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特開2024-134823表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134823
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04855 20220101AFI20240927BHJP
   G06F 3/04883 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/04855
G06F3/04883
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045216
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大槻 朋希
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC08
5E555CA13
5E555CA14
5E555CB05
5E555CB11
5E555CB16
5E555CB40
5E555DB22
5E555DC02
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】手書き入力と画面のスクロール動作との切り替えを円滑に且つ簡便にする。
【解決手段】タブレット端末1のCPU11は、手書き入力領域(表示画面)312への手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置に応じた箇所に、手書き入力領域(表示画面)312のスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのマーカー(オブジェクト)Mを表示させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面へのタッチ操作による手書き入力に基づく描画データを前記表示画面に表示させる表示制御装置であって、
前記手書き入力が終了したと判定されたときの前記タッチ操作の検知位置に応じた箇所に、前記表示画面のスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのオブジェクトを表示させる制御部を備える、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記手書き入力の終了後、所定時間が経過した場合、前記オブジェクトを表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記表示画面へのタッチ操作が解除されるごとに、当該タッチ操作が解除された状態が継続する継続時間を計測し、
前記継続時間が前記所定時間を超えた場合、前記手書き入力が終了したと判定し前記オブジェクトを表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記手書き入力が終了したと判定されたときの前記タッチ操作の検知位置に追従した箇所に前記オブジェクトを表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記手書き入力が終了したと判定されたときの前記タッチ操作の検知位置を含む領域に前記オブジェクトを表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記オブジェクトがスワイプ操作された場合、前記表示画面をスクロールさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記スワイプ操作が行われた後、当該スワイプ操作が停止された場合でも、前記表示画面への前記タッチ操作が継続されている場合には前記表示画面のスクロールを継続させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記スワイプ操作に伴う前記表示画面へのタッチ操作が解除された場合、前記スクロールを停止させる、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記スワイプ操作に伴う前記表示画面へのタッチ操作が解除された位置に応じた箇所に、前記オブジェクトを再度表示させる、
ことを特徴とする請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
表示画面へのタッチ操作を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記タッチ操作に基づく手書き入力が終了したと判定されたときの前記タッチ操作の検知位置に応じた箇所に、前記表示画面のスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのオブジェクトを表示させる表示工程を含む、
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項11】
表示制御装置のコンピュータに、
表示画面へのタッチ操作を検出する検出処理と、
前記検出処理において検出された前記タッチ操作に基づく手書き入力が終了したと判定されたときの前記タッチ操作の検知位置に応じた箇所に、前記表示画面のスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのオブジェクトを表示させる表示処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画面への手書き入力が可能な端末が知られている。この種の端末では、画面への手書き入力時の使い勝手を向上させることを目的として、表示部に設定された押さえ領域への接触が検知されると、当該表示部のスクロール動作を無効化する表示制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-32450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている表示制御装置では、手書き入力を行う方の手と反対側の手が塞がっているような場合、押さえ領域をタッチできず表示部のスクロール動作を無効化できない。上記表示制御装置では、手書き入力と画面のスクロール動作とを切り替える制御は行われていないため、上記のような場合、手書き入力中に画面がスクロールしてしまい、手書き入力の操作性が低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、手書き入力と画面のスクロール動作との切り替えを円滑に且つ簡便にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る表示制御装置は、
表示画面へのタッチ操作による手書き入力に基づく描画データを前記表示画面に表示させる表示制御装置であって、
前記手書き入力が終了したと判定されたときの前記タッチ操作の検知位置に応じた箇所に、前記表示画面のスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのオブジェクトを表示させる制御部を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手書き入力と画面のスクロール動作との切り替えを円滑に且つ簡便にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】タブレット端末の外観を示す平面図である。
図2】タブレット端末の機能構成を示すブロック図である。
図3】表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図4】手書き入力画面の例を示す図である。
図5】手書き入力画面の例を示す図である。
図6】手書き入力画面の例を示す図である。
図7】手書き入力画面の例を示す図である。
図8】手書き入力画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0010】
《タブレット端末の外観》
まず、図1を参照して、本実施形態に係るタブレット端末1の外観について説明する。図1は、タブレット端末1の外観を示す平面図である。
【0011】
図1に示すように、タブレット端末(表示制御装置)1は、表示部15の表示画面上を直接触って操作することが可能な携帯型の情報処理端末である。タブレット端末1は、表示部15の下方にホームボタン(操作部14)を備えている。このホームボタン(操作部14)が操作されると、表示部15にホーム画面(図示省略)が表示され、当該ホーム画面から各種のアプリケーションプログラム等を選択して実行できるようになっている。また、タブレット端末1は、表示部15の表示画面上を直接触って描画データを手書き入力する機能を有する。このような手書き入力の描画データとして、例えば、文字や数字などの記号又は記号列や、直線、曲線や図形が考えられる。
【0012】
《タブレット端末の構成》
次に、図2を参照して、タブレット端末1の機能構成について説明する。図2は、タブレット端末1の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図2に示すように、タブレット端末1は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16と、バス17などを備えている。タブレット端末1の各部は、バス17を介して接続されている。
【0014】
少なくとも1つのプロセッサとしてのCPU(制御部)11は、タブレット端末1の各部を制御するプロセッサである。CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。なお、図1では単一のCPU11が図示されているが、これに限られない。CPU等のプロセッサが2以上設けられていてもよく、本実施形態のCPU11が実行する処理を、これらの2以上のプロセッサが分担して実行してもよい。
【0015】
RAM12は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU11により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0016】
記憶部13は、CPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。
【0017】
操作部14は、ユーザの入力操作を受け付けて、入力操作に応じた入力信号をCPU11に出力する。操作部14は、表示部15の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネルを備え、このタッチパネルによりスタイラス2(図4参照)やユーザの指などの接触を入力操作として検知する。また、操作部14は、タッチパネルとともに、ハードウェアボタン(例えば、図1に示したホームボタン等)を備え、このハードウェアボタンにより入力操作を受け付け可能となっている。
【0018】
表示部15は、CPU11による制御下で、ホーム画面や手書き入力画面等を表示する。表示部15としては、例えば、ドットマトリクス方式で表示を行う液晶表示装置を用いることができるが、これに限られない。
【0019】
通信部16は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部16は、この通信動作により、ネットワークを介して外部機器との間で情報の送受信を行う。
【0020】
《タブレット端末の動作》
次に、図3を参照して、タブレット端末1により実行される表示制御処理を説明する。図3は、表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。この表示制御処理は、例えば、手書き入力画面31(後述)を表示部15に表示させるための指示操作が操作部14を介してなされたことを契機として開始されるようになっている。なお、以下では、タッチ操作はスタイラス2を用いて行われる場合を例に挙げて説明するが、ユーザの手指でも当該タッチ操作が可能である。
【0021】
図3に示すように、表示制御処理が開始されると、先ず、タブレット端末1のCPU11は、手書き入力画面31を表示部15に表示させる(ステップS1)。
【0022】
図4は、手書き入力画面31の例を示す図である。
図4に示すように、手書き入力画面31は、機能バー表示領域311と、手書き入力領域312と、で構成されている。機能バー表示領域311は、機能バーが表示される領域である。機能バー表示領域311には、手書き入力画面31を識別するためのタイトル(例えば“手書き入力”)311Aの他、手書き入力された線の太さや色などを指定するためのツールボタン311B、手書き入力画面31を閉じるための終了ボタン311Cなどが設けられている。手書き入力領域312は、タッチ操作に基づく手書き入力が可能な領域である。手書き入力領域312の下部には、左右方向へのスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのスクロールバー312Aが設けられている。
【0023】
図3に示す表示制御処理の説明に戻り、CPU11は、ステップS1で手書き入力画面31が表示された後、操作部14を介して終了操作(例えば、終了ボタン311Cの操作)がなされたか否かを判定する(ステップS2)。
【0024】
ステップS2において、終了操作がなされたと判定された場合(ステップS2;YES)、CPU11は、表示制御処理を終了する。
【0025】
また、ステップS2において、終了操作がなされていないと判定された場合(ステップS2;NO)、CPU11は、操作部14を介して手書き入力領域312へのタッチ操作がなされたか否かを判定する(ステップS3)。
【0026】
ステップS3において、手書き入力領域312へのタッチ操作がなされていないと判定された場合(ステップS3;NO)、CPU11は、処理をステップS2に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0027】
また、ステップS3において、手書き入力領域312へのタッチ操作がなされたと判定された場合(ステップS3;YES)、CPU11は、当該タッチ操作に応じて手書き入力された描画データを手書き入力領域312に表示させる(ステップS4)。
【0028】
次いで、CPU11は、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されたか否か、すなわち、それまで手書き入力領域312に触れていたスタイラス2が手書き入力領域312から離れたか否かを判定する(ステップS5)。
【0029】
ステップS5において、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されていないと判定された場合(ステップS5;NO)、CPU11は、処理をステップS4に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0030】
また、ステップS5において、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されたと判定された場合(ステップS5;YES)、CPU11は、タッチ操作が解除された位置の座標を取得する(ステップS6)。例えば、図4に示すように、手書き入力領域312へのタッチ操作によって“ABC”の文字列(記号列)が手書き入力され“C”の文字の端部Pでタッチ操作が解除された場合、この端部Pの位置座標が取得されることとなる。
【0031】
次いで、CPU11は、タッチ操作が解除された状態が継続する継続時間(解除状態継続時間)を計測し、当該継続時間が所定の閾値(所定時間(例えば、1秒))を超えたか否かを判定する(ステップS7)。
【0032】
ステップS7において、解除状態継続時間が所定の閾値を超えていないと判定された場合(ステップS7;NO)、CPU11は、操作部14を介して手書き入力領域312へのタッチ操作がなされたか否かを判定する(ステップS8)。
【0033】
ステップS8において、手書き入力領域312へのタッチ操作がなされたと判定された場合(ステップS8;YES)、CPU11は、処理をステップS4に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0034】
また、ステップS8において、手書き入力領域312へのタッチ操作がなされていないと判定された場合(ステップS8;NO)、CPU11は、処理をステップS7に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0035】
また、ステップS7において、解除状態継続時間が所定の閾値を超えたと判定された場合(ステップS7;YES)、すなわち、手書き入力領域312への手書き入力が終了したと判定された場合、CPU11は、ステップS6で取得した位置座標にマーカー(オブジェクト)Mを表示させる(ステップS9)。具体的には、上述したように手書き入力された“C”の文字の端部P(図4参照)の位置座標が取得されている場合、図5に示すように、CPU11は、この端部Pの位置座標を中心にして当該端部Pを囲む円環状のマーカーMを表示させる。なお、手書き入力された文字の端部を囲むように円環状のマーカーMを配置する代わりに、手書き入力された文字の端部の近傍に円環状のマーカーMを表示するようにしてもよい。
【0036】
つまり、CPU11は、手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置に追従した箇所にマーカーMを表示している。すなわち、本実施の形態においては、手書き入力領域312における第1の箇所(例えば、図4の端部P)でタッチ操作が解除されて手書き入力が終了したとみなされた場合にマーカーMが表示される箇所(例えば、図4のマーカMの表示箇所)と、手書き入力領域312における第1の箇所とは異なる第2の箇所でタッチ操作が解除されて手書き入力が終了したとみなされた場合にマーカーMが表示される箇所と、が互いに異なる。なお、マーカーMの形状は円環状のものに限られず、例えば、十字のマーカー等であってもよい。
【0037】
なお、手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置とは、ステップS6で取得した位置座標を示す。また、手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置を、タッチ操作が最後に解除された位置と表現してもよい。
【0038】
次いで、CPU11は、操作部14を介して終了操作(例えば、終了ボタン311Cの操作)がなされたか否かを判定する(ステップS10)。
【0039】
ステップS10において、終了操作がなされたと判定された場合(ステップS10;YES)、CPU11は、表示制御処理を終了する。
【0040】
また、ステップS10において、終了操作がなされていないと判定された場合(ステップS10;NO)、CPU11は、操作部14を介して手書き入力領域312へのタッチ操作がなされたか否かを判定する(ステップS11)。
【0041】
ステップS11において、手書き入力領域312へのタッチ操作がなされていないと判定された場合(ステップS11;NO)、CPU11は、処理をステップS10に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0042】
また、ステップS11において、手書き入力領域312へのタッチ操作がなされたと判定された場合(ステップS11;YES)、CPU11は、当該タッチ操作がマーカーM上になされたものであるか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
ステップS12において、タッチ操作がマーカーM上になされたものではないと判定された場合(ステップS12;NO)、CPU11は、それまで手書き入力領域312に表示されていたマーカーMを削除する(ステップS13)。例えば、図5に示すように、“C”の文字の端部Pの位置座標にマーカーMが表示された後、図8に示すように、手書き入力された“A”の文字の下方の位置(マーカーM上ではない位置)から新たに手書き入力を開始するような場合、それまで“C”の文字の端部Pの位置座標に表示されていたマーカーMが削除されることとなる。そして、CPU11は、処理をステップS4に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0044】
また、ステップS12において、タッチ操作がマーカーM上になされたものであると判定された場合(ステップS12;YES)、CPU11は、このマーカーM上になされたタッチ操作の位置を始点として一定距離(例えば、20mm)以上のスワイプ操作がなされたか否かを判定する(ステップS14)。ここで、上記の一定距離は、表示部15の左右方向(スクロールバー312Aをスライド可能な方向)における距離であるものとする。
【0045】
ステップS14において、一定距離以上のスワイプ操作がなされていないと判定された場合(ステップS14;NO)、CPU11は、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されたか否かを判定する(ステップS18)。
【0046】
ステップS18において、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されていないと判定された場合(ステップS18;NO)、CPU11は、処理をステップS14に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0047】
また、ステップS18において、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されたと判定された場合(ステップS18;YES)、CPU11は、処理をステップS10に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0048】
また、ステップS14において、一定距離以上のスワイプ操作がなされたと判定された場合(ステップS14;YES)、CPU11は、スワイプ操作がなされた方向とは反対の方向に手書き入力領域312の画面をスクロール表示させる(ステップS15)。例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、マーカーM(手書き入力された“C”の文字の端部Pに対して表示されたマーカーM)へのタッチ操作の位置を始点として図中の右方向へ一定距離以上のスワイプ操作がなされた場合、手書き入力領域312の画面が図中の左方向へスクロール表示することとなる。このとき、スワイプ操作に合わせてスクロールバー312Aも図中の右方向へスライドするようになっている。一方、図示は省略するが、マーカーM(手書き入力された“C”の文字の端部Pに対して表示されたマーカーM)へのタッチ操作の位置を始点として図中の左方向へ一定距離以上のスワイプ操作がなされた場合、手書き入力領域312の画面が図中の右方向へスクロール表示することとなる。このとき、スワイプ操作に合わせてスクロールバー312Aは図中の左方向へスライドすることとなる。本実施形態では、上記のようにマーカーMへのタッチ操作の位置を始点としてスワイプ操作を行うことで手書き入力領域312の画面をスクロール可能となっているが、従来、手書き入力領域312への手書き入力後、当該手書き入力領域312の画面をスクロールさせる場合には、当該手書き入力領域312の下部に設けられているスクロールバー312Aを操作しなければならなかった。このため、手書き入力領域312への手書き入力と、手書き入力領域312の画面のスクロールと、を交互に繰り返す場合、スタイラス2を、手書き入力を行う位置とスクロールバー312Aが設けられている位置とに交互に移動させなければならず、手書き入力を円滑に行うことができないという課題を有していた。
【0049】
次いで、CPU11は、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されたか否か、すなわち、スワイプ操作が解除されたか否かを判定する(ステップS16)。
【0050】
ステップS16において、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されていないと判定された場合(ステップS16;NO)、CPU11は、処理をステップS15に戻し、スクロール表示を継続して行う。つまり、一定距離以上のスワイプ操作がなされた後、手書き入力領域312へのタッチ操作(当該スワイプ操作)が解除されるまでの間、スクロール表示が継続して行われるようになっている。したがって、本実施形態では、手書き入力領域312の画面のスクロール量を、手書き入力領域312へのタッチ操作(スワイプ操作)の解除タイミングに応じて容易に調整することができるようになっており、手書き入力された描画データの切れ目や高さなどを考慮する必要がない。
【0051】
また、ステップS16において、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されたと判定された場合(ステップS16;YES)、CPU11は、スクロール表示を停止させる(ステップS17)。例えば、図7に示すように、上記のスクロール表示により手書き入力された“ABC”の文字列が図中の左方へスライドして“A”の文字が手書き入力領域312から見切れた状態のときに手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されると、スクロール表示が停止され、手書き入力領域312の左側に“BC”の文字列がずれた状態で表示されることとなる。これにより、“BC”の文字列の右方にスペース(余白)ができるので、“BC”の文字列に続けて手書き入力を行うことが可能となる。また、このとき、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除された位置を中心にしてマーカーMが再度表示されるようになっている。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、タブレット端末1のCPU11は、手書き入力領域(表示画面)312への手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置に応じた箇所に、手書き入力領域(表示画面)312のスクロール操作をタッチ操作により受け付けるためのマーカー(オブジェクト)Mを表示させたこととなる。
したがって、タブレット端末1によれば、上記の検知位置からスクロールバー312A(図6参照)が設けられている位置までの距離よりも当該検知位置からマーカーMの位置までの距離を短くしたので、当該マーカーMを利用することによって、手書き入力領域312への手書き入力と、当該手書き入力領域312の画面のスクロール動作との切り替えを円滑に且つ簡便にすることができる。
【0053】
また、タブレット端末1のCPU11は、手書き入力の終了後、所定時間が経過した場合、マーカーMを表示させる。
したがって、タブレット端末1によれば、手書き入力中はマーカーMを表示させないようにすることができるので、手書き入力中に手書き入力領域312の画面を誤ってスクロールさせてしまうといった不具合を防止できる。
【0054】
また、タブレット端末1のCPU11は、手書き入力領域312へのタッチ操作が解除されるごとに、当該タッチ操作が解除された状態が継続する継続時間(解除状態継続時間)を計測し、当該継続時間が上記の所定時間を超えた場合、手書き入力が終了したと判定しマーカーMを表示させる。
したがって、タブレット端末1によれば、解除状態継続時間が所定時間を超えた場合、手書き入力が終了したと判断するので、当該判断を適切に行うことができる。
【0055】
また、タブレット端末1のCPU11は、手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置に追従した箇所にマーカーMを表示させる。
したがって、タブレット端末1によれば、手書き入力領域312のいずれの場所に手書き入力が行われた場合であっても、上記の検知位置からスクロールバー312A(図6参照)が設けられている位置までの距離よりも当該検知位置からマーカーMの位置までの距離を短くすることができる。これにより、手書き入力領域312への手書き入力と、当該手書き入力領域312の画面のスクロール動作との切り替えを、より円滑に且つより簡便にすることができる。
【0056】
また、タブレット端末1のCPU11は、手書き入力が終了したと判定されたときのタッチ操作の検知位置(例えば“C”の文字の端部P;図5参照)を含む領域にマーカーMを表示させる。
したがって、タブレット端末1によれば、上記の検知位置とマーカーMの位置をほぼ一致させることができるので、当該マーカーMを利用することによって、手書き入力領域312への手書き入力と、当該手書き入力領域312の画面のスクロール動作との切り替えを、より円滑に且つより簡便にすることができる。
【0057】
また、タブレット端末1のCPU11は、マーカーMがスワイプ操作された場合、手書き入力領域312の画面をスクロールさせる。
したがって、タブレット端末1によれば、手書き入力領域312の画面のスクロールを感覚的に行うことができるようになる。
【0058】
また、タブレット端末1のCPU11は、上記のスワイプ操作が行われた後、当該スワイプ操作が停止された場合でも、手書き入力領域(表示画面)312へのタッチ操作が継続されている場合には手書き入力領域312の画面のスクロールを継続させる。
したがって、タブレット端末1によれば、手書き入力領域312の画面をスクロールさせるためのスワイプ操作の量を必要最小限の量に留めることができるので、当該スクロールに係る操作性を向上させることができる。
【0059】
また、タブレット端末1のCPU11は、上記のスワイプ操作に伴う手書き入力領域312へのタッチ操作が解除された場合、スクロールを停止させる。
したがって、タブレット端末1によれば、手書き入力領域312の画面のスクロールに係る操作を簡便にすることができる。
【0060】
また、タブレット端末1のCPU11は、上記のスワイプ操作に伴う手書き入力領域312へのタッチ操作が解除された位置に応じた箇所に、マーカーMを再度表示させる。
したがって、タブレット端末1によれば、スワイプ操作が一旦終了した後もマーカーMを再度表示させることによって、手書き入力領域312の画面のスクロールに係る操作性を向上させることができる。
【0061】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0062】
例えば、上記実施形態では、マーカーMを利用した手書き入力領域312の画面のスクロールは、当該画面の左右方向を対象としているが、上下方向や斜め方向を対象としてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、図8で示したように、マーカーMが表示されている箇所とは異なる箇所をタッチ操作した場合、当該マーカーMが削除されるようになっているが、例えば、当該マーカーMが表示されている箇所に対してダブルタッチ操作やロングタッチ操作がなされた場合にも当該マーカーMが削除されるようにしてもよい。また、操作部14の所定のハードウェアボタンが操作された場合にマーカーMが削除されるようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、本発明の表示制御装置としてタブレット端末を例に挙げて説明を行ったが、本発明の表示制御装置は、タブレット端末に限定されず、例えば、タッチパネルを備えた表示部(モニター)と接続して使用するデスクトップPC(Personal Computer)等でもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 タブレット端末(表示制御装置)
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 操作部
15 表示部
16 通信部
2 スタイラス
M マーカー(オブジェクト)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8