(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134739
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ペット用玩具
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20240927BHJP
A01K 5/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A01K15/02 A
A01K5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045086
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000107066
【氏名又は名称】株式会社リッチェル
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】番匠 香純
【テーマコード(参考)】
2B102
【Fターム(参考)】
2B102AA04
(57)【要約】
【課題】ペットに使用しない時などに異物の侵入を防いで、餌の取り出しを調整しやすいペット用玩具の提供を目的とする。
【解決手段】転動可能な略すり鉢状の第1本体部と、該第1本体部の底部から開口に突出するおねじ部と、を有する第1玩具本体と、転動可能な略すり鉢状の第2本体部と、該第2本体部の底部から開口に突出し前記おねじ部と螺合するめねじ部と、を有する第2玩具本体とを備え、前記おねじ部とめねじ部の螺合により、前記第1本体部及び第2本体部の各開口の周縁部が全周にわたって互いに当接するように重ね合わせられることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動可能な略すり鉢状の第1本体部と、該第1本体部の底部から開口に突出するおねじ部と、を有する第1玩具本体と、
転動可能な略すり鉢状の第2本体部と、該第2本体部の底部から開口に突出し前記おねじ部と螺合するめねじ部と、を有する第2玩具本体とを備え、
前記おねじ部とめねじ部の螺合により、前記第1本体部及び第2本体部の各開口の周縁部が全周にわたって互いに当接するように重ね合わせられることを特徴とするペット用玩具。
【請求項2】
前記第1本体部の第1周縁部と、第2本体部の第2周縁部とが互いに離間する間隔を前記おねじ部とめねじ部の螺合量で調整可能であり、前記第1周縁部及び第2周縁部の間に形成された放出口から前記第1本体部及び第2本体部の内部に収容した餌を放出できることを特徴とする請求項1に記載のペット用玩具。
【請求項3】
前記第1周縁部及び第2周縁部は、複数の頂点を有するほぼ対称な平面視多角形状であることを特徴とする請求項2に記載のペット用玩具。
【請求項4】
前記螺合量の調整により、前記第1周縁部及び第2周縁部の各頂点がZ軸方向からみて重なる場合には前記放出口がZ軸方向に間隔を有し、重ならない場合には前記放出口がZ軸方向とXY軸方向とに間隔を有することを特徴とする請求項3に記載のペット用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペットが遊びながら餌を取り出すことができるペット用玩具が知られている。
例えば、特許文献1に記載されたペット用玩具は、餌を収容可能な空洞部を内部に有するボディに対し、空洞部と連通するようにスリットが形成されており、このスリットを介して内部の清掃や餌の出し入れをするものである。
特許文献2には、餌を繰り出し可能な複数の餌落ち穴と、その穴開閉用の蓋が設けられたペット用玩具が開示されており、蓋を閉じる数によって餌を繰り出す穴の数を決めるものであり、蓋と餌落ち穴との間には切れ目形成中子分の隙間を有している。
上記特許文献1、2に記載されたペット用玩具は、ペットに餌を入れて使用しない時や飼い主等が一時的に持ち歩くなどの際に、スリットや隙間が異物の侵入口となりやすい。
また、餌の大きさや形に応じて取り出しが調整できないため、ペットが餌を取り出そうと努力することで知育効果を得るには、使用できるペットフードやおやつに制限が生じやすく、ペットに十分な知育効果を与え続けるには、餌の取り出しを多様に調整できるものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5177822号公報
【特許文献2】特許第6645661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ペットに使用しない時などに異物の侵入を防いで、餌の取り出しを調整しやすいペット用玩具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るペット用玩具は、転動可能な略すり鉢状の第1本体部と、該第1本体部の底部から開口に突出するおねじ部と、を有する第1玩具本体と、転動可能な略すり鉢状の第2本体部と、該第2本体部の底部から開口に突出し前記おねじ部と螺合するめねじ部と、を有する第2玩具本体とを備え、前記おねじ部とめねじ部の螺合により、前記第1本体部及び第2本体部の各開口の周縁部が全周にわたって互いに当接するように重ね合わせられることを特徴とする。
【0006】
略すり鉢状の第1、第2本体部に対して、それぞれの開口を介して内部に餌を出し入れできるが、この開口が異物の侵入口にもなる。
そこで本発明は、一対のおねじ部とめねじ部の螺合により、各本体部の開口の周縁部を全周にわたって互いに当接するように重ね合わせられる構造としたことで、各開口を互いに閉じ合って、内部に異物が侵入するのを防止する。
本発明において、前記第1本体部の第1周縁部と、第2本体部の第2周縁部とが互いに離間する間隔を前記おねじ部とめねじ部の螺合量で調整可能であり、前記第1周縁部及び第2周縁部の間に形成された放出口から前記第1本体部及び第2本体部の内部に収容した餌を放出できるので、餌を入れて使用しない時などでは異物の侵入を防止し、ペットに遊ばせる時には放出口を形成して餌を取り出すことができる。
螺合量を調整することで、餌の大きさや形に応じた取り出しも可能であり、飼い主等が餌を与える量の調整もしやすく、螺合を解除することで内部の清掃もしやすい。
【0007】
本発明において、前記第1周縁部及び第2周縁部は、複数の頂点を有するほぼ対称な平面視多角形状であってもよい。
例えば、第1、第2周縁部がほぼ対称な平面視三角形状であれば、それぞれ3つの頂点を有する。
第1、第2玩具本体を互いに螺合装着する方向をZ軸方向とすると、前記螺合量の調整により、前記第1周縁部及び第2周縁部の各頂点がZ軸方向からみて重なる場合には前記放出口がZ軸方向に間隔を有し、重ならない場合には前記放出口がZ軸方向とXY軸方向とに間隔を有するものであってもよい。
放出口の間隔(Δx、Δy、Δz)を適宜調整することで、餌の取り出しに多様な変化を生じさせ、餌の取り出し難易度をより細かく設定できる。
このように餌の取り出しを多様に調整できることで、ペットを飽きさせにくく、ペットの集中力向上やトレーニング、しつけなどに続けて使用しやすい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るペット用玩具は、ペットに使用しない時などには異物の侵入を防止し、ペットが遊ぶ時には放出口を形成して餌を取り出させることができ、飼い主等がペット用玩具を扱いやすく、餌の取り出しの調整もしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るペット用玩具の構造例を分解斜視図で示す。
【
図2】ペット用玩具の第1使用状態を、(a)に正面図、(b)に断面図で示す。
【
図3】ペット用玩具の第2使用状態を、(a)に斜視図、(b)に断面図で示す。
【
図4】ペット用玩具の第3使用状態を、(a)に正面図、(b)に断面図で示す。
【
図5】(c)に第3使用状態の平面図、(d)に斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るペット用玩具について、図に基づいて説明するが、本発明は本実施例に限定されるわけではない。
図1にペット用玩具の構造例を示し、
図2~
図5に使用状態例を示す。
ペット用玩具は、第1玩具本体10と第2玩具本体20とで構成され、この第1、第2玩具本体を互いに螺合装着することで、犬などが遊びながら餌を取り出すことができるひとつの知育玩具となる。
以下、第1、第2玩具本体の装着方向をZ軸方向、螺合回転方向をXY軸方向といい、本明細書において、平面図とはZ軸方向の一方からみた図をいう。
【0011】
第1玩具本体10は、転動可能な略すり鉢状の第1本体部11と、この第1本体部の底部12から開口に向かって突出するおねじ部13を有する。
略すり鉢状とは、底部12から開口の周縁部14に向かって斜面部15を有して拡径した形状をいい、斜面部15は断面直線状や断面曲線状であってもよく、例えば、底部12を支点に第1本体部11が不規則に傾転動するものであってもよい。
底部12は湾曲状であってもよいが、机などに載置して第1本体部11内に餌を充填しやすいように小径の平底であってもよい。
第2玩具本体20は、転動可能な略すり鉢状の第2本体部21と、第2本体部の底部22から開口に向かって突出するめねじ部23を有し、このめねじ部が第1玩具本体のおねじ部13と螺合する。
一対の第1、第2本体部11、21は、各開口の周縁部(第1周縁部14、第2周縁部24)がほぼ同大で互いにほぼ対称な形であり、第1、第2本体部11、21の各開口を閉じるように第1、第2周縁部14、24を重ね合わせることができる。
各周縁部14、24は互いに当接して重合しやすいように、XY軸方向に所定の厚みを有してあってもよく、周縁部のほぼ全周にわたって互いに当接し合うことで、
図2(b)に示すように第1、第2本体部11、21の内部30に異物の侵入口が形成されないようにペット用玩具を一体化できる。
第1、第2周縁部14、24は、例えば、平面視略円形状や、複数の頂点を有する平面視多角形状であってもよく、本実施例はそれぞれ3つの頂点(第1頂点16、16、16、第2頂点26、26、26)を有するほぼ対称な平面視略正三角形状の例であるが、頂点の数や角度に特に制限はなく、例えば、平面視において五角形状が花形にみえるものであってもよい。
なお、各玩具本体10、20は樹脂材等で形成され、各本体部11、21はペットが咥える、転がす、持ち運ぶ等しやすいように、例えば、
図2に示すように外側表面に凹凸形状を有するものであってもよい。
また、第2本体部の底部22や斜面部25は、第1本体部の底部12や斜面部15と異なる形状であってもよい。
【0012】
一対のおねじ部13とめねじ部23で構成される螺合構造は、
図2に示すように第1、第2周縁部14、24を重ね合わした状態と、例えば
図3~
図5に示すように各周縁部14、24が互いに離間した状態を維持できる所定のねじ山数を有する。
図2に示す第1使用状態は、内部30に餌を入れない時や、飼い主が一時的に持ち歩くなどの際に好ましい状態である。
なお、本実施例は、おねじ部13が第1周縁部14を、めねじ部23が第2周縁部24をそれぞれ超えてZ軸方向に突出する例であるが、例えば、螺合の前進で周縁部が重合され、螺合の後退で離間状態を維持できれば、おねじ部が第1周縁部を、又はめねじ部が第2周縁部を超えない長さであってもよい。
おねじ部13とめねじ部23の螺合により、
図2(b)に示すように第1、第2周縁部14,24が全周にわたって互いに当接するように重ね合わせられると、おねじ部の先端13aは第2本体部の底部22に、めねじ部の先端23aは第1本体部の底部12に最も接近した状態となる。
【0013】
螺合量の調整により、第1、第2周縁部14、24が互いに離間する間隔を調整できる。
この離間した状態の一例として、
図3に第2使用状態を示す。
第2使用状態は、第1周縁部の第1頂点16と第2周縁部の第2頂点26がZ軸方向からみて重なる場合であり、
図3(b)に示すように第1周縁部外側14aと第2周縁部外側24aがほぼ同一XY軸上に位置する。
この際、第1、第2周縁部14、24が互いに間隔Δzを有して離間し、この周縁部の間が放出口31となる。
第1、第2本体部11、21の内部30に収容した餌は、ペットが玩具を転がすことなどによって、放出口31から放出される。
例えば、
図3(b)に示すおねじ部13とめねじ部23の螺合状態から、螺合量を減らすことでΔzは増大する。
図4、5に、離間状態の別例として第3使用状態を示す。
第3使用状態は、
図5(c)の平面図に示すように、第1周縁部の第1頂点16と第2周縁部の第2頂点26がZ軸方向からみて重ならない場合である。
この際、第1、第2周縁部14、24の間に形成された放出口31は、Z軸方向に間隔ΔzとXY軸方向に間隔ΔxΔyを有する。
間隔ΔxΔyは、例えば
図4(b)に示すように、第1周縁部外側14aと第2周縁部内側24b、第1周縁部内側14bと第2周縁部外側24aがXY軸上で位置ずれすることで生じる。
第3使用状態のペット用玩具は、放出口31が間隔Δx、Δy、Δzを有することで、餌の放出方向が第2使用状態よりも増え、より餌の取り出しに変化が生じる。
このように放出口31の間隔Δx、Δy、Δzを適宜調整することで、餌の取り出し難易度をより細かく設定できる。
なお、ペット用玩具の螺合構造は着脱可能に構成されており、第1、第2玩具本体の螺合を解除して各本体部内の清掃ができる。
【符号の説明】
【0014】
10 第1玩具本体
11 第1本体部
13 おねじ部
14 第1周縁部
20 第2玩具本体
21 第2本体部
23 めねじ部
24 第2周縁部
30 内部
31 放出口