(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134745
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240927BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045093
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 集
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】岸 恒一
(72)【発明者】
【氏名】菊地 秀文
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】テスト結果と併せて、所定の期間毎の学習の実績等を指導者に提示することで、学習指導や成績評価を支援する。
【解決手段】情報処理装置は、定期考査を基準として期間を区切る。そして、情報処理装置は、区切られた期間それぞれに対応する学習の評価の一覧表を学習者毎に作成する。学習者毎に作成された一覧表は必要に応じて出力される。これにより、指導者は、各期間に対応する学習の評価を容易に確認し、学習指導や成績評価の参考にすることができる。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価の一覧表を学習者毎に作成する一覧表作成部と、
前記一覧表を出力する一覧表出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記一覧表は、複数の定期考査に付随する各期間の評価を含む請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記一覧表作成部は、前記定期考査に向けて学習する期間と、前記定期考査の結果に基づいて復習する期間と、に区切る請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記一覧表は、前記定期考査に向けて学習する期間の評価と、前記定期考査の結果と、前記定期考査の結果に基づいて復習する期間の評価と、を時系列に並べる請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記定期考査に向けて学習する期間の評価は、当該期間に取り組んだ学習の実績に関する情報を含む請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記定期考査の結果に基づいて復習する期間の評価は、当該期間に復習に取り組んだ前記学習者の意識に関する情報を含む請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価の一覧表を学習者毎に作成する一覧表作成部、
前記一覧表を出力する一覧表出力部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習の評価を一覧表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生徒に対して実施したテスト結果をデータベースに保存し、コンピュータ上で確認することが可能なシステムが知られている。特許文献1には、学習者のテストの成績を集計した成績集計データベースを有し、タブレット端末装置により当該データベースが参照可能に構成された教育支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、学習履歴であるテスト結果を確認できるにすぎず、所定の期間毎の学習の実績を併せて確認することはできなかった。
【0005】
本発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、テスト結果と併せて、所定の期間毎の学習の実績等を提示することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、情報処理装置は、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価の一覧表を学習者毎に作成する一覧表作成部と、前記一覧表を出力する一覧表出力部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、定期考査を基準として期間を区切り、各期間に対応する学習の評価を一覧表にして指導者に提示することができる。よって、指導者は、各期間に対応する学習の評価を、学習指導や成績評価の参考にすることができる。
【0007】
上記の情報処理装置の一態様では、前記一覧表は、複数の定期考査に付随する各期間の評価を含む。この態様によれば、指導者は、例えば、後期中間に付随する期間に対応する学習の評価と、後期期末に付随する期間に対応する学習の評価とを一覧表で容易に確認することができる。
【0008】
上記の情報処理装置の一態様では、前記一覧表作成部は、前記定期考査に向けて学習する期間と、前記定期考査の結果に基づいて復習する期間と、に区切る。この態様によれば、定期考査に向けての学習期間と、定期考査の結果に基づく復習期間とを明確に区別し、情報処理装置は、学習期間の評価と、復習期間の評価とを表示する一覧表を作成する。
【0009】
上記の情報処理装置の一態様では、前記一覧表は、前記定期考査に向けて学習する期間の評価と、前記定期考査の結果と、前記定期考査の結果に基づいて復習する期間の評価と、を時系列に並べる。この態様によれば、指導者は、定期考査に向けた学習期間の評価と、定期考査の結果と、定期考査の結果に基づく復習期間の評価とを、時系列に並んだ一覧表により容易に確認することができる。
【0010】
上記の情報処理装置の一態様では、前記定期考査に向けて学習する期間の評価は、当該期間に取り組んだ学習の実績に関する情報を含む。この態様によれば、情報処理装置は、定期考査に向けた学習期間の評価として、学習期間に取り組んだ日々の学習の実績を一覧表に表示することができる。
【0011】
上記の情報処理装置の一態様では、前記定期考査の結果に基づいて復習する期間の評価は、当該期間に復習に取り組んだ前記学習者の意識に関する情報を含む。この態様によれば、情報処理装置は、定期考査の結果に基づく復習期間の評価として、学習者の復習に取り組む意識に関する情報を一覧表に表示することができる。
【0012】
本発明の別の観点では、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムは、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価の一覧表を学習者毎に作成する一覧表作成部、前記一覧表を出力する一覧表出力部、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータにインストールして実行させることで、本発明に係る情報処理装置を構成させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る情報処理装置によれば、テスト結果と併せて、所定の期間毎の学習の実績等を指導者に提示することで、学習指導や成績評価を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態における学習支援システムの構成を示す。
【
図7】第1実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】第1実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図13】第2実施形態における学習支援システムの構成を示す。
【
図15】後期中間の学習結果表示エリアの一例である。
【
図16】後期中間のテスト結果表示エリアの一例である。
【
図17】後期中間の復習結果表示エリアの一例である。
【
図18】第2実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図19】第2実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図21】第1変形例における学習支援システムの構成を示す。
【
図22】第2変形例における学習支援システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。第1実施形態において、学習支援システム100aは、テスト結果を記載する個票に記入された復習の予定と、復習の実績と、復習による自信の変化とに基づいて、学習者の学習に取り組む意識を分析し、分析結果を指導者に提示するシステムである。なお、本実施形態において、個票は、紙媒体に印刷されたものとする。また、説明の便宜上、学習者は生徒、指導者は教師とする。
【0016】
学習支援システム100aは、サーバ10aと、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。サーバ10aは、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ(PC)または汎用のタブレット等である。また、サーバ10aは、後述する生徒情報データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)31、テスト結果DB32、個票DB33、復習情報DB34、及び、分析結果DB35と接続されている。サーバ10aは、本発明の情報処理装置の一例である。
【0017】
教師用端末20は、教師が使用するものであって、例えば、タブレットやPC等の情報処理機器である。具体的に、教師用端末20は、詳細は後述するが、分析対象となる生徒の生徒情報をサーバ10aに送信したり、生徒の学習に取り組む意識を分析した分析結果をサーバ10aから取得して表示したりする端末装置である。また、教師用端末20は、スキャナーやプリンタと接続されており、個票をスキャナーによりスキャンして画像化したり、OCR(Optical Character Reader)を用いて個票画像から復習情報を取得してサーバ10aに送信したりする。ここで、復習情報とは、生徒により個票に記入された復習の予定、復習の実績、及び、復習による自信変化に関する情報である。
【0018】
なお、本実施形態では、教師用端末20がOCRを用いて個票画像から復習情報を取得しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ10aが教師用端末20から個票画像を取得し、OCRを用いて当該個票画像から復習情報を取得してもよい。
【0019】
ここで、個票40について説明する。
図2は、個票の一例である。
図2に示すように、個票40は、答案返却時に配布されるものであって、所定のテスト結果を表示するテスト結果表示エリア40aと、生徒により復習の予定、復習の実績、復習による自信の変化といった復習情報が記入される復習情報記入エリア40bと、生徒による解答の正誤に関する正誤情報を表示する正誤情報表示エリア40cとから構成される。また、個票40において、「正」は正答、「誤」は誤答、「部」は部分点、「星マーク」は見直し問題、「丸マーク」はよく理解できたこと、「三角マーク」はある程度理解できたこと、「バツマーク」はあまり理解できなかったことを示す。なお、見直し問題は、重要度に応じて星の数を変えて表示することとしてもよい。本実施形態では、重要度の高い見直し問題に星マークを2つ、それ以外の見直し問題に星マークを1つ表示するものとする。
【0020】
図3は、テスト結果表示エリア40aの一例である。
図3に示すように、テスト結果表示エリア40aは、タイトル表示エリア61、生徒情報表示エリア62、正答率表示エリア63、解答状況表示エリア64、観点表示エリア65、得点表示エリア66、及び、アドバイスコメント表示エリア67を有する。
【0021】
タイトル表示エリア61は、個票40に結果を記載しているテストが対象とする学年、教科、年度、定期考査を表示するエリアである。生徒情報表示エリア62は、個票40の対象となる生徒(以下、「対象生徒」ともいう。)の学年、組、番号、氏名を表示するエリアである。正答率表示エリア63は、テストにおける対象生徒の正答数及び正答率と、テストを受験した全生徒の平均正答数及び平均正答率とを表示するエリアである。解答状況表示エリア64は、対象生徒の部分点となった問題数、対象生徒ができるはずの誤答数、対象生徒がテストに向かう姿勢を表示するエリアである。ここで、できるはずの誤答数とは、後述する各問題の難易度と、対象生徒の学力ランクとを比較し、できるはずの問題で誤答したものである。また、テストに向かう姿勢は、できるはずの誤答数が多い生徒を「否」、できるはずの誤答数が少ない生徒を「良」としている。
【0022】
観点表示エリア65は、観点別の対象生徒の正答率と、平均正答率とを表示するエリアである。ここで、観点とは、評定の基準となる「個別の知識・技能(以下、「知・技」ともいう。)」、「思考・判断・表現等(以下、「思・判・表」ともいう。)」、「学びに向かう力・人間性等(以下、主体的態度)ともいう。」の3つであって、テストを構成する各問題にはいずれかの観点が割り当てられている。得点表示エリア66は、対象生徒の得点及び観点別の対象生徒の得点と、全生徒の平均得点、満点及び観点別の平均得点とを表示するエリアである。アドバイスコメント表示エリア67は、教師からのアドバイスを表示するエリアである。
【0023】
図4は、復習情報記入エリア40bの一例である。
図4に示すように、復習情報記入エリア40bは、問題No項目、正誤項目、見直し項目、デジタルドリル問題項目、やるぞ項目、全体正答率項目、領域項目、問題種別項目、観点項目、形式項目、やった項目、及び、自信変化項目が対応付けて構成されている問題一覧70を有する。また、復習情報記入エリア40bは、自己評価記入エリア71を有する。
【0024】
問題No項目は、テストを構成する問題を識別する問題Noを示す。正誤項目、部分点項目は、対象生徒の解答の正誤、部分点を示す。見直し項目には、対象生徒が見直すべき問題に星マークが表示されている。デジタルドリル問題項目は、デジタルドリルの識別情報を示す。やるぞ項目は、テスト結果を確認した生徒が、見直し項目を参考にして、復習する予定の問題にチェックマークを記入する項目である。具体的には、
図5(a)に示すように、生徒は、復習する予定の問題に対応するやるぞ項目にチェックマークを記入する。対象生徒の復習の予定に関する復習前情報は、やるぞ項目にチェックマークが記入された個票40に基づいて取得される。
【0025】
全体正答率は、テストを受験した全生徒の平均正答率を示す。領域、問題種別、観点、形式は、それぞれ問題の領域、問題の種別、問題の観点、問題の形式を示す。やった項目は、やるぞ項目に記入してから一定期間の後、生徒が、復習した問題にチェックマークを記入する項目である。自信変化項目は、やるぞ項目に記入してから一定期間の後、生徒が、復習した問題に対する自信の変化を記入する項目である。例えば、自信変化項目は、良く理解でき自信が向上した場合は丸マーク、ある程度理解できた場合は三角マーク、あまり理解できず不安が増加した場合はバツマークが生徒により記入される。具体的には、
図5(b)に示すように、生徒は、復習した問題に対応するやった項目にチェックマークを記入し、復習した問題に対する自信の変化を丸マーク、三角マーク及びバツマークいずれかの記号で記入する。対象生徒の復習の実績や復習による自信の変化に関する復習後情報は、やった項目へのチェックマークと、自信変化項目への記号とが記入された個票40に基づいて取得される。
【0026】
なお、本実施形態では、個票40にやった項目と自信変化項目を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、自信変化項目に記号が記入されたということは問題を復習したといえるため、自信変化項目のみを設けることとしてもよい。
【0027】
自己評価記入エリア71は、やるぞ項目にチェックマークを記入した後、テスト結果を省みた感想や評価を生徒が記入するエリアである。
【0028】
図6は、正誤情報表示エリア40cの一例である。
図6に示すように、正誤情報表示エリア40cは、観点正誤表示エリア75、領域正誤表示エリア76、観点グラフ表示エリア77、及び、領域グラフ表示エリア78を有する。
【0029】
観点正誤表示エリア75は、縦軸を問題の観点とその形式、横軸を正誤それぞれの数として観点正誤表を表示するエリアである。領域正誤表示エリア76は、縦軸を問題の領域、横軸を正誤それぞれの数とした領域正誤表を表示するエリアである。観点グラフ表示エリア77は、観点別の平均正答率を表す棒グラフと、対象生徒の正答率とを示す観点グラフを表示するエリアである。領域グラフ表示エリア78は、領域別の平均正答率を表す棒グラフと、対象生徒の正答率とを示す領域グラフを表示するエリアである。
【0030】
なお、本実施形態では、個票40に数学のテスト結果を記載しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、個票40にテスト結果を記載する教科は、教師が指定する等、任意に設定することができる。また、個票40は、テスト結果が記載され、テストを構成する問題毎に復習の予定、復習の実績、及び、復習による自信変化を記入することができればよく、そのレイアウトや構成は任意に設定することができる。
【0031】
[サーバのハードウェア構成]
図7は、サーバ10aのハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10aは、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。なお、これらの構成要素と、生徒情報DB31と、テスト結果DB32と、個票DB33と、復習情報DB34と、分析結果DB35とは、バス19を介して相互に接続されている。
【0032】
なお、サーバ10aはコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良いし、仮想マシンで分散して実行しても良い。
【0033】
通信部11は、ネットワーク5を通じて教師用端末20と通信を行うための通信ユニットである。具体的に、通信部11は、教師用端末20から対象生徒の生徒情報を受信したり、分析結果に関する情報を教師用端末20に送信したりする。
【0034】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、サーバ10aに係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、プログラムは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、
図7では制御部12を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0035】
記憶部13はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部12が処理を実行するために必要なプログラム又はデータ等を記憶している。また、記憶部13は、制御部12が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0036】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリ等の不揮発性で非一時的な記録媒体であり、サーバ10aに対して着脱可能に構成される。記録媒体14は、制御部12が実行する各種プログラムを記録している。サーバ10aが分析処理を実行する際には、記録媒体14に記録されているプログラムが記憶部13にロードされ、制御部12により実行される。
【0037】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部12の指示に従い各種情報を表示する。入力部16は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部12へ出力する。
【0038】
生徒情報DB31は、生徒を識別する生徒IDに対応付けて、生徒の学年、組、番号、氏名等を生徒情報として記憶している。
【0039】
テスト結果DB32は、テスト結果に関するテスト結果情報を生徒毎に記憶している。
図8は、テスト結果DB32のデータ構成の一例である。
図8に示すように、テスト結果DB32は、前期期末や後期中間といったテストが実施された時期を示す定期考査と、テストの教科と、テストを識別するテストIDと、生徒IDと、問題Noと、問題の領域、問題種別、観点、形式、正誤、部分点、得点等を対応付け、テスト結果情報として記憶している。
【0040】
個票DB33は、生徒IDに対応付けて、個票40に関する情報を記憶している。
【0041】
復習情報DB34は、生徒IDに対応付けて、生徒の復習の予定に関する復習前情報と、生徒の復習の実績及び復習による自信変化に関する復習後情報とを復習情報として記憶している。具体的に、サーバ10aは、生徒IDに対応付け、テストIDと、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題Noとを復習前情報として復習情報DB34に記憶する。また、サーバ10aは、生徒IDに対応付け、テストIDと、やった項目にチェックマークが記入された問題Noと、自信変化を表す記号とを復習後情報として復習情報DB34に記憶する。
【0042】
分析結果DB35は、生徒IDに対応付けて、テスト結果、復習前情報、及び、復習後情報に基づく生徒の学習に対する意識の分析結果を分析結果情報として記憶している。
【0043】
[サーバの機能構成]
図9は、サーバ10aの機能構成を示すブロック図である。サーバ10aは、生徒情報DB31、テスト結果DB32、個票DB33、復習情報DB34、及び、分析結果DB35に接続されており、機能的には、生徒情報取得部41と、テスト結果情報取得部42と、見直し問題特定部43と、個票作成部44と、復習前情報取得部45と、復習後情報取得部46と、分析部47と、分析結果出力部48とを備える。
【0044】
なお、生徒情報取得部41、テスト結果情報取得部42、見直し問題特定部43、個票作成部44、復習前情報取得部45、復習後情報取得部46、分析部47、及び、分析結果出力部48は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。
【0045】
生徒情報取得部41は、教師用端末20から対象生徒を識別する生徒IDや学年、組及び氏名といった生徒情報を取得する。具体的に、教師は、教師用端末20を使用し、所定のサイト等にログインして対象生徒の生徒情報をサーバ10aに送信する。これにより、生徒情報取得部41は、対象生徒の生徒情報を取得する。
【0046】
テスト結果情報取得部42は、対象生徒の生徒情報に基づいて、テスト結果DB32からテスト結果情報を取得する。
【0047】
見直し問題特定部43は、テストを構成する問題のうち、対象生徒が見直すべき問題を見直し問題に特定する。例えば、見直し問題特定部43は、まず、テスト結果DB32を参照し、項目応答理論(IRT:Item Response Theory)を用いて各問題の難易度を算出する。また、見直し問題特定部43は、対象生徒のテスト結果情報に基づき、潜在ランク理論(LRT:Latent Rank Theory)を用いて対象生徒の学力ランクを算出する。そして、見直し問題特定部43は、各問題の難易度と、対象生徒の学力ランクとを比較し、所定の条件に基づいて見直し問題を特定する。なお、見直し問題の特定はこの方法に限定されるものではなく、任意の方法を適用することができる。
【0048】
個票作成部44は、対象生徒の生徒情報と、テスト結果情報と、特定した見直し問題とに基づいて、
図2に示すような個票40を作成し、個票40に関する情報を教師用端末20に送信する。また、個票作成部44は、個票に関する情報を個票DB33に記憶する。
【0049】
教師用端末20は、個票40に関する情報を取得すると、プリンタを用いて個票40を紙媒体に印刷する。そして、教師は、例えば、テストの答案を返却するタイミングで、印刷した個票40を対象生徒に配布する。対象生徒は、個票40に記載されたテスト結果と見直し問題を確認し、復習を実行する前に、復習する予定の問題のやるぞ項目にチェックマークを記入する。教師は、やるぞ項目にチェックマークが記入された個票40を回収し、教師用端末20により、スキャナーとOCRを用いて復習前情報を取得するとサーバ10aに送信する。これにより、復習前情報取得部45は、教師用端末20から復習前情報を取得する。復習前情報取得部45は、対象生徒の生徒情報に対応付けて復習前情報を復習情報DB34に記憶する。
【0050】
復習のための一定期間が経過した後、教師は、回収した個票40を再度対象生徒に配布する。対象生徒は、実際に復習を実行した問題のやった項目にチェックマークを記入し、復習によるその問題への自信変化を自信変化項目に記号で記入する。教師は、やった項目へのチェックマークと自信変化項目への記号が記入された個票40を回収し、教師用端末20により、スキャナーとOCRを用いて復習後情報を取得するとサーバ10aに送信する。これにより、復習後情報取得部46は、教師用端末20から復習後情報を取得する。復習後情報取得部46は、対象生徒の生徒情報に対応付けて復習後情報を復習情報DB34に記憶する。
【0051】
分析部47は、復習前情報と、復習後情報と、テスト結果情報と、見直し問題とに基づいて、対象生徒の学習に取り組む意識を分析する。
図10は、分析項目とその算出方法の一例である。
【0052】
正答率は、テストにおいて対象生徒の解答が正答であった割合であり、正答問題数を全問題数で割った数値である。優先発出率は、見直し問題の発出割合であり、見直し問題数を誤答問題数で割った数値である。やるぞ率は、学習者が復習する予定の問題の割合であり、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題数を全問題数で割った数値である。やった率は、学習者が実際に復習を実行した問題の割合であり、やった項目にチェックマークが記入された問題数を全問題数で割った数値である。自信変化度は、問題を復習したことによる理解度や自信の変化を示す度合いであり、
図10に示すように、自信が向上するとプラスの数値に、不安が増加するとマイナスの数値となる。
【0053】
理解追及率は、対象生徒が理解追及を目的として復習に取り組んだ割合であり、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題数を正答問題数で割った数値である。不安解消率は、対象生徒が不安解消を目的として復習に取り組んだ割合であり、見直し問題を除いた部分点問題であり、且つ、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題の数を、見直し問題を除いた問題数で割った数値である。指示課題克服率は、見直すべきと指示された課題の克服を目的として復習に取り組んだ割合であり、見直し問題であり、且つ、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題の数を、見直し問題数で割った数値である。自主課題克服率は、自主的に見つけた課題の克服を目的として復習に取り組んだ割合であり、見直し問題を除いた誤答問題であり、且つ、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題の数を、見直し問題を除いた問題数で割った数値である。理解追及率、不安解消率、指示課題克服率、及び、自主課題克服率は、対象生徒の学習に対するやる気傾向を分析した結果である。
【0054】
計画実行率は、対象生徒が復習の計画を実行できた割合であり、やった項目にチェックマークが記入された問題数をやるぞ項目にチェックマークが記入された問題数で割った数値である。やる気先行率は、対象生徒のやる気が先行して実行が伴わない割合であり、やった項目にチェックマークが記入されていない問題数をやるぞ項目にチェックマークが記入された問題数で割った数値である。思い付き実行率は、対象生徒が思い付きで復習を実行した割合であり、やるぞ項目にチェックマークが記入されていない問題であり、且つ、やった項目にチェックマークが記入された問題の数を、やるぞ項目にチェックマークが記入されていない問題数で割った数値である。やる気なし率は、対象生徒が復習への意欲を失っている割合であり、やるぞ項目にチェックマークが記入されていない問題であり、且つ、やった項目にチェックマークが記入されていない問題の数を、見直し問題数で割った数値である。計画実行率、やる気先行率、思い付き実行率、及び、やる気なし率は、対象生徒の学習に対する実行傾向を分析した結果である。
【0055】
自信向上率は、復習により対象生徒の理解度が上がり自信が向上した割合であり、自信向上問題数を全問数で割った数値である。自信向上問題とは、
図10に示すように、誤答問題の自信変化が「よく理解できた」や「ある程度理解できた」となった問題や部分点問題の自信変化が「よく理解できた」となった問題である。不安増加率は、復習により対象生徒の理解度が下がり不安が増加した割合であり、不安増加問題数を全問数で割った数値である。不安増加問題とは、
図10に示すように、正答問題の自信変化が「ある程度理解できた」や「あまり理解できなかった」となった問題である。現状維持率は、対象生徒の理解度が変わらず自信の増減がない割合であり、自信向上率と不安増加率の合計を1から除いた数値である。自信向上率、現状維持率、及び、不安増加率は、対象生徒の学習により到達した理解度を分析した結果である。
【0056】
分析部47は、対象生徒の生徒IDに対応付け、対象生徒の学習に取り組む意識の分析結果を分析結果情報として分析結果DB35に記憶する。
図11は、分析結果DB35のデータ構成の一例である。具体的に、分析部47は、
図11に示すように、対象生徒の生徒IDに対応付け、復習前情報、復習後情報、テスト結果情報及び見直し問題に基づいて算出した、正答率、優先発出率、やるぞ率、やった率、自信変化度、理解追及率、不安解消率、指示課題克服率、自主課題克服率、計画実行率、やる気先行率、思い付き実行率、やる気なし率、自信向上率、現状維持率、不安増加率を分析結果情報として分析結果DB35に記憶する。なお、分析部47は、個票40の自己評価記入エリア71に記入された内容を生徒IDに対応付け、分析結果情報として分析結果DB35に併せて記憶してもよい。
【0057】
分析結果出力部48は、対象生徒の分析結果情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、分析結果情報に基づいて、やる気傾向や実行傾向を示す各種割合を、対象生徒の学習に取り組む意識の分析結果として表示する。これにより、教師は、対象生徒の学習に取り組む意識を確認することができ、学習指導や評価算定に役立てることができる。
【0058】
上記の構成において、サーバ10aの、テスト結果情報取得部42、見直し問題特定部43、個票作成部44、復習前情報取得部45、復習後情報取得部46、分析部47、及び、分析結果出力部48は、本発明のテスト結果情報取得部、見直し問題特定部、個票作成部、復習前情報取得部、復習後情報取得部、分析部、及び、分析結果出力部の一例である。
【0059】
[分析処理]
次に、テスト結果と個票に記入された情報に基づいて、対象生徒の学習に取り組む意識を分析する分析処理について説明する。
図12は、分析処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10aが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0060】
教師は、教師用端末20を使用して所定のサイトにログインし、対象生徒の生徒情報をサーバ10aに送信する。これにより、サーバ10aは、教師用端末20から生徒情報を取得する(ステップS11)。サーバ10aは、生徒情報に基づいてテスト結果DB32から対象生徒のテスト結果情報を取得する(ステップS12)。また、サーバ10aは、テスト結果DB32を参照し、対象生徒の見直し問題を特定する(ステップS13)。そして、サーバ10aは、対象生徒のテスト結果情報と見直し問題に基づいて、対象生徒の個票40を作成し、個票40の情報を教師用端末20に送信する(ステップS14)。
【0061】
教師は、教師用端末20によりプリンタを用いて個票40を紙媒体に印刷し、対象生徒に配布する。対象生徒は、個票40に記載されたテスト結果と見直し問題を確認し、復習を実行する前に、復習する予定の問題のやるぞ項目にチェックマークを記入する。教師は、やるぞ項目にチェックマークが記入された個票40を回収し、教師用端末20により、スキャナーとOCRを用いて復習前情報を取得するとサーバ10aに送信する。これにより、サーバ10aは、教師用端末20から復習前情報を取得する(ステップS15)。取得した復習前情報は、対象生徒の生徒情報に対応付けて復習情報DB34に記憶される。
【0062】
復習のための一定期間が経過した後、教師は、回収した個票40を再度対象生徒に配布する。対象生徒は、実際に復習を実行した問題のやった項目にチェックマークを記入し、復習によるその問題への自信変化を自信変化項目に記号で記入する。教師は、やった項目へのチェックマークと自信変化項目への記号が記入された個票40を回収し、教師用端末20により、スキャナーとOCRを用いて復習後情報を取得するとサーバ10aに送信する。これにより、サーバ10aは、教師用端末20から復習後情報を取得する(ステップS16)。取得した復習後情報は、対象生徒の生徒情報に対応付けて復習情報DB34に記憶される。
【0063】
サーバ10aは、復習情報DB34を参照し、対象生徒の復習前情報と、復習後情報と、テスト結果情報と、見直し問題とに基づいて、対象生徒の学習に取り組む意識を分析する(ステップS17)。サーバ10aは、対象生徒の生徒情報に対応付け、分析結果である正答率、優先発出率、やるぞ率、やった率、自信変化度、理解追及率、不安解消率、指示課題克服率、自主課題克服率、計画実行率、やる気先行率、思い付き実行率、やる気なし率、自信向上率、現状維持率、不安増加率を分析結果情報として分析結果DB35に記憶する。そして、サーバ10aは、必要に応じて分析結果情報を教師用端末20に送信する(ステップS18)。教師用端末20は、取得した分析結果情報に基づいて分析結果を表示する。これにより、サーバ10aは、分析処理を終了する。
【0064】
本実施形態の学習支援システム100aは、対象となる学習者のテスト結果や見直し問題を記載した個票を作成する。そして、学習支援システム100aは、対象となる学習者が個票に記入した復習の予定、復習の実績、復習による自信変化と、テスト結果とを分析することで、当該学習者の学習に対する種々の数値を算出し、分析結果として教師に提示する。これにより、教師は、学習者の学習に取り組む意識を確認することができ、学習指導や評価算定に役立てることができる。
【0065】
なお、本実施形態では、教師が教師用端末20を使用して対象生徒1人の生徒情報をサーバ10aに送信し、サーバ10aは、対象生徒1人の学習に取り組む意識を分析している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、教師が教師用端末20を使用して対象生徒が属する組や学年の情報をサーバ10aに送信することとしてもよい。例えば、教師用端末20が1年1組の情報をサーバ10aに送信した場合、サーバ10aは、1年1組に所属する生徒全員を対象生徒として各生徒の個票を全員分作成し、各生徒のテスト結果と各生徒の個票に記入された情報に基づいて、各生徒の学習に取り組む意識をそれぞれ分析する。
【0066】
また、本実施形態では、プリンタを用いて印刷した紙媒体の個票を適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタルデータの個票を適用してもよい。この場合、教師は、教師用端末20を使用し、サーバ10aから取得した個票の情報を対象生徒が使用するPCや汎用のタブレットといった生徒用端末に配信する。対象生徒は、生徒用端末を使用して個票のやるぞ項目、やった項目、自信変化項目に適宜入力をすると、入力後の個票の情報を教師用端末20に送信する。これによれば、教師用端末20は、スキャナーやプリンタ、OCRを用いることなく、対象生徒の復習前情報及び復習後情報を取得し、サーバ10aに送信することができる。
【0067】
<第2実施形態>
[全体構成]
図13は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。第2実施形態において、学習支援システム100bは、対象となる学習者について、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価の一覧表を作成するシステムである。ここで、学習の評価とは、例えば、テスト結果、日々の学習の実績、学習に取り組む意識の分析結果、学習に対するアンケート結果等である。なお、説明の便宜上、学習者は生徒、指導者は教師、一覧表は頑張りカルテとする。また、第1実施形態と同様の説明は省略する。
【0068】
学習支援システム100bは、サーバ10bと、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。サーバ10bは、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、生徒DB31、テスト結果DB32、個票DB33、復習情報DB34、分析結果DB35、及び、ドリル情報DB36と接続されている。サーバ10bは、本発明の情報処理装置の一例である。
【0069】
教師用端末20は、教師が使用するものであって、具体的に、対象生徒の生徒情報をサーバ10bに送信したり、頑張りカルテの情報をサーバ10bから取得して表示したりする端末装置である。
【0070】
ここで、頑張りカルテについて説明する。本実施形態では、定期考査を基準として期間を区切ることで、定期考査に向けて日々学習する学習期間と、当該定期考査の結果に基づいて復習する復習期間とを設けている。頑張りカルテとは、学習期間及び復習期間それぞれに対応する学習の評価と、定期考査の結果とを時系列に並べた一覧表である。
【0071】
図14は、頑張りカルテの一例である。
図14に示すように、頑張りカルテ80は、生徒の学年、組、番号及び氏名を表示する生徒情報表示エリア81と、前期期末のテスト結果表示エリア82と、前期期末の復習結果表示エリア83と、後期中間の学習結果表示エリア84と、後期中間のテスト結果表示エリア85と、後期中間の復習結果表示エリア86と、後期期末の学習結果表示エリア87とから構成される。なお、頑張りカルテ80に表示する定期考査とそれに付随する期間は、教師が指定する等、任意に設定することができる。
【0072】
図15は、後期中間の学習結果表示エリア84の一例である。学習結果表示エリア84は、後期中間の学習期間に対応する学習の評価を表示するエリアであり、一例として
図15に示すように、表91とグラフ92~94を有する。表91は、当該期間における問題の領域毎のデジタルドリルの学習時間、取り組んだ問題数、1問当たりの取り組み時間、理解率を示す表である。なお、表91における「高校」とは、高校で学習している範囲で取り組んだ問題数であり、「戻り」とは範囲終了後の確認学習として取り組んだ問題数を想定している。グラフ92は、当該期間におけるデジタルドリルの平均学習時刻を示す折れ線グラフ及び平均学習時間を示す棒グラフである。グラフ93は、当該期間における領域別のデジタルドリルの学習量とその内容を示す棒グラフである。グラフ94は、当該期間におけるデジタルドリルの学習時間と学習した問題数を示すドーナツグラフである。このように、本実施形態の学習結果表示エリアは、所定の定期考査の学習期間に対応する学習の評価として、デジタルドリルを用いた学習の結果を示す様々な情報を表示している。
【0073】
図16は、後期中間のテスト結果表示エリア85の一例である。テスト結果表示エリア85は、後期中間のテスト結果を表示するエリアであり、一例として
図16に示すように、全体項目、理解度項目、形式項目、観点項目、及び、領域項目から構成されている。全体項目は、対象生徒の正答率、部分点の割合、できるはずの誤答の割合、及び、テストに向かう姿勢と、テストを受験した全生徒の平均正答率、部分点の平均割合、及び、できるはずの誤答の平均割合とを表示している。理解度項目は、対象生徒の偏差値、及び、対象生徒の潜在ランクを表示している。潜在ランクとは、対象生徒の人数に対し任意の数にランク付けしたものであって、本実施形態では、各対象生徒を学力ランクに応じて「1」~「5」の5つにランク付けしている。
【0074】
テストを構成する各問題には、選択、短答、計算、記述、及び、文章題いずれかの形式が割り当てられており、形式項目は、対象生徒の選択問題の正答率、短答問題の正答率、計算問題の正答率、記述問題の正答率、及び、文章題問題の正答率と、テストを受験した全生徒の選択問題の平均正答率、短答問題の平均正答率、計算問題の平均正答率、記述問題の平均正答率、及び、文章題問題の平均正答率と、を表示している。また、テストを構成する各問題には、「知・技」、「思・判・表」、「主体的態度」いずれかの観点が割り当てられており、観点項目は、対象生徒の問題の観点別正答率と、テストを受験した全生徒の観点別平均正答と、を表示している。また、テストを構成する各問題には、「数と式」、「図形」、「関数」といった問題の領域が割り当てられており、領域項目は、対象生徒の問題の領域別正答率と、テストを受験した全生徒の領域別平均正答率と、を表示している。
【0075】
このように、本実施形態のテスト結果表示エリアは、所定の定期考査の学習期間対応する学習の評価と、当該定期考査の復習期間に対応する学習の評価との間に、テスト結果表示エリアとして当該定期考査のテスト結果に関する様々な情報を表示する。
【0076】
図17は、後期中間の復習結果表示エリア86の一例である。復習結果表示エリア86は、後期中間の復習期間に対応する学習の評価を表示するエリアであり、一例として
図17に示すように、解答状況表示エリア95と、課題提示エリア96と、問題実行表示エリア97と、問題実行内容表示エリア98と、自信変化表示エリア99と、自己評価表示エリア100とを有する。解答状況表示エリア95は、対象生徒の正答の数、部分点の数、誤答の数を表示している。課題提示エリア96は、重要度の高い見直し問題の数、それ以外の見直し問題の数、デジタル問題の通常利用において課題とする問題の数、及び、デジタル問題の診断利用において課題とする問題の数を表示している。ここで、通常利用は、普段の予習や復習に利用することを想定している。また、診断利用は、範囲終了後の確認学習に利用することを想定している。
【0077】
問題実行表示エリア97は、やるぞ項目にチェックマークが記入された問題と、及び、やった項目にチェックマークが記入された問題の数を表示している。問題実行内容表示エリア98は、対象生徒が、デジタル問題の通常利用において取り組んだ問題の数、診断利用において取り組んだ問題の数、デジタルドリルの学習時間、デジタルドリルにおいて取り組んだ問題の数、及び、デジタル問題における正答率を表示している。自信変化表示エリア99は、自信変化項目に丸マークが記入された問題の数、自信変化項目に三角マークが記入された問題の数、及び、自信変化項目にバツマークが記入された問題の数を表示している。自己評価表示エリア100は、所定のタイミングにおける対象理療者による自己評価のコメントが表示されている。
【0078】
このように、本実施形態の復習結果表示エリアは、所定の定期考査の復習期間に対応する学習の評価として、当該定期考査の復習前情報、復習後情報及び分析結果情報と、当該期間のドリル情報とに基づいて作成された復習の結果を示す様々な情報を表示している。
【0079】
なお、本実施形態では、頑張りカルテ80に数学のテスト結果と、各期間に対応する数学の学習の評価とを表示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、頑張りカルテ80に表示する教科は、教師が指定する等、任意に設定することができる。
【0080】
[サーバのハードウェア構成]
図18は、サーバ10bのハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10bは、サーバ10aと同様に、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。なお、これらの構成要素と、生徒情報DB31と、テスト結果DB32と、個票DB33と、復習情報DB34と、分析結果DB35と、ドリル情報DB36とは、バス19を介して相互に接続されている。ドリル情報DB36以外は、第1実施形態と同様のため、便宜上説明は省略する。
【0081】
ドリル情報DB36は、生徒がデジタルドリルを用いて学習した内容や時間に関する情報を記憶している。具体的に、ドリル情報DB36は、生徒IDに対応付けて、生徒が取り組んだデジタルドリルの問題No、問題の領域、問題種別及び形式やデジタルドリルを用いた学習時間等をドリル情報として記憶している。
【0082】
[サーバの機能構成]
図19は、サーバ10bの機能構成を示すブロック図である。サーバ10bは、生徒情報DB31、テスト結果DB32、個票DB33、復習情報DB34、分析結果DB35、及び、ドリル情報DB36に接続されており、機能的には、生徒情報取得部41と、テスト結果情報取得部42と、見直し問題特定部43と、個票作成部44と、復習前情報取得部45と、復習後情報取得部46と、分析部47と、分析結果出力部48と、頑張りカルテ作成部49と、頑張りカルテ出力部50とを備える。
【0083】
なお、生徒情報取得部41、テスト結果情報取得部42、見直し問題特定部43、個票作成部44、復習前情報取得部45、復習後情報取得部46、分析部47、分析結果出力部48、頑張りカルテ作成部49、及び、頑張りカルテ出力部50は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。また、頑張りカルテ作成部49、及び、頑張りカルテ出力部50以外は、第1実施形態と同様のため、便宜上説明は省略する。
【0084】
頑張りカルテ作成部49は、生徒情報取得部41が取得した生徒情報に基づいて、対象生徒の頑張りカルテを作成するものであり、学習結果表示エリア作成部51と、テスト結果表示エリア作成部52と、復習結果表示エリア作成部53とを有する。
【0085】
学習結果表示エリア作成部51は、ドリル情報DB36を参照し、対象生徒のドリル情報に基づいて、所定の定期考査の学習期間における、デジタルドリルを用いた学習の結果を示す様々な情報を作成する。
【0086】
テスト結果表示エリア作成部52は、テスト結果DB32を参照し、対象生徒のテスト結果情報に基づいて、定期考査のテスト結果に関する様々な情報を作成する。
【0087】
復習結果表示エリア作成部53は、復習情報DB34や分析結果DB35を参照し、所定の定期考査の復習前情報、復習後情報及び分析結果情報と、所定の復習期間のドリル情報とに基づいて、所定の定期考査の復習期間における、復習の結果に関する様々な情報を作成する。
【0088】
頑張りカルテ出力部50は、作成した頑張りカルテ80に関する情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、取得した情報に基づいて頑張りカルテ80を表示する。これにより、教師は、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価を容易に確認することができる。
【0089】
上記の構成において、サーバ10bの頑張りカルテ作成部49、及び、頑張りカルテ出力部50は、本発明の一覧表作成部、及び、一覧表出力部の一例である。
【0090】
[カルテ作成処理]
次に、対象生徒について、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価を一覧表示した頑張りカルテ80を作成するカルテ作成処理について説明する。
図20は、カルテ作成処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10bが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。また、この処理は、第1実施形態の分析処理後に実行される処理であって、対象生徒の復習情報及び分析結果情報は既に復習情報DB34及び分析結果DB35にそれぞれ記憶されているものとする。
【0091】
サーバ10bは、ドリル情報DB36を参照し、対象生徒のドリル情報に基づいて、所定の定期考査の学習結果表示エリアを作成する(ステップS21)。また、サーバ10bは、テスト結果DB32を参照し、対象生徒のテスト結果情報に基づいて、所定の定期考査のテスト結果表示エリアを作成する(ステップS22)。また、サーバ10bは、復習情報DB34や分析結果DB35を参照し、所定の定期考査の復習前情報、復習後情報及び分析結果情報と、所定の復習期間のドリル情報とに基づいて、所定の定期考査の復習結果表示エリアを作成する(ステップS23)。そして、サーバ10bは、作成した学習結果表示エリア、テスト結果表示エリア、及び、復習結果表示エリアを時系列に並べて一覧表示する頑張りカルテを作成し(ステップS24)、頑張りカルテの情報を教師用端末20に送信する(ステップS25)。教師用端末20は、取得した頑張りカルテの情報に基づいて頑張りカルテを表示する。これにより、カルテ作成処理は終了する。
【0092】
本実施形態の学習支援システム100bは、対象となる学習者について、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価と、定期考査の結果とを時系列に並べた一覧表を作成し、教師に提示する。これにより、教師は、一覧表に表示された内容を容易に確認することができ、学習指導や成績評価の参考にすることができる。
【0093】
なお、本実施形態では、第1実施形態の分析処理で取得した生徒情報を、カルテ作成処理の対象となる生徒の生徒情報としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カルテ作成処理の対象となる生徒の生徒情報を改めて教師用端末20から取得することとしてもよい。
【0094】
<第1変形例>
上記の第1実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10aの機能を有する教師用端末110aを使用することとしてもよい。教師用端末110aは、サーバ10aと同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。
【0095】
図21は、この場合の学習支援システム200aの構成例を示す。教師用端末110aは、生徒情報DB131、テスト結果DB132、個票DB133、復習情報DB134、及び、分析結果DB135が接続されている。教師用端末110aは、サーバ10aが行っていた分析処理を実行し、テスト結果と個票に記入された情報に基づいて、対象生徒の学習に取り組む意識を分析することができる。また、教師用端末110aは、分析結果を表示して教師に提示することで、学習指導や評価算定の支援をすることができる。
【0096】
<第2変形例>
上記の第2実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10bの機能を有する教師用端末110bを使用することとしてもよい。教師用端末110bは、サーバ10bと同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。
【0097】
図22は、この場合の学習支援システム200bの構成例を示す。教師用端末110bは、生徒情報DB131、テスト結果DB132、個票DB133、復習情報DB134、分析結果DB135、及び、ドリル情報DB136が接続されている。教師用端末110bは、サーバ10bが行っていたカルテ作成処理を実行し、対象生徒について、定期考査を基準として区切られた期間それぞれに対応する学習の評価を一覧表示した頑張りカルテ80を作成することができる。また、教師用端末110bは、頑張りカルテ80を表示して教師に提示することで、学習指導や成績評価の支援をすることができる。
【符号の説明】
【0098】
5 ネットワーク
10a、10b サーバ
20、110a、110b 教師用端末
31、131 生徒情報DB
32、132 テスト結果DB
33、133 個票DB
34、134 復習情報DB
35、135 分析結果DB
41 生徒情報取得部
42 テスト結果情報取得部
43 見直し問題特定部
44 個票作成部
45 復習前情報取得部
46 復習後情報取得部
47 分析部
48 分析結果出力部
49 頑張りカルテ作成部
50 頑張りカルテ出力部
100a、100b、200a、200b 学習支援システム