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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134878
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】露光装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240927BHJP
   G02B 3/00 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045308
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000128496
【氏名又は名称】株式会社オーク製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】松永 真一
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197AA22
2H197AA29
2H197BA02
2H197BA04
2H197BA06
2H197BA09
2H197CA03
2H197CA05
2H197CA07
2H197CB16
2H197CC05
2H197CC11
2H197CC16
2H197CD12
2H197CD15
2H197DA03
2H197DB05
2H197FB04
(57)【要約】
【課題】マイクロレンズアレイを有する投影光学系を備えた露光装置において、高解像度のパターンを露光面の広範囲に投影する。
【解決手段】露光装置10の投影光学系25が、第1結像光学系30、MLA32、分割光学系40、第2結像光学系50を備え、分割光学系40が、DMD22により変調された光のパターン像を、4つの分割パターン像DA1、DA2、DA3、DA4に分割し、副走査方向(Y方向)に沿って連なる走査バンド領域SB2、SB1、SB4、SB3に投影する。そして、MLA32が、第1結像光学系30の第1結像面FSの位置に配置され、分割光学系40が、MLA32に対して近接配置されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調素子アレイによって変調された光を、被描画体の露光面に投影する投影光学系を備え、
前記投影光学系が、
パターン像の光を第1結像面に結像させる第1結像光学系と、
各マイクロレンズが前記第1結像面に合わせて配置されるマイクロレンズアレイ(以下、MLAとする)と、
前記MLAを透過した光が入射し、前記第1結像面と位置が一致しない入射面において、パターン像を分割する分割光学系と、
前記分割光学系によって形成される複数の分割パターン像の光を、被描画体の露光面に結像させる第2結像光学系と
を備えたことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記分割光学系の前記第1結像面に沿った入射面が、前記MLAと接する、または近接していることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記分割光学系の前記第1結像面に沿った入射面が、前記MLAから所定距離離れていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
前記分割光学系の入射面が、前記各マイクロレンズの焦点位置にあることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記分割光学系と前記MLAとの間、または前記第1結像光学系と前記MLAとの間に、マイクロアパーチャーアレイ(以下、MAAとする)が配置されることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項6】
前記MAAが、前記分割光学系の前記第1結像面に沿った入射面と接していることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項7】
前記MAAが、前記第1結像面、または前記各マイクロレンズの焦点位置に合わせて配置されることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項8】
前記分割光学系および前記MLAを一体的に保持する保持部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DMDなどの光変調素子アレイによってパターンを形成する露光装置に関し、特に、マイクロレンズアレイを備えた投影光学系の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
DMDを備えた露光装置では、可動ミラーをマトリクス状に配列させた光変調素子アレイを制御し、光変調素子アレイで変調した光をパターン光として基板に投影する。
【0003】
スループット向上などの目的で投影画像を拡大すると、各画素(ミラー)からの光束が拡大し、解像度に影響を与える。これを解決するため、マイクロレンズアレイ(以下、MLAという)を配置する投影光学系を備えた露光装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
そこでは、DMDで変調された光を第1結像光学系によって結像させ、その結像面にMLAを配置する。第1結像光学系および第2結像光学系によってパターン像を拡大投影する。その一方で、MLAの各マイクロレンズによる集光により、ドット状のスポットになる投影光を露光面に投影する。これにより、拡大画像の解像度低下を抑える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-122470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
より広範囲にパターン光を投影するため、結像光学系の拡大倍率を上げようとすると、ドット状に並んで投影されるスポットの間隔が大きくなる。これは、所望する解像度によるパターン形成を困難にする可能性がある。
【0007】
したがって、MLAを有する投影光学系を備えた露光装置において、高解像度のパターンを露光面の広範囲に投影することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光変調素子アレイによって変調された光を、被描画体の露光面に投影する投影光学系を備え、投影光学系が、パターン像の光を結像させる第1結像光学系と、各マイクロレンズが第1結像光学系の結像面(ここでは、第1結像面という)に合わせて配置されるマイクロレンズアレイ(以下、MLAとする)と、MLAを透過した光が入射し、第1結像面と位置が一致しない入射面において、パターン像を分割する分割光学系と、分割光学系によって形成される複数の分割パターン像の光を、被描画体の露光面に結像させる第2結像光学系とを備える。
【0009】
ここで、「各マイクロレンズが第1結像面に合わせて配置される」とは、露光面での投影像の鮮明度が低下しない範囲において、MLAが第1結像面の位置に合わせて配置されることを意味する。MLAの組み立ての困難性などを鑑みれば、厳密に、各マイクロレンズのレンズ表面(あるいは主平面)に一致するとは限らず、第1結像光学系の第一結像面がMLAの焦点位置と一致するように、第1結像光学系およびMLAとの位置関係が定められる構成も含まれる。例えば、MLAの上端(レンズ頂部)と下端の範囲内に第1結像面の光軸に沿った位置を定めることも可能であり、第1結像面の近傍に配置されることも含まれる。一方で、MLAの組み立てを精密にすることで、MLAの各マイクロレンズの主平面と第1結像面を実質的に一致させるように、MLAを配置してもよい。
【0010】
MLAと分割光学系との位置関係は、光学特性等に応じて様々なバリエーションが適用可能である。例えば、分割光学系の第1結像面に沿った入射面が、MLAと接する、または近接するように、分割光学系を配置することが可能である。ただし、ここでの「近接」とは、光学系同士での物理的干渉のない範囲で出来る限り接近している配置状態を意味する。
【0011】
あるいは、分割光学系の第1結像面に沿った入射面が、MLAから所定距離離れるように、分割光学系を配置することが可能である。例えば、分割光学系の入射面が、各マイクロレンズの焦点位置と一致するように、分割光学系を配置することができる。
【0012】
分割光学系とMLAとの間、または第1結像光学系とMLAとの間には、マイクロアパーチャーアレイ(以下、MAAとする)を配置することが可能である。
【0013】
MAAとMLAおよび分割光学系との位置関係に関しても、光学特性等に応じて様々なバリエーションが適用可能である。例えば、分割光学系の第1結像面に沿った入射面と接するように、MAAを配置することが可能である。また、MAAを、第1結像面、またはMLA(各マイクロレンズ)の焦点位置に合わせて配置することも可能である。
【0014】
分割光学系とMLAを保持する構造は様々であり、例えば、分割光学系およびMLAを一体的に保持する保持部材を備えるように構成することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、MLAを有する投影光学系を備えた露光装置において、高解像度のパターンを露光面の広範囲に投影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態である露光装置の構成を模式的に示した図である。
図2】分割光学系の反射光学系の構成を示した図である。
図3】DMDにおける反射面を示した図である。
図4】分割パターン像の投影位置を示した図である。
図5】MLAおよび分割光学系の配置構成を示した図である。
図6】第2の実施形態におけるMLAおよび分割光学系の配置構成を示した図である。
図7】第2の実施形態の変形例を示した図である。
図8】第3の実施形態におけるMLA、MAA、分割光学系の配置構成を示した図である。
図9】第4の実施形態におけるMLAおよび分割光学系の配置構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態である露光装置の構成を模式的に示した図である。
【0018】
露光装置10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布、あるいは貼り付けた基板Wに対し、パターン光を直接投影するマスクレス露光装置である。
【0019】
露光装置10は、光源部16と、所定間隔で副走査方向に並ぶ複数の露光ヘッド20を備える。ただし、図1では、1つの露光ヘッド20のみ示している。光源部16は、水銀ランプ、LED、あるいはレーザダイオードなどによって構成される。
【0020】
露光ヘッド20は、DMD(Digital Micro-mirror Device)22と、投影光学系25とを備える。光源部16から照射された照明光は、照明光学系17を介してDMD22へ導かれる。DMD22は、数μm~数十μmの微小矩形状マイクロミラーをマトリクス状に2次元配列させたデバイスとして構成することが可能である。
【0021】
DMD22では、メモリセルに格納される制御信号(露光データ)に基づいて、各マイクロミラーがそれぞれ選択的にON/OFF制御される。ON状態のマイクロミラーで反射した光、すなわち変調された光は、ミラー(図示せず)を介して投影光学系25へ導かれる。
【0022】
投影光学系25は、パターン光を基板Wの露光面に結像させる光学系であり、第1結像光学系30、マイクロレンズアレイ(以下、MLA)32、分割光学系40、第2結像光学系50を備える。第1結像光学系30は、DMD22によって変調された光を、焦点位置にあたる結像面(以下、第1結像面ともいう)FSに結像させるとともに、パターン像全体を所定倍率で拡大する。
【0023】
MLA32は、DMD22のミラー配列に合わせてマイクロレンズがマトリクス状に2次元配列させた光学系であり、MLA32を透過した光が、分割光学系40へ入射する。MLA32の各マイクロレンズは、投影光学系25の光軸に沿うように光軸合わせが行われた上で位置決めされている。なお、図1図10のMLAは、模式的に描いたものであり、実際には、DMDのミラー配列(例えば1920×1080)と同じようにマイクロレンズが配列されている。
【0024】
分割光学系40は、第1結像面FSに結像したパターン光を、複数のパターン光に分割する光学系であり、第1結像面FSに沿った入射面40Iを有する。ここでの分割光学系40は、第1結像面FS上に入射したパターン光を、4つに分岐させる。すなわち、第1結像面FSに形成されるパターン像全体を、4つのパターン像(以下、分割パターン像という)に分割する。
【0025】
第2結像光学系50は、分割光学系40から出射する4つのパターン光(以下、分割光ともいう)を、基板Wの露光面に結像させるとともに、各分割パターン像を、所定倍率で拡大する。第2結像光学系50は、物体側の結像面がMLAの各マイクロレンズの焦点位置と一致するように配置される。
【0026】
露光ヘッド20は、ここでは主走査方向(X方向)に対して微小角度傾斜した状態で配置されている。基板Wを-X方向に沿って移動させるのに伴い、DMD22による投影エリア(露光エリア)が、主走査方向(+X方向)に相対移動する。そして、投影エリアの位置に応じたパターン光を照射する露光動作が、所定の露光ピッチに応じて実行される。
【0027】
図2は、分割光学系40の反射光学系の構成を示した図である。
【0028】
分割光学系40は、プリズム42、反射光学系44とを備える。図1に示すように、プリズム42は、4つの矩形状光学部材42A、42B、42C、42Dから構成され、側面側から見ると略台形状になっている。また、矩形状光学部材42A、42Bと矩形状光学部材42C、42Dは、中央ラインCに対して対称的である。
【0029】
矩形状光学部材42A、42B、42C、42Dは、それぞれ平行平面関係にある反射面を有する。そして、第1結像光学系30の結像面(以下、第1結像面という)FSが矩形状光学部材42A、42B、42C、42Dの表面で構成されるプリズム42の入射面40Iにおいて、第1結像光学系30の第1結像面FSに形成されるパターン像が4つに分割され、4つの分割パターン像の光が、反射光学系44へ導かれる。
【0030】
反射光学系44は、それぞれ対となって構成されるミラー44A、44B、ミラー44C、44D、ミラー44E、44F、そしてミラー44G、44Hから構成されている。各ミラー対は、互いに平行である。
【0031】
図3は、DMD22における反射面を示した図である。分割光学系40に従い、DMD22の反射面には、主走査方向に応じた横方向に4等分した部分領域DM1、DM2、DM3、DM4が規定される。DMD22全体によるパターン像は、分割光学系40によって部分領域DM1、DM2、DM3、DM4ごとに異なる位置へ投影される。
【0032】
図4は、分割パターン像の投影位置を示した図である。分割パターン像DA1~DA4は、それぞれ、部分領域DM1、DM2、DM3、DM4に応じたパターン像となる。図4では、パターン像を分割しないとき(分割光学系を備えないとき)の露光エリアの中心点、すなわちDMD22の中心位置の投影点を、主走査方向X、副走査方向YとしたときのX-Y座標系の原点と定めている。
【0033】
本実施形態では、反射光学系44のミラー対44A、44B、ミラー対44C、44D、ミラー対44E、44F、ミラー対44G、44Hにより、4つの分割パターン像DA1~DA4が、実線で表す位置に投影される。図4では、4つの分割パターン像DA1~DA4は、主走査方向に関して互いに等間隔にあって、投影位置は、原点に関して対称的である。
【0034】
また、副走査方向(Y方向)に沿って連なった走査バンド領域SB1、SB2、SB3、SB4の位置に合わせて、4つの分割パターン像DA1~DA4が投影される。なお、4つの分割パターン像DA1~DA4に対し、隣り合う分割パターン像の一部を互いにオーバラップさせながら投影してもよい。
【0035】
上述したように、MLA32の各マイクロレンズは、対応するミラーの位置に合わせて位置決めされている。そして、各マイクロレンズを透過した光は集光して基板Wの露光面に結像する。したがって、各分割パターン像の光は、図1に示すように、スポットがドット状に並ぶ光となって投影される。
【0036】
露光装置10の制御部(図示せず)は、露光動作中、4つの分割パターン像DA1~DA4の投影位置に応じて、露光動作制御を実行する。なお、露光動作時のデータ処理に関しては、特許第5881314号公報などに記載されたデータ処理と同様のデータ処理を適用することが可能であり、詳細な説明はここでは省略する。
【0037】
図5は、MLA32および分割光学系40の配置構成を示した図である。
【0038】
MLA32は、投影光学系25の光軸Cに沿って、第1結像光学系30と、分割光学系40との間に配置され、ここでは図示しない独立した支持部材によって、それぞれ支持されている。また、MLA32は、第1結像光学系30の第1結像面FSの位置に配置されている。これにより、第1結像光学系30を通ったパターン像の光は、MLA32において結像し、各マイクロレンズにより集光された光が、MLA32から射出し、分割光学系40へ導かれる。
【0039】
分割光学系40の入射面40Iは、第1結像光学系30の第1結像面FSと一致せず、投影光学系25の光軸Cに沿って所定距離だけ離れている。仮にMLA32を配置しない場合、分割光学系40に入射面40Iにおけるパターン像の光は合焦していないぼけた画像となり、ぼけたパターン像が分割される。これは、基板Wの露光面上に投影される各分割パターン像が鮮明とならず、画質低下によってパターン解像度に影響を与える。
【0040】
従来、当業者にとって、このような分割光学系40の配置、すなわち入射面40Iを第1結像光学系30の第1結像面FSから外れた位置に配置することは想定されておらず、入射面40Iを第1結像光学系30の第1結像面FSに一致させる必要があると当然に認識されていた。しかしながら、投影光学系25に配置したMLA32は、各マイクロミラーの光を集光するため、MLA32を透過した光が拡がって進行しない。
【0041】
そのため、露光面上における各分割パターン像の解像度低下の問題が顕著に現れない。入射面40IとMLA32の間隔である距離Tは、分割光学系40の入射面40Iが第1結像光学系30の第1結像面FSから外れていることによってパターン像の鮮明度の低下が生じない範囲の距離に定められている。ここでは、分割光学系40の入射面40Iの位置は、MLA32の各マイクロレンズの焦点位置に定められている。
【0042】
したがって、従来と同様にMLA32の配置によってパターン像全体を拡大投影しながら、分割光学系40を配置にすることにより、副走査方向(Y方向)に沿った露光幅K(図1参照)で、分割パターン像DA1~DA4を同時に露光することが可能となる。
【0043】
その結果、スループットがより向上するとともに、第1結像光学系30、第2結像光学系50を、従来のように好適な拡大倍率の光学系として構成することが可能である。例えば、第1結像光学系30の拡大倍率を2~3倍、第2結像光学系50の倍率を1.5~2.0倍に定めることにより、投影光学系25全体として、3~6倍の拡大倍率をもつ光学系として構成することができる。なお、第1結像光学系、第2結像光学系両方を拡大結像光学系とせず、一方を等倍光学系にしてもよい。
【0044】
このように本実施形態では、露光装置10の投影光学系25が、第1結像光学系30、MLA32、分割光学系40、第2結像光学系50を備え、分割光学系40が、DMD22により変調された光のパターン像を、4つの分割パターン像DA1、DA2、DA3、DA4に分割し、副走査方向(Y方向)に沿って連なる走査バンド領域SB2、SB1、SB4、SB3に投影する。そして、MLA32が、第1結像光学系30の第1結像面FSの位置に配置され、分割光学系40が、MLA32に対して近接配置されている。
【0045】
次に、図6を用いて第2の実施形態である露光装置について説明する。第2の実施形態では、マイクロアパーチャーアレイ(以下、MAAとする)が配置される。
【0046】
図6は、第2の実施形態におけるMLA32および分割光学系40の配置構成を示した図である。MAA34は、ガラス基材の一面(マスク面)に遮光マスクを成膜して、MLA32の各マイクロレンズの位置に合わせて円形の透光パターンをマトリクス状に2次元配列させた光学部材であり、露光面上のドット状のスポットの輪郭を規定するとともに、隣接するマイクロレンズからの迷光を遮断してスポットのコントラストを高める。なお、MAA34は金属等の遮光部材に貫通穴をマトリクス状に2次元配列させた光学部材であってもよい。
【0047】
MAA34は、マスク面が分割光学系40の入射面40Iと接する一方、MLA32と所定距離T’だけ離れて設置されている。分割光学系40、MLA32、MAA34は、それぞれ図示しない支持部材によって支持されている。なお、MLA32をMAA34に接するように設置し、分割光学系40とMLA32をそれぞれ支持部材によって支持するように構成してもよい。
【0048】
図7は、第2の実施形態の変形例を示した図である。図7では、MLA32の上方にMAA34が配置されている。MLA32は、ここでは分割光学系40の入射面40I上に設置され、MAA34のマスク面がMLA32の上に接するように配置されている。このような構成により、MAA34のマスク面とMLA32の入光部分を共に第1結像光学系30の第1結像面FS、あるいはその近傍には配置することが可能となり、露光面上のスポットが鮮明となる。
【0049】
次に、図8を用いて第3の実施形態である露光装置について説明する。第3の実施形態では、分割光学系40、MLA32、MAA34を一体的に保持するホルダが設けられている。
【0050】
図8は、第3の実施形態におけるMLA32、MAA34、分割光学系40の配置構成を示した図である。MLA32は、投影光学系25の光軸Cに沿ってMAA34と所定距離離れている。MAA34は、分割光学系40の入射面40Iと接している。
【0051】
ホルダ(保持部材)36は、分割光学系40、MAA34、MLA32の断面形状に合わせて、分割光学系40、MAA34、MLA32と接しながら外表面を囲む内部空間を形成している。また、分割光が出射する開口部37A、37Bが、ホルダ36の下方に設けられている。
【0052】
ホルダ36が、分割光学系40、MAA34、MLA32を一体的に保持することにより、DMD22の各マイクロミラーとMLA32の各マイクロレンズとの互いの光軸位置、および各光学部材の間隔を精度よく合わせることができる。なお、MAA34を配置しないホルダ36を構成してもよい。
【0053】
図9は、第4の実施形態におけるMLA32および分割光学系40の配置構成を示した図である。第4の実施形態では、MLA32が分割光学系40の入射面40Iに接している。このとき、第2結像光学系50の物体側の結像面は、各マイクロミラーの焦点位置の分、入射面40Iよりも分割光学系40の内部側に配置される。このように分割光学系40をMLA32にできるだけ近接させて配置することにより、MLA32と分割光学系40の入射面40Iの位置関係を保つことが容易となる。
【0054】
なお、分割光学系は、上述した4つの分割パターン像を形成する光学系に限定されず、2つ、3つなど複数の分割パターン像を形成する構成であってもよい。それに合わせて、各分割パターン像の投影位置を、連なった走査バンド領域にそれぞれ投影させればよい。
【0055】
さらに、入射面が面一でなく、隣り合うミラーが交互に異なる傾斜方向を向くミラーと、そのミラーに平行平面関係にあるミラー対で構成し、分割パターン像を形成する分割光学系によって構成してもよい。この場合、入射側のミラー全体が、第1結像光学系30の第1結像面FSから外れた位置でMLAに配置されるが、MLAに近接配置させることにより、上述した実施形態と同様の技術的効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 露光装置
20 露光ヘッド
22 DMD
30 第1結像光学系
32 マイクロレンズアレイ(MLA)
34 MAA
40 分割光学系
50 第2結像光学系
FS 結像面(第1結像面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9