(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134817
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】保持具及びカーテンボックス装置
(51)【国際特許分類】
A47H 2/00 20060101AFI20240927BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47H2/00
E04B9/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045203
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 智
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB03
2E182DD04
2E182DD11
2E182DD13
(57)【要約】
【課題】 カーテンボックスと天井との間に隙間が生じないようにカーテンボックスを保持することが可能な保持具を提供する。
【解決手段】 保持具60は、天井Ceに固定可能な第1固定部61と、第1固定部61の一方側の部分に接続され、壁面Waに固定可能な第2固定部62と、第1固定部61のうち第2固定部62の側とは反対側の部分に取り付けられた保持部70とを備える。保持部70は、天井Ceに交差する第1方向の両側にカーテンボックス10を移動させることが可能にカーテンボックス10を保持する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に固定可能な第1固定部と、
前記第1固定部の一方側の部分に接続され、壁面に固定可能な第2固定部と、
前記第1固定部のうち前記第2固定部の側とは反対側の部分に取り付けられた保持部と
を備え、
前記保持部は、前記天井に交差する第1方向の両側にカーテンボックスを移動させることが可能に前記カーテンボックスを保持する、保持具。
【請求項2】
前記保持部は、
前記第1方向に延在する軸部と、
前記軸部に沿って移動可能に前記軸部に取り付けられたフォルダと
を含み、
前記フォルダには、前記カーテンボックスを保持する保持体が取り付けられている、請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
前記保持体は、
前記第1方向における前記フォルダの一方側の部分から前記第2固定部の側とは反対側に延び、前記カーテンボックスに係合可能な少なくとも1つの第1弾性片と、
前記第1方向における前記フォルダの他方側の部分から前記第2固定部の側とは反対側に延び、前記カーテンボックスに係合可能な少なくとも1つの第2弾性片と、
を含む、請求項2に記載の保持具。
【請求項4】
前記保持部は、前記第1弾性片と前記第2弾性片との間に嵌め込まれて前記保持体を前記第1方向の両側に付勢する補助部材をさらに備える、請求項3に記載の保持具。
【請求項5】
前記軸部は、前記フォルダの内部を貫通しており、
前記フォルダは、前記フォルダの内部に螺入されて前記軸部に垂直な第2方向に前記軸部を押圧する押圧部を含む、請求項2に記載の保持具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の保持具と、
前記保持具により保持されるカーテンボックスと、
前記カーテンボックスの天井側の端面に着脱可能に取り付けられ、前記端面から天井側に突出する可撓性の取付部材と
を備える、カーテンボックス装置。
【請求項7】
前記カーテンボックスは、
前記保持部に保持された前板と、
ジョイントを介して前記前板に接続され、前記前板に交差する方向に延びる側板と
を含み、
前記ジョイントは、前記前板の端面及び前記側板の端面が当接する当接部と、前記前板及び前記側板を前記ジョイントに固定する第3固定部とを有し、
前記第3固定部は、前記当接部よりも前記ジョイントの外側の部分に設けられている、請求項6に記載のカーテンボックス装置。
【請求項8】
前記カーテンボックスの前記壁面に対向する側の端部にエンドキャップが取り付けられており、
前記エンドキャップは、前記カーテンボックスの端面が当接する当接部と、前記カーテンボックスを前記エンドキャップに固定する第4固定部とを含み、
前記第4固定部は、前記当接部を基準として前記壁面の側とは反対側にずれた位置に設けられている、請求項6に記載のカーテンボックス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持具及びカーテンボックス装置に関し、具体的には、カーテンボックスを保持するための保持具、及びこれらの保持具とカーテンボックスとを備えるカーテンボックス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美観や遮光性の観点から、カーテンレールやブラインドを覆うカーテンボックスが設置されることがある。このようなカーテンボックスとして、例えば、下記特許文献1に記載されたカーテンボックスが知られている。
【0003】
この特許文献1に記載されたカーテンボックスは、以下のようにして設置される。まず、水平面と水平面に垂直な垂直面とを有するL字状の第1の金具を、垂直面が下側を向いた状態で当該垂直面が壁面に面接触するように配置し、この垂直面にネジを通すことによって第1の金具を壁面に固定する。次に、水平面と水平面に垂直な垂直面とを有するL字状の第2の金具を、垂直面が上側に向くように保持して、第1の金具の水平面の下面と第2の金具の水平面の上面とを面接触させる。そして、第1の金具の上面(天井側の面)からネジを通すことによって、第1の金具と第2保持具とを固定する。第2の金具の水平面の下面(床側の面)には、カーテンレールが固定される。最後に、ネジ等を用いて、カーテンボックスを第2の金具の上側を向く垂直面に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたカーテンボックスでは、上述のように、第2の金具を第1の金具に固定するために第1の金具の上側(天井側)からネジを差し込む必要があるため、カーテンボックスの上側にネジを差し込むためのスペースを確保する必要がある。そのため、カーテンボックスを設置した場合でも、このスペース(隙間)から光が室内に漏れてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、カーテンボックスと天井との間に隙間が生じないようにカーテンボックスを保持することが可能な保持具を提供することを課題の一つとする。
【0007】
また、本発明は、カーテンボックスと天井との間に隙間が生じ難いカーテンボックス装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る保持具は、天井に固定可能な第1固定部と、前記第1固定部の一方側の部分に接続され、壁面に固定可能な第2固定部と、前記第1固定部のうち前記第2固定部の側とは反対側の部分に取り付けられた保持部とを備え、前記保持部は、前記天井に交差する第1方向の両側にカーテンボックスを移動させることが可能に前記カーテンボックスを保持する。
【0009】
上記保持具は、以下の構成の少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0010】
前記保持部は、前記第1方向に延在する軸部と、前記軸部に沿って移動可能に前記軸部に取り付けられたフォルダとを含み、前記フォルダには、前記カーテンボックスを保持する保持体が取り付けられてもよい。
【0011】
上記保持部が上記保持体を含む場合、前記保持体は、前記第1方向における前記フォルダの一方側の部分から前記第2固定部の側とは反対側に延び、前記カーテンボックスに係合可能な少なくとも1つの第1弾性片と、前記第1方向における前記フォルダの他方側の部分から前記第2固定部の側とは反対側に延び、前記カーテンボックスに係合可能な少なくとも1つの第2弾性片と、を含んでもよい。上記保持体が上記第1弾性片と上記第2弾性片とを含む場合、前記保持部は、前記第1弾性片と前記第2弾性片との間に嵌め込まれて前記保持体を前記第1方向の両側に付勢する補助部材をさらに備えてもよい。
【0012】
上記保持部が上記フォルダ及び上記軸部を含む場合、前記軸部は、前記フォルダの内部を貫通しており、前記フォルダは、前記フォルダの内部に螺入されて前記軸部に垂直な第2方向に前記軸部を押圧する押圧部を含んでもよい。また、前記軸部は角柱であってもよい。
【0013】
また、本発明に係るカーテンボックス装置は、上述の保持具と、前記保持具により保持されるカーテンボックスと、前記カーテンボックスの天井側の端面に着脱可能に取り付けられ、前記端面から天井側に突出する可撓性の取付部材とを備える。
【0014】
上記カーテンボックス装置は、以下の構成の少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0015】
前記カーテンボックスは、前記保持部に保持された前板と、ジョイントを介して前記前板に接続され、前記前板に交差する方向に延びる側板とを含んでもよい。前記ジョイントは、前記前板の端面及び前記側板の端面が当接する当接部と、前記前板及び前記側板を前記ジョイントに固定する第3固定部とを含み、前記第3固定部は、前記当接部よりも前記ジョイントの外側の部分に設けられてもよい。
【0016】
前記カーテンボックスの前記壁面に対向する側の端部にエンドキャップが取り付けられていてもよい。例えば、上記カーテンボックス装置は、前記側板の前記前板が接続される側とは反対側の端部に取り付けられたエンドキャップを備えてもよい。また、前記エンドキャップは、前記カーテンボックスの端面が当接する当接部と、前記カーテンボックスを前記エンドキャップに固定する第4固定部とを含み、前記第4固定部は、前記当接部を基準として前記壁面の側とは反対側にずれた位置に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カーテンボックスと天井との間に隙間が生じないようにカーテンボックスを保持することが可能な保持具が提供される。
【0018】
また、本発明によれば、カーテンボックスと天井との間に隙間が生じ難いカーテンボックス装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるカーテンボックス装置を室内側かつ天井側から見た斜視図である。
【
図2】
図1に示されるカーテンボックス装置を壁側かつ天井側から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示されるカーテンボックス装置を、カーテンボックスの前板の長辺方向における一方側から見た側面図であり、カーテンボックスの側板を省略して示す図である。
【
図4】
図1に示されるカーテンボックス装置が備える保持具を天井側から見た斜視図である。
【
図5】
図4に示される保持具が天井に取り付けられた一状態を示すカーテンボックス装置の側面図であり、カーテンレール及びカーテンレール取付具とともに示す図である。
【
図6】
図4に示される保持具が壁面に取り付けられた一状態を示すカーテンボックス装置の側面図であり、カーテンレール及びカーテンレール取付具とともに示す図である。
【
図7】
図4に示されるVII-VII線に沿った断面図であり、
図4に示される保持部の断面図である。
【
図8】
図2に示されるジョイント及びその近傍を拡大して示す図である。
【
図9】
図8に示されるジョイントを示す斜視図である。
【
図10】
図2に示されるX-X線に沿った断面図であり、ジョイントと当該ジョイントに取り付けられたカーテンボックスの一部とを示す断面図である。
【
図11】
図2に示されるエンドキャップ及びその近傍を拡大して図である。
【
図12】
図11に示されるエンドキャップを示す斜視図である。
【
図13】
図2に示されるXIII-XIII線に沿った断面図であり、エンドキャップと当該エンドキャップに取り付けられたカーテンボックスの一部とを示す断面図である。
【
図14】本発明の第2実施形態におけるカーテンボックス装置を天井側から見た図である。
【
図15】
図14に示される第2ジョイントを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る保持具及びカーテンボックス装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、上記添付図面では、理解を容易にするために各部材の寸法が誇張又は縮小して示されていたり、形状が簡略化されて示されていたり、ハッチングが省略されて示されていたりする場合がある。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるカーテンボックス装置を室内側かつ天井側から見た斜視図である。
図2は、
図1に示されるカーテンボックス装置を壁側かつ天井側から見た斜視図である。
図1及び
図2に示すように、カーテンボックス装置1は、カーテンボックス10と、1つ以上の保持具60と、取付部材30と、1つ以上のジョイント40と、1つ以上のエンドキャップ50とを主な構成として備えている。
【0022】
本実施形態のカーテンボックス10は、保持具60に取り付けられたカーテンレールを、壁面側、天井側、及び床側を除く3方向から覆うものであり、前板11と2つの側板12,12とを備えている。2つの側板12,12は同じ構成を有している。カーテンボックス装置1が室内に設置された場合において、カーテンボックス10は、鉛直方向(第1方向)から見てC字状に形成されている。なお、鉛直方向(第1方向)は天井に交差する方向である。
【0023】
前板11は、鉛直方向(第1方向)を短辺方向とし、鉛直方向に垂直な方向を長辺方向(以下、前板11の長辺方向を「第2方向」と記載する場合がある。)とする矩形の板状部材である。以下、カーテンボックス装置1が室内に設置された場合において、前板11は、例えば窓が配置された壁面の側とは反対側に配置されている。2つの側板12,12は、前板11の長辺方向(第2方向)における両側の端部に、ジョイント40を介して接続されている。なお、ジョイント40については後に再び説明する。本実施形態では、側板12は、鉛直方向及び前板11の長辺方向の双方に垂直な奥行方向(以下、この奥行方向を「第3方向」と記載する場合がある。)を長辺方向とし、鉛直方向を短辺方向とする矩形の板状部材である。すなわち、本実施形態では、側板12は、前板11に対して90°の角度をなして前板11に接続されている。本実施形態では、側板12,12は、長辺方向における長さが異なる点を除いて、前板11と同じ構成を有している。すなわち、本実施形態では、側板12,12のそれぞれの第3方向における長さは、前板11の第2方向における長さよりも短い。なお、側板12が前板11に接続される角度は90°に限定されるものではない。第3方向において、側板12のジョイント40の側とは反対側の端部には、エンドキャップ50が取り付けられている。なお、エンドキャップ50については後に再び説明する。
【0024】
図2に示すように、前板11及び側板12のそれぞれの裏面(室内側を向く表面とは反対側の面)には、第1方向において間隔を空けて複数のレールが形成されている。具体的に
図2からは、前板11の裏面に形成された複数のレールとしてレール11B,11C,11D,11Eを視認することができ、側板12の裏面に形成されたレールとしてレール12B,12C,12D,12Eを視認することができる。前板11の複数のレールのそれぞれは、第2方向に沿って前板11の第2方向の概ね全長に亘って形成されている。側板12の複数のレールのそれぞれは、第3方向に沿って側板12の第3方向の概ね全長に亘って形成されている。また、第1方向における概ね同じ位置に、前板11のレールと側板12のレールとが形成されている。
【0025】
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、前板11の裏面に、同じ構成を有する2つの保持具60,60が取り付けられている。なお、保持具60の数は2つに限定されるものではなく、1つでもあってもよく、3つ以上であってもよい。カーテンボックス装置1が室内に設置される場合、保持具60が壁面又は天井に固定され、この保持具60によってカーテンボックス10が保持される。すなわち、カーテンボックス10は保持具60によって支持されている。
【0026】
図3は、カーテンボックス装置1を前板11の長辺方向(第2方向)における一方側から見た側面図であり、側板12を省略して示す図である。
図4は、保持具60を天井側から見た斜視図である。
図3及び
図4に示すように、保持具60は、側板12の長辺方向(第3方向)に概ね平行な平板状の第1固定部61と、第1固定部61に交差する方向に延びる概ね平板状の第2固定部62と、保持部70とを主な構成として備えている。
【0027】
本実施形態において、第2固定部62は、第1固定部61の第3方向における一方側の端部に接続されている。なお、第2固定部62が接続される位置は、第1固定部61の第3方向における一方側の部分であればよく、第1固定部61の第3方向における一方側の端部に限定されるものではない。本実施形態において、第2固定部62は、第1固定部61に対して垂直に延びている。第2固定部62の概ね中央には、第2固定部62を第3方向に貫通する少なくとも1つのネジ孔62Hが形成されている。
【0028】
第1固定部61には、第2方向における第1固定部61の中央を第3方向に沿って延びる直線に沿って、第1固定部61を第1方向に貫通する3つのネジ孔61H1,61H2,61H3が形成されている。第1固定部61には、第2固定部62が延在する側に凹む凹部63が形成されており、ネジ孔61H1は、凹部63を規定する底面63Bに形成されている。また、ネジ孔61H1は、第3方向において、第1固定部61の概ね中央に形成されている。ネジ孔61H2は、ネジ孔61H1の隣に形成されており、第3方向において、ネジ孔61H1を基準にして第2固定部62の側とは反対側に形成されている。第3方向における第1固定部61の第2固定部62の側とは反対側の端部61Tは、第1固定部61の他の部分に比べて幅(第1固定部61の第2方向に沿った長さ)が狭くなるように形成されている。ネジ孔61H3は、この端部61Tの概ね中央に形成されている。端部61Tの先端は、第2固定部62が延在する側に向かって概ね90°曲げられた屈曲部61Taとなっている。
【0029】
図5は、保持具60が天井に取り付けられた一状態を示すカーテンボックス装置1の側面図である。なお、
図5及び後述する
図6では、側板12が省略して示されている。
図5に示すように、第1固定部61のうち第2固定部62が延在する側(すなわち、鉛直方向の下側)の面(下面)には、所定の数(例えば2つ)のカーテンレール90が取り付けられたレールブラケット80が重ねられている。カーテンレール90は、前板11の長手方向(第2方向)に平行に延在しており、前板11と2つの側板12とによって3方向から囲われている。レールブラケット80には、第1方向に貫通する不図示のネジ孔が形成されており、レールブラケット80を第1固定部61に重ねることによって、第1固定部61のネジ孔61H1(
図4参照)とレールブラケット80のネジ孔とが連通する。この連通したネジ孔に、第2固定部62が延在する側(下側)からネジ等の螺合部材を挿通して螺合することにより、レールブラケット80が第1固定部61の下面に固定されている。
【0030】
保持具60を天井Ceに固定する場合には、例えばレールブラケット80を第1固定部61に固定する前に、第1固定部61のネジ孔61H2(
図4参照)にネジ等の螺合部材を下側から挿通して、この螺合部材を天井Ceに対して螺合すればよい。これにより、第1固定部61が天井Ceに固定される。一方、
図6に示すように、保持具60を壁面Waに固定する場合には、上述のように第2固定部62のネジ孔62H(
図4参照)にネジ等の螺合部材を室内側から挿通して、この螺合部材を壁面Waに対して螺合すればよい。これにより、第2固定部62が壁面Waに固定される。
【0031】
本実施形態では、天井Ceは水平面であり、壁面Waに対して垂直である。ただし、天井Ceは壁面Waに対して非垂直であってもよい。すなわち、天井Ceは、水平方向に対して傾いていてもよい。また、例えば天井Ceが壁面Waに対して非垂直である場合、第1固定部61と第2固定部62とが非垂直であってもよい。
【0032】
図7は、
図4に示されるVII-VII線に沿った断面図であり、保持部70の第1方向に沿った断面図である。
図3、
図4、及び
図7に示すように、保持具60の保持部70は、軸部71と、フォルダ72と、保持体75と、押圧部76とを主な構成として備えている。
【0033】
軸部71は、第1固定部61に対して垂直であり、第2固定部62が延在する側に延びている。したがって、本実施形態では、保持具60が天井Ce又は壁面Waに固定された場合において、軸部71は鉛直方向(第1方向)における下側に延在している。ただし、軸部71は、例えば、製造誤差の範囲又は天井Ceが壁面Waに対して傾斜している場合にはその傾斜角度で、第1固定部61に対して垂直でなくてもよい。すなわち、軸部71は、天井Ceに対して交差する方向に延びている。本実施形態において、軸部71は筒状の多角柱であり、具体的には筒状の正六角柱である。軸部71の上端(第1方向における第1固定部61の側の端部)には、ネジ孔71Hが形成されている。このネジ孔71Hは第1固定部61のネジ孔61H3と連通しており、この連通孔にネジなどの螺合部材69が螺入されている。こうして、軸部71は、第1固定部61の端部61Tに固定されている。軸部71の下端(第1方向における第1固定部61の側とは反対側の端部)には、キャップ部材79が嵌め入れられている。このキャップ部材79は、軸部71よりも径方向の外側に張り出している。
【0034】
フォルダ72は、筒状の部材であり、本実施形態では、概ね直方体に形成されている。ただし、フォルダ72の形状は直方体に限定されるものではない。フォルダ72の第1方向における両端面には、軸部71の断面と概ね同一の形状及び寸法に形成された開口72Hが形成されている。本実施形態では、正六角形の形状の開口72Hが形成されている。軸部71は、これらの開口72Hを介してフォルダ72内に挿通され、フォルダ72を第1方向に沿って貫通している。このように、多角柱である軸部71がこれに対応する寸法及び形状の開口72Hを貫通することによって、フォルダ72が軸部71に対して回転することが抑制されている。したがって、フォルダ72は、軸部71に沿って、すなわち、天井Ceに交差する第1方向における両側に向かって、移動可能である。
【0035】
第2方向におけるフォルダ72の両壁面のうちの1つである壁面72Aには、ネジ孔72SHが形成されている。このネジ孔72SHに押圧部76が螺入されている。押圧部76は、ローレットノブであってもよい。具体的には、押圧部76は、円柱部76Aと、把持部76Bとを含んでいる。円柱部76Aの外周面には、ネジ孔72SHに螺合する溝が形成されている。こうして、円柱部76Aがネジ孔72SHに螺入されている。把持部76Bは、第2方向から見る場合に円形であり、この把持部76Bを例えば指でつまんで回転させることができる。そのため、把持部76Bを例えば時計回りに回転させると、円柱部76Aがネジ孔SHに沿って(すなわち、第2方向に沿って)フォルダ72の内部に向かって移動し、やがて、フォルダ72を貫通する軸部71に接触し、さらに、把持部76Bを回転させると、円柱部76Aが軸部71を第2方向に押圧する(
図7参照)。この押圧部76の押圧力によって、フォルダ72の第1方向に沿った移動が規制され、フォルダ72がその位置に保持される。一方、把持部76Bを例えば反時計回りに回転させると、円柱部76Aが第2方向に沿ってフォルダ72の外側に向かって移動する。そのため、円柱部76Aが軸部71から離間し、再びフォルダ72が軸部71に沿って(第1方向に沿って)移動できるようになる。
【0036】
保持部70のフォルダ72には、カーテンボックス10を保持する保持体75が取り付けられている。本実施形態において、保持体75は、第1方向におけるフォルダ72の一方側(上側)の部分に設けられた少なくとも1つの第1弾性片73と、第1方向におけるフォルダ72の他方側(下側)の部分に取り付けられた少なくとも1つの第2弾性片74とを含んでいる。これらの弾性片73,74は、スナップフィットであってもよい。本実施形態において、保持体75は、2つの第1弾性片73A,73Bと、1つの第2弾性片74とを含む。なお、弾性片73,74のそれぞれの数は上記に限定されるものではない。第1弾性片73及び第2弾性片74のそれぞれは、フォルダ72から第2固定部62の側とは反対側に延びている。すなわち、カーテンボックス装置1が室内に取り付けられている場合において、第1弾性片73及び第2弾性片74のそれぞれは、第3方向に沿って壁面Wa側から室内側に向かって延びている。第1弾性片73A,73Bのフォルダ72側とは反対側(すなわち、室内側)の端部73Aa,73Baは、上側に突出して先端に行くに従って下側に傾斜する形状に形成されている。一方、第2弾性片74のフォルダ72側とは反対側の端部74aは、下側に突出して先端に行くに従って上側に傾斜する形状に形成されている。
【0037】
上述のように及び
図3に示すように、カーテンボックス10の前板11の裏面には第1方向の下側から上側に向かって複数(本実施形態では5つ)のレールが、レール11B,11C,11D,11E,11Fの順に形成されている。レール11B,11C,11D,11E,11Fのそれぞれは、前板11の矩形状の主部11Aから第3方向に沿って第2固定部62の側に向かって突出している。レール11B,11Cの第2固定部62の側の端部11Ba,11Caは、第1方向における第1固定部61の側(上側)に向かって突出している。レール11D,11E,11Fの第2固定部62の側の端部11Da,11Ea,11Faは、第1方向における第1固定部61の側とは反対側(下側)に向かって突出している。
【0038】
第1弾性片73A,73Bの端部73Aa,73Baは、第1弾性片73A,73Bのそれぞれの弾性力によって上側に付勢されることによって、前板11のレール11Dの端部11Daに係合している。第2弾性片74の端部74aは、第2弾性片74の弾性力によって下側に付勢されることによって、前板11のレール11Cの端部11Caに係合している。また、本実施形態では、
図3に示すように、第1弾性片73と第2弾性片74との間に補助部材77が嵌め込まれている。なお、
図4~
図6では、便宜上、補助部材77の図示が省略されている。第1方向において、補助部材77の長さは、第1弾性片73と第2弾性片74との間の間隔よりもやや大きい。そのため、補助部材77が第1弾性片73と第2弾性片74との間に嵌め込まれることによって、第1弾性片73が上側に押され、第2弾性片74が下側に押される。したがって、本実施形態では、第1弾性片73A,73Bの端部73Aa,73Baとレール11Dの端部11Daとの間の係合力及び第2弾性片74の端部74aとレール11Cの端部11Caとの間の係合力のそれぞれが、補助部材77が無い場合に比べて強化されている。このようにして保持体75は前板11を保持しており、さらに言えば、カーテンボックス10が保持部70によって保持されている。なお、補助部材77を設けることは必須ではない。補助部材77を設けない場合でも、第1弾性片73及び第2弾性片74を介してカーテンボックス10を保持することができる。
【0039】
なお、保持体75は、カーテンボックス10を保持することができるのであれば、上記のようなスナップフィットに限定されるものではない。例えば、保持体75とカーテンボックス10とを磁気の力で結合させ、これによりカーテンボックス10を保持してもよい。
【0040】
上述のように、第1弾性片73と第2弾性片74とが取り付けられているフォルダ72は、第1方向の両側に移動することができる。このため、
図5に示すように、フォルダ72を軸部71のキャップ部材79の側(下側)に向かって移動させることで、保持体75に保持された前板11(カーテンボックス10)を下側に移動させることができる。また、軸部71よりも径方向の外側に張り出すキャップ部材79によって、フォルダ72がキャップ部材79よりも下方に移動することが防止される。一方、
図6に示すように、フォルダ72を軸部71の螺合部材69の側(上側)に向かって移動させることで、前板11(カーテンボックス10)を上側に移動させることができる。フォルダ72を上側に移動させていくと、フォルダ72は、軸部71と第2固定部62の屈曲部61Taと間の隙間を通り、やがて、第1弾性片73が屈曲部61Taの下端に接触する。これにより、フォルダ72の更なる上方への移動が防止される。
【0041】
上述のように、カーテンボックス10の前板11と側板12とは、ジョイント40を介して接続されている。以下、このジョイント40について説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、前板11の第2方向における両端部にジョイント40が取り付けられており、これらのジョイント40を介して2つの側板12が前板11に接続されている。本実施形態において、これら2つのジョイント40は、同一の構成を有する。
【0042】
図8は、
図2に示されるジョイント40及びその近傍を拡大して示す図である。
図9は、ジョイント40を示す斜視図である。
図10は、
図2に示されるX-X線に沿った断面図であり、ジョイント40とジョイント40に取り付けられた側板12との断面及び前板11の一部が示されている。
図8から
図10に示すように、ジョイント40は、第1方向から見る場合にL字状の形状を有している。特に
図9に示すように、ジョイント40は、入隅部41と、出隅部42と、第1ガイド部44と、第2ガイド部45とを有している。
【0043】
図8から
図10に示すように、入隅部41は、前板11と2枚の側板12とによって囲われる空間G(
図1参照)側にある板状部材であり、第1方向から見てL字状の形状を有し、第1方向に延在している。具体的には、入隅部41は、前板11と平行に、すなわち第2方向に沿って延在する第1部分41Aと、側板12と平行に、すなわち第3方向に沿って延在する第2部分41Bとを含んでいる。第1部分41Aの上側の部分及び下側の部分のそれぞれには、第1部分41Aを第3方向に貫通するネジ孔が形成されており、これらのネジ孔にネジ等の螺合部材43A,43Bが螺入されている。螺合部材43A,43Bは、第1部分41Aの第2方向における概ね中央を第1方向に沿って延びる直線上に並んでいる。第2部分41Bの上側の部分及び下側の部分のそれぞれには、第2部分41Bを第2方向に貫通するネジ孔が形成されており、これらのネジ孔にネジ等の螺合部材43C,43Dが螺入されている。螺合部材43C,43Dは、第2部分41Bの第3方向における概ね中央を第1方向に沿って延びる直線上に並んでいる。
【0044】
出隅部42は、空間G側とは反対側にあり、第1方向から見てL字状の形状を有し、第1方向に延在している。具体的には、出隅部42は、第1方向から見てL字状で第1方向に延在する板状部42Aと、板状部42Aの下端部に接続される底面42Bと、板状部42Aの上端部に接続される頂面42Gとを含んでいる。底面42Bは、カーテンボックス装置1が室内に取り付けられている場合においてジョイント40の最も床側に位置する部分である。一方、頂面42Gは、カーテンボックス装置1が室内に取り付けられている場合においてジョイント40の最も天井側に位置する部分である。頂面42Gは、第1方向から見てL字状に形成されており、板状部42Aの第2方向における端面42AE1及び第3方向における端面42AE2よりも内側(板状部42Aの角側)に設けられている。すなわち、頂面42Gの第2方向における端面42G1は板状部42Aの端面42AE1よりも内側にあり、頂面42Gの第3方向における端面42G2は板状部42Aの端面42AE2よりも内側にある。
【0045】
第1ガイド部44は、第1方向から見る場合に、L字状の形状を有しており、入隅部41と出隅部42の板状部42Aとの間にある。また、第1ガイド部44は、第1方向において、出隅部42の頂面42Gと第2ガイド部45との間にある。第1ガイド部44は、第1方向から見る場合に正方形状に形成され、出隅部42の板状部42Aに固定された基部44Gと、基部44Gの第2方向における端面44G1から第2方向に延びる第1ガイドレール44A1と、基部44Gの第3方向における端面44G2から第3方向に延びる第2ガイドレール44A2とを含んでいる。本実施形態において、第1ガイドレール44A1は基部44Gの端面44G1の第3方向における中央の部分に接続されており、第2ガイドレール44A2は基部44Gの端面44G2の第2方向における中央の部分に接続されている。
【0046】
第1ガイドレール44A1は、第2方向から見る場合に前板11側に90°傾いたU字状に形成されている。第1ガイドレール44A1の前板11の側とは反対側の面には、第2方向から見る場合に第1ガイドレール44A1とは逆側に傾いたU字状の第3ガイドレール44B1が一体的に形成されている。第3ガイドレール44B1は、第1ガイドレール44A1の端部から基部44Gの端面44G1の位置まで第2方向に沿って延在している。第1ガイドレール44A1と、第3ガイドレール44B1と、入隅部41の第1部分41Aとによって、第3ガイドレール44B1の上側及び下側に溝44C1が形成されている。
【0047】
第2ガイドレール44A2は、第3方向から見る場合に側板12側に90°傾いたU字状に形成されている。第2ガイドレール44A2の側板12の側とは反対側の面には、第3方向から見る場合に第2ガイドレール44A2とは逆側に傾いたU字状の第4ガイドレール44B2が一体的に形成されている。第4ガイドレール44B2は、第2ガイドレール44A2の端部から基部44Gの端面44G2の位置まで第3方向に沿って延在している。第2ガイドレール44A2と、第4ガイドレール44B2と、入隅部41の第2部分41Bとによって、第4ガイドレール44B2の上側及び下側に溝44C2が形成されている。
【0048】
図10に示すように、第2ガイドレール44A2と第4ガイドレール44B2との接続部には、螺合部材43Cを螺合可能なネジ孔44SHが形成されている。螺合部材43Cは、第2ガイドレール44A2の内部と、ネジ孔44SHと、第4ガイドレール44B2の内部とを貫通している。同様に、詳細な図示は省略するが、第1ガイドレール44A1と第3ガイドレール44B1との接続部には、螺合部材43Aを螺合可能なネジ孔が形成されている。螺合部材43Aは、第1ガイドレール44A1の内部と、不図示のネジ孔と、第3ガイドレール44B1の内部とを貫通している(
図8参照)。
【0049】
第2ガイド部45は、第1方向から見る場合に、L字状の形状を有しており、入隅部41と出隅部42の板状部42Aとの間にある。また、第2ガイド部45は、出隅部42の底面42Bに隣接している。第2ガイド部45は、第1方向における位置を除いて、第1ガイド部44と同じ構成を有する。したがって、第1ガイド部44の各部に対応する第2ガイド部45の各部については、第1ガイド部44で説明したのと同様の名称を付して、詳細な説明を省略する。すなわち、第2ガイド部45は、基部45Gと、基部45Gの第2方向における端面45G1から第2方向に延びる第1ガイドレール45A1と、基部45Gの第3方向における端面45G2から第3方向に延びる第2ガイドレール45A2とを含んでいる。第1ガイドレール45A1の前板11の側とは反対側の面には、第3ガイドレール45B1が一体的に形成されている。第1ガイドレール45A1と、第3ガイドレール45B1と、入隅部41の第1部分41Aとによって、第3ガイドレール45B1の上側及び下側に溝45C1が形成されている。第2ガイドレール45A2の側板12の側とは反対側の面には、第4ガイドレール45B2が一体的に形成されている。第2ガイドレール45A2と、第4ガイドレール45B2と、入隅部41の第2部分41Bとによって、第4ガイドレール45B2の上側及び下側に溝45C2が形成されている。
【0050】
図10に示すように、第2ガイドレール45A2と第4ガイドレール45B2との接続部には、螺合部材43Dを螺合可能なネジ孔45SHが形成されている。螺合部材43Dは、第2ガイドレール45A2の内部と、ネジ孔45SHと、第4ガイドレール45B2の内部とを貫通している。同様に、詳細な図示は省略するが、第1ガイドレール45A1と第3ガイドレール45B1との接続部には、螺合部材43Bを螺合可能なネジ孔が形成されている。螺合部材43Bは、第1ガイドレール45A1の内部と、不図示のネジ孔と、第3ガイドレール45B1の内部とを貫通している(
図8参照)。
【0051】
ところで、
図10に示すように、カーテンボックス10の側板12の裏面には第1方向の下側から上側に向かって複数(本実施形態では5つ)のレールが、レール12B,12C,12D,12E,12Fの順に形成されている。レール12B,12C,12D,12E,12Fのそれぞれは、側板12の矩形状の主部12Aから第2方向に沿って保持具60の側に向かって突出している。レール12B,12Cの保持具60の側の端部12Ba,12Caは、第1方向の上側に向かって突出している。レール12D,12E,12Fの保持具60の側の端部12Da,12Ea,12Faは、第1方向の下側に向かって突出している。
【0052】
図8に示すように、側板12は、第1ガイド部44の第2ガイドレール44A2にレール12D,12Eを沿わせ、かつ、第2ガイド部45の第2ガイドレール45A2にレール12Bを沿わせつつ、側板12を内側(板状部42Aの角側)に向かって第3方向にスライドさせることにより、ジョイント40に挿入される。この際、側板12の端面12EGが側板12の長辺方向に対して実質的に垂直である場合、側板12を内側にスライドさせていくと、やがて、側板12の端面12EGは、
図9に示す3つ面、すなわち、出隅部42の頂面42Gの端面42G2、第1ガイド部44の基部44Gの端面44G2、及び第2ガイド部45の基部45Gの端面45G2に当接し、これ以上の内側へのスライドが防止される。このように、端面42G2,44G2,45G2は、前板11の端面及び側板12の端面12EGが当接する当接部49の一部をなしている。なお、「実質的に垂直」には、垂直である場合だけでなく、例えば側板12の製造工程の際の製造誤差の範囲で垂直でない場合等を含む。
【0053】
このようにして側板12をジョイント40に挿入した後、側板12は、螺合部材43C,43Dを用いてジョイント40に締結されて固定される。具体的には、
図10に示すように、側板12がジョイント40に挿入された状態では、第1ガイド部44の第2ガイドレール44A2及び第4ガイドレール44B2が側板12の主部12A、レール12D、及びレール12Eによって規定されるU字状の空間に嵌まり込んでいる。この状態では、第2ガイドレール44A2がレール12D上に載置されるとともに、第4ガイドレール44B2の上側にある溝44C2にレール12Eの端部12Eaが嵌合している。そして、この状態で、螺合部材43Cがネジ孔44SHを介して側板12の主部12Aに向かって螺入さている。これにより、レール12Eの端部12Eaが、第2ガイドレール44A2と入隅部41の第2部分41Bとによって挟み込まれている。また、側板12がジョイント40に挿入された状態では、第2ガイド部45の第2ガイドレール45A2及び第4ガイドレール45B2がレール12B上に載置されるとともに、第4ガイドレール45B2の下側にある溝45C2にレール12Bの端部12Baが嵌合している。そして、この状態で、螺合部材43Dがネジ孔45SHを介して側板12の主部12Aに向かって螺入されている。これにより、レール12Bの端部12Baが、第2ガイドレール45A2と入隅部41の第2部分41Bとによって挟み込まれている。このように、螺合部材43C,43Dによって、側板12がジョイント40に固定されており、螺合部材43C,43Dは、前板11及び側板12をジョイント40に固定する第3固定部43の一部をなしている。
【0054】
図9に示すように、側板12をジョイント40に固定する際に側板12をスライドさせる第3方向において、第3固定部43の一部をなす螺合部材43C,43Dは、当接部49の一部をなす端面42G2,44G2,45G2よりも外側(板状部42Aの角側とは反対側)の部分に設けられている。したがって、第3方向において、第3固定部43と当接部49との間には間隔P2が形成されている。この間隔P2は、ジョイント40に対して側板12を挿入する長さを調整するための長さ調整代として機能する。
【0055】
図8に示すように、前板11は、第1ガイド部44の第1ガイドレール44A1にレール11D,11Eを沿わせ、かつ、第2ガイド部45の第1ガイドレール45A1にレール11Bを沿わせつつ、前板11を内側(板状部42Aの角側)に向かって第2方向にスライドさせることにより、ジョイント40に挿入される。この際、前板11の端面11EGが前板11の長辺方向に対して実質的に垂直である場合、前板11を内側にスライドさせていくと、やがて、前板11の端面11EGは、
図9に示す3つ面、すなわち、出隅部42の頂面42Gの端面42G1、第1ガイド部44の基部44Gの端面44G1、及び第2ガイド部45の基部45Gの端面45G1に当接し、これ以上の内側へのスライドが防止される。なお、
図9の視点では、第2ガイド部45の基部45Gの端面45G1は、入隅部41の背後にあるため視認することができない。そのため、便宜上、破線の矢印にて端面45G1の位置を示している。このように、端面42G1,44G1,45G1は、前板11の端面11EG及び及び側板12の端面12EGが当接する当接部49の一部をなしている。
【0056】
このようにして前板11をジョイント40に挿入した後、前板11は、螺合部材43A,43Bを用いてジョイント40に締結されて固定される。具体的には、
図8に示すように、前板11がジョイント40に挿入された状態では、第1ガイド部44の第1ガイドレール44A1及び第3ガイドレール44B1が前板11の主部11A、レール11D、及びレール11Eによって規定されるU字状の空間に嵌まり込んでいる。この状態では、第1ガイドレール44A1がレール11D上に載置されるとともに、第3ガイドレール44B1の上側にある溝44C1にレール11Eの端部11Ea(
図3参照)が嵌合している。そして、この状態で、螺合部材43Aがネジ孔を介して前板11の主部11Aに向かって螺入されている。これにより、レール11Eの端部11Eaが、第1ガイドレール44A1と入隅部41の第1部分41Aとによって挟み込まれている。また、前板11がジョイント40に挿入された状態では、第2ガイド部45の第1ガイドレール45A1及び第3ガイドレール45B1がレール11B上に載置されるとともに、第3ガイドレール45B1の下側にある溝45C1にレール11Bの端部11Ba(
図3参照)が嵌合している。そして、この状態で、螺合部材43Bがネジ孔を介して前板11の主部11Aに向かって螺入されている。これにより、レール11Bの端部11Baが、第1ガイドレール45A1と入隅部41の第1部分41Aとによって挟み込まれている。このように、螺合部材43A,43Bによって、前板11がジョイント40に固定されており、螺合部材43A,43Bは、前板11及び側板12をジョイント40に固定する第3固定部43の一部をなしている。
【0057】
図9に示すように、前板11をジョイント40に固定する際に前板11をスライドさせる第2方向において、第3固定部43の一部をなす螺合部材43A,43Bは、当接部49をなす端面42G1,44G1,45G1よりも外側(板状部42Aの角側とは反対側)の部分に設けられている。したがって、第2方向において、第3固定部43と当接部49との間には間隔P1が形成されている。この間隔P1は、ジョイント40に対して前板11を挿入する長さを調整するための長さ調整代として機能する。
【0058】
なお、
図9では、ジョイント40の角が紙面左側を向いている例が示されているが、
図1及び
図2に示すように、ジョイント40を
図9の場合とは反対側に向けた状態(すなわち、ジョイント40の角が紙面右側を向いた状態)で使用することも可能である。この場合、前板11は、第1ガイド部44の第2ガイドレール44A2にレール11D,11Eを沿わせ、かつ、第2ガイド部45の第2ガイドレール45A2にレール11Bを沿わせつつ、前板11を内側(板状部42Aの角側)に向かって第2方向にスライドさせることにより、ジョイント40に挿入される。また、側板12は、第1ガイド部44の第1ガイドレール44A1にレール12D,12Eを沿わせ、かつ、第2ガイド部45の第1ガイドレール45A1にレール12Bを沿わせつつ、側板12を内側(板状部42Aの角側)に向かって第3方向にスライドさせることにより、ジョイント40に挿入される。
【0059】
再び
図1及び
図2を参照すると、2つの側板12のそれぞれには、エンドキャップ50が取り付けられている。エンドキャップ50は、側板12のジョイント40側の端面12EG(
図8参照)の側とは反対側に取り付けられている。すなわち、エンドキャップ50は、第3方向において、カーテンボックス10の壁面Waに対向する側の端部、すなわち、側板12の壁面Waの側の端部に取り付けられており、壁面Waに対向して近接している。
【0060】
図11は、側板12に取り付けられているエンドキャップ50近傍を第2方向から見た図である。
図12は、エンドキャップ50を示す斜視図である。
図13は、
図2に示すXIII-XIII線に沿った断面図であり、エンドキャップ50と当該エンドキャップ50に取り付けられた側板12の一部とを示す断面図である。
図11から
図13に示すように、エンドキャップ50は、第1方向を長辺方向とし第2方向を短辺方向とする矩形の板状の第1板部51と、第1方向を長辺方向とし第3方向を短辺方向とする矩形の板状の第2板部52と、第3方向を長辺方向とし第2方向を短辺方向とする矩形の第3板部53と、第1ガイドレール54と、第2ガイドレール55と、第3ガイドレール56と、第4ガイドレール57と、螺合部材58A,58Bとを含んでいる。
【0061】
第1板部51と第2板部52とは、90°の角をなして接続されている。第3板部53は、エンドキャップ50の底部をなしており、第1板部51の下端と第2板部52の下端とに接続されている。
【0062】
第1ガイドレール54は、第1方向において第2ガイドレール55よりも上側にあり、第1板部51に片持ち梁状に支持されている。換言すれば、第1ガイドレール54は、第1板部51から第3方向に沿って延在している。第3方向における第1板部51の側とは反対側から見て、第1ガイドレール54は、矩形の筒状に形成されており、第1ガイドレール54と第2板部52との間には間隙G1が形成されている。第1ガイドレール54の第2方向における第2板部52の側とは反対側には、第3ガイドレール56が一体的に形成されている。第3方向における第1板部51の側とは反対側から見て、第3ガイドレール56は、第2方向における第2板部52の側とは反対側に90°傾いたU字状の形状を有している。したがって、第3ガイドレール56の第2方向における第2板部52の側とは反対側には、第1方向において離間した2つの端面56A,56Aと、第1ガイドレール54とによって規定される空間56Rが形成されている。第3ガイドレール56の第1方向における長さは、第1ガイドレール54の第1方向における長さよりも小さい。したがって、第3ガイドレール56の上側と下側には、第3ガイドレール56と第1ガイドレール54とによって規定される階段状の間隙G2が形成されている。
【0063】
第3ガイドレール56の空間56Rには、第2方向における第2板部52側に向かってネジなどの螺合部材58Aが挿入されている。第1ガイドレール54には、螺合部材58Aが螺合可能な不図示のネジ孔が、螺合部材58Aが第1ガイドレール54を第2方向に沿って貫通できるように形成されている。したがって、第3ガイドレール56の空間56Rに挿入された螺合部材58Aは、第1ガイドレール54のネジ孔を介して、第2板部52の側に向かって第1ガイドレール54を貫通している。
【0064】
第2ガイドレール55は、第1方向において第1ガイドレール54よりも下側にあり、第3板部53に隣接している。第2ガイドレール55は、第1板部51に片持ち梁状に支持されている。換言すれば、第2ガイドレール55は、第1板部51から第3方向に沿って延在している。第3方向における第1板部51の側とは反対側から見て、第2ガイドレール55は、矩形の筒状に形成されており、第2ガイドレール55と第2板部52との間には間隙G1が形成されている。第2ガイドレール55の第2方向における第2板部52の側とは反対側には、第4ガイドレール57が一体的に形成されている。第3方向における第1板部51の側とは反対側から見て、第4ガイドレール57は、第2方向における第2板部52の側とは反対側に90°傾いたU字状の形状を有している。したがって、第4ガイドレール57の第2方向における第2板部52の側とは反対側には、第1方向において離間した2つの端面57A,57Aと第2ガイドレール55とによって規定される空間57Rが形成されている。第4ガイドレール57の第1方向における長さは、第2ガイドレール55の第1方向における長さよりも小さい。したがって、第4ガイドレール57の上側と下側には、第2ガイドレール55と第4ガイドレール57とによって規定される階段状の間隙G3が形成されている。第4ガイドレール57の下側の間隙G3は、第2ガイドレール55及び第4ガイドレール57を第3板部53から第1方向に離間させる空間でもある。
【0065】
第4ガイドレール57の空間57Rには、第2方向における第2板部52側に向かってネジなどの螺合部材58Bが挿入されている。第2ガイドレール55には、螺合部材58Bが螺合可能な不図示のネジ孔が、螺合部材58Bが第2ガイドレール55を第2方向に沿って貫通できるように形成されている。したがって、第4ガイドレール57の空間57Rに挿入された螺合部材58Bは、第2ガイドレール55のネジ孔を介して、第2板部52の側に向かって第2ガイドレール55を貫通している。
【0066】
図2及び
図11に示すように、螺合部材58A,58Bは、第1方向に延びる直線上に並んでおり、第3方向において、第1板部51を基準としてジョイント40側(つまり、第1板部51を基準として壁面Waの側とは反対側)にずれた位置に設けられている。したがって、第3方向において、第1板部51と螺合部材58A,58Bとの間には、間隔P3が形成されている。
【0067】
図11に示すように、側板12は、第1ガイドレール54にレール12D,12Eを沿わせ、かつ、第2ガイドレール55にレール12Bを沿わせつつ、側板12を第1板部51側に向かって第3方向にスライドさせることにより、エンドキャップ50に挿入される。この際、側板12の端面12EG(
図8参照)とは反対側の端面12EHが側板12の長辺方向に対して実質的に垂直である場合、側板12を第1板部51側にスライドさせていくと、やがて、側板12の端面12EHは第1板部51に当接し、これ以上のスライドが防止される。このように、第1板部51は、側板12の端面12EH(すなわち、カーテンボックス10の端面12EH)が当接する当接部として機能している。
【0068】
このようにして側板12をエンドキャップ50に挿入した後、側板12は、螺合部材58A,58Bを用いてエンドキャップ50に締結されて固定される。具体的には、
図13に示すように、側板12がエンドキャップ50に挿入された状態では、第1ガイドレール54及び第3ガイドレール56が側板12の主部12A、レール12D、及びレール12Eによって規定されるU字状の空間に嵌まり込んでいる。この状態では、第1ガイドレール54がレール12D上に載置されるとともに、第3ガイドレール56の上側にある階段状の間隙G2にレール12Eの端部12Eaが嵌合している。そして、この状態で、螺合部材58Aが第1ガイドレール54のネジ孔を介して側板12の主部12Aに向かって螺入されている。これにより、レール12Eの端部12Eaと第1ガイドレール54及び第3ガイドレール56とが固く嵌合する。また、側板12がエンドキャップ50に挿入された状態では、第2ガイドレール55及び第4ガイドレール57がレール12B上に載置されるとともに、第4ガイドレール57の下側にある階段状の間隙G3にレール12Bの端部12Baが嵌合している。そして、この状態で、螺合部材58Bが第2ガイドレール55のネジ孔を介して側板12の主部12Aに向かって螺入されている。これにより、レール12Bの端部12Baと第2ガイドレール55及び第4ガイドレール57とが固く嵌合する。このように、螺合部材58A,58Bによって、側板12はエンドキャップ50に固定されており、螺合部材58A,58Bは、カーテンボックス10を構成する側板12をエンドキャップ50に固定する第4固定部58をなしている。
【0069】
上述のように、側板12がスライドされる第3方向において、側板12の端面12EHが当接する当接部である第1板部51と、側板12をエンドキャップ50に固定する第4固定部58である螺合部材58A,58Bとの間には、間隔P3が形成されている。このため、この間隔P3の分、側板12のエンドキャップ50への挿入長さを調整することができる。すなわち、間隔P3は長さ調整代として機能する。
【0070】
次に、取付部材30について説明する。
【0071】
図1及び
図2に示すように、カーテンボックス10の天井側(第1方向における上側)の端面には、可撓性の取付部材30が着脱可能に取り付けられている。取付部材30は、前板11の上側の端面に取り付けられる取付部材31と、側板12の上側の端面に取り付けられる取付部材32とを含んでいる。取付部材30の材料としては、可撓性を有するのであれば特に限定されないが、例えば、軟質樹脂であってもよい。
【0072】
取付部材31は、前板11の長辺方向(第2方向)の概ね全長に亘って延在している。
図3に示すように、取付部材31は、薄い平板状の平板部33と、90°傾いたU字状の係合部34とを含んでいる。平板部33は、U字状の係合部34が傾く方向とは垂直な方向に延在している。係合部34は、平板部33が延在する方向に垂直な方向において同じ側に突出する互いに離間した2つの突出部34A,34Bを含んでいる。突出部34Bは、平板部33に90°の角度をなして接続している。突出部34Aは、突出部34Bを基準として平板部33の側とは反対側にある。突出部34Aの先端34Aaは、上側に盛り上がっている。係合部34は、前板11の第1方向における上側(天井側)の端面に係合可能である。具体的には、係合部34は、前板11の上側の端面を含むレール11Fに係合する。レール11Fは、係合部34の突出部34A,34Bの間の空間に嵌め入れられており、これにより、係合部34が弾性的にレール11Fに係合している。こうして、平板部33が第1方向における上側(天井側)を向くように、取付部材31が前板11のレール11Fに取り付けられている。また、本実施形態では、突出部34Aの上側に盛り上がっている先端34Aaとレール11Fの下側に突出する端部11Faとが互いに係合しており、係合部34がより強固にレール11Fに係合している。なお、取付部材31は前板11に対して弾性的に係合しているため、取付部材31を例えば第3方向における前板11の側とは反対側に引いたり、第2方向に沿ってずらしたりすることで、取付部材31を前板11から取り外すことが可能である。
【0073】
図1及び
図2に示すように、取付部材32は、側板12の長辺方向(第3方向)の概ね全長に亘って延在している。
図10及び
図13に示すように、取付部材32は、薄い平板状の平板部35と、90°傾いたU字状の係合部36とを含んでいる。平板部35は、U字状の係合部36が傾く方向とは垂直な方向に延在している。係合部36は、平板部35が延在する方向に垂直な方向において同じ側に突出する互いに離間した2つの突出部36A,36Bを含んでいる。突出部36Bは、平板部35に90°の角度をなして接続している。突出部36Aは、突出部36Bを基準として平板部35の側とは反対側にある。突出部36Aの先端36Aaは、上側に盛り上がっている。係合部36は、側板12の第1方向における上側(天井側)の端面に係合可能である。具体的には、係合部36は、側板12の上側の端面を含むレール12Fに係合する。レール12Fは、係合部36の突出部36A,36Bの間の空間に嵌め入れられており、これにより、係合部36が弾性的にレール12Fに係合している。こうして、平板部35が第1方向における上側(天井側)を向くように、取付部材32が側板12のレール12Fに取り付けられている。また、本実施形態では、突出部36Aの上側に盛り上がっている先端36Aaとレール12Fの下側に突出する端部12Faとが互いに係合しており、係合部36がより強固にレール12Fに係合している。なお、取付部材32は側板12に対して弾性的に係合しているため、取付部材32を、例えば、第2方向における側板12の側とは反対側に引いたり、第3方向に沿ってずらしたりすることで、取付部材32を側板12から取り外すことが可能である。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の保持具60は、天井Ceに固定可能な第1固定部61と、第1固定部61の一方側の部分に接続され、壁面Waに固定可能な第2固定部62と、第1固定部61のうち第2固定部62の側とは反対側の部分に取り付けられた保持部70とを備えており、保持部70は、天井Ceに交差する第1方向の両側にカーテンボックス10を移動させることが可能にカーテンボックス10を保持している。
【0075】
このような保持具60によれば、当該保持具60を壁面Waにも天井Ceにも取り付けることができるため、保持具60を取り付ける場所の選択肢を増やすことが可能である。そして、保持具60は、天井Ceに交差する第1方向の両側にカーテンボックス10を移動させることが可能にカーテンボックス10を保持する。このため、
図5に例示的に示すように、保持具60を天井Ceに取り付ける場合、例えば、保持具60に保持されているカーテンボックス10が天井Ceに干渉しないようにするために、予め第1方向の下側(床側)にカーテンボックス10を移動させた状態にして、カーテンボックス10を保持している保持具60を天井Ceに固定した後に、カーテンボックス10の上側の端面が天井Ceに接する位置まで、カーテンボックス10を上側(天井側)に移動させてもよい。このようにすることで、カーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じることが防止され、この隙間から室内に光が漏れること等を防止することができる。なお、本実施形態において、カーテンボックス10を第1方向に沿って上下に移動させて所望の位置で保持するには、保持部70のフォルダ72を軸部71に沿って上下に所望の位置まで移動させ、その位置で、押圧部76を用いてフォルダ72を軸部71に固定すればよい。一方、
図6に例示的に示すように、保持具60を壁面Waに取り付ける場合、例えば、天井Ceから離れた壁面Waの部分に、カーテンボックス10を保持している保持具60を固定した後に、カーテンボックス10の上側の端面が天井Ceに接する位置まで、例えば
図4の位置から第1方向の上側(天井側)に向かって、カーテンボックス10を移動させてもよい。これにより、カーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じることが防止され、この隙間から室内に光が漏れること等を防止することができる。このように、本実施形態に係る保持具60によれば、カーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じないようにカーテンボックス10を保持することが可能である。
【0076】
また、上述したように、本実施形態のカーテンボックス装置1は、保持具60と、保持具60により保持されるカーテンボックス10と、カーテンボックス10の天井側の端面に着脱可能に取り付けられ、当該端面から天井側に突出する可撓性の取付部材30とを備えている。
【0077】
このようなカーテンボックス装置1によれば、上述の保持具60を備えているため、カーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じ難い。また、カーテンボックス装置1は上述のように可撓性の取付部材30を備えている。このため、例えば、天井Ceのうちカーテンボックス10が接する部分が傾斜しているような場合でも、カーテンボックス10の天井側の端面から上側に延びる取付部材30(具体的には、取付部材30の平板部33,35)によって、カーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じることが抑制される。この取付部材30は、可撓性を有しているので、天井Ceとカーテンボックス10の天井側の端面との間の距離に応じて柔軟に屈曲する。このため、当該端面と天井Ceとの間に隙間が生じることがより効果的に抑制される。なお、取付部材30が無くても天井Ceとの間に隙間が生じることを防止できるのであれば、適宜、取付部材30を取り外せばよい。このように、本実施形態に係るカーテンボックス装置1によれば、カーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じ難い。
【0078】
また、本実施形態に係るカーテンボックス装置1は、保持具60に保持された前板11と、ジョイント40を介して前板11に接続される側板12とを有しているため、少なくとも2方向においてカーテンボックス10と天井Ceとの間に隙間が生じることを抑制することができる。そして、このジョイント40は、前板11の端面11EG及び側板12の端面12EGが当接する当接部49と、前板11及び側板12をジョイント40に固定する第3固定部43とを含んでおり、第3固定部43は、当接部49よりもジョイント40の外側の部分に設けられている。このような構成により、当接部49と第3固定部43との間には間隔P1,P2が形成されており、この間隔P1,P2が、ジョイント40に対して前板11を挿入する長さを調整するための長さ調整代として機能する。したがって、例えば、前板11の長さや側板12の長さを室内状況に応じて調整するために使用者が前板11や側板12を私的にカットし、その結果として前板11の端面11EGや側板12の端面12EGがこれらの長辺方向に対して傾いている場合でも、その傾いている端面11EG,12EGを当接部49から第3固定部43の側にずれた位置に配置して、その位置で第3固定部43により前板11や側板12をジョイント40に固定することができる。このように当接部49から第3固定部43の側にずれた位置で前板11や側板12をジョイント40に固定すれば、傾いている端面11EG,12EGが当接部49に干渉してジョイント40への取り付けが困難になることを回避することができる。
【0079】
また、本実施形態に係るカーテンボックス装置1は、側板12の前板11が接続される側とは反対側の端面12EHに取り付けられたエンドキャップ50を備えており、このエンドキャップ50は、側板12の端面12EHが当接する第1板部51(当接部)と、側板12をエンドキャップ50に固定する第4固定部58とを含み、第4固定部58は、第1板部51よりもジョイント40の側にずれた位置に設けられている。すなわち、側板12をエンドキャップ50に対してスライドさせる第3方向において、第1板部51と第4固定部58との間には、間隔P3(長さ調整代)が形成されている。このため、この間隔P3の分、側板12のエンドキャップ50への挿入長さを調整することができる。したがって、側板12の端面12EHを第1板部51から第4固定部58の側にずれた位置に配置した状態で側板12を第4固定部58により固定すれば、側板12の端面12EHを第1板部51に当接させる場合に比べて、エンドキャップ50を壁面Waに近づけることができる。そして、このように側板12のエンドキャップ50への挿入長さを適宜調整することで、エンドキャップ50を壁面Waに当接させることができる。エンドキャップ50を壁面Waに当接させることで、側板12が側板12の自重により傾斜しようとしても、側板12が壁面Waに対して傾くことが抑制される。したがって、このような側板12の傾きによる見栄えの悪化や、側板12の傾斜によって生じた側板12と壁面Waとの間の隙間から光が漏れること等が抑制される。また、第1板部51と第4固定部58との間に間隔P3(長さ調整代)が形成されていることによって、ジョイント40と同様の理由により、例えば使用者の私的なカットにより端面12EHが側板12の長辺方向に対して傾いている場合でも、傾いている端面12Eが第1板部51に干渉してエンドキャップ50への取り付けが困難になることを回避することができる。
【0080】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るカーテンボックス装置について説明する。
図14は、本実施形態に係るカーテンボックス装置を第1方向における天井側から見た図である。なお、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
【0081】
図14に示すように、本実施形態に係るカーテンボックス装置2は、前板11の数及び側板12の数が相違する点において、第1実施形態に係るカーテンボックス装置1と主に異なっている。具体的には、カーテンボックス装置2は、2つの前板11(前板11a,前板11b)と、1つの側板12とを含んでいる。したがって、本実施形態では、カーテンボックス110の平面形状(第1方向における天井側から見た形状)が第1実施形態におけるカーテンボックス10の平面形状と異なっている。具体的には、カーテンボックス110は、前板11aと側板12とからなるL字状の平面形状を有する第1カーテンボックス111と、前板11bからなるI字状の第2カーテンボックス112が結合したものである。前板11a,11bは、第1実施形態の前板11と同様の構成を有している。
【0082】
カーテンボックス110の天井側の端面には、第1実施形態のカーテンボックス10と同様に、カーテンボックス110の天井側の端面から天井側に突出する可撓性の取付部材30が取り付けられている。
【0083】
前板11aは、第2方向に延在している。第1実施形態と同様に、側板12は、ジョイント40(第1ジョイント)を介して前板11aに接続され、前板11aの長辺方向に交差する第3方向に延びている。側板12の第3方向におけるジョイント40の側とは反対側の端部には、エンドキャップ50が取り付けられている。前板11bは、第2ジョイント100を介して前板11aに接続され、第3方向に延びている。前板11bの第3方向における第2ジョイント100の側とは反対側の端部には、エンドキャップ50が取り付けられている。側板12に取り付けられたエンドキャップ50は、第1壁面Wa1に対向して近接している。この第1壁面Wa1は、第2方向に沿って延在している。前板11aは、2つの保持具60によって保持されている。これら2つの保持具60のそれぞれは、第3方向に沿って延在している。前板11aを保持する2つの保持具60のそれぞれは、第1壁面Wa1に固定され、第2方向に延びる2つのカーテンレール90を支持している。第2方向に延びる2つのカーテンレール90は、概ねジョイント40から第2ジョイント100に亘って延びている。
【0084】
前板11bは、図示を省略するが、第2方向に延在する1つ以上(例えば、2つ)の保持具60によって保持されている。前板11bを保持する保持具60は、第3方向に延在する第2壁面Wa2に固定され、第3方向に延びる2つのカーテンレール90を支持している。前板11bに取り付けられたエンドキャップ50は、第3壁面Wa3に対向して近接している。この第3壁面Wa3は、第2方向に沿って延在している。第3方向に延びる2つのカーテンレール90は、概ね、第1壁面Wa1から第3壁面Wa3に亘って延在している。
【0085】
このように、本実施形態では、前板11bの壁面(第3壁面Wa3)に対向する側の端部及び側板12の壁面(第1壁面Wa1)に対向する側の端部のそれぞれにエンドキャップ50が取り付けられている。すなわち、本実施形態では、カーテンボックス110の壁面に対向する側の端部にエンドキャップ50が取り付けられている。なお、前板11b及び側板12の一方のみにエンドキャップ50を取り付けてもよい。
【0086】
ところで、前板11a及び前板11bは、互いに交差する方向に延在している。また、前板11a及び前板11bは、第2ジョイント100(ジョイント)を介して互いに接続されている。このような関係に着目すると、前板11bは、広義には、ジョイントを介して前板11aに接続され、前板11aに交差する方向に延びる前板11aに対する側板と解釈することが可能であり、前板11aは、広義には、ジョイントを介して前板11bに接続され、前板11bに交差する方向に延びる前板11bに対する側板と解釈することが可能である。
【0087】
次に、第2ジョイント100について説明する。
【0088】
図15は、第2ジョイント100を示す斜視図である。
図15に示すように、第2ジョイント100は、第1方向から見た場合にL字状の形状を有している。第2ジョイント100は、入隅部140と、出隅部150と、第1ガイド部160と、第2ガイド部120とを有している。
【0089】
図14及び
図15に示すように、入隅部140は、室内側にある板状部材であり、第1方向から見てL字状の形状を有し、第1方向に延在している。具体的には、入隅部140は、前板11aと平行に、すなわち第2方向に沿って延在する第1部分141と、前板11bと平行に、すなわち第3方向に沿って延在する第2部分142とを含んでいる。
【0090】
出隅部150は、第1壁面Wa1の側及び第2壁面Wa2の側にある板状部材であり、第1方向から見てL字状の形状を有し、第1方向に延在している。具体的には、出隅部150は、前板11aと平行に、すなわち第2方向に沿って延在する第1部分151と、前板11bと平行に、すなわち第3方向に沿って延在する第2部分152とを含んでいる。第1部分151の上側の部分及び下側の部分のそれぞれには、第1部分151を第3方向に貫通するネジ孔が形成されており、これらのネジ孔にネジ等の螺合部材131,132が螺入されている。螺合部材131,132は、第1部分151上を第1方向に沿って延びる同一直線上に並んでいる。第2部分152の上側の部分及び下側の部分のそれぞれには、第2部分152を第2方向に貫通するネジ孔が形成されており、これらのネジ孔にネジ等の螺合部材133,134が螺入されている。螺合部材133,134は、第2部分152を第1方向に沿って延びる同一直線上に並んでいる。
【0091】
第1ガイド部160は、第1方向から見る場合に、L字状の形状を有しており、入隅部140と出隅部150との間にある。また、第1ガイド部160は、第1方向において、出隅部150の上端に近い位置に配置されている。第1ガイド部160は、入隅部140と一体的に形成されている。第1ガイド部160は、第2方向に延在する第1レール161と、第3方向に延在する第2レール162とを含んでいる。第1レール161には螺合部材131を螺合可能なネジ孔が形成されており、第2レール162には螺合部材133を螺合可能なネジ孔が形成されている。第2ガイド部120は、第1方向から見る場合に、L字状の形状を有しており、入隅部140と出隅部150との間にある。また、第2ガイド部120は、第1方向において、出隅部150の下端に近い位置に配置されている。第2ガイド部120は、入隅部140と一体的に形成されている。第2ガイド部120は、第2方向に延在する第1ガイドレール121と、第3方向に延在する第2ガイドレール122とを含んでいる。第1ガイドレール121には螺合部材132を螺合可能なネジ孔が形成されており、第2ガイドレール122には螺合部材134を螺合可能なネジ孔が形成されている。これらのネジ孔に螺合部材131,132,133,134が螺入されることにより、一体に形成された第1ガイド部160、第2ガイド部120、及び入隅部140が、出隅部150に結合している。
【0092】
前板11aは、第1ガイド部160の第1レール161に前板11aの例えばレール11D,11E(
図8参照)を沿わせ、かつ、第2ガイド部120の第1ガイドレール121に前板11aの例えばレール11B(
図8参照)を沿わせつつ、前板11aを内側(出隅部150の角側)に向かって第2方向にスライドさせることにより、第2ジョイント100に挿入される。このようにして前板11aを第2ジョイント100に挿入した後、前板11aは、螺合部材131,132を用いて第2ジョイント100に締結されて固定される。
【0093】
前板11bは、第1ガイド部160の第2レール162に前板11bの例えばレール11D,11E(
図8参照)を沿わせ、かつ、第2ガイド部120の第2ガイドレール122に前板11bの例えばレール11B(
図8参照)を沿わせつつ、前板11bを内側(出隅部150の角側)に向かって第3方向にスライドさせることにより、第2ジョイント100に挿入される。このようにして前板11bを第2ジョイント100に挿入した後、前板11bは、螺合部材133,134を用いて第2ジョイント100に締結されて固定される。
【0094】
なお、螺合部材131,132,133,134は、第1実施形態のジョイント40(第1ジョイント)における螺合部材43A,43B,43C,43Dと同様に、固定部(第3固定部)として機能している。また、第2ジョイント100にも、ジョイント40と同様に長さ調整代を設けることが好ましい。
【0095】
また、
図15では、第2ジョイント100の角が紙面左側を向いている例が示されているが、ジョイント40と同様に、第2ジョイント100を、
図15の場合とは反対側に向けた状態(すなわち、第2ジョイント100の角が紙面右側を向いた状態)で使用することも可能である。
【0096】
本実施形態のカーテンボックス装置2は、保持具60及び取付部材30を備えるため、第1実施形態のカーテンボックス装置1と同様の効果を奏する。
【0097】
また、本実施形態のカーテンボックス装置2によれば、第2ジョイント100を介して2つの前板11を結合させることができ、2つの壁面Wa1,Wa2に対向するようにカーテンボックスを取り付けることができる。また、例えば、前板11bの第3方向における端部に設けられているエンドキャップ50に代えて第2ジョイント100を取り付けることで、3つの壁面Wa1,Wa2,Wa3に対向するようにカーテンボックスを取り付けることができる。このように、本実施形態のカーテンボックス装置2によれば、カーテンボックスを複数の壁面に対向するように取り付けることができる。
【0098】
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
例えば、上記実施形態では、カーテンボックス装置1,2が側板12を備える例を説明したが、側板12を備えることは必須ではない。側板12を備えない場合、ジョイント40(第1ジョイント)や第2ジョイント100を省略することができる。
【0100】
また、上記実施形態では、カーテンボックス装置1,2がエンドキャップ50を備える例を説明したが、エンドキャップを備えることは必須ではない。
【0101】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の保持具及びカーテンボックス装置を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1,2…カーテンボックス装置、10,110…カーテンボックス、11…前板、12…側板、30~32…取付部材、40…ジョイント、43…第3固定部、49…当接部、50…エンドキャップ、51…第1板部(当接部)、58…第4固定部、60…保持具、61…第1固定部、62…第2固定部、70…保持部、71…軸部、72…フォルダ、73…第1弾性片、74…第2弾性片、75…保持体、76…押圧部、77…補助部材、100…第2ジョイント(ジョイント)、Ce・・・天井、Wa…壁面