(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134925
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】販売データ処理システム、取引管理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240927BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/12 311B
G07G1/12 321E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045377
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 圭一郎
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA05
3E142EA02
3E142FA22
5L030BB21
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】移動販売における商品の金額の設定が効率的に行われるようにする。
【解決手段】精算対象の商品を登録する登録手段と、販売態様を判定する販売態様判定手段と、前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段とを備えて販売データ処理システムを構成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精算対象の商品を登録する登録手段と、
販売態様を判定する販売態様判定手段と、
前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段と
を備える販売データ処理システム。
【請求項2】
前記販売態様は販売モードであり、
当該販売モードの指定を受け付ける指定受付手段をさらに備え、
前記販売態様判定手段は、前記指定受付手段が受け付けた販売モードの指定に基づいて販売態様の判定を行う
請求項1に記載の販売データ処理システム。
【請求項3】
位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、
前記販売態様判定手段は、前記位置情報取得手段が取得した位置情報が所定の範囲に含まれるか否かに基づいて販売態様を判定する
請求項1に記載の販売データ処理システム。
【請求項4】
店員識別情報の入力を受け付ける店員識別情報受付手段を備え、
前記販売態様判定手段は、前記店員識別情報受付手段により特定される店員識別情報に基づいて販売態様を判定する
請求項1の販売データ処理システム。
【請求項5】
前記登録手段により登録された商品の精算を行う精算手段と、
前記登録手段による商品の登録が行われているときと前記精算手段による精算が行われているときとの少なくともいずれか一方において、所定の条件が満たされたことに応じて、現在において前記販売態様判定手段により判定されている販売態様を報知する報知手段とをさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の販売データ処理システム。
【請求項6】
前記登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格は店舗販売価格であり、
前記登録手段は、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格として、前記店舗販売価格に対して所定の増加率により増加させた価格により登録する
請求項1から4のいずれか一項に記載の販売データ処理システム。
【請求項7】
商品識別情報を取得する取得手段と、
取得した商品識別情報により特定される商品の商品情報を商品情報記憶部から検索する検索手段と、
販売態様を判定する販売態様判定手段と、
前記特定される商品の価格を設定するにあたり、前記検索された商品情報が示す価格により設定する、あるいは前記検索された商品情報が示す価格よりも増加させた価格を設定するのかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段と
を備える取引管理装置。
【請求項8】
情報処理端末による販売データ処理装置としてのコンピュータを、
精算対象の商品を登録する登録手段、
販売態様を判定する販売態様判定手段、
前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売データ処理システム、取引管理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動販売にて使用され、ECR(Electronic Cash Register)機能を備えた売上データ処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動販売にて商品を販売するにあたっては、実店舗にて販売する場合よりも高い価格を設定する場合がある。移動販売に際して商品を販売する場合における実店舗と異なる価格(金額)の設定について、例えば店員等の負担が軽減されるようにして効率的に行われることが好ましい。
【0005】
本発明は、移動販売における商品の金額の設定が効率的に行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、精算対象の商品を登録する登録手段と、販売態様を判定する販売態様判定手段と、前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段とを備える販売データ処理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、商品識別情報を取得する取得手段と、取得した商品識別情報により特定される商品の商品情報を商品情報記憶部から検索する検索手段と、販売態様を判定する販売態様判定手段と、前記特定される商品の価格を設定するにあたり、前記検索された商品情報が示す価格により設定する、あるいは前記検索された商品情報が示す価格よりも増加させた価格を設定するのかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段とを備える取引管理装置である。
【0008】
本発明の一態様は、情報処理端末による販売データ処理装置としてのコンピュータを、精算対象の商品を登録する登録手段、販売態様を判定する販売態様判定手段、前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段として機能させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における取引管理システムの一例を示す図である。
【
図2】本実施形態における会計アプリケーションのトップ画面とメニューリストエリアの一例を示す図である。
【
図3】本実施形態における会計アプリケーションの商品登録画面の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における通信情報端末の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における取引管理装置の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における商品情報の構造例を示す図である。
【
図7】本実施形態における取引実績情報の構造例を示す図である。
【
図8】本実施形態における通信情報端末が販売モードの設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態における通信情報端末と取引管理装置とが一取引に対応する会計に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
[取引管理システムの構成例]
図1は、本実施形態の取引管理システムの一例を示している。本実施形態の取引管理システムは、店舗STにて行われる取引と移動販売場所SPに行われる取引とのそれぞれに対応して管理を行う。
店舗STは、店舗での販売(店舗販売)としての販売態様(販売形態)により商品が販売される。移動販売場所SPは、例えばデパートの催事場やイベント会場等のように、店舗STから離れた場所であって、店舗STにて販売しているのと同じ商品が販売される。
【0011】
店舗STにおいては、POS端末100が定常的に設置されている。POS端末100は、店舗STにおける取引に対応して会計を行う。つまり、POS端末100は、店舗STにて販売されている商品のうちから客が購入対象(生産対象)とする商品を登録する登録処理を実行し、登録された商品に対応する精算処理を実行する。
本実施形態において、「会計」は、一取引における商品登録から精算までの工程を含む概念である。
【0012】
POS端末100は、取引管理装置300とネットワーク経由で通信可能に接続される。POS端末100は、取引管理装置300が記憶する商品マスタを取得し、取得した商品マスタを利用して登録処理を実行する。また、POS端末100は、一取引に対応して実行された精算処理の結果を示す精算結果情報を取引管理装置300に送信する。取引管理装置300は受信した精算結果情報を、取引実績情報として記憶してよい。
【0013】
取引管理装置300は、ネットワーク上に設けられるクラウドサーバとして構成されるものであってもよいし、店舗STのネットワーク、あるいは店舗STを含む系列店舗のネットワーク上に設けられる店舗ネットワークのサーバとして構成されるものであってもよい。
【0014】
POS端末100は、店員が商品登録に対応する操作と精算に対応する操作とを行うようにされたものであってもよい。あるいは、POS端末100は、店員が登録に対応する操作を行い、客が精算に対応する操作を行うようにされたものであってもよい。あるいは、POS端末100は、客が商品登録に対応する操作と精算に対応する操作とを行うようにされたフルセルフタイプであってもよい。
【0015】
また、店舗STにおいては、通信情報端末200が設置されてよい。通信情報端末200は、店員が会計を行うのに使用する端末である。通信情報端末200は、例えばスマートフォン、タブレット端末、専用の可搬型のPOS端末であってよい。
通信情報端末200は、取引管理装置300とネットワーク経由で通信可能に接続される。通信情報端末200は、登録対象の商品の商品コードを取引管理装置300に送信することで、取引管理装置300が記憶する商品マスタを取得し、取得した商品マスタを利用して登録処理を実行する。また、通信情報端末200は、一取引に対応して実行された精算処理の結果を示す精算結果情報を取引管理装置300に送信する。取引管理装置300は受信した精算結果情報を、取引実績情報として記憶してよい。
あるいは、通信情報端末200は、登録対象の商品から商品コードを取得するごとに、取得した商品コードを取引管理装置300に送信し、取引管理装置300が、受信した商品コードに対応して自己の記憶する商品マスタから検索した商品情報を通信情報端末200に送信してよい。通信情報端末200は、送信された商品情報を利用して商品登録を実行してよい。また、登録された商品の合計金額の算出は、例えば取引管理装置300において、商品登録が実行される都度に更新するようにして行われてもよいし、商品登録の完了に応じてバッチ処理的に行われてもよい。また、通信情報端末200において商品登録結果を示すように表示される商品登録画面にて表示される合計金額に関しては、通信情報端末200が実行するようにされてよい。
【0016】
店舗STを運営する業者は、移動販売も行っている。移動販売にあたっては、移動販売の要員である店員が、通信情報端末200を所持したうえで移動販売車VHで移動販売場所SPにまで移動し、移動販売場所SPにて商品を販売する。移動販売場所SPにて店員は、客が購入する商品について、通信情報端末200を操作して会計を行うようにされる。
移動販売に際しても、通信情報端末200は、取引管理装置300とネットワーク経由で通信可能に接続されていることで、店舗STに設置されている場合と同様に、取引管理装置300から商品マスタを取得し、取得した商品マスタを利用して登録処理を実行し、精算結果情報を取引管理装置300に送信させることで取引管理装置300取引実績情報として記憶させてよい。
【0017】
[通信情報端末の操作について]
本実施形態においては、移動販売の際の商品の価格については、例えば店舗販売よりも高くするように変更することが行われる。移動販売での商品の価格設定の仕方については特に限定されるものではなく、例えば所定の増加率により価格を変更してもよいし、一律の増加額を加算するようにして価格を変更してもよい。
【0018】
例えば、移動販売における取引において上記のような価格の変更に対応して会計を行うには、例えば店員が移動販売に対応して設定された価格を覚えておいたり、価格表を確認できるようにしておく。そのうえで、店員は、会計の際には、自分が覚えておいた価格、あるいは価格表で確認した価格を通信情報端末200に入力する操作を行えばよい。
しかしながら、この場合には、例えば店員のミス等により誤った価格が入力されてしまう可能性もある。
【0019】
そこで、本実施形態においては、通信情報端末200での会計にあたり、店員の操作に応じて、販売モードとして店舗販売モードと移動販売モードとで切り替えが可能なとされる。通信情報端末200は、店舗販売モードでは店舗販売に対応して設定された価格(店舗販売価格)による商品の登録と精算とを実行し、移動販売モードでは、移動販売に対応して設定された価格(移動販売価格)による商品の登録と精算とを実行するようにされる。
【0020】
図2および
図3を参照して、上記の店舗販売モードと移動販売モードとの間での切り替えを含む通信情報端末200の操作例について説明する。
店員は、店舗八橋と移動販売とのいずれかに対応して通信情報端末200を使用して会計を行うにあたり、店員は、通信情報端末200を操作して、会計アプリケーションを起動させる。会計アプリケーションが起動されたことに応じて、通信情報端末200の表示部には、トップ画面が表示される。
【0021】
図2(A)は、会計アプリケーションのトップ画面の一例を示している。同図のトップ画面においては、店員入力ボタンBT1、業務ボタンBT2、精算ボタンBT3、レポートボタンBT4、設定ボタンBT5、および登録開始ボタンBT6が配置されている。
【0022】
店員入力ボタンBT1は、通信情報端末200を使用して会計を行う店員(担当店員)を通信情報端末200に入力する操作が行われるボタンである。担当店員は、店員入力ボタンBT1を操作したうえで、例えば店員証に記録されている店員コード(店員識別情報)を通信情報端末200に読み取らせる操作を行う。例えば、店員コードがコードシンボル(バーコードや二次元コード等)として会員証に付されている場合、通信情報端末200は、カメラを用いたコードリーダにより店員コードを取得してよい。また、店員コードが、RFIDタグ(ICチップ)にデータとして記憶されている場合、通信情報端末200は、自身が備えるタグリーダにより店員コードを取得してよい。
通信情報端末200は、上記のように取得した店員コードを、担当店員の店員コードとして記憶する。
【0023】
業務ボタンBT2は、業務に関する項目を呼び出すボタンである。
【0024】
精算ボタンBT3は、コード決済、クレジットカードや電子マネー対応の決済を行う際に操作されるボタンである。クレジットカードや電子マネー対応の決済は、例えば通信情報端末200とクレジットカードや電子マネー対応の決済端末とが接続された状態のもとで可能なようにされてよい。
【0025】
レポートボタンBT4は、売上集計等の実績のレポートを出力させる場合に操作されるボタンである。
【0026】
設定ボタンBT5は、会計アプリケーションにおける各種の設定を行う場合に操作されるボタンである。
【0027】
登録開始ボタンBT6は、取引ごとに対応した会計が行われる会計処理(商品登録処理及び精算処理を含む)に移行させる場合に操作されるボタンである。
なお、移動販売にあたって通信情報端末200が、例えばスキャナ、モバイルプリンタ、決済端末等の外部機器と接続される場合には、登録開始ボタンBT6が操作されたことに応じて、通信情報端末200と外部機器との間で接続確認、認証等の処理が実行されるようにしてよい。
【0028】
また、トップ画面においては、ハンバーガーメニューMNが配置されている。ハンバーガーメニューMNが操作されことに応じて、所定のメニュー項目が提示される。
【0029】
通信情報端末200は、最初の起動に際しては、店舗販売モードが設定された状態で起動する。
図2(B)は、店舗販売モードが設定されている状態の通信情報端末200のハンバーガーメニューMNを操作して、メニューリストエリアAR1を表示させた状態の一例を示している。
同図のメニューリストエリアAR1においては、販売モード切替ボタンBT11が配置されている。販売モード切替ボタンBT11は、店舗販売モードと移動販売モードとで販売モードの指定を切り替える操作が行われるボタンである。現在において、通信情報端末200には店舗販売モードが指定されていることから、販売モード切替ボタンBT11は他方の販売モードである移動販売モードに切り替えるための操作が行われるボタンとして機能する。移動販売モードに切り替えるための操作が行われるボタンとして機能する場合の販売モード切替ボタンBT11には切替先の販売モードである「移動販売モード」が表示されている。
【0030】
店員が通信情報端末200を移動販売にて使用する場合には、ハンバーガーメニューMNを操作して
図2(B)のようにメニューリストエリアAR1を表示させ、「移動販売モード」と表示された販売モード切替ボタンBT11を操作する。
「移動販売モード」と表示された販売モード切替ボタンBT11が操作されたことに応じて、通信情報端末200は、販売モードの指定を移動販売モードに切り替え、メニューリストエリアAR1を消去してトップ画面の表示に戻す。
【0031】
図2(C)は、
図2(B)の状態から販売モード切替ボタンBT11が操作されたことに応じて表示されたトップ画面の一例を示している。
同図のトップ画面において、ハンバーガーメニューMNの右横には移動販売モードマークMKが配置されている。移動販売モードマークMKは、現在において移動販売モードが指定されていることを示す。移動販売モードマークMKの態様については特に限定されない。例えば、移動販売モードマークMKとして、移動販売モードを端的に示す文字等が表示されてよい。
【0032】
移動販売モードが指定されている
図2(C)の状態のもとでハンバーガーメニューMNを操作してメニューリストエリアAR1を表示させた場合、メニューリストエリアAR1には、切替先の販売モードである「店舗販売モード」と表示された販売モード切替ボタンBT11が配置される。このように「店舗販売モード」と表示された販売モード切替ボタンBT11を店員が操作した場合、通信情報端末200は、店舗販売モードを指定し、
図2(A)のように移動販売モードマークMKが配置されないトップ画面を表示する。
【0033】
店員は、販売モードとして店舗販売モードと移動販売モードとのいずれかが指定された状態のもとで、トップ画面における登録開始ボタンBT6を操作することができる。
登録開始ボタンBT6が操作されると、通信情報端末200は、取引ごとに応じた商品登録と精算とが可能な会計処理に移行する。通信情報端末200は、会計処理において、トップ画面が表示されているときに指定されていた販売モードを設定する。
【0034】
会計処理に移行すると、通信情報端末200の表示部には商品登録画面が表示される。商品登録画面は、一取引に対応して登録された商品に関する情報が示される画面である。店員は、商品登録画面が表示された状態のもとで、客が購入対象とする商品を登録する操作(商品登録操作)を行う。
【0035】
商品の登録は、店員が、通信情報端末200が備えるコードリーダの機能を用いて、商品コードを示すものとして商品に付されたコードシンボルを通信情報端末200に読み取らせることに応じて行われてよい。
あるいは、商品の登録は、店員が商品コードとしての文字列を通信情報端末200に入力する操作に応じて行われてよい。
あるいは、商品の登録は、店員が通信情報端末200が備えるカメラにより商品を撮像し、撮像画像に基づいて通信情報端末200または取引管理装置300が画像認識を実行して商品を識別し、識別した商品の商品コードを通信情報端末200が取得するようにしてよい。
【0036】
図3(A)は、店舗販売モードが設定された会計処理のもとで1つの商品が登録された状態の商品登録画面の一例を示している。同図においては商品名が「ペットボトル緑茶」である1点の商品が登録されており、当該商品の税抜き価格が150円であり、小計金額の欄には、当該税抜き価格と税率とに応じて求められる税込価格である165円が示されている。
【0037】
図3(B)は、移動販売モードが設定された会計処理のもとで、
図3(A)と同じ1つの商品が登録された状態の商品登録画面の一例を示している。同図においては、当該商品の税抜き価格が170円であり、小計金額の欄には、当該商品の税込価格である187円が示されている。
【0038】
図3(A)と
図3(B)とを比較してわかるように、同じ商品について、
図3(B)において示される税抜き価格(および税込価格)は、
図3(A)において示される税抜き価格(および税込価格)よりも高くなっている。つまり、本実施形態の通信情報端末200は、会計アプリケーションの起動時において販売モードとして店舗販売モードと移動販売モードとのいずれかを指定して会計処理に移行することで、会計処理において店舗販売モードと移動販売モードとのいずれかが設定されるようになっている。そして、商品の登録に際しては、店員が特に価格に関する操作を行わなくとも、設定された販売モードに対応する価格で商品が登録される。
以降において、店舗販売モードに対応して設定される商品の価格については店舗販売価格と記載し、移動販売モードに対応して設定される商品の価格については移動販売価格とも記載する。
【0039】
また、商品登録に際して、例えば一定数量を購入した場合には商品の合計価格を下げるようにして値下げを行うなど、所定の事情により一時的に商品の価格を変更する必要が生じる場合がある。このような場合には、店員が通信情報端末200に対して所定操作を行うことで、価格変更画面を表示させ、表示された価格変更画面を操作して商品の価格を変更可能とされている。
【0040】
図3(C)は、通信情報端末200の表示部に表示される価格変更画面の一例を示している。同図の価格変更画面においては、数量指定エリアAR21と価格入力エリアAR22とが配置されている。
数量指定エリアAR21は、登録対象とされた1品目の商品の購入個数を指定する操作が行われるエリアである。
なお、数量指定エリアAR21に対する購入個数を指定する操作では、購入個数をゼロとする操作は不可として、あくまでも購入対象とする商品の購入個数を変更する操作が可能なようにされてよい。
価格入力エリアAR22は、例えば数量指定エリアAR21にて指定された購入個数に対応して一時変更する金額を、あるいは値引き額もしくは割り引き額を入力する操作が行われるエリアである。なお、価格入力エリアAR22は、購入対象の商品の1個あたりの価格(単価)を一時変更する金額として入力(変更)可能とされてよい。
また、価格変更画面においては、商品取消ボタンBT21と決定ボタンBT22とが配置される。商品取消ボタンBT21は対象の商品の登録を取り消す操作が行われるボタンである。決定ボタンBT22は、価格変更画面に対して行われた操作により入力された価格変更の内容の決定を指示する操作が行われるボタンである。
【0041】
[通信情報端末の構成例]
図4は、通信情報端末200の構成例を示している。同図の通信情報端末200は、CPU201、記憶部202、RAM203、表示部204、操作部205、撮像部206、通信部207、センサ部208、位置情報取得部209、及び音出力部210を備える。
【0042】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、通信情報端末200の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、CPU201の主記憶装置である。
【0043】
表示部204は、CPU201の表示制御に応じて画像を表示する。表示部204は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部205は、通信情報端末200に備えられる各種操作子や通信情報端末200に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
【0044】
撮像部206は、CPU201の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部206は、2次元コードを処理するコードリーダにおいて2次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
【0045】
通信部207は、外部と通信を行う。通信部207は、無線によりネットワーク経由で取引管理装置300と通信を行う。
【0046】
位置情報取得部209は、自己の位置情報を取得する。具体的に、位置情報取得部209は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応する測位デバイスにより自己の位置を測定し、測定した位置を示す位置情報を取得してよい。
【0047】
音出力部210は、スピーカあるいはイヤホンジャック等から電子音あるいは音声を出力する部位である。
【0048】
[取引管理装置の構成例]
図5は、取引管理装置300の構成例を示している。同図の取引管理装置300は、CPU301、記憶部302、RAM303、および通信部304を備える。
【0049】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引管理装置300の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
RAM303は、CPU301の主記憶装置である。
通信部304は、外部と通信を行う。通信部304は、無線によりネットワーク経由で通信情報端末200と通信を行う。
【0050】
記憶部302は、商品マスタを記憶する。商品マスタは店舗STおよび移動販売にて販売する商品ごとの商品情報を格納したデータベースである。
【0051】
図6は、商品マスタにおいて格納される1品目の商品に対応する商品情報の構造例を示している。
1品目の商品に対応する商品情報は、商品コード、商品名、価格、税率等のフィールドを含む。
商品コードのフィールドは、商品コードを格納する。商品コードは、対応の商品を一意に示す識別情報である。
商品名のフィールドは、対応の商品の名称(商品名)を格納する。
価格のフィールドは、対応の商品に設定された価格を格納する。価格のフィールドに格納される価格は、店舗販売に対応して設定された価格(店舗販売価格)である。
【0052】
記憶部302は、取引実績情報を記憶する。取引実績情報は、店舗販売にて行われた取引結果(精算結果)を示す情報である。
【0053】
図7は、一取引に対応する取引実績情報の構造例を示している。取引実績情報は、取引日時、店舗名、担当店員、登録商品情報、販売態様フラグ等のフィールドを含む。
取引日時のフィールドは、対応の取引が行われた日時(取引日時)を格納する。取引日時は、対応の取引が開始された日時(例えば、1つ目の商品が登録された日時)であってもよいし、対応の取引が終了した日時(例えば、精算が完了した日時)であってもよい。
担当店員のフィールドは、担当店員を示す情報(例えば、店員識別情報)を格納するフィールドである。
登録商品情報のフィールドは、対応の取引において登録され、精算の対象とされた商品の商品情報を格納する。登録商品情報が格納する商品情報の構造は
図6と同様でよい。また、登録商品情報においては、商品の登録順が示されてよい。また、登録商品情報に格納される商品情報は、店舗販売モードのもとで会計された取引である場合には、商品の価格として店舗販売価格が示され、移動販売モードのもとで会計された取引である場合には、商品の価格として移動販売価格が示される。
販売モードフラグのフィールドは、販売モードフラグを格納する。販売モードフラグは、対応の取引の会計が店舗販売モードと移動販売モードとのいずれの販売モードのもとで行われたのかを示すフラグである。
【0054】
[処理手順例]
図8のフローチャートを参照して、通信情報端末200が販売モードの設定に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0055】
ステップS100:店員の会計アプリケーションを起動させる操作が行われたことに応じて、通信情報端末200は、会計アプリケーションを起動させる。
【0056】
ステップS102:会計アプリケーションを起動させたことに応じて、通信情報端末200は、トップ画面を表示する。起動後の初期状態では店舗販売モードが指定されていることから、当該ステップS102においては、店舗販売モードが指定された状態に対応するトップ画面が表示される(
図2(A))。
【0057】
ステップS104:ステップS102の処理の後、通信情報端末200は、トップ画面に対して移動販売モード指定操作が行われたか否かを判定する。移動販売モード指定操作は、
図2(B)のようにメニューリストエリアAR1にて配置された、移動販売モードへの切り替え機能を有する販売モード切替ボタンBT11に対する操作である。
【0058】
ステップS106:ステップS104にて移動販売モード指定操作が行われたことに応じて、通信情報端末200は、販売モードとして移動販売モードを指定する。ここでの移動販売モードの指定とは、会計処理に移行した際に設定する販売モードとして移動販売モードを指定することである。
【0059】
ステップS108:ステップS106の処理の後、通信情報端末200は、移動販売モードの指定されていることを示す移動販売モードマークMKを配置したトップ画面を表示する。
【0060】
ステップS110:ステップS108の後、あるいはステップS104にて移動販売モード指定操作が行われないと判定された場合、あるいは後述の店舗販売モード指定操作が行われていないと判定された場合、通信情報端末200は、会計移行操作が行われたか否かを判定する。会計移行操作は、トップ画面に配置された登録開始ボタンBT6に対する操作である。
【0061】
ステップS112:会計移行操作が行われないと判定された場合、通信情報端末200は、店舗販売モード指定操作が行われたか否かを判定する。店舗販売モード指定操作は、通信情報端末200が販売モードとして移動販売モードを指定している状態においてメニューリストエリアAR1にて配置された、店舗販売モードへの切り替え機能を有する販売モード切替ボタンBT11に対する操作である。
店舗販売モード指定操作が行われないと判定された場合には、ステップS110に処理が戻される。
【0062】
ステップS114:ステップS112にて店舗販売モード指定操作が行われたと判定された場合、通信情報端末200は、店舗販売モードを指定する。ここでの店舗販売モードの指定とは、会計処理に移行した際に設定する販売モードとして店舗販売モードを指定することである。
【0063】
ステップS116:ステップS114の処理の後、通信情報端末200は、店舗販売モードが指定されたことに応じて、移動販売モードマークMKが配置されていないトップ画面を表示する。
ステップS116の処理の後は、ステップS104に処理が戻される。
【0064】
ステップS118:ステップS110にて会計移行操作が行われたと判定された場合、通信情報端末200は、現在指定されている販売モードが店舗販売モードと移動販売モードとのいずれであるのかを判定する。
【0065】
ステップS120:ステップS118にて店舗販売モードが指定されていると判定された場合、通信情報端末200は、店舗販売モードを設定した会計処理に移行する。
【0066】
ステップS122:ステップS118にて移動販売モードが指定されていると判定された場合、通信情報端末200は、移動販売モードを設定した会計処理に移行する。
【0067】
図9のフローチャートを参照して、通信情報端末200と取引管理装置300とが一取引に対応する会計に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、通信情報端末200が実行する処理手順例について説明する。
ステップS200:通信情報端末200は、店舗販売モードと移動販売モードとのいずれかの販売モードが設定されたうえで会計処理に移行している状態にある。このように会計処理に移行している状態のもとで、通信情報端末200は商品コードの入力が行われるのを待機する。このように商品コードの入力を待機しているとき、通信情報端末200は、現取引におけるこれまでの商品登録結果が反映された商品登録画面を表示部204にて表示している。
【0068】
ステップS202:商品コードが入力されると、通信情報端末200は、取引管理装置300に商品情報要求を送信する。商品情報要求には、ステップS200にて入力された商品コードと、現在において設定されている販売モードが店舗販売モードと移動販売モードとのいずれであるのかを示す販売モード識別情報とを含む。
【0069】
ステップS204:ステップS202により送信された商品情報要求に応答して、取引管理装置300は、ステップS200にて入力された商品コードが示す商品の商品情報を通信情報端末200に送信する。
通信情報端末200は、現取引における商品の登録結果を示す商品登録情報を記憶している。通信情報端末200は、送信された商品情報の内容が反映されるように、商品登録情報を更新する。
【0070】
ステップS206:通信情報端末200は、ステップS204にて更新した商品登録情報の内容が反映されるように、表示部204にて表示している商品登録画面を更新する。この際、商品登録画面において示される登録商品ごとのリスト項目における価格は、店舗販売モードが設定されている場合には店舗販売価格を示し、移動販売モードが設定されている場合には移動販売価格を示す。
【0071】
ステップS208:ステップS206の処理の後、あるいはステップS200にて商品コードの入力がないと判定された場合、通信情報端末200は、これまでの商品登録を完了して精算に移行するか否かを判定する。通信情報端末200は、商品登録完了確認としての所定操作が店員により行われた場合に精算に移行すると判定してよい。
【0072】
ステップS210:ステップS208にて精算に移行すると判定されると、通信情報端末200は、これまでの商品登録に応じた処理から精算に対応する処理(精算処理)に移行する。
【0073】
ステップS212:精算処理の完了に応じて、通信情報端末200は、精算処理結果が示された客向けのレシートを発行してよい。レシートの発行は、例えば通信情報端末200と接続されたプリンタにより行われてよい。あるいは、客の会員番号などが取得可能な場合には、会員番号と対応付けた電子レシートとして発行されるようにして、客の端末などで出力可能なようにされてもよい。
また、通信情報端末200は、当該ステップS212にてレシートを発行するにあたり、移動販売モードのもとで会計処理を実行しているときには、発行するレシートにおいて、移動販売モードでの取引であることを示す所定の態様の情報が印刷されるようにしてよい。
【0074】
また、ステップS212により発行するレシートにおいては、店舗販売価格に対する移動販売価格の差額について分かるようにされた内容が印刷されてよい。例えば、レシートには、移動販売売価に加えて店舗販売価格を印刷してもよいし、移動販売価格とともに、店舗販売価格との差額を印刷してもよい。このような差額に関する内容は、レシートにおける登録商品ごとの明細の欄に印刷されてもよいし、小計欄にて小計金額での差額が示されるように印刷されてもよい。
また、レシートにおいて、移動販売モードであることが、取引識別情報の一部の桁を店舗販売モードと異ならせることで示されるようにしてよい。また、販売場所ごとに販売場所識別情報が対応付けられて管理されている場合には、販売場所識別情報と取引識別情報とを組み合わせた値が印刷されてもよい。また、販売場所識別情報と取引識別情報とを組み合わせた値、もしくは販売場所識別情報と取引識別情報とのいずれかが、例えば二次元コード等のコードシンボルとして印刷されてもよい。
また、移動販売モードにおいて発行されるレシートにおいては、印刷する内容のレイアウトやフォントサイズ、フォント種別等を、店舗販売モードから変更しても良い。例えば、移動販売では、店舗まで赴くことが難しい高齢者が商品を購入してもらう機会も多い場合のあることを考慮して、高齢者が印刷された文字等を見やすいように、フォントサイズを大きくするとよい。
【0075】
ステップS214:ステップS212の処理の後、通信情報端末200は、今回の取引に対応する精算処理結果を示す精算結果情報を取引管理装置300に送信する。精算結果情報には、通信情報端末200に設定されている販売モードを示す販売モード識別情報を含む。
なお、通信情報端末200においても、精算結果情報が記憶部202に記憶されるようにしてよい。
【0076】
次に、取引管理装置300が商品情報要求の受信に応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS300:取引管理装置300は、ステップS202により通信情報端末200から送信された商品情報要求を受信すると、受信した商品情報要求に含まれる商品コードを格納する商品情報を商品マスタから検索する。
【0077】
ステップS302:取引管理装置300は、受信した商品情報要求に含まれる販売モード識別情報が店舗販売モードと移動販売モードのいずれの販売モードを示しているのかを判定する。
【0078】
ステップS304:取引管理装置300は、移動販売モードであると判定した場合、ステップS300にて検索した商品情報に格納される価格について、店舗販売価格から移動販売価格に変更する。
取引管理装置300は、移動販売価格の変更にあたり、予め移動販売に対応して定められた店舗販売価格に対する価格増加率あるいは増加額を用いて移動販売価格を算出してもよいし、商品ごとの移動販売価格を示す移動販売価格情報を参照して移動販売価格を特定してもよい。
【0079】
ステップS306:取引管理装置300は、ステップS300にて検索した商品情報を通信情報端末200に送信する。当該ステップS306により送信される商品情報が格納する価格は、受信した商品情報要求に含まれていた販売モード識別情報が移動販売モードを示していた場合には、ステップS304により移動販売価格に変更されている。一方、当該ステップS306により送信される商品情報に格納される価格は、受信した商品情報要求に含まれていた販売モード識別情報が店舗販売モードを示していた場合には、店舗販売価格のまま変更されていない。
【0080】
次に、取引管理装置300が取引実績情報の記憶に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS310:取引管理装置300は、ステップS214により通信情報端末200から送信された取引結果情報を受信する。取引管理装置300は、受信した取引結果情報に基づいて、対応の取引についての取引結果を示す取引実績情報(
図7)を生成する。取引実績情報を生成する際、取引管理装置300は、受信した取引結果情報に含まれる販売モード識別情報が示す販売モードを特定し、特定した販売モードを示す値を販売モードフラグのフィールドに格納する。
【0081】
ステップS312:取引管理装置300は、ステップS310により生成した取引実績情報を記憶部302に記憶する。
【0082】
<第2実施形態>
移動販売モードへの変更は、例えば予め定められた複数の移動販売場所SPのうちから、対象の移動販売場所SPを選択する操作に応じて行われてよい。
【0083】
この場合には、取引管理システムにおいて移動販売場所ごとの所定の情報を格納した移動販売場所マスタが備えられてよい。移動販売場所マスタは、取引管理装置300が記憶したうえで、通信情報端末200が取引管理装置300から取得または参照するようにされてよい。
【0084】
移動販売場所マスタは、移動販売場所SPごとの移動販売場所情報を格納する。1つの移動販売場所SPに対応する移動販売場所情報は、移動販売場所識別情報、場所情報(住所あるいは緯度経度等)、移動販売価格(店舗販売価格に対する金額の増加に関する情報(増加率、増加額等)でもよい)、レシートの印刷形式を指定する印刷形式情報等を含んでよい。
【0085】
このような移動販売場所マスタを備えることで、例えば店員が通信情報端末200に対して移動販売場所SPを選択する操作を行ったことに応じて、選択された移動販売場所SPに対応する移動販売価格、レシートの印刷形式等が設定される。
【0086】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について説明する。本実施形態においては、販売モードの指定に関して、店員による通信情報端末200に対する操作に応じて行うのではなく、通信情報端末200が、自己の位置に基づいて行うようにされる。
【0087】
通信情報端末200は、例えば会計アプリケーションが起動されたことに応じて、位置情報取得部209が取得した位置情報が示す自己の位置(通信情報端末位置)について、店舗STに対応する位置範囲と、移動販売場所SPに対応する位置範囲とのいずれに含まれるのかを判定する。
【0088】
通信情報端末200は、通信情報端末位置が店舗STに対応する位置範囲に含まれていると判定すれば店舗販売モードを指定し、通信情報端末位置が移動販売場所SPに対応する位置範囲に含まれていると判定すれば移動販売モードを設定してよい。また、この場合の通信情報端末200は、通信情報端末位置が店舗STに対応する位置範囲と移動販売場所SPに対応する位置範囲とのいずれにも含まれていないと判定した場合には、販売モードの指定が不可であるとするエラー報知を行ってよい。
【0089】
なお、通信情報端末200は、通信情報端末位置が店舗STに対応する位置範囲に含まれていると判定すれば店舗販売モードを指定し、通信情報端末位置が店舗STに対応する位置範囲以外であると判定すれば移動販売モードを指定してもよい。
【0090】
なお、移動販売場所SPにて通信情報端末200が接続する無線LAN等のSSIDやIPアドレスなどが通信情報端末200の位置を示す位置情報として使用されてもよい。
【0091】
本実施形態において、上記の販売モードの指定は、会計アプリケーションが起動されてトップ画面が表示されるときに実行されてよい。通信情報端末200は、トップ画面について、例えば、
図2(A)、
図2(C)に例示したように、通信情報端末位置に基づいて指定した販売モードが店員に分かるような態様を付してよい。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、登録開始ボタンBT6が操作されときに指定されていた販売モードを、以降の会計処理における販売モードとして設定してよい。
【0092】
なお、本実施形態において移動販売場所マスタが備えられる場合、通信情報端末200は、移動販売場所マスタから通信情報端末位置が該当する場所情報を格納する移動販売場所情報を特定し、特定した移動販売場所情報に基づいて移動販売場所SPに対応する価格やレシートの印刷形式等を設定することができる。なお、移動販売場所情報は、例えば緯度・経度、住所等であってよい。
【0093】
<第4実施形態>
続いて、第4実施形態について説明する。本実施形態においては、店舗STにて通信情報端末200を操作して会計を担当する店員(店舗販売担当店員)と、移動販売にて通信情報端末200を操作して会計を担当する店員(移動販売担当店員)とで店員の属性が区別されている。本実施形態の取引管理装置300は、店員ごとの店員情報を格納する店員データベースを記憶し、店員情報においては、対応の店員が店舗販売担当店員と移動販売担当店員とのいずれの属性であるのかを示す担当属性識別情報が含まれる。
【0094】
通信情報端末200は、会計アプリケーションが起動されると、現在において担当店員として会計アプリケーションに登録されている店員が、店舗販売担当店員と移動販売担当店員とのいずれであるのかを取引管理装置300に問い合わせる。問い合わせにあたり、通信情報端末200は、会計アプリケーションに登録されている店員の店員識別情報を送信する。
【0095】
取引管理装置300は、問い合わせに応答して、問い合わせとともに送信された店員識別情報が示す店員の店員情報における担当属性識別情報を参照し、当該店員が店舗販売担当店員と移動販売担当店員とのいずれの担当属性であるのかを特定する。取引管理装置300は、特定した担当属性を示す担当属性情報を通信情報端末200に送信する。
【0096】
通信情報端末200は、受信した担当属性情報が店舗販売担当店員であれば店舗販売モードを指定し、移動販売担当店員であれば移動販売モードを指定する。
【0097】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、適宜組み合わせが可能である。
[第1変形例]
移動販売価格の算出に利用される増加率あるいは増加額等のパラメータ(価格算出パラメータ)は、商品に応じて異なっていてもよい。この場合において、価格算出パラメータは、例えば商品の分類、区分(品目種別、対応の部門等)に応じて異なるようにされてもよい。本変形例の場合、取引管理装置300は、例えば商品に応じた価格算出パラメータを示す価格算出パラメータテーブルを記憶する。取引管理装置300は、
図9のステップS304において、対象の商品に該当する価格算出パラメータを価格算出パラメータテーブルから取得し、取得した価格算出パラメータを用いて移動販売価格を算出してよい。
【0098】
[第2変形例]
移動販売価格は、移動販売場所SPに応じて変更されてよい。例えば、移動販売価格は、予め移動販売場所SPごとに応じて、店舗販売価格に対する増加率や増加額が予め定められており、取引管理装置300は、例えば
図9のステップS304にて、移動販売場所SPごとに対応して定められた増加率や増加額を用いて移動販売価格を算出するようにされてよい。この場合には、例えば通信情報端末200は、ステップS202により送信する商品情報要求に、自己が使用されている移動販売場所SPを示す情報を含め、取引管理装置300は、受信した商品情報要求に含まれる移動販売場所SPを示す情報に基づいて、移動販売価格の計算に用いる増加率や増加額を特定してよい。
【0099】
また、移動販売価格は、店舗STから移動販売場所SPまでの距離に応じて変更されてよい。この場合、店舗STから移動販売場所SPまでの距離は、直線距離であってもよいし、移動経路による距離であってもよい。
この場合、通信情報端末200は、
図9のステップS202により送信する商品情報要求に自己が使用されている移動販売場所SPを示す情報(移動販売場所情報)を含める。
取引管理装置300は、受信した商品情報要求に含まれる移動販売場所情報に基づいて店舗STから移動販売場所SPまでの距離を算出する。具体的に、取引管理装置300は、地図情報を利用して店舗STから移動販売場所情報が示す移動販売場所SPまでの距離(例えば直線距離)を算出する。
あるいは、移動販売場所情報は、店舗STから移動販売場所SPまで移動販売車VHが移動した移動経路の情報であってもよい。移動経路の情報は、例えば移動販売車VHとともに店舗STから移動販売場所SPまで移動していたときに、通信情報端末200が位置情報取得部209により取得した位置を記憶することで得られてよい。取引管理装置300は、移動経路を示す移動販売場所情報を利用して、移動経路に応じた店舗STから移動販売場所SPまでの距離を算出してよい。
また、取引管理装置300は、会計にあたり、移動販売価格に移動販売手数料を含めるようにしてよい。また、取引管理装置300は、移動販売にて購入される商品の点数や合計金額が一定以上となったことに応じて移動販売価格に移動販売手数料を含めないように処理してもよい。
【0100】
取引管理装置300は、算出した距離に応じて対象の商品の移動販売価格を算出する。取引管理装置300は、例えば算出した距離に対応付けられた増加率あるいは増加額を用いて移動販売価格を算出する。
【0101】
[第3変形例]
通信情報端末200が移動販売モードである場合の登録対象の商品の移動販売価格については、通信情報端末200が算出するようにされてよい。この場合の取引管理装置300は、通信情報端末200から送信された商品情報要求に応じて、商品マスタから検索した商品情報を通信情報端末200に送信してよい。このように送信される商品情報の価格のフィールドには店舗販売価格が格納されている。
通信情報端末200は、受信した商品情報に含まれる店舗販売価格と所定の増加率あるいは増加額とを利用して移動販売価格を算出してよい。
【0102】
[第4変形例]
通信情報端末200は、移動販売モードにて通信情報端末が精算処理を実行しているときに対応して、現在において精算処理の対象とされている取引が移動販売モードにおけるものであることの店員への報知(移動販売モード報知)を行ってよい。移動販売モード報知は、例えば文字列によるメッセージとして表示されてもよいし、所定のアイコン・マークなどとして表示されてもよいし、画面の背景の色や絵柄等の変更とされてもよい。
このような移動販売モード報知は、例えば精算処理ごとに所定のタイミングで行われてもよいが、店員が煩わしさを覚える場合もある。そこで、例えば、通信情報端末200は、所定の条件が満たされたことに応じて、移動販売モード報知を行ってよい。具体的には、通信情報端末200は、所定の会計回数おきに移動販売モード報知を行ってよい。また、通信情報端末200は、精算処理が実行されているときに定常的に移動販売モード報知を行ってもよいし、例えば精算処理の開始時、あるいは完了時、あるいは決済種別を選択する画面等の所定の画面の表示を開始する(あるいは表示中)といった所定の機会で実行されてもよい。
また、通信情報端末200は、商品登録に対応する商品登録画面を表示しているときに移動販売モード報知を行ってもよい。この場合にも、通信情報端末200は、所定の条件が満たされたことに応じて、移動販売モード報知を行ってよい。例えば、通信情報端末200は、所定の会計回数おきに移動販売モード報知を行ってよい。また、通信情報端末200は、商品登録中において継続的に移動販売モード報知を行ってもよいし、例えば商品登録画面の表示の開始時等のように所定の機会で移動販売モード報知を行ってもよい。
【0103】
[第5変形例]
特売、会員価格、バンドルミックスペアマッチ等のサービス価格の適用、クーポン発行、特定日のポイント増加などの特典付与の適用に関して、店舗販売モードと移動販売モードとでそれぞれ個別設定されてよい。このようなサービス価格や特典に関する設定内容を示す設定情報は、取引管理装置300が記憶してよい。
【0104】
[第6変形例]
移動販売場所での取引により購入された商品の返品にあたっては、以下のようにして返品対象の取引が特定されてよい。
移動販売での取引は、店舗販売と移動販売とを合わせて取引ごとに一意となるように付された取引識別情報(例えば、取引番号)により管理される。移動販売にて発行されるレシートには設定された取引識別情報が印刷される。客からの返品の対応では、例えば店員が通信情報端末200あるいは店舗STのPOS端末100を操作して、客から提示されたレシートに印刷された取引識別情報により取引を検索し、検索した取引を対象に返品対応を行えばよい。
あるいは、移動販売の取引は、移動販売であることを示す情報(フラグ)と取引識別情報(この場合、店舗販売での取引識別情報と重複してもよい)との組み合わせによって特定されるように管理されてよい。この場合、移動販売にて発行されるレシートには、移動販売であることを示す情報と取引識別情報とが印刷される。この場合、客からの返品の対応では、店員が通信情報端末200あるいは店舗STのPOS端末100を操作して、返品対象の取引が移動販売であることを指定したうえで、客から提示されたレシートに印刷された取引識別情報により取引を検索し、検索した取引を対象に返品対応を行えばよい。
また、取引管理システムが移動販売場所マスタを備える場合には、移動版倍における取引は、移動販売場所マスタが格納する移動販売場所識別情報と取引識別情報との組み合わせにより特定されるようにしてもよい。
【0105】
[第7変形例]
移動販売では、通信情報端末200を決済端末やモバイルプリンタ等の所定の周辺機器と接続する場合がある。そこで、通信情報端末200は、移動販売モードが指定されたか否かの判定にあたり、所定の周辺機器が接続されている否かを判定してもよい。通信情報端末200は、例えば通信接続された際に周辺機器から取得した周辺機器情報を参照し、移動販売にて接続が指定された周辺機器であるか否かにより、所定の危機が接続されているか否かを判定してよい。
また、例えば通信情報端末200について、店舗販売での使用の際には有線で周辺機器と接続し、移動販売の際には無線で周辺機器と接続するとの運用とされている場合、通信情報端末200は、無線により周辺機器と接続されているか否かにより移動販売モードが指定されたか否かを判定してよい。
本変形例において周辺機器が接続されていても、接続が指定された周辺機器でない場合には、通信情報端末200はエラーとして処理してよい。
【0106】
[第8変形例]
移動販売モードでの会計において、店舗の会員である客が所持する会員カード(マイナンバーカードであってもよい)を通信情報端末200に読み取らせてもよい。
会員カードを読み取らせた場合には、通信情報端末200は、会員カードから会員識別情報を取得する。通信情報端末200は、例えば取引管理装置300が記憶する会員情報のうちから、取得した会員識別情報に対応付けられた会員情報を参照する。取引管理装置300は、参照した会員情報において示される客の年齢層が一定以上の高齢者層である場合には、例えば移動販売価格よりも低い所定の価格(例えば、店舗販売価格、移動販売価格に対して所定の低下率、値引き額により算出した価格)を設定して商品登録を行ってよい。
また、この場合において、会員カードから取得される会員識別情報には、例えば運転免許について返納したか否かを示す免許返納フラグが対応付けられてよい。そのうえで、移動販売モードでの会計において、通信情報端末200が会員カードから読み取った会員識別情報に対応付けられている免許返納フラグが返納したことを示している場合には、通信情報端末200は、高齢者が自動車を運転せずに移動販売場所まで赴いたことへの特典として、移動販売価格から所定率あるいは所定額により減少させた価格により商品登録を行ってよい。
【0107】
[第9変形例]
取引管理システムにおいて、生鮮品や冷凍食品、総菜などの消費期限データを取得できる場合には販売期限の管理が行われてもよい。また、移動販売での店舗出発後の時間経過、または設定時間(例えば、販売開始時刻から商品の品質が保証できる時間等)に基づいて、取引管理システムにおいて、販売期限管理が行われてもよい。
また、取引管理システムにおいて、消費期限日時データが移動販売での商品に対応付けられている場合にも、消費期限日時データに基づいて販売期限管理を行うことができる。具体的には、販売期限日時データを商品に付すラベル等に印字することで、商品ごとの販売期限管理が可能となる。また、移動販売では、商品の保存状態を店舗と同等に維持することが難しい場合もあることから、店舗販売とは異なるようにされた移動販売対応の消費期限日時データが別途設定されてよい。
【0108】
[第10変形例]
また、通信情報端末200は、例えばブラウザにより取引管理装置300にアクセスし、取引管理装置300の処理結果が反映された会計関連の画面を表示し、画面に対する操作に応じて取引管理装置300が処理を実行するようされてよい。つまり、本実施形態の販売データ処理システムは、通信情報端末200が取引管理装置300と接続されるシンクライアントとして機能するようにされた構成であってよい。
【0109】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、販売データ処理システム、取引管理装置、及びプログラムに関する。
[背景技術]
移動販売にて使用され、ECR(Electronic Cash Register)機能を備えた売上データ処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2014-13483号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
移動販売にて商品を販売するにあたっては、実店舗にて販売する場合よりも高い価格を設定する場合がある。移動販売に際して商品を販売する場合における実店舗と異なる価格(金額)の設定について、例えば店員等に依ることなく適正に行われることが好ましい。
本発明は、移動販売における商品の金額の設定が適正に行われるようにすることを目的とする。
【0110】
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、精算対象の商品を登録する登録手段と、販売態様を判定する販売態様判定手段と、前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段とを備える販売データ処理システムである。
【0111】
上記構成によれば、商品登録にあたり、販売態様(例えば、販売モード)の判定結果に応じて、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格(例えば、店舗販売価格)により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格(移動販売価格)により登録することができる。これにより、移動販売における商品の金額の設定が効率的に行われるようになる。
【0112】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の販売データ処理システムであって、販売態様の指定を受け付ける指定受付手段をさらに備え、前記販売態様判定手段は、前記指定受付手段が受け付けた販売態様に基づいて判定を行ってよい。
【0113】
上記構成によれば、例えば店員が通信情報端末200に対して行う販売モードを指定する操作に応じて、会計処理における販売モードの設定を行うことが可能となる。
【0114】
(3)本実施形態の一態様は、(1)に記載の販売データ処理システムであって、位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、前記販売態様判定手段は、前記位置情報取得手段が取得した位置情報が所定の範囲に含まれるか否かに基づいて販売態様を判定してよい。
【0115】
上記構成によれば、通信情報端末200の位置が移動販売場所SPに対応する位置範囲に含まれていれば、店員の操作等によることなく、販売モードとして移動販売モードを設定することが可能となる。
【0116】
(4)本実施形態の一態様は、(1)に記載の販売データ処理システムであって、店員識別情報の入力を受け付ける店員識別情報受付手段を備え、前記販売態様判定手段は、前記店員識別情報受付手段により特定される店員識別情報に基づいて販売態様を判定してよい。
【0117】
上記構成によれば、担当店員の指定のために通信情報端末200に入力した店員コードにより示される店員が移動販売担当として登録されていれば、移動販売モードを設定することが可能となる。
【0118】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の販売データ処理システムであって前記登録手段により登録された商品の精算を行う精算手段と、前記登録手段による商品の登録が行われているときと前記精算手段による精算が行われているときとの少なくともいずれか一方において、所定の条件が満たされたことに応じて、現在において前記販売態様判定手段により判定されている販売態様を報知する報知手段とをさらに備えてよい。
【0119】
上記構成によれば、商品登録が開始されてから精算が完了するまでの間において適切な機会にて移動販売モード報知を店員に向けて行うことができる。
【0120】
(6)本実施形態の一態様は、商品識別情報を取得する取得手段と、取得した商品識別情報により特定される商品の商品情報を商品情報記憶部から検索する検索手段と、販売態様を判定する販売態様判定手段と、前記特定される商品の価格を設定するにあたり、前記検索された商品情報が示す価格により設定する、あるいは前記検索された商品情報が示す価格よりも増加させた価格を設定するのかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段とを備える取引管理装置である。
【0121】
(7)本実施形態の一態様は、情報処理端末(例えば、通信情報端末200)による販売データ処理装置としてのコンピュータを、精算対象の商品を登録する登録手段、販売態様を判定する販売態様判定手段、前記登録手段が商品を登録するにあたり、登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格により登録する、あるいは登録対象の商品に対応する商品情報が示す価格よりも増加させた価格により登録するかを、前記販売態様判定手段が判定した販売態様に基づいて判定する価格判定手段として機能させるためのプログラムである。
【0122】
なお、上述のPOS端末100、通信情報端末200、取引管理装置300等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOS端末100、通信情報端末200、取引管理装置300等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0123】
100 POS端末、200 通信情報端末、201 CPU、202 記憶部、203 RAM、204 表示部、205 操作部、206 撮像部、207 通信部、208 センサ部、209 位置情報取得部、210 音出力部、300 取引管理装置、301 CPU、302 記憶部、303 RAM、304 通信部