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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134826
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/62 20060101AFI20240927BHJP
   E06B 1/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E06B1/62 B
E06B1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045222
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】山下 富広
(72)【発明者】
【氏名】伊坂 友和
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011AC04
2E011AF05
2E011JA02
2E011LB02
2E011LC03
2E011LD02
2E011LD03
2E011LD04
2E011LE04
(57)【要約】
【課題】枠に取り付けられたアングルを容易に取り外すことができる建具を提供する。
【解決手段】建具は、金属枠11Aと、金属枠11Aの屋内側に配置された樹脂製のアングル21と、を備え、金属枠11Aは、屋内に面して配置される屋内側壁部111から屋内側に突出する係合受け部160を備え、アングル21は、係合受け部160の屋外側に係合される係合部218と、係合受け部160の屋内側を向く当接面163bに当たる第1規制部214uと、有する枠構造11Xを備える備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属枠と、
前記金属枠の屋内側に配置された樹脂製のアングルと、を備え、
前記金属枠は、
屋内に面して配置される屋内側壁部から屋内側に突出する係合受け部を備え、
前記アングルは、
前記係合受け部の屋外側に係合される係合部と、
前記係合受け部の屋内側を向く当接面に当たる第1規制部と、を有する枠構造を備える建具。
【請求項2】
前記金属枠には、前記当接面よりも内周側に、前記当接面によりも屋内側に突出する壁部が形成されていない請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記アングルは、
前記屋内側壁部の屋内面に当たる第2規制部を備え、
前記第2規制部は、前記係合部よりも内周側に配置されている請求項1または2に記載の建具。
【請求項4】
前記屋内側壁部における前記係合受け部よりも外周側には、前記アングルが配置されていない請求項1または2に記載の建具。
【請求項5】
前記建具は、ビルに設置されるビル用建具である請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建具の枠体は、アングルを介して木額縁等の仕上げ材に取り付けられていることがある。アングルの係止片が枠体の係止受け部に係止され、アングルの当接部は枠体の係止受け部の屋内側を覆って、アングルの先端部が枠体の屋内側垂下片部に当たっている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-122331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の建具では、例えば上枠に取り付けられるアングルは当接部の先端部が枠体の係止受け部の上側に覆いかぶさるようになっている。リフォーム等でアングルを取り外す場合に、アングルを下方に引っ張って、アングルの係止片と枠体の係止受け部との係止を外そうとしても、下方に移動してきたアングルの当接部が枠体の係止受け部に引っかかって、係止受け部を乗り越えることができずに、アングルを容易に取り外すことができないという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、枠に取り付けられたアングルを容易に取り外すことができる建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具は、金属枠と、前記金属枠の屋内側に配置された樹脂製のアングルと、を備え、前記金属枠は、屋内に面して配置される屋内側壁部から屋内側に突出する係合受け部を備え、前記アングルは、前記係合受け部の屋外側に係合される係合部と、前記係合受け部の屋内側を向く当接面に当たる第1規制部と、を有する枠構造を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態に係る建具の外障子部分の鉛直断面図である。
図2】第一実施形態に係る建具の内障子部分の鉛直断面図である。
図3】第一実施形態に係る建具の水平断面図である。
図4】第一実施形態に係る建具の上アングルの構成を示す鉛直断面図である。
図5】第一実施形態に係る建具の縦アングルの構成を示す鉛直断面図である。
図6】第二実施形態に係る建具の上アングルの構成を示す鉛直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る建具について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、ビル用建具の引違い窓を用いて説明する。図1に示すように、引違い窓100は、枠体1と、外障子3Xと、図2に示す内障子3Yと、を備えている。外障子3X及び内障子3Yは、枠体1の内側を幅方向にスライド可能とされている。
【0010】
ビル用建具とは、中層ビル(地上からの高さ12m超え31m以下)、高層ビル(地上からの高さ31m超え)及び超高層ビル(地上からの高さ60m超え)の建物に設置される建具である。中層ビル、高層ビル及び超高層ビルに設置される建具は、低層ビル(地上からの高さ12m以下)に設置される建具と比較して、高い耐風圧性能や水密性能、気密性能等が求められる。このため、中層ビル、高層ビル及び超高層ビルに設置されるビル用建具に要求される性能は、JIS A 4706:2021で定められるとおり、耐風圧性能としてはS-4等級以上、水密性能としてはW-4等級以上、気密性能としてはA-4以上が挙げられる。
【0011】
以下の説明では、引違い窓100を正面から見た左右方向を、幅方向と称する。幅方向に直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向と称する。幅方向及び屋内外方向に直交する方向を、上下方向と称する。図面では、幅方向を矢印Xで示し、屋内外方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。幅方向及び上下方向を、見付け方向という場合がある。枠体1の各構成部材において、幅方向及び見付け方向で枠体1の中心から離れる側を外側と称し、枠体1の中心に向かう側を内側という場合がある。外障子3X及び内障子3Yの各構成部材において、幅方向及び見付け方向で外障子3X及び内障子3Yの中心から離れる側を外側と称し、外障子3X及び内障子3Yの中心に向かう側を内側という場合がある。見付け方向は、「内周側と外周側とを結ぶ内外周方向」に対応する。見付け方向の内側は、「内周側」に対応する。見付け方向の外側は、「外周側」に対応する。屋内側を向く面は「屋内面」に対応する。
【0012】
枠体1は、四方枠状をしている。枠体1は、図1に示す上枠構造11Xと、下枠構造12Xと、図3に示す縦枠構造13X,縦枠構造13Yと、を有している。図1に示すように、上枠構造11Xは、上枠11と、上アングル21と、を有している。下枠構造12Xは、下枠12と、下アングル22と、を有している。図3に示すように、幅方向の一方側に配置される縦枠構造13Xは、縦枠13と、縦アングル23と、を有している。幅方向の他方側に配置される縦枠構造13Yは、縦枠13を有している。各枠11,12,13は、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。上枠構造11X、下枠構造12X及び縦枠構造13Xは、「枠構造」に対応する。
【0013】
図1に示すように、上枠11は、幅方向に延びている。上枠11は、金属上枠11Aと、樹脂上枠11Bと、を有している。樹脂上枠11Bは、金属上枠11Aの屋内側の下側に取り付けられている。金属上枠11Aは、「金属枠」に対応する。
【0014】
下枠12は、幅方向に延びている。下枠12は、金属下枠12Aと、樹脂下枠12Bと、を有している。樹脂下枠12Bは、金属下枠12Aの屋内側の上側に取り付けられている。金属下枠12Aは、「金属枠」に対応する。
【0015】
図3に示すように、縦枠13は、上下方向に延びている。縦枠13は、上枠11の幅方向の端部と下枠12の幅方向の端部とを連結している。縦枠13は、金属縦枠13Aと、樹脂縦枠13Bと、を有している。樹脂縦枠13Bは、一対の金属縦枠13Aのうち幅方向の一方側の金属縦枠13Aに取り付けられている。樹脂縦枠13Bは、一方の金属縦枠13Aの幅方向の内側に取り付けられている。樹脂縦枠13Bは、屋内側から見て左側の金属縦枠13Aに取り付けられているが、右側の金属縦枠13Aに取り付けられていてもよい。金属縦枠13Aは、「金属枠」に対応する。
【0016】
金属枠11A,12A,13Aは、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂枠11B,12B,13Bは、樹脂材料の形材で形成されている。
【0017】
上アングル21、下アングル22及び縦アングル23を、総称してアングル2と称することがある。アングル2は、樹脂材料の形材で形成されている。
【0018】
図1に示すように、上アングル21は、幅方向に延びている。上アングル21は、金属上枠11Aの屋内側且つ下側に取り付けられている。
【0019】
下アングル22は、幅方向に延びている。下アングル22は、金属下枠12Aの屋内側且つ上側に取り付けられている。
【0020】
図3に示すように、縦アングル23は、上下方向に延びている。縦アングル23は、一対の金属縦枠13Aのうち樹脂縦枠13Bが取り付けられていない方の金属縦枠13Aに取り付けられている。縦アングル23は、金属縦枠13Aの屋内側且つ幅方向の内側に取り付けられている。縦アングル23は、屋内側から見て右側の金属縦枠13Aに取り付けられているが、左側の金属縦枠13Aに取り付けられていてもよい。
【0021】
外障子3Xは、屋外側に配置されている。内障子3Yは、屋内側に配置されている。外障子3X及び内障子3Yを総称して、障子3と称することがある。
【0022】
障子3は、框体30と、ガラスパネル40と、を有している。框体30は、図1に示す上框31と、下框32と、図3に示す戸先框33と、召合せ框34と、を有している。各框31,32,33,34は、金属框と樹脂框とが連結されて構成されている。
【0023】
図1に示すように、上框31は、幅方向に延びている。上框31は、金属上框31Aと、樹脂上框31Bと、を有している。樹脂上框31Bは、金属上框31Aの屋内側に取り付けられている。
【0024】
下框32は、幅方向に延びている。下框32は、金属下框32Aと、樹脂下框32Bと、を有している。樹脂下框32Bは、金属下框32Aの屋内側に取り付けられている。
【0025】
図3に示すように、戸先框33は、上下方向に延びている。戸先框33は、上框31の幅方向の一方側である戸先側の端部と下框32の戸先側の端部とを連結している。戸先框33は、金属戸先框33Aと、樹脂戸先框33Bと、を有している。樹脂戸先框33Bは、金属戸先框33Aの屋内側に取り付けられている。
【0026】
召合せ框34は、上下方向に延びている。召合せ框34は、上框31の幅方向の他方側である召合せ側の端部と下框32の召合せ側の端部とを連結している。召合せ框34は、金属召合せ框34Aと、樹脂召合せ框34Bと、を有している。樹脂召合せ框34Bは、金属召合せ框34Aの屋内側に取り付けられている。
【0027】
金属框31A,32A,33A,34Aは、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂框31B,32B,33B,34Bは、樹脂材料の形材で形成されている。
【0028】
金属框31A,32A,33A,34Aには、ガラスパネル40の端部が嵌め込まれるガラス溝が形成されている。図1に示すように、金属上框31Aには、下方に開口する上框ガラス溝31Cが幅方向の略全長にわたって形成されている。上框ガラス溝31Cには、ガラスパネル40の上端部40uが嵌め込まれている。金属下框32Aには、上方に開口する下框ガラス溝32Cが幅方向の略全長にわたって形成されている。下框ガラス溝32Cには、ガラスパネル40の下端部40dが嵌め込まれている。図3に示すように、金属戸先框33Aには、幅方向の内側に開口する戸先框ガラス溝33Cが上下方向の略全長にわたって形成されている。戸先框ガラス溝33Cには、ガラスパネル40の幅方向の端部40sが嵌め込まれている。金属召合せ框34Aには、幅方向の内側に開口する召合せ框ガラス溝34Cが上下方向の略全長にわたって形成されている。召合せ框ガラス溝34Cには、ガラスパネル40の幅方向の端部40sが嵌め込まれている。
【0029】
ガラスパネル40は、平板状に形成されている。ガラスパネル40は、屋外側ガラス401と、屋内側ガラス402と、スペーサー403と、を有している。スペーサー403は、屋外側ガラス401の四辺の縁部の略全長と屋内側ガラス402の四辺の縁部の略全長との間に配置されている。ガラスパネル40は、2枚のガラス401,402を有するペアガラスである。ガラスパネル40は、単層ガラスや複層ガラスであってもよい。ガラスパネル40は、板状部材であれば、樹脂製の板材等ガラスパネル以外であってもよい。ガラスパネル40は、特許請求の範囲の「パネル」に対応する。
【0030】
ガラスパネル40の四辺の縁部には、屋外側を向く面40a及び屋内側を向く面40bとガラス溝31C,32C,33C,34Cとの間に、バックアップ材41及びシーリング材42が設けられている。バックアップ材41及びシーリング材42は、ガラスパネル40の四辺の縁部の略全長にわたって設けられている。シーリング材42は、バックアップ材41の見付け方向の内側に、バックアップ材41に隣り合って配置されている。
【0031】
金属上枠11A及び上アングル21の構成について、詳細に説明する。図4に示すように、金属上枠11Aは、屋内側壁部111と、係合受け部160と、を有している。
【0032】
金属上枠11Aの屋内側の部分には、下向きに開口する上枠障子溝112が形成されている。屋内側壁部111の屋外側の面は、上枠障子溝112に面している。屋内側壁部111の屋内側の面は、屋内に面している。屋内側壁部111は、平板状に形成されている。屋内側壁部111の板面は、屋内外方向を向いている。
【0033】
屋内側壁部111の下端部111dには、屋外側に突出する受け部113が形成されている。受け部113には、樹脂上枠11Bに形成された係止片115が係止されている。
【0034】
係合受け部160は、屋内側壁部111から屋内側に突出している。係合受け部160は、突出壁部161と、傾斜壁部162と、延出壁部163と、折曲壁部164と、を有している。
【0035】
突出壁部161は、屋内側壁部111から屋内側に向かって、略水平に延びている。傾斜壁部162は、突出壁部161の屋内側の端部から屋内側に向かうにしたがって次第に下方に延びている。延出壁部163は、傾斜壁部162の屋内側の端部から下方に延びている。折曲壁部164は、延出壁部163の下端部から屋外側に向かって延びている。
【0036】
上アングル21は、アングル固定壁部211と、第1アングル壁部212と、第2アングル壁部213と、規制壁部214と、係合壁部215と、を有している。
【0037】
アングル固定壁部211は、平板状に形成されている。アングル固定壁部211の板面は、上下方向を向いている。アングル固定壁部211の上面211uに沿って、額縁16が配置されている。アングル固定壁部211の取付孔に下方から螺子16aが挿通され、額縁16に螺子止めされている。
【0038】
第1アングル壁部212は、アングル固定壁部211から上方に延びている。第2アングル壁部213は、アングル固定壁部211の上端部から屋内外方向に延びている。第2アングル壁部213の屋外側の端部213bは、金属上枠11Aの屋内側壁部111の下端部111dに当たっている。
【0039】
規制壁部214は、第2アングル壁部213の屋内側の端部から上方に延びている。規制壁部214の上端部214uは、金属上枠11Aの係合受け部160の延出壁部163に屋内側から当たっている。規制壁部214の上端部214uの屋外側を向く面214aは、延出壁部163の屋内側を向く面163bに当たっている。規制壁部214の面214aは、延出壁部163の面163bに面接触している。規制壁部214及び延出壁部163は互いに上下方向に延びているため、面214aと面163bとの面接触する面積が広く確保されている。規制壁部214の上端部214uは、「第1規制部」に対応する。延出壁部163の面163bは、「当接面」に対応する。
【0040】
係合壁部215は、第2アングル壁部213の屋内外方向の中間から上方に延びている。係合壁部215は、延出アングル壁部216と、傾斜アングル壁部217と、係合アングル壁部218と、を有している。
【0041】
延出アングル壁部216は、第2アングル壁部213の屋内外方向の中間から上方に延びている。延出アングル壁部216は、平板状に形成されている。延出アングル壁部216の板面は、屋内外方向を向いている。延出アングル壁部216の屋外側を向く面216aは、金属上枠11Aの屋内側壁部111の屋内側を向く面111bに当たっている。延出アングル壁部216は、係合アングル壁部218よりも見付け方向の内側である下側に配置されている。延出アングル壁部216は、「第2規制部」に対応する。
【0042】
傾斜アングル壁部217は、延出アングル壁部216の上端部から屋内側に向かうにしたがって次第に上方に延びている。係合アングル壁部218は、傾斜アングル壁部217の上端部に設けられている。係合アングル壁部218は、金属上枠11Aの係合受け部160の折曲壁部164に屋外側から係合されている。上アングル21は、金属上枠11Aの係合受け部160に取り付けられている。係合アングル壁部218は、「係合部」に対応する。
【0043】
上アングル21の係合アングル壁部218が金属上枠11Aの折曲壁部164に係合された状態で、上アングル21の規制壁部214の面214aは金属上枠11Aの係合受け部160の面163bに当たっている。上アングル21の屋外側への移動が規制されている。上アングル21の延出アングル壁部216の面216aは、金属上枠11Aの屋内側壁部111の面111bに当たっている。上アングル21の屋外側への移動が規制されている。上アングル21の第2アングル壁部213の端部213bは、金属上枠11Aの屋内側壁部111の下端部111dに当たっている。上アングル21の上方への移動が規制されている。
【0044】
金属上枠11Aの係合受け部160には、延出壁部163の面163bよりも下方に、面163bよりも屋内側に突出する壁部が形成されていない。金属上枠11Aの屋内側壁部111には、係合受け部160よりも上側の部分111cに、上アングル21が配置されていない。係合受け部160の部分111cには、面111bに沿って断熱材17が設けられている。
【0045】
図2に示すように、下アングル22は、上アングル21を上下反転させた構成と略同一であり、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。下アングル22では、第1アングル壁部212が設けられておらず、アングル固定壁部211からか下方に延びるように規制壁部214及び係合壁部215が設けられている。
【0046】
図5に示すように、縦アングル23は、上アングル21のアングル固定壁部211を屋内外方向に沿うように配置させた構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。縦アングル23は、アングル固定壁部211と第2アングル壁部213とは、アングル連結壁部231,232で連結されている。アングル連結壁部231,232は、屋内外方向に離れて配置されている。
【0047】
金属縦枠13Aの屋内側壁部131は、屋内外方向を向いている。係合受け部160は、屋内側壁部131から屋内側に突出するように設けられている。
【0048】
図1に示すように、金属上框31Aは、中空部S101を備えている。中空部S101は、上框ガラス溝31Cの上側に配置されている。金属上框31Aと樹脂上框31Bとの間には、空間部S11,S12が形成されている。空間部S11,S12は、中空部S101の屋内側に配置されている。空間部S11は、空間部S12の下側に配置されている。空間部S11の上部及び空間部S12は、上框ガラス溝31Cと同じ高さに配置されている。中空部S101及び空間部S11,S12の上框31の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。中空部S101及び空間部S11,S12は、上框31の長さ方向の略全長にわたって形成されている。上框31は、中空部S101、空間部S11,S12を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0049】
金属下框32Aは、中空部S111,S112を備えている。中空部S111は、中空部S112の下側に配置されている。中空部S112は、下框ガラス溝32Cの下側に配置されている。金属下框32Aと樹脂下框32Bとの間には、空間部S21,S22,S23,S24,S25が形成されている。空間部S21,S22,S23は、この順で上方から下方に並んで配置されている。空間部S24,S25は、S23の下側に配置されている。空間部S21,S22,S23,S24,S25は、中空部S112の屋内側に配置されている。空間部S21及び空間部S22の上部は、下框ガラス溝32Cと同じ高さに配置されている。空間部S22の下部及び空間部S23は、中空部S112と同じ高さに配置されている。空間部S24は、空間部S25の屋外側に配置されている。中空部S111,S112及び空間部S21,S22,S23,S24,S25の下框32の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。中空部S111,S112及び空間部S21,S22,S23,S24,S25は、下框32の長さ方向の略全長にわたって形成されている。下框32は、中空部S111,S112及び空間部S21,S22,S23,S24,S25を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0050】
図3に示すように、金属戸先框33Aは、中空部S121を備えている。中空部S121は、戸先框ガラス溝33Cの幅方向の外側に配置されている。金属戸先框33Aと樹脂戸先框33Bとの間には、空間部S31,S32が形成されている。空間部S31は、空間部S32の幅方向の内側に配置されている。中空部S121及び空間部S31,S32の戸先框33の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。中空部S121及び空間部S31,S32は、戸先框33の長さ方向の略全長にわたって形成されている。戸先框33は、中空部S121及び空間部S31,S32を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0051】
外障子3Xの召合せ框34を召合せ框34Xとする。内障子3Yの召合せ框34を召合せ框34Yとする。召合せ框34Xの金属召合せ框34Aは、中空部S131を備えている。中空部S131は、召合せ框ガラス溝34Cの幅方向の外側に配置されている。金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S41,S42が形成されている。空間部S41は、空間部S42の幅方向の内側に配置されている。中空部S131及び空間部S41,S42の召合せ框34Xの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。中空部S131及び空間部S41,S42は、召合せ框34Xの長さ方向の略全長にわたって形成されている。召合せ框34Xは、中空部S131及び空間部S41,S42を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0052】
召合せ框34Yの金属召合せ框34Aは、中空部S132を備えている。中空部S132は、召合せ框ガラス溝34Cの幅方向の外側に配置されている。金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S46,S47,S48,S49が形成されている。空間部S47は、空間部S46の屋内側に配置されている。空間部S47は、召合せ框34Yの角部に沿って配置されている。空間部S48は、空間部S47の幅方向の内側に配置されている。空間部S49は、空間部S48の幅方向の内側に配置されている。中空部S132及び空間部S46,S48,S49の召合せ框34Xの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S47の召合せ框34Xの長さ方向に直交する断面形状は、略L字形状である。中空部S132及び空間部S46,S47,S48,S49は、召合せ框34Xの長さ方向の略全長にわたって形成されている。召合せ框34Xは、中空部S132及び空間部S46,S47,S48,S49を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0053】
引違い窓100では、アングル2の係合壁部215の係合アングル壁部218が金属枠11A,12A,13Aの係合受け部160の屋外側に係合されて、規制壁部214の上端部214uが係合受け部160の面163bに当たっている。アングル2は金属枠11A,12A,13Aに屋内外方向に移動を規制されつつ、金属枠11A,12A,13Aに取り付けられている。金属枠11A,12A,13Aには、係合受け部160の面163bよりも見付け方向の内側に、面163bによりも屋内側に突出する壁部が形成されていない。アングル2を金属枠11A,12A,13Aから取り外す際には、アングル2を見付け方向の内側に引っ張ることで、規制壁部214が係合受け部160の面163bに沿って移動して、アングル2と金属枠11A,12A,13Aとの係合が解除されて、取り外すことができる。アングル2を金属枠11A,12A,13Aから容易に取り外すことができる。
【0054】
アングル2は、屋内側壁部111の面111bに当たる延出アングル壁部216を備える。アングル2の規制壁部214の上端部214u、アングル2の係合壁部215の係合アングル壁部218及び延出アングル壁部216の3点が金属枠11A,12A,13Aに当たっている。延出アングル壁部216は、係合アングル壁部218よりも見付け方向の内側に配置されている。アングル2が金属枠11A,12A,13Aの長手方向を軸線方向として、軸線回りに回転することが規制され、アングル2が金属枠11A,12A,13Aから不用意に外れることを抑制することができる。
【0055】
金属枠11A,12A,13Aの延出壁部163の面163bは、見付け方向に延びる壁部の屋内側を向く面である。規制壁部214の上端部214uは、見付け方向に延び、延出壁部163の面163bに面接触している。アングル2が金属枠11A,12A,13Aの長手方向を軸線方向として、軸線回りに回転することが規制され、アングル2が金属枠11A,12A,13Aから不用意に外れることをより一層抑制することができる。
【0056】
屋内側壁部111における係合受け部160よりも見付け方向の外側の部分111cには、アングル2が配置されていない。金属枠11A,12A,13Aの当該部分111cが屋内側に露出しているため、金属枠11A,12A,13Aの当該部分に断熱材17等のアングル2以外の部材を取り付けることができる。
【0057】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る建具について、主に図6を用いて説明する。以下で説明する実施形態において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0058】
図6に示すように、上アングル21の規制壁部214の上端部214uには、屋外側に突出する突出アングル壁部219が設けられている。突出アングル壁部219の先端面219aが、係合受け部160の面163bに当たっている。突出アングル壁部219の先端面219aが、係合受け部160の面163bに点接触している。突出アングル壁部219は、「第1規制部」に対応する。
【0059】
引違い窓100Xでは、アングル2の係合壁部215の係合アングル壁部218が金属枠11A,12A,13Aの係合受け部160の屋外側に係合されて、規制壁部214に設けられた突出アングル壁部219が係合受け部160の面163bに当たっている。アングル2は金属枠11A,12A,13Aに屋内外方向に移動を規制されつつ、金属枠11A,12A,13Aに取り付けられている。金属枠11A,12A,13Aには、係合受け部160の面163bよりも見付け方向の内側に、係合受け部160の面163bによりも屋内側に突出する壁部が形成されていない。アングル2を金属枠11A,12A,13Aから取り外す際には、アングル2を見付け方向の内側に引っ張ることで、アングル2と金属枠11A,12A,13Aとの係合が解除されて、取り外すことができる。アングル2を金属枠11A,12A,13Aから容易に取り外すことができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0061】
引違い窓100を例に挙げて説明したが、適用する建具はこれに限られない。滑り出し窓、FIX窓、突き出し窓、框ドア、片開き窓等にも適用可能である。
【0062】
アングル2は、第2規制部を備えているが、これに限られない。アングルは、少なくとも係合部と、第1規制部と、を備えて入ればよい。
【0063】
(1)金属枠と、前記金属枠の屋内側に配置された樹脂製のアングルと、を備え、前記金属枠は、屋内に面して配置される屋内側壁部から屋内側に突出する係合受け部を備え、前記アングルは、前記係合受け部の屋外側に係合される係合部と、前記係合受け部の屋内側を向く当接面に当たる第1規制部と、を有する枠構造を備える建具。
【0064】
(2)前記金属枠には、前記当接面よりも内周側に、前記当接面によりも屋内側に突出する壁部が形成されていない(1)に記載の建具。
【0065】
(3)前記アングルは、前記屋内側壁部の屋内面に当たる第2規制部を備え、前記第2規制部は、前記係合部よりも内周側に配置されている(1)または(2)に記載の建具。
【0066】
(4)前記屋内側壁部における前記係合受け部よりも外周側には、前記アングルが配置されていない(1)から(3)のいずれか一に記載の建具。
【0067】
(5)前記建具は、ビルに設置されるビル用建具である(1)から(4)のいずれか一に記載の建具。
【符号の説明】
【0068】
1 枠体、2 アングル、3 障子、11 上枠、11A 金属上枠(金属枠)、12 下枠、12A 金属下枠(金属枠)、13 縦枠、13A 金属縦枠(金属枠)、21 上アングル、22 下アングル、23 縦アングル、30 框体、31 上框、31A 金属上框、31B 樹脂上框、31C 上框ガラス溝、32A 金属下框、32B 樹脂下框、32C 下框ガラス溝、33A 金属戸先框、33B 樹脂戸先框、33C 戸先框ガラス溝、34A 金属召合せ框、34B 樹脂召合せ框、34C 召合せ框ガラス溝、42 シーリング材、43 グレージングチャンネル、100,100X 引違い窓、160 係合受け部、163b 面(当接面)、214u 上端部(第1規制部)、216 延出アングル壁部(第2規制部)、218 係合アングル壁部(係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6