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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134625
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】溶接方法及び溶接構造
(51)【国際特許分類】
   B23K 31/00 20060101AFI20240927BHJP
   B60G 21/055 20060101ALI20240927BHJP
   B60G 13/08 20060101ALI20240927BHJP
   F16F 9/54 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B23K31/00 F
B60G21/055
B60G13/08
F16F9/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044910
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】尾和 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】藤田 拓哉
【テーマコード(参考)】
3D301
3J069
【Fターム(参考)】
3D301AA04
3D301AA72
3D301AA85
3D301CA09
3D301DA33
3D301DA66
3D301DA73
3D301DB18
3J069AA50
3J069CC34
3J069DD47
(57)【要約】
【課題】本発明は、被取付部材の肉厚や材質を変更することなく、ブラケットが溶接された被取付部材の疲労を容易に抑制できる溶接方法及び溶接構造の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、ブラケット4に設けられた板状の下側取付片6をアウターシェル2へ当てて下側取付片6の後側から前端にかけて下側取付片6の第一側面6aとアウターシェル2とを溶接する溶接方法であって、下側取付片6の後側から前端へ向けて第一側面6aとアウターシェル2とを溶接して、第一側面6aとアウターシェル2の第一側面6aと対向する部位との間に溶接ビードB1を設ける工程と、下側取付片6を第一側面6aの前端を超えて第一側面6aに沿って溶接して、アウターシェル2における第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の前端の側面である第二側面6bとアウターシェル2との間に延長溶接ビードB2を設ける工程とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材に外部機構を取付けるためのブラケットに設けられた板状の取付片を前記被取付部材へ当てて前記取付片の後側から前端にかけて前記取付片の前記被取付部材への当接面に接する一側面である第一側面と前記被取付部材とを溶接する溶接方法であって、
前記取付片の後側から前端へ向けて前記第一側面と前記被取付部材とを溶接して、前記第一側面と前記被取付部材の前記第一側面と対向する部位との間に溶接ビードを設ける工程と、
前記取付片を前記第一側面の前端を超えて前記第一側面に沿って溶接して、前記被取付部材における前記第一側面の延長線上と、前記取付片の前端の側面である第二側面と前記被取付部材との間に延長溶接ビードを設ける工程とを
備えることを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
前記第二側面と前記被取付部材との間の全てにわたって前記延長溶接ビードを設ける
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
被取付部材と、
前記被取付部材に外部機構を取付けるためのブラケットとを備え、
前記ブラケットは板状の取付片を有し、
前記取付片を前記被取付部材へ当てて前記取付片の後側から前端にかけて前記取付片の前記被取付部材への当接面に接する一側面である第一側面と前記被取付部材とが溶接されることで、前記第一側面と前記被取付部材の前記第一側面と対向する部位との間に溶接ビードが設けられ、
前記取付片が前記第一側面の前端を超えて前記第一側面に沿って溶接されることで、前記被取付部材における前記第一側面の延長線上と、前記取付片の前端の側面である第二側面と前記被取付部材との間に延長溶接ビードが設けられる
ことを特徴とする溶接構造。
【請求項4】
前記延長溶接ビードは前記第二側面と前記被取付部材との間の全てにわたって設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の溶接構造。
【請求項5】
前記ブラケットは、前記取付片の前端から前記第一側面の延長線に沿って延びて前記被取付部材との間に溶接器具を挿入可能な開口部を形成する目印部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の溶接構造。
【請求項6】
前記被取付部材は、円筒状のアウターシェルと前記アウターシェル内に軸方向移動可能に挿入されるロッドとを有し前記ロッドが前記アウターシェルに対して軸方向へ移動する際に減衰力を発生可能であって車両における車体と車輪との間に介装される緩衝器における前記アウターシェルであって、
前記外部機構は、車両における左右の車輪間の上下方向の相対変位を抑制するスタビライザである
ことを特徴とする請求項3に記載の溶接構造。
【請求項7】
前記ブラケットは、前記アウターシェルの外周に溶接される上下一対の上側取付片及び下側取付片と、前記上側取付片と前記下側取付片との間に設けられて前記スタビライザを保持する保持片とを有し、
前記取付片は前記下側取付片である
ことを特徴とする請求項6に記載の溶接構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接方法及び溶接構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、円筒状のアウターシェルと、アウターシェル内に軸方向移動自在に挿入されるロッドとを備え、車両における車体と車輪との間に介装されて、アウターシェルに対してロッドが軸方向に移動する伸縮時に減衰力を発揮して車体の振動を抑制する緩衝器がある。このような緩衝器のアウターシェルには、緩衝器に外部機構を取付けるためのブラケットが溶接により取付けられる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなブラケットは、例えば、板状であって先端がアウターシェルの外周に接する一対の取付片を有しており、各取付片の先端の側面(先端面)とアウターシェルとを溶接することで、ブラケットがアウターシェルに取付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-83481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したブラケットに保持される外部機構としては、例えば、車両における左右の車輪間の上下方向の相対変位を抑制するスタビライザや、緩衝器がストラット式サスペンションに利用される場合にアウターシェルの下端に車両の車輪を保持するナックル等がある。
【0006】
このような外部機構を保持するブラケットにはスタビライザのばね力やナックルに保持される車輪側から入力される荷重等による引張り荷重が作用するため、ブラケットが溶接されたアウターシェルに対しても上記引張り荷重による応力が作用する。
【0007】
ここで、従来、ブラケットの取付片の先端面の一端から他端にかけて取付片の先端面とアウターシェルとが溶接されているため、取付片の先端面とアウターシェルにおける取付片の先端面と対向する部位との間に溶接ビードが設けられる。すると、溶接ビードが、取付片の先端面の端部の範囲までしか形成されないので、ブラケットに対して外部機構による前記引張り荷重が作用する際にアウターシェルに作用する応力が、アウターシェルにおける取付片の先端面の端部と対向する部位に集中してしまう。そして、このことがアウターシェルの劣化を早める原因になっていた。
【0008】
この問題に対しては、アウターシェルの肉厚を厚くしたり、アウターシェルの素材を剛性の高い材料に変更するなどしてアウターシェルの耐久性を高める対策が考えられるが、その場合、生産コストの上昇や重量の増加といった新たな問題を生じさせてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、アウターシェルのような被取付部材の肉厚や材質を変更することなく、ブラケットが溶接された被取付部材の疲労を容易に抑制できる溶接方法及び溶接構造の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため、本発明の溶接方法は、被取付部材に外部機構を取付けるためのブラケットに設けられた板状の取付片を前記被取付部材へ当てて前記取付片の後側から前端にかけて前記取付片の当接面に接する一側面である第一側面と前記被取付部材とを溶接する方法であって、前記取付片の後側から前端へ向けて前記第一側面と前記被取付部材とを溶接して、前記第一側面と前記被取付部材の前記第一側面と対向する部位との間に溶接ビードを設ける工程と、前記取付片を前記第一側面の前端を超えて前記第一側面に沿って溶接して、前記被取付部材における前記第一側面の延長線上と、前記取付片の前端の側面である第二側面と前記被取付部材との間に延長溶接ビードを設ける工程とを備えることを特徴とする。この方法によると、ブラケットが被取付部材に溶接された状態で、取付片と被取付部材との間に設けられる溶接ビードと延長溶接ビードとからなるビード部分の前端の位置が、取付片の第一側面の前端の位置よりブラケットの前方へ延長される。したがって、外部機構からの引張り荷重がブラケットに作用したときに、ビード部分を介して被取付部材に作用する応力が分散される。
【0011】
また、本発明の溶接方法では、前記第二側面と前記被取付部材との間の全てにわたって前記延長溶接ビードを設けてもよい。この方法によると、外部機構からの引張り荷重がブラケットに作用したときに被取付部材における応力が作用する部分の面積がより大きくなるため、被取付部材の疲労をより抑制できる。
【0012】
また、本発明の溶接構造は、被取付部材に外部機構を取付けるためのブラケットを備え、前記ブラケットは板状の取付片を有し、前記取付片を前記被取付部材へ当てて前記取付片の後側から前端にかけて前記取付片の前記被取付部材への当接面に接する一側面である第一側面と前記被取付部材とが溶接されることで、前記第一側面と前記被取付部材の前記第一側面と対向する部位との間に溶接ビードが設けられ、前記取付片が前記第一側面の前端を超えて前記第一側面に沿って溶接されることで、前記被取付部材における前記第一側面の延長線上と、前記取付片の前端の側面である第二側面と前記被取付部材との間に延長溶接ビードが設けられることを特徴とする。この構成によると、取付片と被取付部材との間に設けられる溶接ビードと延長溶接ビードとからなるビード部分の前端の位置が、取付片の第一側面の前端の位置よりブラケット4の前方へ延長される。したがって、外部機構からの引張り荷重がブラケットに作用したときに、ビード部分を介して被取付部材に作用する応力が分散される。
【0013】
また、本発明の溶接構造では、前記延長溶接ビードは前記第二側面と前記被取付部材との間の全てにわたって設けられてもよい。この構成によると、外部機構からの引張り荷重がブラケットに作用したときに被取付部材における応力が作用する部分の面積がより大きくなるため、被取付部材の疲労をより抑制できる。
【0014】
また、本発明の溶接構造では、前記ブラケットは、前記取付片の前端から前記第一側面の延長線に沿って延びて前記被取付部材との間に溶接器具を挿入可能な開口部を形成する目印部を有してもよい。この構成によると、目印部を目印にして延長溶接ビードを設けることができるため、延長溶接ビードを容易に設けることができる。
【0015】
また、本発明の溶接構造では、前記被取付部材は、円筒状のアウターシェルと前記アウターシェル内に軸方向移動可能に挿入されるロッドとを有し前記ロッドが前記アウターシェルに対して軸方向へ移動する際に減衰力を発生可能であって車両における車体と車輪との間に介装される緩衝器における前記アウターシェルであって、前記外部機構は、車両における左右の車輪間の上下方向の相対変位を抑制するスタビライザであってもよい。ここで、スタビライザは、車両における車体と車輪の間に介装された緩衝器のアウターシェルに溶接されたブラケットに対して、車輪を操舵する度に繰り返し引張り荷重を作用させるものであるため、ブラケットが溶接されたアウターシェルは特に疲労しやすい。そのため、外部機構をスタビライザとし、被取付部材をアウターシェルとした場合、アウターシェルの疲労を抑制できる本発明の溶接構造が特に有効となる。
【0016】
また、本発明の溶接構造では、前記ブラケットは、前記アウターシェルの外周に溶接される上下一対の上側取付片及び下側取付片と、前記上側取付片と前記下側取付片との間に設けられて前記スタビライザを保持する保持片とを有し、前記取付片は前記下側取付片であってもよい。ここで、スタビライザが緩衝器を上方向に引張る力を発揮する際、ブラケットには上側取付片を支点として下側取付片をアウターシェルから引き剥がす方向の力が作用するため、アウターシェルの下側取付片との溶接部分がアウターシェルに最も負荷のかかる部分となる。そのため、アウターシェルにおける下側取付片の第一側面の延長線上と、下側取付片の第二側面とアウターシェルとの間に延長溶接ビードを設けると、アウターシェルの疲労を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の溶接方法及び溶接構造によれば、被取付部材の肉厚や材質を変更することなく、ブラケットが溶接された被取付部材の疲労を容易に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態の溶接構造を含む緩衝器の正面図である。
図2図1の一部を拡大して示す正面図である。
図3】本実施の形態のブラケットとアウターシェルの溶接部分を拡大して示す斜視図である。
図4】本実施の形態の変形例のブラケットとアウターシェルの溶接部分を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の溶接方法を用いた溶接構造を含む緩衝器Dについて、図に示した実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
図1に示すように、緩衝器Dは、円筒状のアウターシェル2と、アウターシェル2内に軸方向移動可能に挿入されるロッド3とを有する緩衝器本体1と、被取付部材としてのアウターシェル2に溶接によって取付けられて外部機構としてのスタビライザSを保持するブラケット4とを備える。また、緩衝器本体1は、図示しない車両の車輪を支持するサスペンションアームに連結されて、車両の車体と車輪との間に介装される。スタビライザSは、左右の車輪間に配置されており、ブラケット4に保持されるロッド状のスタビライザリンクSaと、スタビライザリンクSaに接続されて車両における左右の車輪同士が上下方向へ逆位相で変位した際に捩じれる図外のトーションバーとを備えて、左右の車輪間の相対変位を抑制する。
【0021】
以下、緩衝器Dの各部について詳細に説明する。緩衝器本体1は、筒状のアウターシェル2と、アウターシェル2内に軸方向移動自在に挿入されるロッド3とを有して、ロッド3がアウターシェル2に対して軸方向に相対移動する伸縮作動時にロッド3のアウターシェル2に対する相対移動を妨げる減衰力を発生して、車両における車体の振動を減衰させる。
【0022】
緩衝器本体1は、例えば、下端が閉塞される筒状のアウターシェル2と、アウターシェル2内に収容される図示しないシリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッド3と、ロッド3に連結されるとともにシリンダ内に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、シリンダとアウターシェル2との間に形成されるリザーバと、シリンダの下端に設けられて圧側室とリザーバとを仕切るバルブケースとを備えている。そして、伸側室と圧側室には、作動油等の液体が充填され、リザーバには、液体と気体とが充填されている。なお、緩衝器Dに使用される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体でもよい。
【0023】
また、ピストンは、伸側室と圧側室とを連通する通路とを有し、バルブケースは圧側室とリザーバとを連通する通路とを有し、各通路には、それぞれ減衰バルブが設けられている。このように構成された緩衝器本体1は、伸縮作動時にピストンによって伸側室と圧側室とが拡縮されて液体が通路を介して移動し、この液体の流れに前記減衰バルブで抵抗を与えて減衰力を発生する。
【0024】
つづいて、アウターシェル2に溶接によって取付けられるブラケット4について説明する。本実施の形態では、ブラケット4は、緩衝器Dが車両における車体と車輪の間に介装された状態で、反対の車輪側、すなわちスタビライザS側に面するアウターシェル2の外周にトーチや溶接棒等の溶接器具を用いた溶接によって取付けられている。以下の説明では、図2に示すように、アウターシェル2のブラケット4が取付けられた箇所を正面から見た時に、図中左側をブラケット4の前側、図中右側をブラケット4の後側として説明する。
【0025】
ブラケット4は、図2図3に示すように、板状であってアウターシェル2の外周に当てられて溶接される上下一対の上側取付片5及び下側取付片6と、上側取付片5と下側取付片6との間に設けられてスタビライザSを保持可能な保持片8とを備える。
【0026】
詳細には、上側取付片5及び下側取付片6は、図3に示すように、アウターシェル2の軸方向から見て略L字状の板材であって、アウターシェル2の外周に当てられてアウターシェル2の周方向に沿って延びる底部50(60)と、底部50(60)の後端側から反アウターシェル側に向けて延びる起立部51(61)とを有する。また、上側取付片5及び下側取付片6におけるアウターシェル2の外周に当てられる当接面(下端面)はアウターシェル2の外周に沿って円弧状に湾曲しており、上側取付片5及び下側取付片6の当接面とアウターシェル2との間に隙間ができないようになっている。ただし、上側取付片5及び下側取付片6の当接面の形状は、アウターシェル2の外周形状に完全に一致していなくてもよく、上側取付片5及び下側取付片6の当接面とアウターシェル2の外周の間に多少の隙間ができてもよい。
【0027】
また、保持片8は、板状であって、上側取付片5と下側取付片6の後端同士を接続しており、中央付近に取付孔8aが設けられている。そして、保持片8の後側(反取付片側)に外部機構としてのスタビライザSを対向させた状態で、スタビライザSのスタビライザリンクSaの上端と取付孔8aにボルトを挿通し、ナットで締め付けることで、スタビライザSを保持片8の後側に取付けて、ブラケット4にスタビライザSを保持させられるようになっている。
【0028】
なお、上記したブラケット4にスタビライザSを保持させる方法は一例であって、ブラケット4とスタビライザリンクSaをボルトとナット以外の方法で連結してもよい。また、本実施の形態では、ブラケット4の保持片8には、スタビライザSのスタビライザリンクSaの上端が連結されているがスタビライザリンクSaの下端が連結されてもよい。
【0029】
また、ブラケット4は、図3に示すように、上側取付片5と下側取付片6の上端同士を接続するとともに保持片8の反アウターシェル側端から前方に向けて延びる延長片7を備えている。
【0030】
延長片7には孔7aと孔7aに対応する位置に溶接されたナット7bが設けられている。この孔7aは、例えば、車両のブレーキホースやセンサ類、ダイナミックダンパ等の部品の取付に利用できる。ただし、孔7aは省略されてもよい。
【0031】
なお、本実施の形態では、ナット7bが延長片7に溶接されているが、ナット7bは延長片7に溶接されていなくともよい。
【0032】
つづいて、ブラケット4の被取付部材としてのアウターシェル2への溶接方法について詳細に説明する。まず、アウターシェル2の外周の任意の位置に対して、ブラケット4の上側取付片5と下側取付片6の当接面をアウターシェル2の周方向に沿わせつつ当てる。
【0033】
次に、上側取付片5と下側取付片6の下端面である当接面をアウターシェル2の外周に当てた状態で、図2図3に示すように、トーチや溶接棒等の溶接器具を上側取付片5の当接面に接する上側の側面である第一側面5aに沿って第一側面5aの後側から前端まで動かして、第一側面5aとアウターシェル2とを第一側面5aの後側から前端にかけて溶接する。
【0034】
さらに、図2図3に示すように、溶接器具を下側取付片6の当接面に接する上側の側面である第一側面6aに沿って第一側面6aの後側から前端まで動かして、第一側面6aとアウターシェル2とを第一側面6aの後側から前端にかけて溶接し、第一側面6aとアウターシェル2の第一側面6aと対向する部位との間に溶接ビードB1を設ける。
【0035】
その後、下側取付片6の第一側面6aの前端を超えて第一側面6aに沿って溶接器具を動かしてアウターシェル2における第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の前端の側面である第二側面6bとアウターシェル2との間に溶接ビードB1の前端に連続する延長溶接ビードB2を設ける。
【0036】
この際、延長溶接ビードB2は、第二側面6bとアウターシェル2との間の全てにわたって設けられており、第二側面6bの全面が延長溶接ビードB2によって覆われた状態となっている。
【0037】
具体的には、延長溶接ビードB2を設ける工程は、溶接器具が溶接ビードB1の前端に接する位置にあるときに溶接器具から供給される溶加材を下側取付片6の前端の側面である第二側面6bとアウターシェル2との間に溜める工程と、溶接器具を溶接ビードB1の前端に接する位置から第一側面6aの延長線上に沿って動かす工程とを含んでいる。
【0038】
このようにすると、延長溶接ビードB2が下側取付片6の第二側面6bの前方にも回り込むため、延長溶接ビードB2が、アウターシェル2における第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の前端の側面である第二側面6bとアウターシェル2との間に設けられる。
【0039】
なお、本実施の形態では、第一側面6aの後側から前端までをアウターシェル2に溶接して溶接ビードB1を設けた後、つづけて第一側面6aの前端を超えて下側取付片6を第一側面6aに沿ってアウターシェル2へ溶接して延長溶接ビードB2を設けているが、溶接ビードB1を設ける工程と延長溶接ビードB2を設ける工程とを時間を空けて行ってもよい。また、アウターシェル2に対する上側取付片5と下側取付片6の溶接順序は特に限定されず、上側取付片5と下側取付片6のどちらを先に溶接してもよい。
【0040】
このように、本実施の形態では、ブラケット4とアウターシェル2とが溶接された溶接構造において、下側取付片6の第一側面6aとアウターシェル2との間に溶接ビードB1が設けられるとともに、アウターシェル2における第一側面6aの延長線上と、第二側面6bとアウターシェル2との間に溶接ビードB1の前端に連続する延長溶接ビードB2が設けられる。
【0041】
よって、本実施の形態では、下側取付片6とアウターシェル2との間に設けられる溶接ビードB1と延長溶接ビードB2とからなるビード部分Bの前端の位置が、下側取付片6の第一側面6aの前端よりブラケット4の前方へ延長される。さらに、ビード部分Bの前端となる延長溶接ビードB2が第一側面6aの延長線上と第二側面6bに沿って設けられているため、下側取付片6の第一側面6aとアウターシェル2の第一側面6aと対向する部分のみにビードを設ける場合に比べて、延長溶接ビードB2が下側取付片6の前端の前方に回り込むため、ビード部分Bの前端側の面積が大きくなる。
【0042】
ここで、例えば、図1に示す緩衝器Dが、車体と左右の各車輪との間にそれぞれ介装された車両が左旋回する場合、遠心力によって車体がロールして右側の車輪が車体に接近し、左側の車輪が車体から離間する。
【0043】
このとき、スタビライザSは、右側の車輪を車体から離間する方向へ力を発揮するとともに、左側の車輪を車体に接近させる力を発揮する。よって、車両が左旋回する場合、右側の緩衝器DはスタビライザSから上方へ引き上げる方向の力を受け、左側の緩衝器DはスタビライザSから下方へ引き下げる方向の力を受ける。反対に車両が右旋回する場合は、左右の緩衝器DはスタビライザSから先程と逆方向の力を受ける。
【0044】
そして、本実施の形態のように、ブラケット4の保持片8にスタビライザリンクSaが連結されている状態で、スタビライザSによって緩衝器Dを上方向に引張る力が働くと、ブラケット4にはスタビライザリンクSaを介して上方向の引張り荷重が作用する。すると、ブラケット4には、上側取付片5を支点として下側取付片6をアウターシェル2から引き剥がす方向の力が作用するため、ブラケット4が溶接されているアウターシェル2に対してもビード部分Bを介して応力が作用する。
【0045】
本実施の形態では、前述したように、ビード部分Bの前端の位置が下側取付片6の第一側面6aの前端の位置よりブラケット4の前方へ延長されている。そのため、ブラケット4に下側取付片6を引き剥がす方向の力が作用した際に、アウターシェル2には延長溶接ビードB2からも応力が作用するため、アウターシェル2に作用する応力が分散される。
【0046】
よって、本実施の形態のブラケット4とアウターシェル2とが溶接されてなる溶接構造では、アウターシェル2に作用する応力を分散できるので、アウターシェル2の疲労を抑制できる。
【0047】
なお、本実施の形態では、第二側面6bとアウターシェル2との間の全てにわたって延長溶接ビードB2が設けられているが、第二側面6bの一部とアウターシェル2との間に延長溶接ビードB2が設けられてもよい。ただし、本実施の形態のように、第二側面6bとアウターシェル2との間の全てにわたって延長溶接ビードB2を設けると、アウターシェル2におけるビード部分Bを介して応力が作用する部分の面積がより大きくなるため、アウターシェル2に作用する応力をより効果的に分散でき、アウターシェル2の疲労をより一層抑制できる。
【0048】
また、本実施の形態では、延長溶接ビードB2の長さ(前後方向の幅)は、5mm程度に設定されているが、特に限定されない。ただし、延長溶接ビードB2の長さが長いほどアウターシェル2におけるビード部分Bを介して応力が作用する部分の面積が大きくなるため、延長溶接ビードB2の長さは5mm以上に設定されるとアウターシェル2の疲労をより抑制できる。
【0049】
また、本実施の形態では、上側取付片5と下側取付片6の上側の側面を第一側面5a,6aとしてアウターシェル2に溶接しているが、アウターシェル2に溶接される上側取付片5と下側取付片6の第一側面5a,6aは、アウターシェル2に当てられる当接面に接する任意の一側面であればよく、例えば上側取付片5と下側取付片6の下側の側面を第一側面としてもよい。
【0050】
また、スタビライザSが緩衝器Dを上方向に引張る力を発揮する際、ブラケット4には上側取付片5を支点として下側取付片6をアウターシェル2から引き剥がす方向の力が作用するため、アウターシェル2の下側取付片6との溶接部分に最も負荷がかかる。そのため、本実施の形態では、アウターシェル2における最も負荷がかかる部分の疲労を抑制するために、アウターシェル2における下側取付片6の第一側面6aの延長線上と、第二側面6bとアウターシェル2との間のみに延長溶接ビードB2を設けているが、アウターシェル2における上側取付片5の第一側面5aの延長線上と、上側取付片5の前端の側面とアウターシェル2との間にも延長溶接ビードB2を設けてもよい。
【0051】
ただし、スタビライザSが緩衝器Dを上方向に引張る力を発揮する際、アウターシェル2の下側取付片6との溶接部分がアウターシェル2に最も負荷のかかる部分となる。そのため、本実施の形態のように、アウターシェル2における下側取付片6の第一側面6aの延長線上と、第二側面6bとアウターシェル2との間のみに延長溶接ビードB2を設けておけば、アウターシェル2の疲労を十分に抑制しつつ、溶接個所を最低限に済ませることができるため、溶接コストを抑えられる。
【0052】
また、本実施の形態では、上側取付片5と下側取付片6の後端同士を接続する保持片8の反取付片側である後側に外部機構としてのスタビライザSが取付けられている。つまり、本実施の形態では、上側取付片5と下側取付片6の前端はスタビライザSの反取付側端であり、上側取付片5と下側取付片6の後端はスタビライザSの取付側端となる。そのため、スタビライザSが緩衝器Dを上下方向に引張る力を発揮する際にブラケット4に作用する力の作用点は、保持片8の反取付片側となる。したがって、スタビライザSが緩衝器Dを上下方向に引張る力を発揮する際、力の作用点から離れた位置にある上側取付片5と下側取付片6の前端に作用するモーメントが大きくなるため、アウターシェル2における上側取付片5と下側取付片6の前端と対向する部位に応力が集中しやすい。
【0053】
これに対し、本実施の形態では、下側取付片6の前端の前側に延長溶接ビードB2を設けているので、特にアウターシェル2に対して応力集中しやすい部位の応力を分散でき、アウターシェル2の疲労を効果的に抑制できる。
【0054】
なお、上述したブラケット4の形状は一例であって、被取付部材としてのアウターシェル2に溶接可能な板状の取付片を有する限りにおいて、上述した形状には限定されない。
【0055】
前述したように、本実施の形態における被取付部材としてのアウターシェル2にブラケット4を溶接する溶接方法は、アウターシェル2に外部機構としてのスタビライザSを取付けるためのブラケット4に設けられた板状の取付片としての下側取付片6をアウターシェル2へ当てて下側取付片6の後側から前端にかけて下側取付片6のアウターシェル2への当接面に接する一側面である第一側面6aとアウターシェル2とを溶接する溶接方法であって、下側取付片6の後側から前端へ向けて第一側面6aとアウターシェル2とを溶接して、第一側面6aとアウターシェル2の第一側面6aと対向する部位との間に溶接ビードB1を設ける工程と、下側取付片6を第一側面6aの前端を超えて第一側面6aに沿って溶接して、アウターシェル2における第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の前端の側面である第二側面6bとアウターシェル2との間に延長溶接ビードB2を設ける工程とを備える。
【0056】
上記方法によれば、ブラケット4がアウターシェル2に溶接された状態で、下側取付片6とアウターシェル2との間に設けられる溶接ビードB1と延長溶接ビードB2とからなるビード部分Bの前端の位置が、下側取付片6の第一側面6aの前端の位置より前方へ延長されている。
【0057】
したがって、スタビライザSからブラケット4の下側取付片6を引き剥がす方向の力が作用した際に、アウターシェル2には延長溶接ビードB2からも応力が作用するため、ビード部分Bを介してアウターシェル2に作用する応力が分散される。
【0058】
よって、上記方法によれば、アウターシェル2に作用する応力を分散できるので、アウターシェル2の肉厚や材質を変更することなく、アウターシェル2の疲労を容易に抑制できる。
【0059】
また、本実施の形態の溶接方法では、第二側面6bとアウターシェル2との間の全てにわたって延長溶接ビードB2を設けている。このようにすると、アウターシェル2におけるビード部分Bを介して応力が作用する部分の面積がより大きくなるため、アウターシェル2に作用する応力をより効果的に分散でき、アウターシェル2の疲労をより一層抑制できる。ただし、延長溶接ビードB2は、第二側面6bの一部とアウターシェル2との間に設けられてもよい。
【0060】
また、本実施の形態の溶接構造は、被取付部材としてのアウターシェル2と、アウターシェル2に外部機構としてのスタビライザSを取付けるためのブラケット4とを備え、ブラケット4は板状の取付片としての下側取付片6を有し、下側取付片6をアウターシェル2へ当てて下側取付片6の後側から前端にかけて下側取付片6のアウターシェル2への当接面に接する一側面である第一側面6aとアウターシェル2とが溶接されることで、第一側面6aとアウターシェル2の第一側面6aと対向する部位との間に溶接ビードB1が設けられ、下側取付片6が第一側面6aの前端を超えて第一側面6aに沿って溶接されることで、アウターシェル2における第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の前端の側面である第二側面6bとアウターシェル2との間に延長溶接ビードB2が設けられている。
【0061】
この構成によると、ブラケット4の下側取付片6とアウターシェル2との間に設けられる溶接ビードB1と延長溶接ビードB2とからなるビード部分Bの前端の位置が、下側取付片6の第一側面6aの前端の位置より前方へ延長されている。
【0062】
したがって、スタビライザSからブラケット4の下側取付片6を引き剥がす方向の力が作用した際に、アウターシェル2には延長溶接ビードB2からも応力が作用するため、ビード部分Bを介してアウターシェル2に作用する応力が分散される。
【0063】
よって、本実施の形態の溶接構造によれば、アウターシェル2に作用する応力を分散できるので、アウターシェル2の肉厚や材質を変更することなく、アウターシェル2の疲労を容易に抑制できる。
【0064】
なお、本実施の形態では、第一側面6aとアウターシェル2は、第一側面6aの途中の部分から前端へ向けて溶接されているが、第一側面6aとアウターシェル2の溶接範囲は必要な連結強度が確保される限りにおいて任意に決定されればよい。
【0065】
また、本実施の形態の溶接構造では、延長溶接ビードB2は第二側面6bとアウターシェル2との間の全てにわたって設けられている。このようにすると、アウターシェル2におけるビード部分Bを介して応力が作用する部分の面積がより大きくなるため、アウターシェル2に作用する応力をより効果的に分散でき、アウターシェル2の疲労をより一層抑制できる。ただし、延長溶接ビードB2は、第二側面6bの一部とアウターシェル2との間に設けられてもよい。
【0066】
また、本実施の形態の溶接構造では、被取付部材は、円筒状のアウターシェル2とアウターシェル2内に軸方向移動可能に挿入されるロッド3とを有しロッド3がアウターシェル2に対して軸方向へ移動する際に減衰力を発生可能であって車両における車体と車輪との間に介装される緩衝器Dにおけるアウターシェル2であって、外部機構は、車両における左右の車輪間の上下方向の相対変位を抑制するスタビライザSとしている。
【0067】
スタビライザSは、車両における車体と車輪の間に介装された緩衝器Dのアウターシェル2に溶接されたブラケット4に対して、車輪を操舵する度に繰り返し引張り荷重を作用させるものであるため、ブラケット4が溶接されたアウターシェル2は特に疲労しやすい。そのため、外部機構をスタビライザSとし、被取付部材をアウターシェル2とした場合、アウターシェル2の疲労を抑制できる本実施の形態の溶接構造が特に有効となる。
【0068】
ただし、外部機構はスタビライザSには限定されず、例えば、緩衝器Dがストラット式サスペンションに利用される場合にアウターシェル2の下端に車両の車輪を保持するナックルを外部機構としてもよい。また、アウターシェル2以外の部材を被取付部材としてもよい。
【0069】
また、本実施の形態の溶接構造では、ブラケット4は、アウターシェル2の外周に溶接される上下一対の上側取付片5及び下側取付片6と、上側取付片5と下側取付片6との間に設けられてスタビライザSを保持する保持片8とを有しており、アウターシェル2における下側取付片6の第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の第二側面6bとアウターシェル2との間に延長溶接ビードB2を設けている。
【0070】
ここで、スタビライザSが緩衝器Dを上方向に引張る力を発揮する際、ブラケット4には上側取付片5を支点として下側取付片6をアウターシェル2から引き剥がす方向の力が作用するため、本実施の形態では、アウターシェル2の下側取付片6との溶接部分がアウターシェル2に最も負荷のかかる部分となる。
【0071】
そのため、本実施の形態のように、アウターシェル2における下側取付片6の第一側面6aの延長線上と、下側取付片6の第二側面6bとアウターシェル2との間に延長溶接ビードB2を設けると、アウターシェル2の疲労を効果的に抑制できる。ただし、ブラケット4の形状は、被取付部材としてのアウターシェル2に溶接可能な板状の取付片を有している限りにおいて、特に限定されない。
【0072】
また、図4に示す本実施の形態の変形例のように、ブラケット4Aは、下側取付片6の前端から第一側面6aの延長線に沿って延びてアウターシェル2との間に図示しない溶接器具を挿入可能な開口部Oを形成する目印部9を有してもよい。
【0073】
詳細には、目印部9は、図4に示すように、下側取付片6の前端から第一側面6aの延長線に沿って延びる下側取付片6と同じ板厚の板材であって、アウターシェル2の外周に当接する面は、アウターシェル2の外周に沿って円弧状に湾曲している。また、目印部9のアウターシェル2側端には、目印部9の基端側から開口する半円状の切欠き9aが設けられており、この切欠き9aによって目印部9とアウターシェル2との間に開口部Oが形成されている。
【0074】
下側取付片6の前端にこのような目印部9を設けると、下側取付片6をアウターシェル2に溶接する際、下側取付片6の後側から前端へ向けて第一側面6aとアウターシェル2とを溶接して溶接ビードB1を設けた後、第一側面6aの前端を超えて下側取付片6を目印部9の側面に沿って溶接するとともに、開口部Oにトーチ等の溶接器具を挿入して第二側面6bとアウターシェル2とを溶接することで、延長溶接ビードB2を設けることができる。つまり、このような溶接構造では、目印部9を目印にして延長溶接ビードB2を設けることができるため、延長溶接ビードB2を容易に設けることができる。
【0075】
なお、本実施の形態では、目印部9は、下側取付片6の前端のみに設けられているが、アウターシェル2における上側取付片5の第一側面5aの延長線上と、上側取付片5の前端の側面とアウターシェル2の間にも延長溶接ビードB2を設ける場合は、上側取付片5の前端にも目印部9を設けてもよい。
【0076】
なお、本実施の形態では、目印部9は、下側取付片6と同じ板厚の板材で構成されているが、第一側面6aの延長線に沿う面を有していれば、目印部9の形状や大きさは特に限定されない。また、開口部Oを形成する切欠き9aの大きさや形状は、アウターシェル2との間に溶接器具を挿入できる限りにおいて特に限定されない。
【0077】
また、本実施の形態では、本発明の溶接方法と溶接構造は、車両における車体と車輪との間に介装される緩衝器Dに利用されているが、緩衝器以外に利用されてもよく、車両以外の分野に利用されてもよい。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
2・・・アウターシェル(被取付部材)、3・・・ロッド、4,4A・・・ブラケット、5・・・上側取付片、6・・・下側取付片(取付片)、6a・・・第一側面、6b・・・第二側面、8・・・保持片、9・・・目印部、、B1・・・溶接ビード、B2・・・延長溶接ビード、D・・・緩衝器、S・・・スタビライザ(外部機構)
図1
図2
図3
図4