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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134648
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044946
(22)【出願日】2023-03-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】川本 大功
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】コンテンツが正当なものではない場合の対処を実現することを図る。
【解決手段】保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、非代替性トークンのコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得部と、トークン識別情報と、アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶部と、保険契約加入者からトークン識別情報に関する保険金請求を受付けた後に、アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得部と、第1の特徴量と第2の特徴量とが一致しない場合に、保険契約加入者または非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、前記非代替性トークンに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得部と、
前記トークン識別情報と、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記保険契約加入者から前記トークン識別情報に関する保険金請求を受付ける受付部と、
前記保険金請求を受付けた後に、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得部と、
前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とが一致しない場合に、前記保険契約加入者または前記非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
保険金請求を受付ける前に、前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量を導出する関数と、前記第1の特徴量とを前記保険契約加入者へ提供する特徴量情報提供部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特徴量情報提供部は、前記保険契約加入者から前記第1の特徴量の認証を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量を導出する関数と、前記第1の特徴量とを前記保険契約加入者から取得する特徴量情報取得部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特徴量情報取得部は、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから前記関数を用いて導出した特徴量によって、前記保険契約加入者から取得した前記第1の特徴量を検証する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2特徴量取得部は、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから前記関数を用いて前記第2の特徴量を導出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特徴量はハッシュ値である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記保険金は、前記保険契約加入者が保険料を支払うことが契約条件に含まれる保険の保険金である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記保険金は、前記ブロックチェーン上で登録されている前記非代替性トークンの保有者が前記保険契約加入者とは異なる者であることが支払い時の条件に含まれる保険の保険金である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記保険金は、前記保険契約加入者による前記非代替性トークンの売却により前記保険契約加入者とは異なる者が前記非代替性トークンの保有者となったことに基づいて支払われる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記保険金特定部は、前記非代替性トークンの売却金額に基づいて前記保険金を特定する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、前記非代替性トークンに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得ステップと、
前記トークン識別情報と、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記保険契約加入者から前記トークン識別情報に関する保険金請求を受付ける受付ステップと、
前記保険金請求を受付けた後に、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得ステップと、
前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とが一致しない場合に、前記保険契約加入者または前記非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定ステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)は、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができるものとして注目されている。そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)では、NFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。特許文献1には、NFTに対応するコンテンツのメタデータがコンテンツを特定するための情報要素としてコンテンツのハッシュ値を含み、ユーザがコンテンツを取得した場合に、取得されたコンテンツのハッシュ値とメタデータに含まれるハッシュ値とが一致するか否かによって、取得されたコンテンツの正当性を判断する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-132033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載された技術では、改ざん等によりコンテンツが正当なものではないことを判断することができるが、コンテンツが正当なものではない場合の対処方法までは開示されない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、コンテンツが正当なものではない場合の対処を実現することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、前記非代替性トークンに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得部と、前記トークン識別情報と、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶部と、前記保険契約加入者から前記トークン識別情報に関する保険金請求を受付ける受付部と、前記保険金請求を受付けた後に、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得部と、前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とが一致しない場合に、前記保険契約加入者または前記非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定部と、を備える情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、保険金請求を受付ける前に、前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量を導出する関数と、前記第1の特徴量とを前記保険契約加入者へ提供する特徴量情報提供部をさらに備える、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記特徴量情報提供部は、前記保険契約加入者から前記第1の特徴量の認証を取得する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量を導出する関数と、前記第1の特徴量とを前記保険契約加入者から取得する特徴量情報取得部をさらに備える、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記特徴量情報取得部は、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから前記関数を用いて導出した特徴量によって、前記保険契約加入者から取得した前記第1の特徴量を検証する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第2特徴量取得部は、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから前記関数を用いて前記第2の特徴量を導出する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記特徴量はハッシュ値である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記保険金は、前記保険契約加入者が保険料を支払うことが契約条件に含まれる保険の保険金である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記保険金は、前記ブロックチェーン上で登録されている前記非代替性トークンの保有者が前記保険契約加入者とは異なる者であることが支払い時の条件に含まれる保険の保険金である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記保険金は、前記保険契約加入者による前記非代替性トークンの売却により前記保険契約加入者とは異なる者が前記非代替性トークンの保有者となったことに基づいて支払われる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記保険金特定部は、前記非代替性トークンの売却金額に基づいて前記保険金を特定する、情報処理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、前記非代替性トークンに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得ステップと、前記トークン識別情報と、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶ステップと、前記保険契約加入者から前記トークン識別情報に関する保険金請求を受付ける受付ステップと、前記保険金請求を受付けた後に、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得ステップと、前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とが一致しない場合に、前記保険契約加入者または前記非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定ステップと、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンテンツが正当なものではない場合の対処を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る保険会社サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る保険対象トークン管理情報の構成例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。図1において、保険会社サーバ1は、NFT(非代替性トークン)に対応するコンテンツに対する改ざん等の変更によるコンテンツの正当性の消失に対して保険金を支払う保険(説明の便宜上、NFTコンテンツ保険と称する)に関する情報処理を実行する。NFTコンテンツ保険は、保険契約加入者(以下、保険加入者と称する)が保険料を支払うことが保険金を支払うための契約条件に含まれる保険である。したがって、保険加入者が保険金を支払わなければ、保険金は支払われない。
【0011】
保険会社サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、保険加入者が使用する端末(保険加入者端末)2との間でデータを送受する。保険加入者は、保険会社との間でNFTコンテンツ保険の保険契約を締結する者である。本実施形態では、保険加入者の一例として、保険加入者は、NFTを販売する販売者(以下、NFT販売者と称する)である。
【0012】
NFT購入者端末3は、NFT購入者が使用する端末である。NFT購入者は、NFT販売者からNFTを購入する者である。
【0013】
保険会社サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、NFT管理システム4との間でデータを送受する。NFT管理システム4は、NFTを管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0014】
ブロックチェーン5には、NFTの識別子(トークンID)や保有者を特定する保有者アドレスやメタデータの場所を示すトークンURI(Uniform Resource Identifier)などが記録される。NFTのメタデータは、コンテンツ名称やコンテンツ説明やコンテンツURL(Uniform Resource Locator)やコンテンツを特定するための特徴量などを含むデータである。本実施形態では、特徴量の一例としてコンテンツのハッシュ値を用いる。
【0015】
NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有する。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの発行や購入や販売等の流通に関する機能であり、例えばNFTの発行要求の受付及びNFTの発行やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付及びNFTの売買やNFTの代金の決済等である。
【0016】
保険会社サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、コンテンツデータベースCDBとの間でデータを送受する。コンテンツデータベースCDBは、NFTに対応するコンテンツを格納するデータベースである。コンテンツデータベースCDBにおいてコンテンツの所在は、NFTのメタデータに含まれるコンテンツURLで示される。本実施形態において、コンテンツデータベースCDBは、改ざん等によりコンテンツが変更される可能性を完全には否定できないものである。したがって、コンテンツデータベースCDBに格納されたコンテンツは、改ざん等により変更され得る。
【0017】
NFT管理システム4は、例えばコンテンツ作者等のNFT発行依頼者からのNFT発行依頼に応じて、コンテンツ作者が作成したコンテンツAに紐づけられたNFTを発行する。コンテンツ作者が作成したコンテンツAは、コンテンツデータベースCDBにおいて、NFTのメタデータに含まれるコンテンツURLで示される場所に格納される。NFT発行時の保有者として、所定のNFT販売者がブロックチェーン5に記録される。ここで、NFT販売者は、コンテンツ作者が作成した正当なコンテンツAをバックアップしておいてもよい。NFT管理システム4は、NFT購入者からのNFT購入依頼に応じて、コンテンツAに紐づけられたNFTをNFT購入者に売却する。このNFT売却により、NFT購入者が当該NFTの保有者としてブロックチェーン5に記録される。これにより、ブロックチェーン5において、当該NFTの保有者がNFT販売者からNFT購入者に変更されたことが示される。
【0018】
図2は、本実施形態に係る保険会社サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。図2において、保険会社サーバ1は、保険対象トークン情報取得部101と、受付部102と、第2特徴量取得部103と、保険金特定部104と、特徴量情報部105と、記憶部200とを備える。
【0019】
保険会社サーバ1の各機能は、保険会社サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、保険会社サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、保険会社サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、保険会社サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、保険会社サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は保険会社サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、保険会社サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0020】
記憶部200は、各種のデータを記憶する。記憶部200は、保険対象トークン管理情報201を記憶する。
【0021】
図3は、本実施形態に係る保険対象トークン管理情報の構成例を示す図である。図3に示されるように、保険対象トークン管理情報201は、トークンIDと第1特徴量とアクセス先情報と保有者IDとを対応付ける情報である。トークンIDは、ブロックチェーン5上に記録されるNFTのトークンIDである。第1特徴量は、NFTに対応するコンテンツから取得された特徴量である。本実施形態では、特徴量の一例としてコンテンツのハッシュ値を用いる。アクセス先情報は、NFTに対応するコンテンツにアクセスするための情報である。本実施形態では、アクセス先情報の一例として、NFTのメタデータに含まれるコンテンツURLを用いる。保有者IDは、NFTの保有者の識別情報である。
【0022】
保険対象トークン管理情報201は、保険加入者がNFTコンテンツ保険に加入する毎に、保険対象のNFTに関する情報が登録されてもよい。保険対象トークン管理情報201は、NFT管理システム4においてNFTが新規発行される毎に、新規発行されたNFTに関する情報が登録されてもよい。
【0023】
保険対象トークン情報取得部101は、保険加入者がブロックチェーン5上で保有者として登録されたNFTを特定するトークンIDと、当該NFTに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報としてコンテンツURLとを取得する。本実施形態では、保険加入者の一例として、保険加入者は、NFT販売者である。
【0024】
例えば、保険対象トークン情報取得部101は、保険加入者がNFTコンテンツ保険に加入する際に、保険加入者端末2から、トークンIDと、コンテンツURLと、NFTの保有者であるNFT販売者の識別情報(保有者ID)とを受信する。保険対象トークン情報取得部101は、保険加入者端末2から受信したトークンID、コンテンツURL及び保有者IDを保険対象トークン管理情報201に登録する。これにより、例えばコンテンツAに対応するNFTのトークンID「トークンid_A」とアクセス先情報「コンテンツURL_A」と保有者ID「保有者id_A」とが関連付けて保険対象トークン管理情報201に格納される。
【0025】
保険対象トークン情報取得部101は、アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1特徴量を保険対象トークン管理情報201に登録する。これにより、例えばアクセス先情報「コンテンツURL_A」により取得されたコンテンツAから取得された第1特徴量「ハッシュ値_A1」がトークンID「トークンid_A」に関連付けて保険対象トークン管理情報201に格納される。
【0026】
受付部102は、NFTコンテンツ保険に関する加入申込や保険金請求等の各種の受付を行う。例えば、受付部102は、保険加入者端末2からトークンIDを含む保険金請求データを受信することにより、保険加入者からのトークンIDに関する保険金請求を受付ける。
【0027】
第2特徴量取得部103は、受付部102により保険金請求を受付けた後に、アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2特徴量を取得する。第2特徴量は、第1特徴量と同様に、NFTに対応するコンテンツから取得された特徴量である。本実施形態では、特徴量の一例としてコンテンツのハッシュ値を用いる。
【0028】
保険金特定部104は、同じトークンIDの第1の特徴量と第2の特徴量とが一致しない場合に、保険金の受取人に支払う保険金を特定する。保険金の受取人は、NFTコンテンツ保険の契約において指定される。保険金の受取人は、例えば、保険加入者または保険金請求時におけるNFTの保有者である。保険金の受取人を保険金請求時におけるNFTの保有者にすることによって、NFTコンテンツ保険付きであるというNFTの価値の向上により、NFTの売買価格が向上する効果が期待できる。
【0029】
特徴量情報部105は、特徴量に関する処理を実行する。特徴量情報部105が実行する処理として、以下に示す2通りの処理1,2がある。特徴量情報部105は、当該処理1,2のうちいずれかを実行するように予め設定される。
【0030】
(特徴量情報部の処理1)
特徴量情報部105は、保険金請求を受付ける前に、第1特徴量及び第2特徴量を導出する関数と、第1特徴量とを保険加入者へ提供する。本実施形態では、第1特徴量及び第2特徴量を導出する関数はハッシュ関数である。例えば、特徴量情報部105は、NFTコンテンツ保険に加入した保険加入者に対して受付部102が保険金請求の受付を開始する前に、当該保険加入者の保険加入者端末2に対して、ハッシュ関数と、保険対象トークン管理情報201において当該保険加入者の保険対象のコンテンツAのNFTのトークンID「トークンid_A」に関連付けられた第1特徴量「ハッシュ値_A1」とを送信して第1特徴量の認証を依頼する。当該保険加入者端末2は、NFT販売者である保険加入者がバックアップしておいた正当なコンテンツAから当該ハッシュ関数によりハッシュ値を導出し、導出したハッシュ値と当該第1特徴量「ハッシュ値_A1」とを比較する。当該保険加入者端末2は、当該比較の結果、一致する場合は当該第1特徴量「ハッシュ値_A1」の認証成功を保険会社サーバ1へ返信する。一方、当該保険加入者端末2は、当該比較の結果、一致しない場合は当該第1特徴量「ハッシュ値_A1」の認証失敗を保険会社サーバ1へ返信する。特徴量情報部105は、当該保険加入者端末2から受信した第1特徴量「ハッシュ値_A1」の認証結果「認証の成功又は失敗」を取得する。第1特徴量「ハッシュ値_A1」の認証成功の場合は、第1特徴量「ハッシュ値_A1」がトークンID「トークンid_A」に関連付けて保険対象トークン管理情報201に格納される。第1特徴量「ハッシュ値_A1」の検証失敗の場合は、第1特徴量「ハッシュ値_A1」は保険対象トークン管理情報201に格納されない。特徴量情報部の処理1は、特徴量情報提供部に対応する。
【0031】
(特徴量情報部の処理2)
特徴量情報部105は、第1特徴量及び第2特徴量を導出する関数と、第1特徴量とを保険加入者から取得する。本実施形態では、第1特徴量及び第2特徴量を導出する関数はハッシュ関数である。例えば、特徴量情報部105は、NFTコンテンツ保険に加入した保険加入者に対して受付部102が保険金請求の受付を開始する前に、当該保険加入者の保険加入者端末2に対して、ハッシュ関数を要求すると共に、保険対象トークン管理情報201に登録された当該保険加入者の保険対象のトークンID「トークンid_A」を指定して該当NFTのコンテンツAから取得されたハッシュ値を要求する。当該保険加入者端末2は、予め、ハッシュ関数を有する。当該保険加入者端末2は、NFT販売者である保険加入者がバックアップしておいた正当なコンテンツAから当該ハッシュ関数によりハッシュ値_aを導出し、導出したハッシュ値_aと当該ハッシュ関数とを保険会社サーバ1へ返信する。特徴量情報部105は、当該保険加入者端末2から受信したハッシュ関数を用いて、保険対象トークン管理情報201に登録されたアクセス先情報「コンテンツURL_A」により取得されたコンテンツAからハッシュ値_A1を導出する。特徴量情報部105は、導出したハッシュ値_A1と、当該保険加入者端末2から受信したハッシュ値_aとを比較する。特徴量情報部105は、当該比較の結果、一致する場合はハッシュ値_A1の検証成功を判断する。一方、特徴量情報部105は、当該比較の結果、一致しない場合はハッシュ値_A1の検証失敗を判断する。ハッシュ値_A1の検証成功の場合は、当該ハッシュ値_A1が第1特徴量としてトークンID「トークンid_A」に関連付けて保険対象トークン管理情報201に格納される。ハッシュ値_A1の検証失敗の場合は、当該ハッシュ値_A1は保険対象トークン管理情報201に格納されない。特徴量情報部の処理2は、特徴量情報取得部に対応する。
【0032】
特徴量情報部の処理2の場合、第2特徴量取得部103は、特徴量情報部105が保険加入者から取得した関数を用いて第2特徴量を導出する。例えば、第2特徴量取得部103は、トークンID「トークンid_A」が保険対象である保険加入者の保険加入者端末2から受信したハッシュ関数を用いて、トークンID「トークンid_A」のNFTのコンテンツAから第2特徴量のハッシュ値を導出する。
【0033】
次に図4を参照して本実施形態に係る情報処理方法を説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。ここでは、説明の便宜上、保険対象はトークンID「トークンid_A」のコンテンツAであり、アクセス先情報は「コンテンツURL_A」であり、NFT販売者(保険加入者)の識別情報は「保有者id_A」であり、NFT購入者の識別情報は「購入者id_a」である。
【0034】
また、ここでのNFTコンテンツ保険は、保険加入者が保険料を支払うことが保険金を支払うための契約条件に含まれる保険である(保険金支払条件1)。さらに、ブロックチェーン5上で登録されているNFTの保有者が保険加入者とは異なる者であることが保険金の支払い時の条件に含まれる(保険金支払条件2)。さらには、当該保険金は、保険加入者によるNFTの売却により当該保険加入者とは異なる者が当該NFTの保有者となったことに基づいて支払われるものである(保険金支払条件3)。なお、NFTコンテンツ保険の保険金の支払い条件は、これに限定されない。
【0035】
(ステップS100) NFT販売者である保険加入者は、保険加入者端末2により、保険会社サーバ1に対してNFTコンテンツ保険の加入を申請する。当該保険の加入申請では、保険対象の「トークンid_A」と「コンテンツURL_A」とNFTの保有者であるNFT販売者の識別情報「保有者id_A」とが、保険加入者端末2から保険会社サーバ1へ送信される。保険会社サーバ1の受付部102は、保険加入者端末2から保険対象の「トークンid_A」、「コンテンツURL_A」及び「保有者id_A」を受信し、NFTコンテンツ保険の加入申請を受け付ける。
【0036】
(ステップS101) 保険会社サーバ1の特徴量情報部105は、保険加入者端末2から受信した「コンテンツURL_A」により、コンテンツデータベースCDBからコンテンツAを取得する。
【0037】
(ステップS102) 保険会社サーバ1の特徴量情報部105は、保険加入者端末2との間で、コンテンツAの第1特徴量の認証を行う。コンテンツAの第1特徴量の認証は、上述した特徴量情報部の処理1又は処理2によって行われる。
【0038】
特徴量情報部の処理1では、特徴量情報部105は、第1特徴量及び第2特徴量を導出するハッシュ関数と、コンテンツAから当該ハッシュ関数により導出した第1特徴量「ハッシュ値_A1」とを保険加入者端末2へ送信し、保険加入者端末2から当該第1特徴量「ハッシュ値_A1」の認証結果「認証の成功又は失敗」を取得する。
【0039】
特徴量情報部の処理2では、特徴量情報部105は、保険加入者端末2から、ハッシュ関数とコンテンツAのハッシュ値_aとを取得し、当該ハッシュ値_aと、当該ハッシュ関数によりコンテンツAから導出したハッシュ値_A1とを比較する。特徴量情報部105は、当該比較の結果、一致する場合はハッシュ値_A1の検証成功を判断する。一方、特徴量情報部105は、当該比較の結果、一致しない場合はハッシュ値_A1の検証失敗を判断する。
【0040】
(ステップS103) 保険対象トークン情報取得部101は、ステップS102の結果、特徴量情報部の処理1による認証成功又は特徴量情報部の処理2による検証成功の場合に、第1特徴量「ハッシュ値_A1」と、保険加入者端末2からNFTコンテンツ保険の加入申請で受信した「トークンid_A」、「コンテンツURL_A」及び「保有者id_A」とを関連付けて保険対象トークン管理情報201に登録する(NFTコンテンツ保険の加入申請情報の記録)。一方、ステップS102の結果、特徴量情報部の処理1による認証失敗又は特徴量情報部の処理2による検証失敗の場合には、第1特徴量「ハッシュ値_A1」と、保険加入者端末2からNFTコンテンツ保険の加入申請で受信した「トークンid_A」、「コンテンツURL_A」及び「保有者id_A」とは、保険対象トークン管理情報201に登録されない。
【0041】
(ステップS104) 受付部102は、ステップS102の結果、特徴量情報部の処理1による認証成功又は特徴量情報部の処理2による検証成功の場合に、保険加入者端末2に対して、NFTコンテンツ保険の加入申請応答「加入許可」を送信する。一方、受付部102は、ステップS102の結果、特徴量情報部の処理1による認証失敗又は特徴量情報部の処理2による検証失敗の場合には、保険加入者端末2に対して、NFTコンテンツ保険の加入申請応答「加入不許可」を送信する。NFTコンテンツ保険の加入申請応答「加入不許可」の場合は、図4の処理を終了する。
【0042】
このようにNFTコンテンツ保険の加入申請に対して、コンテンツデータベースCDB内のコンテンツAの正当性を検証してから当該加入申請の許可又は不許可を応答することによって、保険加入時に既にコンテンツデータベースCDB内のコンテンツAが正当なものではなくなっているという事態を防止することができる。
以降は、NFTコンテンツ保険の加入申請応答「加入許可」の場合の手順である。
【0043】
(ステップS105) NFT購入者は、NFT購入者端末3により、NFT管理システム4に対してコンテンツAのNFTの購入を依頼し、コンテンツAのNFTを購入する。これにより、ブロックチェーン5において、当該NFTの保有者がNFT販売者(保有者id_A)からNFT購入者(購入者id_a)に変更される。
なお、コンテンツAのNFTの購入取引時に、NFT管理システム4は、コンテンツデータベースCDBに格納されているコンテンツAの正当性を検証してもよい。具体的には、NFT管理システム4は、コンテンツデータベースCDBに格納されているコンテンツAのハッシュ値をハッシュ関数により導出し、導出したハッシュ値とコンテンツAのNFTのメタデータに含まれるハッシュ値とが一致する場合に検証成功とし、一致しない場合に検証失敗とする。当該検証が成功の場合はコンテンツAのNFTの購入取引が進められる。一方、当該検証が失敗の場合はコンテンツAのNFTの購入取引が中止される。
また、NFT購入者は、NFT購入者端末3により、当該ハッシュ関数をNFT管理システム4から取得してもよい。これにより、NFT購入者は、コンテンツAのNFTの購入後に、当該ハッシュ関数を用いて、コンテンツデータベースCDBに格納されているコンテンツAの正当性を上述したハッシュ値の一致確認により検証することにより、自己が購入したNFTに対応するコンテンツAが改ざんされている等を発見することができる。
【0044】
(ステップS106) NFT購入者は、NFT購入者端末3により、購入したNFTのメタデータに含まれる「コンテンツURL_A」により、コンテンツデータベースCDBからコンテンツAを取得する。
【0045】
(ステップS107) NFT購入者端末3は、予め、ハッシュ関数を有する。例えば、コンテンツAのNFTの購入時に、NFT管理システム4からハッシュ関数が取得される。NFT購入者端末3は、コンテンツデータベースCDBから取得したコンテンツAから当該ハッシュ関数によりハッシュ値を導出する。NFT購入者端末3は、導出したハッシュ値と、購入したNFTのメタデータに含まれるハッシュ値とを比較する。当該比較の結果、両者が一致する場合、購入したNFTのメタデータに含まれる「コンテンツURL_A」で示されるコンテンツデータベースCDB内のコンテンツAが正当なものであると判断することができる。一方、当該比較の結果、両者が一致しない場合は、購入したNFTのメタデータに含まれる「コンテンツURL_A」で示されるコンテンツデータベースCDB内のコンテンツAが改ざん等により正当なものではないと判断することができる。当該比較の結果、両者が一致する場合は、図4の処理を終了する。以降は、当該比較の結果、両者が一致しない場合の手順である。
【0046】
(ステップS108) NFT購入者は、NFT購入者端末3により、NFT販売者である保険加入者の保険加入者端末2に対して、購入したNFTのトークンID「トークンid_A」を通知してコンテンツ改ざん申告を行う。
【0047】
(ステップS109) NFT販売者である保険加入者は、NFT購入者からのコンテンツ改ざん申告に応じて、保険加入者端末2により、保険会社サーバ1に対して、保険対象のトークンID「トークンid_A」を指定して保険金請求を行う。保険会社サーバ1の受付部102は、保険加入者端末2からトークンID「トークンid_A」を含む保険金請求データを受信することにより、保険加入者からのトークンID「トークンid_A」に関する保険金請求を受付ける。
【0048】
(ステップS110) 保険会社サーバ1の保険金特定部104は、NFT管理システム4に対して、受付部102が受付けた保険金請求の対象のトークンID「トークンid_A」に関するNFT保有者の照会を行い、その回答を得る。ここでの回答には、当該NFT保有者が、NFT販売者である保険加入者(保有者id_A)からNFT購入者(購入者id_a)に変更されたことが示される。保険金特定部104は、NFT管理システム4から得たNFT保有者の回答と、保険対象トークン管理情報201において当該トークンID「トークンid_A」に関連付けられた「保有者id_A」とに基づいて、上記した保険金支払条件2及び保険金支払条件3を満たすと判断する。また、保険金特定部104は、保険加入者によって保険料が支払われていること(保険金支払条件1を満たすこと)を確認する。
【0049】
(ステップS111) 保険会社サーバ1の第2特徴量取得部103は、保険対象トークン管理情報201においてトークンID「トークンid_A」に関連付けられたコンテンツURL_Aにより、コンテンツデータベースCDBからコンテンツAを取得する。第2特徴量取得部103は、コンテンツデータベースCDBから取得したコンテンツAからハッシュ関数により第2特徴量のハッシュ値を導出する。
【0050】
(ステップS112) 保険会社サーバ1の保険金特定部104は、保険対象トークン管理情報201においてトークンID「トークンid_A」に関連付けられた第1特徴量「ハッシュ値_A1」と、第2特徴量取得部103がコンテンツデータベースCDBから取得したコンテンツAから導出した第2特徴量のハッシュ値とを比較する。当該比較の結果、両者が一致しない場合は、当該保険金請求の根拠があると判断することができる。一方、当該比較の結果、両者が一致する場合は、当該保険金請求の根拠がないと判断することができる。
【0051】
(ステップS113) 保険会社サーバ1の保険金特定部104は、上記した保険金支払条件1-3を満たし、且つ第1特徴量「ハッシュ値_A1」と第2特徴量のハッシュ値とが一致しない場合に、保険金の受取人に支払う保険金を特定する。一方、保険金特定部104は、上記した保険金支払条件1-3のいずれかを満たさない、又は第1特徴量「ハッシュ値_A1」と第2特徴量のハッシュ値とが一致する場合には、保険金の受取人に支払う保険金を特定しない。
【0052】
(ステップS114) 保険会社サーバ1の保険金特定部104は、保険加入者端末2に対して、保険金応答「保険金の支払いの有り又は無し」を送信する。当該保険金応答は、保険金の受取人に支払う保険金が保険金特定部104により特定された場合には、特定された保険金が受取人に支払われることを示す。一方、当該保険金応答は、保険金の受取人に支払う保険金が保険金特定部104により特定されなかった場合には、保険金が受取人に支払われないことを示す。
【0053】
(ステップS115) NFT販売者である保険加入者は、保険会社サーバ1からの保険金応答「保険金の支払いの有り又は無し」に基づいて、保険加入者端末2により、NFT購入者端末3へ補償報告を送信する。当該補償報告は、NFT販売者が任意に決定してもよい。例えば、当該補償報告は、保険金の受取人がNFT販売者である保険加入者である場合において保険金が支払われるときは、保険金の全て又は一部をNFT購入者に支払うことであってもよい。例えば、当該補償報告は、保険金の受取人が保険金請求時におけるNFTの保有者である場合において保険金が支払われるときは、保険金の全てがNFT購入者に支払われることであってもよい。
【0054】
なお、NFT販売者は、バックアップしておいた正当なコンテンツAによって、コンテンツデータベースCDBにおいてコンテンツURL_Aで示されるコンテンツと入れ替えてもよい。この場合、当該補償報告は、コンテンツデータベースCDBにおいてコンテンツURL_Aで示されるコンテンツを正当なコンテンツAに入れ替えたことであってもよい。これにより、NFT購入者は、コンテンツURL_AによりコンテンツデータベースCDBから正当なコンテンツAを取得することができる。
【0055】
また、NFT販売者が正当なコンテンツAをバックアップしていない等の理由によりNFT購入者に対して正当なコンテンツAを提供できない場合に、NFT購入者に保険金を支払うように限定してもよい。この場合、NFT購入者に対して正当なコンテンツAを提供できるときは、NFT購入者に対して保険金は支払われない。
【0056】
上述した実施形態によれば、コンテンツが正当なものではない場合の対処を実現することができるという効果が得られる。
【0057】
なお、これにより、例えばNFTマーケットプレイスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0059】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0060】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…保険会社サーバ、2…保険加入者端末、3…NFT購入者端末、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、CDB…コンテンツデータベース、101…保険対象トークン情報取得部、102…受付部、103…第2特徴量取得部、104…保険金特定部、105…特徴量情報部、200…記憶部、NW…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、前記非代替性トークンに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得部と、
前記トークン識別情報と、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記保険契約加入者から前記トークン識別情報に関する保険金請求を受付ける受付部と、
前記保険金請求を受付けた後に、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得部と、
前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とが一致しない場合に、前記保険契約加入者または前記非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定部と、
を備え
前記保険金は、前記ブロックチェーン上で登録されている前記非代替性トークンの保有者が前記保険契約加入者とは異なる者であることが支払い時の条件に含まれる保険の保険金である、
情報処理装置。
【請求項2】
保険金請求を受付ける前に、前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量を導出する関数と、前記第1の特徴量とを前記保険契約加入者へ提供する特徴量情報提供部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特徴量情報提供部は、前記保険契約加入者から前記第1の特徴量の認証を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量を導出する関数と、前記第1の特徴量とを前記保険契約加入者から取得する特徴量情報取得部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特徴量情報取得部は、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから前記関数を用いて導出した特徴量によって、前記保険契約加入者から取得した前記第1の特徴量を検証する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2特徴量取得部は、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから前記関数を用いて前記第2の特徴量を導出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特徴量はハッシュ値である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記保険金は、前記保険契約加入者が保険料を支払うことが契約条件に含まれる保険の保険金である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記保険金は、前記保険契約加入者による前記非代替性トークンの売却により前記保険契約加入者とは異なる者が前記非代替性トークンの保有者となったことに基づいて支払われる、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記保険金特定部は、前記非代替性トークンの売却金額に基づいて前記保険金を特定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
保険契約加入者がブロックチェーン上で保有者として登録された非代替性トークンを特定するトークン識別情報と、前記非代替性トークンに対応するコンテンツにアクセスするためのアクセス先情報を取得する保険対象トークン情報取得ステップと、
前記トークン識別情報と、前記アクセス先情報に基づいて取得されたコンテンツから取得された第1の特徴量とを関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記保険契約加入者から前記トークン識別情報に関する保険金請求を受付ける受付ステップと、
前記保険金請求を受付けた後に、前記アクセス先情報に基づいて取得したコンテンツから第2の特徴量を取得する第2特徴量取得ステップと、
前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とが一致しない場合に、前記保険契約加入者または前記非代替性トークンの保有者に支払う保険金を特定する保険金特定ステップと、
を含み、
前記保険金は、前記ブロックチェーン上で登録されている前記非代替性トークンの保有者が前記保険契約加入者とは異なる者であることが支払い時の条件に含まれる保険の保険金である、
情報処理方法。