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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134754
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ネットワーク中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H04M3/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045103
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】304014143
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆昭
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA02
5K201BC25
5K201BD02
5K201CA02
5K201CC02
5K201CC03
5K201DB02
5K201EA05
5K201EC03
5K201FB06
(57)【要約】
【課題】 下位の通信装置の機能に依存することなく、下位の通信装置での通信チャネルの輻輳状態の発生を回避できるようにする。
【解決手段】 一次応答間隔計測部111が、網I/F01を通じて受信した着信要求を、LANI/F105を通じて配下の子GW2に送信した時点から、送信先の当該子GW2からの一次応答を、LANI/F105を通じて受信するまでの時間間隔を計測する。着信負荷判定部112が、一次応答間隔計測部111で計測された時間間隔に基づいて、当該子GW2での着信負荷の状況を判定する。着信負荷判定部112が、着信負荷が高いと判定した場合に、着信制御部113が機能して、当該判定以降に網I/F101を通じて受信した着信要求を、配下の当該子GW2に送信しないようにする着信制限制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域ネットワークを通じた通信を可能にする外側インターフェース手段と、
配下に接続された1以上の通信装置との間の通信を可能にする内側インターフェース手段と、
前記外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求を、前記内側インターフェース手段を通じて配下の前記通信装置に送信した時点から、送信先の前記通信装置からの一次応答を、前記内側インターフェース手段を通じて受信するまでの時間間隔を計測する第1の時間計測手段と、
前記第1の時間計測手段により計測された前記時間間隔に基づいて、前記着信要求の送信先の前記通信装置において、着信負荷が高いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において、着信負荷が高いと判定された場合に、当該判定以降に前記外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求を、配下の前記通信装置に送信しないようにする着信制限制御を行う着信制御手段と
を備えることを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク中継装置であって、
前記着信制御手段により前記着信制限制御の開始時点からの経過時間を計測する第2の時間計測手段と、
前記第2の時間計測手段により前記開始時点から所定時間以上の経過が計測された場合に、前記着信制御手段による前記着信制限制御を解除する制限解除手段と
を備えることを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項3】
請求項1に記載のネットワーク中継装置であって、
前記着信制御手段により前記着信制限制御の開始時点からの前記外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求の数を計数する着信要求計数手段と、
前記着信要求計数手段により所定階数以上の着信要求の受信が計数された場合に、前記着信制御手段による制御を解除する制限解除手段と
を備えることを特徴とするネットワーク中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、IP(Internet Protocol)網などの広域ネットワークに対して1以上の通信装置を接続する装置で、広域ネットワークからの着信が集中した場合に発生する可能性のある不具合を抑止できるようにする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IP網に接続されるビジネスホンシステムなどの電話システムは、SIP(Session Initiation Protocol)などの通信プロトコルに基づいて、ネットワーク中継装置を介して、複数の電話端末を交換接続するシステムである。ここで、交換接続は、通信を行っている間、通信相手までの物理的あるいは論理的な伝送路を占有する接続方式を意味する。また、ネットワーク中継装置は、例えば、主装置、PBX(Private Branch eXchange)装置、ゲートウェイ装置などのいわゆる電話制御装置などと呼ばれる装置に相当する。
【0003】
このような電話システムで用いられるネットワーク中継装置は、光回線などのIP回線を介してIP網と接続し、事業者から予めIP回線に割り当てられている最大通話チャネル数分の通話チャネルを利用して、電話端末に関する発信または着信を呼制御する機能を有している。なお、ネットワーク中継装置における電話端末の収容形態には大きく2つの形態がある。1つは、ネットワーク中継装置が各電話端末を、内線回線を介して直接収容する直接収容形態である。もう一つは、上位のネットワーク中継装置が、下位に位置する主装置、PBX装置、ゲートウェイ装置などの下位ネットワーク中継装置を介して電話端末を収容する間接収容形態である。
【0004】
上述したような電話システムにおいて、多数の着信が発生することにより、IP回線に割り当てられている最大通話チャネル数分の通話チャネルが使用されてしまうと、発信ができなくなるし、処理の遅延などの問題を生じさせる場合もある。そこで、後に記す特許文献1には、ネットワーク中継装置において、着信発生頻度が基準値を超過した場合に、一次応答送信後の着信結果(ビジー信号)の送出を一定時間待機させる発明が開示されている。これにより、IP網側による着信拒否を促すことで、通話チャネルの輻輳を回避することが可能になる。
【0005】
なお、ここで、「ビジー」は、通話回線(通話チャネル)が混雑していて接続できない状態を意味し、ビジー信号は、通話回線(通話チャネル)が混雑していて接続できない状態を通知する信号である。また、IP網側は、電話会社側の設備全般を意味する。また、一次応答は、着信要求を受信した場合に、着信要求を受信したことを送信元に通知するための応答を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6885306号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された発明は、特に直接収容形態で構成された電話システムに適用して好適なものである。しかし、間接収容形態で構成された電話システムの場合には、充分に通話チャネルの輻輳を回避できない状況が発生する可能性がある。例えば、図6に示すように、親ゲートウェイ装置(親GWと記載。)と、子ゲートウェイ装置-1(子GW-1と記載。)と、子ゲートウェイ装置-2(子GW-2と記載。)と、が用いられて構成された電話システムを考える。図6に示す例の場合、IP網(IP電話網)に対して、親GWが接続され、親GWに対して、子GW-1と子GW-2とが接続された間接収容形態の電話システムとなる。図6においては省略したが、子GW-1や子GW-2の配下には、例えばPBX装置や電話端末が接続されている。
【0008】
図6に示した例の場合には、親GWと子GW-1が上述した特許文献1に開示された発明、すなわち、大量呼対応の発明が適用されたものであり、子GW-2は大量呼対応の発明は適用されていない大量呼非対応のものであるとする。図6に示した例の場合には、ステップS201に示したように、IP網に接続された多数の発信端末(電話端末)において当該電話システムに対する発信操作がなされたとする。この場合、ステップS202~ステップS203に示したように、多数の発信端末からの当該電話システムに対する着信要求が、IP網を通じて親GWに到達し、更に、親GWを通じて子GW-1に到達したとする。
【0009】
子GW-1では、ステップS204に示すように、着信発生頻度が基準頻度を超過し、これを検知したとする。この後において、ステップS205~ステップS207に示すように、新たな着信要求が到来した場合、子GW-1では、着信結果を通知するためのビジー信号の送信を一定時間待機させる。更に、新たに発信端末において当該電話システムに対する発信操作が行われ、ステップS208に示すように、当該電話システムに対する着信要求が送信されたとする。IP網側では、ステップS206~ステップS207に示したように、着信要求を送信したにもかかわらず、子GW-1から着信結果が送信されてこないことを把握している。このため、IP網側では、ステップS209に示すように、ステップS208において到来した着信要求を拒否し、ステップS210に示すようにビジー信号を発信端末に返信する。これにより、子GW-1において更に着信頻度が増加することを防止し、輻輳状態になることを回避できる。
【0010】
この後、ステップS211~ステップS213に示すように、一定時間経過後において、子GW-1からのビジー信号の送信が行われれば、ステップS205~ステップS207の着信に対する着信結果が通知されたことになるので、IP網側は通常の処理に戻る。しかし、大量呼非対応の子GW-2において、着信発生頻度が基準頻度を超過したとしても、着信に応じた着信結果(ビジー信号)の送信を遅延させることはできない。このため、子GW-2においては、着信発生頻度が基準頻度を超過していても、着信要求の到来を阻止できない。従って、子GW-2では、通話チャネルの輻輳を回避させることができず、着信要求に対する処理の遅延や子GW-2の配下の電話端末から発信ができなくなるといった不都合を発生させる可能性が残ってしまう。
【0011】
なお、図6に示した電話システムの場合、親GWも大量呼対応の装置である。しかし、親GWは、子GW-1や子GW-2よりも処理能力の高いものであり、親GWでの通話チャネルの輻輳は回避できても、配下の子GW-1や子GW-2での輻輳の回避は、子GW-1や子GW-2が大量呼対応の機能を備える必要がある。
【0012】
以上のことに鑑み、この発明は、下位の通信装置の機能に依存することなく、下位の通信装置での通話チャネルの輻輳の発生を回避できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のネットワーク接続装置は、
広域ネットワークを通じた通信を可能にする外側インターフェース手段と、
配下に接続された1以上の通信装置との間の通信を可能にする内側インターフェース手段と、
前記外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求を、前記内側インターフェース手段を通じて配下の前記通信装置に送信した時点から、送信先の前記通信装置からの一次応答を、前記内側インターフェース手段を通じて受信するまでの時間間隔を計測する第1の時間計測手段と、
前記第1の時間計測手段により計測された前記時間間隔に基づいて、前記着信要求の送信先の前記通信装置において、着信負荷が高いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において、着信負荷が高いと判定された場合に、当該判定以降に前記外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求を、配下の前記通信装置に送信しないようにする着信制限制御を行う着信制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、第1の時間計測手段により、外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求を、内側インターフェース手段を通じて配下の通信装置に送信した時点から、送信先の当該通信装置からの一次応答を、内側インターフェース手段を通じて受信するまでの時間間隔が計測される。判定手段により、第1の時間計測手段により計測された時間間隔に基づいて、着信の送信先の通信装置において、着信負荷が高いか否かが判定される。判定手段において、着信負荷が高いと判定された場合には、着信制御手段により、当該判定以降に外側インターフェース手段を通じて受信した着信要求を、配下の当該通信装置に送信しないようにする着信制限制御が行われる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、配下の通信装置において、着信負荷が高いか否かを適切に判定(判別)して、着信負荷が高い場合には、配下の当該通信装置に対して着信要求を送信しないように制限できる。これにより、配下の通信装置の機能に依存することなく、配下の通信装置で通話チャネルの輻輳を適切に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明によるネットワーク接続装置の一実施の形態が適用された親ゲートウェイ装置(親GW)の構成例と当該親ゲートウェイ装置(親GW)が用いられて構成される電話システムの例を説明するための図である。
図2】実施の形態の電話システムでの親ゲートウェイ装置(親GW)を中心とする基本動作を説明するためのシーケンス図である。
図3】実施の形態の電話システムでの子ゲートウェイ装置(子GW)の着信負荷が高い場合の動作を説明するためのシーケンス図である。
図4図3に続くシーケンス図である。
図5】実施の形態の親ゲートウェイ装置(親GW)での処理を説明するためのフローチャートである。
図6】従来の電話システムでの動作の例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を参照しながらこの発明による装置の実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態では、IP網(IP電話網)に対して親ゲートウェイ装置(以下、親GWと記載する。)を接続し、この親GWに対して、複数の子ゲートウェイ装置(以下、子GWと記載する。)を接続して電話システムを構成する場合を例にして説明する。従って、子GWの配下には、例えばPBX装置が接続され、当該PBX装置の配下には複数の電話端末が接続されて、全体としての電話システムが構成される。しかし、この発明の装置は、親GWに適用されるものであるため、PBX装置や電話端末に関する記載は、必要最小限にとどめることとする。
【0018】
[親GWと電話システムの構成例]
図1は、この発明によるネットワーク接続装置の一実施の形態が適用された親GW1の構成例と当該親GW1が用いられて構成される電話システムの例を説明するための図である。図1に示すように、親GW1はIP網3に接続され、親GW1の配下には子GW2(1)、2(2)、…、2(m)が接続されている。なお、図1においては図示しないが、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)の配下には、PBX装置が接続され、その配下には複数の電話端末が接続されて、比較的に規模の大きな電話システムとなる。当該電話システムは、例えば企業のオフィスビル等に構築される。
【0019】
また、図1において、IP網3から親GW1を介して、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)まで到達する接続経路は、IP(Internet Protocol)が用いられて通信が行われる経路(IP接続された経路)である。また、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)からより下位の経路(PBX装置や電話端末までの経路)は、例えばアナログ接続された経路である。この実施の形態において、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)のそれぞれは、企業の例えば営業部、製造部、総務部などといったセクションごとに設けられているものである。
【0020】
このため、親GW1は、例えば、電話番号と子GWとを対応付けたテーブルデータを保持しており、着信先の電話番号に応じて、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)の内、どの子GWに着信を通知するかを適切に切り替えることができるものである。すなわち、親GW1は、配下の子GW2(1)、2(2)、…、2(m)のそれぞれを認識し、配下の子GW2(1)、2(2)、…、2(m)のそれぞれごとに、着信要求を送信したり、着信負荷を把握したり、着信制限制御を行うことができるものである。
【0021】
なお、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)のそれぞれは、同様に構成され、同様の機能を有するものである。このため、以下の説明においては、特に区別して示す必要がある場合を除き、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)を総称して子GW2と記載する。
【0022】
次に、この実施の形態の親GW1の構成例について説明する。網I/F(interface)101は、IP網3を通じて送信されてきたデータを、親GW1において処理が可能な形式のデータに変換して取り込む。また、網I/F101は、親GW1よりIP網3に送出するデータを送信用のデータに変換してIP網3に送出する。LANI/F(interface)105は、LAN(Local Area Network)を通じて接続されている子GW2からのデータを、親GW1において処理が可能な形式のデータに変換して取り込む。また、LANI/F105は、親GW1より子GW2に送信するデータを送信用のデータに変換してLAN5に送出し、目的とする子GW2に送信する。従って、IP網3に接続された外部の電話端末と、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)の配下に接続された内部の電話端末との通話は、網I/F101及びLANI/F105を通じて行われる。
【0023】
制御部102は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたマイクロプロセッサである。制御部102は、親GW1の各部の制御を行う機能を実現する。記憶装置103は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)といった、記録媒体とそのドライバとからなる装置であり、当該記録媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除を行う機能を実現する。記憶装置103は、処理に必要になるデータやプログラムなどを記憶保持する他、処理の途中結果を一時記憶する作業領域としても用いられる。時計回路104は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する。
【0024】
親GW1において、呼制御部110は、制御部102と協働し、電話の発信制御や着信制御を行って、通話を行えるようにすると共に、通話が完了した場合には、その後処理を行う。また、この実施の形態において、呼制御部110は、配下の子GW2における着信負荷を監視し、着信負荷の高い子GW2への着信制限制御を行うようにしている。呼制御部110の構成について具体的に説明する。
【0025】
呼制御部110において、一次応答間隔計測部111、着信負荷判定部112、着信制御部113、制限解除部114が、着信に関する制御を行う部分である。一次応答間隔計測部111は、制御部102の制御の下、網I/F101を通じて受信した着信要求を、配下の子GW2に送信した時点から、当該子GW2からの一次応答を受信するまでの時間間隔Tを計測する。子GW2との間の通信処理は、LANI/F105を通じて行われる。また、時間間隔Tの計測は、時計回路104が提供する時刻情報を用いて行われる。
【0026】
一次応答間隔計測部111は、LANI/F105を通じて配下の子GW2に着信要求を送信した時点で時計回路104から現在時刻Sを取得する。また、一次応答間隔計測部111は、当該子GW2からの一次応答をLANI/F105を通じて受信した時点で時計回路104が現在時刻Eを取得する。一次応答間隔計測部111は、これら取得した現在時刻Sから現在時刻Eまでの時間間隔を、着信要求を送信してから一次応答を受信するまでの時間間隔Tとして特定する。
【0027】
一次応答間隔計測部111は、特定した時間間隔Tを、制御部102を通じて着信負荷判定部112に通知する。なお、一次応答は、子GW2が着信要求を受信した場合に、着信要求を受信したことを送信元の親GW1に通知するものである。従って、着信要求に対する返信である一次応答の送信に時間がかかっている場合には、着信要求の送信先の子GW2において、着信負荷が高くなっていると判定できる。
【0028】
着信負荷判定部112は、一次応答間隔計測部111で計測された着信要求を子GW2に送信してから一次応答を受信するまでの時間間隔Tに基づいて、着信先の子GW2において、着信負荷が高くなっているか否かを判定する。子GW2において着信負荷が高くない場合であれば、子GW2は、着信要求を受信してから例えば100msec(ミリ秒)程度で一次応答を返信する。しかし、着信負荷が高い場合には、着信要求を受信してから一次応答を返信するまでに、例えば数秒程度かかる。そこで、着信負荷判定部112は、一次応答間隔計測部111で計測した時間間隔Tが、所定時間X(例えば5秒)よりも長い場合に、着信要求を送信した子GW2での着信負荷が高いと判定する。着信負荷判定部112は、判定結果を、制御部102を通じて着信制御部113に通知する。
【0029】
着信制御部113は、着信負荷判定部112の判定結果が、着信要求の送信先である子GW2での着信負荷が高いことを示している場合に、当該判定以降に網I/F101を通じて受信した着信要求を当該子GW2には通知しないようにする着信制限制御を行う。また、この場合、着信制御部113は、当該着信要求の発信元の発信端末に対しては、ビジー信号を送信するようにし、通話チャネルが混雑していて接続できない状態であることを通知する。これにより、着信負荷が高いと判定された当該子GW2での着信負荷が更に高くなることを防止し、処理の遅延や発信不能とった不都合を生じる状況を回避できる。他方、発信元に対してはビジー信号が返信されるので、電話のかけ直しや電子メール等の他の通信手段の利用などを促すことができる。
【0030】
なお、着信制御部113は、着信負荷判定部112の判定結果が、着信の通知先である子GW2での着信負荷は高くないことを示している場合には、通常通り、当該子GW2に着信要求を送信する。この後、当該子GW2の配下の電話端末から着信応答が送信されてきたときには、発信元の電話端末に着信応答を返信し、通話回線を接続して通話を行えるようにする。
【0031】
制限解除部114は、着信制御部113により着信制限制御が開始された時点から現在時点までの時間間隔Jを順次に特定する。制限解除部114は、時間間隔Jが所定時間W以上になった場合に、制御部102介して着信制御部113に対し、着信制限制御を解除するように指示を出す。これにより、着信制御部113で行われている着信制限制御が終了し、この後に着信要求が到来した場合には、当該子GW2への着信要求の送信が再開される。なお、この実施の形態において、所定時間Wは、例えば3秒~5秒程度の時間間隔である。
【0032】
このように、子GW2に対して行われていた着信制限制御が解除されても、着信要求が到来した場合には、再度、一次応答間隔計測部111、着信負荷判定部112が機能するので、着信負荷が高い状態のままであれば、以降の着信に関し、通知制限制御が再開されることになる。また、着信負荷が低い状態になっていれば、以降に着信要求が到来した場合には、当該子GW2への着信要求の送信が継続される。
【0033】
発信制御部115は、配下の子GW2に接続された電話端末から発信が行われた場合に、相手先の電話端末への着信要求を形成して送出し、これに対して着信応答が返信されてきた場合に、通話回線を接続して、通話を行えるようにする処理を行う。また、発信制御部115は、通話が終了した場合には、接続した通話回線を解放する処理を行う。このように、発信制御部115は、配下の電話端末から発信が行われた場合に機能する処理部である。このような構成を有する親GW1と、子GW2(1)、2(2)、…、2(m)が用いられて、図1に示したように、電話システムが構築されている。
【0034】
[電話システムの基本動作]
図2は、実施の形態の電話システムでの親GW1を中心とする基本動作を説明するためのシーケンス図である。図2のシーケンス図では、親GW1においても、また、子GW2においても、着信負荷は高くない状態であるものとする。まず、IP網3に接続された発信端末(電話端末)5から子GW2に割り当てられた電話番号が用いられて発信操作は行われ、これに応じた着信要求がIP網3に送信されたとする(ステップS1)。当該着信要求を受け付けたIP網3側は、着信要求を受け付けたことを示す一次応答を発信端末5に送信し(ステップS2)、受信した着信要求を親GW1に送信する(ステップS3)。
【0035】
親GW1は、着信要求を受信すると、着信要求を受信したことを示す一次応答をIP網3に送信し(ステップS4)、受信した着信要求を配下の子GW2に対して送信する(ステップS5)。子GW2では、着信要求を受信したことを示す一次応答を親GW1に送信し(ステップS6)、受信した着信要求を配下のPBX4に対して送信する(ステップS7)。PBX4は、着信要求を受信すると、着信要求を受信したことを示す一次応答を子GW2に送信し(ステップS8)、受信した着信要求を、図示しないが自機に接続された電話端末に送信して、当該着信要求に対して応答を促すようにする。
【0036】
すなわち、PBX4に接続された図示しない電話端末では、呼び出し音を放音するようにし、鳴動信号が、子GW2、親GW1、IP網3を通じて、発信端末5に送信される(ステップS9~ステップS12)。これにより、発信端末5では、鳴動信号に応じた信号音が受話器を通じて放音され、目的とする相手先(着信先)に着信要求が到達し、呼び出し中であることを発信端末5の使用者が認識できるようにする。この後、PBX4に接続された着信先の電話端末において、ハンドセット(送受話器)を取り上げるなどの応答操作が行われたとする(ステップS13)。
【0037】
この場合、当該電話端末からは着信応答が送信され、これがPBX4、子GW2、親GW1、IP網3を通じて、発信端末5に送信される(ステップS14~ステップS17)。これにより、発信端末5に対して着信先の電話端末が応答したことが通知され、通話回線が接続されて(ステップS18)、通話が行われる。この後、通話が終了し、例えば、発信端末5において、ハンドセット(送受話器)が発信端末本体に戻されるなどのオンフック操作がされたとする。
【0038】
この場合、発信端末5から切断要求が送出され、これがIP網3、親GW1、子GW2、PBX4を通じて着信先の電話端末に送信される(ステップS19~ステップS22)。これに応じて、PBX4に接続された着信先の電話端末からは、切断応答が送信され、これがPBX4、子GW2、親GW1、IP網3を通じて、発信端末5に送信される(ステップS23~ステップS26)。これにより、ステップS18で接続された通話回線が解放される。
【0039】
図2のステップS5及びステップS6について説明したように、親GW1を通じて子GW2に着信要求が送信された場合、子GW2からは着信要求を受信したことを通知する一次応答が親GW1に送信される。この時に、子GW2において、着信負荷が高い場合には、一次応答を送信する処理に時間がかかることになる。この場合、親GW1において、子GW2に着信要求を送信してから、子GW2からの一次応答を受信するまでの時間間隔Tが長くなる。この点に着目し、この実施の形態の親GW1は、配下の子GW2での着信負荷の状態を把握して、着信負荷が高い場合には、当該子GW2には着信を通知しないように着信制限制御を行うのである。
【0040】
[電話システムの子GW2での着信負荷が高い場合の動作]
図3図4は、実施の形態の電話システムでの子GW2の着信負荷が高い場合の動作を説明するためのシーケンス図である。IP網3に接続された多数の発信端末5から子GW2に割り当てられた電話番号が用いられて発信操作がされたとする。この場合、図3に示すように、多数の発信端末5から着信要求が送出され、IP網3、親GW1、子GW2、PBX4を通じて、PBX4の配下の電話端末に送信される(ステップS31~ステップS4)。なお、ステップS31~ステップS4の着信要求を受信した先においても、送信元に対して一次応答を返信するが、同時期に多数の着信要求が発生した場合を示しているために、一次応答の記載は省略している。
【0041】
このように、多数の着信要求を同時期に受信した子GW2では、着信負荷が上昇する(ステップS35)。この状態のときに、更に他の発信端末5から子GW2に割り当てられた電話番号が用いられて発信操作がされたとする。この場合、当該発信端末5からの着信要求がIP網3に送信される(ステップS36)。着信要求を受信したIP網3は、発信端末5に対して一次応答を返信し(ステップS37)、受信した着信要求を親GW1に送信する(ステップS38)。
【0042】
着信要求を受信した親GW1は、IP網3に対して一次応答を返信し(ステップS39)、受信した着信要求を子GW2に送信する(ステップS40)。この時、親GW1においては、一次応答間隔計測部111が機能し、子GW2に着信要求を送信してから、当該子GW2からの一次応答を受信するまでの時間間隔Tの計測を開始している。この後、着信負荷が高くなっている子GW2から親GW1に対して、一次応答が送信されたとする(ステップS41)。当該一次応答を受信した親GW1では、一次応答間隔計測部111が機能し、子GW2に着信要求を送信してから、当該子GW2からの一次応答を受信するまでの時間間隔Tを特定する。
【0043】
親GW1では、着信負荷判定部112が機能し、特定された時間間隔Tが所定時間X(例えば5秒)以上であった場合には、着信負荷が高いと判定する。この場合、着信負荷判定部112は、制御部102を通じて着信制御部113に対し、子GW2に対して着信制限制御を実行するように指示を出す(ステップS42)。この後、図4のシーケンス図に示すように、他の発信端末5から子GW2に割り当てられた電話番号が用いられて発信操作がされたとする。この場合、図4に示すように、当該発信端末5からIP網3に着信要求が送出される(ステップS43)。
【0044】
発信端末5からの着信要求を受信したIP網3は、発信端末5に対して一次応答を返信し(ステップS44)、受信した着信要求を親GW1に送信する(ステップS45)。着信要求を受信した親GW1は、IP網3に対して一次応答を返信する(ステップS46)。しかし、図3のステップS42で説明したように、着信制御部113に対して、子GW2に対する着信制限制御を行うように指示がされているので、着信制御部113は、受信した着信要求を後段には落とさない(ステップS47)。すなわち、着信制御部113は、受信した着信要求を後段の子GW2には送信しない。その代わり、親GW1の着信制御部113は、ビジー信号を、IP網3を通じて発信端末5に送信する(ステップS48~ステップS49)。
【0045】
これにより、発信元の発信端末5に対して、通話チャネルが混雑していて接続できない状態であることを通知できる。したがって、発信元の発信端末5の使用者に対して、電話のかけ直しや電子メール等の他の通信手段の利用などを促すことができる。更に、親GW1においては、制限解除部114が機能して、図3のステップS42において、着信制限制御を開始した時点からの時間間隔Jの計測が開始されている。このため、制限解除部114は、当該時間間隔Jが所定時間W以上(例えば5秒以上)になった場合に、着信制御部113による着信制限制御を解除する(ステップS50)。
【0046】
このステップS50での着信制限制御の解除後において、他の発信端末5から子GW2に割り当てられた電話番号が用いられて発信操作がされたとする。この時に、子GW2での着信負荷が低くなっていれば、図2を用いて説明した基本動作が行われて通話を行うことができるようにされる。しかし、子GW2での着信負荷が高いままであれば、図3のステップS36以降の処理と同じように処理が行われ、着信制限制御が再開されることになる。
【0047】
[親GW1の処理のまとめ]
この実施の形態の親GW1で行われる処理について、図5のフローチャートを参照しながらまとめる。図5は、実施の形態の親GW1での処理を説明するためのフローチャートである。親GW1に電源が投入されている間において、図5に示すフローチャートの処理が、親GW1の制御部102において実行されている。
【0048】
親GW1の制御部102は、網I/F101を通じての受信状況を監視し、着信要求を受信したか否かを判別する(ステップS101)。ステップS101の判別処理において、着信要求を受信していないと判別したときには、ステップS101からの処理を繰り返し、着信要求の到来を待つ。ステップS101の判別処理において、着信要求を受信したと判別した時には、制御部102は、LANI/F105を通じて、着信要求を子GW2に送信し、一次応答間隔計測部111を制御して、時間間隔の計測を開始する(ステップS102)。
【0049】
具体的に、ステップS102において、一次応答間隔計測部111は、時計回路104より開始点としての現在時刻Sを取得する。また、図5では省略したが、ステップS102の処理では、IP網3への一次応答の送信も行われる。この後、制御部102は、LANI/F105を通じての受信状況を監視し、子GW2からの一次応答を受信したか否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、一次応答を受信していないと判別したときには、ステップS103からの処理を繰り返し、子GW2からの一次応答の到来を待つ。
【0050】
ステップS103の判別処理において、子GW2からの一次応答を受信したと判別したとする。この場合、制御部102は、一次応答間隔計測部111を制御し、子GW2への着信要求の送信時点から当該子GW2からの一次応答の受信時点までの時間間隔Tを特定する(ステップS104)。この場合、一次応答間隔計測部111は、時計回路104より終了点としての現在時刻Eを取得し、ステップS102で取得した現在時刻Sから当該現在時刻Eまでの時間間隔Tを特定し、制御部102を通じて、着信負荷判定部112に通知する。
【0051】
着信負荷判定部112は、ステップS104で特定した子GW2への着信要求の送信時点から当該子GW2からの一次応答の受信時点までの時間間隔Tが、所定時間X(例えば5秒)以上か否かを判別する(ステップS105)。ステップS105の判別処理において、時間間隔Tは、所定時間X以上ではないと判別した時には、子GW2の着信負荷は高くないと判定し、着信要求を子GW2に送信して(ステップS106)、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0052】
ステップS105の判別処理において、時間間隔Tは、所定時間X以上であると判別したとする。この場合、着信負荷判定部112は、子GW2の着信負荷は高いと判定し、着信制御部113を制御し、着信制限制御を開始させると共に、制限解除部114を制御し、着信制限制御の開始時点からの時間間隔Jの計測を開始させる(ステップS107)。この後、制限解除部114は、計測している時間間隔Jが所定時間W(例えば数秒)以上になったか否かを判別する(ステップS108)。
【0053】
ステップS108の判別処理において、計測している時間間隔Jが所定時間W以上ではないと判別したときには、ステップS108からの処理を繰り返し,条件を満足するのを待つ。ステップS108の判別処理において、計測している時間間隔Jが所定時間W以上であると判別したときには、制限解除部114は、着信制御部113に対して、着信制限制御を終了するように指示を出し、着信制限制御を解除する(ステップS109)。この後、ステップS101からの処理を繰り返す。このようにして、親GW1は、子GW2の着信負荷の状況に応じて、子GW2に対する着信制限制御を行うか否かを適切に判別し、必要に応じて着信制限制御を行うことができる。
【0054】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態の親GW1は、子GW2への着信要求の送信時点から子GW2からの一次応答の受信時点までの時間間隔Tに基づき、子GW2での着信負荷の状況を判定し、これに応じて、子GW2に対して着信要求を送信するか、しないかの制御を行える。従って、子GW2において着信負荷が高い場合には、子GW2に着信要求を送信しないことによって、子GW2の着信負荷が更に高くなることを抑止し、通信チャネルが輻輳状態になることを回避できる。これにより、子GW2における処理の遅延を防止し、また、子GW2の配下の電話端末からの発信が行えなくなる不都合を回避できる。
【0055】
しかも、子GW2の機能に依存することなく、親GW1が主体となって、親GW1の配下の全ての子GW2のそれぞれの着信負荷の状況を把握し、親GW1の配下の全ての子GW2のそれぞれごとに、着信要求を送信するか否かを制御できる。すなわち、親GW1は、配下の全ての子GW2の着信負荷の状況を把握し、子GW2のそれぞれごとに、着信制限制御を行うか否かを制御できる。従って、着信負荷が高いのに、着信制限制御が行われない子GW2が発生するといった不都合を生じさせることもない。
【0056】
なお、上述した実施の形態では、子GW2への着信要求の送信時点から子GW2からの一次応答の受信時点までの時間間隔Tに基づき、子GW2での着信負荷の状況を判定するものとして説明した。しかし、子GW2には、実際には、PC(Personal Computer)などの情報処理装置が接続され、IP網3上に存在するサーバ装置に開示されたいわゆるWebページにアクセスして利用している場合もある。このため、子GW2での着信負荷の状況の判定は、実際には、Webページへのアクセスも含めた通信チャネルの輻輳の状態を判定するものとなる。従って、PCなどが子GW2に接続されている場合には、システムリソース全体の通信チャネルの使用状況を判定することができる。これにより、システムリソース全体としての不具合の発生を抑止することができる。
【0057】
[変形例]
なお、上述した実施の形態において、親GW1の制限解除部114は、着信制御部113において、子GW2への着信制限制御を開始してからの時間間隔Jを計測し、当該時間間隔が所定時間W以上になった場合に、当該着信制限制御を解除するようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、親GW1の制限解除部114は、着信制御部113において、子GW2への着信制限制御を開始してから、網I/F101を通じて受信した着信要求の回数をカウントする。
【0058】
この受信した着信要求の回数が、一定回数以上になった場合に、開始した着信制限制御を解除するようにしてもよい。すなわち、制限できる着信要求の基準受信回数を予め設定しておき、これに応じて、開始した着信制限制御の解除タイミングを特定するようにできる。なお、当該基準受信回数は、当該電話システムの管理者が定め、親GW1の例えば制御部102の不揮発メモリに設定しておき、これを制限解除部114において用いるようにすることができる。また、子GW2ごとに異なる基準受信回数を定めておき、これを子GW2ごとに使い分けるようにすることもできる。
【0059】
また、上述した実施の形態では、子GW2への着信要求の送信時点から子GW2からの一次応答の受信時点までの時間間隔Tが所定時間X以上である場合に、当該子GW2において着信負荷が高いと判別した。この場合の所定時間Xは、例えば5秒であるものとして説明したが、これに限るものではない。5秒より短い時間とすることも、5秒よりも長い時間とすることもできる。
【0060】
また、当該所定時間Xは、当該電話システムの管理者が任意に定めて、親GW1の例えば制御部102の不揮発メモリに設定しておき、これを着信負荷判定部112において用いるようにすることができる。管理者は、電話システムにおける子GW2における実際の着信負荷の状況に応じて、所定時間Xを定めることができる。また、親GW1に接続されている子GW2ごとに、異なる所定時間Xを設定し、これを子GW2ごとに用いるようにすることも可能である。
【0061】
上述した実施の形態において、親GW1の制限解除部114は、着信制御部113において、子GW2への着信制限制御を開始してからの時間間隔Jを計測し、当該時間間隔が所定時間W以上になった場合に、当該着信制限制御を解除するようにした。この場合の所定時間Wは、例えば3秒であるものとして説明したが、これに限るものではない。3秒より短い時間とすることも、3秒よりも長い時間とすることもできる。
【0062】
また、当該所定時間Wは、当該電話システムの管理者が任意に定めて、親GW1の例えば制御部102の不揮発メモリに設定しておき、これを着信負荷判定部112において用いるようにすることができる。管理者は、電話システムにおける子GW2における実際の着信負荷の状況に応じて、所定時間Xを定めることができる。また、親GW1に接続されている子GW2ごとに、異なる所定時間Xを設定し、これを子GW2ごとに用いるようにすることも可能である。
【0063】
また、上述した実施の形態では、IP網3に発信端末と親GW1が接続されているものとして説明したが、これに限るものではない。上述した実施の形態の場合と同等の機能を実現することができれば、IP網3に替えて種々の広域ネットワークを用いることが可能である。また、上述した実施の形態では、親GW1と子GW2とを用いて電話システムを構築するものとして説明したが、同等の機能を実現できれば、親GW1に替えて、SIPサーバ装置などの他の通信装置に、この発明のネットワーク中継装置の機能を適用することもできる。また、子GW2についても、子GW2に替えて、PBX装置や主装置などの電話制御装置を用いるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1…親GW、101…網I/F、102…制御部、103…記憶装置、104…時計回路、105…LANI/F、110…呼制御部、111…一次応答間隔計測部、112…着信負荷判定部、113…着信制御部、114…制限解除部、115…発信制御部、2…子GW、2(1)、2(2)、…、2(m)…子GW、3…IP網、4…PBX、5…発信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6