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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134726
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ファスナー部材
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/14 20060101AFI20240927BHJP
   B65D 63/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G09F3/14
B65D63/10 B
B65D63/10 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045070
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000134464
【氏名又は名称】株式会社トスカバノック
(71)【出願人】
【識別番号】591017054
【氏名又は名称】株式会社三洋製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕一
(72)【発明者】
【氏名】井上 高幸
【テーマコード(参考)】
3E085
【Fターム(参考)】
3E085AA04
3E085BA06
3E085BC08
3E085BD03
3E085BD08
3E085BE06
3E085BE10
3E085BG10
(57)【要約】
【課題】 従来、タグを商品に取り付けるためのファスナー部材には、即時にそのロック状態を解除し、対象商品をすぐに使用することができるようにすることのできるものはなかったという点である。
【解決手段】 プラスチックで成形された雄部と、その雄部が挿入されて係合ロックする雌部とを有し、その雄部と雌部はファイバー材で一体に構成され、前記雄部の雌部への挿入によって前記ファイバー材がループを形成するファスナー部材において、前記雌部とファイバー材との間には捩り破断部とその捩り破断部と一体化されている把持部とが設けられていることとする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックで成形された雄部と、その雄部が挿入されて係合ロックする雌部とを有し、その雄部と雌部はファイバー材で一体に構成され、前記雄部の雌部への挿入によって前記ファイバー材がループを形成するファスナー部材において、前記雌部とファイバー材との間には捩り破断部とその捩り破断部と一体化されている把持部とが設けられていることを特徴とするファスナー部材。
【請求項2】
前記捩り破断部は細径部分を設けていることを特徴とする請求項1に記載のファスナー部材。
【請求項3】
前記捩り破断部は断面矩形状としてあることを特徴とする請求項1に記載のファスナー部材。
【請求項4】
前記細径部は前記把持部寄りに設けられていることを特徴とする請求項2に記載のファスナー部材。
【請求項5】
前記ファイバー材は延伸加工されたプラスチックであることを特徴とする請求項1に記載のファスナー部材。
【請求項6】
前記ファイバー材は撚糸であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファスナー部材、特に商品に対して価格や品質等を表示したタグを取り付けるために使用されるファスナー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
前記ファスナー部材は現在多種のものがその存在を知られているものである。従来、商品にタグを取り付けるためのファスナー部材は商品の陳列時等には取り付け状態が簡単には外されないようそのロック状態も強固なものとされており、一般的に、需要者が商品の購入後にハサミやカッター等の切断用具を使用してこのファスナー部材を切断し、商品を使用することとなっている。
【0003】
しかしながら、商品の種類によっては購入後、即時にその場で使用したい場合もあり、かかる時に、ファスナー部材あるいはそのロック状態が強固なため、それを破断、切断するのに道具を捜したり、切断作業をしたりという時間を無為に費やしてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2021-205943号出願書類
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、タグを商品に取り付けるためのファスナー部材には、即時にそのロック状態を解除し、対象商品をすぐに使用することができるようにすることのできるものはなかったという点である。尚、先行技術文献として示した案件は、本願出願人と同一の出願人によるものであり、雌部とファイバー部との間に形成されている脆弱部を引き割くことによってファイバー部を一本状態とするものであり、本願出願時点では未公開となっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した問題点を解決するために、本発明に係るファスナー部材は、プラスチックで成形された雄部と、その雄部が挿入されて係合ロックする雌部とを有し、その雄部と雌部はファイバー材で一体に構成され、前記雄部の雌部への挿入によって前記ファイバー材がループを形成するファスナー部材において、前記雌部とファイバー材との間には捩り破断部とその捩り破断部と一体化されている把持部とが設けられていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係るファスナー部材は、前記捩り破断部は細径部分を設けていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係るファスナー部材は、前記捩り破断部は断面矩形状としてあることを特徴としている。
【0009】
そして、本発明に係るファスナー部材は、前記細径部は前記把持部寄りに設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るファスナー部材は、前記ファイバー材は延伸加工されたプラスチックであることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明に係るファスナー部材は、前記ファイバー材は撚糸であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るファスナー部材は、上記のように構成されている。そのため、ファイバー材で形成された雄部と雌部とでロックされたループを片方の指先で雌部を摘み、他の指先で把持部を摘み持って、相互に対向方向に捩ることで捩り破断部が切断され、ループが解放されることとなり、これによって対象となる商品から即時にこのファスナー部材及びそこに付けられていたタグを取り外すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明を実施した一部破断斜視図である。
図2】同じく使用状態を示す斜視図である。
図3】捩り作用を示す図である。
図4】破断状態を示す斜視図である。
図5】使用前のアッセンブリ状態を示す図である。
図6】雌部の断面と対応する雄部とを示す図である。
図7】捩り破断部の断面図である。
図8】把持部の断面図である。
図9】雌部の別方向からの断面図である。
図10】第二実施例を示す斜視図である。
図11】同じく平面図である。
図12】同じく図11中のA-A線に沿った雌部の断面図である。
図13】雄部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例0015】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図中1は本発明を実施したファスナー部材を示しており、このファスナー部材1はプラスチックで成形された雌部2と雄部3を有している。前記した雌部2には雄部3が挿入される挿入口4が形成されており、その挿入口4の内壁面に雄部3を係合し、抜けを防止するためのフレキシブルな爪片5、5が一体に形成されている。
【0016】
一方、前記した雄部3は円柱状とされ、先端に係合段部7が形成された挿し込み先端部6を一体に有した構成となっている。この先端部6が、挿入口4に挿し込まれると、その先端部6が前記爪片5、5を押し拡げて通過し、先端部6が通過すると爪部5、5は元の位置に復元し、その爪部5、5の先端と係合段部7が係合して抜けが防止されロック状態とされる。
【0017】
また、雌部2の外側面の一部には片状をした、雌部2、雄部3と同様のプラスチックで成形された連結部8が一体に形成されており、この連結部8には、やはりプラスチックで成形された捩り破断部9が一体に形成されたものとなっている。この捩り破断部9は断面が四つのコーナー(エッジ)を形成した矩形となっており、さらにその捩り破断部9は、後述する把持部10寄りに段を設けて細径部9aが形成されている。
【0018】
さらに、前記細径部9aの端部には把持部10の一方の端面が一体に連接されている。この把持部10は、雌部2、雄部3と同様のプラスチックで成形されて偏平で角丸とした略長方形の平板となっており、この把持部10の他方側の端面にはファイバー材11の一端が一体に連接されており、ファイバー材11の他端は雄部3の基端部分と略直角状態で一体に連接されている。
【0019】
前記したファイバー材11は延伸加工したプラスチックが用いられているが、これに代えて天然繊維を撚った撚糸を使用することもできる。この撚糸を使用した場合、把持部10の内部に端部を挿通することはできるが、捩り破断部9までその撚糸の端部を挿入させることは不可となる。これは後述する捩り破断部9を捩って破断してロック状態を解放する際に、その撚糸の存在が作業を妨害してしまうこととなるからである。
【0020】
本第一の実施例に係るファスナー部材は上記のように構成されている。前記した雄部3を雌部2の挿入口4から挿入して係合段部6を爪体5、5と係合させてロックする際にタグTの透孔にまず雄部3を通すことでファイバー11によって形成されるループにそのタグTを保持させることができ、前記雄部3を商品である衣服のボタン穴やブランドタグ等に通すことで、タグTを商品に取り付けることができる。
【0021】
この商品へのタグTの装着作業はアッセンブリAとされているファスナー部材1、1‥を順次専用の装着具を用いてランナーバーを送り、一本づつカットしていくことで実行される。
【0022】
こうして商品に取り付けられたファスナー部材1を商品から取り外すには、従来はハサミやカッター等の切断用具を用いてファスナー部材1のファイバー材11を切断してロック状態、強いてはループ状態を解除する必要があったが、本発明に係るファスナー部材1にあっては、一方の指先で雌部2を摘み、他方の手の指先で把持部10を摘み、図3に示す矢印方向に、相互に逆方向に回転力を与えること、即ち、捩り作用によって捩り破断部9を捩り切ってしまい、ループ状態を解除することができる。
【0023】
この捩り作用の際、捩り破断部9が断面矩形状をしているため、四隅にコーナー(エッジ)を有しており、捩りによる応力が有効に伝達され、少ない力でも破断することが可能となり、加えて細径部9aが形成されているので、その細径部9aにあって、捩りの応力はより多く受け易くなっている。
【実施例0024】
次いで、図10乃至図13を参照して本発明の第二の実施例を説明する。尚、実施例と共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。これらの図にあって1aはファスナー部材を示している。このファスナー部材1aもプラスチックで成形された雌部2aと雄部3aを有している。前記した雌部2aには雄部3aが挿入される挿入口4aが形成されており、その挿入口4aは貫通孔となっており、どちら側からでも雄部3aの挿入が可能となっており、その内壁面の中央部分に雄部3aを係合して抜けを防止するリング状をした係止部12が一体に形成されている。また、この第二の実施例にあって、連結部8aは雌部2aの外壁面を膨出して一体形成されたものとなっている。
【0025】
前記した雄部3aはその先端にフレキシブル性を保有させるための支持部13が一体に設けられその支持部13に先端面を球面状とした略山形の先端部6aが設けられているもので、この先端部6aの基部が係合段部7aとして作用する。先端部6aが挿入口4に挿し込まれると、その先端部6aは係止部12によってすぼめられ先端部6aが係止部12を通過すると、その先端部6aは復元拡開して係合段部7aが係止部12と係合して抜けが防止されロック状態となる。即ち、このロック状態は第一の実施例とは逆に雄部3aの先端部6a側が拡開復元してなされることとなる。
【0026】
また、この第二の実施例におけるファイバー材11aは天然繊維を撚った撚糸が使用されており、このファイバー材11aは雄部3aを軸方向に貫通して前記支持部13と並行する構成とされている。ファイバー材11aの他端は把持部10内に位置され固定されている。
【0027】
加えて、把持部10は偏平な平板として成形してあるので、捩り作業で摘み持ちがし易いほか、その平面を有効に利用してブランド等を刻印、記載した表示部としても活用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1,1a ファスナー部材
2,2a 雌部
3,3a 雄部
4,4a 挿入口
5 爪片
6,6a 先端部
7,7a 係合段部
8,8a 連結部
9 捩り破断部
9a 細径部
10 把持部
11,11a ファイバー材
12 係止部
13 支持部
A アッセンブリ
T タグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13