(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134646
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】固定体装置
(51)【国際特許分類】
H02G 3/02 20060101AFI20240927BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20240927BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H02G3/02
H02G3/04 037
F16B5/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044944
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】松田 翔平
【テーマコード(参考)】
3J001
5G357
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA08
3J001JD15
3J001KB04
5G357CA06
5G357CB01
5G357CC03
5G357CC05
5G357CF03
5G357DA06
5G357DB01
5G357DC02
5G357DD02
5G357DD06
5G357DF03
(57)【要約】
【課題】
ダクト等の被固定体に固定体を固定するに際して、周辺の障害物の存否又は作業者の趣向により、二つの固定方法からいずれかを選択して、固定可能とする。
【解決手段】
被固定体であるライティングダクトRに取着される固定体F
1 を、当該ライティングダクトRに直接に固定される固定基台Vと、当該固定基台Vに組付け可能な固定体本体である配線ボックスBとに分割することで、当該配線ボックスBを固定基台Vと一体にした状態で前記ライティングダクトRに固定する第1固定方法と、当該ライティングダクトRに固定基台Vを固定した後に、当該固定基台Vに配線ボックスBを組み付ける第2固定方法とを選択可能にする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された各対向先端部の間に溝部が形成された一対の対向板部を有する被固定体に、当該溝部を利用して直接に係合固定される固定基台と、当該固定基台に一体に組み付けられて、前記被固定体の溝部が存在する表面側に固定される固定体本体と、から成る固定体装置であって、
前記固定基台は、
前記固定体本体が組み付けられる被組付け部と、前記被固定体の溝部に挿入配置される軸部と、当該軸部における前記被組付け部と反対の先端側に形成されて、前記被固定体の一対の対向板部の裏面側に挿入状態で係合される係合部とを備え、前記溝部に挿入配置された前記軸部を軸心とした当該固定基台の回動により、前記係合部が前記一対の対向板部に係合することで前記被固定体に単独で固定可能であり、
前記固定体本体は、前記被固定体に固定された前記固定基台に対して組付け可能な組付け部を備え、
前記固定体本体の組付け部は、前記固定基台と当該固定体本体とを組み付けた状態で、当該固定基台の軸部の軸心の仮想延長線上に位置し、
前記固定体本体は、前記被固定体に対して非固定状態及び固定状態の双方の状態で、互いの組付け部及び被組付け部を介して一体に組付け可能にすることで、
前記被固定体に対する前記固定体本体の固定は、予め当該固定体本体を一体に組み付けた前記固定基台を前記被固定体に固定する方法と、予め前記固定基台を前記被固定体に固定した後、当該固定基台に対して固定体本体を一体に組み付けて固定する方法との二つから選択可能であることを特徴とする固定体装置。
【請求項2】
前記被組付け部及び組付け部は、互いに螺着可能な雄ねじ部と雌ねじ部との組合せで構成され、その螺回動軸は、前記被固定体の溝部に対する前記固定基台の係合部の挿入方向に沿っていて、当該雄ねじ部と前記雌ねじ部との螺回動方向は、前記被固定体に対する前記固定基台の固定時における回動方向と一致していることを特徴とする請求項1に記載の固定体装置。
【請求項3】
前記固定体本体と前記固定基台とは、互いに係止して、当該固定体本体の組付け部の螺回動方向に前記固定体本体と前記固定基台とが相対回動するのを規制する回動規制部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の固定体装置。
【請求項4】
前記固定体本体は、有底箱状をなし、前記固定基台には、前記固定体本体の周壁の貫通孔に対して外側から挿入して、当該固定体本体の内側に突出配置される前記雄ねじ部を有し、当該雄ねじ部は、前記固定体本体の内部においてナット体の前記雌ねじ部と螺合されることで、前記固定体本体と前記固定基台とが組付け可能であり、
前記固定基台の雄ねじ部の基端部には、前記固定体本体の底板外面との間に介在されて、前記固定体本体の回動に追従して前記固定基台が一体に回動するような摩擦抵抗を付与する滑止め部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の固定体装置。
【請求項5】
前記被固定体は、一対の前記対向板部を先端に有する一対の側板と、前記溝部と対向して前記一対の側板を繋ぐ底板とが、長手方向に連続する長尺状であり、
前記固定体本体の平面形状は、前記被固定体の外幅よりも広い部分を有する非円形であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の固定体装置。
【請求項6】
前記固定基台には、前記被固定体に固定配置された状態から、前記軸部を回動軸心とする逆方向への回動の抵抗となるように作用して、前記被固定体に当接する逆回動規制部を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の固定体装置。
【請求項7】
前記逆回動規制部は、前記被固定体の溝部内に入り込ませる棒状体と、当該棒状体を取付けるために前記固定基台に設けられた取付け部と、から成り、
前記固定基台のみが前記被固定体に固定された状態においてのみ、当該棒状体を前記取付け部に対して着脱可能にしたことを特徴とする請求項6に記載の固定体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被固定体の一対の対向板部の間の溝部を利用して、当該被固定体に固定体を固定するための固定体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スライドレール状の配線ダクトやライティングダクト(登録商標)等のダクトレールの長手方向に連続する溝部に吊下げ状態で固定されるものの一つとして、吊りフックが存在する(特許文献1)。ダクトレールに対して吊りフックを固定するには、当該吊りフックの上端に一体に設けられた長方形板状の係合板部を、前記ダクトレールの溝部に挿入した後に、吊りフックの全体を所定方向に回動させることで、前記係合板部を当該ダクトレールに係合させている。
【0003】
従って、吊りフックの最大幅がダクトレールの幅よりも小さい場合には、吊りフックは、壁等の周辺部材と干渉することなく回動させられるので問題はない。しかし、吊りフックの最大幅がダクトレールの幅よりも大きいために、吊りフックの回動時に周辺部材と干渉する場合には、ダクトレールに対する吊りフックの固定が不能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ダクトレール等の被固定体に固定体を固定するに際して、周辺の障害物の存否又は作業者の趣向により、二つの固定方法からいずれかを選択して、固定可能とすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、
対向配置された各対向先端部の間に溝部が形成された一対の対向板部を有する被固定体に、当該溝部を利用して直接に係合固定される固定基台と、当該固定基台に一体に組み付けられて、前記被固定体の溝部が存在する表面側に固定される固定体本体と、から成る固定体装置であって、
前記固定基台は、
前記固定体本体が組み付けられる被組付け部と、前記被固定体の溝部に挿入配置される軸部と、当該軸部における前記被組付け部と反対の先端側に形成されて、前記被固定体の一対の対向板部の裏面側に挿入状態で係合される係合部とを備え、前記溝部に挿入配置された前記軸部を軸心とした当該固定基台の回動により、前記係合部が前記一対の対向板部に係合することで前記被固定体に単独で固定可能であり、
前記固定体本体は、前記被固定体に固定された前記固定基台に対して組付け可能な組付け部を備え、
前記固定体本体の組付け部は、前記固定基台と当該固定体本体とを組み付けた状態で、当該固定基台の軸部の軸心の仮想延長線上に位置し、
前記固定体本体は、前記被固定体に対して非固定状態及び固定状態の双方の状態で、互いの組付け部及び被組付け部を介して一体に組付け可能にすることで、
前記被固定体に対する前記固定体本体の固定は、予め当該固定体本体を一体に組み付けた前記固定基台を前記被固定体に固定する方法と、予め前記固定基台を前記被固定体に固定した後、当該固定基台に対して固定体本体を一体に組み付けて固定する方法との二つから選択可能であることを特徴としている。
【0007】
請求項1の発明によれば、被固定体に対して固定体本体を固定するには、以下の二つの固定方法から選択可能である。第1固定方法は、固定基台の被組付け部に対して固定体本体の組付け部を組み付けて、固定基台と固定体本体とが一体化された状態で、固定基台の係合部を被固定体の溝部に挿入して、固定基台と固定体本体とが一体化された状態で、全体を所定方向に回動させて、固定基台の係合部を被固定体の一対の対向板部の裏面側に配置させて係合させることで、被固定体に対して固定基台を介して固定体本体が固定される。第1固定方法は、固定体本体に固定基台が一体に組み付けられた状態で、一回の回動操作で、被固定体に対して固定体本体を固定できるので、固定体の固定作業の作業性が高められる。
【0008】
第2固定方法は、被固定体の溝部に固定基台の係合部を挿入した状態で、当該固定基台を所定方向に回動させて、被固定体に対して固定基台のみを単独で固定した後に、当該固定基台の被組付け部に対して固定体本体の組付け部を組み付けることで、被固定体に対して固定基台を介して固定体本体が固定される。第2固定方法によれば、固定体本体を回動させる必要がないので、周辺部材と干渉することなく、被固定体に対して固定体本体を取着できるのに加えて、固定体本体は、必要な配置姿勢にして、固定基台に組付け可能であるため、固定体本体の配置姿勢が確実に定められる。
【0009】
このように、請求項1の発明によれば、壁等の周辺部材との関係において、被固定体に対する固定体の二つの固定方法のいずれかを選択できるため、被固定体に対する固定体の固定作業の自由度が高まって、固定体本体が周辺部材と干渉することなく、被固定体に対して固定体を確実に固定できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記被組付け部及び組付け部は、互いに螺着可能な雄ねじ部と雌ねじ部との組合せで構成され、その螺回動軸は、前記被固定体の溝部に対する前記固定基台の係合部の挿入方向に沿っていて、当該雄ねじ部と前記雌ねじ部との螺回動方向は、前記被固定体に対する前記固定基台の固定時における回動方向と一致していることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、前記被組付け部と前記組付け部の締結方向は、前記被固定体に対する前記固定基台の固定時における回動方向と一致しているので、前記第2固定方法により、被固定体に対して固定体本体を固定する場合において、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部との螺回動方向は、被固定体に対する固定基台の係合強度を増す方向であるため、固定基台と固定体本体とが、とも廻りして被固定体に対する固定基台の固定が緩んだり、解除されたりしない。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記固定体本体と前記固定基台とは、互いに係止して、当該固定体本体の組付け部の螺回動方向に前記固定体本体と前記固定基台とが相対回動するのを規制する回動規制部を備えていることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明によれば、前記第1及び第2のいずれの固定方法においても、前記被組付け部及び組付け部を構成する雄ねじ部と雌ねじ部の螺合時において、固定基台と固定体本体のとも廻りを規制できて、当該螺合の作業性が高められると共に、被固定体に対して固定体本体が固定基台を介して取着されている状態において、固定体本体を取り外す場合に、固定体本体の空回りにより、当該取外しが困難又は不能となるのを防止できる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記固定体本体は、有底箱状をなし、前記固定基台には、前記固定体本体の周壁の貫通孔に対して外側から挿入して、当該固定体本体の内側に突出配置される前記雄ねじ部を有し、当該雄ねじ部は、前記固定体本体の内部においてナット体の前記雌ねじ部と螺合されることで、前記固定体本体と前記固定基台とが組付け可能であり、
前記固定基台の雄ねじ部の基端部には、前記固定体本体の底板外面との間に介在されて、前記固定体本体の回動に追従して前記固定基台が一体に回動するように摩擦抵抗を付与する滑止め部材が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の「とも廻り」が防止されるのに加えて、固定体本体が有底箱状であるために、被固定体がライティングダクトであって、当該ライティングダクトに照明器具を吊下げ固定する場合において、有底箱状の固定体本体の内部に、当該照明器具のケーブルの余長やACアダプタ等の電気配線に必要な部材又は機器を収容できるため、見栄えが良くなる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記被固定体は、一対の前記対向板部を先端に有する一対の側板と、前記溝部と対向して前記一対の側板を繋ぐ底板とが、長手方向に連続する長尺状であり、
前記固定体本体の平面形状は、前記被固定体の外幅よりも広い部分を有する非円形であることを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明によれば、被固定体が長尺状であるため、長手方向に沿った任意の位置に固定体本体を固定可能である。また、固定体本体の平面形状は、前記被固定体の外幅よりも広い部分を有する非円形であって、前記被固定体に当該固定体本体を回動させて固定する際の回動領域が、当該固定体本体の配置領域の範囲を超えていて、前記第1固定方法では、固定体本体が、その回動時に周辺部材が干渉する場合においても、前記第2固定方法により、被固定体に対して固定体本体を取着できる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記固定基台には、前記被固定体に固定配置された状態から、前記軸部を回動軸心とする逆方向への回動の抵抗となるように作用して、前記被固定体に当接する逆回動規制部を備えていることを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明によれば、被固定体に対して固定体本体に取着された状態において、前記固定基台の係合部の係合を解除する方向の外力が当該固定体本体に加わっても、前記固定基台が備える逆回動規制部により、当該解除を防止できる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記逆回動規制部は、前記被固定体の溝部内に入り込ませる棒状体と、当該棒状体を取付けるために前記固定基台に設けられた取付け部と、から成り、
前記固定基台のみが前記被固定体に固定された状態においてのみ、当該棒状体を前記取付け部に対して着脱可能にしたことを特徴としている。
【0021】
請求項7の発明によれば、被固定体に取着された固定基台に固定体本体が組み付けられた状態では、固定基台の取付け部に対する棒状体の着脱は不能であって、固定体本体の設置状態(取着状態)において、被固定体に対する固定基台の係合が緩んだり、解除されたりしないので、使用の安全性を確保できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、被固定体に固定される固定体を、当該被固定体に直接に固定される固定基台と、当該固定基台に一体に組み付けられる固定体本体とに分断し、前記被固定体に対して固定体本体を一体に組み付けた状態で、当該被固定体に対して固定基台を固定することで、壁等の周辺部材との関係において、当該被固定体に対して固定体本体を固定する第1固定方法と、当該被固定体に対して固定基台を固定した後に、当該固定基台に対して固定体本体を一体に組み付けることで、当該被固定体に対して固定体本体を固定する第2固定方法とを選択できるので、被固定体に対する固定体の固定作業の自由度が高まって、固定体本体が周辺部材と干渉することなく、被固定体に対して固定体を確実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ライティングダクトRに対して固定基台Vを介して配線ボックスB及び固定台座Dが固定された状態の斜視図である。
【
図2】(a),(b)は、それぞれ配線ボックスBを開口側及び底板側から見た斜視図である。
【
図3】(a),(b)は、それぞれ配線ボックスBの底板2に固定基台Vを取着する前後の斜視図である。
【
図4】底板2に固定基台Vが取着された配線ボックスBと、当該配線ボックスBが固定されるライティングダクトRとの関係を示す斜視図である。
【
図5】(a),(b)は、ライティングダクトRに予め固定された固定基台Vに対して配線ボックスBを取着して、当該ライティングダクトRに配線ボックスBを固定する状態の前後を示す斜視図である。
【
図6】ライティングダクトRに固定基台Vを介して配線ボックスBが固定された状態の当該ライティングダクトRの幅方向に沿った縦断面図である。
【
図8】配線ボックスBと固定基台Vとを一体化させた状態で、当該配線ボックスBを回動させてライティングダクトRに固定する際に、ライティングダクトRに近接して存在する障害物Kと配線ボックスBとが干渉することを示す平面図である。
【
図9】(a),(b)は、それぞれ固定基台Vを斜上方及び斜下方から見た斜視図である。
【
図10】(a)~(e)は、それぞれ固定基台Vの左側面図、平面図、右側面図、正面図及び底面図である。
【
図11】(a)は、固定基台Vの縦断面図であり、(b),(c)は、それぞれ(a)のX
1 -X
1 線及びX
2 -X
2 線の各断面図である。
【
図12】(a)~(c)は、それぞれライティングダクトRに対して固定基台Vを90°だけ回動させて固定する場合において、回動開始時、回動途中及び回動終了時における当該固定基台Vの縦断面図、当該固定基台Vを下方から見た図〔(a)のY
1 矢視図〕及び軸部33のみの横断面図〔(a)のY
2 ーY
2 線断面図〕である。
【
図13】固定台座Dと、当該固定台座DをライティングダクトRに組み付けるための一体化ボルト54との斜視図である。
【
図14】(a)は、固定台座Dを下方から見た斜視図であり、(b)は、同じく取付け板部63の部分の縦断面図であり、(c)は、一般部の縦断面図である。
【
図15】ライティングダクトRに係合固定された固定基台Vと、当該固定基台Vに一体化ボルト54を介して組み付けられる固定台座Dの斜視図である。
【
図16】(a),(b)は、それぞれ固定台座Dが固定基台Vを介してライティングダクトRに固定された状態における当該ライティングダクトRの長手方向及び幅方向から見た図であり、(c)は、同(b)の状態の縦断面図である。
【
図17】固定基台Vと固定台座Dとを一体化して、ライティングダクトRに固定する第2固定方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、複数の最良の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
【実施例0025】
最初に、
図1~
図12を参照して、被固定体であるライティングダクトRに固定基台Vを介して固定体本体である配線ボックスBが固定する本発明の実施例1について説明する。配線ボックスBは、
図1、
図5~
図7に示されるように、有底箱状であって、長尺状のライティングダクトRに固定基台Vを介して固定される。当該ライティングダクトRに対して固定される固定体F
1 は、ライティングダクトRに直接に固定される前記固定基台Vと、当該固定基台Vに対して一体に組み付けられる配線ボックスBとから成る。このように、ライティングダクトRに固定される固定体本体(配線ボックスB)と、固定基台Vとに二分割されているため、ライティングダクトRに対する固定体F
1 の固定方法としては、配線ボックスBに対して固定基台Vが一体に取着された状態で、両者B,Vを一体にして回動させることで、当該ライティングダクトRに固定する第1固定方法と、当該ライティングダクトRに予め固定基台Vを回動により係合固定しておき、その後に、当該固定基台Vに対して固定体本体である配線ボックスBを一体に組み付けて固定する第2固定方法とを選択できる。当該選択の基準は、前記第1固定方法によりライティングダクトRに固定体F
1 を固定する際に、固定体本体である配線ボックスBの回動により、当該配線ボックスBが周辺部材に干渉するか否かの点が主体であって、他の基準として、作業者固有の作業に対する趣向性(当該作業者にとって、どの固定方法がなじみ易いかという性癖)がある。
【0026】
固定体本体である配線ボックスBと固定基台Vとから成る固定体F
1 が吊下げ状態で固定される長尺状のライティングダクトRは、金属の押出成形品で形成され、店舗等において天井面から照明器具類を吊り下げるために使用される既存の部材であって、
図4及び
図6に示されるように、対向配置された一対の側板1の一端部が底板2で連結され、その他端部には、内側に向けて各対向先端部の間に溝部3が形成されるように、一対の対向板部4が前記底板2と平行に形成されている。一対の側板1の内側の高さ方向の中間部には、一対の給電バス取着部5が突出状態で対向配置され、各給電バス取着部5の先端部には、照明器具類に給電する給電バス(図示せず)がそれぞれ配置される。なお、一対の側板1の一方は、対向板部4に対して底板2と反対側に僅かに突出した突出部は、前記給電バスの配線時における極性の誤りを防止するためのものである。
【0027】
前記ライティングダクトRに固定される固定体を構成する固定体本体である配線ボックスBは、樹脂の射出成形品であって、
図1~
図4に示されるように、有底の正方形箱状であって、計4個の各側壁11には、電線が挿通される1又は2個の電線挿通孔12が形成され、不使用の電線挿通孔12は、配線ボックスBの外側に配置される雄ねじ筒部13a を備えたキャップ体13と、同じく外側に配置されるリングスペーサ14と、当該配線ボックスBの内側に配置されるリングナット体15とを組み付けて覆われる。即ち、キャップ体13の雄ねじ筒部13a の外側に前記リングスペーサ14を嵌め込んで、鍔部13bの内側に配置させた状態で、配線ボックスBの外側から、当該キャップ体13の雄ねじ筒部13a を前記電線挿通孔12に挿通して、当該電線ボックスBの内側において、キャップ体13の雄ねじ筒部13a に対してリングナット体15を螺合させて、当該リングナット体15と、キャップ体13の鍔部13b及びリングスペーサ14とで、配線ボックスBの側壁11を挟持することで、電線挿通孔12が閉塞される。
【0028】
配線ボックスBの計4枚の側壁11の一端側の開口は底壁16で閉塞され、他端側(表面側)の開口17は、そのまま開口されていて、当該配線ボックスB内に電線の余長部等を収容した後に、計4枚の側壁11の各コーナー部における前記開口17の僅かに内側に配置された各閉塞板当接部18に、表面側から閉塞板21を当接させて、当該閉塞板21の各コーナー部と前記各閉塞板当接部18とをビス22で締結すると、配線ボックスBの開口17は、閉塞板21で閉塞される。なお、有底箱状の配線ボックスBにおいて、計4個の側壁11と、当該各側壁11で形成されて、一方の開口する閉塞する底壁16とで形成される部分を「周壁」と称し、上記では、底壁16の電線挿通孔24を利用して、配線ボックスBに対して固定基台Vを組み付けているが、側壁11の電線挿通孔24を利用して、配線ボックスBの側壁11に固定基台Vを組み付けてもよい。
【0029】
配線ボックスBの底壁16の中央部には、ノックアウト構造のノックアウト板部23が設けられ、当該ノックアウト板部23をノックアウト(衝撃破断)することで、電線挿通孔24〔
図3(a)参照〕が形成され、当該電線挿通孔24に後述の固定基台Vの雄ねじ筒部52を挿通して内部から前記リングナット体15と螺合させることで、配線ボックスBは、固定基台Vを介してライティングダクトRに固定される。底壁16における一方の対向する各側板1の内側には、配線ボックスBを固定バンド(図示せず)を用いて柱類に固定する際に、当該固定バンドを挿通するための一対の固定バンド挿通部25が形成されている。なお、
図2において23’は、ノックアウト板部23をノックアウトして発生したノックアウト片を示す。
【0030】
次に、
図9~
図12を参照して、固定体本体である前記配線ボックスBをライティングダクトRに固定するための固定基台Vについて説明する。固定基台Vは、ライティングダクトRに固定された状態で、その一対の対向板部4を内外から挟持するように配置される内側係合板部31と外側係合板部32は、ライティングダクトRの一対の対向板部4の板厚に対応した間隔をおいて互いに平行に配置されて、軸部33を介して一体に連結された形状となっている。内側係合板部31は、長方形板の一方の対角線方向に沿って対向する各コーナー部にアール面取り部31aが形成された形状であって、内側係合板部31の短辺の長さL
1 〔
図10(b)参照〕は、ライティングダクトRの溝部3の内幅W(
図6参照)に対応していて、当該溝部3に僅かの嵌合代を有して挿入可能な寸法であり、内側係合板部31の長辺の長さL
2 〔
図10(b)参照〕は、当該内側係合板部31がライティングダクトRの一対の対向板部4の内側において、その幅方向に沿って挿入配置可能なように、前記溝部3の幅よりも遥かに大きくて、当該ライティングダクトRの内部空間の幅よりも小さくなっている。
図10(b)に示されるように、前記内側及び外側の各係合板部31,32の短辺及び長辺は、同方向に配置され、各長辺の長さは、同一であるが、短辺の長さに関しては、内側係合板部31の方が僅かに小さくなっている。
【0031】
内側係合板部31は、全体が板状であるが、外側係合板部32は、長辺方向の両端部が僅かに弾性変形して、ライティングダクトRの一対の対向板部4の外面に密着し易いように、長辺方向に沿って両端部の内側に短辺方向に沿った溝部34a,34bが形成され、当該外側係合板部32における一方の溝部34aの側には、当該外側係合板部32よりも狭幅で、かつ薄肉の弾性変形板部35が、当該外側係合板部32の長辺方向に沿って突設されて、当該弾性変形板部15の先端部(自由端部)には、ライティングダクトRの溝部3に前記軸部33を挿入して固定基台Vの全体を所定方向に回動させて、当該ライティングダクトRに対して固定基台Vを係合固定させる際に、当該固定基台Vの回動終端に達した状態で、当該ライティングダクトRの側板1に当接されて、当該固定基台Vの逆回動を規制する逆回動規制突起35aが、当該外側係合板部32の短辺方向に沿って形成されている。
【0032】
長方形板状の内側及び外側の各係合板部31,32は、その対角線の交点部において軸部33で一体に連結されている。当該軸部33は、ライティングダクトRの溝部3に僅かの嵌合代を有して挿入される長さの辺で4辺が形成された正方形板状の部材における前記内側係合板部31に設けられた一対のアール面取り部31aと同一の対角線方向の各コーナー部にアール面取り部33a〔
図11(b)参照〕が形成されている。固定基台Vの軸部33及び内側係合板部31の一方の対角線方向の各コーナー部にアール面取り部33a,31aを設けたのは、ライティングダクトRの溝部3を通して、長辺方向が当該ライティングダクトRの長手方向に沿った状態で内側係合板部31が当該ライティングダクトRの内部に挿入配置されると共に、当該ライティングダクトRの溝部3に前記軸部33が、一辺を当該ライティングダクトRの長手方向に沿わせて挿入配置された状態において、固定基台Vを、ライティングダクトRの下方から見て時計方向に90°回動させて、当該ライティングダクトRに対して固定基台Vを係合固定する際に、軸部33の上記方向の回動を可能にすると共に、当該回動時において内側係合板部31の一方の対角線方向の各コーナー部が、ライティングダクトRの一対の対向板部4の対向先端部に引っ掛かるのを規制して、固定基台Vの円滑な回動を可能にするためである。
【0033】
外側係合板部32における内側係合板部31と反対側(ライティングダクトRに固定基台Vが係合固定された状態で下側)には、平板状の第1及び第2の各中間板部36,37が、後述の方形厚板状のナット体39の板厚よりも僅かに大きな間隔をおいて一体に設けられている。即ち、
図9及び
図11に示されるように、第1及び第2の各中間板部36,37は、一対の対向連結板部38a及び奥側連結板部38bにより一体に連結され、奥側連結板部38bと対向する開口は、ナット体39の挿入開口42を形成していて、第1及び第2の各中間板部36,37の間に、ナット体39に対応した平面形状が方形状のナット体挿入空間43が形成されている。外側係合板部32の側の第1中間板部36における内側係合板部31の長辺に沿った辺の一端部には、当該内側係合板部31の短辺に沿った方向に第1突出板部44が突出されて、当該第1突出板部44には、ライティングダクトRに係合固定された固定基台Vが逆方向に回動するのを規制する逆回動規制ビス45〔
図5(a)参照〕が螺合されるビス下孔46が形成されている。第2中間板部37における第1中間板部36の第1突出板部44が形成された側と反対側には、第2突出板部47が、当該第2中間板部37における前記内側係合板部31の長辺方向に沿った中央部に、当該内側係合板部31の短辺方向に突出して形成されている。当該第2突出板部47には、予め配線ボックスBに対して固定基台Vを一体に連結した状態で、その全体を回動させて、ライティングダクトRに係合固定させる際に、当該配線ボックスBと固定基台Vとが相対的に回動するのを防止するために、配線ボックスBと固定基台Vとを回動方向に沿って一体化させる一体化ビス48(
図4参照)が挿入されるビス挿通孔51が形成されている。
【0034】
第2中間板部37におけるナット体挿入空間43と反対側には、外周面に雄ねじが形成された雄ねじ筒部52が一体に形成されている。当該雄ねじ筒部52における直径方向に沿って対向する部分は、当該雄ねじ筒部52の全長に亘って欠落されていて、当該欠落部は、配線ボックスBとは別の固定体本体である固定台座Dの上面に直径方向に設けられた取付け板部63を挿入係止させることで、当該固定台座Dと固定基台Vとが一体化された状態で、当該固定台座DをライティングダクトRに係合固定する際に、当該固定台座Dと固定基台Vとが相対回動するのを防止する一対の係止開口53となっている。
【0035】
固定基台Vの前記軸部33の回動軸心Cは、前記雄ねじ筒部52の軸心と一致していて、ライティングダクトRに対して固定基台Vを回動させて係止固定する際には、当該固定基台Vは、前記回動軸心Cを中心にして回動する。内側及び外側の各係合板部31,32、軸部33、第1及び第2の各中間板部36,37には、前記固定台座Dと固定基台Vとを一体化させる一体化ボルト54を挿通させるボルト挿通孔55が前記回動軸心Cを中心として形成されている。
【0036】
次に、固定基台Vを介してライティングダクトRに対して配線ボックスBを固定するための2つの固定方法について説明する。第1固定方法は、
図3及び
図4に示されるように、配線ボックスBと固定基台Vとを一体化しておき、この状態で、一体化された配線ボックスBと固定基台Vとの全体を所定方向に回動させることで、ライティングダクトRに対して固定基台Vを介して配線ボックスBを固定する方法である。即ち、
図3に示されるように、固定基台Vの雄ねじ筒部52の外側に滑止めスペーサ40を外嵌した状態で、配線ボックスBの外側から、その電線挿通孔24に、固定基台Vの雄ねじ筒部52を挿入して、当該配線ボックスBの内側において、当該配線ボックスB内に挿入された固定基台Vの雄ねじ筒部52に対してリングナット体15を螺回転させて螺合させると、
図3(b)及び
図4に示されるように、固定基台Vの第2中間板部37とリングナット体15とによって、配線ボックスBの底板2と滑止めスペーサ40とが挟持されることで、配線ボックスBに対して固定基台Vが螺着構造により取着される。実施例1の滑止めスペーサ40としては、側壁11のリングスペーサ14が使用されているが、異なるものであってもよく、実施例1では、後述の逆回動規制ビス45が使用されているため、なくてもよい。
【0037】
前記滑止めスペーサ40は、リングナット体15の螺回転の完了直前において、固定基台Vの第2中間板部37及び配線ボックスBの底壁16との間に摩擦抵抗を発生させて、固定基台Vと配線ボックスBとの相対回動を規制して、配線ボックスBの回動に追従して固定基台Vを一体に回動させる機能を有する。従って、実施例1では、滑止めスペーサ40として、リングスペーサ14を使用しているが、固定基台Vの第2係合板部37及び配線ボックスBの底壁16との直接接触面に大きな抵抗を有する突起を備えたものを使用すると一層好適である。
【0038】
第1固定方法では、固定基台Vを介してライティングダクトRに配線ボックスBが固定された状態において、当該ライティングダクトRに対する配線ボックスBの配置姿勢を予め定めておく。即ち、固定基台Vの長方形板状の内側係合板部31の長辺及び短辺の双方の方向を、正方形箱状の配線ボックスBの各辺に平行に配置するために、固定基台Vの第2中間板部37のビス挿通孔51に一体化ビス48を挿通して、当該一体化ビス48を配線ボックスBの底板2に螺合させることで、配線ボックスBと固定基台Vとの相対回動が不能となって、両者が一体化される。
【0039】
そして、
図4及び
図12に示されるように、配線ボックスBに一体化された固定基台Vの長方形板状の内側係合板部31の長辺がライティングダクトRに長手方向に沿うように配置させておき、この状態で、
図12(a)に示されるように、固定基台Vの内側係合板部31を溝部3を通して内部に挿入すると共に、その軸部33をライティングダクトRの溝部3に配置させる。この状態で、ライティングダクトRの下方から見て、軸部33を回動軸心Cを中心として、固定基台Vを配線ボックスBと一体にして時計方向に90°回動させると、その途中において、
図12(b)に示されるように、固定基台Vの内側係合板部31は、ライティングダクトRの一対の対向板部4の内面側に入り込んで、ライティングダクトRの一対の対向板部4との係合が開始されると共に、外側係合板部32に設けられた弾性変形板部35が下方に僅かに弾性変形されて、当該弾性変形板部35の先端部の逆回動規制突起35aが、ライティングダクトRの一対の対向板部4の一方の外面に弾接しながら、当該固定基台Vは、軸部33の回動軸心Cを中心にして90°回動される。固定基台Vが回動終端位置に達すると、ライティングダクトRの内部に配置されて、その一対の対向板部4と係合している固定基台Vの内側係合板部31及びその外側に配置されている外側係合板部32は、いずれも長辺がライティングダクトRの幅方向に配置されて、当該内側及び外側の各係合板部31,32により、ライティングダクトRの一対の対向板部4が係合状態で挟持されることで、ライティングダクトRに対して固定基台Vが係合固定される。また、固定基台Vが90°回動されて、回動終端位置に達すると、外側係合板部32の弾性変形板部35に設けられた逆回動規制突起35aは、ライティングダクトRの一方の側板1の外側端部に当接することで、固定基台Vの逆回動(ライティングダクトRの下方から見て反時計方向への回動)が防止されることで、ライティングダクトRに対する固定基台Vの係合固定が緩んだり、解除されるのを規制できる。これにより、
図1、
図6及び
図7に示されるように、ライティングダクトRに対して配線ボックスBは、その各辺が当該ライティングダクトRの長手方向及び幅方向のいずれかに沿って配置されることで、固定基台Vを介して固定される。
【0040】
第1固定方法では、平面形状が非円形の配線ボックスBと一体となって固定基台Vを回動させるため、
図8に示されるように、当該配線ボックスBの回動領域内に障害物Kが存在すると、当該配線ボックスBを回動させられないため、第1固定方法の実施ができない。
【0041】
この場合には、予めライティングダクトRに固定基台Vのみを係合固定しておき、その後に、配線ボックスBを回動させることなく、前記固定基台Vに対して当該配線ボックスBを螺着構造により一体化させる第2固定方法により、前記障害物Kと干渉することなく、ライティングダクトRに配線ボックスBを固定できる。
【0042】
即ち、第2固定方法は、
図5に示されるように、上記したと同様にして、予めライティングダクトRに固定基台Vのみを係合固定しておき、その後に、当該固定基台Vの直下に配線ボックスBを配置して、その底壁16に設けられた電線挿通孔12に、固定基台Vの雄ねじ筒部52を挿入して、当該配線ボックスBの内部において、当該配線ボックスBの内部に突出している固定基台Vの雄ねじ筒部52に対してリングナット体15を螺合させることで、当該配線ボックスBを回動させることなく、ライティングダクトRに固定基台Vを介して配線ボックスBを固定できる。
【0043】
また、第2固定方法では、
図5(a)に示されるように、ライティングダクトRに固定基台Vが係合固定された状態で、第1中間板部36の第1突出板部44に設けられたビス下孔46に逆回動規制ビス45を螺着すると、当該逆回動規制ビス45は、一対の対向板部4の一方の対向先端部に当接した状態で配置され、ライティングダクトRに係合固定された固定基台Vの逆方向への回動が規制される。当該逆回動規制ビス45は、第1中間板部36の弾性変形板部35に設けられた逆回動規制突起35aと同等の機能を果すが、外部に露出配置された当該逆回動規制突起35aが折損等により消失された場合に特に有効である。更に、ライティングダクトRに係合固定された固定基台Vに対して配線ボックスBを組み付けて一体にした状態では、当該配線ボックスBの底壁16の存在により、前記逆回動規制ビス45は抜出し不能となるので、固定基台Vの逆回動の規制が長期に亘って維持される。
【0044】
なお、実施例1の配線ボックスBの周壁のうち、固定基台Vに組み付けられる側壁11又は底壁16の外面に、固定基台Vの係止開口53と係止する回転規制部を突出形成して、固定基台Vと配線ボックスBとの組付け時において、固定基台Vと配線ボックスBとが相対回転するのを防止としてもよい。
台座本体62の盤面に垂直となって直径方向に一体に設けられた取付け板部63は、一体化ボルト54を用いて当該台座本体62を固定基台Vに組付け可能とする部分であって、当該取付け板部63におるけ台座本体62の中心部の円形孔61に対応する部分は、欠落されて前記円形孔61と連続する空間部を形成していて、その両側部よりも高く形成されて、当該両側部を繋ぐ形態となっている部分は、前記固定基台Vの雄ねじ筒部52に形成された係止開口53に挿入されて組付け時の回転方向に沿って廻止め状態で係止される廻止め部を兼用した取付け板本体部68となっている。当該取付け板本体部68における台座本体62の直径方向に沿った中央部の短円筒状の部分には、ボルト挿通孔69が台座本体62の盤面に対して垂直に形成されている。
なお、実施例1,2では、被固定体として、照明器具を吊り下げて取付けるのに使用されるライティングダクトを挙げたが、一対の対向板部の間に溝部を備えた構造であれば、一般のスライドレールの使用も可能である。
また、被固定体に係合固定される固定基台Vに組み付けられる固定体本体として、実施例1,2では、それぞれ配線ボックスB及び固定台座Dを挙げたが、固定基台Vの組付け部に一体に組み付けられるものであれば、その対象は問われない。