原稿搬送路40には、搬送ロール対47の下流側であって且つ案内ロール27aの上流側に原稿25の先端を検知して読取素子21で読み取るべき原稿25のデータを記憶する記憶領域を確保するための先端センサ109が配置されている。
【0050】
排出トレイ31には、
図2に示されるように、原稿25の排出方向に沿った上流側の端部に原稿25の端部を突き当てて整合させる平板状の整合用突当部57が起立した状態で設けられている。排出トレイ31は、原稿トレイ28の鉛直方向に沿った下方に位置し、水平方向に沿った後端部が上方へ向けて傾斜した第1の傾斜部58と、第1の傾斜部58の下流側に配置されて水平方向に沿った後端部が上方へ向けて更に大きく傾斜した第2の傾斜部59とを備えている。排出ロール対56によって排出トレイ31上へ排出された原稿25は、そのサイズに応じて重力によって当該排出トレイ31の第1の傾斜部58及び第2の傾斜部59へと排出される。
【0051】
ところで、画像読取装置3は、
図2に示されるように、原稿25を載置する原稿トレイ28に当該原稿25の副走査方向に沿ったサイズを検知する第1のサイズセンサ101と、原稿25の主走査方向に沿ったサイズを検知する第2~第5のサイズセンサ102~105を備えている。
【0052】
画像読取装置3は、ユーザのニーズに応じて画像を読取可能な原稿12,25のサイズが多様化している。特に近年は、画像読取装置3で画像を読取可能な原稿のサイズが、例えば、宅急便(登録商標)の伝票や約束手形、小切手、レシート、航空機の搭乗券など小さいサイズの方に移行してきている。
【0053】
一般に、画像読取装置3で画像を読取可能な原稿のサイズが増加すれば、それに伴って原稿トレイ28に装着されるサイズセンサの数が増加することになる。
【0054】
従来、原稿トレイ28上に載置された原稿25のサイズ検知に関する技術としては、前述したように、例えば、特許文献3に開示されたものが既に提案されている。
【0055】
しかしながら、この特許文献3の場合には、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設ける必要があり、シート積載手段に配置される検知手段の数が増加するという技術的課題を有していた。
【0056】
そこで、この実施の形態1に係る画像読取装置は、シートの搬送方向に沿ったサイズを検知する第1の検知手段を有し、シートを積載するシート積載手段と、シート積載手段に積載されたシートをシート搬送路に沿って画像読取位置へ搬送するシート搬送手段と、シート搬送路に沿った画像読取位置の手前に配置され、シートの有無を検知する第2の検知手段と、を備え、シート積載手段に積載されたシートの搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のサイズ判定を第2の検知手段を用いて行うよう構成されている。
【0057】
すなわち、この実施の形態1に係る画像読取装置3は、
図2に示されるように、原稿トレイ28には、原稿25の副走査方向に沿ったサイズを検知する検知手段として、第1のサイズセンサ101のみが配置されている。この第1のサイズセンサ101は、原稿25の搬送方向と交差する方向における中央部であって、かつ原稿25の搬送方向に沿って突き当て板32から予め定められた距離L1だけ離れた位置に設けられている。ここで、距離L1は、原稿25の搬送方向に沿ったサイズ(長さ)がA4サイズの長手方向に沿った長さより僅かな長さΔLだけ長い値(310mm程度)に設定されている。したがって、原稿25を原稿トレイ28に載置した際に、第1のサイズセンサ101がON状態となる場合は、原稿25の搬送方向に沿ったサイズ(長さ)がA4サイズの長手方向に沿った長さ(297mm)より長いことになる。
【0058】
この実施の形態1に係る画像読取装置3は、
図2に示されるように、原稿25の搬送方向に沿った用紙パスセンサ107から先端センサ109までの原稿搬送路40の経路長が、A4サイズの原稿25の短手方向に沿った長さL2(210mm)より僅かな長さΔL2だけ短く設定されている。したがって、A4サイズの短手方向に沿った原稿25は、その先端が用紙パスセンサ107で検知されて先端センサ109に到達したとき、用紙パスセンサ107はON状態となる。一方、A4サイズの短手方向に沿った原稿25より短い原稿25は、その先端が用紙パスセンサ107で検知されて先端センサ109に到達したとき、用紙パスセンサ107はOFF状態となる。
【0059】
その結果、この実施の形態1に係る画像読取装置3は、その先端が用紙パスセンサ107で検知されて先端センサ109に到達したとき、用紙パスセンサ107がON状態かOFF状態かを判別することにより、原稿25の搬送方向に沿った長さがA4サイズの短手方向に沿った長さL2(210mm)以上か否かを判定することが可能となるよう構成されている。ここで、予め定められた長さ以下のサイズ判定とは、A4サイズの短手方向に沿った長さL2(210mm)であるか否かを意味している。
【0060】
図7はこの実施の形態1に係る画像読取装置3の制御装置を示すブロック図である。
【0061】
図7中、符号200は、画像読取装置3の動作を制御する制御装置を示している。制御装置200は、画像読取装置3の動作を制御する制御手段の一例としてのCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201で実行するプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)202と、プログラムで使用するパラメータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)203と、これらCPU201やROM202等を接続するバス204と、画像形成装置1の図示しない制御装置と通信を行う通信インターフェイス205備えている。
【0062】
CPU201には、第1~第5のサイズセンサ101~105、用紙パスセンサ107、ジャムセンサ108及び先端センサ109からの検知信号がそれぞれ入力されている。また、CPU201は、第1~第5のサイズセンサ101~105、用紙パスセンサ107、ジャムセンサ108及び先端センサ109からの検知信号に基づいて、ROM202に予め記憶された
図6に示されるようなテーブルを参照することにより、画像読取装置3の原稿トレイ28上に載置された原稿25のサイズを判別する。
【0063】
また、符号206は、画像読取装置3を含む画像形成装置1を操作する操作装置を示している。操作装置206は、
図1に示されるように、画像読取装置3の前面などに配置されている。操作装置206は、画像形成装置1で画像を形成する記録用紙4の種類や記録枚数等を入力したり、画像読取装置3で原稿の画像を読み取る際に片面(表面)のみの画像を読み取るか両面の画像を読み取るか、あるいは原稿の画像をフルカラーで読み取るかモノクロで読み取るか等の読取モードを選択して指定する入力部207と、入力された記録用紙4の種類や記録枚数等を表示したり、原稿の画像の読取モード等を表示する表示部208を備えている。
【0064】
<画像読取装置の動作>
この実施の形態1に係る画像読取装置では、次のようにして、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知が可能となっている。
【0065】
すなわち、この実施の形態1に係る画像読取装置3では、
図2に示されるように、画像を読み取るべき単一又は複数の原稿25を原稿トレイ28上に載置する。単一又は複数の原稿25は、その読取方向に沿った先端側の端部を原稿トレイ28の突き当て板32に突き当てるとともに、原稿25の読取方向と交差する方向に沿った幅方向の両端部をサイドガイド33,34に突き当てた状態で載置する。
【0066】
そして、画像読取装置3は、
図1に示されるように、操作装置206の入力部207及び表示部208によって原稿25の読取動作を伴う動作が選択されて入力部207の図示しない開始ボタンがユーザによって押されると、
図8に示されるように、原稿トレイ28の搬送方向に沿った先端がナジャーロール41に接触するよう傾斜移動する。
【0067】
このとき、画像読取装置3では、
図2に示されるように、原稿トレイ28上に載置された原稿25の副走査方向及び主走査方向に沿ったサイズが第1~第5のサイズセンサ101~105によって検知される。
【0068】
その後、画像読取装置3は、ナジャーロール41が回転駆動され、原稿トレイ28に載置された原稿25のうち、最上位に位置する原稿25の搬送動作が開始される。
【0069】
制御装置200のCPU201は、第1のサイズセンサ101の検知信号に基づいて、原稿25の搬送方向に沿ったサイズが第1の長さ(310mm)より長いか否かを判別する。また、制御装置200のCPU201は、第2~第5のサイズセンサ102~105の検知信号に基づいて、原稿25の主走査方向に沿ったサイズがグループ1~12のいずれに属するかを判別する。
【0070】
また、制御装置200のCPU201は、原稿25の搬送を開始した後、原稿25の先端が用紙パスセンサ107を通過して、先端センサ109に到達したとき、用紙パスセンサ107がON状態であるかOFF状態であるかを判別する。
【0071】
そして、制御装置200のCPU201は、第1のサイズセンサ101の検知信号、第2~第5のサイズセンサ102~105の検知信号、及び用紙パスセンサ107と先端センサ109がON状態であるかOFF状態であるかに基づいて、
図6に示されるようなテーブルを参照して、原稿25のサイズを判定する。
【0072】
更に説明すると、制御装置200のCPU201は、第2~第5のサイズセンサ102~105の検知信号に基づいて、原稿25のサイズがグループ1~12のいずれに属するかを判定する。
【0073】
そして、制御装置200のCPU201は、第1のサイズセンサ101の検知信号、及び用紙パスセンサ107と先端センサ109がON状態であるかOFF状態であるか、つまり、先端センサ109がON状態となったときに用紙パスセンサ107がON状態であるかOFF状態であるかを判別する。
【0074】
なお、この実施の形態1では、用紙パスセンサ107がON状態であるかOFF状態であるかを判別するタイミングとして、先端センサ109がON状態となったときを選択しているが、これに限定されるものではなく、原稿25の搬送速度が一定で既知である場合、原稿25の先端が用紙パスセンサ107を通過してから、先端センサ109に到達するまでの時間Tを予めROM202に記憶させておいて基準としても良い。
【0075】
また、原稿25の先端が用紙パスセンサ107を通過してから、先端センサ109に到達するまでの時間Tを複数種類だけ予め設定しておくことにより、原稿25の搬送方向に沿った複数のサイズを判定することが可能となる。
【0076】
このように、上記実施の形態1に係る画像読取装置3によれば、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段としての原稿トレイ28に配置される検知手段の数を増加させることなく、しかもこの実施の形態1では、原稿トレイ28に配置される検知手段の数を少なくしつつ、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下の原稿25のサイズ検知が可能となる。
【0077】
[実施の形態2]
この発明の実施の形態2に係る画像読取装置3は、原稿25の搬送方向に沿った用紙パスセンサ107から先端センサ109までの原稿搬送路40の経路長が、A4サイズの原稿25の短手方向に沿った長さL2(210mm)より僅かな長さΔL2だけ短い値ではなく、A4サイズの原稿25の短手方向に沿った長さL2(210mm)より長い値に設定されており、しかも、原稿25の後端が用紙パスセンサ107を通過しているか否かを検知するタイミングとして、先端センサ109がON状態となるタイミングだけではなく、ジャムセンサ108がON状態となるタイミングをも採用し、原稿25の搬送方向に沿った複数のサイズを同時に検知可能に構成されている。
【0078】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0079】
(付記)
(((1)))
シートの搬送方向に沿ったサイズを検知する第1の検知手段を有し、前記シートを積載するシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載された前記シートをシート搬送路に沿って画像読取位置へ搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送路に沿った前記画像読取位置の手前に配置され、前記シートの有無を検知する第2の検知手段と、
を備え、
前記シート積載手段に積載された前記シートの搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のサイズ判定を前記第2の検知手段を用いて行うシート搬送装置。
(((2)))
前記第2の検知手段は、前記シート搬送路の前記シートの搬送方向に沿った最も上流側に配置される(((1)))に記載のシート搬送装置。
(((3)))
前記予め定められた長さは、前記第2の検知手段から前記画像読取位置までの前記シート搬送路に沿った長さより短い(((2)))に記載のシート搬送装置。
(((4)))
前記第1の検知手段は、前記シート積載手段に積載された前記シートのサイズがA4サイズの長手方向に沿った長さより大きいことを検知する(((1)))に記載のシート搬送装置。
(((5)))
前記予め定められた長さ以下の前記シートのサイズ判定は、前記シートの先端が前記画像読取位置に到達する以前に、前記シートの後端が前記第2の検知手段を通過したか否かにより行う(((4)))に記載のシート搬送装置。
(((6)))
前記予め定められた長さ以下の前記シートのサイズ判定は、前記シート積載手段に積載された前記シートが前記第1の検知手段によって検知されなかったときにのみ行う(((5)))に記載のシート搬送装置。
(((7)))
シートの画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段が前記シートの画像を読み取る読取位置に前記シートを搬送するシート搬送手段と、
を備え、
前記シート搬送手段として(((1)))乃至(((6)))のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いた画像読取装置。
(((8)))
シートの画像を読み取る(((7)))に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた前記シートの画像を記録媒体に記録する画像記録装置と、
を備えた画像形成装置。
【0080】
(((1)))に係るシート搬送装置によれば、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知が可能となる。
(((2)))に係るシート搬送装置によれば、第2の検知手段をシートの搬送方向に沿った最も上流側以外に配置した場合に比べて、装置を大型化することなく、予め定められた長さを長く設定することが可能となる。
(((3)))に係るシート搬送装置によれば、予め定められた長さは、第2の検知手段から画像読取位置までのシート搬送路に沿った長さより長い場合に比べて、第2の検知手段を通過した後の経過時間を計測することなく、予め定められた長さ以下か否かを検知することできる。
(((4)))に係るシート搬送装置によれば、第1の検知手段は、シート積載手段に積載されたシートのサイズがA4サイズの長手方向に沿った長さ以下を検知する場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を減少させることが可能となる。
(((5)))に係るシート搬送装置によれば、第2の検知手段の出力によってシートのサイズが予め定められた長さ以下か否かを直ちに判定することができる。
(((6)))に係るシート搬送装置によれば、予め定められた長さ以下のシートのサイズ判定を毎回行う必要がなくなる。
(((7)))に係る画像読取装置によれば、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知が可能となる。
(((8)))に係る画像形成装置によれば、シート積載手段上の最終原稿を検知する最終原稿検知手段を新たに設けた場合に比べて、シート積載手段に配置される検知手段の数を増加させることなく、搬送方向に沿った予め定められた長さ以下のシートのサイズ検知が可能となる。
【符号の説明】
【0081】
1…画像形成装置
3…画像読取装置
14…自動原稿搬送装置
25…原稿
28…原稿トレイ
101~105…第1~第5のサイズセンサ
107…用紙パスセンサ
109…先端センサ
200…制御装置
201…CPU