(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134982
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F25B 41/42 20210101AFI20240927BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240927BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F25B41/42
F25B1/00 304Z
F25B39/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045455
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 佳憲
(57)【要約】
【課題】圧縮機の動作を継続させやすい空気調和機を得る。
【解決手段】空気調和機は、室内熱交換器と、第1の室外熱交換器と、第1の流量調整弁と、第2の流量調整弁と、を備える。前記室内熱交換器は、互いに並列に並べられた複数の室内パスを有する。1の室外熱交換器は、互いに並列に並べられた複数の室外パスを有する。複数の室内パスは、1以上の室内パスからなる第1の室内パス部と、第1の室内パス部とは異なる1以上の室内パスからなる第2の室内パス部と、を含む。複数の室外パスは、1以上の室外パスからなる第1の室外パス部と、第1の室外パス部とは異なる1以上の室外パスからなる第2の室外パス部と、を含む。第1の流量調整弁は、第1の室内パス部への冷媒の流れを調整する。第2の流量調整弁は、第1の室外パス部への前記冷媒の流れを調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに並列に並べられ冷媒が流れる複数の室内パスを有した室内熱交換器と、
互いに並列に並べられ前記冷媒が流れる複数の室外パスを有した第1の室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記第1の室外熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第1の配管と、
前記第1の室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、
前記第1の配管に設けられた圧縮機と、
前記第2の配管に設けられた第1の膨張弁と、
前記第1の配管と前記複数の室内パスとを接続する第1の室内分流器と、
前記第2の配管と前記複数の室内パスとを接続する第2の室内分流器と、
前記第1の配管と前記複数の室外パスとを接続する第1の室外分流器と、
前記第2の配管と前記複数の室外パスとを接続する第2の室外分流器と、
第1の流量調整弁と、
第2の流量調整弁と、
を備え、
前記複数の室内パスは、1以上の前記室内パスからなる第1の室内パス部と、前記第1の室内パス部とは異なる1以上の前記室内パスからなる第2の室内パス部と、を含み、
前記複数の室外パスは、1以上の前記室外パスからなる第1の室外パス部と、前記第1の室外パス部とは異なる1以上の前記室外パスからなる第2の室外パス部と、を含み、
前記第1の流量調整弁は、前記第1の室内パス部への前記冷媒の流れを調整し、
前記第2の流量調整弁は、前記第1の室外パス部への前記冷媒の流れを調整する、
空気調和機。
【請求項2】
前記第2の配管に設けられ、前記室内熱交換器と接続される第1の開口と、前記第1の室外熱交換器と接続される第2の開口と、気体状の前記冷媒が通る第3の開口と、が設けられた気液分離器と、
前記第3の開口と、前記圧縮機と前記室内熱交換器との間の前記第1の配管とを接続する第3の配管と、
前記第3の配管の冷媒の流量を調整する第3の流量調整弁と、
を備えた、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記第2の室内パス部への前記冷媒の流れを調整する第2の膨張弁を備えた、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記気液分離器と前記室内熱交換器との間の前記第2の配管と、前記圧縮機と前記室内熱交換器との間の前記第1の配管と、を接続する第4の配管と、
前記第4の配管の前記冷媒の流れを調整する第4の流量調整弁と、
前記第4の配管に設けられた第2の室外熱交換器と、
前記第1の室外熱交換器および前記第2の室外熱交換器と熱交換する空気の流れを生成する室外送風ファンと、
を備え、
前記第2の室外熱交換器は、前記第1の室外熱交換器に対して前記空気の流れ方向の上流側に配置された、請求項2に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンディショナのような空気調和機は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮および蒸発により、室内の温度や湿度を調節する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、例えば、冷房運転時、暖房運転時、除湿運転時等に、室内の設定温度と、室内機が吸い込んだ空気の温度との差が無くなると、圧縮機を含む室外機の動作を一時的に停止する所謂サーモオフが実行される。そして、しばらくして設定温度と、室温との差が大きくなると室外機の動作を再開する所謂サーモオンが実行される。このようなサーモオフとサーモオンが短いサイクルで繰り返されると、空気調和機の運転効率や空気調和性が悪化してしまうという問題があった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、圧縮機の動作を継続させやすい空気調和機を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和機は、室内熱交換器と、第1の室外熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、第1の膨張弁と、第1の室内分流器と、第2の室内分流器と、第1の室外分流器と、第2の室外分流器と、第1の流量調整弁と、第2の流量調整弁と、を備える。前記室内熱交換器は、互いに並列に並べられ冷媒が流れる複数の室内パスを有する。前記第1の室外熱交換器は、互いに並列に並べられ前記冷媒が流れる複数の室外パスを有する。前記第1の配管は、前記室内熱交換器と前記第1の室外熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる。前記第2の配管は、前記第1の室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる。前記圧縮機は、前記第1の配管に設けられている。前記第1の膨張弁は、前記第2の配管に設けられている。前記第1の室内分流器は、前記第1の配管と前記複数の室内パスとを接続する。前記第2の室内分流器は、前記第2の配管と前記複数の室内パスとを接続する。前記第1の室外分流器は、前記第1の配管と前記複数の室外パスとを接続する。前記第2の室外分流器は、前記第2の配管と前記複数の室外パスとを接続する。前記複数の室内パスは、1以上の前記室内パスからなる第1の室内パス部と、前記第1の室内パス部とは異なる1以上の前記室内パスからなる第2の室内パス部と、を含む。前記複数の室外パスは、1以上の前記室外パスからなる第1の室外パス部と、前記第1の室外パス部とは異なる1以上の前記室外パスからなる第2の室外パス部と、を含む。前記第1の流量調整弁は、前記第1の室内パス部への前記冷媒の流れを調整する。前記第2の流量調整弁は、前記第1の室外パス部への前記冷媒の流れを調整する。
【0007】
前記空気調和機は、例えば、気液分離器と、第3の配管と、第3の流量調整弁と、を備える。前記気液分離器は、前記第2の配管に設けられ、前記室内熱交換器と接続される第1の開口と、前記第1の室外熱交換器と接続される第2の開口と、気体状の前記冷媒が通る第3の開口と、が設けられている。前記第3の配管は、前記第3の開口と、前記圧縮機と前記室内熱交換器との間の前記第1の配管とを接続する。前記第3の流量調整弁は、前記第3の配管の冷媒の流量を調整する。
【0008】
前記空気調和機は、例えば、前記第2の室内パス部への前記冷媒の流れを調整する第2の膨張弁を備える。
【0009】
前記空気調和機は、例えば、第4の配管と、第4の流量調整弁と、第2の室外熱交換器と、ファンと、を備える。前記第4の配管は、前記気液分離器と前記室内熱交換器との間の前記第2の配管と、前記圧縮機と前記室内熱交換器との間の前記第1の配管と、を接続する。前記第4の流量調整弁は、前記第4の配管の前記冷媒の流れを調整する。前記第2の室外熱交換器は、前記第4の配管に設けられている。前記ファンは、前記第1の室外熱交換器および前記第2の室外熱交換器と熱交換する空気の流れを生成する。前記第2の室外熱交換器は、前記第1の室外熱交換器に対して前記空気の流れ方向の上流側に配置されている。
【0010】
以上の空気調和機によれば、例えば、圧縮機の動作を継続させやすい空気調和機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る空気調和機の冷媒系統図であり、併せて冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る空気調和機の冷媒系統図であり、併せて暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る空気調和機における室内熱交換器の一部を示す図であり、併せて除湿運転時の室内熱交換器の冷媒の温度の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る空気調和機の制御装置およびその制御装置によって制御される構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る空気調和機における室外機における空気(外気)の流れの様子を示す例示的かつ模式的な図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る空気調和機における最低能力運転時の室内熱交換器の冷媒の流れ示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る空気調和機における最低能力運転時の第1の室外熱交換器の冷媒の流れ示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る空気調和機における圧縮機の周波数制御を暖房運転時の室外機の温度の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、いくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素および当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素およびその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0013】
図1は、実施形態に係る空気調和機10の冷媒系統図を示す例示的かつ模式的な図であり、併せて冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
図2は、実施形態に係る空気調和機10の冷媒系統図であり、併せて暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【0014】
空気調和機10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和機10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和機であってもよい。
【0015】
図1に示すように、空気調和機10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
【0016】
空気調和機10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
【0017】
室外機11は、第1の室外熱交換器21A、第2の室外熱交換器21B、室外送風ファン22、圧縮機23、アキュムレータ24、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁208、第1の流量調整弁206、第2の流量調整弁106、第3の流量調整弁32、第4の流量調整弁33、及び気液分離器61等を有する。また、室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。
【0018】
冷媒配管13は、例えば、銅またはアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53と、第4の配管54等を含む。
【0019】
第1の配管51は、室内熱交換器41と第1の室外熱交換器21Aとを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、及び四方弁25は、第1の配管51に設けられる。第1の配管51は、第1の領域51a、第2の領域51b、第3の領域51c、第4の領域51dと、を有する。第1の領域51aは、四方弁25と室内熱交換器41とを接続する配管領域である。第2の領域51bは、四方弁25とアキュムレータ24とを接続する配管領域である。第3の領域51cは、四方弁25と第1の室外熱交換器21Aとを接続する配管領域である。第4の領域51dは、四方弁25と圧縮機23の吐出口23bとを接続する配管領域である。
【0020】
第2の配管52は、第1の室外熱交換器21Aと室内熱交換器41とを接続する。第1の膨張弁31、気液分離器61は、第2の配管52に設けられる。第2の配管52は、第5の領域52aと第6の領域52bを有する。第5の領域52aは、気液分離器61を介して、第1の膨張弁31と室内熱交換器41とを接続する配管領域である。第6の領域52bは、第1の膨張弁31と第1の室外熱交換器21Aとを接続する配管領域である。
【0021】
第3の配管53は、気液分離器61と第1の配管51とを接続する。詳細には、第3の配管53は、気液分離器61の第3の開口61cと、圧縮機23と室内熱交換器41との間の第1の配管51とを接続する。第3の配管53は、気液分離器61で分離されたガス状の冷媒を、第1の配管51(第2の領域51bにおいて四方弁25とアキュムレータ24との間の領域)に導入するための配管である。第3の流量調整弁32は、第3の配管53に設けられ、第3の配管の冷媒の流量を調整する。第3の流量調整弁32は、例えば、膨張弁である。なお、第3の流量調整弁32は、膨張弁が望ましいが、膨張弁以外であってもよい。
【0022】
気液分離器61は、第2の配管52に設けられている。気液分離器61は、室内熱交換器41と接続される第1の開口61aと、第1の室外熱交換器21Aと接続される第2の開口61bと、気体状の冷媒が通る第3の開口61cと、が設けられている。
【0023】
第4の配管54は、第1の配管51と第2の配管52とを接続する。第2の室外熱交換器21Bおよび第2の膨張弁208は、第4の配管54に設けられる。第4の配管54は、第7の領域54a、第8の領域54b、第9の領域54cを有する。第7の領域54aは、室内熱交換器41と四方弁25との間の第1の配管(第1の領域51a)と第2の室外熱交換器21Bとを接続する配管領域である。また、第8の領域54bは、第2の室外熱交換器21Bと、第2の膨張弁208とを接続する配管領域である。また、第9の領域54cは、第2の膨張弁208と、室内熱交換器41と気液分離器61との間の第2の配管52(第5の領域52a)とを接続する配管領域である。このように、第4の配管54は、気液分離器61と室内熱交換器41との間の第2の配管52と、圧縮機23と室内熱交換器41との間の第1の配管51と、を接続する。第4の流量調整弁33は、第4の配管54に設けられ、第4の配管54の冷媒の流れを調整する。第4の流量調整弁33は、例えば、膨張弁である。なお、第4の流量調整弁33は、膨張弁が望ましいが、膨張弁以外であってもよい。
【0024】
冷房運転(
図1)において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から第1の室外熱交換器21Aへ流れ、第2の配管52を通って第1の室外熱交換器21Aから室内熱交換器41へ流れる。また、暖房運転(
図2)において、冷媒は、第1の配管51を通って第1の室外熱交換器21Aから室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から第1の室外熱交換器21Aへ流れる。
【0025】
室外機11の第1の室外熱交換器21Aは、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、または凝縮器として冷媒の放熱を行う。
【0026】
第1の室外熱交換器21Aは、複数(一例として6つ)の室外パス103a~103fと、複数の室外フィン(不図示)と、第1の室外分流器101と、第2の室外分流器102と、第3の室外分流器104と、第2の流量調整弁106とを有する。
【0027】
複数の室外パス103a~103fは、互いに並列に並べられている。各室外パス103a~103fは、配管によって構成され、内部に冷媒が通る。各室外パス103a~103fは、複数の室外フィンを貫くようように設けられ、各室外フィンに接続されている。各室外パス103a~103fは、内部の冷媒と外部の空気との間で熱交換を行う。なお、
図1及び
図2では、室外パス103a~103fを模式的に太い管で表している。
【0028】
複数の室外パス103a~103fは、1以上(複数:一例として5つ)の室外パス103a~103eからなる第1の室外パス部103Aと、第1の室外パス部103Aとは異なる1以上(一例として1つ)の室外パス103fからなる第2の室外パス部103Bと、を含む。なお、複数の室外パス103a~103fの数と、第1の室外パス部103Aおよび第2の室外パス部103Bが有する室外パス103a~103fの数とは、上記に限定されない。例えば、複数の室外パス103a~103fは、6つ以外であってもよい。また、第1の室外パス部103Aと第2の室外パス部103Bとのそれぞれに、室外パス103a~103fのうちの2以上が含まれてもよい。また、第1の室外パス部103Aが、室外パス103a~103fのうちの一つ(例えば室外パス103a)から構成され、第2の室外パス部103Bが、室外パス103a~103fのうちの他の複数(例えば室外パス103b~103f)によって構成されてもよい。第1の室外パス部103Aおよび第2の室外パス部103Bとは、それぞれが室外パス103a~103fのうちの複数によって構成される場合、第1の室外パス群および第2の室外パス群とも称される。
【0029】
第1の室外分流器101は、第1の配管51の第3の領域51cと複数の室外パス103a~103fとを接続する。第1の室外分流器101は、第1の配管51からの冷媒を、複数の室外パス103a~103fに分配(分流)する。詳細には、第1の室外分流器101は、配管105および第3の室外分流器104を介して、室外パス103a~103eと接続され、配管105を介して、室外パス103fと接続されている。したがって、第1の室外分流器101は、第1の配管51からの冷媒を、配管105および第3の室外分流器104を介して室外パス103a~103eに分配するとともに、配管105を介して室外パス103fに分配する。すなわち、第1の室外分流器101は、第1の配管51からの冷媒を、第1の室外パス部103Aと第2の室外パス部103Bとに分配(分流)する。
【0030】
第3の室外分流器104は、第1の室外分流器101と複数の室外パス103a~103fとを接続する。第3の室外分流器104は、第1の室外分流器101からの冷媒を、複数の室外パス103a~103eに分配(分流)する。
【0031】
また、第1の室外分流器101は、複数の室外パス103a~103fからの冷媒を合流させて、第1の配管51に流す。すなわち、第1の室外分流器101は、第1の室外パス部103Aからの冷媒と第2の室外パス部103Bからの冷媒とを合流させて、第1の配管51に流す。このとき、第3の室外分流器104は、複数の室外パス103a~103eからの冷媒を合流させて第1の室外分流器101に流す。
【0032】
配管105は、第1の室外分流器101と第1の室外パス部103Aとを第3の室外分流器104を介して接続する。配管107は、第1の室外分流器101と第2の室外パス部103Bとを接続する。
【0033】
配管105には、第2の流量調整弁106が設けられている。第2の流量調整弁106は、第1の室外パス部103Aへの冷媒の流れを調整する。すなわち、第2の流量調整弁106は、第1の室外パス部103Aを流れる冷媒の流量を調整可能である。第2の流量調整弁106は、例えば、電磁弁である。第2の流量調整弁106は、開度が制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。
【0034】
第2の室外分流器102は、第2の配管52と複数の室外パス103a~103fとを接続する。第2の室外分流器102は、第2の配管52からの冷媒を、複数の室外パス103a~103fに分配(分流)する。すなわち、第2の室外分流器102は、第2の配管52からの冷媒を、第1の室外パス部103Aと第2の室外パス部103Bとに分配(分流)する。
【0035】
また、第2の室外分流器102は、複数の室外パス103a~103fからの冷媒を合流させて、第2の配管52に流す。すなわち、第2の室外分流器102は、第1の室外パス部103Aからの冷媒と第2の室外パス部103Bからの冷媒とを合流させて、第2の配管52に流す。
【0036】
室外送風ファン22は、第1の室外熱交換器21Aおよび第2の室外熱交換器21Bに対する空気の流れ(気流)を生成し、第1の室外熱交換器21Aおよび第2の室外熱交換器21Bにおける冷媒と空気(外気)との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、第1の室外熱交換器21Aおよび第2の室外熱交換器21Bと熱交換する空気(外気)の流れ(気流)を生成する。
【0037】
第2の室外熱交換器21Bは、第4の配管54に設けられている。第2の室外熱交換器21Bは、一例として、一つの室外パス303aを有する。室外パス303aは、配管によって構成され、内部に冷媒が通る。室外パス303aは、内部の冷媒と外部の空気との間で熱交換を行う。第2の室外熱交換器21Bは、室外送風ファン22によって生成される空気(外気)の流れ(気流)の方向である流れ方向において、第1の室外熱交換器21Aに対して上流側に配置されている。したがって、室外送風ファン22の動作によって流れる空気は、第2の室外熱交換器21Bを通った後、第1の室外熱交換器21Aを通る。
【0038】
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
【0039】
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、ガス状態の冷媒と液状態の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過したガス状態の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。アキュムレータ24は、圧縮機23と一体に構成されることで、圧縮機23の吸入口となることもできる。
【0040】
四方弁25は、第1の室外熱交換器21Aと、室内熱交換器41と、圧縮機23の吐出口23bと、アキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)と、に接続される。四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、第1の室外熱交換器21A、室内熱交換器41、圧縮機23の吐出口23b、アキュムレータ24のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
【0041】
冷房運転時において、四方弁25は、圧縮機23の吐出口23bと第1の室外熱交換器21Aとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41とアキュムレータ24とを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が第1の室外熱交換器21Aへ流れ、室内熱交換器41で熱交換が行われた(蒸発した)冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
【0042】
第1の膨張弁31は、例えば、電磁膨張弁である。なお、第1の膨張弁31は、他の膨張弁であってもよい。第1の膨張弁31は、開度が制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。
【0043】
気液分離器61は、冷房運転時に第1の室外熱交換器21A側(第1の膨張弁31側)から流入する気液二相の液ガス冷媒を、暖房運転時に室内熱交換器41側から流入する液ガス冷媒を、液体の媒体と気体の媒体に分離する。冷房運転時には、液体の冷媒は、室内熱交換器41側に送り出される。また、暖房運転時には、液体の冷媒は第1の室外熱交換器21A側に送り出される。なお、分離された気体の冷媒は、第3の配管53を通りアキュムレータ24(圧縮機23)に送られる。気液分離器61は、冷媒配管13中の余剰分の冷媒を貯留することができる。気液分離器61は、冷媒量調整装置とも称される。
【0044】
室内機12の室内熱交換器41は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、または凝縮器として放熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン42は、室内熱交換器41と熱交換する気流を生成する。
【0045】
図3は、実施形態に係る空気調和機10における室内熱交換器41の一部を示す図であり、併せて除湿運転時の室内熱交換器41の冷媒の温度の一例を示す図である。
図1~
図3に示されるように、室内熱交換器41は、複数(一例として6つ)の室内パス203a~203fと、複数の室内フィン209(
図3)と、第1の室内分流器201と、第2の室内分流器202と、第3の室内分流器204と、第1の流量調整弁206と、第2の膨張弁208とを有する。なお、
図3では、複数の室内フィン209のうちの一つが示されている。
【0046】
複数の室内パス203a~203fは、互いに並列に並べられている。各室内パス203a~203fは、配管によって構成され、内部に冷媒が通る。各室内パス203a~203fは、複数の室内フィン209を貫くようように設けられ、各室内フィン209に接続されている。各室内パス203a~203fは、内部の冷媒と外部の空気との間で熱交換を行う。なお、
図1及び
図2では、室内パス203a~203fを模式的に太い管で表している。
【0047】
複数の室内パス203a~203fは、1以上(複数:一例として5つ)の室内パス203a~203eからなる第1の室内パス部203Aと、第1の室内パス部203Aとは異なる1以上(一例として1つ)の室内パス203fからなる第2の室内パス部203Bと、を含む。なお、複数の室内パス203a~203fの数と、第1の室内パス部203Aおよび第2の室内パス部203Bが有する室内パス203a~203fの数とは、上記に限定されない。例えば、複数の室内パス203a~203fは、6つ以外であってもよい。また、第1の室内パス部203Aと第2の室内パス部203Bとのそれぞれに、室内パス203a~203fのうちの2以上が含まれてもよい。また、第1の室内パス部203Aが、室内パス203a~203fのうちの一つ(例えば室内パス203a)から構成され、第2の室内パス部203Bが、室内パス203a~203fのうちの他の複数(例えば室内パス203b~203f)によって構成されてもよい。第1の室内パス部203Aおよび第2の室内パス部203Bとは、それぞれが室内パス203a~203fのうちの複数によって構成される場合、第1の室内パス群および第2の室内パス群とも称される。
【0048】
図3に示されるように、室内フィン209には、室内パス203a~203fが通る複数の領域209a~209fが室内パス203a~203fごと設けられている。複数の領域209a~209fは、互いに一連に接続されている。各領域209a~209fに、各室内パス203a~203fが配置されている。各室内パス203a~203fは、例えば、それぞれの端で折り返されて、領域209a~209f内を1回または複数回往復するように配置される。
図3では各室内パス203a~203fの往復形状は省略されている。なお、室内フィン209は、上記に限定されず、複数の領域209a~209fに分割された複数の部材から構成されていてもよい。また、室内フィン209の形状は、
図3に示される形状に限定されず、任意の形状であってよい。また、室内パス203a~203fが通る領域209a~209fは、
図3に示されるものに限定されず、任意に設定可能である。
【0049】
図1及び
図2に示されるように、第1の室内分流器201は、第1の配管51の第1の領域51aと複数の室内パス203a~203fとを接続する。第1の室内分流器201は、第1の配管51からの冷媒を、複数の室内パス203a~203fに分配(分流)する。すなわち、第1の室内分流器201は、第1の配管51からの冷媒を、第1の室内パス部203Aと第2の室内パス部203Bとに分配(分流)する。
【0050】
また、第1の室内分流器201は、複数の室内パス203a~203fからの冷媒を合流させて、第1の配管51に流す。すなわち、第1の室内分流器201は、第1の室内パス部203Aからの冷媒と第2の室内パス部203Bからの冷媒とを合流させて、第1の配管51に流す。
【0051】
第2の室内分流器202は、第2の配管52と複数の室外パス103a~103fとを接続する。詳細には、第2の室内分流器202は、配管205および第3の室内分流器204を介して、室内パス203a~203eと接続され、配管205を介して、室内パス203fと接続されている。したがって、第2の室内分流器202は、第2の配管52からの冷媒を、配管205および第3の室内分流器204を介して室内パス203a~203eに分配するとともに、配管205を介して室内パス203fに分配する。すなわち、第2の室内分流器202は、第2の配管52からの冷媒を、第1の室内パス部203Aと第2の室内パス部203Bとに分配(分流)する。
【0052】
第3の室内分流器204は、第1の室内分流器201と複数の室内パス203a~203fとを接続する。第3の室内分流器204は、第1の室内分流器201からの冷媒を、複数の室内パス203a~203eに分配(分流)する。
【0053】
また、第2の室内分流器202は、複数の室内パス203a~203fからの冷媒を合流させて、第2の配管52に流す。すなわち、第2の室内分流器202は、第1の室内パス部203Aからの冷媒と第2の室内パス部203Bからの冷媒とを合流させて、第2の配管52に流す。このとき、第3の室内分流器204は、複数の室内パス203a~203eからの冷媒を合流させて第2の室内分流器202に流す。
【0054】
配管205は、第2の室内分流器202と第1の室外パス部103Aとを第3の室外分流器104を介して接続する。配管107は、第1の室外分流器101と第2の室外パス部103Bとを接続する。
【0055】
配管205には、第1の流量調整弁206が設けられている。第1の流量調整弁206は、第1の室内パス部203Aへの冷媒の流れを調整する。すなわち、第1の流量調整弁206は、第1の室内パス部203Aを流れる冷媒の流量を調整可能である。第1の流量調整弁206は、開度が制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。第1の流量調整弁206は、例えば、膨張弁である。なお、第1の流量調整弁206は、膨張弁が望ましいが、膨張弁以外であってもよい。
【0056】
配管207には、第2の膨張弁208が設けられている。第2の膨張弁208は、冷媒の温度を下げて、例えば、第2の室内パス部203Bが通る室内熱交換器41の結露水量を増やし、除湿量を増やすための装置である。例えば、第2の膨張弁208は、電磁膨張弁である。なお、第2の膨張弁208、は、他の膨張弁であってもよい。また、第2の膨張弁208は、他の弁であってもよい。また、第2の膨張弁208は、開度が制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。なお、第2の膨張弁208に替えてキャピラリーチューブを設けてもよい。なお、第2の膨張弁208およびキャピラリーチューブは、上記した除湿量を増やす等の制御を行わない場合は、無くてもよい。
【0057】
また、第2の室内分流器202は、複数の室内パス203a~203fからの冷媒を合流させて、第2の配管52に流す。すなわち、第2の室内分流器202は、第1の室内パス部203Aからの冷媒と第2の室内パス部203Bからの冷媒とを合流させて、第2の配管52に流す。
【0058】
制御装置14は、室外機11および室内機12に設けられる上述した圧縮機23、室外送風ファン22、室内送風ファン42、各弁等の制御を行い、冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転制御を行う。制御装置14は、例えば、室内機12に設けられる。この場合、制御装置14は、例えば、リモートコントローラから信号を入力されて制御されてもよいし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されて制御されてもよい。また、別の実施形態では、制御装置14を室外機11側に設けてもよい。また、室外機11側の制御用として室外制御装置、室内機12側の制御用として室内制御装置を別々に設けてもよい。制御装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。
【0059】
図4は、本実施形態の空気調和機10の制御装置14およびその制御装置14によって制御される構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の空気調和機10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、第1の流量調整弁駆動回路87と、第2の流量弁駆動回路88と、第3の流量弁駆動回路89と、第4の流量調整弁駆動回路90とを有する。
【0060】
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、圧縮機23をインバータ制御し、圧縮機23の周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
【0061】
四方弁駆動回路84は、四方弁25の駆動回路である。第1の膨張弁駆動回路85は、第1の膨張弁31の駆動回路である。第2の膨張弁駆動回路86は、第2の膨張弁208の駆動回路である。第1の流量調整弁駆動回路87は、第1の流量調整弁206の駆動回路である。第2の流量弁駆動回路88は、第2の流量調整弁106の駆動回路である。第3の流量弁駆動回路89は、第3の流量調整弁32の駆動回路である。第4の流量調整弁駆動回路90は、第4の流量調整弁33の駆動回路である。
【0062】
制御装置14は、温度センサT1~T15および温度センサSuと、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、第1の流量調整弁駆動回路87と、第2の流量弁駆動回路88と、第3の流量弁駆動回路89と、第4の流量調整弁駆動回路90に接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
【0063】
温度取得部91は、温度センサT1~T15および温度センサSuを用いて、冷凍サイクル内の各部分の温度を測定する。
【0064】
温度センサT1は、室内熱交換器41において、第1の室内パス部203Aの冷媒の温度(T1値)を検出する。
【0065】
温度センサT2は、室内熱交換器41において、第3の室内分流器204(第1の室内パス部203A)と第1の流量調整弁206との間の冷媒の温度(T2値)を検出する。
【0066】
温度センサT3は、室内熱交換器41において、第2の室内パス部203Bの冷媒の温度(T3値)を検出する。
【0067】
温度センサT4は、室内熱交換器41において、第2の室内パス部203Bと第1の室内分流器201との間の冷媒の温度(T4値)を検出する。
【0068】
温度センサT5は、室内熱交換器41において、第2の室内パス部203Bと第2の膨張弁208との間の冷媒の温度(T5値)を検出する。
【0069】
温度センサT6は、第1の室外熱交換器21Aにおいて、第1の室外パス部103Aの冷媒の温度(T6値)を検出する。
【0070】
温度センサT7は、第1の室外熱交換器21Aの第2の室外分流器102と第1の膨張弁31との間で第2の室外分流器102の近傍の冷媒の温度(T7値)を検出する。
【0071】
温度センサT8は、第2の室外熱交換器21Bの内部の冷媒の温度(T8値)を検出する。
【0072】
温度センサT9は、第2の室外熱交換器21Bと第1の配管51との間で第2の室外熱交換器21Bの近傍の冷媒の温度(T9値)を検出する。
【0073】
温度センサT10は、第1の室外熱交換器21Aの第2の室外分流器102と第1の膨張弁31との間で第1の膨張弁31の近傍の冷媒の温度(T10値)を検出する。
【0074】
温度センサT11は、第1の膨張弁31と気液分離器61との間の冷媒の温度(T11値)を検出する。
【0075】
温度センサT12は、第2の室外熱交換器21Bと第4の流量調整弁33との間で第4の流量調整弁33の近傍の冷媒の温度(T12値)を検出する。
【0076】
温度センサT13は、室内機12に吸い込まれた室内の空気の温度であって、室内熱交換器41で熱交換される前の空気の温度(以後、吸い込み空気温度とも称する:T13値)を検出する。
【0077】
温度センサT14は、室内機12から吹き出される空気の温度(以後、吹出温度とも称する:T14値)を検出する。すなわち、温度センサT14は、室内熱交換器41で熱交換された後の室内の空気の温度を検出する。
【0078】
温度センサT15は、室外機11が吸い込む空気(外気)の温度であって、第1の室外熱交換器21Aおよび第2の室外熱交換器21BBで熱交換される前の空気の温度(T15値)を検出する。
【0079】
温度センサSuは、アキュムレータの冷媒入口で冷媒の温度(Su値)を検出する。
【0080】
運転切替部92は、空気調和機10における冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転の切り替えを行う。
【0081】
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
【0082】
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
【0083】
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の周波数(運転周波数)を制御する。
【0084】
弁制御部96は、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁208、第1の流量調整弁206、第2の流量調整弁106、第3の流量調整弁32、および第4の流量調整弁33を制御する。弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御することで、四方弁25のアクチュエータを駆動し、四方弁25の冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85、第2の膨張弁駆動回路86、第1の流量調整弁駆動回路87、第2の流量弁駆動回路88、第3の流量弁駆動回路89、および第4の流量調整弁駆動回路90を制御することで、第1の膨張弁31、第2の膨張弁208、第1の流量調整弁206、第2の流量調整弁106、第3の流量調整弁32、および第4の流量調整弁33の開度を変更させる。弁制御部96は、第1の膨張弁31、第2の膨張弁208、第1の流量調整弁206、第2の流量調整弁106、第3の流量調整弁32、および第4の流量調整弁33の開度を変更することで、各弁を流れる冷媒の量を調節して、下流側に供給する冷媒の流量(圧力)調整等を行う。
【0085】
以下に、本実施形態の空気調和機10の冷房運転、除湿運転および暖房運転について説明する。なお、空気調和機10は、冷房運転、除湿運転および暖房運転に限らず、霜運転および除菌運転のような他の運転を行うことができる。また、空気調和機10の冷房運転、除湿運転および暖房運転は、以下に説明される例に限られない。
【0086】
まず、冷房運転について
図1に示される媒体の流れ態様に基づいて説明する。例えば、空気調和機10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0087】
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。
【0088】
冷房運転が開始されると、弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御し、四方弁25において冷媒が流れる方向を冷房用に変更させる。また、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御して、第1の膨張弁31を開弁させる。弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御して、第2の膨張弁208を開弁させる。弁制御部96は、第1の流量調整弁駆動回路87を制御し、第1の流量調整弁206を開弁させる。弁制御部96は、第2の流量弁駆動回路88を制御して、第2の流量調整弁106を開弁させる。弁制御部96は、第3の流量弁駆動回路89を制御して、第3の流量調整弁32を閉弁(全閉)させる。弁制御部96は、第4の流量調整弁駆動回路90を制御して、第4の流量調整弁33を閉弁(全閉)させる。
【0089】
これにより、第1の室外熱交換器21Aとアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続されるとともに、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとが接続される。よって、圧縮機23の吐出口23bから流出した冷媒は、室内熱交換器41を通って、気液分離器61の第1の開口63aから気液分離器61内に流入する。気液分離器61の第2の開口63bから流出した冷媒は、第1の膨張弁31を通って、第1の室外熱交換器21Aに流入する。そして、第1の室外熱交換器21Aから流出した冷媒は、四方弁25およびアキュムレータ24を通って、圧縮機23の吸入口23aから圧縮機23内に戻る。このとき、第1の室外熱交換器21Aは、蒸発器として吸熱し、室内熱交換器41は、凝縮器として放熱する。
【0090】
上記の冷房運転では、制御装置14は、例えば、設定温度を中心にPI制御(吸込空気温度の比例制御)を行い、室外機11(圧縮機23、室外送風ファン22)の動作を止めない。すなわち、本実施形態では、設定温度と吸込空気温度とに差温が無くなった場合であってもサーモオフを実施しない。具体的には、制御装置14は、温度センサT13の検出温度(T13値)が設定温度の±0.2℃の範囲内となるように、第1の膨張弁31と第2の流量調整弁106とを制御する。このとき、第1の流量調整弁206の開度と第2の膨張弁208の開度は、一定である。
【0091】
また、制御装置14は、上記の冷房運転中に冷媒配管13を流れる冷媒の量の不足を検出した場合、第3の流量調整弁32を開弁する。具体的には、例えば、過熱度SH1(=Su値-T1値)が10℃以上になった場合、冷媒の量が不足したと判断し、第3の流量調整弁32を開弁する。そして、制御装置14は、SH1=2℃となるように、第1の膨張弁31を制御する。
【0092】
制御装置14は、除湿運転においても、上記の冷媒運転と同様に冷媒が流れるように制御を実行する。ただし、
図3に示すように、除湿運転においては、制御装置14は、例えば、室内熱交換器41の第1の室内パス部203Aに流れる冷媒の温度が12℃となり、第2の室内パス部203Bに流れる冷媒の温度が8℃になるように、第2の膨張弁208を制御する。
【0093】
冷房運転及び除湿運転において、制御装置14は、圧縮機23の過負荷を検出した場合、第4の流量調整弁33を開弁し、膨張弁として機能させる。具体的には、例えば、過冷却SC1(=T11値-T6値)が5℃未満の場合に、圧縮機23が過負荷であると判断し、第4の流量調整弁33を開弁する。制御装置14は、過冷却SC1(=T11値-T6値)が5℃となるように第4の流量調整弁33を制御する。これにより、気液分離器61の第1の開口63aから流出した液状の冷媒の一部が、冷やされ、第2の室外熱交換器21Bに流れる。このとき、第2の室外熱交換器21Bは、蒸発器として吸熱する。第2の室外熱交換器21Bが蒸発器として吸熱することにより、第2の室外熱交換器21Bを通る空気(外気)が冷却される。ここで、
図5は、実施形態に係る空気調和機における室外機における空気(外気)の流れの様子を示す例示的かつ模式的な図である。
図5に示すように、第2の室外熱交換器21Bで冷却された空気が、第1の室外熱交換器21Aへ流れる。これにより、例えば、外気の温度が比較的高温の所定の温度(一例として35℃超の温度)の場合でも、第1の室外熱交換器21Aには、冷却されて所定の高温未満(一例として35℃)となった空気を第1の室外熱交換器21Aに流すことができる。
【0094】
この場合、第2の室外熱交換器21Bから流出した冷媒は、室内熱交換器41から流出した冷媒と第1の配管51の第1の領域51aで合流して、四方弁25およびアキュムレータ24を通って、圧縮機23の吸入口23aから圧縮機23内に戻る。
【0095】
次に、空気調和機10の発揮可能な空気調和能力のうち最低能力での冷房運転および除湿運転(以後、最低能力運転とも称する)について詳しく説明する。最低能力運転では、室内熱交換器41の全ての室内パス203a~203fと、第1の室外熱交換器21Aの全ての室外パス103a~103fとに冷媒を流して熱交換させた場合、過冷却が過大になってしまい、冷媒が第1の室外熱交換器21Aに滞留(寝込み)してしまう可能性がある。また、空気調和機10の能力の制御を室外送風ファン22の速度調整だけで行う場合は、冷媒の循環量と風量とのバランスが非常に難しい。
【0096】
そこで、本実施形態では、室内熱交換器41の室内パス203a~203fのうち一部にだけ冷媒を流すとともに、第1の室外熱交換器21Aの室外パス103a~103fのうち一部にだけ冷媒を流す。一例として、室内熱交換器41の室内パス203a~203fのうち室内パス203fすなわち第2の室内パス部203Bにだけ冷媒を流すとともに、第1の室外熱交換器21Aの室外パス103a~103fのうち室外パス103fすなわち第2の室外パス部103Bにだけ冷媒を流す。具体的には、制御装置14は、第1の流量調整弁206および第2の流量調整弁106を閉弁(全閉)させる。このときの冷媒の流れが
図6、7に示されている。この場合、一例として、室内熱交換器41の空気の吸込温度は、29℃であり、吹出温度は27℃である。なお、最低能力運転時に室内パス203a~203fと室外パス103a~103fとにおいて冷媒を流す対象は、上記のように一つずつに限定されず、2つ等の複数であってもよい。なお、
図6では、室内パス203a~203fと接する室内フィン209の図示が省略され、
図7では、室外パス103a~103fと接する室外フィンの図示が省略されている。また、
図6及び
図7では、室内パス203a~203f及び室外パス103a~103fを模式的に太い管で表している。
【0097】
このとき、冷媒の循環量と空気調和能力を合わせる制御を行う。例えば、使用しない冷媒を、第1の室外熱交換器21Aに冷媒を溜めるのではなく、気液分離器61に溜める。具体的には、制御装置14は、第1の流量調整弁206および第2の流量調整弁106を閉弁(全閉)させるとともに、吹出温度(T14値)を所定の温度(例えば27℃)になるように、第4の流量調整弁33を制御し、膨張弁として機能させる。具体的には、例えば、制御装置14は、吹出空気温度を所定の温度(例えば27℃)に維持するために、設定温度と吸込温度との差が-0.2℃以下を検出した場合、第4の流量調整弁33を開弁し、第2の室外熱交換器21Bに冷えた冷媒を流す。制御装置14は、設定温度と吸込温度との差が+0.2℃を検出した場合、第4の流量調整弁33を閉弁(全閉)する。
【0098】
また、制御装置14は、気液分離器61の冷媒量を制御する。具体的には、制御装置14は、第3の流量調整弁32の開度を制御することにより、気液分離器61に溜める冷媒の量を制御する。例えば、設定温度と吸込温度との差が-0.2℃以下を検出した場合、第3の流量調整弁32を閉弁し、気液分離器61から室内熱交換器41へ流れる冷媒の量を多くする。制御装置14は、設定温度と吸込温度との差が+0.2℃を検出した場合、第3の流量調整弁32を開弁し、室内熱交換器41へ流れる液状の冷媒を減らす。このとき、気液分離器61が減圧されるため、室外熱交換器21側に冷媒が流れにくくなる。
【0099】
次に、除湿運転の一種である再熱除湿運転について説明する。制御装置14は、第2の流量調整弁106を開弁し、第3の流量調整弁32および第4の流量調整弁33を閉弁する。そして、制御装置14は、第1の膨張弁31および第2の膨張弁208を全開にして、T5値が例えば40℃となるようにする。また、制御装置14は、第1の室内パス部203Aに流れる冷媒が、第2の室内パス部203Bに流れる冷媒の温度よりも低温となるように(例えばT2値が10℃となるように)、第1の流量調整弁206を制御し、膨張弁として機能させて冷媒を冷やす。これにより、室内熱交換器41のうち第1の室内パス部203Aに対応する部分により空気を冷やして除湿し、室内熱交換器41のうち第2の室内パス部203Bに対応する部分により冷えた空気を温めることができる。なお、冷房運転及び除湿運転と同様に、第4の流量調整弁33を開いて、冷えた冷媒を第2の室外熱交換器21Bに流してもよい。
【0100】
続いて、暖房運転について
図2に示される媒体の流れ態様に基づいて説明する。暖房運転の場合も例えば、空気調和機10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0101】
暖房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。
【0102】
暖房運転が開始されると、弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御し、四方弁25において冷媒が流れる方向を暖房用に変更させる。また、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御して、第1の膨張弁31を開弁させる。弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御して、第2の膨張弁208を開弁させる。弁制御部96は、第1の流量調整弁駆動回路87を制御し、第1の流量調整弁206を開弁させる。弁制御部96は、第2の流量弁駆動回路88を制御して、第2の流量調整弁106を開弁させる。弁制御部96は、第3の流量弁駆動回路89を制御して、第3の流量調整弁32を閉弁(全閉)させる。弁制御部96は、第4の流量調整弁駆動回路90を制御して、第4の流量調整弁33を開弁(全開)させる。これにより、第1の室外熱交換器21Aと圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。また、第2の室外熱交換器21Bと、第1の配管51および第2の配管52とが接続される。よって、圧縮機23の吐出口23bから流出した冷媒は、第1の室外熱交換器21Aの第1の室外パス部103Aおよび第2の室外パス部103Bと、第1の膨張弁31とを通って、気液分離器61の第2の開口63bから気液分離器61内に流入する。気液分離器61の第1の開口63aから流出した冷媒は、室内熱交換器41に流入する。そして、室内熱交換器41から流出した冷媒は、四方弁25およびアキュムレータ24を通って、圧縮機23の吸入口23aから圧縮機23内に戻る。このとき、第1の室外熱交換器21Aは、凝縮器として放熱し、室内熱交換器41は、蒸発器として吸熱する。
【0103】
図8は、実施形態に係る空気調和機における暖房運転時の室外機の温度の一例を説明するための図である。
図8に示すように、制御装置14は、第4の流量調整弁33を開弁させることにより、第1の室外熱交換器21Aに流れる空気(外気)の温度を、例えば室外機11が吸い込む空気の温度よりも2℃上昇させる。ここで、
図8の矢印は、第1の室外熱交換器21A及び第2の室外熱交換器21Bにおける冷媒および空気(外気)の流れの一例を示し、当該矢印中の温度は冷媒や空気(外気)の温度の一例を示す。具体的には、
図8の例では、第2の室外熱交換器21Bに70℃の冷媒が入って2℃の空気(外気)と熱交換し、その冷媒が40℃になって第2の室外熱交換器21Bから出ていくとともに、空気が4℃になって第1の室外熱交換器21Aに流れる。そして、第1の室外熱交換器21Aに0℃の冷媒が入って4℃の空気(外気)と熱交換し、2℃になって出ていく。このように第4の流量調整弁33を開弁させることにより、第1の室外熱交換器21Aに流す冷媒の温度を高くすることができる。また、これにより、第1の室外熱交換器21Aに流れる空気が露点温度以上になり、第1の室外熱交換器21Aに霜が付かない。よって、除霜運転が不要の所謂ノンストップ暖房が可能になる。
【0104】
また、制御装置14は、上記の暖房運転中に冷媒配管13を流れる冷媒の量の不足を検出した場合、第3の流量調整弁32を開弁する。具体的には、過熱度SH1(=Su値-T1値)が10℃以上になった場合、冷媒の量が不足したと判断し、第3の流量調整弁32を開弁する。そして、制御装置14は、SH1=2℃となるように、第1の膨張弁31を制御する。なお、制御装置14は、外気温度が0℃以下になったら、第3の流量調整弁32を開け、圧縮機23の吐出温度が90℃を超えたら第3の流量調整弁32を閉める制御を行ってもよい(省エネルギーモード)。これにより、圧縮機23の消費電力を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、制御装置14は、室内熱交換器41を制御してもよい。例えば、室内熱交換器41の冷媒の温度上昇が悪い場合には、第3の流量調整弁32を閉めてよい。
【0105】
上記の暖房運転では、制御装置14は、例えば、設定温度を中心にPI制御(吸込空気温度の比例制御)を行い、室外機11(圧縮機23、室外送風ファン22)の動作を止めない。すなわち、本実施形態では、設定温度と吸込空気温度とに差温が無くなった場合すなわち最低能力での暖房運転であってもサーモオフを実施しない。
【0106】
具体的には、最低能力での暖房運転時には、第1の流量調整弁206を閉弁(全閉)にする。なお、第1の室内パス部203Aに冷媒が滞留し、その冷媒が冷えることを抑制するために、第1の流量調整弁206を少しだけ(例えば、約80パルス/500パルス)開弁させてもよい。また、制御装置14は、第2の流量調整弁106は全開にする。そして、制御装置14は、温度センサT13の検出温度(T13値)が設定温度の±0.2℃の範囲内となるように、各弁を制御する。具体的には、制御装置14は、設定温度より吸込温度が+0.2℃上昇した場合、第4の流量調整弁33を開弁し、第2の室外熱交換器21Bに冷媒ガスを逃がし室温を下げる。一方、設定温度より吸込温度が-0.2℃低下した場合、制御装置14は、第4の流量調整弁33を閉める。それでも、吸込温度が低下する場合は、制御装置14は、第1の流量調整弁206を開け、第1の室内パス部203Aに冷媒ガスを流し、圧縮機23に戻る冷媒の温度を上昇させる。この時、圧縮機23の周波数は最低周波数で変化させない。また、制御装置14は、冷房運転中と同様に、冷媒配管13を流れる冷媒の量の不足を検出した場合、第3の流量調整弁32を開弁する。
【0107】
以上のように、本実施形態の空気調和機10は、室内熱交換器41と、第1の室外熱交換器21Aと、第1の配管51と、第2の配管52と、圧縮機23と、第1の膨張弁31と、第1の室内分流器201と、第2の室内分流器202と、第1の室外分流器101と、第2の室外分流器102と、第1の流量調整弁206と、第2の流量調整弁106と、を備える。室内熱交換器41は、互いに並列に並べられ冷媒が流れる複数の室内パス203a~203fを有する。第1の室外熱交換器21Aは、互いに並列に並べられ冷媒が流れる複数の室外パス103a~103fを有する。第1の配管51は、室内熱交換器41と第1の室外熱交換器21Aとを接続し、冷媒が流れる。第2の配管52は、第1の室外熱交換器21Aと室内熱交換器41とを接続し、冷媒が流れる。圧縮機23は、第1の配管51に設けられ、冷媒を吸入する吸入口23aと、冷媒を吐出する吐出口23bと、を有する。第1の膨張弁31は、第2の配管52に設けられている。第1の室内分流器201は、第1の配管51と複数の室内パス203a~203fとを接続する。第2の室内分流器202は、第2の配管52と複数の室内パス203a~203fとを接続する。第1の室外分流器101は、第1の配管51と複数の室外パス103a~103fとを接続する。第2の室外分流器102は、第2の配管52と複数の室外パス103a~103fとを接続する。複数の室内パス203a~203fは、1以上の室内パス203a~203fからなる第1の室内パス部203Aと、第1の室内パス部203Aとは異なる1以上の室内パス203a~203fからなる第2の室内パス部203Bと、を含む。複数の室外パス103a~103fは、1以上の室外パス103a~103fからなる第1の室外パス部103Aと、第1の室外パス部103Aとは異なる1以上の室外パス103a~103fからなる第2の室外パス部103Bと、を含む。第1の流量調整弁206は、第1の室内パス部203Aへの冷媒の流れを調整する。第2の流量調整弁106は、第1の室外パス部103Aへの冷媒の流れを調整する。
【0108】
このような構成によれば、第1の流量調整弁206によって第1の室内パス部203Aを流れる冷媒の流量を小さく、あるいは少なくすることにより、室内熱交換器41で室内の空気と熱交換する冷媒の量を減らすことができる。これにより、空気調和機10の発揮する能力が比較的低い低能力運転時でも圧縮機23を停止させることなく、空気調和をし続けることができる。すなわち、低能運転時でも圧縮機23の動作を継続させやすい。
【0109】
また、空気調和機10は、例えば、気液分離器61と、第3の配管53と、第3の流量調整弁32と、を備える。気液分離器61は、第2の配管52に設けられ、室内熱交換器41と接続される第1の開口61aと、第1の室外熱交換器21Aと接続される第2の開口61bと、気体状の冷媒が通る第3の開口61cと、が設けられている。第3の配管53は、第3の開口61cと、圧縮機23と室内熱交換器41との間の第1の配管51とを接続する。第3の流量調整弁32は、第3の配管53の冷媒の流量を調整する。
【0110】
このような構成によれば、冷房運転時に第2の室内パス部203Bへ向かう冷媒をさらに冷やすことができ、室内機12の除湿量を増やすことができる。
【0111】
また、空気調和機10は、例えば、第2の室内パス部203Bへの冷媒の流れを調整する第2の膨張弁208を備える。
【0112】
このような構成によれば、冷房運転時に、第2の室外熱交換器21Bで、室外機が吸い込む外気(吸込外気)を冷やすことができ、冷媒の過冷却をとることができる。また、暖房運転時に、第2の室外熱交換器21Bで吸込外気の温度を上昇させることができる。よって、第1の室外熱交換器21Aに流す冷媒の温度を高くすることができ、第1の室外熱交換器21Aに霜が付きにくくなる。その結果、圧縮機23を停止させない所謂ノンストップ暖房運転が可能となる。
【0113】
また、空気調和機10は、例えば、第4の配管54と、第4の流量調整弁33と、第2の室外熱交換器21Bと、室外送風ファン22と、を備える。第4の配管54は、気液分離器61と室内熱交換器41との間の第2の配管52と、圧縮機23と室内熱交換器41との間の第1の配管51と、を接続する。第4の流量調整弁33は、第4の配管54の流れを調整する。第2の室外熱交換器21Bは、第4の配管54に設けられている。室外送風ファン22は、第1の室外熱交換器21Aおよび第2の室外熱交換器21Bと熱交換する空気の流れを生成する。第2の室外熱交換器21Bは、第1の室外熱交換器21Aに対して空気の流れ方向の上流側に配置されている。
【0114】
このような構成によれば、室外機11が吸い込む外気の温度が比較的低い低温外気の場合の暖房運転や、室外機11が吸い込む外気の温度が比較的高い高温外気の場合の冷房運転であっても、安定して空気調和機10の能力を出すことができる。
【0115】
以上の空気調和機10によれば、例えば、圧縮機23の動作を継続させやすい空気調和機10を得ることができる。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
10…空気調和機、11…室外機、12…室内機、13…冷媒配管、21A…第1の室外熱交換器、21B…第2の室外熱交換器、22…室外送風ファン、23…圧縮機、31…第1の膨張弁、32…第3の流量調整弁、33…第4の流量調整弁、41…室内熱交換器、51…第1の配管、52…第2の配管、61…気液分離器、61a…第1の開口、61b…第2の開口、61c…第3の開口、101…第1の室外分流器、102…第2の室外分流器、103A…第1の室外パス部、103B…第2の室外パス部、103a~103f…室外パス、106…第2の流量調整弁、201…第1の室内分流器、202…第2の室内分流器、206…第1の流量調整弁、203A…第1の室内パス部、203B…第2の室内パス部、203a~203f…室内パス、208…第2の膨張弁。