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特開2024-13501情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013501
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240125BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240125BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115623
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水口 弘紀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】広告効果を向上するための改善点を提案すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、コンテンツの特徴を変更した変更コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、コンテンツ生成部により生成された変更コンテンツについて広告効果を推定する推定部と、推定部により推定された広告効果に基づいて、コンテンツの改善内容を提案する提案部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの特徴を変更した変更コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、
前記コンテンツ生成部により生成された前記変更コンテンツについて広告効果を推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記広告効果に基づいて、前記コンテンツの改善内容を提案する提案部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツ生成部は、
前記コンテンツの特徴をそれぞれ変更した複数の前記変更コンテンツを生成し、
前記提案部は、
前記コンテンツよりも前記広告効果が高いと推定される前記変更コンテンツの変更点を前記改善内容として提案すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コンテンツ生成部は、
前記コンテンツ内のテキスト、または、前記コンテンツ内の画像の少なくとも一方を変更した前記変更コンテンツを生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コンテンツ生成部は、
前記コンテンツ内の複数のテキスト、複数の画像の大きさ、位置、内容の少なくとも一つを変更した前記変更コンテンツを生成すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンテンツ生成部は、
前記コンテンツ内のテキストの内容、文字数、文字領域が前記コンテンツに占める割合、位置、色、または、画像の内容、大きさ、位置、色の少なくとも一つを変更した前記変更コンテンツを生成すること
を特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コンテンツ生成部は、
前記コンテンツ内のテキストの内容を変更した前記変更コンテンツを生成する場合に、所定条件を満たすテキストの内容を変更し、前記所定条件を満たさない前記テキストの内容を変更しないこと
を特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記コンテンツがターゲットとするユーザ層、広告主の業種のいずれか一つ以上に基づき、前記広告効果を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記コンテンツの広告目的に基づき、前記広告効果を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記コンテンツの特徴と前記広告効果との関係性を学習したモデルを生成するモデル生成部
を備え、
前記推定部は、
前記モデル生成部によって生成された前記モデルを用いて、前記広告効果を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記モデル生成部は、
前記コンテンツを視聴するユーザの属性毎に前記モデルを生成し、
前記推定部は、
前記ユーザの属性毎に生成された前記モデルを用いて、前記広告効果を推定し、
前記提案部は、
前記ユーザの属性毎に前記コンテンツの改善内容を提案すること
を特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記モデル生成部は、
前記コンテンツがユーザへ配信される配信面毎に前記モデルを生成し、
前記推定部は、
前記配信面毎に生成された前記モデルを用いて、前記変更コンテンツの前記広告効果を推定し、
前記提案部は、
前記コンテンツの改善内容を前記配信面毎に提案すること
を特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記推定部は、
前記広告効果として、前記コンテンツがクリックされるクリック確率を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
コンテンツの特徴を変更した変更コンテンツを生成するコンテンツ生成工程と、
前記コンテンツ生成工程により生成された前記変更コンテンツについて広告効果を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された前記広告効果に基づいて、前記コンテンツの改善内容を提案する提案工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
コンテンツの特徴を変更した変更コンテンツを生成するコンテンツ生成手順と、
前記コンテンツ生成手順により生成された前記変更コンテンツについて広告効果を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された前記広告効果に基づいて、前記コンテンツの改善内容を提案する提案手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介して、ニュースや広告等のコンテンツを配信する技術が知られている。このようなコンテンツを配信する技術の一例として、広告効果の指標の一つであるクリック確率(以下、CTR;Click Through Rate)を予測するCTR予測モデルを用いて、CTRを事前に推定する技術がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-84992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、広告効果を向上するための改善点を提案することについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広告効果を向上するための改善点を提案することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、コンテンツの特徴を変更した変更コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、前記コンテンツ生成部により生成された前記変更コンテンツについて広告効果を推定する推定部と、前記推定部により推定された前記広告効果に基づいて、前記コンテンツの改善内容を提案する提案部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、広告効果を向上するための改善点を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る配信履歴データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るCTR推定モデルデータベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る変更広告の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る改善内容の一例を示す図(その1)である。
図7図7は、実施形態に係る改善内容の一例を示す図(その2)である。
図8図8は、実施形態に係る提案処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1に示す実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、広告制作者によって作成された広告の改善内容を提案する情報処理装置である。たとえば、実施形態に係る情報処理装置100は、各利用者の端末装置(不図示)と連携し、各利用者の端末装置に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0012】
また、情報処理装置100は、各利用者の端末装置に対して、Webサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよい。
【0013】
情報処理装置100は、各種Webサービスを通じて、利用者に対して広告を配信し、その配信履歴に関するデータを配信履歴データベースに格納する。例えば、配信履歴には、いつ、だれに、どのような媒体に対し広告を配信し、その広告がクリックされたか否か、あるいは、広告を通じてコンバージョンに至ったか否かといったデータが含まれる。
【0014】
また、図1に示す製作者端末50は、広告製作者によって操作される端末である。例えば、製作者端末50は、所定のネットワークを介して情報処理装置100に対し、広告に関する情報を送信し、情報処理装置100から広告の改善内容に関する情報を受け取る。
【0015】
ところで、従来、広告効果に関する指標として、広告のCTR(Click Though Rate)やvCTR(Visible Click Though Rate)などの指標が用いられる。一般的に広告主は、これらの広告指標を高めることを目標として広告を制作する。
【0016】
一方で、広告効果を上げるための改善については、人手で広告を修正したうえで、ABテストを繰り返すほかなかった。つまり、従来では、広告効果をあげるために多くの時間や労力が必要であった。
【0017】
そこで、実施形態に係る情報処理では、配信履歴データベースに登録されたデータに基づき、広告制作者に対して広告の改善内容を提案する。具体的には、まず、情報処理装置100は、配信履歴データベースに登録されたデータに基づき、CTR推定モデルを生成する(ステップS1)。なお、後述するように、情報処理装置100は、説明可能AI(XAI;Explain Artificial Intelligence)をあわせて学習するようにしてもよい。
【0018】
例えば、CTR推定モデルは、配信した広告の特徴と、その広告のCTRとの関係性を学習したモデルである。なお、CTR推定モデルは、広告に加え、広告のターゲットとするユーザ属性、広告の業種を入力した際に、ユーザ属性、業種に応じた広告効果を出力するモデルであってもよい。
【0019】
また、CTR推定モデルは、上記に加え、広告の広告目的を入力した際に、広告目的に応じた広告効果を出力するモデルであってもよい。ここでの広告目的とは、例えば、広告主のサイトにアクセス履歴があるユーザに対して配信することを目的としたリターゲティングの有無である。なお、広告目的は、これに限定されず、例えば、認知度獲得など、任意に設定することにしてもよい。
【0020】
つづいて、実施形態に係る情報処理装置100は、製作者端末50から対象となる広告に関する広告情報を受信する(ステップS2)。
【0021】
情報処理装置100は、製作者端末50から受け取った広告情報に基づき、オリジナルの広告の特徴をそれぞれ変更した複数の変更広告を生成する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、オリジナルの広告に関する画像をOCRや各種画像解析により、広告の特徴量を求め、その特徴点をそれぞれ変更した変更広告を生成する(ステップS3)。
【0022】
例えば、変更広告は、オリジナルの広告内に表示されるテキスト、または、画像を変更したコンテンツであり、オリジナルの広告内に表示される複数のテキスト、複数の画像の大きさ、位置、内容の少なくとも一つが変更されたコンテンツである。
【0023】
例えば、情報処理装置100は、オリジナルの広告からテキストの内容、文字数、文字領域が広告全体に占める割合、位置、色、または、オリジナルの広告に表示される画像の内容、大きさ、位置、色の少なくとも一つを変更した変更広告を生成する。
【0024】
つづいて、情報処理装置100は、オリジナルの広告、各変更広告についてそれぞれ広告効果を推定する(ステップS4)。
【0025】
情報処理装置100は、CTR推定モデルにオリジナルの広告、各変更広告をCTR推定モデルに入力し、その出力値をそれぞれの広告効果(CTR)として推定する。そして、例えば、情報処理装置100は、オリジナルの広告よりも広告効果が高いと推定される変更広告と、オリジナルの広告との差分を改善内容として製作者端末50に対して提案する(ステップS5)。
【0026】
なお、情報処理装置100は、広告効果の推定に関し、コンテンツがターゲットとするユーザ層、広告主の業種に関する情報をCTR推定モデルに入力し、ユーザ層、あるいは、広告主の業種に基づく広告効果を推定するようにしてもよい。また、例えば、情報処理装置100は、広告目的に関する情報をCTR推定モデルに入力し、広告効果を推定するようにしてもよい。
【0027】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、配信履歴データベースに登録されたデータに基づき、CTR推定モデルを生成する。そして、情報処理装置100は、複数の変更広告について広告効果を推定し、改善内容を提案する。
【0028】
つまり、実施形態に係る情報処理装置100によれば、広告効果を向上するための改善点を提案することができる。
【0029】
〔1.情報処理装置の構成例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0030】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続される。
【0031】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部120は、抽出モデルデータベース121と、配信履歴データベース122と、CTR推定モデルデータベース123と、説明可能AIデータベース124とを有する。
【0032】
(抽出モデルデータベース121)
抽出モデルデータベース121は、抽出モデルを格納するデータベースである。例えば、抽出モデルは、広告の特徴量を抽出するモデルである。例えば、抽出モデルは、入力された広告の特徴をN次元のベクトルとして抽出する。
【0033】
(配信履歴データベース122)
配信履歴データベース122は、広告の過去の配信履歴に関するデータを格納するデータベースである。図3は、実施形態に係る配信履歴データベース122の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、実施形態に係る配信履歴データベース122は、「広告ID」、「画像情報」、「配信履歴」、「クリック履歴」、「CTR」、「vCTR」などといった項目を有する。
【0035】
「広告ID」は、各広告を識別する識別子である。「画像情報」は、広告として表示される画像に関する情報である。「配信履歴」は、対応する広告の配信履歴である。例えば、配信履歴には、いつ、だれに対して、どのような媒体で広告を配信したかといったデータが含まれる。
【0036】
「クリック履歴」は、対応する広告のクリック履歴である。クリック履歴は、配信した広告がクリックされたか否かに関するデータが含まれる。「CTR」および「vCTR」は、対応する広告の広告効果に関する指標である。なお、その他、例えば、配信履歴データベース122は、各広告のターゲットとするユーザ層に関する情報、広告主の業種、広告目的に関する各項目に関する情報を記憶するようにしてもよい。
【0037】
(CTR推定モデルデータベース123)
CTR推定モデルデータベース123は、CTR推定モデルを格納する。上述のように、CTR推定モデルは、広告のCTRを推定するモデルである。図4は、実施形態に係るCTR推定モデルデータベース123の一例を示す図である。
【0038】
図4に示すように、実施形態に係るCTR推定モデルデータベース123は、「モデルID」、「モデル本体」、「対象属性」などといった項目を有する。「モデルID」は、各CTR推定モデルを識別するための識別子である。「モデル本体」は、対応するCTR推定モデルの本体である。
【0039】
「対象属性」は、対応するCTR推定モデルの対象属性を示す。具体的には、対象属性は、各デモグラフィック属性、あるいは、サイコグラフィック属性であり、実施形態に係るCTR推定モデルデータベース123は、これら対象属性毎にCTR推定モデルを格納する。これにより、対象属性毎にCTRの推定精度の向上が見込まれる。
【0040】
なお、例えば、情報処理装置100は、対象属性に限らず、例えば、広告の配信面毎にCTR推定モデルを格納するようにしてもよい。ここでの表配信面とは、広告が表示される媒体であり、ニュースサイト、オークションサイト、動画サイトなどが挙げられる。また、例えば、情報処理装置100は、広告を表示する端末の種別毎にCTR推定モデルを格納するようにしてもよい。
【0041】
(説明可能AIデータベース124)
説明可能AIデータベース124は、説明可能AIを格納する。例えば、説明可能AIは、改善内容の根拠を説明するAIである。
【0042】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図2に示す例では、制御部130は、取得部131と、モデル生成部132と、コンテンツ生成部133と、推定部134と、提案部135とを有する。
【0043】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を介して、製作者端末50から広告に関する広告情報を取得する。例えば、取得部131は、取得した広告情報をコンテンツ生成部133へ渡す。なお、取得部131は、例えば、各種Webサービスから既存の広告に関する広告情報を取得するようにしてもよい。
【0044】
また、取得部131は、各広告の配信履歴に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、各Webサービスから配信履歴に関する情報を取得し、配信履歴データベース122に登録する。
【0045】
(モデル生成部132)
モデル生成部132は、CTR推定モデルを生成する。例えば、モデル生成部132は、配信履歴データベース122に登録された情報に基づき、広告の特徴と、CTRとの関係性を学習したCTR推定モデルを生成する。例えば、モデル生成部132は、広告を視聴するユーザの属性毎、配信面毎、あるいはこれらの組み合わせ毎にCTR推定モデルを生成する。また、モデル生成部132は、例えば、広告毎のターゲットとするユーザ層、広告主(あるいは広告する商品)の業種、広告目的を学習データとしてCTR推定モデルを生成するようにしてもよい。
【0046】
なお、CTR推定モデルは、任意の種別のモデルが採用可能である。例えば、モデル生成部132は、SVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)をモデルとして採用してもよい。ここで、DNNは、CNN(Convolutional Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)であってもよい。また、RNNは、LSTM(Long short-term memory)等であってもよい。すなわち、モデルは、任意の形式のモデルが採用可能である。また、モデルは、例えば、CNNとRNNとを組み合わせたモデル等、複数のモデルを組み合わせることで実現されるモデルであってもよい。
【0047】
学習は、例えばディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を利用したディープラーニング(深層学習)等である。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。モデル生成部132は、上述した各種の学習手法により、CTR推定モデルの学習を行う。
【0048】
また、モデル生成部132は、説明可能AIを生成する。ここで、説明可能AIとは、目的変数に対する各特徴量(またはその積)のスコア(確信度:confidence)を算出するようなAIのことをいう。説明可能AIの一例として、頻出パターンマイニングやロジスティック回帰などが挙げられる。
【0049】
例えば、モデル生成部132は、モデル生成部132は、CTR推定モデルに基づき、説明可能AIを生成する。
【0050】
(コンテンツ生成部133)
コンテンツ生成部133は、広告の特徴を変更した変更広告を生成する。例えば、コンテンツ生成部133は、抽出モデルデータベース121に登録された抽出モデルにオリジナルの広告に関する画像を入力することで、オリジナルの広告の特徴量を抽出する。
【0051】
つづいて、コンテンツ生成部133は、抽出した特徴量をそれぞれ変更した複数の変更広告を生成する。図5は、実施形態に係る変更広告の一例を示す図である。図5に示すように、例えば、コンテンツ生成部133は、オリジナルの広告であるオリジナル広告Orに基づき、その特徴量をそれぞれ変更した複数の変更広告Coを生成する。
【0052】
コンテンツ生成部133は、例えば、フォント、フォントサイズ、フォントの色、テキストの位置、テキストの内容、商品画像の位置、大きさ、背景画像などを任意に変更した変更広告Coを生成する。
【0053】
この際、例えば、コンテンツ生成部133は、所定のルールに基づき、オリジナル広告Orから変更しない維持内容を設定したうえで、維持内容以外の特徴量を変更した変更広告を生成する。
【0054】
例えば、同図に示す例における維持内容は、「Max80%OFF」であり、商品名、企業名、価格、割引率に関する表示が該当する。例えば、コンテンツ生成部133は、維持内容に関するルールを参照し、変更広告を生成する。なお、ここでのルールは、テキスト内容を変更する際の所定条件の一例に対応する。
【0055】
また、コンテンツ生成部133は、例えば、テキストの内容を変更した変更広告Coを生成する場合には、薬事法などに違反しないように、ルールの範囲内で変更広告Coを生成するようにしてもよい。
【0056】
(推定部134)
推定部134は、コンテンツ生成部133により生成された変更広告について広告効果を推定する。具体的には、推定部134は、オリジナル広告Orおよびコンテンツ生成部133によって生成された変更広告CoをCTR推定モデルデータベース123に登録されたCTR推定モデルへ入力することで、オリジナル広告Orおよび変更広告Coそれぞれの広告効果(CTR)を推定する。
【0057】
この際、推定部134は、例えば、図4に示したように、対象属性それぞれに対して生成されたCTR推定モデルへ変更広告を入力し、対象属性毎に広告効果を推定する。また、推定部134は、配信面毎に生成されたCTR推定モデルを用いて、対象属性毎に広告効果を推定するようにしてもよい。
【0058】
また、推定部134は、オリジナル広告Orあるいは変更広告Coのターゲットとするユーザ層、広告主(あるいは広告する商品)の業種、広告目的をCTR推定モデルへの入力データとして広告効果を推定するようにしてもよい。
【0059】
(提案部135)
提案部135は、推定部134により推定された広告効果に基づいて、オリジナル広告Orの改善内容を提案する。例えば、提案部135は、オリジナル広告Orよりも広告効果が高いと推定される変更広告Coのオリジナル広告Orからの変更内容を改善内容として提案する。また、提案部135は、例えば、ユーザの属性毎、あるいは、配信面毎に改善内容の提案を行うようにしてもよい。
【0060】
この際、提案部135は、例えば、ユーザの属性毎あるいは配信面毎それぞれにおける総合評価に基づき、改善内容の提案を行うようにしてもよく、例えば、広告主が設定したペルソナの広告効果が最も高くなるように改善内容の提案を行うようにしてもよい。
【0061】
また、提案部135は、説明可能AIデータベース124に登録された説明可能AIを用いて、改善内容に関する改善理由を提案する。図6および図7は、実施形態に係る改善内容の一例を示す図である。
【0062】
図6に示すように、例えば、提案部135が提案する改善内容は、「対象画像」、「予測CTR」、「変更点」といった項目を有する。対象画像は、広告効果の推定対象となる画像(すなわち、オリジナル広告、あるいは、各変更広告)であり、「予測CTR」は、推定部134により推定されたCTRの値である。「変更点」は、オリジナル広告からの変更点を示す。
【0063】
同図に示す例では、文字領域を小さくした変更広告Co1の予測CTRがオリジナル広告Orの予測CTRよりも向上していることを示し、テキストの長さを短くした変更広告Co2の予測CTRがオリジナル広告Orの予測CTRよりも低下していることを示す。
【0064】
つまり、この場合、提案部135は、変更広告Co1の変更点に関する情報を改善内容として提案することになる。
【0065】
また、図7に示す例では、図6の変更点に代えて、予測理由を示すものである。例えば、予測理由は、予測CTRを予測した理由であり、上述の説明可能AIによって作成される。この場合においては、提案部135は、予測理由を改善内容に含めることで、広告制作者はより効率よく広告を改善することができる。
【0066】
〔3.処理フロー〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する処理フローについて説明する。図8は、実施形態に係る提案処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、情報処理装置100は、例えば製作者端末50からオリジナルの広告を取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置100は、オリジナルの広告に基づき、それぞれ特徴が異なる複数の変更広告を生成する(ステップS102)。
【0068】
つづいて、情報処理装置100は、オリジナルの広告および複数の変更広告について広告効果を推定する(ステップS103)。つづいて、情報処理装置100は、それぞれの広告効果に基づき、改善内容を提案する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、処理を終了する。
【0069】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、コンテンツが広告画像に関する画像コンテンツである場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツは、動画コンテンツ、音声コンテンツ、VRやVRに代表される3次元のデジタルコンテンツなどであってもよい。
【0070】
また、例えば、情報処理装置100は、例えば、広告に映る広告タレントのメイク、衣装、髪型などを変更した変更コンテンツを生成し、改善内容を提案するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、広告効果がCTRである場合について説明したが、これに限定されるものではない。広告効果は、売り上げ、利益率や、SNSにおける話題性など、その他の指標であってもよい。
【0072】
〔5.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置100は、コンテンツの特徴を変更した変更コンテンツを生成するコンテンツ生成部133と、コンテンツ生成部133により生成された変更コンテンツについて広告効果を推定する推定部134と、推定部134により推定された広告効果に基づいて、コンテンツの改善内容を提案する提案部135とを備える。
【0073】
また、コンテンツ生成部133は、コンテンツの特徴をそれぞれ変更した複数の変更コンテンツを生成し、提案部135は、コンテンツよりも広告効果が高いと推定される変更コンテンツの変更点を改善内容として提案する。
【0074】
また、コンテンツ生成部133は、コンテンツ内のテキスト、または、前記コンテンツ内の画像の少なくとも一方を変更した前記変更コンテンツを生成する。また、コンテンツ生成部133は、コンテンツ内の複数のテキスト、複数の画像の大きさ、位置、内容の少なくとも一つを変更した変更コンテンツを生成する。
【0075】
また、コンテンツ生成部133は、コンテンツ内のテキストの内容、文字数、文字領域がコンテンツに占める割合、位置、色、または、画像の内容、大きさ、位置、色の少なくとも一つを変更した変更コンテンツを生成する。また、コンテンツ生成部133は、コンテンツ内のテキストの内容した変更コンテンツを生成する場合に、所定条件を満たすテキストの内容を変更し、所定条件を満たさないテキストの内容を変更しない。
【0076】
また、推定部134は、コンテンツがターゲットとするユーザ層、広告主の業種に基づき、広告効果を推定する。また、推定部134は、コンテンツの広告目的に基づき、広告効果を推定する。また、情報処理装置100は、コンテンツの特徴と広告効果との関係性を学習したモデルを生成するモデル生成部132を備え、推定部134は、モデル生成部132によって生成されたモデルを用い、広告効果を推定する。
【0077】
また、モデル生成部132は、コンテンツを視聴するユーザの属性毎にモデルを生成し、推定部134は、ユーザ属性毎に生成されたモデルを用いて、広告効果を推定し、提案部135は、ユーザの属性毎にコンテンツの改善内容を提案する。
【0078】
また、モデル生成部132は、コンテンツがユーザへ配信される配信面毎にモデルを生成し、推定部134は、配信面毎に生成されたモデルを用いて、広告効果を推定し、提案部135は、コンテンツの改善内容を配信面毎に提案する。推定部134は、広告効果として、コンテンツがクリックされるクリック確率を推定する。
【0079】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、広告効果を向上するための改善点を提案することができる。
【0080】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0081】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0082】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0083】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USB等により実現される。
【0084】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0085】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0086】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0087】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0088】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0089】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0090】
〔6.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0091】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0092】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0093】
例えば、上述した情報処理装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0094】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0095】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0096】
50 製作者端末
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 抽出モデルデータベース
122 配信履歴データベース
123 CTR推定モデルデータベース
124 説明可能AIデータベース
130 制御部
131 取得部
132 モデル生成部
133 コンテンツ生成部
134 推定部
135 提案部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9