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特開2024-135000細胞播種方法および細胞培養システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135000
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】細胞播種方法および細胞培養システム
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20240927BHJP
   C12M 3/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C12N5/071
C12M3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045481
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】藤山 陽一
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA09
4B029BB11
4B029CC01
4B029HA05
4B065AA90X
4B065BC01
4B065CA60
(57)【要約】
【課題】気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことが可能な細胞播種方法を提供する。
【解決手段】この細胞播種方法は、配管21を介して培地供給部に選択的に流体接続可能な入口11と、出口12と、入口11および出口12の間に設けられた流路13とを備える細胞培養デバイス10の流路13内に培地CMを満たすステップS1と、流路13内に培地CMを満たすステップの後、入口11が配管21に接続された状態で、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップS2と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を介して培地供給部に選択的に流体接続可能な第1ポートと、第2ポートと、前記第1ポートおよび前記第2ポートの間に設けられた流路とを備える細胞培養デバイスの前記流路内に培地を満たすステップと、
前記流路内に前記培地を満たすステップの後、前記第1ポートが前記配管に接続された状態で、前記流路の前記第2ポート側から前記流路内に細胞懸濁液を導入するステップと、を備える、細胞播種方法。
【請求項2】
前記流路内に前記培地を満たすステップは、前記流路の前記第1ポート側に設けられたポンプにより前記培地を前記第1ポート側から前記第2ポート側に向かって送液することにより、前記流路内に前記培地を満たすステップを含み、
前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップは、前記ポンプにより前記培地および前記細胞懸濁液を前記第2ポート側から前記第1ポート側に向かって吸引することにより、前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップを含む、請求項1に記載の細胞播種方法。
【請求項3】
前記流路内に前記培地を満たすステップは、前記ポンプにより前記培地を前記流路の前記第2ポート側に設けられた第2ポート側貯留部に到達するまで送液することにより、前記流路内に前記培地を満たすステップを含む、請求項2に記載の細胞播種方法。
【請求項4】
前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップは、前記流路の前記第2ポート側を開放した状態で、前記流路の前記第2ポート側から、前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップを含む、請求項1に記載の細胞播種方法。
【請求項5】
前記流路内に前記培地を満たすステップは、前記流路の前記第2ポート側に設けられたシリンジにより前記培地を前記第2ポート側から前記第1ポート側に向かって送液することにより、前記流路内に前記培地を満たすステップを含む、請求項1に記載の細胞播種方法。
【請求項6】
前記流路内に前記培地を満たすステップの後、前記配管に、前記配管を取り外さずに取り付けることが可能なチューブポンプを取り付けるステップをさらに備える、請求項5に記載の細胞播種方法。
【請求項7】
前記流路には、細胞培養要素が、外部に開放されない位置に配置されている、請求項1に記載の細胞播種方法。
【請求項8】
第1ポートと、第2ポートと、前記第1ポートおよび前記第2ポートの間に設けられた流路とを備える細胞培養デバイスと、
前記第1ポートに接続される配管と、
前記配管を介して前記第1ポートに選択的に流体接続される培地供給部と、
前記第2ポートに選択的に流体接続される細胞供給部と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記流路内に培地を満たすステップと、
前記流路内に前記培地を満たすステップの後、前記第1ポートが前記配管に接続された状態で、前記流路の前記第2ポート側から前記流路内に細胞懸濁液を導入するステップと、
を実行する制御を行う、細胞培養システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞播種方法および細胞培養システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ流体デバイスに細胞を播種して培養する方法が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/172454号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
細胞培養時に流体デバイスの流路の入口側に培地を送液する配管を接続する際、当該配管に気泡が存在すると、流路内に気泡が導入されてしまうおそれがある。特に、流路の入口側から細胞懸濁液を導入する場合には、流路の入口側に接続される配管を取り外した後、流路の入口側から細胞懸濁液を導入し、取り外した配管を再び流路の入口側に接続することになる。この場合、流路の入口側の配管の脱着に起因して配管に気泡が入ってしまうため、流路内に気泡が導入されやすい。そして、導入された気泡が細胞の近傍に存在する場合、気泡の影響により細胞に培地が適切に供給されないため、細胞培養が適切に行われないという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことが可能な細胞播種方法および細胞培養システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の局面における細胞播種方法は、配管を介して培地供給部に選択的に流体接続可能な第1ポートと、第2ポートと、第1ポートおよび第2ポートの間に設けられた流路とを備える細胞培養デバイスの流路内に培地を満たすステップと、流路内に培地を満たすステップの後、第1ポートが配管に接続された状態で、流路の第2ポート側から流路内に細胞懸濁液を導入するステップと、を備える。
【0007】
第2の局面における細胞培養システムは、第1ポートと、第2ポートと、第1ポートおよび第2ポートの間に設けられた流路とを備える細胞培養デバイスと、第1ポートに接続される配管と、配管を介して第1ポートに選択的に流体接続される培地供給部と、第2ポートに選択的に流体接続される細胞供給部と、制御装置と、を備え、制御装置は、流路内に培地を満たすステップと、流路内に培地を満たすステップの後、第1ポートが配管に接続された状態で、流路の第2ポート側から流路内に細胞懸濁液を導入するステップと、を実行する制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
上記第1の局面における細胞播種方法および第2の局面における細胞培養システムでは、上記のように、流路内に培地を満たすステップを設ける。これにより、気泡を、流路内に培地を満たす際の培地の送液により追い出すことができる。また、流路内に培地を満たすステップの後、第1ポートが配管に接続された状態で、流路の第2ポート側から流路内に細胞懸濁液を導入するステップを設ける。これにより、流路の第1ポート側から細胞懸濁液を導入する場合と異なり、流路の第1ポート側の配管を脱着しなくても、細胞懸濁液(細胞)を導入することができる。その結果、流路の第1ポート側の配管の脱着に起因する気泡を排除することができる。これらの結果、気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態による細胞培養システムの全体構成を示した模式図である。
図2】第1実施形態による細胞播種方法を説明するためのフローチャートである。
図3】第1実施形態による流路内に培地を満たすステップを説明するための模式図である。
図4】第1実施形態による流路内に細胞懸濁液を導入するステップを説明するための模式図(1)である。
図5】第1実施形態による流路内に細胞懸濁液を導入するステップを説明するための模式図(2)である。
図6】第1実施形態による流路内に細胞懸濁液を導入するステップを説明するための模式図(3)である。
図7】第1実施形態による細胞培養デバイスによる細胞培養を説明するための模式図である。
図8】第1実施形態による他の細胞播種方法を説明するためのフローチャートである。
図9】第1実施形態による他の細胞播種方法における流路内に培地を満たすステップを説明するための模式図である。
図10】第1実施形態による他の細胞播種方法における配管にポンプを取り付けるステップを説明するための模式図である。
図11】第2実施形態による細胞培養システムの全体構成を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具現化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
(細胞培養システムの全体構成)
図1を参照して、第1実施形態による細胞培養システム100の構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、細胞培養システム100は、細胞培養デバイス10の細胞培養領域13aにおいて細胞を培養するシステムである。細胞培養システム100は、細胞培養デバイス10と、入口側貯留部20と、ポンプ30と、出口側貯留部40と、制御部50とを備えている。なお、入口側貯留部20およびポンプ30は、特許請求の範囲の「培地供給部」の一例である。また、出口側貯留部40は、特許請求の範囲の「第2ポート側貯留部」の一例である。
【0013】
細胞培養デバイス10は、入口11と、出口12と、流路13とを含んでいる。流路13は、入口11および出口12の間に設けられて、細胞培養領域13aを有している。細胞培養領域13aは、流路13全域であっても良いが、後述の細胞を培養するための細胞培養要素が配置されていても良い。細胞培養要素は、たとえば、ゲル(コラーゲンゲルなど)、または、多孔性膜である。細胞培養要素は、流路13内の外部に開放されない位置に配置されている。なお、入口11および出口12は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1ポート」および「第2ポート」の一例である。
【0014】
入口11と、出口12と、流路13とは、デバイス本体14に形成されている。デバイス本体14は、複数のシート部材を積層して構成されている。複数のシート部材には、入口11と、出口12と、流路13とにそれぞれ対応する開口または溝が形成されている。複数のシート部材が積層されることにより、入口11と、出口12と、流路13とが形成される。複数のシート部材は、それぞれ、樹脂、ガラスまたはゴムなどの材料により形成されている。
【0015】
入口側貯留部20は、細胞培養デバイス10に供給する培地CMを貯留する。入口側貯留部20は、コニカルチューブなどの容器である。入口側貯留部20は、配管21を介して、細胞培養デバイス10の入口11に選択的に流体接続されている。配管21は、樹脂またはゴムなどの材料により形成された可撓性を有するチューブである。配管21の一端は、入口側貯留部20内に配置されており、入口側貯留部20に貯留された培地CMに浸されている。配管21の他端は、細胞培養デバイス10の入口11に接続されている。具体的には、配管21の他端には、コネクタ21aが設けられており、コネクタ21aが、細胞培養デバイス10の入口11に設けられたコネクタ11aに接続されている。たとえば、コネクタ21aが、オスルアーコネクタであり、コネクタ11aが、メスルアーコネクタである。
【0016】
ポンプ30は、培地CMを送液する。ポンプ30は、細胞培養デバイス10の流路13の入口11側に設けられている。具体的には、ポンプ30は、配管21に取り付けられている。ポンプ30は、配管21を押しつぶすことにより培地CMを送液するチューブポンプ(ペリスタルティックポンプ)である。入口側貯留部20およびポンプ30は、細胞培養デバイス10に培地CMを供給するための培地供給部として機能する。
【0017】
出口側貯留部40は、細胞培養デバイス10から排出された培地CMを貯留する。出口側貯留部40は、コニカルチューブなどの容器である。出口側貯留部40は、配管41を介して、細胞培養デバイス10の出口12に選択的に流体接続されている。配管41は、樹脂またはゴムなどの材料により形成された可撓性を有するチューブである。配管41の一端は、出口側貯留部40内に配置されている。配管41の他端は、細胞培養デバイス10の出口12に接続されている。具体的には、配管41の他端には、コネクタ41aが設けられており、コネクタ41aが、細胞培養デバイス10の出口12に設けられたコネクタ12aに接続されている。たとえば、コネクタ41aが、オスルアーコネクタであり、コネクタ12aが、メスルアーコネクタである。
【0018】
制御部50は、プログラムを実行するCPUなどのプロセッサと、プログラムを格納するメモリなどの記憶部とを含み、ポンプ30の動作を制御する。制御部50は、ポンプ30の動作を制御することにより、培地CMの送液を制御する。
【0019】
(細胞播種方法)
図2図6を参照して、細胞培養システム100の細胞播種方法について説明する。
【0020】
図2に示すように、細胞培養システム100の細胞播種方法は、配管21を介して入口側貯留部20およびポンプ30に選択的に流体接続可能な入口11と、出口12と、入口11および出口12の間に設けられた流路13とを備える細胞培養デバイス10の流路13内に培地CMを満たすステップ(S1)と、流路13内に培地CMを満たすステップの後、入口11が配管21に接続された状態で、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(S2)と、を備えている。なお、細胞懸濁液CSとは、播種する細胞を、培地CMに懸濁させた液体である。
【0021】
〈培地を満たすステップ〉
ステップS1では、図3に示すように、流路13内に培地CMが満たされる。具体的には、流路13の入口11側に設けられたポンプ30により培地CMが入口11側から出口12側に向かって送液されることにより、流路13内に培地CMが満たされる。この際、ポンプ30により培地CMが流路13の出口12側に設けられた出口側貯留部40に到達するまで送液される。培地CMが出口側貯留部40に到達した直後にポンプ30による培地CMの送液が停止されてもよいし、培地CMが出口側貯留部40に到達した後、ポンプ30による培地CMの送液をしばらく継続してから、ポンプ30による培地CMの送液が停止されてもよい。ポンプ30は、制御部50の制御信号に基づいて、少なくとも培地CMが出口側貯留部40に到達する所定の量の培地CMを送液する。
【0022】
また、ポンプ30は、制御部50の制御信号に基づいて、細胞培養時の流量(流速)よりも大きい所定の流量で培地CMを送液する。細胞培養時には、細胞培養領域13aに細胞が配置されているため、流量が過度に大きいと、細胞が細胞培養領域13aから流れてしまうなどの悪影響があるが、細胞播種前には、細胞培養領域13aに細胞が配置されていないため、流量がある程度大きくても、細胞が細胞培養領域13aから流れてしまうなどの悪影響がない。また、配管21および流路13から気泡を追い出しやすくする観点から、流量が大きい方が望ましい。
【0023】
〈細胞懸濁液を導入するステップ〉
ステップS2では、図4図6に示すように、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSが導入される。ステップS2は、流路13の出口12側から培地CMを取り除くステップ(図4参照)と、流路13の出口12側から細胞懸濁液CSを供給するステップ(図5参照)と、細胞懸濁液CSを吸引するステップ(図6参照)とを含んでいる。
【0024】
図4に示すように、流路13の出口12側から培地CMが取り除かれる。具体的には、まず、流路13の出口12側に接続された出口側貯留部40および配管41が、流路13の出口12から取り外される。すなわち、コネクタ41aがコネクタ12aから取り外される。そして、ピペットなどの吸引具61により、流路13の出口12(コネクタ12a)に溜まった培地CMが吸引されることにより、流路13の出口12側から培地CMが取り除かれる。作業者が、コネクタ12aからコネクタ41aを取り外し、吸引具61を用いて、流路13の出口12に溜まった培地CMを取り除く。
【0025】
そして、流路13の出口12側から培地CMが取り除かれた後、図5に示すように、流路13の出口12側から細胞懸濁液CSが供給される。具体的には、培地CMが取り除かれた空間に、ピペットなどの吐出具62により細胞懸濁液CSが吐出されることにより、流路13の出口12側から細胞懸濁液CSが供給される。作業者が、吐出具62を用いて、流路13の出口12側から細胞懸濁液CSを供給する。
【0026】
そして、流路13の出口12側から細胞懸濁液CSが供給された後、図6に示すように、細胞懸濁液CSが吸引される。具体的には、ポンプ30により流路13内の培地CMと共に細胞懸濁液CSが出口12側から入口11側に向かって吸引される。すなわち、流路13内に培地CMを満たす際とは逆方向にポンプ30が回転されることにより、流路13内の培地CMと共に細胞懸濁液CSが出口12側から入口11側に向かって吸引される。ポンプ30は、制御部50の制御信号に基づいて、細胞懸濁液CSに含まれる細胞が細胞培養領域13aに十分に配置される所定の量の培地CMおよび細胞懸濁液CSを吸引する。ポンプ30は、制御部50の制御信号に基づいて、細胞懸濁液CSの供給量よりも少ない所定の量(たとえば、供給量の半量)の培地CMおよび細胞懸濁液CSを吸引する。
【0027】
なお、便宜上、デバイス本体14内に設けられた流路13の本体(コネクタ11aおよびコネクタ12a以外の部分)を大きく図示しているが、実際には、流路13の本体は、配管21、配管41、コネクタ11aの流路部分、および、コネクタ12aの流路部分よりも非常に小さい。たとえば、流路13の本体の容積が数μl程度であるのに対して、コネクタ12aの流路部分の容積は、数十μl程度である。このため、細胞懸濁液CSを供給する際には、コネクタ12aの流路部分には、流路13の本体の容積の数十倍程度の細胞懸濁液CSが供給される。そして、細胞懸濁液CSを吸引する際には、流路13の本体の容積の数十倍程度の細胞懸濁液CSが吸引される。
【0028】
これらにより、ステップS2では、流路13内に細胞懸濁液CSが導入される。また、出口側貯留部40および配管41が、流路13の出口12から取り外されているため、流路13の出口12側を外部に開放した状態で、流路13の出口12側から、流路13内に細胞懸濁液CSが導入される。
【0029】
以上のように、細胞培養システム100の細胞播種方法において、流路13内に培地CMを満たすステップ(S1)、および、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(S2)は、流路13の入口11側の配管21を取り外すことなく取り付けた状態で行われる。また、流路13内に培地CMを満たすステップ(S1)、および、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(S2)が行われることにより、細胞培養デバイス10に細胞が播種される。
【0030】
そして、細胞培養デバイス10に細胞が播種された後、図7に示すように、取り外されていた出口側貯留部40および配管41が、流路13の出口12に取り付けられて、細胞培養領域13aにおいて細胞が培養される。また、細胞を培養する際には、ポンプ30により培地CMが入口11側から出口12側に向かって送液される。この際、後述するように、気泡の影響が抑制されているため、細胞培養を適切に行うことが可能である。なお、配管41の脱着に起因して配管41に気泡が入る可能性があるが、細胞培養領域13aよりも下流側であるため、細胞培養には悪影響を及ぼさない。
【0031】
(他の細胞播種方法)
図8図10を参照して、細胞培養システム100の他の細胞播種方法について説明する。ポンプ30の送液する力(気泡を追い出す力)が比較的小さい場合には、送液する力(気泡を追い出す力)が比較的大きいシリンジ70を用いて、細胞播種方法を実行してもよい。
【0032】
図8に示すように、細胞培養システム100の他の細胞播種方法は、配管21を介して入口側貯留部20およびポンプ30に選択的に流体接続可能な入口11と、出口12と、入口11および出口12の間に設けられた流路13とを備える細胞培養デバイス10の流路13内に培地CMを満たすステップ(S11)と、流路13内に培地CMを満たすステップの後、入口11が配管21に接続された状態で、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(S13)と、を備えている。また、細胞培養システム100の他の細胞播種方法は、流路13内に培地CMを満たすステップの後、配管21に、配管21を取り外さずに取り付けることが可能なチューブポンプとしてのポンプ30を取り付けるステップ(S12)をさらに備えている。
【0033】
〈培地を満たすステップ〉
ステップS11では、図9に示すように、流路13内に培地CMが満たされる。具体的には、まず、流路13の出口12側に接続された出口側貯留部40および配管41が、流路13の出口12から取り外される。すなわち、コネクタ41aがコネクタ12aから取り外される。また、ポンプ30が、流路13の入口11側に接続された配管21から取り外される。そして、培地CMを保持するシリンジ70が、流路13の出口12に取り付けられる。すなわち、シリンジ70の先端がコネクタ12aに取り付けられる。そして、流路13の出口12側に設けられたシリンジ70により培地CMが出口12側から入口11側に向かって送液されることにより、流路13内に培地CMが満たされる。この際、培地CMが少なくとも入口側貯留部20に到達するまで送液される。作業者が、出口側貯留部40および配管41を流路13の出口12から取り外すとともに、ポンプ30を配管21から取り外し、シリンジ70を流路13の出口12に取り付ける。また、作業者が、取り付けたシリンジ70を用いて、培地CMを出口12側から入口11側に向かって送液する。シリンジ70は、ポンプ30よりも大きい力で送液を行うことが可能なように構成されている。
【0034】
〈ポンプを取り付けるステップ〉
ステップS12では、図10に示すように、配管21にポンプ30が取り付けられる。具体的には、配管21を取り外さずに取り付けた状態で、配管21の外周側から配管21を挟むようにポンプ30が取り付けられる。作業者が、配管21にポンプ30を取り付ける。
【0035】
〈細胞懸濁液を導入するステップ〉
ステップS13では、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSが導入される。ステップS13は、ステップS2と同様であるため、詳細な説明は省略するが、流路13の出口12側から培地CMを取り除くステップ(図4参照)と、流路13の出口12側から細胞懸濁液CSを供給するステップ(図5参照)と、細胞懸濁液CSを吸引するステップ(図6参照)とを含んでいる。
【0036】
以上のように、細胞培養システム100の他の細胞播種方法において、流路13内に培地CMを満たすステップ(S11)、配管21にポンプ30を取り付けるステップ(S12)、および、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(S13)は、流路13の入口11側の配管21を取り外すことなく取り付けた状態で行われる。また、流路13内に培地CMを満たすステップ(S11)、配管21にポンプ30を取り付けるステップ(S12)、および、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(S13)が行われることにより、細胞培養デバイス10に細胞が播種される。
【0037】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0038】
第1実施形態では、上記のように、流路13内に培地CMを満たすステップS1、S11を設ける。これにより、気泡を、流路13内に培地CMを満たす際の培地CMの送液により追い出すことができる。また、流路13内に培地CMを満たすステップS1、S11の後、入口11が配管21に接続された状態で、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップS2、S13を設ける。これにより、流路13の入口11側から細胞懸濁液CSを導入する場合と異なり、流路13の入口11側の配管21を脱着しなくても、細胞懸濁液CS(細胞)を導入することができる。その結果、流路13の入口11側の配管21の脱着に起因する気泡を排除することができる。これらの結果、気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことができる。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13内に培地CMを満たすステップS1、S11、および、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップS2、S13は、流路13の入口11側の配管21を取り外すことなく取り付けた状態で行われる。これにより、流路13の入口11側の配管21を脱着することなく、細胞懸濁液CSに含まれる細胞を細胞培養領域13aに配置することができるので、流路13の入口11側の配管21の脱着に起因する気泡を確実に排除することができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13内に培地CMを満たすステップS1は、流路13の入口11側に設けられたポンプ30により培地CMを入口11側から出口12側に向かって送液することにより、流路13内に培地CMを満たすステップを含み、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップS2は、ポンプ30により培地CMおよび細胞懸濁液CSを出口12側から入口11側に向かって吸引することにより、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップを含む。これにより、同じポンプ30を有効に利用して、流路13内に培地CMを満たすステップS1、および、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップS2を行うことができるので、簡素な構成で、気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことができる効果を発揮することができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13内に培地CMを満たすステップS1は、ポンプ30により培地CMを流路13の出口12側に設けられた出口側貯留部40に到達するまで送液することにより、流路13内に培地CMを満たすステップを含む。これにより、流路13内に培地CMを十分に送液することができるので、細胞培養領域13aよりも上流側に存在する気泡を、培地CMの送液により確実に追い出すことができる。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップS2、S13は、流路13の出口12側を開放した状態で、流路13の出口12側から、流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップを含む。これにより、流路13の出口12側を開放した状態であれば、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入する際に気泡が全くまたはほぼ発生しないことを有効に利用して、流路13の出口12側から気泡が導入されることを抑制することができる。その結果、気泡の影響をより抑制することができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13内に培地CMを満たすステップS11は、流路13の出口12側に設けられたシリンジ60により培地CMを出口12側から入口11側に向かって送液することにより、流路13内に培地CMを満たすステップを含む。これによっても、気泡を、流路13内に培地CMを満たす際の培地CMの送液により追い出すことができる。また、入口11側のポンプ30の送液する力が比較的小さく、培地CMの送液により気泡を十分に追い出すことができない場合にも、ポンプ30よりも送液する力が大きい出口12側のシリンジ60により、気泡を十分に追い出すことができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13内に培地CMを満たすステップS11の後、配管21に、配管21を取り外さずに取り付けることが可能なチューブポンプとしてのポンプ30を取り付けるステップS12をさらに備える。これにより、出口12側のシリンジ60により流路13内の培地CMを満たすステップを行った場合にも、流路13の入口11側の配管21を脱着することなくポンプ30(チューブポンプ)を取り付けることができるので、流路13の入口11側の配管21の脱着に起因する気泡を排除しつつ、取り付けたポンプ30により培地CMの送液を行うことができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、流路13には、細胞培養要素が、外部に開放されない位置に配置されている。このように、細胞培養要素が外部に開放されない位置に配置されている場合、気泡が抜けにくく、気泡の影響を受けやすいという特性がある。このため、気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことができる効果が、非常に有効である。
【0046】
[第2実施形態]
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、制御部が、流路内に培地を満たすステップ、および、流路内に細胞懸濁液を導入するステップを実行する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
(細胞培養システムの全体構成)
図11に示すように、細胞培養システム100は、細胞培養デバイス10と、入口側貯留部20と、ポンプ30と、出口側貯留部40と、制御部250と、細胞懸濁液貯留部260と、ポンプ270とを備えている。なお、制御部250は、特許請求の範囲の「制御装置」の一例である。また、細胞懸濁液貯留部260およびポンプ270は、特許請求の範囲の「細胞供給部」の一例である。
【0048】
細胞懸濁液貯留部260は、細胞培養デバイス10に供給する細胞懸濁液CSを貯留する。細胞懸濁液貯留部260は、コニカルチューブなどの容器である。細胞懸濁液貯留部260は、配管241を介して、細胞培養デバイス10の出口12に選択的に流体接続されている。具体的には、配管241は、合流流路部241aと、合流流路部241aから分岐する分岐流路部241bおよび241cとを有している。細胞懸濁液貯留部260は、配管241の分岐流路部241bを介して、細胞培養デバイス10の出口12に選択的に流体接続されている。また、出口側貯留部40が、配管241の分岐流路部241cを介して、細胞培養デバイス10の出口12に選択的に流体接続されている。分岐流路部241bおよび241cには、それぞれ、バルブ281および282が設けられている。バルブ281および282は、それぞれ、分岐流路部241bおよび241cを開閉する。バルブ281および282は、電磁弁であり、制御部250の制御の下、開閉する。
【0049】
配管241は、樹脂またはゴムなどの材料により形成された可撓性を有するチューブである。配管241の分岐流路部241bの端部は、細胞懸濁液貯留部260内に配置されており、細胞懸濁液貯留部260に貯留された細胞懸濁液CSに浸されている。また、配管241の分岐流路部241cの端部は、出口側貯留部40内に配置されている。配管241の合流流路部241aの端部は、細胞培養デバイス10の出口12に接続されている。具体的には、配管241の合流流路部241aの端部には、コネクタ41aが設けられており、コネクタ41aが、細胞培養デバイス10の出口12に設けられたコネクタ12aに接続されている。
【0050】
ポンプ270は、細胞懸濁液CSを送液する。ポンプ270は、細胞培養デバイス10の流路13の出口12側に設けられている。具体的には、ポンプ270は、配管241の分岐流路部241bに取り付けられている。ポンプ270は、配管241の分岐流路部241bを押しつぶすことにより細胞懸濁液CSを送液するチューブポンプ(ペリスタルティックポンプ)である。細胞懸濁液貯留部260およびポンプ270は、細胞培養デバイス10に細胞懸濁液CSを供給するための細胞供給部として機能する。
【0051】
制御部250は、プログラムを実行するCPUなどのプロセッサと、プログラムを格納するメモリなどの記憶部とを含み、ポンプ30、ポンプ270、バルブ281およびバルブ282の動作を制御する。制御部250は、ポンプ30の動作を制御することにより、培地CMの送液を制御する。また、制御部250は、ポンプ270の動作を制御することにより、細胞懸濁液CSの送液を制御する。
【0052】
第2実施形態では、制御部250は、流路13内に培地CMを満たすステップ(処理)と、流路13内に培地CMを満たすステップの後、入口11が配管21に接続された状態で、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップ(処理)と、を実行する制御を行う。なお、各ステップは、制御部250により自動で実行されることを除いて、上記第1実施形態と同様である。このため、相違点のみを説明する。
【0053】
〈培地を満たすステップ〉
培地CMを満たすステップでは、制御部250の制御信号に基づいて、ポンプ30により培地CMが入口11側から出口12側に向かって送液されることにより、流路13内に培地CMが満たされる。この際、制御部250の制御信号に基づいて、バルブ281が閉状態にされ、バルブ282が開状態にされている。このため、配管241の分岐流路部241cを介して、出口側貯留部40に培地CMが流れる。
【0054】
〈細胞懸濁液を導入するステップ〉
細胞懸濁液CSを導入するステップでは、制御部50の制御信号に基づいて、ポンプ270により細胞懸濁液CSが出口12側から出口11側に向かって送液されることにより、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSが導入される。この際、制御部250の制御信号に基づいて、バルブ281が開状態にされ、バルブ282が閉状態にされている。このため、配管241の分岐流路部241bを介して、細胞懸濁液貯留部260から細胞培養デバイス10に細胞懸濁液CSが流れる。
【0055】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
第2実施形態では、上記のように、制御部250を、流路13内に培地CMを満たすステップと、流路13内に培地CMを満たすステップの後、入口11が配管21に接続された状態で、流路13の出口12側から流路13内に細胞懸濁液CSを導入するステップと、を実行する制御を行うように構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、気泡の影響を抑制して細胞培養を適切に行うことができる。
【0057】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0059】
たとえば、上記第1実施形態では、細胞播種方法が、制御部による自動工程と、作業者による手動工程との両方を含み、上記第2実施形態では、細胞播種方法が、制御部による自動工程のみを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、細胞播種方法が、全自動であってもよいし、半自動であってもよいし、全手動であってもよい。また、半自動である場合に、いずれの工程が自動または手動であってもよい。
【0060】
また、上記第1実施形態では、ポンプにより培地が出口側貯留部に到達するまで送液される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路の出口側の配管および出口側貯留部を、流路の出口から取り外した状態で、ポンプにより培地が送液されてもよい。この場合、流路の出口からピペットなどの吸引具により培地を吸引しながら、ポンプにより培地が送液されてもよい。
【0061】
また、上記第1実施形態では、ポンプの送液により流路内に培地を満たす例と、シリンジの送液により流路内に培地を満たす例とを示したが、本発明では、両方が必ず行われる必要はなく、いずれか一方のみが行われてもよい。
【0062】
また、上記第1および第2実施形態では、ポンプがチューブポンプである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ポンプがシリンジポンプであってもよい。
【0063】
また、上記第2実施形態では、流路の出口側に設けられたポンプにより細胞懸濁液が送液されることにより、流路の出口側から流路内に細胞懸濁液が導入される例を示したが、本発明はこれに限られない。上記第2実施形態において、流路の入口側に設けられたポンプ(すなわち、ポンプ30)により細胞懸濁液が吸引されることにより、流路の出口側から流路内に細胞懸濁液が導入されてもよい。
【0064】
また、上記第1および第2実施形態では、細胞培養デバイスに、入口(第1ポート)と、出口(第2ポート)との2つのポートを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、細胞培養デバイスに、第3以降のポート(3つ以上のポート)が設けられていてもよい。
【0065】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0066】
(項目1)
配管を介して培地供給部に選択的に流体接続可能な第1ポートと、第2ポートと、前記第1ポートおよび前記第2ポートの間に設けられた流路とを備える細胞培養デバイスの前記流路内に培地を満たすステップと、
前記流路内に前記培地を満たすステップの後、前記第1ポートが前記配管に接続された状態で、前記流路の前記第2ポート側から前記流路内に細胞懸濁液を導入するステップと、を備える、細胞播種方法。
【0067】
(項目2)
前記流路内に前記培地を満たすステップは、前記流路の前記第1ポート側に設けられたポンプにより前記培地を前記第1ポート側から前記第2ポート側に向かって送液することにより、前記流路内に前記培地を満たすステップを含み、
前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップは、前記ポンプにより前記培地および前記細胞懸濁液を前記第2ポート側から前記第1ポート側に向かって吸引することにより、前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップを含む、項目1に記載の細胞播種方法。
【0068】
(項目3)
前記流路内に前記培地を満たすステップは、前記ポンプにより前記培地を前記流路の前記第2ポート側に設けられた第2ポート側貯留部に到達するまで送液することにより、前記流路内に前記培地を満たすステップを含む、項目2に記載の細胞播種方法。
【0069】
(項目4)
前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップは、前記流路の前記第2ポート側を開放した状態で、前記流路の前記第2ポート側から、前記流路内に前記細胞懸濁液を導入するステップを含む、項目1~3のいずれか1項に記載の細胞播種方法。
【0070】
(項目5)
前記流路内に前記培地を満たすステップは、前記流路の前記第2ポート側に設けられたシリンジにより前記培地を前記第2ポート側から前記第1ポート側に向かって送液することにより、前記流路内に前記培地を満たすステップを含む、項目1~4のいずれか1項に記載の細胞播種方法。
【0071】
(項目6)
前記流路内に前記培地を満たすステップの後、前記配管に、前記配管を取り外さずに取り付けることが可能なチューブポンプを取り付けるステップをさらに備える、項目5に記載の細胞播種方法。
【0072】
(項目7)
前記流路には、細胞培養要素が、外部に開放されない位置に配置されている、項目1~6のいずれか1項に記載の細胞播種方法。
【0073】
(項目8)
第1ポートと、第2ポートと、前記第1ポートおよび前記第2ポートの間に設けられた流路とを備える細胞培養デバイスと、
前記第1ポートに接続される配管と、
前記配管を介して前記第1ポートに選択的に流体接続される培地供給部と、
前記第2ポートに選択的に流体接続される細胞供給部と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記流路内に培地を満たすステップと、
前記流路内に前記培地を満たすステップの後、前記第1ポートが前記配管に接続された状態で、前記流路の前記第2ポート側から前記流路内に細胞懸濁液を導入するステップと、
を実行する制御を行う、細胞培養システム。
【符号の説明】
【0074】
10 細胞培養デバイス
11 入口
12 出口
13 流路
20 入口側貯留部(培地供給部)
21 配管
30 ポンプ(培地供給部)
40 出口側貯留部
70 シリンジ
200 細胞培養システム
250 制御部(制御装置)
260 細胞懸濁液貯留部(細胞供給部)
270 ポンプ(細胞供給部)
CM 培地
CS 細胞懸濁液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11