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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134640
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】窓シャッターの下枠
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/70 20060101AFI20240927BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E06B1/70 Z
E06B9/17 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044935
(22)【出願日】2023-03-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年12月12日にミサワホーム株式会社のモデルルーム(名古屋市守山区吉根字太鼓ケ根3211番179 クリザンテームヒルズ緑の丘154号地)において発明を実施した。
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】荒木 一
(72)【発明者】
【氏名】水間 広基
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011MA00
(57)【要約】
【課題】窓シャッターにおいて、2部材を新しい配置構成で連結して構成された下枠を提供する。
【解決手段】躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられた下枠4は、躯体に取り付けられた第1部材5と、第1部材5の屋外側部位に取り付けられる第2部材6と、からなり、第1部材5と第2部材6は、第1係止片541と第2係止片67が係止された上側の第1連結部Aと、第1当接部55と第2当接部64が当接して螺子91固定された下側かつ屋内側の第2連結部Bで連結されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓シャッターの下枠は、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられており、
前記下枠は、前記躯体に取り付けられた第1部材と、第1部材の屋外側部位に取り付けられる第2部材と、からなり、
前記第1部材の屋外側部位は、第1係止部と、第1係止部に対して下側に位置する第1当接部と、を備え、
前記第2部材の屋内側部位は、第2係止部と、第2係止部に対して下側に位置する第2当接部と、を備え、
前記第1部材と前記第2部材は、前記第1係止部と前記第2係止部が係止された上側の第1連結部と、前記第1当接部と前記第2当接部が当接して固定された下側の第2連結部で連結されている、
窓シャッターの下枠。
【請求項2】
前記第2連結部は、前記第1連結部よりも屋内側に位置している、
請求項1に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項3】
前記第1部材の上面部の屋外側部位は、前記第1係止部と、前記第1係止部の屋外側に位置する屋外側立ち上がり辺と、を備え、
前記第2部材の屋内側見付面部は、主面部と、前記主面部の下端から屋外側に延びる中間下面部と、を備え、
前記主面部の下端には前記第2係止部が形成されており、
前記第1連結部において、前記第2部材の前記中間下面部には、前記第1部材の前記屋外側立ち上がり辺の上端が当接している、
請求項1、2いずれか1項に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項4】
前記第1部材の上面部の屋外側部位は、屋内側立ち上がり辺と、前記屋外側立ち上がり辺と、底辺とを備えた係止凹部を備えており、
前記屋内側立ち上がり辺の上端には、下向きL形状の前記第1係止部が形成されている、
請求項3に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項5】
前記第1部材は前記上面部の下方に位置する下面部を備え、
前記第2部材の屋内側見付面部は、前記中間下面部から下方に延びる下側見付面部を備え、
前記第2部材の下面部は、前記下側見付面部の屋内側に位置する屋内側下面部と、前記下側見付面部の屋外側に位置する屋外側下面部と、からなり、
前記屋内側下面部は、前記第1部材の前記上面部の下方に位置しており、前記屋内側下面部の屋内側端部に前記第2当接部が形成されている、
請求項3、4いずれか1項に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項6】
前記第1部材は、上面部及び下面部を含む本体部と、前記本体部の長さ方向両端部に設けた左右の側板と、からなり、
前記側板は、前記本体部よりも屋外側に位置し、前記第2部材の長さ方向両端に位置する屋外側部位を備え、
前記側板の前記屋外側部位と前記第2部材が固定されている、
請求項1に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項7】
前記側板の前記屋外側部位の内面には、第1連結要素が設けてあり、
前記第2部材は、上面部、屋内側見付面部を含む中空状部を含み、
前記第2部材の前記屋内側見付面部の長さ方向両端には、前記第1連結要素が挿通可能な寸法を備えた開口が形成されており、
前記第1連結要素に前記第2部材の前記上面部が載置した状態で第1固定手段で固定されている、
請求項6に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項8】
窓シャッターのガイドレール下地枠の側辺の下端部位には、第2連結要素が設けてあり、
前記第2連結要素が前記第2部材の前記上面部の上面に当接した状態で第2固定手段で固定されており、
前記第1固定手段と前記第2固定手段は、共通の螺子を含んでおり、前記共通の螺子によって、前記第2部材と、前記第1連結要素と、前記第2連結要素が固定されている、
請求項7に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項9】
前記第2部材の上面部には、カバーが着脱可能に設けられている、
請求項1に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項10】
窓サッシ枠の下枠の下面は、前記第1部材の前記上面部の上方に位置しており、
前記第1部材には掛止片が形成されており、
前記第1部材の掛止片は、窓サッシ枠の下枠に形成された被掛止部に掛止されている、
請求項1に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項11】
前記第1当接部は屋外側へ上向きに傾斜する傾斜片であり、前記第2当接部は屋内側へ下向きに傾斜する傾斜片であり、前記第2連結部において、傾斜片同士が当接するようになっている、
請求項1に記載の窓シャッターの下枠。
【請求項12】
窓シャッターの下枠は、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられており、
前記下枠は、前記躯体に取り付けられた第1部材と、第1部材の屋外側部位に取り付けられる第2部材と、からなり、
前記第1部材の屋外側部位は、第1係止部と、第1係止部に対して下側に位置する第1当接部と、を備え、
前記第2部材の屋内側部位は、第2係止部と、第2係止部に対して下側に位置する第2当接部と、を備え、
傾斜姿勢とした前記第2部材を傾斜姿勢から水平姿勢に回転させながら、前記第2係止部を、前記第1部材の前記第1係止部に係止させ、
前記第2係止部と前記第1係止部が係止状態において、前記第2当接部を前記第1当接部に当接させた状態で、前記第2当接部と前記第1当接部を固定手段で連結する、
窓シャッターの下枠の取付方法。
【請求項13】
前記第1部材の上面部の屋外側部位は、屋内側立ち上がり辺と、屋外側立ち上がり辺と、底辺とを備えた係止凹部を備えており、
前記屋内側立ち上がり辺の上端には、前記第1係止部が形成されており、
前記第2部材の屋内側見付面部は、主面部と、前記主面部の下端から屋外側に延びる中間下面部と、中間下面部から下方に延びる下側見付面部と、を備え、
前記主面部の下端には前記第2係止部が形成されており、
前記第2係止部を、前記係止凹部内で前記第1係止部に係止させ、
前記第2係止部と前記第1係止部が係止状態において、前記第2部材の前記中間下面部を、前記第1部材の前記係止凹部の前記屋外側立ち上がり辺の上端に当接させる、
請求項12に記載の窓シャッターの下枠の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓シャッターの下枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッターの下枠(水切り板)は、建物躯体に持ち出し状に設けられるが、当該下枠を複数の部材から構成するものが知られている。下枠を複数の部材から構成する場合には、従来、2部材を上下に重ねるようにした構成している(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
しかしながら、下枠を2部材を上下に重ねるようにした構成では、窓サッシ枠の納まり等との関係から、下枠の取り付け作業性が悪くなる場合があった。
【特許文献1】特開2006-28966
【特許文献2】特開2005-273232
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、窓シャッターにおいて、2部材を新しい配置構成で連結して構成された下枠を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が採用した技術手段は、
窓シャッターの下枠は、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられており、
前記下枠は、前記躯体に取り付けられた第1部材と、第1部材の屋外側部位に取り付けられる第2部材と、からなり、
前記第1部材の屋外側部位は、第1係止部と、第1係止部に対して下側に位置する第1当接部と、を備え、
前記第2部材の屋内側部位は、第2係止部と、第2係止部に対して下側に位置する第2当接部と、を備え、
前記第1部材と前記第2部材は、前記第1係止部と前記第2係止部が係止された上側の第1連結部と、前記第1当接部と前記第2当接部が当接して固定された下側の第2連結部で連結されている、
窓シャッターの下枠、である。
1つの態様では、前記第2連結部は、前記第1連結部よりも屋内側に位置している。
【0006】
1つの態様では、前記第1部材の上面部の屋外側部位は、前記第1係止部と、前記第1係止部の屋外側に位置する屋外側立ち上がり辺と、を備え、
前記第2部材の屋内側見付面部は、主面部と、前記主面部の下端から屋外側に延びる中間下面部と、を備え、
前記主面部の下端には前記第2係止部が形成されており、
前記第1連結部において、前記第2部材の前記中間下面部には、前記第1部材の前記屋外側立ち上がり辺の上端が当接している。
より具体的な態様では、前記第1部材の上面部の屋外側部位は、屋内側立ち上がり辺と、屋外側立ち上がり辺と、底辺とを備えた係止凹部を備えており、
前記屋内側立ち上がり辺の上端には、下向きL形状の前記第1係止部が形成されており、
前記第2部材の屋内側見付面部は、主面部と、前記主面部の下端から屋外側に延びる中間下面部と、中間下面部から下方に延びる下側見付面部と、を備え、
前記主面部の下端には前記第2係止部が形成されており、
前記第1連結部において、前記第2部材の前記中間下面部には、前記第1部材の前記係止凹部の前記屋外側立ち上がり辺の上端が当接している。
【0007】
1つの態様では、前記第1部材は前記上面部の下方に位置する下面部を備え、
前記第2部材の下面部は、前記下側見付面部の屋内側に位置する屋内側下面部と、前記下側見付面部の屋外側に位置する屋外側下面部と、からなり、
前記屋内側下面部は、前記第1部材の前記上面部の下方に位置しており、前記屋内側下面部の屋内側端部に前記第2当接部が形成されている。
1つの態様では、前記下面部の屋外側端部は、前記上面部の前記係止凹部よりも屋内側に位置しており、前記屋外側端部には前記第1当接部が形成されている。
1つの態様では、前記第1当接部は立ち上がり片であり、前記第2当接部は立ち下がり片である。
1つの態様では、前記第1当接部は、前記第1部材の前記下面部の屋外側端部から屋外側に向かって傾斜状に立ち上がる立ち上がり片であり、前記第2当接部は、前記第2部材の前記屋内側下面部の屋内側端部から屋内側に向かって下向き傾斜状に延びる立ち上がり片であり、すなわち、前記第1当接部は屋外側へ上向きに傾斜する傾斜片であり、前記第2当接部は屋内側へ下向きに傾斜する傾斜片であり、前記第2連結部において、傾斜片同士が当接するようになっている。
【0008】
1つの態様では、前記第1部材は、上面部及び下面部を含む本体部と、前記本体部の長さ方向両端部に設けた左右の側板と、からなり、
前記側板は、前記本体部よりも屋外側に位置し、前記第2部材の長さ方向両端に位置する屋外側部位を備え、
前記側板の前記屋外側部位と前記第2部材が固定されている。
より具体的な態様では、前記第1部材は、前記上面部及び前記下面部を含む本体部と、前記本体部の長さ方向両端部に設けた左右の側板と、からなり、
前記第2部材は、上面部、前記屋内側見付面部及び前記屋外側下面部を含む中空状部を含み、
前記側板は、前記本体部よりも屋外側に位置し、前記第2部材の前記中空状部の長さ方向両端に位置する屋外側部位を備えている。
1つの態様では、前記第2部材の前記屋内側見付面部の前記主面部は、窓サッシ枠の下枠の屋外側見付面に離間対向している。
【0009】
1つの態様では、前記側板の前記屋外側部位の内面には、第1連結要素が設けてあり、
前記第2部材の前記屋内側見付面部の前記主面部の長さ方向両端には、前記第1連結要素が挿通可能な寸法を備えた開口が形成されており、
前記第1連結要素に前記第2部材の前記上面部が載置した状態で第1固定手段で固定されている。
【0010】
1つの態様では、窓シャッターのガイドレール下地枠の側辺の下端部位には、第2連結要素が設けてあり、
前記第2連結要素が前記第2部材の前記上面部の上面に当接した状態で第2固定手段で固定されている。
1つの態様では、前記第1固定手段と前記第2固定手段は、共通の螺子を含んでおり、前記共通の螺子によって、前記第2部材と、前記第1連結要素と、前記第2連結要素が固定されている。
【0011】
1つの態様では、前記第2部材の前記上面部には、カバーが着脱可能に設けられている。
1つの態様では、前記カバーの上面は、屋外側床面(デッキ)と同じ高さ位置にある。
【0012】
1つの態様では、窓サッシ枠の下枠の下面は、前記第1部材の前記上面部の上方に位置しており、
前記第1部材には掛止片が形成されており、
前記第1部材の掛止片は、窓サッシ枠の下枠に形成された被掛止部に掛止されている。
具体的な態様では、前記第1部材の前記上面部には、前記係止凹部の屋内側に位置して掛止片が形成されており、
前記第1部材の掛止片は、窓サッシ枠の下枠の前記下面の屋外側に形成された被掛止部に掛止されている。
【0013】
本発明が採用した技術手段は、窓シャッターの下枠の取付方法であり、
窓シャッターの下枠は、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられており、
前記下枠は、前記躯体に取り付けられた第1部材と、第1部材の屋外側部位に取り付けられる第2部材と、からなり、
前記第1部材の屋外側部位は、第1係止部と、第1係止部に対して下側に位置する第1当接部と、を備え、
前記第2部材の屋内側部位は、第2係止部と、第2係止部に対して下側に位置する第2当接部と、を備え、
傾斜姿勢とした前記第2部材を傾斜姿勢から水平姿勢に回転させながら、前記第2係止部を、前記第1部材の前記第1係止部に係止させ、
前記第2係止部と前記第1係止部が係止状態において、前記第2当接部を前記第1当接部に当接させた状態で、前記第2当接部と前記第1当接部を固定手段で連結する。
【0014】
1つの態様では、前記第1部材の上面部の屋外側部位は、屋内側立ち上がり辺と、屋外側立ち上がり辺と、底辺とを備えた係止凹部を備えており、
前記屋内側立ち上がり辺の上端には、前記第1係止部が形成されており、
前記第2部材の屋内側見付面部は、主面部と、前記主面部の下端から屋外側に延びる中間下面部と、中間下面部から下方に延びる下側見付面部と、を備え、
前記主面部の下端には前記第2係止部が形成されており、
前記第2係止部は、前記係止凹部内で前記第1係止部に係止させ、
前記第2係止部と前記第1係止部が係止状態において、前記第2部材の前記中間下面部を、前記第1部材の前記係止凹部の前記屋外側立ち上がり辺の上端に当接させる。
【0015】
1つの態様では、前記第1部材は前記上面部の下方に位置する下面部を備え、
前記下面部の屋外側端部は、前記上面部の前記係止凹部よりも屋内側に位置しており、前記屋外側端部には前記第1当接部が形成されており、
前記第2部材の下面部は、前記下側見付面部の屋内側に位置する屋内側下面部と、前記下側見付面部の屋外側に位置する屋外側下面部と、からなり、
前記屋内側下面部の屋内側端部に前記第2当接部が形成されている。
前記第2部材の前記屋内側下面部を前記第1部材の前記上面部の下方に差し入れて、前記第2当接部を前記第1当接部に当接させる。
【0016】
1つの態様では、前記第1部材は、前記上面部及び前記下面部を含む本体部と、前記本体部の長さ方向両端部に設けた左右の側板と、からなり、
前記第2部材は、上面部、前記屋内側見付面部及び前記屋外側下面部を含む中空状部を含み、
前記側板は、前記本体部よりも屋外側に位置し、前記第2部材の前記中空状部の長さ方向両端に位置する屋外側部位を備え、
前記側板の前記屋外側部位の内面には、水平片を備えた第1連結要素が設けてあり、
前記第2部材の前記屋内側見付面部の前記主面部の長さ方向両端には、前記第1連結要素が挿通可能な寸法を備えた開口が形成されており、
前記第2部材を前記第1部材に連結する際に、前記屋内側見付面部の前記開口から前記第1連結要素を前記中空状部内に受け入れ、
前記第1連結要素の前記水平片に前記第2部材の前記上面部が載置した状態で第1固定手段で固定する。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられた下枠は、躯体に取り付けられた第1部材と、第1部材の屋外側部位に取り付けられる第2部材を、第1係止片と第2係止片が係止された上側の第1連結部と、第1当接部と第2当接部が当接して(螺子で)固定された下側(かつ屋内側)の第2連結部で連結するようにしたことで、取付作業性が向上された下枠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る窓シャッター装置の縦断面図である。
図2図1の下方部位の部分拡大図である。
図3】本実施形態に係る窓シャッター装置の横断面図である。
図4】下枠(ガイドレール下地枠が取り付けられた状態)の縦断面図(下図)及び開口幅方向一側の部分平面図(上図)であり、下枠にカバーが取り付けられていない状態を示している。
図5】下枠(ガイドレール下地枠が取り付けられた状態)の縦断面図(下図)及び開口幅方向一側の部分平面図(上図)であり、下枠にカバーが取り付けられた状態を示している。
図6】下枠の平面図(上図)及び縦断面図(下図)である。
図7】本実施形態に係る下枠を構成する第1部材を示す図である。
図8】本実施形態に係る下枠を構成する第2部材を示す図である。
図9】窓サッシ下枠、下枠の第1部材、下枠の第2部材の連結を説明する図である。
図10】本実施形態に係る下枠を構成するカバーを示す図である。
図11】本実施形態に係るガイドレール下地枠を示す図である。
図12】下枠の第1部材に対する第2部材の取付工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[A]窓シャッター装置の全体構成
図1は窓シャッター装置の縦断面図、図2図1の下方部位の部分拡大図、図3は窓シャッター装置の横断面図であり、窓シャッター装置は、建物の窓開口部に設置した窓装置(窓サッシ枠)の屋外側に設けられ、窓開口部(窓装置)の外側部位を開閉するようになっている。本実施形態に係る窓シャッター装置において、窓開口部は屋内と屋外(ベランダないしバルコニー)を連通する窓開口部を含み、当該窓開口部を介して人が出入りすることが前提となっており、屋内空間の床面、屋外空間の床面(ベランダやウッドデッキ等)FL、窓開口部の下面(下枠4のカバー7の上面部70を含む)が略同じ高さレベルにあるフラットな納まりとなっている。本明細書において、躯体から屋外側に離れる側を屋外側ないし先端側とし、躯体に近い側を躯体側ないし屋内側、または基端側とする。
【0020】
窓シャッター装置は、窓開口部の上方に位置して、躯体に持ち出し状に取り付けられた左右のブラケットbrと、左右のブラケットbr間に支持された巻取シャフト1と、躯体に対して持ち出し状に取り付けられた左右のガイドレール下地枠2と、左右のガイドレール下地枠2に支持された左右のガイドレール3と、上端が巻取シャフト1に連結されたシャッターカーテンSと、窓開口部の下方に位置して、躯体に持ち出し状に取り付けられた下枠(水切板)4と、を備えている。なお、開口部全閉時の座板S1を図1に示している。本実施形態に係る下枠4は、第1部材5と、第2部材6と、カバー7と、からなる。シャッターカーテンSは、開閉機Mの駆動によって回転する巻取シャフト1に巻き取られ/繰り出されることで、幅方向両端部がガイドレール3に案内されながら昇降して窓開口部の屋外側部位を開閉する。窓開口部の上方に位置して、左右のブラケットbr及び巻取シャフト1に巻き取られたシャッターカーテンSを収納するようにシャッターケースCが設けられる。
【0021】
窓サッシ枠が取り付けられる躯体は、窓開口部の上方の上方躯体W1と、窓開口部の幅方向両端と側方躯体W2と、窓開口部の下方の下方躯体W3と、からなる。窓サッシ枠は、上方躯体W1に取り付けられ、上方躯体W1の下面に沿って開口幅方向に延びる位置する上枠と、左右の側方躯体W2に取り付けられ、側方躯体W2の見込面に沿って開口高方向に延びる左右の縦枠と、下方躯体W3に取り付けられ、下方躯体W3に沿って開口幅方向に延びる窓サッシ下枠8と、からなる。窓サッシ枠に沿って、窓障子(図示せず)が左右方向にスライド移動することで、窓開口部を開閉するようになっている。本実施形態に係る窓サッシ枠はアルミ型材から形成される。
【0022】
窓シャッター装置のシャッターケースCは、上方躯体W1の見付面に取り付けられた左右のブラケットbrに支持されている。左右のガイドレール3は、側方躯体W2の見付面に取り付けられた左右のガイドレール下地枠2に支持されている。窓シャッター装置の下枠(第1部材5)4は、下方躯体W3の見付面W3´に取り付けられると共に、左右のガイドレール下地枠2の下端部位に連結されている。
【0023】
[B]ガイドレール下地枠及びガイドレール
[B-1]ガイドレール下地枠
図11において、上図はガイドレール下地枠の平面図であり、下図はガイドレール下地枠の側面図である。ガイドレール下地枠2は、窓開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、側方躯体W2から離間するように屋外側に見込方向に延びる側辺20と、側辺20の先端の係止片21と、側辺20の基端から見付方向に延びる基端側見付辺22と、基端側見付辺22の先端に一体形成された凹部23と、を備えている。図3に示すように、ガイドレール下地枠2は、基端側見付辺22を側方躯体W2の屋外側見付面に当接させた状態で、基端側見付辺22を螺子28で側方躯体W2に固定することで取り付けられている。基端側見付辺22の裏面には、高さ方向に亘って水密材29が設けてあり、基端側見付辺22と側方躯体W2の屋外側見付面との間に水密構造を形成している。
【0024】
ガイドレール下地枠2の側辺20の下端は、屋外側の第1水平縁24と、第1水平縁24よりも下方に位置する第2水平縁25と、第1水平縁24の基端と第2水平縁25の先端を結ぶ垂直縁26と、からなる。側辺20の下方部位には、屋外側に位置して、第1水平縁24の下側かつ垂直縁26の屋外側に位置して空間が形成されている。
【0025】
ガイドレール下地枠2の側辺20の屋外側(先端側)の下端には、連結要素27が固定されている。連結要素27は、水平状の第1片ないし水平片270と、垂直状の第2片ないし垂直片271と、からL形状を備えており、第1片270を第1水平縁24と一致させた状態で、第2片271を側辺20の屋外側部位の下方部位にリベット273で固定されている。
【0026】
[B-2]ガイドレール
ガイドレール3は、窓開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、側方躯体W2から遠い側の屋外側見付辺30と、躯体(外壁W)に近い側の屋内側見付辺31と、底辺32と、から平面視略コ字状の形状を有しており、対向する屋外側見付辺30と屋内側見付辺31間にシャッターカーテンSの幅方向両端部を受け入れて上下方向に案内するガイド溝が形成されている(図1図3参照)。
【0027】
側辺30の基端側は、底辺32を越えて延びる延出辺33となっており、延出辺33の先端の係止片34が、ガイドレール下地枠2の係止片21に係止している。屋内側見付辺31からは躯体側に延びる連結片35が形成されており、連結片35の先端部位36が窓サッシの縦枠に連結されている。本実施形態に係るガイドレール下地枠2及びガイドレール3は、アルミ型材から形成される。ガイドレール下地枠2の先端側に支持されたガイドレール3は当業者において良く知られており、ガイドレール下地枠2及びガイドレール3の形状及び連結構成は図示の態様に限定されるものではない。
【0028】
[C]下枠
図1図2図5図6に示すように、下枠4は、開口幅方向に延びる長尺枠体であって、第1部材5と、第2部材6と、カバー7と、からなり、第1部材5と、第2部材6と、カバー7と、を組み立てることで形成される。本実施形態に係る第1部材5、第2部材6、カバー7は、アルミ型材から形成される。第1部材5が下方躯体W3の見付面W3´に螺子90で固定され、下方躯体W3に持ち出し状に取り付けられた第1部材5の屋外側部位に第2部材6が取り付けられ、第2部材6の上側部位にカバー7が取り付けられる。図示の態様では、カバー7の上面は屋外側の床面(デッキ)FLと同じ高さとなっている。
【0029】
[C-1]第1部材
図7は第1部材5を表す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は縦断面図である。第1部材5は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、下方躯体W3の見付面W3´から屋外側に向かって緩やかに下向き傾斜状に延びる上面部50と、下方躯体W3の見付面W3´から屋外側に向かって水平に延びる下面部51と、上面部50の基端側と下面部51の基端側を連結する見付面部52と、から側面視略コ字形状に形成された本体部と、本体部の長さ方向(開口幅方向)両端に設けられた垂直状に延びる左右の側板53と、からなる。本実施形態では、側板53は螺子530によって本体部の長さ方向端部に固定されている。
【0030】
第1部材5の上面部50の先端には係止凹部54が形成され、下面部51の先端には第1当接部55が形成されている。係止凹部54及び第1当接部55は、開口幅方向に延びており、第1部材5に対する第2部材6の連結に用いられる。第1当接部55は、下面部51の先端から屋外側に傾斜状に立ち上がる立ち上がり片であり、第1当接部55には長さ方向(開口幅方向)に間隔を存して複数の螺子孔550(図7参照)が形成されている。図示の態様では、下面部51の屋外側先端は、第1当接部55の下端よりも屋外側に突出する突縁510となっている。第1部材5の上面部50の見込寸法(基端の見付面部52からの突出寸法)は、下面部51の見込寸法(基端の見付面部52からの突出寸法)よりも大きく、上面部50の係止凹部54は、下面部51の第1当接部55よりも屋外側に位置している。
【0031】
図9に示すように、係止凹部54は、屋内側立ち上がり辺542と、底辺543と、屋外側立ち上がり辺544と、からなる凹部を備え、屋内側立ち上がり辺542の上端から上面部50の屋外側の延出部540が屋外側に延びており、延出部540の先端(屋外側端部)から垂下する第1係止片541が形成されている。第1係止片541と、屋外側立ち上がり辺544の上端と、の間に開口が形成されている。図示の態様では、第1係止片541の下端と屋外側立ち上がり辺544の上端は略同じ高さ位置にある。
【0032】
第1部材5の側板53は、本体部よりも屋外側に位置し、第2部材6の長さ方向両端に位置する屋外側部位を備えており、当該屋外側部位の上方部位には、連結要素57が固定されている。連結要素57は、水平片570と、垂下片571と、からなり、水平片570には、螺子孔572が形成されている。連結要素57は、垂下片571を側板53に当接させた状態で螺子573によって固定されている。
【0033】
第1部材5の上面部50には、掛止片56が形成されている。掛止片56は開口幅方向に延びており、窓サッシ下枠8との連結に用いられる。第1部材5の見付面部52の裏面側(躯体側)には、開口幅方向に延びる水密材58が設けてある(図4図6参照)。第1部材5の上面部50の屋内側端部には、屋内側立ち上がり片500が形成されている。
【0034】
[C-2]第2部材
図8は第2部材6を表す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は縦断面図である。第2部材6は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、略水平面である上面部60と、略水平面である屋内側下面部610と下方躯体W3から離間する方向(屋外側)に緩やかに下向き傾斜状に延びる屋外側下面部611とからなる下面部61と、略垂直面である屋内側見付面部62と、略垂直面である屋外側見付面部63と、を備え、上面部60と、屋外側下面部611と、屋内側見付面部62と、屋外側見付面部63と、から略方形状の中空状枠体ないし中空状部が形成されている。
【0035】
下面部61の屋内側下面部610の内側先端には、第2当接部64が形成されている。第2当接部64は、屋内側(躯体側)に向かって下向きに傾斜する立ち下がり片ないし傾斜片であり、第2当接部64の傾斜角度は、第1部材5の第1当接部55の傾斜角度と同じである。第2当接部64は開口幅方向に延びており、開口幅方向に間隔を存して複数の挿通孔640(図8参照)が設けてあり、各挿通孔640は第1当接部55の螺子孔550と一致するようになっている。図示の態様では、屋内側下面部610の屋内側先端は、第2当接部64の上端よりも屋内側に突出する突縁6100となっている。
【0036】
屋内側見付面部62は、垂直面である主面部62´と、主面部62´の下端部位には、中間下面部65と、下側見付面部66と、からなる凹み部が形成されており、屋内側見付面部62の主面部62´の下端には側面視レ状の第2係止片67が形成されている。第2係止片67は、主面部62´の下端から屋内側に向かって傾斜状に立ち上がるように形成されている。
【0037】
上面部60の屋内側端には、垂下面600と、底面601と、からなる凹部が形成されており、屋内側見付面部62の上端部位が、前記凹部の内側部位を形成しており、前記上端部位の上端には係止部68が形成されている。上面部60の屋外側端には、垂下面602と、底面603と、からなる凹部が形成されており、屋外側見付面部63の上端部位が、前記凹部の外側部位を形成しており、前記上端部位の上端には係止部69が形成されている。屋外側見付面部63は、垂直面である主面部63´と、主面部63´の下端部位には、中間下面部630と、下側見付面部631と、からなる凹み部が形成されており、下側見付面部631の下端は、屋外側下面部611よりも下方に延びる下端延出片6310が形成されている。(図9参照)。第2部材6の下端の屋外側に位置する下端延出片6310は、第2部材6の下端の屋内側に位置する第2当接部64と略同じ高さ位置にある。
【0038】
屋内側見付面部62には、長さ方向(開口幅方向)両端部位の上方に位置して、方形状の開口620が形成されている。開口620は、連結要素57の外形よりも大きい面積を有しており、開口620は、第2部材6を第1部材5に取り付ける際に、第1部材5の側板53に設けた連結要素57を挿通させる開口として用いられる。
【0039】
屋内側見付面部62の下端部位には、長さ方向(開口幅方向)に亘って複数の開口621が形成されており、この開口621は水抜き用開口として用いられる。下面部61の傾斜状の屋外側下面部611の先端には、水抜き用の開口6110が形成されている。
【0040】
[C-3]カバー
図10に示すように、カバー7は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、水平状に延びる上面部70と、上面部70の屋内側に屋内側端部700´を設けて垂下する屋内側垂下辺71と、上面部70の外側端部から垂下する屋外側垂下辺72と、屋内側垂下辺71及び屋外側垂下辺72に平行して開口幅方向に延びる中間垂下辺73と、からなる。上面部70の屋内側端部700´には、段部700が形成されている。
【0041】
上面部70の屋外側端縁701は、屋内側端部700´よりも大きい幅寸法を有しており、上面部70において、長さ方向(開口幅方向)両端の屋内側部位は方形状に切り欠かれており、この切り欠き部は見付縁702と見込縁703とによって規定されている。上面部70において、長さ方向(開口幅方向)両端部位には、見込縁703の近傍に位置して挿通孔704が形成されている。
【0042】
屋内側垂下辺71の下端(中間垂下辺73の下端よりも下方に位置する)には係止片710が形成されている。屋外側垂下辺72の下端(中間垂下辺73の下端よりも下方に位置する)には係止部720が形成されている。
【0043】
[C-3]下枠の全体構成(組立状態)
[C-3-1]第1部材と第2部材との連結
第1部材5は、見付面部52を下方躯体W3の見付面W3´に当接させた状態で、螺子90で固定される。この時、見付面部52と下方躯体W3の見付面W3´の隙間を、水密材58によって塞ぐようになっている。第1部材5は、窓サッシ枠の下枠8の下方に位置して、下方躯体W3に持ち出し状に固定される。
【0044】
第2部材6は、下方躯体W3に固定された第1部材5の先端側部位に取り付けられる。第1部材5と第2部材6は上側の第1連結部A、下側の第2連結部Bによって連結されている。第1連結部Aは、第2連結部Bよりも屋外側に位置している(図4)。本実施形態では、上側の第1連結部Aは係止と当接の組み合わせからなり、下側の第2連結部Bは当接と固定(固定部材としては螺子91が例示される)との組み合わせからなる。
【0045】
上側の第1連結部Aについて具体的に説明する。第2部材6の屋内側見付面部62(主面部62´)の下端の第2係止片67は、第1部材5の係止凹部54の開口に受け入れられ、第1部材5の上面部50の延出部540の先端の第1係止片541と係止しており、第1部材5の係止凹部54の屋外側立ち上がり辺544の上端は、屋内側見付面部62の下端部位の中間下面部65に下方から当接している。第1連結部Aにおいて、第1係止片541は延出部540の先端から垂下することで、側面視下向きL状の係止部を形成しており、この係止部に対して、主面部62´の下端から屋内側に向かって傾斜状に立ち上がるように側面視レ状に形成された第2係止片67が下方から係止しており、第2部材6の上方への動き及び屋外側への動きが規制される。
【0046】
下側の第2連結部Bについて具体的に説明する。第2部材6の第2当接部64は、第1部材5の第1当接部55に当接した状態で、螺子91によって連結されている。本実施形態では、第1当接部55は屋外側に向かって傾斜状に立ち上がる片であり、第2当接部64は屋内側に向かって傾斜状に立ち下がる片である。下側の第2連結部Bが上側の第1連結部Aに対して屋内側に位置することで、屋外側に位置する第2部材6が下方に下がるように回転する動きを、第1当接部55と第2当接部64の傾斜状の当接面で良好に受けることができる。また、第1当接部55と第2当接部64の当接面の上側には突縁6100が位置し、下側には突縁510が位置することで、第1当接部55と第2当接部64のズレを防止している。
【0047】
第1部材5において、長さ方向(開口幅方向)両端部の側板53の屋外側部位は、第2部材6の中空状部の長さ方向(開口幅方向)両端部を塞ぐように延びている。第1部材5の側板53に設けた連結要素57は、第2部材6の中空部内に位置しており、連結要素57の水平片570には、第2部材6の上面部60が載置されている。
【0048】
第2部材6の上面部60に形成した挿通孔604と、連結要素57の水平片570に形成した螺子孔572が一致しており、屋外側(躯体側から離間する側)に位置する挿通孔604及び螺子孔572には螺子92が設けてある。
【0049】
第1部材5と第2部材6とが連結された状態において、第1部材5の上面部50の屋外側先端の高さ位置は、第2部材6の屋内側見付面部62の下端の開口621内に位置しており、図示の態様では、第1部材5の上面部50と第2部材6の中間下面部65とが同じ勾配の傾斜面を形成している。
【0050】
[C-3-2]下枠(第2部材)とガイドレール下地枠の連結
ガイドレール下地枠2に設けた連結要素27の水平片270は、第2部材6の上面部60に当接しており、水平片270に形成した挿通孔272が、屋内側(躯体側)に位置する挿通孔604及び螺子孔572と一致しており、屋内側の螺子93で、連結要素27の水平片270と、第2部材6の上面部60と、第1部材5の側板53に設けた連結要素57の水平片570が連結されている。既述の通り、第2部材6の上面部60は、第1部材5の側板53に設けた連結要素57の水平片570に載置し、が螺子92によって連結されている。第2部材6の開口幅方向の両端部は、第1部材5の側板53及びガイドレール下地枠2によって支持されており、より強固に第2部材6の位置が保持されている。
【0051】
[C-3-3] 下枠(第2部材)とカバーの連結
第2部材6の上端部位にはカバー7が着脱可能に設けられる。カバー7の屋内側垂下辺71の下端部位が第2部材6の屋内側端の凹部内に位置して、屋内側垂下辺71の下端の係止片710が係止部68に係止している。カバー7の屋外側垂下辺72の下端の係止部720が、第2部材6の外側端の凹部内に位置して、係止部69に係止している。カバー7の中間垂下辺73の下端は第2部材6の上面部60に当接している。カバー7の上面部70の長さ方向(開口幅方向)両端部の切り欠き部は連結要素27が設けられた位置に対応している。
【0052】
カバー7を第2部材6の上端部位に係着させて被せた状態において、カバー7の上面部70の挿通孔704と、第2部材6の上面部60の螺子孔605が一致しており、螺子94によって、カバー7の上面部70を、第2部材6の上面部60に連結する。屋外側の螺子92はカバー7の上面部70によって隠蔽されている。カバー7の上面部70は、屋外側の床面(デッキ)FLと同じ高さ位置にあり、フラットな納まりとなっている。
【0053】
[C-3-4] 下枠(第1部材)と窓サッシ枠(下枠)との連結
窓サッシ枠の下枠8は、窓開口部の下方躯体W3に取り付けられる。図では窓サッシ枠の下枠8の輪郭のみを示しているが、窓サッシ枠(下枠8を含む)はアルミ型材から形成されている。窓サッシ枠の下枠8は、上面80と、屋外側見付面81と、下面82と、下面82の躯体側から垂下する垂下片83と、を備えている。上面80には、レール800が立ち上がり形成されており、下面82の先端側には、先端の当接片820と、当接片820の躯体側に隣接する被掛止片821が形成されている。
【0054】
窓サッシ枠の下枠8の先端側部位は、被掛止片821に下枠4の第1部材5の上面部50の掛止片56を掛止させ、当接片820に第1部材5の上面部50を当接させた状態で、躯体側部位が、下方躯体W3の屋外側部位の上面W3´´(図2参照)に支持されている。図示の態様では、窓サッシ枠8の下枠8のレール800の上端の高さ位置は、カバー7の上面部70の高さ位置と略同じである。
【0055】
図2に雨水の流路を示している。カバー7の段部700と窓サッシ枠の下枠8の屋外側見付面81の隙間から浸水した雨水ないし水滴は、第2部材6の屋内側見付面部62の下端の開口621から第2部材6の中空部内に入り、第2部材6の傾斜状の中間下面部65、下面部61の傾斜状の屋外側下面部611を伝って、屋外側下面部611の先端に形成した水抜き用の開口6110から排水される。この時、第2部材6の下端延出片6310が雨水ないし水滴のガイド面として機能する。第1部材5の上面部50の屋内側立ち上がり片500が窓サッシ枠の下枠8の垂下片83に重なるように位置することで、窓サッシ枠の下枠8の垂下片83と第1部材5の基端の見付面部52の当接部からの雨水等の浸水を抑制している。
【0056】
[D]下枠の取り付け工程
図12を参照しつつ、下枠4の下方躯体W3への取付について説明する。第1部材5を、窓サッシ枠の下枠8の下方の空間に差し込んで、基端の見付面部52を下方躯体W3の見付面W3´に当接させ、上面部50の掛止片56を窓サッシ枠の下枠8の被掛止片821に係止させ、上面部50に窓サッシ枠の下枠8の当接片820を当接させた状態で、見付面部52を螺子90で下方躯体W3の見付面W3´に取り付ける。第1部材5の係止凹部54は、窓サッシ枠の下枠8の屋外側見付面81よりも屋外側に位置している。
【0057】
第2部材6を、屋内側部位を下方に少し傾斜させた傾斜姿勢とし、屋内側見付面部62(主面部62´)の長さ方向(開口幅方向)両端部位の開口620から第1部材5の側板53に設けた連結要素57を挿通させながら、屋内側部位を第1部材5の本体部の屋外側部位に近づけていく。さらに、第2部材6の屋内側見付面部62(主面部62´)の下端の第2係止片67を第1部材5の係止凹部54内に入れながら、第2係止片67を係止凹部54の第1係止片541に係止させるように近づけていく。
【0058】
第2部材6の第2係止片67の先端を第1部材5の係止凹部54の第1係止片541の先端に近接ないし当接させ、係止凹部54の屋外側立ち上がり辺544の上端に第2部材6の中間下面部65を当接させ、第2部材6の上面部60(傾斜姿勢にある)が連結要素57の水平片570の屋内側部位に当接し、第2部材6の第2当接部64が第1部材5の第1当接部55に離間対向した状態から、第2部材6を上面部60が水平となるように回転させながら屋内側(躯体側)へ少し押し込むことで、係止凹部54の屋外側立ち上がり辺544の上端に第2部材6の中間下面部65が当接した状態で、第2部材6の第2係止片67が第1部材5の係止凹部54の第1係止片541に係止し、第2部材6の第2当接部64が第1部材5の第1当接部55に当接し、第2部材6の上面部60が連結要素57の水平片570に載置した状態となる。当接状態にある第2部材6の第2当接部64と第1部材5の第1当接部55を螺子91で連結する。
【0059】
当接状態にある第2部材6の第2当接部64と第1部材5の第1当接部55を螺子91で連結する時に、第1当接部55は、第1部材5の下面部51の屋外側端部から屋外側に向かって傾斜状に立ち上がる立ち上がり片であり、第2当接部64は、第2部材6の屋内側下面部610の屋内側端部から屋内側に向かって下向き傾斜状に延びる立ち上がり片であり、第2連結部Bは、下端延出片6310を避けて、斜め下方から躯体側に向けて螺子91を打ち込むことができ、作業性が良好である。また、第1部材5と第2部材6からなる下枠4の屋外側のウッドデッキ等の床面の高さが低いような納まり、もしくは、ウッドデッキ等がない場合には、下端延出片6310が螺子91の目隠しとして機能する。
【0060】
本実施形態において、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられた下枠4は、下側躯体W3に取り付けられた第1部材5と、第1部材5の屋外側部位に取り付けられる第2部材6と、から構成され、第1部材5と第2部材6は、第1係止片541と第2係止片67が係止された上側の第1連結部Aと、第1当接部55と第2当接部64が当接して螺子91固定された下側かつ屋内側の第2連結部Bで連結されている。第2連結部Bは、螺子91を用いるものであるが、第2連結部Bの位置は、第1部材5の下方の奥まった部位にあることから、螺子91が外部に露出することがなく意匠性に優れる。
【0061】
第2部材6の上面部60が、第1部材5の側板53の屋外側部位の内面に設けた連結要素57の水平片570に載置した状態で螺子92、93で連結されている。連結要素57は、第1部材5に第2部材6を取り付ける際の位置決め要素としても機能する。
【0062】
本実施形態では、下枠4が躯体に取り付けられた状態において、第1部材5の上面部50の掛止片56を窓サッシ枠の下枠8の被掛止片821に掛止することで窓サッシ枠の下枠8に支持されており、第1部材6の上面部60がガイドレール下地枠2の側辺20の下端に設けた連結要素27の水平片270に当接した状態で螺子93で連結されている。
【符号の説明】
【0063】
2 ガイドレール下地枠
20 側辺
27 連結要素(第2連結要素)
270 水平片
4 下枠
5 第1部材
50 上面部
51 下面部
53 側板
54 係止凹部
541 第1係止片(第1係止部)
542 屋内側立ち上がり辺
543 底辺
544 屋外側立ち上がり辺
55 第1当接部
56 掛止片
57 連結要素(第1連結要素)
570 水平片
6 第2部材
60 上面部
61 下面部
610 屋内側下面部
611 屋外側下面部
62 屋内側見付面部
62´ 屋内側見付面部の主面部
620 開口
64 第2当接部
65 中間下面部
66 下側見付面部
67 第2係止片(第2係止部)
7 カバー
8 下枠(窓サッシ枠)
821 被掛止片
91 螺子(固定手段)
92 螺子(第1固定手段)
93 螺子(第1固定手段、第2固定手段、共通の螺子)
A 第1連結部
B 第2連結部
W1 上方躯体
W2 側方躯体
W3 下方躯体
W3´ 下方躯体の見付面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12