(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134621
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】連結構造
(51)【国際特許分類】
F16B 21/06 20060101AFI20240927BHJP
F16B 7/22 20060101ALI20240927BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F16B21/06 Z
F16B7/22
H02G3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044899
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】308011351
【氏名又は名称】大和化成工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131048
【弁理士】
【氏名又は名称】張川 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100174377
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100215038
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友子
(72)【発明者】
【氏名】廣田 和久
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 慶恭
【テーマコード(参考)】
3J037
3J039
5G363
【Fターム(参考)】
3J037AA02
3J037DA02
3J037DA12
3J037DB02
3J037DC02
3J039AA01
3J039BB02
3J039JA11
5G363BA02
5G363DA13
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】内側に屈曲する一対のL字状部を有した連結部と、一対のL字状部の内側に嵌合する嵌合部を有した被連結部とを備えた連結構造において、連結部と被連結部とのガタを抑制でき、連結部又は被連結部が設けられた部材への、一対のL字状部が対向する方向への荷重に対する剛性を高くできる連結構造を提供する。
【解決手段】第2部材に設けられた被連結部34は、第1部材に設けられた連結部9のL字状部10、11の内側に嵌る嵌合部36と、L字状部10、11の外側を覆う外側部41、42とを備える。L字状部10、11の外面10d、11dには凸条部12、13が形成される。外側部41、42の内面41c、42cには凸条部12、13が嵌る溝43、44が形成される。被連結部34は部材対向方向における嵌合部36よりも外側の位置に、連結方向に突出した差込突部46を備える。連結部9は差込突部46が嵌る差込凹部20を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材に設けられた連結部と、
第2部材に設けられた、前記連結部に連結される被連結部とを備え、
前記連結部は、
前記連結部と前記被連結部との連結方向に直角な方向に対向するように一対設けられ、前記連結方向に直角な断面が、対の相手に近づく方向に屈曲したL字状である一対のL字状部と、
前記被連結部の部位に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する係止部とを備え、
前記被連結部は、
一対の前記L字状部が対向する方向であるL字対向方向と前記連結方向の双方に直角な方向における前記L字状部の外面に対面する基部と、
前記基部から一対の前記L字状部の屈曲部間を通るように突出する突出部と、前記突出部から前記L字対向方向に張り出す張り出し部とを有した嵌合部と、
前記係止部に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する被係止部と、
前記基部から、各々の前記L字状部の、前記L字対向方向における外面に対面するように設けられる外側部とを備え、
前記係止部と前記被係止部の一方は、前記連結部と前記被連結部との連結操作時に、前記係止部と前記被係止部の他方を乗り越えるように撓み変形が可能に構成され、
前記L字状部と前記外側部のそれぞれの対向面の一方は、前記係止部又は前記被係止部とは別に前記連結方向に延びた凸条部を有し、
他方の前記対向面は、前記被係止部又は前記係止部とは別に、前記凸条部が嵌る溝を有する、
連結構造。
【請求項2】
前記連結部と前記被連結部の一方は、前記連結方向に突出した差込突部を備え、
前記連結部と前記被連結部の他方は前記差込突部が差し込まれる差込凹部を備える請求項1に記載の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は部材同士を連結する連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
部材同士を連結する連結構造として
図31、
図32に示される連結構造がある。
図31、
図32の連結構造は、第1部材100に設けられた連結部101と、第2部材200に設けられて前記連結部101に連結される被連結部201とを備える。連結部101と被連結部201との連結方向は
図32の方向Y(
図31の紙面に直角な方向)である。すなわち、連結部101と被連結部201とは、分離された状態から連結方向Yへの連結操作がなされることで、連結された状態となる。
【0003】
連結部101は、連結方向Yに直角な方向Z(
図31の上下方向)に対向する一対のL字状部102と、被連結部201の部位206(被係止部)に係止して、連結部101と被連結部201との連結を保持する係止部103とを備える。一対のL字状部102は、
図31の断面で見て、互いに接近する側(内側)に屈曲した断面L字状に形成される。また、係止部103は、連結部101と被連結部201との連結操作時に、被連結部201の被係止部206を乗り越えるように撓み変形が可能に構成される。
【0004】
被連結部201は、一対のL字状部102の屈曲部102aの外面に対面する基部202と、一対のL字状部102の内側に嵌合する嵌合部203とを備える。嵌合部203は、基部202から一対の屈曲部102a間を通るように突出する突出部204と、突出部204から各L字状部102側に張り出す張り出し部205とを備える。また、被連結部201は、連結部101の係止部103に係止して、連結部101と被連結部201との連結を保持する被係止部206を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図31、
図32の連結構造にあっては、連結部101と被連結部201との連結の保持が、撓み変形可能な係止部103によりなされるので、ガタが発生しやすい。具体的には、
図31の符号301、302で示される箇所、すなわち連結部101のL字状部102と、被連結部201の嵌合部203又は基部202との間にガタが発生しやすい。また、例えば、第1部材100又は第2部材200の、連結部101、被連結部201が設けられる反対側に、一対のL字状部102が対向するL字対向方向Z(
図31の上下方向)への荷重を意地悪的に加えると、その荷重を加えた部位が方向Zに変位しやすい。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑み、内側に屈曲する一対のL字状部を有した連結部と、一対のL字状部の内側に嵌合する嵌合部を有した被連結部とを備えた連結構造において、連結部と被連結部とのガタを抑制でき、連結部又は被連結部が設けられた部材へのL字対向方向への荷重に対する剛性を高くできる連結構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の連結構造は、
第1部材に設けられた連結部と、
第2部材に設けられた、前記連結部に連結される被連結部とを備え、
前記連結部は、
前記連結部と前記被連結部との連結方向に直角な方向に対向するように一対設けられ、前記連結方向に直角な断面が、対の相手に近づく方向に屈曲したL字状である一対のL字状部と、
前記被連結部の部位に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する係止部とを備え、
前記被連結部は、
一対の前記L字状部が対向する方向であるL字対向方向と前記連結方向の双方に直角な方向における前記L字状部の外面に対面する基部と、
前記基部から一対の前記L字状部の屈曲部間を通るように突出する突出部と、前記突出部から前記L字対向方向に張り出す張り出し部とを有した嵌合部と、
前記係止部に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する被係止部と、
前記基部から、各々の前記L字状部の、前記L字対向方向における外面に対面するように設けられる外側部とを備え、
前記係止部と前記被係止部の一方は、前記連結部と前記被連結部との連結操作時に、前記係止部と前記被係止部の他方を乗り越えるように撓み変形が可能に構成され、
前記L字状部と前記外側部のそれぞれの対向面の一方は、前記係止部又は前記被係止部とは別に前記連結方向に延びた凸条部を有し、
他方の前記対向面は、前記被係止部又は前記係止部とは別に、前記凸条部が嵌る溝を有する。
【0009】
これによれば、被連結部は、連結部に備えられた一対のL字状部の外面に対面する外側部を備えており、L字状部と外側部との各対向面の一方に凸条部が形成され、他方に溝が形成され、これら凸条部及び溝が嵌合する。これにより、連結部と被連結部とのガタを抑制でき、第1部材又は第2部材の、連結部、被連結部が設けられる反対側へのL字対向方向への荷重に対する剛性を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の車両部品支持具の斜視図である。
【
図2】第1実施形態の車両部品支持具の正面図である。
【
図3】第1実施形態の車両部品支持具の平面図である。
【
図4】第1実施形態の車両部品支持具の背面図である。
【
図5】
図3のV-V線での拡大断面図であって、第1実施形態の連結部と被連結部との連結構造の第1断面図である。
【
図7】
図2のVII-VII線での拡大断面図であって、第1実施形態の連結部と被連結部との連結構造の第2断面図である。
【
図13】第1実施形態の第1部材の拡大右側面図である。
【
図14】第1実施形態の第1部材の拡大左側面図である。
【
図15】
図9のXV-XV線で切断した第1部材を斜め方向から見た図である。
【
図21】第1実施形態の第2部材の右側面図である。
【
図22】第1実施形態の第2部材の左側面図である。
【
図23】第1部材(連結部)と第2部材(被連結部)との連結操作の様子を示す図であり、(a)連結前の状態、(b)連結途中の状態、(c)連結完了の状態を示す図である。
【
図24】第2実施形態の車両部品支持具の正面図である。
【
図25】第2実施形態の車両部品支持具の平面図である。
【
図26】
図25のXXVI-XXVI線での拡大断面図であって、第2実施形態の連結部と被連結部との連結構造の第1断面図である。
【
図27】
図24のXXVII-XXVII線での拡大断面図であって、第2実施形態の連結部と被連結部との連結構造の第2断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本開示の第1実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1~
図4に、本実施形態の樹脂製部材1を示す。樹脂製部材1は、例えば、車体に取り付けられて、車両の電気回路の接続に用いられる電気コネクタ、ワイヤーハーネスを保護するプロテクタなどの車両部品を支持するための車両部品支持具である。樹脂製部材1は連結部材としての第1部材2と第2部材3とを備える。これら部材2、3は所定方向Xにて対向する。その対向方向Xにおける第1部材2及び第2部材3の端部同士が連結されて、一体化されている。以下では、方向Xを樹脂製部材1、第1部材2及び第2部材3の左右方向とする。また、方向Xを部材対向方向という場合がある。また、後述の連結方向Yを樹脂製部材1、第1部材2及び第2部材3の前後方向とする。部材対向方向Xと連結方向Yの双方に直角な方向Zを樹脂製部材1、第1部材2及び第2部材3の上下方向とする。また、方向ZをL字対向方向という場合がある。
【0012】
図8~
図15に示す第1部材2は、電気コネクタ、ワイヤーハーネスのプロテクタなどの車両部品を支持するための車両部品支持具である。第1部材2は、その全部が、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成樹脂により形成された樹脂製部材である。第1部材2は例えば射出成形により一体に形成される。
図8に示すように、第1部材2は上面部4と下面部5とを備える。上面部4及び下面部5は互いに平行な板状に形成される。また、第1部材2は上面部4及び下面部5に連結部6~8を備える。連結部6~8には例えば電気コネクタ、ワイヤーハーネスのプロテクタ等の車両部品が連結される。
【0013】
上面部4と下面部5との間の内部空間は左右方向Xに複数の区画に分割されている。
図8、
図9及び
図11に示すように、第1部材2の前面2b及び後面2aには上記複数の区画の開口が形成されている。なお、前面2bと後面2aとは互いに平行に設けられてよい。
【0014】
さらに、第1部材2は、左右方向Xにおける両端部に、連結部9、50を備える。一方の連結部9は、後述する第2部材4の被連結部34が連結される。連結部9と被連結部34との連結方向は、部材対向方向XとL字対向方向Zの双方に直角な方向Yである。すなわち、連結部9と被連結部34とは、連結方向Yへの連結操作を経て連結される。被連結部34(第2部材3)に対して連結部9(第1部材2)を連結移動させる場合のその移動方向は方向Y1(前後方向における後方向)(
図3等参照)に定められる。連結部9に対して被連結部34を連結移動させる場合のその移動方向は方向Y1の逆方向Y2(前後方向における前方向)(
図3等参照)に定められる。以下では、方向Y1を、連結部9の連結操作方向という場合がある。方向Y2を、被連結部34の連結操作方向という場合がある。
【0015】
図3に示すように、第1部材2と第2部材3とは、連結部9と被連結部34との連結位置から、左右方向Xにおける互いに反対方向X1、X2に延在している。すなわち、第1部材2は、連結部9と被連結部34との連結位置から、
図3の紙面の左方向X2に延在する。第2部材3は、連結部9と被連結部34との連結位置から、
図3の紙面の右方向X1に延在する。
【0016】
なお、反対側の端部に設けられる連結部50は、連結部9と同様の構造(左右対称な形状)に形成される。すなわち、第1部材2は、連結部50において、被連結部34と同様の構造の被連結部を備えた他部材(第2部材3とは別の相手部材)に連結可能である。
【0017】
以下、連結部9の詳細を説明する。
図10に示すように、連結部9(具体的には後述のL字状部10、11)の、連結方向Yにおける幅d1は、第1部材2の、連結部9が設けられる端部における連結方向Yの全幅d2よりも小さい。具体的にいえば、連結部9の、方向Y1(連結操作方向)における端部9aは、後面2aよりも前方(方向Y2側)に位置する。すなわち、端部9aは、後面2aから方向Y2側に凹んだ段差を形成している。連結部9の、方向Y2(連結操作方向の逆方向)における端部9bは前面2bに連続している。すなわち、端部9bと前面2bとの間には方向Yへの段差を有しない。
【0018】
図5に示すように、連結部9は一対のL字状部10、11を有する。L字状部10、11は上下方向Zに対向する位置に設けられる。また、各L字状部10、11は、連結方向Yに直角な
図5の断面で見て、対の相手(他方のL字状部)に近づく方向に屈曲したL字状に形成される。具体的には、L字状部10、11は、
図5の断面で見て、部材対向方向Xに延びた壁部10a、11aと、壁部10a、11aの、第1部材2から第2部材3に向かう方向X1における先端から他方の壁部10a、11a側である内側に屈曲した屈曲部10b、11bとを有する。L字状部(壁部10a、11a及び屈曲部10b、11b)は、前後方向Y(連結方向)に延びた形状に形成される。
【0019】
一対の壁部10a、11aは、互いに対向した位置において互いに平行に設けられる。一方の壁部10aは上面部4の一部を構成する。他方の壁部11aは下面部5の一部を構成する。屈曲部10b、11bは、互いに対向した位置に設けられる。屈曲部10b、11bは、第1部材2の左右方向Xにおける端面(側面)を構成する。屈曲部10b、11bは、
図5の断面で見て四角形断面を有する。なお、L字状部10、11の、方向Y1側の端部が、
図10の端部9aを構成する。L字状部10、11の、方向Y2側の端部が、
図10の端部9bを構成する。
【0020】
図6に示すように、L字状部10、11は、それらの間に形成される空間16(後述の幅広空間)に対面する内面に、突起10e、11eを有する。突起10e、11eは、具体的には、屈曲部10b、11bの内面に形成されている。突起10e、11eは、
図6の断面で見て、先端に近づくにつれて徐々に細くなる形状(例えば略半円状又は山形状)に形成される。突起10e、11eの先端はなだらかな形状に形成されている。突起10e、11eは例えば連結方向Yに延びている。
【0021】
突起10e、11eの高さは微小であり、例えば後述の凸条部12、13の高さよりも小さい。突起10e、11eは、被連結部34との連結状態において、被連結部34の、後述する張り出し部38の面38bに接している。なお、張り出し部38の面38bには、突起10e、11eが嵌る溝は形成されていない。すなわち、面38bは、突起10e、11eが接する部分と、突起10e、11eが接しない部分とが連続した連続面に形成されている。言い換えれば、突起10e、11eは、張り出し部38の溝無し壁面38bに接している。突起10e、11eが設けられることで、被連結部34の嵌合部36(後述する)とL字状部10、11との嵌合ガタを抑制でき、特に方向Xにおける嵌合ガタを抑制できる。
【0022】
なお、突起10e、11eに加えて又は代えて、壁部10a、11aの内面に、張り出し部38に接する突起が形成されてもよい。これによれば、特に上下方向Zにおける嵌合ガタを抑制できる。また、突起10e、11eに加えて又は代えて、張り出し部38に、壁部10a、11aの内面又は屈曲部10b、11bの内面に接する突起が形成されてもよい。
【0023】
また、連結部9は、
図5に示すように、一対の壁部10a、11a間を接続する内壁14が設けられる。内壁14は、部材対向方向Xにおける、屈曲部10b、11bが設けられる反対側において、壁部10a、11a間を接続する。内壁14は、
図7、
図15に示すように、第1部材2の後面2aよりも前方Y2の位置から、前面2bに至る前の中間位置まで、前後方向Yに延びている。内壁14の方向Y1側の端部14a(
図7、
図15参照)の、前後方向Yにおける位置は、L字状部10、11の方向Y1側の端部9a(
図3、
図15参照)の、前後方向Yにおける位置と同じである。
【0024】
また、
図13に示すように、連結部9は、屈曲部10bの前方向Y2における端部と、屈曲部11bの前方向Y2における端部との間を接続する接続部18を有する。なお、屈曲部10b、11bの、前後方向Yにおける接続部18が設けられる反対側の端部間は接続されていない。
【0025】
図6に示すように、一対のL字状部10、11及び内壁14の間に略T字状の空間15が形成されている。空間15は、壁部10a、11a及び内壁14間に形成される幅広空間16と、屈曲部10b、11b間に形成される幅狭空間17とを含む。幅広空間16は、幅狭空間17よりも上下方向Zにおける幅が広い空間である。幅広空間16は、
図6の断面で見て四角形状の空間である。幅広空間16は前後方向Y(連結方向)に延びている。そして、第1部材2の前面及び後面に空間16の開口が形成されている。
【0026】
幅狭空間17は、幅広空間16よりも上下幅が小さい、
図6の断面で見て四角形状の空間である。幅狭空間17は左右方向Xに開通した空間である。すなわち、幅狭空間17の方向X2側は幅広空間16に導通している。幅広空間17の方向X1側は外側の空間に導通している。また、幅狭空間17は、
図13に示すように、後方向Y1側が開き、前方向Y2側が接続部18で閉じた、前後方向Yに延びた空間である。
【0027】
一対のL字状部10、11及び内壁14は、それらの間に形成される略T字状空間15に、後述の被連結部34の一部を構成する断面略T字状の嵌合部36を嵌めて、嵌合部36の上下方向Z及び左右方向Xの移動を規制する上下方向抜け止め部及び左右方向抜け止め部として機能する。また、一対のL字状部10、11及び内壁14は、連結部9と被連結部34との連結操作時に、連結部9又は被連結部34の連結方向Yへの連結移動を案内する案内部(換言すれば、軌条、レール)として機能する。
【0028】
連結部9は、
図5に示すように、L字状部10、11の各壁部10a、11aの外面10d、11dに、連結方向Yに延びた凸条部12、13を有する。一方の凸条部12は一方の壁部10aの上面10dに形成されている。他方の凸条部13は他方の壁部11aの下面11dに形成されている。各凸条部12、13は、
図5の断面で見て四角形状に形成されている。また、各凸条部12、13は、
図8に示すように、壁部10a、11aの連結方向Yにおける一端から他端までの全範囲に亘って連続形成されている。
【0029】
凸条部12、13は、壁部10a、11aの方向X1側の端部に形成されている。換言すれば、凸条部12、13は、部材対向方向Xに沿った位置のうち、屈曲部10b、11bが形成された位置に形成されている。凸条部12、13の、方向X1側の端面12a、13a(
図5参照)は、屈曲部10b、11bの方向X1側の端面10c、11c(
図5参照)に連続している。すなわち、端面12a、13aと端面10c、11cとで段差を有しない平面を形成している。
【0030】
凸条部12、13の部材対向方向Xにおける幅は、屈曲部10b、11bのその幅よりも小さいとしてよい。ここで、壁部10a、11aの、後述の被連結部34の外側部41、42に対向する対向面10d、11d(外側部41、42との接触範囲)のうち、部材対向方向Xにおける屈曲部10b、11bが設けられる反対側の端部P(
図5参照)を対向面端部とする。凸条部12、13の部材対向方向Xにおける幅は、対向面端部Pと凸条部12、13との間の面の方向Xにおける幅よりも小さいとしてよい。さらに、凸条部12、13の部材対向方向Xにおける幅は、幅広空間16におけるその幅よりも小さいとしてよい。
【0031】
凸条部12、13は、連結部9と被連結部34との連結状態において、被連結部34側の溝43、44に嵌っている。このとき、凸条部12、13は、溝43、44により、部材対向方向Xにおける第1方向X1及び第2方向X2の両方向の移動が規制される。なお、凸条部12、13は、後述の係止部19(
図7、
図15参照)のような撓み変形可能な撓み爪とは異なり、非撓み状の嵌合部として構成されている。
【0032】
図7、
図15に示すように、連結部9は、被連結部34の部位40(被係止部)に係止して、L字状部10、11と被連結部34の嵌合部36との連結(嵌合)を保持する係止部19を備える。係止部19は、連結部9が、連結操作方向Y1の逆方向Y2に被連結部34から抜けるのを止める抜け止め部である。係止部19は、屈曲部10b、11b間の幅狭空間17(
図6、
図13参照)には設けられておらず、幅狭空間17よりも内側の空間(すなわちL字状部10、11の壁部10a、11b間の幅広空間16)に設けられる。また、係止部19は、上下方向Zにおける、一対のL字状部10、11の間の位置(中間位置)に設けられる。
【0033】
係止部19は、上述の内壁14から方向Y2に延び出すように設けられる。係止部19は、一端19a(基端)が内壁14に一体に接続され、他端側が自由端とした片持ち梁形状に形成される。すなわち、係止部19は、基端19aを基点として撓み変形可能に構成される。より具体的には、係止部19は、内壁14及び係止部19の先端部19dよりも方向X1側(第2部材3側)に盛り上がった盛り上がり部19b(
図7参照)を有する。係止部19は、連結操作時に、盛り上がり部19bが被連結部34の所定部位40に当たることで、部材対向方向Xにおける一方向X2に変位し、その後、盛り上がり部19bが所定部位40を乗り越えたときに、他方向X1に移動して、元の状態に復帰する。これにより、連結部9と被連結部34とが連結状態に保持される。
【0034】
図7に示すように、盛り上がり部19bは、連結方向Yに対して傾斜したガイド面19cを有する(
図15も参照)。ガイド面19cは、連結操作時における、係止部19と、被連結部34の被係止部40との連結方向Yへの相対移動を許容するように形成される。言い換えれば、ガイド面19cは、連結部9が連結操作方向Y1に移動するに伴い又は被連結部34が連結操作方向Y2に移動するに伴い、係止部19を方向X2に変位させる形状に形成される。具体的には、ガイド面19cは、係止部19の先端側(方向Y2側)に向かうにつれて徐々に部材対向方向Xにおける外方向X1(第2部材3側の方向、L字状部10、11の屈曲部10b、11b側の方向)に変位する。
【0035】
また、
図7に示すように、係止部19の先端部19dは、盛り上がり部19bよりも方向X2側に位置する。先端部19dは、被連結部34との連結状態において、被連結部34の被係止部40に、部材対向方向Xにて対面する。この際、先端部19dは被係止部40に接触してよい。
【0036】
図5、
図7、
図11に示すように、連結部9は、後述の被連結部34の差込突部46が差し込まれる差込凹部20を有する。
図5に示すように、差込凹部20は、内壁14を間に挟んで、部材対向方向Xにおける幅広空間16の隣りに設けられる。差込凹部20は、幅広空間16よりも内方向X2側に設けられる。また、差込凹部20は、L字状部10、11の内側空間15(
図6参照)と、同一の上下方向Zにおける位置に形成される。すなわち、差込凹部20と差込突部46との嵌合位置と、L字状部10、11と嵌合部36との嵌合位置とは、同一の上下方向位置に設定される。
【0037】
第1部材2の、部材対向方向Xにおける両端部のうち、連結部9が設けられる端部を第1端部、反対側(連結部50(
図9参照)が設けられる側)の端部を第2端部としたとき、差込凹部20は、第2端部よりも第1端部に近い位置に設けられる。差込凹部20とL字状部10、11の間には、内壁14を除いて、機能部が存在しない。差込凹部20は、
図5の断面で見て、例えば、部材対向方向Xよりも上下方向Zにおける幅のほうが大きい断面を有する。差込凹部20は、
図5の断面で見て例えば断面四角形状に形成されるが、他の断面形状に形成されてもよい。
【0038】
差込凹部20は、連結部9の連結操作方向Y1における端部9a(
図10参照)に開口を形成する(
図7、
図11参照)。その開口は、第1部材2の後面2aよりも前方Y2に位置する。差込凹部20は、その開口から、方向Y2に延びている(
図7参照)。差込凹部20は、第1部材2の前面2bに至る前の中間位置に底面20aを有する。差込凹部20は、連結方向Y回りの全周が内壁で囲まれた有底の穴として形成される。
【0039】
次に、
図16~
図22に示す第2部材3について説明する。第2部材3は、電気コネクタ、ワイヤーハーネスのプロテクタなどの車両部品を支持するための車両部品支持具である。第2部材3は、その全部が、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成樹脂により形成された樹脂製部材である。第2部材3は例えば射出成形により一体に形成される。
図16に示すように、第2部材3は、その下面部31に連結部32、33を備える。連結部32、33は例えば電気コネクタ、ワイヤーハーネスのプロテクタ等の車両部品、又は車体側(車体に接続された部材)に連結される。第2部材3の内部は複数の区画に分割されている。これら区画の開口が第2部材3の前面及び後面に形成されている。
【0040】
第2部材3は、左右方向Xにおける一方の端部(第1部材2側の端部)に、第1部材2の連結部9に連結される被連結部34を備える。
図18に示すように、被連結部34(具体的には後述の嵌合部36及び外側部41、42)の、連結方向Yにおける幅d3は、第2部材3の、被連結部34が設けられる端部における連結方向Yの全幅d4よりも小さい。具体的にいえば、被連結部34の、方向Y1(連結操作方向の逆方向)における端部34a(後述の閉塞部45)は、第2部材3の後面3aよりも前方(方向Y2側)に位置する。すなわち、端部34aは、後面3aから方向Y2側に凹んだ段差を形成している。被連結部34の、方向Y2(連結操作方向)における端部34b(後述の基部35、嵌合部36及び外側部41、42の方向Y2における端部)は、第2部材3の前面3bに連続している。すなわち、端部34bと前面3bとの間には方向Yへの段差を有しない。
【0041】
被連結部34は、
図5に示すように、基部35と、基部35から突出してL字状部10、11間の略T字状空間15(
図6参照)に嵌合する嵌合部36とを備える。
【0042】
基部35は、上下方向Z(L字対向方向)及び連結方向Yに広がる面35a(
図5参照)を形成する板状に形成される。基部35は、連結部9との連結状態においてL字状部10、11の部材対向方向Xにおける外面10c、11cに対面する。具体的には、基部35の上記面35aが上記外面10c、11cに近接する。
【0043】
嵌合部36は、
図5の断面で見て略T字状に形成される。具体的には、嵌合部36は、基部35の面35aから、対向方向Xにおける第2部材3から第1部材2に向かう方向X2に突出する突出部37と、突出部37の先端から上下方向Zにおける上方及び下方の双方に張り出すように形成された張り出し部38とを有する。突出部37は、
図6に示すように、連結部9との連結状態において幅狭空間17に嵌められる。突出部37は、幅狭空間17の側面視形状(
図13参照)に合わせて連結方向Yに延びている。
図7に示すように、連結部9との連結状態において、突出部37の方向Y2側の端部37aが、幅狭空間17の方向Y2側を閉塞する接続部18(
図13も参照)に当たる。これにより、被連結部34が連結部9から連結操作方向Y2に抜けるのを阻止される。また、連結部9が被連結部34から連結操作方向Y1に抜けるのを阻止される。したがって、接続部18及び突出部37の端部37aは、連結部9及び被連結部34の連結操作方向への抜けを止める抜け止め部として機能する。
【0044】
図6に示すように、張り出し部38は、連結部9との状態において幅広空間16に嵌められる。張り出し部38は、幅広空間16に合わせて連結方向Yに延びている。張り出し部38は、幅広空間16に嵌められた状態で、L字状部10、11の壁部10a、11aに対面する第1面38aと、屈曲部10b、11bに対面する第2面38bと、内壁14に対面する第3面38cとを有する。第2面38bは、L字状部10、11の突起10e、11eに接している。第3面38cは内壁14に接している。また、第3面38cは、後述の外側部41、42の方向X2側の端部41a、42a(
図5参照)よりも方向X1側(左右方向Xにおける内側)に位置する。
【0045】
張り出し部38は、
図6に示すように、第3面38cに開口を形成する凹部39を有する(
図16も参照)。凹部39は、
図6の断面で見て四角形状に形成されている。すなわち、凹部40は、方向X2に臨む底面39aと、
図6の紙面の上方に臨む側面39bと、下方に臨む側面39cとを有する。凹部39は連結方向Yに延びている。
図7に示すように、凹部39は、連結部9との連結状態で、連結部9の係止部19(具体的には盛り上がり部19b)を受け入れる。凹部39に盛り上がり部19bを受け入れた状態で、盛り上がり部19bは凹部39の底面39aに接触する。また、凹部39に盛り上がり部19bを受け入れた状態で、盛り上がり部19bは凹部39の側面39b、39cに接触してよい。これによれば、係止部19が凹部39で部材対向方向X及び上下方向Zに変位が規制された状態となるので、撓み変形可能な係止部19がガタついてしまうのを抑制できる。
【0046】
さらに、張り出し部38は、被連結部34の連結操作方向Y2における先端側に被係止部40を有する(
図7参照)。被係止部40は、凹部39の底面39aに対して方向X2側に凸状に形成される。被係止部40は、連結部9の係止部19に係止して、連結部9(L字状部10、11)と被連結部34(嵌合部36)との連結を保持する。すなわち、被係止部40は、被連結部34が連結操作方向Y2の逆方向Y1に抜ける(移動する)のを止める抜け止め部である。
【0047】
被係止部40の凹部39側の面40aは、連結部9との連結状態で係止部19の盛り上がり部19bに係止することで、被連結部34が連結操作方向Y2の逆方向Y1に連結部9から抜けるのを阻止する阻止面として構成されている。阻止面40aは、例えば連結方向Yに直角な面に形成される。また、阻止面40aは方向Y1側を向いている。
【0048】
被係止部40は阻止面40aよりも方向Y2側にガイド面40bを有する。ガイド面40bは、連結方向Yに対して傾斜した傾斜面として構成されている。具体的には、ガイド面40bは、方向Y2に向かうにつれて徐々に部材対向方向Xにおける第1部材2から第2部材3への方向X1に変位する。ガイド面40bは、連結操作時に連結部9の係止部19を撓ませつつ、被連結部34と連結部9との方向Yへの相対移動を許容する機能を有する。
【0049】
なお、嵌合部36は、被連結部34に対して連結部9を連結移動させる場合に、連結部9のL字状部10、11を連結操作方向Y1に沿って案内する案内部(換言すれば、軌条、レール)として機能する。
【0050】
被連結部34は、基部35から、基部35の面35aに対して直角方向X2に張り出す外側部41、42を有する(
図5、
図16、
図17、
図22参照)。外側部41、42は上下方向Zに間隔をあけて設けられる。具体的には、一方の外側部41の方向X1における端部が基部35の上端に接続されている。他方の外側部42の方向X1における端部が基部35の下端に接続されている。外側部41、42の、基部35に接続される側の反対側の端部41a、42a(先端)間は開口が形成される。また、外側部41、42は、例えば、左右方向X及び連結方向Yに広がる板状に形成されてよい。
図5の断面で見て、外側部41、42と基部35とでコ字状の断面が形成される。
【0051】
また、外側部41、42の、連結操作方向Y2における端部41b、42b(
図16参照)間は開口が形成される。この開口は、連結操作時にL字状部10、11を受け入れる入口として機能する。
【0052】
図5に示すように、外側部41、42は、連結部9との連結状態で、L字状部10、11の各壁部10a、11aの外面10d、11dに対面する。具体的には、外側部41、42の、壁部10a、11aに対向する対向面41c、42cは、壁部10a、11aの外面10d、11dに近接する。
【0053】
外側部41、42の方向X2における先端41a、42aは例えば互いに同一の左右方向Xにおける位置に形成されてよい。さらに、先端41a、42aの左右方向Xにおける位置は、例えば張り出し部38の端面38c(
図6参照)の左右方向Xにおける位置よりも方向X2側(外側)に位置してよい。これによれば、連結部9の内壁14から方向X1に延在したL字状部10、11の全体を、外側部42、43と嵌合部36とで囲むことになるので、連結部9と被連結部34との連結を強固にできる。なお、所望の連結強さを確保できるのであれば、先端41a、42aの左右方向Xにおける位置は、張り出し部38の端面38cの左右方向Xにおける位置と同じとしてもよいし、端面38cの左右方向Xにおける位置よりも方向X1側に位置してもよい。なお、先端41a、42aは、連結部9(第1部材2)の部位に接触していない。すなわち、連結部9は、先端41a、42aに接触する壁部を有しない形状に形成される。
【0054】
外側部41、42の内面41c、42c(嵌合部36側の面、L字状部10、11との対向面)には、連結部9の凸条部12、13が嵌る溝43、44が形成されている。溝43、44は、
図5の断面で見て、凸条部12、13と同様の断面形状に形成され、具体的には例えば四角形断面に形成される。また、溝43、44は連結方向Yに延びている。溝43、44は外側部41、42の方向Yにおける全幅に亘って連続形成されている。溝43、44の連結操作方向Y2における端部は外側空間に導通している。溝43、44の、連結操作方向Y2の逆方向Y1における端部は後述の閉塞部45により閉塞されている。
【0055】
溝43、44は、外側部41、42の、左右方向Xにおける基部35に接続される側の端部に形成されている。換言すれば、溝43、44は、左右方向Xにおける基部35に隣接した位置に形成されている。溝43、44の基部35側の内面は、基部35の面35aに連続している。すなわち、溝43、44の内面と基部35の面35aとは段差を有しない平面に形成される。溝43、44の左右方向Xにおける幅は、外側部41、42の先端41a、42aから溝43、44までの幅よりも小さい。
【0056】
被連結部34は、外側部41、42の方向Y1における端部間を閉塞する閉塞部45を有する(
図17、
図19参照)。閉塞部45は例えば上下方向Z及び左右方向Xに広がる板状に形成される。閉塞部45の上端が一方の外側部41に接続される。閉塞部45の下端が他方の外側部42に接続される。閉塞部45の左右方向Xにおける基部35側の端部が基部35に接続されている。閉塞部45は、連結部9との連結状態において、L字状部10、11の方向Y1側の端部に当たることで、被連結部34(嵌合部36)が連結部9(L字状部10、11)から連結操作方向Y2に抜けるのを止める抜け止め部として機能する。連結部9(L字状部10、11)は、閉塞部45により、連結部9の連結操作方向Y1への抜けが阻止される。
【0057】
なお、閉塞部45には、張り出し部38の凹部39に導通した貫通部45b(
図19参照)が形成されている。貫通部45bは、第2部材3の射出成形の際に、凹部39を形成する金型を抜くための穴である。
【0058】
被連結部34は、閉塞部45から、被連結部34の連結操作方向Y2に突出する差込突部46を有する(
図5、
図7、
図16、
図17、
図22参照)。差込突部46は、嵌合部36よりも左右方向Xにおける外側(つまり方向X2側)に設けられる。具体的には、
図17に示すように、閉塞部45は、外側部41、42よりも左右方向Xにおける外側(方向X2側)に、はみ出た部分45aを有する。差込突部46はその部分45aに形成される。
図17に示すように、差込突部46は、左右方向Xにおける嵌合部36の隣りの位置に設けられる。すなわち、差込突部46と嵌合部36の間には構造物又は機能部が存在しない。また、差込突部46は、嵌合部36と同一の上下方向Zにおける位置に形成される。
【0059】
差込突部46は、
図5の断面で見て、差込凹部20と同様の断面形状に形成され、具体的には例えば断面四角形状に形成される。差込突部46の連結方向Yにおける幅は、張り出し部38のその幅よりも短い(
図22参照)。すなわち、差込突部46の方向Y2における端部(先端)は、張り出し部38の方向Y2における端部よりも方向Y1側に位置する。差込突部46の方向Y1側の端部(基端)は、張り出し部38の方向Y1側の端部と同一の方向Yにおける位置に設けられる。また、
図5に示すように、差込突部46の上下方向Zにおける幅は、例えば張り出し部38のその幅の1/2倍より大きいとしてよい。これによれば、連結部9と被連結部34との連結剛性を高くできる。なお、差込突部46の上下方向Zにおける幅は、張り出し部38のその幅と同じでもよいし、小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0060】
図5に示すように、差込突部46の方向X1側の端面46aは、外側部41、42の方向X2側の端部41a、42aと同一の左右方向Xにおける位置に形成され、又は端部41a、42aよりも方向X1側(左右方向Xにおける内側)に位置してよい。これによれば、被連結部34の左右方向Xにおける幅を抑えることができ、連結部9と被連結部34との連結構造を小型化できる。なお、差込突部46の方向X2側の端面46bは、外側部41、42の端部41a、42aよりも方向X2側(左右方向Xにおける外側)に位置してよい。
【0061】
差込突部46は、連結部9との連結状態で、連結部9の差込凹部20に差し込まれる(
図5、
図7参照)。連結部9との連結状態で、差込突部46の側面が、差込凹部20の内壁に接触してよい。差込突部46を支持する閉塞部45が、連結部9における、差込凹部20の開口の周囲部14a(
図7参照)に接触して、該開口を閉塞してよい。
【0062】
なお、差込突部46は、方向Y1への抜け止めが無い形態で差込凹部20に差し込まれる。また、差込突部46と差込凹部20との嵌合は撓み爪による嵌合ではない。
【0063】
連結部9と被連結部34とは以下のように連結操作が行われる。すなわち、L字状部10、11間に形成される略T字状空間15の方向Y1側の開口に、被連結部34の嵌合部36を方向Y2の端部側から入れる(
図23(a)、(b)も参照)。略T字状空間15の開口に嵌合部36が入るに伴い(L字状部10、11と嵌合部36とが嵌合するに伴い)、被連結部34の外側部41、42がL字状部10、11の外側を覆い、かつ、凸条部12、13が溝43、44に嵌る。
【0064】
その後、略T字状空間15に嵌合部36を入れた状態(
図23(b)の状態)で、連結部9を連結操作方向Y1に移動させ、又は被連結部34を連結操作方向Y2に移動させる。その移動に伴い、差込突部46が差込凹部20に嵌る。また、連結部9又は被連結部34の連結操作方向Y1、Y2への移動中に、連結部9のガイド面19c(
図7参照)と、被連結部34のガイド面40b(
図7参照)とが接触する。ガイド面19c、40bが接触した状態でさらに連結操作方向Y1、Y2への移動を進めると、連結部9の係止部19が方向X2に撓みながら、係止部19の盛り上がり部19bが被連結部34の被係止部40を乗り越える。そして、最終的に、
図23(c)、
図7の状態になったときに、連結操作が終了する。なお、
図23においては、部材2、3を上下反転させて図示している。
【0065】
以下、本実施形態の効果を説明する。本実施形態では、L字状部10、11のL字対向方向Zにおける外側が外側部41、42で覆われるとともに、L字状部10、11に形成された凸条部12、13と外側部41、42に形成された溝43、44とが嵌るので、連結部9と被連結部34とのガタを抑制でき、L字対向方向Zへの荷重に対する連結構造(連結部9及び被連結部34)の剛性を高くできる。例えば、
図2に示すように、第1部材2の、部材対向方向Xにおける連結部9の反対側に、上下方向Zの荷重Fが意地悪的に加えられたとしても、第1部材2が、連結部9と被連結部34との連結位置を中心に上下方向Zに大きく変位するのを抑制できる。
【0066】
凸条部12、13と溝43、44との嵌合により、荷重が加えられた際に、外側部41、42がL字状部10、11の対向面10d、11d上で動いてしまうのを抑制できる。すなわち、外側部41、42とL字状部10、11との嵌合がずれてしまうのを抑制できる。これにより、連結部9と被連結部34との連結剛性を高くできる。
【0067】
また、部材対向方向Xにおける外側部41、42とL字状部10、11との接触範囲(凸条部12、13と溝43、44との嵌合範囲は除く)は、凸条部12、13と溝43、44との嵌合範囲よりも大きいので、連結部9と被連結部34との連結剛性をより高くできる。
【0068】
また、差込突部46と差込凹部20との嵌合により、連結部9と被連結部34との連結剛性をより高くできる。例えば、
図2において、第1部材2の、部材対向方向Xにおける連結部9の反対側に、上下方向Zの荷重Fが意地悪的に加えられたとする。この場合、L字状部10、11と嵌合部36との嵌合位置よりも、差込突部46と差込凹部20との嵌合位置のほうが、荷重Fに近い。したがって、荷重Fに伴う上下方向変位に対する第1部材2の支点を、荷重Fにより近い差込突部46と差込凹部20との嵌合位置にすることができる。これにより、第1部材2の、荷重Fが加えられた部位における上下方向変位を抑制できる。
【0069】
また、連結部9の係止部19は、L字状部10、11の屈曲部10b、11b間の空間17には設けられず、屈曲部10b、11bの位置から方向X2にずれた位置に設けられるので、該空間17の上下方向Zの幅を小さくでき、ひいては連結部9の上下方向幅を小さくできる。
【0070】
また、連結部9及び被連結部34の連結方向Yにおける幅d1、d3(
図10、
図18参照)が、第1部材2及び第2部材3のその幅d2、d4(
図10、
図18参照)よりも小さい。これにより、連結部9と被連結部34とが連結した状態で、連結部9及び被連結部34が部材2、3の前後端面2a、2b、3a、3bよりも外側に出てしまうのを抑制できる。すなわち、連結部9と被連結部34との連結構造を小型化できる。
【0071】
また、第1部材2は、連結部9が設けられる端部の反対側端部に、連結部9と同様の構造の連結部50を備えるので、その連結部50に、被連結部34と同様の構造の被連結部を備えた他の部材を連結できる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態を上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、以下において、第1実施形態の連結部9又は被連結部34の各部分と同一の機能を有する部分には、第1実施形態と同様の名称を用いて説明する。
図24、
図25に本実施形態の車両部品支持具としての樹脂製部材60を示す。樹脂製部材60は、車両部品支持具及び連結部材としての、樹脂製の第1部材70と第2部材80とを備える。
【0073】
図24、
図25、
図28に示すように、第1部材70は、第2部材80との対向方向X(左右方向)における両端部に互いに同様の構造の連結部701、720を備える。一端側の連結部701は第2部材80の被連結部801に連結可能に構成される。他端側の連結部720は、被連結部801と同様の構造の被連結部を備えた他部材(第2部材80とは異なる相手部材)に連結可能である。
【0074】
図25に示すように、連結部701(後述のL字状部702、703及び凸条部708、709(
図26参照))は、第1部材70の、連結部701が設けられる端部における、前後方向Y(連結部701と被連結部801との連結方向)の全幅に亘って形成される。
図26、
図27、
図28に示すように、連結部701は、一対のL字状部702、703と、内壁704と、凸条部708、709と、接続部710と、係止部711と、差込凹部712とを有する。
【0075】
凸条部708、709は、L字状部702、703の屈曲部702b、703bの方向X1側の端面702c、703cよりも方向X2側に位置する。L字状部702、703の壁部702a、703aの、被連結部801の外側部807、808に対向する対向面702d、703dのうち、部材対向方向Xにおける屈曲部702b、703bが設けられる反対側の端部Qを対向面端部とする。凸条部708、709は、部材対向方向Xにおける、対向面端部Qよりも、屈曲部702b、703bの外面702c、703cに近い位置に形成されてよい。また、凸条部708、709は、部材対向方向Xに沿った位置のうち、屈曲部702b、703bが形成された位置に形成されてよい。
【0076】
凸条部708、709の部材対向方向Xにおける幅は、対向面702d、703dの、対向面端部Qから凸条部708、709までの部分におけるその幅よりも小さいとしてよい。
【0077】
なお、L字状部702、703、内壁704、凸条部708、709、接続部710、係止部711、及び差込凹部712は、上記以外は、第1実施形態のL字状部10、11、内壁14、凸条部12、13、接続部18、係止部19、及び差込凹部20と同様である。
【0078】
図24、
図25、
図29に示すように、第2部材80は、第1部材70との対向方向X(左右方向)における一端側に、連結部701に連結可能な被連結部801を備える。被連結部801(後述の基部802、嵌合部803、外側部807、808(
図26、
図29参照))は、第2部材80の、被連結部801が設けられる端部における、前後方向Yの全幅に亘って形成される。
図26、
図27、
図29に示すように、被連結部801は、基部802と、嵌合部803と、被係止部806と、外側部807、808と、閉塞部811と、差込突部812とを有する。嵌合部803は、L字状部702、703間に形成される空間705のうち幅狭空間707に嵌る突出部804と、幅広空間706に嵌る張り出し部805とを有する。また、外側部807、808の内面には、凸条部708、709が嵌る溝809、810が形成されている。
【0079】
図26に示すように、外側部807、808の方向X2側の端面807a、808aと、張り出し部805の方向X2側の端面805aとは、同一の左右方向Xにおける位置に形成される。これによれば、内壁704より方向X1側に位置するL字状部702、703の全体を、外側部807、808及び嵌合部803で囲むことになるので、連結部701と被連結部801との嵌合構造の剛性を高くできる。なお、第1実施形態と同様に、外側部807、808の端面807a、808aが、張り出し部805の端面805aよりも方向X2側(外側)に位置してもよい。これによれば、より一層、嵌合構造の剛性を高くできる。また、所望の連結剛性を確保できるのであれば、外側部807、808の端面807a、808aは、張り出し部805の端面805aよりも方向X1側(内側)に位置してもよい。
【0080】
溝809、810は、基部802よりも方向X2側(外側)に位置している。溝809、810は、外側部807、808の端面807a、808aよりも基部802に近い位置に形成されてよい。外側部807、808の内面807b、808bは、溝809、810を間に挟んで第1部分と第2部分とに分けられる。第1部分は、端面807a、808aと溝809、810との間の部分である。第2部分は、溝809、810と基部802との間の部分である。第1部分の方向Xにおける幅は、溝809、810のその幅よりも大きいとしてよい。また、内面807b、808bの、溝809、810以外の部分における方向Xにおける幅(上記第1部分と第2部分の合計幅)は、溝809、810のその幅よりも大きいとしてよい。
【0081】
図29に示すように、差込突部812は、閉塞部811の、外側部807、808よりも方向X2側にはみ出た部分811aに支持される。その部分811aの方向X2へのはみ出し量は、第1実施形態のそれよりも大きい。差込突部812の全体が、外側部807、808よりも外側(方向X2側)に位置する(
図26参照)。
【0082】
なお、基部802、嵌合部803、被係止部806、外側部807、808、溝809、810、閉塞部811、及び差込突部812は、上記以外は、第1実施形態の基部35、嵌合部36、被係止部40、外側部41、42、溝43、44、閉塞部45、及び差込突部46と同様である。
【0083】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、連結部701及び被連結部801は、第1部材70及び第2部材80の、前後方向Yにおける全幅に亘って形成されるので、連結部701と被連結部801との連結構造の剛性をより一層高くできる。
【0084】
部材対向方向Xにおける凸条部708、709と溝809、810との嵌合位置が、対向面端部QとL字状部702、703の先端面702c、703cとの間の位置に設定されている。凸条部708、709よりも方向X1側及び方向X2側の双方に、外側部807、808とL字状部702、703の壁部702a、703aとの接触範囲が存在する。これにより、連結部701と被連結部801との連結剛性をより高くできる。
【0085】
(他の実施形態)
なお、本開示は上記実施形態に限定されず種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、L字状部10、11、702、703の外側を覆う外側部41、42、807、808に加えて、差込突部46、812及び差込凹部20、712を備えた連結構造を例示したが、所望の連結剛性を確保できるのであれば、差込突部46、812及び差込凹部20、712は無くても良い。
図30は、差込突部を有しない連結部材90を示している。連結部材90は、一端側と他端側のそれぞれに被連結部91を備える。各被連結部91は、差込突部を備えておらず、それ以外は第2実施形態の被連結部801と同様に構成される。被連結部91は、第2実施形態の連結部701と同様の構造の連結部(ただし、差込凹部は有しない)を備えた相手部材に連結可能である。
【0086】
また、上記実施形態では、差込突部46、812及び差込凹部20、712に加えて、L字状部10、11、702、703の外側を覆う外側部41、42、807、808を備えた連結構造を例示したが、所望の連結剛性を確保できるのであれば、外側部41、42、807、808は無くても良い。すなわち、以下のように連結構造を構成してもよい。
【0087】
第1部材に設けられた連結部と、
第2部材に設けられた、前記連結部に連結される被連結部とを備え、
前記連結部は、
前記連結部と前記被連結部との連結方向に直角な方向に対向するように一対設けられ、前記連結方向に直角な断面が、対の相手に近づく方向に屈曲したL字状である一対のL字状部と、
前記被連結部の部位に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する係止部を備え、
前記被連結部は、
一対の前記L字状部が対向する方向であるL字対向方向と前記連結方向の双方に直角な方向における前記L字状部の外面に対面する基部と、
前記基部から一対の前記L字状部の屈曲部間を通るように突出する突出部と、前記突出部から前記L字対向方向に張り出す張り出し部とを有した嵌合部と、
前記係止部に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する被係止部とを備え、
前記係止部と前記被係止部の一方は、前記連結部と前記被連結部との連結操作時に、前記係止部と前記被係止部の他方を乗り越えるように撓み変形が可能に構成され、
前記連結部と前記被連結部の一方は、前記連結方向に突出した差込突部を備え、
前記連結部と前記被連結部の他方は前記差込突部が差し込まれる差込凹部を備える連結構造。
【0088】
また、上記実施形態では、連結部9、701と被連結部34、801との連結を保持する係止部19、711がL字状部10、11、702、703の屈曲部10b、11b、702b、703b間の空間17、707から部材対向方向Xにずれた位置に設けられた例を示したが、該空間17、707に設けられても良い。
【0089】
また、連結部9、701と被連結部34、801との連結を保持する、撓み変形可能な係止部19、711が、一対のL字状部10、11、702、703を備えた連結部9、701側に設けられた例を示したが、被連結部34、801側に設けられても良い。
【0090】
上記実施形態では、複数(具体的には2つ)の連結部9、50、701、720(一対のL字状部を備えた連結部)を備えた第1部材2、70を例示したが、第1部材2、70に備えられる連結部の個数は何個でもよく、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0091】
上記実施形態では、連結部9、701又は被連結部34、801が、部材の長手方向Xにおける端部に設けられる例を示したが、長手方向Xの端部以外の部位に設けられても良い。
【0092】
上記実施形態では、一端側と他端側のそれぞれに互いに同様の構造の連結部9、50、701、720を備えた連結部材(第1部材2、70)を例示した。この場合の連結部材は以下のように構成されてよい。
【0093】
一端側と他端側のそれぞれに、相手部材に設けられた被連結部に連結可能な連結部を備え、
前記連結部は、
前記連結部と前記被連結部との連結方向に直角な方向に対向するように一対設けられ、前記連結方向に直角な断面が、対の相手に近づく方向に屈曲したL字状である一対のL字状部と、
前記被連結部の部位に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する係止部とを備え、
前記被連結部は、
一対の前記L字状部が対向する方向であるL字対向方向と前記連結方向の双方に直角な方向における前記L字状部の外面に対面する基部と、
前記基部から一対の前記L字状部の屈曲部間を通るように突出する突出部と、前記突出部から前記L字対向方向に張り出す張り出し部とを有した嵌合部と、
前記係止部に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する被係止部と、
前記基部から、各々の前記L字状部の、前記L字対向方向における外面に対面するように設けられる外側部とを備え、
前記係止部と前記被係止部の一方は、前記連結部と前記被連結部との連結操作時に、前記係止部と前記被係止部の他方を乗り越えるように撓み変形が可能に構成され、
前記L字状部と前記外側部のそれぞれの対向面の一方は、前記係止部又は前記被係止部とは別に前記連結方向に延びた凸条部を有し、
他方の前記対向面は、前記被係止部又は前記係止部とは別に、前記凸条部が嵌る溝を有する、
連結部材。
【0094】
また、連結部材は、一端側に連結部(一対のL字状部を備えた連結部)を備え、他端側に被連結部(L字状部の内側に嵌る嵌合部及びL字状部の外側を覆う外側部を備えた被連結部)を備えてもよい。この場合の連結部材は以下のように構成されてよい。
【0095】
一端側に、相手部材に設けられた被連結部に連結可能な連結部と、
他端側に、相手部材に設けられた前記連結部に連結可能な前記被連結部とを備え、
前記連結部は、
前記連結部と前記被連結部との連結方向に直角な方向に対向するように一対設けられ、前記連結方向に直角な断面が、対の相手に近づく方向に屈曲したL字状である一対のL字状部と、
前記被連結部の部位に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する係止部とを備え、
前記被連結部は、
一対の前記L字状部が対向する方向であるL字対向方向と前記連結方向の双方に直角な方向における前記L字状部の外面に対面する基部と、
前記基部から一対の前記L字状部の屈曲部間を通るように突出する突出部と、前記突出部から前記L字対向方向に張り出す張り出し部とを有した嵌合部と、
前記係止部に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する被係止部と、
前記基部から、各々の前記L字状部の、前記L字対向方向における外面に対面するように設けられる外側部とを備え、
前記係止部と前記被係止部の一方は、前記連結部と前記被連結部との連結操作時に、前記係止部と前記被係止部の他方を乗り越えるように撓み変形が可能に構成され、
前記L字状部と前記外側部のそれぞれの対向面の一方は、前記係止部又は前記被係止部とは別に前記連結方向に延びた凸条部を有し、
他方の前記対向面は、前記被係止部又は前記係止部とは別に、前記凸条部が嵌る溝を有する、
連結部材。
【0096】
さらに、連結部材は、一端側と他端側のそれぞれに被連結部(L字状部の内側に嵌る嵌合部及びL字状部の外側を覆う外側部を備えた被連結部)を備えてもよい。言い換えれば、上述の第2部材3、80の被連結部34、801が設けられる端部の反対側の端部に、被連結部34、801と同様の被連結部が設けられてもよい。この場合の連結部材は以下のように構成されてよい。
【0097】
一端側と他端側のそれぞれに、相手部材に設けられた連結部に連結可能な被連結部を備え、
前記連結部は、
前記連結部と前記被連結部との連結方向に直角な方向に対向するように一対設けられ、前記連結方向に直角な断面が、対の相手に近づく方向に屈曲したL字状である一対のL字状部と、
前記被連結部の部位に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する係止部とを備え、
前記被連結部は、
一対の前記L字状部が対向する方向であるL字対向方向と前記連結方向の双方に直角な方向における前記L字状部の外面に対面する基部と、
前記基部から一対の前記L字状部の屈曲部間を通るように突出する突出部と、前記突出部から前記L字対向方向に張り出す張り出し部とを有した嵌合部と、
前記係止部に係止して、前記連結部と前記被連結部との連結を保持する被係止部と、
前記基部から、各々の前記L字状部の、前記L字対向方向における外面に対面するように設けられる外側部とを備え、
前記係止部と前記被係止部の一方は、前記連結部と前記被連結部との連結操作時に、前記係止部と前記被係止部の他方を乗り越えるように撓み変形が可能に構成され、
前記L字状部と前記外側部のそれぞれの対向面の一方は、前記係止部又は前記被係止部とは別に前記連結方向に延びた凸条部を有し、
他方の前記対向面は、前記被係止部又は前記係止部とは別に、前記凸条部が嵌る溝を有する、
連結部材。
【0098】
また、上記実施形態では、L字状部10、11、702、703とそれに対面する外側部41、42、807、808の各対向面のうち、L字状部10、11、702、703の対向面10d、11d、702d、703dに凸条部12、13、708、709が設けられ、外側部41、42、807、808の対向面41c、42c、807b、808bに溝43、44、809、810が設けられた例を示したが、外側部41、42、807、808の対向面41c、42c、807b、808bに凸条部が設けられ、L字状部10、11、702、703の対向面10d、11d、702d、703dに溝が設けられてもよい。
【0099】
上記実施形態では、L字状部10、11、702、703を有した連結部9、701に差込凹部20、712が設けられ、被連結部34、801に差込突部46、812が設けられた例を示したが、連結部9、701に差込突部が設けられ、被連結部34、801に差込凹部が設けられてもよい。
【0100】
上記実施形態では、L字状部10、11、702、703に嵌合する嵌合部として、断面略T字状の嵌合部36、803を例示したが、
図31の嵌合部203のように、断面が一対の外向きL字状の嵌合部でもよい。
【符号の説明】
【0101】
1、60 樹脂製部材(車両部品支持具)
2、70 第1部材(連結部材)
3、80 第2部材(連結部材)
9、701 連結部
10、11、702、703 L字状部
10a、11a、702a、703a L字状部の壁部
10b、11b、702b、703b L字状部の屈曲部
12、13、708、709 凸条部
19、711 係止部
34、801 被連結部
35、802 基部
36、803 嵌合部
37、804 突出部
38、805 張り出し部
40、806 被係止部
41、42、807、808 外側部
43、44、809、810 溝