(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134934
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】小型モビリティおよび駐車設備
(51)【国際特許分類】
B62K 5/027 20130101AFI20240927BHJP
B62K 5/05 20130101ALI20240927BHJP
B62K 5/06 20060101ALI20240927BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B62K5/027
B62K5/05
B62K5/06
E04H6/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045395
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北尾 雄一朗
(72)【発明者】
【氏名】桜木 友喜
(72)【発明者】
【氏名】森林 健
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】長廻 武志
(72)【発明者】
【氏名】平川 太樹
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA02
3D011AA03
3D011AC04
(57)【要約】
【課題】省スペースで駐車ができシェアリングサービスに適した小型モビリティ、およびその駐車設備を提供すること。
【解決手段】小型モビリティ101は、オペレータが搭乗可能なデッキ1の前方に操舵可能に前輪2が設けられ、デッキ1の後方に後輪3が設けられた小型モビリティ101にあって、デッキ1は、同構成の他の小型モビリティ101’のデッキ1’と重なる状態において相互で前輪2や後輪3の干渉を避ける回避部21を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータが搭乗可能なデッキの前方に操舵可能に前輪が設けられ、前記デッキの後方に後輪が設けられた小型モビリティにあって、
前記デッキは、同構成の他の小型モビリティのデッキと重なる状態において相互で前記前輪や前記後輪の干渉を避ける回避部を有する、小型モビリティ。
【請求項2】
前記前輪が左右に一対設けられ、前記後輪が単一で設けられており、
前記回避部は、自身の前記デッキが前記他の小型モビリティのデッキの後方から重なる状態において、自身の前記前輪の間に前記他の小型モビリティのデッキを配置可能に構成されて前記前輪の間で前記他の小型モビリティの後輪を挿通可能な開口部と、前記デッキに設けられて前記他の小型モビリティの後輪を挿入可能な挿入部と、を含む、請求項1に記載の小型モビリティ。
【請求項3】
前記前輪が単一で設けられ、前記後輪が左右に一対設けられており、
前記回避部は、自身の前記デッキに前記他の小型モビリティのデッキが後方から重なる状態において、自身の前記後輪の間に前記他の小型モビリティのデッキが配置可能に構成され、自身の前記デッキに設けられて前記他の小型モビリティの前輪を挿入可能な挿入部を含む、
請求項1に記載の小型モビリティ。
【請求項4】
前記回避部は、前記デッキが後端側の下面よりも前端側の下面が漸次または階段状に高くなるように設けられる、
請求項1から3のいずれか1つに記載の小型モビリティ。
【請求項5】
前記後輪を駆動する駆動部と、
前記駆動部に電力を供給する非接触充電型のバッテリと、
を含み、
前記デッキが前記他の小型モビリティのデッキと重なる状態において、前記バッテリの非接触受電部が床から臨める部分に配置される、
請求項1に記載の小型モビリティ。
【請求項6】
オペレータが搭乗可能なデッキの前方に操舵可能に前輪が設けられ、前記デッキの後方に後輪が設けられており、前記後輪を駆動する駆動部、および前記駆動部に電力を供給する非接触充電型のバッテリを含む小型モビリティにあって、前記デッキは、同構成の他の小型モビリティのデッキと重なる状態において相互で前記前輪や前記後輪の干渉を避ける回避部を有し、前記バッテリの非接触受電部が床から臨める部分に配置される、小型モビリティが適用される、駐車設備であって、
前記小型モビリティの駐車が可能で、前記小型モビリティの走行方向に沿う通路の一端を入口とし他端を出口とした駐車部と、
前記駐車部の通路に沿って延在し前記駐車部に駐車される全ての前記小型モビリティの前記バッテリに非接触で給電が可能な給電部と、
を含む、駐車設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型モビリティおよび駐車設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、頻繁に乗り降りする用途に使用され、動力で走行する小型モビリティ(小型車両)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小型モビリティのシェアリングサービスを行う場合、平面の貸し出しおよび返却ステーションにおいては、小型モビリティの本体の占有床面積、ならびにそれに付随する駐車用ラックなどの占有面積が1台ごとに必要であり、単位面積あたりの駐車可能台数に大きな制限がある。また、駐車と取り出しを行うためのスペースを含め、1台ごとにある程度の広さを持った長方形型に近い駐車スペースを確保する必要があり、ある程度の変形は可能ではあるが、敷地形状の点でも制約が大きい。
【0005】
一方、立体の貸し出しおよび返却ステーションであれば、上記の制限はある程度の緩和が可能であるが、設置にかかる費用と、貸し出しおよび返却における管理者・利用者双方の利便性が平面に比べて低下する。
【0006】
近年、電動小型モビリティにおいては、非接触給電装置を用いて給電用コードなどを接続する手間を省略できる技術が存在するが、1台ずつ平面駐車する場合では、1台ずつの非接触給電装置が必要であり、1台の有線給電装置を複数の電動モビリティに繋ぐ場合と比較して、必要な機器の台数や設置に必要なスペースの面でデメリットがある。
【0007】
本発明は、省スペースで駐車ができシェアリングサービスに適した小型モビリティ、および小型モビリティに対する給電を効率よく実施することのできる駐車設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様の小型モビリティは、オペレータが搭乗可能なデッキの前方に操舵可能に前輪が設けられ、前記デッキの後方に後輪が設けられた小型モビリティにあって、前記デッキは、同構成の他の小型モビリティのデッキと重なる状態において相互で前記前輪や前記後輪の干渉を避ける回避部を有する。
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様の駐車設備は、オペレータが搭乗可能なデッキの前方に操舵可能に前輪が設けられ、前記デッキの後方に後輪が設けられており、前記後輪を駆動する駆動部、および前記駆動部に電力を供給する非接触充電型のバッテリを含む小型モビリティにあって、前記デッキは、同構成の他の小型モビリティのデッキと重なる状態において相互で前記前輪や前記後輪の干渉を避ける回避部を有し、前記バッテリの非接触受電部が床から臨める部分に配置される、小型モビリティが適用される、駐車設備であって、前記小型モビリティの駐車が可能で、前記小型モビリティの走行方向に沿う通路の一端を入口とし他端を出口とした駐車部と、前記駐車部の通路に沿って延在し前記駐車部に駐車される全ての前記小型モビリティの前記バッテリに非接触で給電が可能な給電部と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、省スペースで駐車ができシェアリングサービスに適した小型モビリティ、および小型モビリティに対する給電を効率よく実施することのできる駐車設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る小型モビリティの側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る小型モビリティの正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る小型モビリティの平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る小型モビリティの駐車状態の側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る小型モビリティの駐車状態の平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る小型モビリティの他の例の側面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る駐車設備の平面図である。
【
図8】
図8は、実施形態2に係る小型モビリティの側面図である。
【
図9】
図9は、実施形態2に係る小型モビリティの正面図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る小型モビリティの平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る小型モビリティの駐車状態の側面図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る小型モビリティの駐車状態の平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る小型モビリティの他の例の側面図である。
【
図14】
図14は、実施形態2に係る駐車設備の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0013】
なお、以下の説明では、互いに交差する前後方向X、幅方向Y、および上下方向Zの3つの方向を図で示している。各方向X,Y,Zは、相互に直交する。
【0014】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る小型モビリティの側面図である。
図2は、実施形態1に係る小型モビリティの正面図である。
図3は、実施形態1に係る小型モビリティの平面図である。
【0015】
実施形態の小型モビリティ101は、デッキ1と、前輪2と、後輪3と、フレームバー4と、連結部9と、駆動部11と、バッテリ12と、を含む。
【0016】
デッキ1は、板状に形成され、オペレータが搭乗することが可能な強度を有するものである。デッキ1は、平面視で前後方向Xの寸法に対して幅方向Yの寸法が小さい長方形状に形成される。デッキ1は、挿入部10を有する。挿入部10は、デッキ1の板を上下方向Zで貫通する孔として形成される。挿入部10は、後輪3を上下方向Zにおいて挿入することができる大きさに形成される。なお、実施形態の小型モビリティ101において、挿入部10は、デッキ1の前後方向X(長手方向)の半分よりも前方寄りに形成される。
【0017】
前輪2は、デッキ1の前側に配置される。前輪2は、実施形態の小型モビリティ101では、同形状のものが幅方向Yで左右一対設けられた双輪として構成される。
【0018】
後輪3は、デッキ1の後側に配置される。後輪3は、実施形態の小型モビリティ101では、単一の単輪として構成される。
【0019】
フレームバー4は、一対の前輪2を支持するものである。フレームバー4は、横枠4Aと、縦枠4Bと、車軸4Cと、を含む。横枠4Aは、幅方向Yに延びる棒状部材である。縦枠4Bは、横枠4Aの両端に固定され横枠4Aの両端から下方に延びる棒状部材である。車軸4Cは、縦枠4Bの下端に固定され、前輪2を回転可能に支持する部材である。即ち、フレームバー4は、下向きに開口するコ字形状に形成され、幅方向Yの開口端部にそれぞれ前輪2が回転可能に設けられる。フレームバー4は、横枠4A、縦枠4B、車軸4C、および一対の前輪2によって、前輪2および後輪3が接地する床Gを含み、前後方向Xで貫通する開口部4Dが形成される。この開口部4Dは、幅方向Yの最小寸法が一対の前輪2の間でW1として構成され、上下方向Zの最小寸法が床Gと横枠4Aとの間でH1として構成される。開口部4Dは、幅方向Yの最小寸法W1がデッキ1の幅方向Yの最大寸法W0、および後輪3の幅よりも大きい。また、開口部4Dは、上下方向Zの最小寸法H1が後輪3の上下方向Zの最大寸法H0よりも大きい。
【0020】
フレームバー4は、横枠4Aに操舵軸6が固定される。操舵軸6は、上下方向Zに沿って延び、その下端が一対の前輪2の中央となる横枠4Aの中央部に固定される。また、操舵軸6は、その上端にハンドル8が固定される。ハンドル8は、操舵軸6の上端から幅方向Yに沿って両側に延びる棒状部材であり、オペレータが掴む部分である。操舵軸6およびハンドル8は、図には明示しないが、始動スイッチや、スロットルや、ブレーキレバーや、バックミラーや、スピードメータなどが取り付けられる。また、操舵軸6は、自身が延在する上下方向Zに沿う軸心を中心として回転することが可能に旋回軸受7に取り付けられる。
【0021】
連結部9は、デッキ1と旋回軸受7とを連結するものである。連結部9は、一対の側枠9Aと、横枠9Bと、を含む。一対の側枠9Aは、前後方向Xおよび上下方向Zを複合した斜めに延び、下端がデッキ1の前端1Aに連結される。横枠9Bは、幅方向Yに沿って延び、一対の側枠9Aの上端を接続する。また、横枠9Bは、その中央部が旋回軸受7に連結される。この構成により、連結部9は、操舵軸6および旋回軸受7を介してデッキ1とフレームバー4とを連結する。連結部9は、側枠9Aおよび横枠9Bによって、床Gを含み、上下方向Zおよび幅方向Yで間隙を有する避け部9Dが形成される。この避け部9Dは、幅方向Yの最小寸法が一対の側枠9Aの間でW2として構成され、上下方向Zの最小寸法が床Gと横枠9Bとの間でH2として構成される。避け部9Dは、幅方向Yの最小寸法W2が後輪3の幅よりも大きい。また、避け部9Dは、上下方向Zの最小寸法H2が後輪3の上下方向Zの最大寸法H0よりも大きい。
【0022】
フレームバー4は、操舵軸6およびハンドル8と共に、上下方向Zに沿う軸心を中心として旋回軸受7と相対的に回転可能に設けられる。従って、フレームバー4は、ハンドル8を上下方向Zに沿う軸心を中心として回転操作することで、操舵軸6と共に旋回軸受7に対して回転操作が可能である。
【0023】
連結部9は、デッキ1の前端1Aが後端1Bよりも高い位置になるように旋回軸受7に連結される。即ち、板状のデッキ1は、板状の下面が後端1B側よりも前端1A側が漸次高くなるように斜めに配置される。
【0024】
駆動部11は、後輪3を回転駆動するもので、1の後端1Bに固定される。駆動部11は、図には明示しないが、駆動モータとデッキ、当該駆動モータの回転力を後輪3に伝達する減速機と、を含む。
【0025】
バッテリ12は、駆動部11の駆動モータに電力を供給するもので、デッキ1の下面に取り付けられる。バッテリ12は、底側である床G側から非接触充電が行われる非接触充電型のバッテリである。即ち、バッテリ12は、小型モビリティ101において床Gに対して障害物なく臨む下面に非接触受電部12Aが設けられる。従って、実施形態の小型モビリティ101は、非接触充電型として構成される。
【0026】
このように構成された、小型モビリティ101は、バッテリ12から電力が供給される駆動部11によって後輪3が駆動されることで、前輪2および後輪3が輪転し、デッキ1にオペレータが搭乗した状態で、床Gを走行することが可能になる。
【0027】
図4は、実施形態1に係る小型モビリティの駐車状態の側面図である。
図5は、実施形態1に係る小型モビリティの駐車状態の平面図である。
【0028】
上述した小型モビリティ101は、同構成の他の小型モビリティ101’と共に床Gにおいて駐車される。ここで、
図4および
図5において、他の小型モビリティ101’は、上述した小型モビリティ101の構成の符号に「’」を付して示す。
【0029】
実施形態の小型モビリティ101は、他の小型モビリティ101’に対して後方から駐車される。そして、実施形態の小型モビリティ101は、他の小型モビリティ101’に対し、デッキ1が他の小型モビリティ101’のデッキ1’の後方から重なるように駐車される。実施形態の小型モビリティ101(101’)では、デッキ1(1’)は、後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が漸次高くなるように斜めに配置される。即ち、前端1Aの下面が後端1Bの下面よりも高い位置になるように構成されている。さらに、前端1Aの下面がデッキ1(1’)の厚さを含んだ後端1Bの上面よりも高い位置になるように構成されている。この構成により、実施形態の小型モビリティ101(101’)は、相互のデッキ1,1’が干渉することなく重なることができる。また、この構成により、小型モビリティ101,101’は、小型モビリティ101のデッキ1の前端1Aの下方に他の小型モビリティ101’の後輪3’を潜り込ませ、相互のデッキ1,1’が重なる初期においてデッキ1と後輪3’の干渉を防ぐことができる。このような、デッキ1が後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が漸次高くなるように配置される構成は、小型モビリティ101,101’を駐車する際の回避部21として機能する。
【0030】
また、実施形態の小型モビリティ101は、自身のデッキ1が他の小型モビリティ101’のデッキ1’の後方から重なる状態において、開口部4Dおよび避け部9Dに他の小型モビリティ101’の後輪3’を挿通させる。この構成により、小型モビリティ101は、前輪2や、前輪2を支持するためのフレームバー4および連結部9が、他の小型モビリティ101’の後輪3’に干渉することを回避できる。さらに、実施形態の小型モビリティ101は、自身のデッキ1が他の小型モビリティ101’のデッキ1’の後方から重なる状態において、デッキ1の挿入部10に他の小型モビリティ101’の後輪3’を挿入させる。この構成により、小型モビリティ101は、デッキ1が他の小型モビリティ101’の後輪3’に干渉することを回避できる。このような、開口部4Dおよび避け部9Dや挿入部10は、小型モビリティ101,101’を駐車する際の回避部21として機能する。
【0031】
このように駐車された小型モビリティ101,101’を取り出すには、前方の小型モビリティ101’を前側に引き出す。すると、前方の小型モビリティ101’は、後輪3’が後方の小型モビリティ101の挿入部10から抜け、前側に移動することができる。
【0032】
図6は、実施形態1に係る小型モビリティの他の例の側面図である。
【0033】
図6に示す他の例の小型モビリティ102は、上述した小型モビリティ101と比較してデッキ1の構成が異なる。よって、小型モビリティ102の説明では、小型モビリティ101と同等部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
デッキ1は、複数の板材1aを前後方向Xにずらして重ね合わせて構成される。板材1aは、前方から後方に向かって下側に配置される。従って、実施形態の小型モビリティ102では、デッキ1は、後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が階段状に高くなるように配置される。
【0035】
この小型モビリティ102は、上述した小型モビリティ101と同様に同構成の他の小型モビリティに対して後方から駐車される。そして、小型モビリティ102は、他の小型モビリティに対し、デッキ1が他の小型モビリティのデッキの後方から重なるように駐車される。ここで、小型モビリティ102は、デッキ1の前端1Aの下面が後端1Bの下面よりも高い位置になるように構成されている。さらに、前端1Aの下面がデッキ1(1’)の厚さを含んだ後端1Bの上面よりも高い位置になるように構成されている。この構成により、小型モビリティ102と他の小型モビリティは、相互のデッキ1が干渉することなく重なることができる。このような、デッキ1が後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が階段状に高くなるように配置される構成は、小型モビリティ102を駐車する際の回避部21として機能する。
【0036】
【0037】
実施形態の駐車設備50は、上述した非接触充電型の小型モビリティ101(102)に適用される。駐車設備50は、駐車部51と、給電装置52と、を含む。
【0038】
駐車部51は、床Gの上に沿って設けられ、小型モビリティ101(102)の駐車が可能で、小型モビリティ101(102)の走行方向矢印A,Bに沿う連なった通路を構成している。駐車部51は、この通路の一端を入口51Aとし他端を出口51Bとして構成される。即ち、駐車部51は、小型モビリティ101(102)が入口51Aから入って走行し出口51Bから出るように、一方通行の通路を構成する。
【0039】
給電装置52は、電源部52Aと、給電部52Cと、電源部52Aと給電部52Cとを接続するケーブル52Bと、を含む。給電部52Cは、駐車部51の通路に沿って延在して駐車部51に駐車される全ての小型モビリティ101(102)のバッテリ12に非接触給電が可能に構成される。
【0040】
従って、実施形態の駐車設備50は、駐車部51の入口51Aから小型モビリティ101(102)を入れていき、出口51Bの直前まで走行させる。これを順次続け、小型モビリティ101(102)を上述したようにデッキ1を重ねて駐車する。駐車部51に駐車された小型モビリティ101(102)は、給電装置52の給電部52Cがバッテリ12の非接触受電部12Aに対向するため、バッテリ12に非接触で充電される。充電は、駐車部51に先に入れられた出口51Bの直前の小型モビリティ101(102)が長時間駐車されるため、通常は先に満充電または十分な充電残量を持つ状態に至る。従って、満充電または十分な充電残量を持つ小型モビリティ101(102)から出して使用することができる。このように、実施形態の駐車設備50は、小型モビリティ101(102)を貸し出して返却できるステーションとして使用できる。この駐車設備50は、利用者あるいは管理者が貸し出しの小型モビリティ101(102)を選定する手間が無くなる。また、この駐車設備50は、小型モビリティ101(102)間での貸し出し頻度の偏りが起きにくくなり、使用頻度や回数の平滑化にもつながる。また、この駐車設備50は、小型モビリティが重なる状態で配置されることにより、電源部52Aおよびケーブル52Bの必要な機器の台数や設置に必要なスペースが抑えられるので、給電を効率よく実施することができる。
【0041】
なお、実施形態の駐車設備50は、駐車部51の入口51Aから出口51Bに向けて傾斜を設けてもよい。この駐車設備50は、駐車部51の傾斜によって入口51Aから入れた小型モビリティ101(102)を出口51Bに自動的に繰り出すことができる。実施形態の駐車設備50は、駐車部51がベルトコンベアなどで自動で動くようにしても、入口51Aから入れた小型モビリティ101(102)を出口51Bに自動的に繰り出すことができる。
【0042】
上述した実施形態の小型モビリティ101(102)は、オペレータが搭乗可能なデッキ1の前方に操舵可能に前輪2が設けられ、デッキ1の後方に後輪3が設けられた小型モビリティ101(102)にあって、デッキ1は、同構成の他の小型モビリティ101’のデッキ1’と重なる状態において相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避ける回避部21を有する。
【0043】
この小型モビリティ101(102)によれば、同構成の他の小型モビリティ101’とデッキ1,1’が重なる状態で回避部21よって相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避ける。このため、小型モビリティ101(102)は、省スペースで駐車ができシェアリングサービスに適することができる。
【0044】
また、実施形態の小型モビリティ101(102)では、前輪2が左右に一対設けられ、後輪3が単一で設けられており、回避部21は、自身のデッキ1が他の小型モビリティ101’のデッキ1’の後方から重なる状態において、自身の前輪2の間に他の小型モビリティ101’のデッキ1’を配置可能に構成されて前輪2の間で他の小型モビリティ101’の後輪3’を挿通可能な開口部4Dおよび避け部9Dと、デッキ1に設けられて他の小型モビリティ101’の後輪3’を挿入可能な挿入部10と、を含む。
【0045】
この小型モビリティ101(102)によれば、上記回避部21の具体的構成によって相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避けることができる。
【0046】
また、実施形態の小型モビリティ101(102)では、回避部21は、デッキ1が後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が漸次または階段状に高くなるように設けられる。
【0047】
この小型モビリティ101(102)によれば、小型モビリティ101,101’の相互のデッキ1,1’が干渉することなく重なることができる。また、この小型モビリティ101(102)によれば、小型モビリティ101のデッキ1の前端1Aの下方に他の小型モビリティ101’の後輪3’を潜り込ませ、相互のデッキ1,1’が重なる初期においてデッキ1と後輪3’の干渉を防ぐことができる。
【0048】
また、実施形態の小型モビリティ101(102)では、後輪3を駆動する駆動部11と、駆動部11に電力を供給する非接触充電型のバッテリ12と、を含み、デッキ1が他の小型モビリティ101’のデッキ1’と重なる状態において、バッテリ12の非接触受電部12Aが床Gから臨める部分に配置される。
【0049】
この小型モビリティ101(102)によれば、小型モビリティ101,101’を駐車した状態で、それぞれのバッテリ12の非接触受電部12Aが床Gから臨める部分に配置されるため、当該床Gに設置された給電部52Cによる給電を受けて充電が可能になる。
【0050】
上述した実施形態の駐車設備50は、オペレータが搭乗可能なデッキ1の前方に操舵可能に前輪2が設けられ、デッキ1の後方に後輪3が設けられており、後輪3を駆動する駆動部11、および駆動部11に電力を供給する非接触充電型のバッテリ12を含む小型モビリティ101(102)にあって、デッキ1は、同構成の他の小型モビリティ101’のデッキ1’と重なる状態において相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避ける回避部21を有し、バッテリ12の非接触受電部12Aが床Gから臨める部分に配置される、小型モビリティ101(102)が適用される、駐車設備50であって、小型モビリティ101(102)の駐車が可能で、小型モビリティ101(102)の走行方向に沿う通路の一端を入口51Aとし他端を出口51Bとした駐車部51と、駐車部51の通路に沿って延在し駐車部51に駐車される全ての小型モビリティ101(102)のバッテリ12に非接触で給電が可能な給電部52Cと、を含む。
【0051】
この駐車設備50によれば、小型モビリティ101(102)に対する給電を効率よく実施することができる。
【0052】
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係る小型モビリティの側面図である。
図9は、実施形態2に係る小型モビリティの正面図である。
図10は、実施形態2に係る小型モビリティの平面図である。
【0053】
実施形態の小型モビリティ103は、上述した小型モビリティ101と、前輪2、後輪3の構成、および回避部22の構成が異なる。よって、小型モビリティ103の説明では、小型モビリティ101と同等部分に同一の符号を付して説明する。
【0054】
実施形態の小型モビリティ103は、デッキ1と、前輪2と、後輪3と、フレームバー4と、連結部9と、駆動部11と、バッテリ12と、を含む。
【0055】
デッキ1は、板状に形成され、オペレータが搭乗することが可能な強度を有するものである。デッキ1は、平面視で前後方向Xの寸法に対して幅方向Yの寸法が小さい長方形状に形成される。デッキ1は、挿入部15を有する。挿入部15は、デッキ1の板を上下方向Zで貫通する孔として形成される。挿入部15は、前輪2を上方から挿入することができる大きさに形成される。なお、実施形態の小型モビリティ103において、挿入部15は、デッキ1の前後方向X(長手方向)の半分よりも後方寄りに形成される。挿入部15は、貫通する孔としてではなく、デッキ1の板の上面が凹んで形成され、その後端がデッキ1の後端1Bの上面に沿うようなスロープとして構成されてもよい。
【0056】
前輪2は、デッキ1の前側に配置される。前輪2は、実施形態の小型モビリティ103では、単一の単輪として構成される
【0057】
後輪3は、デッキ1の後側に配置される。後輪3は、実施形態の小型モビリティ103では、同形状のものが幅方向Yで左右一対設けられた双輪として構成される。一対の後輪3は、その間に間隙3Dが形成される。この間隙3Dは、幅方向Yの最小寸法が一対の後輪3の間でW3として構成される。間隙3Dは、幅方向Yの最小寸法W3がデッキ1の幅方向Yの最大寸法W0よりも大きい。
【0058】
フレームバー4は、前輪2を支持するものである。フレームバー4は、横枠4Aと、縦枠4Bと、車軸4Cと、を含む。横枠4Aは、幅方向Yに延びる棒状部材である。縦枠4Bは、横枠4Aの両端に固定され横枠4Aの両端から下方に延びる棒状部材である。車軸4Cは、縦枠4Bの下端に固定され、前輪2を回転可能に支持する部材である。即ち、フレームバー4は、下向きに開口するコ字形状に形成され、幅方向Yの開口端部にそれぞれ前輪2が回転可能に設けられる。
【0059】
フレームバー4は、横枠4Aに操舵軸6が固定される。操舵軸6は、上下方向Zに沿って延び、その下端が前輪2の中央となる横枠4Aの中央部に固定される。また、操舵軸6は、その上端にハンドル8が固定される。ハンドル8は、操舵軸6の上端から幅方向Yに沿って両側に延びる棒状部材であり、オペレータが掴む部分である。操舵軸6およびハンドル8は、図には明示しないが、始動スイッチや、スロットルや、ブレーキレバーや、バックミラーや、スピードメータなどが取り付けられる。また、操舵軸6は、自身が延在する上下方向Zに沿う軸心を中心として回転することが可能に旋回軸受7に取り付けられる。
【0060】
連結部9は、デッキ1と旋回軸受7とを連結するものである。連結部9は、一対の側枠9Aと、横枠9Bと、を含む。一対の側枠9Aは、前後方向Xおよび上下方向Zを複合した斜めに延び、下端がデッキ1の前端1Aに連結される。横枠9Bは、幅方向Yに沿って延び、一対の側枠9Aの上端を接続する。また、横枠9Bは、その中央部が旋回軸受7に連結される。この構成により、連結部9は、操舵軸6および旋回軸受7を介してデッキ1とフレームバー4とを連結する。
【0061】
フレームバー4は、操舵軸6およびハンドル8と共に、上下方向Zに沿う軸心を中心として旋回軸受7と相対的に回転可能に設けられる。従って、フレームバー4は、ハンドル8を上下方向Zに沿う軸心を中心として回転操作することで、操舵軸6と共に旋回軸受7に対して回転操作が可能である。
【0062】
連結部9は、デッキ1の前端1Aが後端1Bよりも高い位置になるように旋回軸受7に連結される。即ち、板状のデッキ1は、板状の下面が後端1B側よりも前端1A側が漸次高くなるように斜めに配置される。
【0063】
駆動部11は、後輪3を回転駆動するもので、デッキ1の後端1Bに固定される。駆動部11は、図には明示しないが、駆動モータと、当該駆動モータの回転力を後輪3に伝達する減速機と、を含む。
【0064】
バッテリ12は、駆動部11の駆動モータに電力を供給するもので、デッキ1の下面に取り付けられる。バッテリ12は、挿入部15のデッキ1における貫通を避けるように、幅方向Yの両側に配置される。バッテリ12は、底側である床G側から非接触充電が行われる非接触充電型のバッテリである。即ち、バッテリ12は、小型モビリティ103において床Gに対して障害物なく臨む下面に非接触受電部12Aが設けられる。従って、実施形態の小型モビリティ103は、非接触充電型として構成される。
【0065】
このように構成された、小型モビリティ103は、バッテリ12から電力が供給される駆動部11によって後輪3が駆動されることで、前輪2および後輪3が輪転し、デッキ1にオペレータが搭乗した状態で、床Gを走行することが可能になる。
【0066】
図11は、実施形態2に係る小型モビリティの駐車状態の側面図である。
図12は、実施形態2に係る小型モビリティの駐車状態の平面図である。
【0067】
上述した小型モビリティ103は、同構成の他の小型モビリティ103’と共に床Gにおいて駐車される。ここで、
図11および
図12において、他の小型モビリティ103’は、上述した小型モビリティ103の構成の符号に「’」を付して示す。
【0068】
実施形態の小型モビリティ103は、他の小型モビリティ103’が後方から駐車される。そして、実施形態の小型モビリティ103は、他の小型モビリティ103’のデッキ1’が自身のデッキ1の後方から重なるように駐車される。実施形態の小型モビリティ103(103’)では、デッキ1(1’)は、後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が漸次高くなるように斜めに配置される。即ち、前端1Aの下面が後端1Bの下面よりも高い位置になるように構成されている。さらに、前端1Aの下面がデッキ1(1’)の厚さを含んだ後端1Bの上面よりも高い位置になるように構成されている。この構成により、小型モビリティ103,103’は、相互のデッキ1,1’が干渉することなく重なることができる。このような、デッキ1が後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が漸次高くなるように配置される構成は、小型モビリティ103,103’を駐車する際の回避部22として機能する。
【0069】
また、実施形態の小型モビリティ103は、自身のデッキ1に他の小型モビリティ103’のデッキ1’が後方から重なる状態において、間隙3Dに他の小型モビリティ103’のデッキ1’を上方から通過させる。この構成により、小型モビリティ103は、自身の一対の後輪3が、他の小型モビリティ103’のデッキ1’に干渉することを回避できる。さらに、実施形態の小型モビリティ103は、自身のデッキ1に他の小型モビリティ103’のデッキ1’が後方から重なる状態において、デッキ1の挿入部15に他の小型モビリティ103’の前輪2’を挿入させる。この構成により、小型モビリティ103は、デッキ1が他の小型モビリティ103’の前輪2’に干渉することを回避できる。なお、実施形態の小型モビリティ103において、挿入部15は、他の小型モビリティ103’の前輪2’のみならず、フレームバー4’の車軸4C’と自身のデッキ1との干渉を避けられるように、幅方向Yに延びる部分を含み平面視で十字形状に形成される(
図10および
図12参照)が、前輪2’と自身のデッキ1との干渉のみであれば、十字形状ではなく矩形形状に形成される。このような、間隙3Dや挿入部15は、小型モビリティ103,103’を駐車する際の回避部22として機能する。
【0070】
このように駐車された小型モビリティ103,103’を取り出すには、前方の小型モビリティ103を前側に引き出す。すると、前方の小型モビリティ103は、その挿入部15から後方の小型モビリティ103’の前輪2’が抜け、前側に移動することができる。
【0071】
図13は、実施形態2に係る小型モビリティの他の例の側面図である。
【0072】
図13に示す他の例の小型モビリティ104は、上述した小型モビリティ103と比較してデッキ1の構成が異なる。よって、小型モビリティ104の説明では、小型モビリティ103と同等部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
デッキ1は、複数の板材1aを前後方向Xにずらして重ね合わせて構成される。板材1aは、前方から後方に向かって下側に配置される。従って、実施形態の小型モビリティ104では、デッキ1は、後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が階段状に高くなるように配置される。
【0074】
この小型モビリティ104は、上述した小型モビリティ103と同様に同構成の他の小型モビリティが後方から駐車される。そして、小型モビリティ104は、他の小型モビリティのデッキが自身のデッキ1に後方から重なるように駐車される。ここで、小型モビリティ104は、デッキ1の前端1Aの下面が後端1Bの下面よりも高い位置になるように構成されている。この構成により、小型モビリティ104と他の小型モビリティは、相互のデッキ1が干渉することなく重なることができる。このような、デッキ1が後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が階段状に高くなるように配置される構成は、小型モビリティ104を駐車する際の回避部22として機能する。
【0075】
図14は、実施形態2に係る駐車設備の平面図である。
【0076】
実施形態の駐車設備50は、上述した非接触充電型の小型モビリティ101(102)が適用される構成と同様である。よって、駐車設備50の説明では、駐車設備50と同等部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
従って、実施形態の駐車設備50は、駐車部51の入口51Aから小型モビリティ103(104)を入れていき、出口51Bの直前まで走行させる。これを順次続け、小型モビリティ103(104)を上述したようにデッキ1を重ねて駐車する。駐車部51に駐車された小型モビリティ103(104)は、給電装置52の給電部52Cがバッテリ12の非接触受電部12Aに対向するため、バッテリ12に非接触で充電される。充電は、駐車部51に先に入れられた出口51Bの直前の小型モビリティ103(104)が長時間駐車されるため、通常は先に満充電または十分な充電残量を持つ状態に至る。従って、満充電または十分な充電残量を持つ小型モビリティ103(104)から出して使用することができる。このように、実施形態の駐車設備50は、小型モビリティ103(104)を貸し出して返却できるステーションとして使用できる。この駐車設備50は、利用者あるいは管理者が貸し出しの小型モビリティ103(104)を選定する手間が無くなる。また、この駐車設備50は、小型モビリティ103(104)間での貸し出し頻度の偏りが起きにくくなり、使用頻度や回数の平滑化にもつながる。また、この駐車設備50は、小型モビリティが重なる状態で配置されることにより、電源部52Aおよびケーブル52Bの必要な機器の台数や設置に必要なスペースが抑えられるので、給電を効率よく実施することができる。
【0078】
上述した実施形態の小型モビリティ103(104)は、オペレータが搭乗可能なデッキ1の前方に操舵可能に前輪2が設けられ、デッキ1の後方に後輪3が設けられた小型モビリティ103(104)にあって、デッキ1は、同構成の他の小型モビリティ103’のデッキ1’と重なる状態において相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避ける回避部22を有する。
【0079】
この小型モビリティ103(104)によれば、同構成の他の小型モビリティ103’とデッキ1,1’が重なる状態で回避部22よって相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避ける。このため、小型モビリティ103(104)は、省スペースで駐車ができシェアリングサービスに適することができる。
【0080】
また、実施形態の小型モビリティ103(104)では、前輪2が単一で設けられ、後輪3が左右に一対設けられており、回避部22は、自身のデッキ1に他の小型モビリティ103’のデッキ1’が後方から重なる状態において、自身の後輪3の間に他の小型モビリティ103’のデッキ1’が配置可能に構成され、自身のデッキ1に設けられて他の小型モビリティ103’の前輪2’を挿入可能な挿入部15を含む。
【0081】
この小型モビリティ103(104)によれば、上記回避部22の具体的構成によって相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避けることができる。
【0082】
また、実施形態の小型モビリティ103(104)では、回避部22は、デッキ1が後端1B側の下面よりも前端1A側の下面が漸次または階段状に高くなるように設けられる。
【0083】
この小型モビリティ103(104)によれば、小型モビリティ103,103’の相互のデッキ1,1’が干渉することなく重なることができる。
【0084】
また、実施形態の小型モビリティ103(104)では、後輪3を駆動する駆動部11と、駆動部11に電力を供給する非接触充電型のバッテリ12と、を含み、デッキ1が他の小型モビリティ103’のデッキ1’と重なる状態において、バッテリ12の非接触受電部12Aが床Gから臨める部分に配置される。
【0085】
この小型モビリティ103(104)によれば、小型モビリティ103,103’を駐車した状態で、それぞれのバッテリ12の非接触受電部12Aが床Gから臨める部分に配置されるため、当該床Gに設置された給電部52Cによる給電を受けて充電が可能になる。
【0086】
上述した実施形態の駐車設備50は、オペレータが搭乗可能なデッキ1の前方に操舵可能に前輪2が設けられ、デッキ1の後方に後輪3が設けられており、後輪3を駆動する駆動部11、および駆動部11に電力を供給する非接触充電型のバッテリ12を含む小型モビリティ103(104)にあって、デッキ1は、同構成の他の小型モビリティ103’のデッキ1’と重なる状態において相互で前輪2,2’や後輪3,3’の干渉を避ける回避部22を有し、バッテリ12の非接触受電部12Aが床Gから臨める部分に配置される、小型モビリティ103(104)が適用される、駐車設備50であって、小型モビリティ103(104)の駐車が可能で、小型モビリティ103(104)の走行方向に沿う通路の一端を入口51Aとし他端を出口51Bとした駐車部51と、駐車部51の通路に沿って延在し駐車部51に駐車される全ての小型モビリティ103(104)のバッテリ12に非接触で給電が可能な給電部52Cと、を含む。
【0087】
この駐車設備50によれば、小型モビリティ103(104)に対する給電を効率よく実施することができる。
【0088】
上述した各実施形態においては以下の発明を包含する。
[発明1]
オペレータが搭乗可能なデッキの前方に操舵可能に前輪が設けられ、前記デッキの後方に後輪が設けられた小型モビリティにあって、
前記デッキは、同構成の他の小型モビリティのデッキと重なる状態において相互で前記前輪や前記後輪の干渉を避ける回避部を有する、小型モビリティ。
[発明2]
前記前輪が左右に一対設けられ、前記後輪が単一で設けられており、
前記回避部は、自身の前記デッキが前記他の小型モビリティのデッキの後方から重なる状態において、自身の前記前輪の間に前記他の小型モビリティのデッキを配置可能に構成されて前記前輪の間で前記他の小型モビリティの後輪を挿通可能な開口部と、前記デッキに設けられて前記他の小型モビリティの後輪を挿入可能な挿入部と、を含む、発明1に記載の小型モビリティ。
[発明3]
前記前輪が単一で設けられ、前記後輪が左右に一対設けられており、
前記回避部は、自身の前記デッキに前記他の小型モビリティのデッキが後方から重なる状態において、自身の前記後輪の間に前記他の小型モビリティのデッキが配置可能に構成され、自身の前記デッキに設けられて前記他の小型モビリティの前輪を挿入可能な挿入部を含む、
発明1に記載の小型モビリティ。
[発明4]
前記回避部は、前記デッキが後端側の下面よりも前端側の下面が漸次または階段状に高くなるように設けられる、
発明1から3のいずれか1つに記載の小型モビリティ。
[発明5]
前記後輪を駆動する駆動部と、
前記駆動部に電力を供給する非接触充電型のバッテリと、
を含み、
前記デッキが前記他の小型モビリティのデッキと重なる状態において、前記バッテリの非接触受電部が床から臨める部分に配置される、
発明1から4のいずれか1つに記載の小型モビリティ。
[発明6]
オペレータが搭乗可能なデッキの前方に操舵可能に前輪が設けられ、前記デッキの後方に後輪が設けられており、前記後輪を駆動する駆動部、および前記駆動部に電力を供給する非接触充電型のバッテリを含む小型モビリティにあって、前記デッキは、同構成の他の小型モビリティのデッキと重なる状態において相互で前記前輪や前記後輪の干渉を避ける回避部を有し、前記バッテリの非接触受電部が床から臨める部分に配置される、小型モビリティが適用される、駐車設備であって、
前記小型モビリティの駐車が可能で、前記小型モビリティの走行方向に沿う通路の一端を入口とし他端を出口とした駐車部と、
前記駐車部の通路に沿って延在し前記駐車部に駐車される全ての前記小型モビリティの前記バッテリに非接触で給電が可能な給電部と、
を含む、駐車設備。
【符号の説明】
【0089】
1 デッキ
1A 前端
1B 後端
2 前輪
3 後輪
10,15 挿入部
11 駆動部
12 バッテリ
12A 非接触受電部
21 回避部(4D 開口部,9D 避け部)
22 回避部(3D 間隙)
50 駐車設備
51 駐車部
52C 給電部
101(101’),102 小型モビリティ
103(103’),104 小型モビリティ
G 床