(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013483
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】タービン油の再生方法
(51)【国際特許分類】
C10M 175/02 20060101AFI20240125BHJP
B01D 15/00 20060101ALI20240125BHJP
F01D 25/18 20060101ALI20240125BHJP
C10N 40/00 20060101ALN20240125BHJP
C10N 40/12 20060101ALN20240125BHJP
C10N 30/00 20060101ALN20240125BHJP
【FI】
C10M175/02
B01D15/00 K
F01D25/18 D
C10N40:00 A
C10N40:12
C10N30:00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115598
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 郁美
(72)【発明者】
【氏名】矢野 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】洞口 典久
【テーマコード(参考)】
4D017
4H104
【Fターム(参考)】
4D017AA05
4D017BA04
4D017CA01
4D017CB01
4D017DA01
4D017DA07
4D017EA03
4H104EB09
4H104EB10
4H104JA04
4H104LA20
4H104PA07
4H104PA09
(57)【要約】
【課題】さび止め性能と酸化防止性能とが両立可能なタービン油の再生方法を提供する。
【解決手段】使用済みのタービン油の再生方法は、使用済みのタービン油から劣化成分を除去する除去ステップと、除去ステップで得られた再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加する添加ステップとを含み、さび止め剤の添加量は、再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であり、酸化防止剤の添加量は、酸化防止剤の種類に応じて予め決められた範囲の濃度となる質量である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みのタービン油の再生方法であって、
使用済みの前記タービン油から劣化成分を除去する除去ステップと、
前記除去ステップで得られた再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加する添加ステップと
を含み、
前記さび止め剤の添加量は、前記再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であり、前記酸化防止剤の添加量は、該酸化防止剤の種類に応じて予め決められた範囲の濃度となる質量である、タービン油の再生方法。
【請求項2】
前記さび止め剤及び前記酸化防止剤が添加された前記再生タービン油のRPVOT値を測定する測定ステップと、
前記測定ステップで測定されたRPVOT値に基づいて、前記再生タービン油に前記酸化防止剤を追添加する必要があるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記酸化防止剤の追添加をする必要があると判定した場合に、前記測定ステップで測定されたRPVOT値に基づいて、前記酸化防止剤の追添加量を決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定した前記追添加量の前記酸化防止剤を前記再生タービン油に追添加する追添加ステップと
を含む、請求項1に記載のタービン油の再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸気タービンやガスタービンにおいて潤滑油として使用されるタービン油の再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、さび止め剤等の添加剤を含むタービン油が記載されている。このタービン油中のさび止め剤の濃度は0.01~10.0質量%である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/177441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のタービン油は新油としてのタービン油の組成であり、使用済みのタービン油を再生して再利用する場合には、使用済みのタービン油の再生において、使用済みのタービン油から劣化成分を除去した後に添加剤を添加する必要がある。添加剤としては、さび止め剤、酸化防止剤、消泡剤等が挙げられるが、さび止め剤は酸化防止剤による酸化防止性能を低下させることが知られている。このため、使用済みのタービン油を再生するに当たり、さび止め剤と酸化防止剤とを添加する場合に、さび止め性能と酸化防止性能とを両立させることが要求される。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、さび止め性能と酸化防止性能とが両立可能なタービン油の再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るタービン油の再生方法は、使用済みのタービン油の再生方法であって、使用済みの前記タービン油から劣化成分を除去する除去ステップと、前記除去ステップで得られた再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加する添加ステップとを含み、前記さび止め剤の添加量は、前記再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であり、前記酸化防止剤の添加量は、該酸化防止剤の種類に応じて予め決められた範囲の濃度となる質量である。
【発明の効果】
【0007】
本開示のタービン油の再生方法によれば、使用済みのタービン油から劣化成分を除去した再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加し、さび止め剤の添加量が再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であることにより、さび止め性能と酸化防止性能とが両立可能なタービン油を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示のタービン油の再生方法の概要を示すフローチャートである。
【
図2】再生タービン油中のさび止め剤の濃度に対するRPVOT値の回復率との関係の実験結果を表すグラフである。
【
図3】再生タービン油中のさび止め剤の濃度に対するRPVOT値の低下速度との関係の実験結果を表すグラフである。
【
図4】本開示のタービン油の再生方法に再生完了の判定ステップを設けた形態の概要を示すフローチャートである。
【
図5】タービン油中の酸化防止剤の濃度とRPVOT値との関係を示す実験結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態によるタービン油の再生方法について、図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
<本開示のタービン油の再生方法>
本開示のタービン油の再生方法によって再生されるタービン油は、蒸気タービンやガスタービンおいて潤滑油として使用された使用済みのタービン油である。使用済みのタービン油は劣化により、カルボン酸等の有機酸のような劣化成分を含むようになり、色が茶褐色に変色する。使用済みのタービン油は、劣化成分が除去されることによって再生され、再生されたタービン油は透明になる。この再生方法は、蒸気タービンやガスタービンの定検時にバッチ式で実施することもできるし、蒸気タービンやガスタービンの運転中に連続的に使用済みのタービン油を抜き出して連続的に再生することもできる。
【0011】
図1に示されるように、本開示のタービン油の再生方法ではまず、使用済みのタービン油から劣化成分を除去する(除去ステップS1)。除去ステップS1では、例えば、攪拌槽に使用済みのタービン油とシリカゲル等の吸着剤とを投入して攪拌したり、吸着剤を充填したカラムに使用済みのタービン油を通過させたりすることによって、使用済みのタービン油と吸着剤とを接触させる。この接触により、使用済みのタービン油に含まれる劣化成分が吸着剤に吸着されて、使用済みのタービン油から劣化成分が除去される。これにより、使用済みのタービン油は再生タービン油となる。
【0012】
使用済みのタービン油には劣化成分の他に各種添加剤も含まれているので、使用済みのタービン油と吸着剤とが接触すると、劣化成分だけではなく添加剤も吸着剤に吸着される。これにより、再生タービン油中の添加剤の含有量が、蒸気タービンやガスタービンおいて使用されていたタービン油よりも低下してしまう。そこで、除去ステップS1の後、再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加する(添加ステップS2)。添加ステップS2では、さび止め剤及び酸化防止剤に加えて消泡剤を再生タービン油に添加することもできる。添加ステップS2は、除去ステップS1において使用済みのタービン油中の添加剤も除去されてしまうことに対して、除去された分の添加剤を追添加することを目的とするものである。
【0013】
さび止め剤としては、例えば、金属スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、有機スルホン酸金属塩、有機リン酸金属塩、アルケニルコハク酸エステル、アルケニルコハク酸多価アルコールエステル等を使用できる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系の酸化防止剤、アミン系の酸化防止剤、又はこれらの混合物を使用できる。消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、フッ素系消泡剤、ポリアクリルレート系消泡剤等を使用できる。
【0014】
本開示の発明者らは、添加ステップS2において再生タービン油に追添加するさび止め剤の適切な量について検討を行った。本開示の発明者らは、蒸留水500mLと、500mLの蒸留水にさび止め剤であるサンヒビター150(三洋化成工業株式会社)の濃度を0.01質量%、0.02質量%、0.03質量%、0.04質量%、0.06質量%とした溶液との6種類のサンプルを調製し、これらのサンプルに対して、JIS K 2510に従ったさび止め試験を行った。その結果、蒸留水については十分なさび止め性能が認められなかったが、0.01~0.06質量%のさび止め剤の蒸留水溶液については十分なさび止め性能が認められた。
【0015】
タービン油の酸化安定性を示す指標としてRPVOT値(ASTM D 2272)が一般的に使用される。RPVOT値に基づいてタービン油の交換・再生時期を決めることができる。本開示の発明者らは、除去ステップS1によって得られた再生タービン油にさび止め剤を添加してさび止め剤の濃度を0.03質量%、0.04質量%、0.05質量%とした3つのサンプルと、さび止め剤を添加しない再生タービン油とのそれぞれに酸化防止剤であるブチルヒドロキシトルエン(東京化成工業株式会社)を0.72質量%の濃度となるように添加した4つのサンプルについてRPVOT値を測定した。また、除去ステップS1によって得られた再生タービン油にさび止め剤を添加してさび止め剤の濃度を0.03質量%、0.06質量%とした2つのサンプルのそれぞれに酸化防止剤を0.76質量%の濃度となるように添加したサンプルについてRPVOT値を測定した。
図2に、これらのサンプルの試験結果を、横軸を再生タービン油中のさび止め剤の濃度とするとともに縦軸を使用済みのタービン油のRPVOT値に対する各サンプルのRPVOT値の比であるRPVOT値の回復率(%)としたグラフとして示す。
図2において、丸プロットは酸化防止剤の濃度が0.72質量%のサンプルの試験結果を示しており、四角プロットは酸化防止剤の濃度が0.76質量%のサンプルの試験結果を示している。この結果によれば、酸化防止剤の濃度が異なっていても、再生タービン油中のさび止め剤の濃度が大きくなるほどRPVOT値の回復率は小さくなることがわかった。
【0016】
さらに、本開示の発明者らは、除去ステップS1によって得られた再生タービン油にさび止め剤を添加してさび止め剤の濃度を0.03質量%、0.06質量%とした2つのサンプルと、さび止め剤を添加しない再生タービン油の2つのサンプルとの4つのサンプルについて、本開示の出願人による特開2015-059866号公報に記載されたDry-タービン油酸化安定度試験(Dry-TOST)を行った。Dry-TOSTとは、JIS規格(JIS K 2514)に規定されているタービン油酸化安定度試験(TOST)の試験条件に対して、油浴槽の温度を120℃に変更したものである。
図3に、これらのサンプルの試験結果を、横軸を再生タービン油中のさび止め剤の濃度とするとともに縦軸をRPVOT値の低下速度(min/hr)としたグラフとして示す。この結果によれば、再生タービン油中のさび止め剤の濃度はRPVOT値の低下速度に対してほとんど影響がないことが分かった。
【0017】
本開示の発明者らによる上記検討結果に基づき、再生タービン油に添加されるさび止め剤の添加量については、再生タービン油中のさび止め剤の濃度とRPVOT値の低下速度との関係は考慮する必要がなく、再生タービン油中のさび止め剤の濃度とRPVOT値の回復率との関係に基づいて決定すればよいと考えられる。そこで、本開示の発明者らは、RPVOT値の回復率が90%以上になるとともに十分なさび止め性能を得られる条件として、添加ステップS2において再生タービン油に添加されるさび止め剤の添加量を、再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量とした。
【0018】
尚、酸化防止剤の添加量については、酸化防止剤の種類に応じて予め決められた範囲の濃度となる質量である。除去ステップS1において使用済みのタービン油中の酸化防止剤が全て除去されてしまうと想定すれば、タービン油に最初に含まれていた量と同じ量の酸化防止剤を添加ステップS2において添加すればよい。また、除去ステップS1の後に、再生タービン油中の酸化防止剤の含有量を測定し、タービン油に最初に含まれていた量と測定値との差に相当する量の酸化防止剤を添加ステップS2において添加してもよい。タービン油中の酸化防止剤の濃度は例えば、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)によって測定可能である。具体的には、酸化防止剤の濃度が異なるタービン油の複数のサンプルを準備し、それらのサンプルの吸光度をFT-IRによって測定することで、酸化防止剤の濃度と吸光度との関係である検量線を予め作成しておく。使用済みのタービン油又は再生タービン油の吸光度をFT-IRによって測定し、この検量線に基づいて吸光度の測定値から酸化防止剤の濃度を測定することができる。
【0019】
このように、使用済みのタービン油から劣化成分を除去した再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加し、さび止め剤の添加量が再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であることにより、さび止め性能と酸化防止性能とが両立可能なタービン油を再生することができる。
【0020】
除去ステップS1及び添加ステップS2によって得られた再生タービン油でも、蒸気タービンやガスタービンおいて潤滑油として再使用可能であるが、使用済みのタービン油に対してRPVOT値を有意に低下させずにさび止め性能を得られるようにするために、添加ステップS2の後に、以下で説明する動作を付加してもよい。
【0021】
図4に示されるように、添加ステップS2の後に、再生タービン油のRPVOT値を測定する(測定ステップS3)。上述したように、再生タービン中のさび止め剤の濃度が大きくなるほどPRVOT値の回復率が小さくなる。例えば、除去ステップS1において除去されてしまったさび止め剤の量に対して、添加ステップS2において添加されたさび止め剤の量が多すぎると、添加ステップS2の後の再生タービン油中のさび止め剤の濃度が0.04質量%を超えてしまい、PRVOT値の回復率が90%を下回ることが考えられる。
【0022】
一方で、本開示の発明者らによる検討(酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンを使用)では、
図5に示されるように、再生タービン油中の酸化防止剤の濃度とRPVOT値とは比例関係があることが認められた。このため、酸化防止剤の種類ごとに、この比例関係(例えば、RPVOT値を酸化防止剤の濃度で除算して得られた比例定数)を求めておき、この比例関係に基づいて適切な量の酸化防止剤を再生タービン油に追添加すれば、PRVOT値の回復率を上昇させることができる。
【0023】
そこで、測定ステップS3の後、測定ステップS3で測定されたRPVOT値に基づいて、再生タービン油に酸化防止剤を追添加する必要があるか否かを判定する(判定ステップS4)。例えば、PRVOT値の回復率についての下限値を予め設定しておき(例えば90%)、測定ステップS3において測定したRPVOT値から算出されたPRVOT値の回復率とこの下限値とを比較し、前者が後者を下回る場合には、再生タービン油に酸化防止剤を追添加する必要があると判定する。
【0024】
判定ステップS4において再生タービン油に酸化防止剤を追添加する必要があると判定された場合には、測定ステップS3で測定されたRPVOT値に基づいて、酸化防止剤の追添加量を決定する(決定ステップS5)。例えば、酸化防止剤の種類ごとに予め求めておいた酸化防止剤の濃度とRPVOT値との比例関係に基づいて、測定ステップS3で測定されたRPVOT値と下限値との差から、酸化防止剤の追添加量を算出することができる。酸化防止剤の追添加量を決定したら、その追添加量の酸化防止剤を再生タービン油に追添加する(追添加ステップS6)。
【0025】
除去ステップS1及び添加ステップS2の後に、測定ステップS3から追添加ステップS6の各ステップを行うことにより、再生タービン油に添加したさび止め剤の量が多すぎてRPVOT値が低くなっても、酸化防止剤を追添加することによりRPVOT値を上昇させることができる。
【0026】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0027】
[1]一の態様に係るタービン油の再生方法は、
使用済みのタービン油の再生方法であって、
使用済みの前記タービン油から劣化成分を除去する除去ステップと、
前記除去ステップで得られた再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加する添加ステップと
を含み、
前記さび止め剤の添加量は、前記再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であり、前記酸化防止剤の添加量は、該酸化防止剤の種類に応じて予め決められた範囲の濃度となる質量である。
【0028】
本開示のタービン油の再生方法によれば、使用済みのタービン油から劣化成分を除去した再生タービン油にさび止め剤及び酸化防止剤を添加し、さび止め剤の添加量が再生タービン油の質量に対して0.01~0.04%の質量であることにより、さび止め性能と酸化防止性能とが両立可能なタービン油を再生することができる。
【0029】
[2]別の態様に係るタービン油の再生方法は、[1]のタービン油の再生方法であって、
前記さび止め剤及び前記酸化防止剤が添加された前記再生タービン油のRPVOT値を測定する測定ステップと、
前記測定ステップで測定されたRPVOT値に基づいて、前記再生タービン油に前記酸化防止剤を追添加する必要があるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記酸化防止剤の追添加をする必要があると判定した場合に、前記測定ステップで測定されたRPVOT値に基づいて、前記酸化防止剤の追添加量を決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定した前記追添加量の前記酸化防止剤を前記再生タービン油に追添加する追添加ステップと
を含む。
【0030】
このような再生方法によれば、再生タービン油に添加したさび止め剤の量が多すぎてRPVOT値が低くなっても、酸化防止剤を追添加することによりRPVOT値を上昇させることができる。