(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134896
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/12 20060101AFI20240927BHJP
D06F 39/00 20240101ALI20240927BHJP
【FI】
D06F39/12 B
D06F39/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045331
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】川面 慶斗
(72)【発明者】
【氏名】飛田 達成
(72)【発明者】
【氏名】小山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】曽我 丈
【テーマコード(参考)】
3B165
3B166
【Fターム(参考)】
3B165AA01
3B165AA05
3B165AA11
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3B166HA16
3B166HA32
(57)【要約】
【課題】スイッチへの液体の侵入を抑制し、操作性、意匠性を向上させた洗濯機を提供する。
【解決手段】
本発明の洗濯機は、筐体1に設けられた操作カバー21と、操作カバー21に取り付けられた操作スイッチ部30を備える。操作スイッチ部30は、第1マイクロスイッチ350aを保持するスイッチ保持部材340と、スイッチ保持部材340の上方に配置された保護シート部材330と、保護シート部材330の上方に配置され第1マイクロスイッチ350aを押圧する電源スイッチ押圧部材310と、を備える。操作カバー21には、電源スイッチ押圧部材310の一部が操作カバー21の上面から突出するように形成された電源スイッチ開口部25が形成される。スイッチ保持部材340を操作カバー21の下面に固定した状態において、保護シート部材330は操作カバー21とスイッチ保持部材340に挟まれて固定される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体に弾性支持された外槽と、前記外槽内に回転可能に支持された内槽と、前記筐体に設けられた操作カバーと、前記操作カバーに取り付けられた操作スイッチ部と、を備えた洗濯機において、
前記操作スイッチ部は、マイクロスイッチと、前記マイクロスイッチを保持するスイッチ保持部材と、前記スイッチ保持部材の上方に配置された保護シート部材と、前記保護シート部材の上方に配置され前記マイクロスイッチのスイッチ部を押圧するスイッチ押圧部材と、を備え、
前記操作カバーには、前記スイッチ押圧部材の一部が前記操作カバーの上面から突出するように形成されたスイッチ開口部が形成され、
前記スイッチ保持部材を前記操作カバーの下面に固定した状態において、前記保護シート部材は前記操作カバーと前記スイッチ保持部材に挟まれて固定されることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記保護シート部材は、前記スイッチ押圧部材に形成された突起収容空間に挿入される突起部と、前記突起部の周囲に形成され前記スイッチ押圧部材の下部によって押圧される押圧部と、前記操作カバーと接触する操作カバー接触部と、前記操作カバー接触部の下方に形成され、前記スイッチ保持部材の一部が挿入されるスイッチ保持部材挿入部と、を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機において、
前記押圧部の板厚は、前記操作カバー接触部と前記スイッチ保持部材挿入部とを結ぶ板厚よりも薄くしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の洗濯機において、
前記押圧部の上面の位置は、前記操作カバー接触部の上面の位置よりも下方に位置させたことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の洗濯機において、
前記保護シート部材には、前記筐体の前側に配置された前面カバーに向かうに従い下方に向かって傾斜する傾斜部を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
請求項5に記載の洗濯機において、
前記前面カバーの後方側には、後方に向かって突出すると共に前記筐体の中央部側から外側に向かうに従い下るように傾斜した案内部材を備え、
前記案内部材は前記傾斜部の下方に位置させたことを特徴とする洗濯機。
【請求項7】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記操作スイッチ部は、洗濯機の電源の入り切りを行う電源スイッチと、洗濯機の運転/一時停止を行う運転/一時停止スイッチの複数のスイッチから構成され、
使用者側から見て前記電源スイッチおよび前記運転/一時停止スイッチが位置する前記操作カバーの前後の位置には、それぞれ前記電源スイッチを表す文字および前記運転/一時停止スイッチを表す文字が記載され、
前記電源スイッチを構成する電源スイッチ押圧部材の左右方向の長さおよび前記運転/一時停止スイッチを構成する運転/一時停止スイッチ押圧部材の左右方向の長さは、それぞれ前記電源スイッチを表す文字の長さおよび前記運転/一時停止スイッチを文字の長さに合わせて設けたことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機の上部前面には、電源スイッチの入り切り、洗濯コースを選択する操作スイッチが備えられた操作カバーが設置されている。一般的に操作カバーは樹脂で形成され、スイッチが配置される箇所が切欠かれている。スイッチは、操作カバーの切欠き部から突出して設けられ、押圧操作が可能となっている。
【0003】
洗濯機では、水道水、液体洗剤、液体柔軟剤等が用いられる。水道水、洗剤、柔軟剤等の液体が電源スイッチ、操作スイッチに付着すると絶縁部に電気が流れてショートし、電源スイッチ、操作スイッチを破損する恐れがある。
【0004】
そこで、スイッチに液体が付着するのを抑制するために、PETフィルムからなるパネルシートを成形金型にインサートし、この成形金型に樹脂を充填して操作カバーを製作するインサート成形が用いられている。操作カバーに形成された切欠き部はインサートされたパネルシートに覆われるので、スイッチに液体が付着することを抑制できる。このような技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インサート成形された操作カバーでは、操作カバーの切欠き部に配置したスイッチもパネルシートで覆われる。操作カバーの切欠き部から突出するスイッチの突出量は極わずかであり、操作カバーはほぼフラットに形成されている。
【0007】
近年、洗濯機においては操作性、意匠性向上が求められている。特許文献1に記載された技術のようにパネルシートで覆われたスイッチは、使用者による操作感が乏しく、操作性が悪かった。また、操作カバーはほぼフラットに形成されるので、意匠の変更が限られ、意匠性向上には不向きであった。これらの課題を解決するために操作カバーの切欠き部をパネルシートで覆わず、切欠き部からスイッチを突出させることが考えられるが、スイッチへの液体の侵入を抑制させる手段が必要となる。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、スイッチへの液体の侵入を抑制し、操作性、意匠性を向上させた洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明は、筐体と、前記筐体に弾性支持された外槽と、前記外槽内に回転可能に支持された内槽と、前記筐体に設けられた操作カバーと、前記操作カバーに取り付けられた操作スイッチ部と、を備えた洗濯機において、前記操作スイッチ部は、マイクロスイッチと、前記マイクロスイッチを保持するスイッチ保持部材と、前記スイッチ保持部材の上方に配置された保護シート部材と、前記保護シート部材の上方に配置され前記マイクロスイッチのスイッチ部を押圧するスイッチ押圧部材と、を備え、前記操作カバーには、前記スイッチ押圧部材の一部が前記操作カバーの上面から突出するように形成されたスイッチ開口部が形成され、前記スイッチ保持部材を前記操作カバーの下面に固定した状態において、前記保護シート部材は前記操作カバーと前記スイッチ保持部材に挟まれて固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スイッチへの液体の侵入を抑制し、操作性、意匠性を向上させた洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の外観を示す図である。
【
図2】操作カバー21と操作スイッチ部30の分解斜視図である。
【
図3】操作スイッチ部30が取り付けられた操作カバー21と、前面カバー1bの分解斜視図である。
【
図4】電源スイッチ押圧部材310および運転/一時停止スイッチ押圧部材320を下方から見た外観斜視図である。
【
図5】保護シート部材330を上方から見た外観斜視図である。
【
図6】スイッチ保持部材340を上方から見た外観斜視図である。
【
図7】電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320、保護シート部材、スイッチ保持部材340を操作カバー21に取り付けた状態を示す右前方から見た外観斜視図である。
【
図8】電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320、保護シート部材、スイッチ保持部材340を操作カバー21に取り付けた状態を示す前方から見た断面図である。
【
図10】ドラム式洗濯機100の一部を断面した断面斜視図である。
【
図11】前方からを後方側(裏面側)から見た外観斜視図である。
【
図12】操作カバー21に設置された操作スイッチ部30の外観拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、同一の要素については、全ての図において、原則として同一の符号を付している。また、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。なお、以下に説明する構成はあくまで実施例に過ぎず、本発明に係る実施様態が、以下の具体的様態に限定されることを意図する趣旨ではない。
【0013】
本実施例では、洗濯機の一例として、内槽の回転軸が略水平なドラム式洗濯乾燥機を例に挙げて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の外観を示す図である。なお、以下では使用者がドラム式洗濯機100を操作する方向から見て、向かって右側を「右」と称し、向かって左側を「左」称す。また使用者がドラム式洗濯機100を操作する方向から見て、ドラム式洗濯機100の手前側を「前」、奥側を「後」として、前後方向を定義する。
【0015】
図1に示すように、ドラム式洗濯機100は、筐体1と、筐体1内に弾性支持された外槽2と、外槽2内に回転可能に支持された回転ドラム(内槽)3と、を備える。
【0016】
筐体1は、鋼板と樹脂成型品とが組み合わされ、ベースBの上に取り付けられ形成されている。筐体1は、左右に配置された側板1a、前側に配置された前面カバー1b、後方に配置された背面カバー1c、上方に配置された上面カバー1d、下方前側に配置された下部前面カバー1eで構成されている。左右の側板1aは、コの字型の図示しない上補強材、前補強材、後補強材で結合されている。これにより、ベースBを含めた箱状の筐体1が構成され、筐体として十分な強度を有している。
【0017】
筐体1の前面カバー1bの略中央には、衣類など(洗濯物)を出し入れする投入口を開閉するドア4が、前補強材に設けたヒンジ4hで開閉可能に支持されている。ドア4の右手近傍の前面カバー1bには、把持することでドア4のロック機構(図示せず)を解除するドア取っ手4tが設けられている。
【0018】
ドア取っ手4tを把持することで、ロック機構が解除されてドア4が開放できる一方、ドア4を前面カバー1bに押し付けることでドア4が閉じてロックされる。前補強材は、外槽2の開口部とほぼ同心に、洗濯物を出し入れする円形の開口部を有している。
【0019】
筐体1の上面カバー1d手前の操作カバー21には、表示部などを有するタッチパネル23が設けられている。また、操作カバー21の右前には、操作スイッチ部30が備えられている。操作スイッチ部30は、洗濯機の電源の入り切りを行う電源スイッチ31と、洗濯機の運転/一時停止を行う運転/一時停止スイッチ32の複数のスイッチから構成されている。
【0020】
筐体1の上部に配置された上面カバー1dの左側には、上方に向かって開放した投入開口部10が形成されている。投入開口部10には、以下に示す洗剤投入部(手動投入部5、自動投入部11)が配置されている。
【0021】
投入開口部10の前側には、1回分の洗剤や柔軟剤などの洗濯処理剤を外槽2内に投入する手動投入部5が設けられている。投入開口部10(手動投入部5)の後方(奥側)には、自動投入部11が設けられている。自動投入部11は、複数回の洗濯で利用する洗剤や柔軟剤などの洗濯液を収納するタンクを有し、自動的に洗濯液を外槽2内に投入するものである。
【0022】
投入開口部10には、開閉可能な投入蓋6が備えられており、投入蓋6を閉じることにより、手動投入部5及び自動投入部11の上方が投入蓋6によって覆われる。
【0023】
下部前面カバー1eの平坦部には、図示しない糸屑フィルタのフィルタ部材を出し入れするための糸屑フィルタカバー1fが取り付けられている。
【0024】
タッチパネル23であるタッチパネル式の液晶パネル(液晶表示部)は、前面カバー1bと上面カバー1dの間に、ドラム式洗濯機100の手前に利用者が立った際に見やすいように、所定の角度をもった傾斜面に設ける。よって、傾斜面は、少なからず、横長サイズになり、それに合わせて、タッチパネル23は横長サイズの液晶パネルとする。これにより、1つの画面に多くの情報を表示することができ、画面を切り替えなくても、洗濯機の設定や状態を確認することができる。
【0025】
本実施例の洗濯機は、操作性、意匠性を向上するために、操作カバーの切欠き部をパネルシートで覆わず、切欠き部からスイッチを突出させている。そのため、スイッチへの液体の侵入を抑制させる手段が必要となる。以下、この構成について説明する。
【0026】
図2は、操作カバー21と操作スイッチ部30の分解斜視図である。
図2に示すように操作カバー21には、中央部に形成されたタッチパネルと取付けるためのタッチパネル開口部24と、右前に形成された電源スイッチ開口部25(スイッチ開口部)と、運転/一時停止スイッチ開口部26(スイッチ開口部)が形成されている。電源スイッチ開口部25(スイッチ開口部)と、運転/一時停止スイッチ開口部26(スイッチ開口部)は、操作スイッチ部30のスイッチ押圧部材の一部が操作カバー21の上面から突出するように形成されている。
【0027】
操作スイッチ部30は、操作カバー21の電源スイッチ開口部25から突出する電源スイッチ押圧部材310(スイッチ押圧部材)と、操作カバー21の運転/一時停止スイッチ開口部26から突出する運転/一時停止スイッチ押圧部材320(スイッチ押圧部材)と、電源スイッチ押圧部材310及び運転/一時停止スイッチ押圧部材320の下方に位置する保護シート部材330と、保護シート部材330の下方に位置するスイッチ保持部材340と、スイッチ保持部材340に取り付けられたマイクロスイッチ350とから構成されている。マイクロスイッチ350は、電源スイッチ押圧部材310に対応した第1マイクロスイッチ350aと、運転/一時停止スイッチ押圧部材320に対応した第2マイクロスイッチ350bから構成されている。
【0028】
スイッチ保持部材340は、マイクロスイッチ350を装着後、スイッチ押圧部材(電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320)および保護シート部材330と共に操作カバー21の下方からねじ360を用いて操作カバー21に締結固定される(
図11参照)。操作スイッチ部30が操作カバー21に取り付けられた状態を
図3に示す。
【0029】
図3は、操作スイッチ部30が取り付けられた操作カバー21と、前面カバー1bの分解斜視図である。前面カバー1bの右前には、操作スイッチ取付部12が形成されている。前面カバー1bに操作カバー21を取り付けた際、操作スイッチ部30は操作スイッチ取付部12に収容される。
【0030】
電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320、保護シート部材330は、スイッチ保持部材340と操作カバー21に挟まれるようにして操作カバー21に装着される。
【0031】
図4は、電源スイッチ押圧部材310および運転/一時停止スイッチ押圧部材320を下方から見た外観斜視図である。なお、
図4では、電源スイッチ押圧部材310の右側の一部を切断した断面図としている。
【0032】
電源スイッチ押圧部材310は、電源スイッチ押圧部材本体311と、下方側が開放し、電源スイッチ押圧部材本体311の内部に形成され、保護シート部材330の第1突起部331(突起部)が挿入される第1突起収容空間312と、電源スイッチ押圧部材本体311の外周部から外周側に向かって突出し、操作カバー21の下面に接触する第1爪部313を備えている。
【0033】
同様に、運転/一時停止スイッチ押圧部材320は、運転/一時停止スイッチ押圧部材本体321と、下方側が開放し、運転/一時停止スイッチ押圧部材本体321の内部に形成され、保護シート部材330の第2突起部332(突起部)が挿入される第2突起収容空間322と、運転/一時停止スイッチ押圧部材本体321の外周部から外周側に向かって突出し、操作カバー21の下面に接触する第2爪部323を備えている。
【0034】
図5は、保護シート部材330を上方から見た外観斜視図である。なお、
図5では、保護シート部材330の右側の一部を切断した断面図としている。保護シート部材330はゴム等の弾性部材で形成されている。
【0035】
保護シート部材330は、電源スイッチ押圧部材310の第1突起収容空間312に挿入し収容される第1突起部331と、運転/一時停止スイッチ押圧部材320の第2突起収容空間322に挿入し収容される第2突起部332と、第1突起部331の周囲に形成され電源スイッチ押圧部材310の下部によって押圧される第1押圧部333(押圧部)と、第2突起部332の周囲に形成され運転/一時停止スイッチ押圧部材320の下部によって押圧される第2押圧部334(押圧部)と、第1押圧部333および第2押圧部334の周囲に形成され、第1押圧部333および第2押圧部334よりも上方に位置し、操作カバー21と接触し押圧される操作カバー接触部335と、操作カバー接触部335の下方に形成され、スイッチ保持部材340の保護シート部材押圧部343が挿入されるスイッチ保持部材挿入部336と、操作カバー接触部335の前側(前面カバー1b側)に形成され、前側(前面カバー1b側)に向かうに従い下方に向かって傾斜する傾斜部337を備えている。
【0036】
本実施例では、第1押圧部333および第2押圧部334の板厚t1は、操作カバー接触部335とスイッチ保持部材挿入部336とを結ぶ板厚t2よりも薄くしている(t1<t2)。第1押圧部333および第2押圧部334は、電源スイッチ押圧部材310および運転/一時停止スイッチ押圧部材320が使用者によって押圧され上下に動作するため、板厚t1を板厚t2よりも薄くして電源スイッチ押圧部材310および運転/一時停止スイッチ押圧部材320の動作を良好にし、操作性を向上させている。
【0037】
また、第1押圧部333および第2押圧部334の上面の位置は、操作カバー接触部335の上面の位置よりも下方に位置させている。すなわち、第1押圧部333および第2押圧部334は、堀となっている。
【0038】
図6は、スイッチ保持部材340を上方から見た外観斜視図である。スイッチ保持部材340は、保護シート部材330の第1押圧部333の下方に位置し、第1押圧部333を介して電源スイッチ押圧部材310の押圧動作を受ける第1受け部341と、保護シート部材330の第2押圧部334の下方に位置し、第2押圧部334を介して運転/一時停止スイッチ押圧部材320の押圧動作を受ける第2受け部342と、上方に向かって突出し、第1受け部341および第2受け部342の周囲に形成された保護シート部材押圧部343と、を備えている。さらにスイッチ保持部材340は、第1マイクロスイッチ350aの本体部に挿入される第1挿入突起345a,345bと、第1マイクロスイッチ350aの本体部の抜けを抑制する第1固定爪部344a,344bと、第2マイクロスイッチ350bの本体部に挿入される第2挿入突起347a,347bと、第2マイクロスイッチ350bの本体部の抜けを抑制する第2固定爪部346a,346bと、スイッチ保持部材340を操作カバー21の下方に固定するねじ360を挿入するためのねじボス348を備えている。
【0039】
また、スイッチ保持部材340は、第1受け部341を上下方向に動作するように支持する第1弾性支持部341aと、第2受け部342を上下方向に動作するように支持する第2弾性支持部342aを備えている。第1受け部341は、第1弾性支持部341aを除く周囲が切欠かれており、第1弾性支持部341aによって片持ち支持されている。同様に、第2受け部342は、第2弾性支持部342aを除く周囲が切欠かれており、第2弾性支持部342aによって片持ち支持されている。
【0040】
次に、電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320、保護シート部材、スイッチ保持部材340を操作カバー21に取り付けた状態について説明する。
【0041】
図7は、電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320、保護シート部材、スイッチ保持部材340を操作カバー21に取り付けた状態を示す右前方から見た外観斜視図である。
図8は、電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320、保護シート部材、スイッチ保持部材340を操作カバー21に取り付けた状態を示す前方から見た断面図である。
図9は、
図8のIX部拡大図である。なお、
図7では、右側部分の一部を断面した図としている。
【0042】
前述したようにスイッチ保持部材340は、マイクロスイッチ350を装着後、スイッチ押圧部材(電源スイッチ押圧部材310、運転/一時停止スイッチ押圧部材320)および保護シート部材330と共に操作カバー21の下方からねじ360を用いて操作カバー21に締結固定される。
【0043】
電源スイッチ押圧部材310の第1突起収容空間312には、保護シート部材330の第1突起部331が挿入され、第1押圧部333に電源スイッチ押圧部材310の下端部が接触している。
【0044】
第1押圧部333に下方には、スイッチ保持部材340の第1受け部341が接触しており、第1受け部341は第1押圧部333を挟んで電源スイッチ押圧部材310の下端部と対向している。
【0045】
第1受け部341の下方には、第1マイクロスイッチ350aが配置されている。電源スイッチ押圧部材310が下方に向かって押圧されると、第1弾性支持部341aによって第1受け部341が下方に移動し、第1マイクロスイッチ350aの第1スイッチ部351a(スイッチ部)を押圧する。
【0046】
電源スイッチ押圧部材310の第1爪部313は操作カバー21の下面と接触している。電源スイッチ押圧部材310が押下されると、第1爪部313は操作カバー21の下面から離れるが、電源スイッチ押圧部材310が元の位置に戻ると、再び第1爪部313が操作カバー21の下面と接触する。本実施例では、第1爪部313が操作カバー21の下面と接触することにより、電源スイッチ押圧部材310が上方向へ抜け出すことを防止している。
【0047】
運転/一時停止スイッチ押圧部材320の第2突起収容空間322には、保護シート部材330の第2突起部332が挿入され、第2押圧部334に運転/一時停止スイッチ押圧部材320の下端部が接触している。
【0048】
第2押圧部334に下方には、スイッチ保持部材340の第2受け部342が接触しており、第2受け部342は第2押圧部334を挟んで運転/一時停止スイッチ押圧部材320の下端部と対向している。
【0049】
第2受け部342の下方には、第2マイクロスイッチ350bが配置されている。運転/一時停止スイッチ押圧部材320が下方に向かって押圧されると、第2弾性支持部342aによって第2受け部342が下方に移動し、第2マイクロスイッチ350bの第2スイッチ部351b(スイッチ部)を押圧する。
【0050】
運転/一時停止スイッチ押圧部材320の第2爪部323は操作カバー21の下面と接触している。運転/一時停止スイッチ押圧部材320が押下されると、第2爪部323は操作カバー21の下面から離れるが、運転/一時停止スイッチ押圧部材320が元の位置に戻ると、再び第2爪部323が操作カバー21の下面と接触する。本実施例では、第2爪部323が操作カバー21の下面と接触することにより、運転/一時停止スイッチ押圧部材320が上方向へ抜け出すことを防止している。
【0051】
本実施例では、マイクロスイッチ350の上方を保護シート部材330で覆っているので、電源スイッチ押圧部材310が挿入される電源スイッチ開口部25および運転/一時停止スイッチ押圧部材320が挿入される運転/一時停止スイッチ開口部26から侵入した水や洗剤がマイクロスイッチ350に到達することを抑制することができ、マイクロスイッチ350の故障を抑制できる。
【0052】
本実施例の保護シート部材330は、操作カバー21とスイッチ保持部材340によって挟まれ固定されている。
図8および
図9に示すように、スイッチ保持部材340を操作カバー21にねじ360で締結固定すると、保護シート部材330のスイッチ保持部材挿入部336がスイッチ保持部材340の保護シート部材押圧部343によって押圧されて凹み、保護シート部材330の操作カバー接触部335が操作カバー21の下面に接する。保護シート部材330は、操作カバー21とスイッチ保持部材340によって挟まれ固定されるので、保護シート部材330を固定するための部材が不要となる。
【0053】
また、本実施例では第1押圧部333および第2押圧部334の上面の位置は、操作カバー接触部335の上面の位置よりも下方に位置させているので、電源スイッチ開口部25および運転/一時停止スイッチ押圧部材320が挿入される運転/一時停止スイッチ開口部26から侵入した水や洗剤を第1押圧部333および第2押圧部334に溜めることができ、マイクロスイッチ350への侵入を抑制することができる。
【0054】
次に、
図10および
図11を用いて、保護シート部材330と前面カバー1bの関係について説明する。
【0055】
図10は、ドラム式洗濯機100の一部を断面した断面斜視図である。
図10では、右前方から見ている。
図11は、前方からを後方側(裏面側)から見た外観斜視図である。
【0056】
上述したように、保護シート部材330の操作カバー接触部335の前側(前面カバー1b側)には、前側(前面カバー1b側)に向かうに従い下方に向かって傾斜する傾斜部337を備えている。傾斜部337は前面カバー1bに接触させるようにしても良い。
【0057】
また、前面カバー1bの後方側(裏面側)には、後方に向かって突出すると共に筐体1の中央部側から右側(外側)に向かうに従い下るように傾斜した案内部材15と、後方に向かって突出すると共に筐体1の中央部側から左側(外側)に向かうに従い下るように傾斜した案内部材16が形成されている。案内部材15は、傾斜部337の下方に位置させている。また案内部材16は、手動投入部5の下方に位置させている。
【0058】
電源スイッチ押圧部材310が挿入される電源スイッチ開口部25および運転/一時停止スイッチ押圧部材320が挿入される運転/一時停止スイッチ開口部26から侵入した水や洗剤は、第1押圧部333および第2押圧部334に溜まるが、第1押圧部333および第2押圧部334から溢れた水や洗剤は傾斜部337に沿って流れ、傾斜部337の先端部から筐体1内の下方に向かって落下する。傾斜部337の先端部から落下した水や洗剤は、ドア4を避け、案内部材15で補水され、案内部材15の傾斜に沿って筐体1の右側(外側)に向かって流れる。そして、案内部材15に溜まった水や洗剤は、乾燥運転時に発生する熱により自然蒸発する。
【0059】
また、手動投入部5から漏れた洗剤や柔軟剤は、筐体1内の下方に向かって落下する。傾斜部337の先端部から落下した水や洗剤は、ドア4を避け、案内部材16で補水され、案内部材16の傾斜に沿って筐体1の左側(外側)に向かって流れる。そして、案内部材16に溜まった洗剤や柔軟剤は、乾燥運転時に発生する熱により自然蒸発する。
【0060】
本実施例によれば、保護シート部材330の前面カバー1b側に傾斜部337を備え、傾斜部337の下方に位置する前面カバー1bに案内部材15を設けるようにしたので、水や洗剤がドア4に付着するのを抑止し、回転ドラム3から衣類を取り出す際に衣類が汚れることを抑制できる。同様に、手動投入部5の下方に位置する前面カバー1bに案内部材16を設けるようにしたので、洗剤や柔軟剤がドア4に付着するのを抑止し、回転ドラム3から衣類を取り出す際に衣類が汚れることを抑制できる。
【0061】
次に操作カバー21と操作スイッチ部30の外観について、
図12を用いて説明する。
図12は、操作カバー21に設置された操作スイッチ部30の外観拡大図である。
【0062】
操作カバー21には、操作スイッチ部30の種類がわかるよう文字が記載されている。例えば、使用者側から見て電源スイッチ31(電源スイッチ押圧部材310)の後方の位置には「電源 切/入」の文字が記載され、運転/一時停止スイッチ32(運転/一時停止スイッチ押圧部材320)の後方の位置には「スタート/一時停止」の文字が記載されている。そして、電源スイッチ31(電源スイッチ押圧部材310)および運転/一時停止スイッチ32(運転/一時停止スイッチ押圧部材320)は、それぞれ文字の長さに合わせて左右方向の長さを決定している。
【0063】
本実施例では、文字の長さに合わせ、電源スイッチ31(電源スイッチ押圧部材310)の左右方向の長さよりも、運転/一時停止スイッチ32(運転/一時停止スイッチ押圧部材320)の左右方向の長さを長くしている。
【0064】
本実施例によれば、文字の長さに合わせて電源スイッチ31(電源スイッチ押圧部材310)および運転/一時停止スイッチ32(運転/一時停止スイッチ押圧部材320)の左右方向の長さを決定するようにしているので、視認性を向上することができる。本実施例では、使用者側から見て電源スイッチ31(電源スイッチ押圧部材310)の後方の位置、および運転/一時停止スイッチ32(運転/一時停止スイッチ押圧部材320)の後方の位置にそれぞれ文字を記載しているが、記載する文字の位置は前方であっても良い。
【0065】
以上説明した本実施例では、ドラム式洗濯機に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、縦型洗濯機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…筐体、1a…側板、1b…前面カバー、1c…背面カバー、1d…上面カバー、1e…下部前面カバー、1f…糸屑フィルタカバー、2…外槽、3…回転ドラム(内槽)、4…ドア、4h…ヒンジ、4t…ドア取っ手、5…手動投入部、6…投入蓋、10…投入開口部、11…自動投入部、12…操作スイッチ取付部、15…案内部材、16…案内部材、21…操作カバー、23…タッチパネル、24…タッチパネル開口部、25…電源スイッチ開口部、26…一時停止スイッチ開口部、30…操作スイッチ部、31…電源スイッチ、32…一時停止スイッチ、100…ドラム式洗濯機、310…電源スイッチ押圧部材、311…電源スイッチ押圧部材本体、312…第1突起収容空間、313…第1爪部、320…一時停止スイッチ押圧部材、321…一時停止スイッチ押圧部材本体、322…第2突起収容空間、323…第2爪部、330…保護シート部材、331…第1突起部、332…第2突起部、333…第1押圧部、334…第2押圧部、335…操作カバー接触部、336…スイッチ保持部材挿入部、337…傾斜部、340…スイッチ保持部材、341…第1受け部、341a…第1弾性支持部、342…第2受け部、342a…第2弾性支持部、343…保護シート部材押圧部、344a…第1固定爪部、344b…第1固定爪部、345a…第1挿入突起、345b…第1挿入突起、346a…第2固定爪部、346b…第2固定爪部、347a…第2挿入突起、347b…第2挿入突起、348…ねじボス、350…マイクロスイッチ、350a…第1マイクロスイッチ、350b…第2マイクロスイッチ、351a…第1スイッチ部、351b…第2スイッチ部、360…ねじ