(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134715
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】端末装置、印刷指示方法、プログラム、画像形成システム、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240927BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240927BHJP
H04N 1/34 20060101ALI20240927BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240927BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G03G21/00 390
G03G21/00 396
G03G21/00 386
H04N1/34 200
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
G06F3/12 304
G06F3/12 374
G06F3/12 336
G06F3/12 389
B41J29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045058
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】里見 明彦
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061BB10
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ38
2C061HH03
2C061HJ06
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK11
2C061HK15
2H270KA59
2H270KA61
2H270KA62
2H270NA12
2H270NA15
2H270NB22
2H270NC28
2H270ND03
2H270ND06
2H270QB11
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC38
5C062AC58
5C062AE07
5C062AE16
5C062AF02
5C062AF08
(57)【要約】
【課題】端末装置から画像形成装置に印刷を要求し画像形成装置で印刷ができるシステムについて、より利便性が高い処理で印刷に必要な対価を精算する。
【解決手段】本発明の一態様にかかる端末装置は、画像形成装置への接続先を示す情報を含むコード情報を取得し、その情報に基づき画像形成装置に印刷対象ファイルを送信し、印刷条件の選択を受け付ける。端末装置は、印刷に必要な金額を示す必要金額情報を画像形成装置から受信し、またコード情報に含まれる情報に基づき決済サーバー装置に接続する。端末装置は、必要金額情報と決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき画像形成装置で判定された、支払金額が必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報を、画像形成装置から受信し、足りていることを示している場合に、画像形成装置に印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得するコード情報取得部と、
前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信するファイル送信部と、
前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付ける条件受付部と、
前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信する金額受信部と、
前記コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続する接続部と、
前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信する結果受信部と、
前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付ける指示受付部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記判定情報は、前記支払金額が前記必要な金額と一致しているか否かを判定した結果を示す情報であり、
前記指示受付部は、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額と一致していることを示している場合に、前記印刷指示を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記結果受信部は、前記判定情報に基づいて、前記印刷指示を受け付けるために表示する印刷指示ボタンの画像を受信するか、あるいは、前記判定情報として、前記印刷指示を受け付けるために表示する印刷指示ボタンの画像を受信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記条件受付部で前記印刷条件の選択を受け付けた場合、前記金額受信部で受信した前記必要金額情報が示す前記必要な金額を表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項5】
前記条件受付部は、前記支払金額情報が示す前記支払金額に応じて、前記印刷対象ファイルの印刷を実行可能な1又は複数の提案印刷条件を表示し、表示した前記1又は複数の提案印刷条件の中から前記印刷条件の選択を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記指示受付部は、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていない又は一致しないことを示している場合に、前記画像形成装置での前記印刷対象ファイルの印刷をキャンセルする指示を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項7】
前記接続部は、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていない又は一致しないことを示している場合に、前記第2情報に基づいて、返金処理のために前記決済サーバー装置に接続する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項8】
前記第1情報は、前記画像形成装置における、前記印刷対象ファイルを送信するための操作画像を提供する提供元への接続先を示す情報を含み、
前記第2情報は、前記決済サーバー装置への接続先を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項9】
前記第1情報は、前記画像形成装置における、前記印刷対象ファイルを送信するための操作画像を提供する提供元への接続先を示す情報を含み、
前記第2情報は、前記画像形成装置における、複数の候補決済サーバー装置の中から接続する前記決済サーバー装置を選択する選択画像を提供する提供元への接続先を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項10】
前記第2情報は、前記複数の候補決済サーバー装置への接続先を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
端末装置が、
画像形成装置への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得することと、
前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信することと、
前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付けることと、
前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信することと、
前記コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続することと、
前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信することと、
前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付けることと、
を含む処理を実行することを特徴とする印刷指示方法。
【請求項12】
コンピューターが、
画像形成装置への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得することと、
前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信することと、
前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付けることと、
前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信することと、
前記コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続することと、
前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信することと、
前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付けることと、
を含む印刷指示処理を実行するプログラム。
【請求項13】
画像形成装置と端末装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置が、前記画像形成装置への接続先を示す第1情報と、前記画像形成装置での印刷に要する金額を支払う支払処理を行う決済サーバー装置に接続するための第2情報と、を含むコード情報を提示し、
前記端末装置は、
前記画像形成装置から前記コード情報を取得するコード情報取得部と、
前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信するファイル送信部と、
前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付ける条件受付部と、
前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信する金額受信部と、
前記コード情報に含まれる前記第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続する接続部と、
前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信する結果受信部と、
前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付ける指示受付部と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記必要な金額を算出する金額算出部と、
前記必要な金額を示す前記必要金額情報を前記端末装置に送信する金額送信部と、
前記必要金額情報と前記支払金額情報とに基づき、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定する判定部と、
前記判定情報として前記判定部で判定した結果を示す情報を、前記端末装置に送信する結果送信部と、
を備える、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項14】
画像形成装置であって、
前記画像形成装置への接続先を示す第1情報と、前記画像形成装置での印刷に要する金額を支払う支払処理を行う決済サーバー装置に接続するための第2情報と、を含むコード情報を提示する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、印刷指示方法、プログラム、画像形成システム、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルオフィスやサードプレイスなどには、複合機などの画像形成装置が設置されている。
【0003】
このような画像形成装置に関し、特許文献1には、画像形成装置の筐体やその近辺に掲出されているQRコード(登録商標。以下同様。)などの2次元コードを端末装置で読み取ることで、印刷を行うことが可能なシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、対価の精算には2次元コード決済サービスが利用されている。しかしながら、特許文献1に記載のシステムにおいて、既存の2次元コード決済サービスを利用して印刷に必要な対価を精算すること適用すると、決済サービス専用の2次元コードを再度読み取る必要があり、利便性に改善の余地がある。
【0006】
よって、フレキシブルオフィスやサードプレイスなどで利用できるような、端末装置から画像形成装置に印刷を要求して画像形成装置で印刷ができるシステムについて、より利便性が高い処理で印刷に必要な対価を精算するシステムの開発が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる端末装置は、画像形成装置への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得するコード情報取得部と、前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信するファイル送信部と、前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付ける条件受付部と、前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信する金額受信部と、前記コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続する接続部と、前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信する結果受信部と、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付ける指示受付部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様にかかる印刷指示方法は、端末装置が、画像形成装置への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得することと、前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信することと、前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付けることと、前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信することと、前記コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続することと、前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信することと、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付けることと、を含む処理を実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様にかかるプログラムは、コンピューターが、画像形成装置への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得することと、前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信することと、前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付けることと、前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信することと、前記コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続することと、前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信することと、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付けることと、を含む印刷指示処理を実行するプログラムである。
【0010】
本発明の一態様にかかる画像形成システムは、画像形成装置と端末装置とを備えた画像形成システムであって、前記画像形成装置が、前記画像形成装置への接続先を示す第1情報と、前記画像形成装置での印刷に要する金額を支払う支払処理を行う決済サーバー装置に接続するための第2情報と、を含むコード情報を提示し、前記端末装置は、前記画像形成装置から前記コード情報を取得するコード情報取得部と、前記コード情報に含まれる前記第1情報に基づいて、前記画像形成装置に印刷対象ファイルを送信するファイル送信部と、前記印刷対象ファイルを印刷する条件である印刷条件の選択を受け付ける条件受付部と、前記印刷条件で前記印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、前記画像形成装置から受信する金額受信部と、前記コード情報に含まれる前記第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置に接続する接続部と、前記必要金額情報と、前記決済サーバー装置に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき前記画像形成装置で判定された、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す判定情報とを、前記画像形成装置から受信する結果受信部と、前記判定情報が、前記支払金額が前記必要な金額に足りていることを示している場合に、前記画像形成装置に前記印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付ける指示受付部と、を備え、前記画像形成装置は、前記必要な金額を算出する金額算出部と、前記必要な金額を示す前記必要金額情報を前記端末装置に送信する金額送信部と、前記必要金額情報と前記支払金額情報とに基づき、前記支払金額が前記必要な金額に足りているか否かを判定する判定部と、前記判定情報として前記判定部で判定した結果を示す情報を、前記端末装置に送信する結果送信部と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様にかかる画像形成装置は、前記画像形成装置への接続先を示す第1情報と、前記画像形成装置での印刷に要する金額を支払う支払処理を行う決済サーバー装置に接続するための第2情報と、を含むコード情報を提示する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態にかかる端末装置及び画像形成装置を備えた画像形成システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1の画像形成システムにおける画像形成装置の外観の一例を示す正面図である。
【
図3】
図1の画像形成システムにおける端末装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図1の画像形成システムにおいて実行されるアップロード印刷処理の第1例を説明するためのフロー図である。
【
図5】
図4のアップロード印刷処理において端末装置に提供される操作画像の一例を示す概略図である。
【
図6】
図4のアップロード印刷処理において
図5の操作画像に次いで端末装置に提供される一連の操作画像の一例を示す概略図である。
【
図7】
図4のアップロード印刷処理において
図6の操作画像に次いで端末装置に提供される一連の操作画像の一例を示す概略図である。
【
図8】
図1の画像形成システムにおいて実行されるアップロード印刷処理の第2例を説明するためのフロー図である。
【
図9】
図8のアップロード印刷処理において端末装置に提供される一連の操作画像の一例を示す概略図である。
【
図10】
図8のアップロード印刷処理において
図9の操作画像に次いで端末装置に提供される一連の操作画像の一例を示す概略図である。
【
図11】
図8のアップロード印刷処理において
図10の操作画像に次いで端末装置に提供される操作画像の一例を示す概略図である。
【
図12】
図1の画像形成システムにおいて実行されるアップロード印刷処理の第3例において、端末装置に提供される操作画像の一例を示す概略図である。
【
図13】装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図は、本発明の実施の形態を説明するための例示に過ぎない。また、本発明の実施の形態で説明する構成要素の全てが本発明の必須の構成要件とは限らない。
【0014】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる端末装置及び画像形成装置を備えた画像形成システムの一例を示すブロック図である。
図2は、
図1の画像形成システムにおける画像形成装置の外観の一例を示す正面図である。
図3は、
図1の画像形成システムにおける端末装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態にかかる画像形成システム(以下、本システムと称す)は、画像形成装置1と端末装置3とを備え、それらが決済サーバー装置2に接続可能となっている。本システムは、端末装置3から画像形成装置1に印刷を要求して画像形成装置1で印刷を行うシステムであり、その印刷の対価が決済サーバー装置2で決済されるシステムである。
【0016】
[画像形成装置1の概略構成]
画像形成装置1は、
図1に示したように、制御部10、印刷部21、記憶部22、表示部23、操作部24、及び通信部25を備えることができる。また、画像形成装置1は、
図2で外観の例を示したように、例えば、排紙部1b及び給紙ボックス1dを備えた本体部1aと、表示部23や操作部とともに原稿カバーや自動原稿送り装置を備える原稿押さえ部1cと、を備えることができる。
【0017】
画像形成装置1の制御部10は、コントローラーと称することもでき、画像形成装置1の全体の制御を行う。制御部10は、その詳細は後述するが、提供処理部11、取得処理部12、変換処理部13、記憶処理部14、及び課金処理部15を備えることができる。
【0018】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置と、作業用メモリーと、制御用のプログラムやパラメーター等を記憶する記憶装置とを含んで構成されることができる。制御部10は、SoC(System on a Chip)として構成することもできる。これらの例からも分かるように、制御部10は、制御用のプログラムを実行可能な状態で記憶する構成とすることができる。但し、制御部10は、制御用のプログラムをFPGA(field-programmable gate array)のように回路構成として記憶する構成とすることや、あるいは専用の回路として構成することもできる。提供処理部11、取得処理部12、変換処理部13、記憶処理部14、及び課金処理部15は上記のプログラムとして実装することができる。上記のプログラムは、印刷部21、記憶部22、表示部23、操作部24、及び通信部25と協働しながら各部11~15の機能を実現するためのプログラムを含むことができる。
【0019】
印刷部21は、媒体に対して印刷データに基づき印刷を実行し、媒体に印刷データが示す画像を形成する。印刷部21における印刷方式は問わず、例えばインクジェット印刷方式、レーザー印刷方式など様々な印刷方式が適用できる。画像形成装置1は、インクジェット印刷方式を採用する場合、インクジェットプリンターと称することができ、レーザー印刷方式を採用する場合、レーザープリンターと称することができる。
【0020】
記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブや、ソリッドステートドライブや、その他のメモリーによる記憶装置である。制御部10が備えるメモリーの一部を記憶部22と捉えてもよい。記憶部22を、制御部10の一部と捉えることもできる。
【0021】
表示部23は、情報を表示するための部位であり、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等の表示装置により構成される。表示部23は、ディスプレイと、ディスプレイを駆動するための駆動回路と、を含む構成とすることもできる。
【0022】
操作部24は、ユーザーによる操作や入力を受け付ける部位であり、操作受付部と称することもできる。操作部24は、例えば、物理的なボタン、表示部23に搭載したタッチパネル、ポインティングデバイス、及びキーボード等のいずれか1又は複数によって実現されることができる。
図2では、操作部24が物理的なボタンの集合である物理ボタン群24a及びタッチパネル24bで構成された例を挙げている。操作部24がタッチパネル24bを備える構成では、表示部23及びタッチパネル24bを含めて、画像形成装置1の操作パネルと称することもできる。
【0023】
通信部25は、画像形成装置1が所定の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線又は無線で複数の外部装置と通信を実行するための1又は複数の通信インターフェイスとすることができる。この外部装置は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)、サーバー装置、スマートフォン、タブレット型端末等の通信機能を備えた装置であり、決済サーバー装置2及び端末装置3を含むことになる。
【0024】
通信部25は、端末装置3から、印刷対象ファイルを受信することができる。つまり、本実施の形態では、端末装置3は、画像形成装置1に対して印刷対象となる印刷対象ファイルを送信するものとする。この印刷対象ファイルを受信した画像形成装置1は、制御部10の変換処理部13が印刷部21で印刷可能な形式のデータである印刷データに変換して、印刷部21が媒体に印刷を行うことになる。また、この端末装置3は、画像形成装置1における印刷にかかる各種設定を行うことができる。但し、通信部25は、端末装置3から印刷部21で印刷可能な形式のデータである印刷データそのものを受信することもでき、そのような構成の場合、画像形成装置1はその印刷データを媒体に印刷することができる。
【0025】
[決済サーバー装置2の概略構成]
決済サーバー装置2は、その詳細を省略するが、画像形成装置1での印刷に要する金額を支払う支払処理を行うサーバー装置であり、特にQRコード等のコード情報に基づく決済処理が可能なサーバー装置である。決済サーバー装置2は、その機能が複数の装置に分散されたシステムとして構築されることもできる。決済サーバー装置2は、画像形成装置1及び端末装置3に接続可能となっており、画像形成装置1及び端末装置3の少なくとも一方と決済処理のための情報の送受を行う。無論、決済サーバー装置2は、コード情報に基づく決済処理が可能な構成であればよく、コード情報以外による決済処理も可能な構成とすることもできる。
【0026】
[端末装置3の概略構成]
端末装置3は、スマートフォン、タブレット型端末、PC等の通信機能を備えた装置とすることができる。端末装置3は、
図3で例示するように、制御部30、撮像部31、記憶部32、表示部33、操作部34、及び通信部35を備えることができる。
【0027】
端末装置3の制御部30は、コントローラーと称することもでき、端末装置3の全体の制御を行う。制御部30は、その詳細は後述するが、コード情報取得処理部30a、ファイル送信処理部30b、条件受付処理部30c、金額受信処理部30d、接続処理部30e、結果受信処理部30f、及び指示受付処理部30gを備えることができる。
【0028】
制御部30は、例えば、CPU、GPU等の演算処理装置と、作業用メモリーと、制御用のプログラムやパラメーター等を記憶する記憶装置とを含んで構成されることができる。制御部30は、SoCとして構成することもできる。これらの例からも分かるように、制御部30は、制御用のプログラムを実行可能な状態で記憶する構成とすることができる。但し、制御部30は、制御用のプログラムをFPGAのように回路構成として記憶する構成とすることや、あるいは専用の回路として構成することもできる。コード情報取得処理部30a、ファイル送信処理部30b、条件受付処理部30c、金額受信処理部30d、接続処理部30e、結果受信処理部30f、及び指示受付処理部30gは上記のプログラムとして実装することができる。上記のプログラムは、記憶部32、表示部33、操作部34、及び通信部35と協働しながら各部30a~30gの機能を実現するためのプログラムとすることができる。
【0029】
撮像部31は、カメラで構成されることができ、このカメラは静止画像を撮像できればよいが、動画像も撮像できるものであってもよい。撮像部31は、撮像した画像を記憶部32に一時的に又は消去されるまで記憶させることができる。撮像部31は、コード情報を読み取るために使用されることができる。
【0030】
記憶部32は、例えば、ハードディスクドライブや、ソリッドステートドライブや、その他のメモリーによる記憶装置である。制御部30が備えるメモリーの一部を記憶部32と捉えてもよい。記憶部32を、制御部30の一部と捉えることもできる。
【0031】
表示部33は、情報を表示するための部位であり、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等の表示装置により構成される。表示部33は、ディスプレイと、ディスプレイを駆動するための駆動回路と、を含む構成とすることもできる。
【0032】
操作部34は、ユーザーによる操作や入力を受け付ける部位であり、操作受付部と称することもできる。操作部34は、例えば、物理的なボタン、表示部23に搭載したタッチパネル、ポインティングデバイス、及びキーボード等のいずれか1又は複数によって実現されることができる。操作部34がタッチパネルを備える構成では、表示部23及びタッチパネルを含めて、端末装置3の操作パネルと称することもできる。
【0033】
端末装置3が可搬型の端末装置である場合、画像形成装置1に対する印刷処理の要求を画像形成装置1の設置場所で行い易くなるため、以下、可搬型の端末装置であることを前提に説明するが、設置型の端末装置であってもよい。端末装置3が可搬型である場合、操作部34は主に表示部23に搭載したタッチパネルとすることができる。
【0034】
通信部35は、端末装置3が所定の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線又は無線で1又は複数の外部装置と通信を実行するための1又は複数の通信インターフェイスとすることができ、この外部装置として少なくとも画像形成装置1と決済サーバー装置2が含まれることになる。上述したように、端末装置3は、画像形成装置1が通信可能な外部装置の一つとして画像形成装置1と通信可能であり、この通信を通信部35が担うことになる。通信部35は、画像形成装置1に印刷対象のファイルである印刷対象ファイルを送信することや画像形成装置1における印刷にかかる各種設定の変更要求を送信することができる。また、通信部35は、決済サーバー装置2と決済処理のための情報の送受を行う。
【0035】
[本システムの具体的な構成]
画像形成装置1の制御部10の詳細について、端末装置3の詳細な処理例とともに説明する。本システムでは、概略的な流れとして、端末装置3が画像形成装置1に提示してあるコード情報を読み取り、そのコード情報に基づき画像形成装置1にアクセスする。そして、このアクセスにより画像形成装置1から端末装置3に対し、印刷対象ファイルを画像形成装置1に送信するための操作画像を提供し、画像形成装置1に送信された印刷対象ファイルについての印刷を実行する。そして、印刷の実行までには決済サーバー装置2にて印刷の対価についての決済処理がなされることになる。以下、印刷対象ファイルの送信を印刷対象ファイルのアップロードと称することもある。
【0036】
まず、画像形成装置1側の構成例について説明を行う。
提供処理部11は、通信部25を介して端末装置3に操作画像を提供する。提供処理部11及び通信部25は提供部と称することができる。提供処理部11は、端末装置3からの操作画像の要求を通信部25を介して受信した場合に、操作画像を提供することができる。この要求は、端末装置3から行うことになるが、後述するようにコード情報が利用される。
【0037】
操作画像は、印刷対象ファイルを画像形成装置1に送信するための画像であり、端末装置3において、通信部35で受信され表示部33で表示される。操作画像は、表示部33において、例えばWebブラウザー等を用いて表示させることができ、その場合、操作画像はWeb画面と称することもできる。
【0038】
また、
図2に示すように、画像形成装置1は、本体部1a等において、操作画像の提供先のアドレスを示すQRコード1e等のコード情報を表記しておく、あるいはそのようなコード情報が表記されたシールを貼り付けておく。これにより、容易にユーザーに操作画像を提供することができるようになる。なお、以下ではコード情報としてQRコードを例に挙げるが、バーコードなど他のコード情報を採用することもできる。また、画像形成装置1では、QRコードをこのように提示することに加えて、あるいはその代わりに、QRコードを、操作部24からの操作により表示部23に表示せることでユーザーに提示することもできる。
【0039】
本実施の形態では、画像形成装置1は、このような画像形成装置1への接続先を示す情報(以下、第1情報)を含むコード情報を提示する。つまり、第1情報は、画像形成装置1における、印刷対象ファイルを送信するための操作画像を提供する提供元への接続先を示す情報を含むことができる。第1情報は、例えば、印刷対象ファイルをアップロードするための操作画像の提供を端末装置3のブラウザーで受けるために使用されることができる。第1情報は、画像形成装置1におけるこのような操作画像の提供元のURL(Uniform Resource Locator)、つまりこのような操作画像へのアクセス先のURLとすることができる。
【0040】
さらに、本実施の形態では、画像形成装置1は、第1情報だけでなく、画像形成装置1での印刷に要する金額を支払う支払処理を行う決済サーバー装置2に接続するための情報(以下、第2情報)をも含むようなコード情報を提示する。このように、第2情報は、決済サーバー装置2へのアクセス先を示す情報、つまり決済サーバー装置2への接続先を示す情報を含むことができ、例えば決済サーバー装置2のURL等を含むことができる。
【0041】
取得処理部12は、通信部25を介して端末装置3から印刷対象ファイルを取得する。取得する印刷対象ファイルの数は1又は複数とすることができる。取得処理部12及び通信部25は取得部と称することができる。このような取得の前に、端末装置3では、ユーザーが操作部34から印刷対象ファイルの指定を行い、通信部35を介して画像形成装置1へ印刷対象ファイルの送信を行うことになる。
【0042】
変換処理部13は、印刷対象ファイルを印刷部21での印刷可能な形式のデータである印刷データに変換する。変換処理部13は、端末装置3又は操作部24から指定された印刷設定、あるいはデフォルトの印刷設定に基づき、印刷対象ファイルを印刷データに変換する。印刷設定には、カラー/モノクロの違い、片面/両面の違い、媒体の1枚の一面に集約するページ数、印刷部数、印刷の精細度などを含むことができる。変換処理部13は変換部と称することができる。なお、変換処理部13は、端末装置3から受け取った印刷対象ファイル以外の印刷対象ファイルについても印刷部21で印刷可能な形式のデータである印刷データに変換することができる。
【0043】
変換処理部13での印刷対象ファイルから印刷データへの変換のタイミングは、印刷対象ファイルを受信したタイミングに限らない。変換のタイミングは、例えば課金処理部15での課金が完了した後のタイミング又は印刷部21での印刷が実行される直前のタイミングなど、印刷部21での印刷のタイミングより前のタイミングであればよい。変換処理部13は、印刷対象ファイルを、変換後に消去すること、あるいは変換後に一定保存期間だけ保存後に消去することもできる。
【0044】
記憶処理部14は、取得処理部12で取得された印刷対象ファイルを、変換処理部13から参照可能なように記憶部22に記憶する処理と、変換処理部13での変換処理後の印刷データを記憶部22に記憶する処理を行う。また、記憶処理部14は、印刷対象ファイルを変換後の所定のタイミングで削除する処理、印刷データを印刷部21での印刷実行後の所定のタイミングで削除する処理も行うことができる。記憶処理部14及び記憶部22は記憶部と称することもできる。
【0045】
印刷部21は、記憶部22に記憶された印刷データの印刷を実行する。上述したように、印刷部21は、媒体に対してこの印刷データに基づき印刷を実行し、媒体にこの印刷データが示す画像を形成する。なお、通信部25を介して印刷可能な形式のデータである印刷データを受信した場合にも、印刷部21はこの印刷データの印刷を行うように構成することもでき、この場合、変換処理部13での変換が不要となる。
【0046】
課金処理部15は、通信部25を介して、端末装置3あるいは端末装置3及び決済サーバー装置2と接続し、印刷対象ファイルの印刷の対価の課金に関する処理を行う。具体的には、課金処理部15は、図示しないが、金額算出部、金額送信処理部、判定部、及び結果送信処理部を備えることができる。
【0047】
金額算出部は、指定されたあるいは所定の印刷条件での、端末装置3から送信された印刷対象ファイルの印刷に必要な金額を算出する。金額算出部での算出方法は問わないが、印刷条件に含まれる各項目をパラメーターとして印刷対象ファイルのページ数に基づき算出を行えばよい。金額送信処理部は、この必要な金額を示す必要金額情報を端末装置3に通信部25を介して送信する。金額送信処理部及び通信部25は、金額送信部と称することもできる。
【0048】
判定部は、必要金額情報と支払金額情報とに基づき、支払金額が必要な金額に足りているか否かを判定する。ここで、支払金額情報は、決済サーバー装置2に対して支払処理がなされた支払金額を示す情報であり、決済サーバー装置2から直接、あるいは端末装置3を介して受信されることができる。なお、決済サーバー装置2では、支払処理を、プリペイド方式で実施することや、様々なサービスについて付与されたポイントなどを利用する方式で実施することもできる。結果送信処理部は、判定情報として判定部で判定した結果を示す情報を、通信部25を介して端末装置3に送信する。結果送信処理部及び通信部25は、結果送信部と称することもできる。
【0049】
次に、端末装置3側の構成例について説明を行う。
上述したように、端末装置3の制御部30は、コード情報取得処理部30a、ファイル送信処理部30b、条件受付処理部30c、金額受信処理部30d、接続処理部30e、結果受信処理部30f、及び指示受付処理部30gを備えることができる。制御部30の各部30a~30gは、画像形成装置1に対する印刷を指示する印刷指示処理を実行するために設けられている。
【0050】
コード情報取得処理部30aは、撮像部31を介して、QRコードに示される情報で例示する、画像形成装置1への接続先を示す第1情報を含むコード情報を取得する。ユーザーは、端末装置3において、撮像部31を起動させて、画像形成装置1に添付されたQRコード1eや画像形成装置1の表示部23に表示させたQRコードを読み取ることで、コード情報を取得する。コード情報取得処理部30a及び撮像部31は、コード情報取得部と称することもできる。
【0051】
ファイル送信処理部30bは、コード情報に含まれる第1情報に基づいて、通信部35を介して画像形成装置1に印刷対象ファイルを送信する。ファイル送信処理部30b及び通信部35は、ファイル送信部と称することもできる。
【0052】
条件受付処理部30cは、ユーザーから、操作部34を介して、印刷対象ファイルを印刷する条件である上述した印刷条件の選択を受け付ける。条件受付処理部30c及び操作部34は、条件受付部と称することもできる。
【0053】
金額受信処理部30dは、印刷条件で印刷対象ファイルを印刷するために必要な金額を示す必要金額情報を、画像形成装置1から受信する。金額受信処理部30d及び通信部35は、金額受信部と称することもできる。
【0054】
接続処理部30eは、コード情報に含まれる第2情報に基づいて、支払処理のために決済サーバー装置2に接続する。接続処理部30e及び通信部35は、接続部と称することもできる。
【0055】
結果受信処理部30fは、必要金額情報及び判定情報を、通信部35を介して画像形成装置1から受信する。上述したように、必要金額情報は、指定されたあるいは所定の印刷条件での、端末装置3から送信された印刷対象ファイルの印刷に必要な金額を示す情報であり、画像形成装置1で算出された情報である。また、判定情報は、決済サーバー装置2に対して支払処理がなされた支払金額を示す支払金額情報とに基づき、支払金額が必要な金額に足りているか否かを判定した結果を示す情報であり、画像形成装置1で判定された結果を示す情報である。結果受信処理部30f及び通信部35は、結果受信部と称することもできる。
【0056】
指示受付処理部30gは、判定情報が、支払金額が必要な金額に足りていることを示している場合に、ユーザーから操作部34を介して、画像形成装置1に印刷対象ファイルの印刷を実行させる印刷指示を受け付ける。一方で、指示受付処理部30gは、判定情報が、支払金額が必要な金額に足りていることを示していない場合には、このような印刷指示を受け付けないようにしておく。そのためには、例えば、印刷指示を受け付ける印刷指示ボタンを、上述のような判定条件を満たす場合、つまり足りている場合にのみ表示部33に表示させるように、画像形成装置1が操作画像の提供を行えばよい。また、上述のような判定条件を満たさない場合には、例えば、画像形成装置1において、受信した印刷対象ファイルについての印刷要求をキャンセルし、返金処理を行う、あるいは一部返金処理を行うとよい。指示受付処理部30g及び操作部34は、指示受付部と称することもできる。
【0057】
ここで、判定情報は、支払金額が必要な金額と一致しているか否かを判定した結果を示す情報とすることができる。この場合、指示受付処理部30gは、判定情報が、支払金額が必要な金額と一致していることを示している場合に、ユーザーから操作部34を介して印刷指示を受け付ける。一方で、指示受付処理部30gは、判定情報が、支払金額が必要な金額と一致していることを示していない場合には、このような印刷指示を受け付けないようにしておく。そのためには、例えば、印刷指示を受け付ける印刷指示ボタンを、上述のような判定条件を満たす場合、つまり一致している場合にのみ表示部33に表示させるように、画像形成装置1が操作画像の提供を行えばよい。また、上述のような判定条件を満たさない場合には、例えば、画像形成装置1において、受信した印刷対象ファイルについての印刷要求をキャンセルし、返金処理を行うとよい。
【0058】
上述の印刷指示ボタンの表示については、例えば、結果受信処理部30fが、判定情報に基づいて、印刷指示を受け付けるために表示する印刷指示ボタンの画像を受信するように構成しておけばよい。あるいは、結果受信処理部30fが、判定情報として、印刷指示を受け付けるために表示する印刷指示ボタンの画像を受信するように構成しておけばよい。いずれの場合でも、印刷指示ボタンは画像形成装置1側から操作画像に含めて提供されることができる。そして、印刷指示ボタンが選択された場合、指示受付処理部30gが通信部35を介して印刷指示ボタンが選択されたことを示す情報を画像形成装置1へ送信し、画像形成装置1で印刷データの印刷処理が実行される。
【0059】
上述した印刷要求のキャンセルについて説明する。指示受付処理部30gは、判定情報が、支払金額が必要な金額に足りていない又は一致しないことを示している場合に、操作部34を介して画像形成装置1での印刷対象ファイルの印刷をキャンセルする指示を受け付けるように構成することができる。このようなキャンセルする指示を受け付けるために、表示部33にはキャンセル指示ボタンを表示させるとよい。このキャンセル指示ボタンも画像形成装置1側から操作画像に含めて提供されることができる。そして、キャンセル指示ボタンが選択された場合、指示受付処理部30gが通信部35を介してキャンセル指示ボタンが選択されたことを示す情報を画像形成装置1へ送信し、画像形成装置1でキャンセルのための処理、例えば印刷対象ファイルやそれに対応した印刷データの削除などの処理が実行される。
【0060】
キャンセル時の返金処理について説明する。接続処理部30eは、判定情報が、支払金額が必要な金額に足りていない又は一致しないことを示している場合に、第2情報に基づいて、通信部35を介し、返金処理のために決済サーバー装置2に接続するとよい。これにより、決済サーバー装置2で返金処理を行うことができる。この返金処理は、決済サーバー装置2と端末装置3との間で実施されることができるが、画像形成装置1に対し、決済サーバー装置2又は端末装置3から返金処理の結果を通知するなど、画像形成装置1も返金処理にかかわることができる。
【0061】
[本システムによるアップロード印刷処理の第1例]
次に、本システムによって実施されるアップロード印刷処理の第1例について、
図4~
図7を用いて説明する。第1例は、ユーザーが支払い前に印刷条件を選択する処理例であり、ユーザーが選択した印刷条件に基づいてその印刷条件での印刷に必要な金額をユーザーに提示する例である。
図4は、
図1の画像形成システムにおいて実行されるアップロード印刷処理の第1例を説明するためのフロー図である。
図5~
図7は、
図4のアップロード印刷処理において端末装置に提供される一連の操作画像の一例を示す概略図である。
【0062】
なお、以下の第1例では一部の動作について、動作の主体を端末装置3又は画像形成装置1として説明しているが、端末装置3又は画像形成装置1のどの部位が主体となって実行しているかは、上述した構成の説明から明らかである。後述する第2例及び第3例についても同様である。
【0063】
第1例では、制御部30の例えば金額受信処理部30dが、条件受付処理部30cで印刷条件の選択を受け付けた場合に、受信した必要金額情報が示す必要な金額を表示部33に表示させる。
【0064】
まず、端末装置3が画像形成装置1に表記されたQRコード1eを読み取る(ステップS11)。なお、QRコード1eの代わりに画像形成装置1の表示部23に表示させたQRコードであってもよい。
【0065】
次いで、端末装置3が、そのQRコード1eに含まれる第1情報、つまり画像形成装置1の提供先のアドレスを得て、そのアドレスにアクセスすることで、操作画像の提供要求を画像形成装置1に対して行う(ステップS12)。ここで、操作画像の提供要求は、印刷対象ファイルのアップロード印刷を行うための操作画像の提供要求であり、この操作画像はアップロードページと称することができる。なお、説明を省略するが、このアクセス時において、画像形成装置1は、端末装置3の機器情報、ユーザーを示すユーザー情報、その他の別途付与された情報などの識別情報を記憶しておくことで、一連の処理を同じ端末装置3についての処理であると識別することができる。
【0066】
ステップS12のアップロードページ要求を受けた画像形成装置1は、通信部25を介して端末装置3にアップロードページを送信することで提供する(ステップS13)。ここでは、
図5の操作画像50が提供されたものとして説明を行うが、操作画像は含まれる構成要素やその構成要素の配置などはこれに限ったものではなく、印刷条件の設定及びアップロードする印刷対象ファイルの選択が可能なものであればよい。無論、例えば、印刷条件の設定及びアップロードする印刷対象ファイルの選択は、同時に操作画像に含めなくてもいずれか一方を最初に含めた操作画像を表示し、その後に他方を含めた操作画像を表示させることもできる。以下に説明する操作画像についても同様に、単なる一例に過ぎない。
【0067】
端末装置3では、この操作画像50を受信し、ブラウザーを使用して表示部33に操作画像50を表示し、操作部34からの印刷対象ファイルの選択及び印刷条件の入力を受け付ける(ステップS14)。
【0068】
操作画像50は、印刷設定に関し、カラー印刷指定ボタン51a、モノクロ印刷指定ボタン51b、両面印刷指定ボタン52a、片面印刷指定ボタン52b、給紙方法を選択するためのプルダウンメニュー53、用紙の種類を選択するためのプルダウンメニュー54、及び詳細設定画面表示ボタン55を含むことができる。なお、カラー印刷指定ボタン51a、モノクロ印刷指定ボタン51b、両面印刷指定ボタン52a、片面印刷指定ボタン52bはラジオボタンを例示しているが、これに限らず、後述する他の操作画像や本体操作画像についてのボタンについても同様である。詳細設定画面表示ボタン55は、更なる詳細な印刷設定を行うための画面である操作画像を新たに表示させるためのボタンである。印刷設定に関する設定をユーザーが行うと、その設定に関する情報が印刷対象ファイルの送信時などに画像形成装置1に送信されることができる。
【0069】
また、操作画像50は、印刷対象ファイルをドラッグ・アンド・ドロップにより指定するための領域56、及び、印刷対象ファイルを選択するファイル管理アプリケーションソフトウェアの画像を表示させるためのボタン57を含むことができる。無論、領域56及びボタン57のいずれか一方のみを含むこともできる。
【0070】
また、操作画像50は、操作画像50で入力された各種情報に基づき画像形成装置1への印刷対象ファイルのアップロード処理等を実行し、操作画像50を閉じる指示を行うOKボタン58と、キャンセルボタン59と、を含むことができる。キャンセルボタン59は、そのアップロード処理等を実行せずに操作画像50を閉じるためのボタンである。
【0071】
ステップS14に次いで、端末装置3は、印刷対象ファイルについての設定内容、つまり選択された印刷対象ファイル及び受け付けた印刷条件を、画像形成装置1に送信する(ステップS15)。
【0072】
次いで、画像形成装置1が、このようにアップロードされた設定内容を受信し、この設定内容で指定された印刷条件での印刷対象ファイルの印刷に必要な金額を算出する(ステップS16)。ここで、画像形成装置1は、アップロードされた印刷対象ファイルのページ数の解析を行い、印刷条件としてユーザーが選んだカラー、モノクロや片面、両面等の印刷設定に応じて、印刷に必要な金額を算出するとよい。また、画像形成装置1はこの設定内容や必要な金額を示す必要金額情報を記憶しておく。そして、画像形成装置1は、算出した必要な金額を示す必要金額情報を端末装置3へ送信する(ステップS17)。
【0073】
次いで、端末装置3が必要金額情報を受信し、この必要金額情報が示す必要な金額をブラウザーに表示する(ステップS18)。例えば、端末装置3は、
図6の操作画像60のような画像を画像形成装置1から受けてブラウザーに表示することができる。操作画像60では、必要な金額の内訳とともに、必要な金額の合計を示す情報も含まれおり、さらにQRコード決済ボタン61も含まれている。
【0074】
ユーザーによりQRコード決済ボタン61が選択されると、端末装置3はコード情報に含まれる第2情報に基づき、QRコード決済処理を行う決済サーバー装置2へアクセスする(ステップS19)。ここから決済処理に入ることになるが、端末装置3は、決済サーバー装置2から提供される操作画像をブラウザーに表示させる。この操作画像は、例えば操作画像62のように、支払金額入力欄63、支払いを実行するための支払いボタン64、及び処理をキャンセルするためのキャンセルボタン65を含むことができる。このように、端末装置3では、支払う金額の入力を受け付け(ステップS20)、支払いボタン64の選択を受け付ける(ステップS21)。ステップS20,S21でユーザーから入力及び選択がなされた場合、端末装置3は、支払金額入力欄63に入力された支払金額を示す支払金額情報を決済サーバー装置2に送信する(ステップS22)。
【0075】
これにより、決済サーバー装置2において、決済処理が実行され、決済が完了すると、完了した決済についての支払金額を示す支払金額情報、及びそれを含む
図7で例示するような操作画像66が端末装置3へ送信される(ステップS23)。端末装置3は、支払金額情報を含む操作画像66をブラウザーに表示させるとともに、支払金額情報を画像形成装置1へ送信する(ステップS24)。このようにして、決済処理が完了するとともに、画像形成装置1は決済処理が完了したことを知ることができる。また、この支払金額情報は、決済サーバー装置2から直接、画像形成装置1へ送信されることもできる。
【0076】
なお、画像形成装置1から提供される操作画像60のような操作画像に第2情報と同じ情報を含めておくこともできる。但し、例えば複数の決済サービスのそれぞれに対応するQRコードを画像形成装置1が提示することもでき、その場合には、決済サービスの特定のために、つまり使用する決済サービスの決済サーバー装置2のアクセス先の特定のために端末装置3が読み込んだコード情報に含まれる第2情報が使用される。
【0077】
また、OKボタン58が選択された場合、操作画像60の表示を行わずに、次の操作画像62の表示を行うこともできる。端末装置3は第2情報を既に手に入れているため、決済サーバー装置2への自動的な接続及び決済サーバー装置2が提供する提供画像への自動遷移は可能である。
【0078】
画像形成装置1は、支払金額情報を、決済サーバー装置2から直接、あるいは端末装置3を介して受信し、受信した支払金額情報と記憶しておいた必要金額情報とに基づき、支払金額と必要な金額とが一致するか否かを判定する(ステップS25)。そして、画像形成装置1は、判定した結果を示す判定情報を端末装置3へ送信し(ステップS26)、その判定情報を受信した端末装置3は、その判定情報が示す判定結果に従った印刷指示画像を表示させる(ステップS27)。この印刷指示画像は、判定情報の代わりにあるいは判定情報とともに、画像形成装置1から提供された操作画像とすることができる。
【0079】
印刷指示画像は、判定結果が一致している場合には、
図7の操作画像67のように印刷指示を行う印刷指示ボタン68と印刷をキャンセルするキャンセルボタン69とを含む操作画像とすることができる。
【0080】
次いで、
図4では省略しているが、端末装置3が、印刷指示ボタン68が選択されたことを検出すると、画像形成装置1に印刷指示を送信し、その印刷指示を受けた画像形成装置1が印刷対象ファイルを設定された印刷条件で媒体に印刷することになる。なお、この媒体は、給紙ボックス1dから供給されることができる。
【0081】
一方で、図示しないが、端末装置3は、判定結果が一致していない場合には、返金処理を行うための操作画像を画像形成装置1から受信することができ、この操作画像には返金処理ボタンを含むことができる。この返金処理ボタンが選択されると、端末装置3は、画像形成装置1に印刷のキャンセルと通知して画像形成装置1で印刷がキャンセルされるとともに、コード情報に含まれる第2情報に基づき決済サーバー装置2にアクセスして返金処理を行うことができる。
【0082】
なお、判定として、支払金額と必要な金額とが一致するか否かの判定を採用した例を挙げた。但し、上述したように、支払金額に必要な金額が足りているか否かの判定を採用することもでき、その場合、返金処理としては、全額返金処理や、支払いが多い場合の一部返金処理を含むことができる。
【0083】
[本システムの効果]
第2例及び第3例等を説明するに先立ち、本実施の形態による効果について説明する。
本実施の形態では、上述のような印刷指示処理を行うことができる。よって、本実施の形態によれば、フレキシブルオフィスやサードプレイスなどで利用できるような、端末装置から画像形成装置に印刷を要求して画像形成装置で印刷ができるシステムについて、より利便性が高い処理で印刷に必要な対価を精算することができる。これにより、ユーザーの利便性を向上させることができる。特に、本実施の形態では、印刷のために画像形成装置への接続先を示すQRコードと、既存の決済サーバー装置2へのQRコードを2つ(2回)読み取る必要がなくなるため、ユーザーの手間を省くことができる。
【0084】
また、本実施の形態では、印刷サーバー装置を経由した印刷ではないため、このアップロード印刷処理のサービスを提供するために別途印刷サーバー装置を用意する必要もなくシステム導入や運用に要するコストを抑えることができ、サービス提供コストを下げることもできる。また、例えばユーザーは印刷対象ファイルを印刷部21での印刷可能な形式のデータに変換する処理を行うためのプリンタードライバー又は専用のアプリケーションプログラムなどを端末装置3にインストールする必要がない。よって、本実施の形態によれば、ユーザーにとって、印刷対象ファイルを画像形成装置1で印刷させる処理において必要となる作業を簡素化することができ、ユーザーの手間を低減させることができる。つまり、本実施の形態では、印刷サーバー装置を経由しない処理となるため、処理も簡易的になる。よって、本実施の形態によれば、ユーザーが印刷対象ファイルを画像形成装置1で印刷させるために必要な処理を行うシステムを簡素化して構築すること、並びにその処理を簡易的に行うこともできる。
【0085】
但し、その詳細は説明しないが、本実施の形態では、印刷サーバー装置を経由した印刷に適用することもできる。
【0086】
[本システムによるアップロード印刷処理の第2例]
第1例では、アップロードした印刷対象ファイルをもとに、必要金額を計算する方式を採用したが、第2例として説明するように、事前に支払われた金額から印刷できる枚数等の印刷条件を提示しして、印刷対象ファイルをアップロードする方式を採用することもできる。このような第2例について、
図8~
図11を用いて説明を行う。
図8は、
図1の画像形成システムにおいて実行されるアップロード印刷処理の第2例を説明するためのフロー図である。また、
図9~
図11は、
図8のアップロード印刷処理において端末装置に提供される一連の操作画像の一例を示す概略図である。
【0087】
第2例について、簡潔に説明するが、第1例における様々な応用例が適用できる。第2例における条件受付処理部30cは、事前に得た支払金額情報が示す支払金額に応じて、印刷対象ファイルの印刷を実行可能な1又は複数の提案印刷条件を表示部33に表示し、表示した上記1又は複数の提案印刷条件の中から印刷条件の選択を受け付ける。このような提案印刷条件の表示や印刷条件の選択の受け付けなどは、画像形成装置1から提供された操作画像を用いて行うことができる。
【0088】
まず、端末装置3が
図4のステップS11と同様に画像形成装置1に表記されたQRコード1eを読み取る(ステップS31)。次いで、端末装置3が、
図4のステップS19と同様に、コード情報に含まれる第2情報に基づき決済サーバー装置2にアクセスする(ステップS32)。そして、端末装置3、決済サーバー装置2、及び画像形成装置1は、
図4のステップS20~S24で説明した決済処理と同様の決済処理を実行する(ステップS33~S37)。
【0089】
ここで、ステップS33では、
図6の操作画像62と同様に、
図9の操作画像71が端末装置3に表示されることになる。操作画像71は、支払金額入力欄72、支払いボタン73、及びキャンセルボタン74を含むことができる。また、ステップS36では、
図7の操作画像66と同様に、
図9の操作画像75が表示されることができる。
【0090】
ステップS37に次いで、端末装置3は、ステップS31で読み取ったQRコード1eに含まれる第1情報、つまり画像形成装置1の提供先のアドレスを得て、
図4のステップS12と同様に、そのアドレスにアクセスすることで、操作画像の提供要求を画像形成装置1に対して行う(ステップS38)。
【0091】
ステップS38のアップロードページ要求を受けた画像形成装置1は、
図4のステップS13と同様に、通信部25を介して端末装置3にアップロードページを送信することで提供する(ステップS39)。
【0092】
端末装置3では、このアップロードページである操作画像を受信し、ブラウザーを使用して表示部33にこの操作画像を表示し、操作部34からの印刷対象ファイルの選択及び印刷条件の入力を受け付ける(ステップS40)。
【0093】
ステップS39,S40の詳細について説明する。ステップS39,S40では、
図5の操作画像50と異なり、
図10の操作画像76が端末装置3に提供され、表示部33に表示されたものとして説明を行う。操作画像76は、支払金額に応じた印刷条件及びページ数を示す情報(以下、印刷可能条件情報)が含まれており、また印刷対象ファイルの選択のための操作画像に遷移するための印刷ファイル選択ボタン77を含む。
【0094】
印刷可能条件情報は、画像形成装置1が、支払金額情報を、決済サーバー装置2から直接、あるいは端末装置3を介して受信し、受信した支払金額情報と、予め記憶しておいたテーブルに基づき、生成することができる。具体的には、このテーブルは、印刷ページ数と印刷条件との組合せについて、必要な金額を事前に算出して格納したテーブルとすることができる。そして、印刷可能条件情報は、このテーブルから支払金額情報が示す支払金額で印刷可能なページ数及び印刷条件を読み出すことで生成されることができる。
【0095】
操作画像76において、ユーザーが印刷ファイル選択ボタン77を選択した場合、端末装置3は選択された情報を画像形成装置1に送信し、印刷対象ファイルの選択のための、
図10の操作画像78で例示するような操作画像が表示部33に表示される。
【0096】
操作画像78は、印刷設定に関する情報を含む。操作画像78は、
図5におけるカラー印刷指定ボタン51a、モノクロ印刷指定ボタン51b、両面印刷指定ボタン52a、及び片面印刷指定ボタン52bと同様の内容を含むことができる。つまり、操作画像78は、カラー印刷指定ボタン79a、モノクロ印刷指定ボタン79b、両面印刷指定ボタン80a、及び片面印刷指定ボタン80bを含むことができる。但し、操作画像78にも、
図5におけるプルダウンメニュー53、プルダウンメニュー54、及び詳細設定画面表示ボタン55と同等の内容を含むこともできる。
【0097】
また、操作画像78は、
図5の操作画像50と同様に、印刷対象ファイルをドラッグ・アンド・ドロップにより指定するための領域81、及び、印刷対象ファイルを選択するファイル管理アプリケーションソフトウェアの画像を表示させるためのボタン82を含むことができる。また、操作画像78は、操作画像50と同様に、操作画像78で入力された各種情報に基づき画像形成装置1への印刷対象ファイルのアップロード処理等を実行し、操作画像78を閉じる指示を行うOKボタン83と、キャンセルボタン84と、を含むことができる。キャンセルボタン84は、そのアップロード処理等を実行せずに操作画像78を閉じるためのボタンである。
【0098】
但し、ステップS39で提供される操作画像は含まれる構成要素やその構成要素の配置などはこれに限ったものではなく、支払金額に応じた印刷条件及びページ数を示す情報が含まれており、印刷対象ファイルの選択のための操作画像に遷移できればよい。無論、例えば、ステップS39で提供される操作画像は、
図10の操作画像76のように支払金額に応じた印刷条件及びページ数を示す情報が含まれ、且つ
図10の操作画像78に示すような印刷条件の設定及びアップロードする印刷対象ファイルの選択を行うことが可能な画像であってもよい。
【0099】
ステップS40に次いで、端末装置3は、印刷対象ファイルについての設定内容、つまり選択された印刷対象ファイル及び受け付けた印刷条件を、画像形成装置1に送信する(ステップS41)。
【0100】
次いで、画像形成装置1が、
図4のステップS16と同様に、このようにアップロードされた設定内容を受信し、この設定内容で指定された印刷条件での印刷対象ファイルの印刷に必要な金額を算出する(ステップS42)。そして、画像形成装置1は、
図4のステップS17と同様に、算出した必要な金額を示す必要金額情報を端末装置3へ送信する(ステップS43)。
【0101】
次いで、画像形成装置1は、記憶しておいた支払金額情報及び算出した必要な金額を示す必要金額情報に基づき、支払金額と必要な金額とが一致するか否かを判定する(ステップS43)。そして、画像形成装置1は、必要金額情報と判定した結果を示す判定情報とを端末装置3へ送信する(ステップS44)。ステップS44では、判定情報の代わりにあるいは判定情報とともに、画像形成装置1から提供された操作画像を端末装置3に送信することができる。
【0102】
必要金額情報及び判定情報を受信した端末装置3は、その必要金額情報が示す必要な金額を示す画像とともに、その判定情報が示す判定結果に従った印刷指示画像をブラウザーに表示する(ステップS45)。ここでは、端末装置3が
図11の操作画像85を表示させる例を挙げる。
【0103】
図11の操作画像85は、
図6の操作画像60のように、必要な金額の内訳とともに、必要な金額の合計を示す情報が含まれる。但し、既にQRコード決済が済んでいるため、操作画像85には、
図6の操作画像60と異なり、QRコード決済ボタン61は不要である。また、操作画像85は、印刷指示画像の例であり、判定結果が一致している場合に表示される画像である。よって、操作画像85には、印刷指示を行う印刷指示ボタン86と印刷をキャンセルするキャンセルボタン87とを含むことができる。
【0104】
次いで、
図8では省略しているが、端末装置3が、印刷指示ボタン86が選択されたことを検出すると、画像形成装置1に印刷指示を送信し、その印刷指示を受けた画像形成装置1が印刷対象ファイルを設定された印刷条件で媒体に印刷することになる。
【0105】
一方で、図示しないが、端末装置3は、判定結果が一致していない場合には、返金処理を行うための操作画像を画像形成装置1から受信することができ、この操作画像には返金処理ボタンを含むことができる。この返金処理ボタンが選択されると、端末装置3は、画像形成装置1に印刷のキャンセルと通知して画像形成装置1で印刷がキャンセルされるとともに、コード情報に含まれる第2情報に基づき決済サーバー装置2にアクセスして返金処理を行うことができる。
【0106】
なお、判定として、支払金額と必要な金額とが一致するか否かの判定を採用した例を挙げた。但し、上述したように、支払金額に必要な金額が足りているか否かの判定を採用することもでき、その場合、返金処理としては、全額返金処理や、支払いが多い場合の一部返金処理を含むことができる。
【0107】
また、支払いが多い場合には、印刷可能な枚数や設定に達するまで、印刷ファイルを1度、もしくは複数回アップロードするかあるいは印刷条件を変更することを許容してもよい。
【0108】
第2例では、第1例と、異なる手順でのアップロード印刷サービスを提供することができる。
【0109】
[本システムによるアップロード印刷処理の第3例]
第1例及び第2例では、本システムが決済サーバー装置2により1つの決済サービスを提供することを前提として説明したが、第3例として説明するように、複数の決済サービスの中からユーザーが決済サービスを選択できるように構成することもできる。このような第3例について、
図12を用いて説明を行う。
図12は、
図1の画像形成システムにおいて実行されるアップロード印刷処理の第3例において、端末装置に提供される操作画像の一例を示す概略図である。
【0110】
第3例における本システムでは、
図1及び
図3では図示しないが、端末装置3や画像形成装置1が複数の決済サーバー装置2に接続可能となっている。決済サーバー装置2の数は、選択可能な決済サービスの数だけ存在することになる。
【0111】
第3例でも、第1例及び第2例と同様に、コード情報に含まれる第1情報は、画像形成装置1における、印刷対象ファイルを送信するための操作画像を提供する提供元への接続先を示す情報を含む。一方で、第3例では、第1例及び第2例と異なり、コード情報に含まれる第2情報は、画像形成装置1における、複数の候補決済サーバー装置の中から接続する決済サーバー装置を選択する選択画像を提供する提供元への接続先を示す情報(以下、第3情報)を含む。
【0112】
第3情報は、画像形成装置1における、各候補決済サーバー装置への接続先を格納した接続先を指すことができ、これにより、端末装置3は、画像形成装置1から各候補決済サーバー装置への接続先を得ることができる。但し、第2情報として、複数の候補決済サーバー装置への接続先を示す情報を含むことで、このような各候補決済サーバー装置への接続先を得る手順を省くことができる。
【0113】
第3例では、例えば第1例における
図6の操作画像60のQRコード決済ボタン61が選択された場合に、画像形成装置1が
図12で示す操作画像90を端末装置3に提供し、端末装置3がブラウザーに表示させる。操作画像90は、A社、B社、及びC社のQRコード決済のサービスの中から選択できるようなラジオボタン群91を含み、OKボタン92及びキャンセルボタン93も含むことができる。ラジオボタン群91において、1つのQRコード決済のサービスが選択され、OKボタン92が選択されると、
図6の操作画像62を表示させればよい。キャンセルボタン93が選択された場合には処理をキャンセルすればよい。第3例を第1例に適用した例を挙げたが、無論、第2例にも同様の考え方で第3例を適用することができる。
【0114】
第3例では、第1例や第2例に比べて、複数の決済サービスに対応することができるといった効果を奏す。また、第1例や第2例でも、画像形成装置1が決済サービスごとにコード情報を提示しておけば同様の処理が可能であるが、第3例ではこのような構成に比べてユーザーが後から決済サービスを選択できる利点がある。
【0115】
(その他の変形例)
本発明は、上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施の形態にかかる端末装置は、第1例~第3例で例示した内容からも分かるように、
図3に示した端末装置3の構成要素のうち、一部を備えない構成とすることもできる。また、本実施の形態にかかる画像形成装置は、第1例~第3例で例示した内容からも分かるように、
図1に示した画像形成装置1の構成要素のうち、一部を備えない構成とすることもできる。また、本実施の形態に係る画像形成システムに適用される画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、これらの機能を備えた複合機等に広く適用できる。
【0116】
なお、図示しないが、画像形成装置1は、コインベンダーなどと称される課金装置を備えることもでき、この課金装置での支払いにも対応させることができる。この課金装置は、例えば
図2における画像形成装置1の本体部1aの側面などに配置されることができる。また、画像形成装置1は、QRコード等のコード情報の読み取りを伴わない、電子マネー等による課金を、通信部25を介して実行する機能も併せて備えることができる。
【0117】
また、本システムでは、端末装置3からの印刷対象ファイルの送信による印刷要求が、決済が正規になされていればそのまま受け入れられることを前提として説明したが、さらに、画像形成装置1での承認を経て印刷を実行するように構成することもできる。例えば、画像形成装置1の制御部10に次のような生成処理部を設けておくこともできる。この生成処理部は、上述した識別情報として、あるいは上述した識別情報の一部として、印刷対象ファイルについての印刷を承認するための識別情報である第1識別情報を生成する。この第1識別情報は、端末装置3から送信された印刷対象ファイルに対して画像形成装置1において印刷を承認するために、つまり印刷を承認するか否かを判定するために用いる情報である。なお、この第1識別情報は、いわゆる印刷ジョブIDといった印刷ジョブを識別するための管理情報とは異なる。
【0118】
この第1識別情報としては、PINなど、端末装置3あるいは端末装置3のユーザーを識別する情報を利用することができるが、これに限らない。なお、PINはPersonal Identification Numberの略である。例えば、この第1識別情報としては、任意に生成した文字、記号、数字などを用いた情報であっても、端末装置3から送信された印刷対象ファイル等の印刷対象ファイルについて承認/否認を判定するために参照される情報であればよい。
【0119】
この場合、記憶処理部14は、印刷対象ファイル及び印刷データのいずれか一方である印刷対象と第1識別情報とを対応付けて記憶部22に記憶する処理を行っておく。そして、画像形成装置1は、第1識別情報を端末装置3のユーザーに操作部24から入力させることで、入力された第1識別情報と記憶された第1識別情報とを比較する。画像形成装置1は、この比較の結果が一致した場合には印刷を許可、つまり承認し、決済処理で問題がなければ印刷を行えばよい。一方、画像形成装置は、この比較の結果が一致しなかった場合には印刷を許可しないように、つまり否認するようにすればよい。
【0120】
このような第1識別情報を導入することで、ユーザーにとって、印刷対象ファイルを画像形成装置1側の承認を経て印刷させる処理において必要となる作業を簡素化することができ、ユーザーの手間を低減させることができる。
【0121】
また、上述した実施の形態に係る画像形成システムに備えられる各装置は、いずれも、例えば次のようなハードウェア構成を備えることができる。
図13は、装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0122】
図13に示す装置100は、プロセッサー101、メモリー102、及びインターフェイス103を備えることができる。インターフェイス103は、装置に応じて必要な、例えば通信インターフェイスや、駆動部、センサ、入出力装置などとのインターフェイスを含むことができる。
【0123】
プロセッサー101は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサーとも称されるMPU(Micro Processor Unit)などであってもよい。プロセッサー101は、複数のプロセッサーを含んでもよい。メモリー102は、例えば、揮発性メモリー及び不揮発性メモリーの組み合わせによって構成される。各装置における機能は、プロセッサー101がメモリー102に記憶されたプログラムを読み込んで、インターフェイス103を介して必要な情報をやり取りしながら実行することにより実現される。
【0124】
また、上述したプログラムは、コンピューターに読み込まれた場合に、実施の形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピューターに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリー、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリー技術を含む。また、限定ではなく例として、コンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体は、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0125】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0126】
1…画像形成装置、1a…本体部、1b…排紙部、1c…原稿押さえ部、1d…給紙ボックス、1e…QRコード、2…決済サーバー装置、3…端末装置、10…制御部、11…提供処理部、12…取得処理部、13…変換処理部、14…記憶処理部、15…課金処理部、21…印刷部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、24a…物理ボタン群、24b…タッチパネル、25…通信部、30…制御部、30a…コード情報取得処理部、30b…ファイル送信処理部、30c…条件受付処理部、30d…金額受信処理部、30e…接続処理部、30f…結果受信処理部、30g…指示受付処理部、31…撮像部、32…記憶部、33…表示部、34…操作部、35…通信部、50…操作画像、51a…カラー印刷指定ボタン、51b…モノクロ印刷指定ボタン、52a…両面印刷指定ボタン、52b…片面印刷指定ボタン、53…プルダウンメニュー、54…プルダウンメニュー、55…詳細設定画面表示ボタン、56…領域、57…ボタン、58…OKボタン、59…キャンセルボタン、60…操作画像、61…QRコード決済ボタン、62…操作画像、63…支払金額入力欄、64…支払いボタン、65…キャンセルボタン、66…操作画像、68…印刷指示ボタン、69…キャンセルボタン、71…操作画像、72…支払金額入力欄、73…支払いボタン、74…キャンセルボタン、75…操作画像、76…操作画像、77…印刷ファイル選択ボタン、78…操作画像、79a…カラー印刷指定ボタン、79b…モノクロ印刷指定ボタン、80a…両面印刷指定ボタン、80b…片面印刷指定ボタン、81…領域、82…ボタン、83…OKボタン、84…キャンセルボタン、85…操作画像、86…印刷指示ボタン、87…キャンセルボタン、90…操作画像、91…ラジオボタン群、92…OKボタン、93…キャンセルボタン、100…装置、101…プロセッサー、102…メモリー、103…インターフェイス