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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135056
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/50 20230101AFI20240927BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240927BHJP
   H10B 43/10 20230101ALI20240927BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
   H10B 41/10 20230101ALI20240927BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240927BHJP
   H10B 41/50 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
H10B43/50
H10B43/27
H10B43/10
H01L29/78 371
H10B41/10
H10B41/27
H10B41/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045555
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今野 拓也
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA16
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083ZA28
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】 機械的な強度を高めることが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の方向に互いに離間して積層された複数の導電層を含む積層体20と、それぞれが積層体内を第1の方向に延伸し且つ第2の方向及び第3の方向に配列された複数のピラー構造31、32、33を含み、複数のピラー構造に含まれ且つそれぞれがNANDストリング用に用いられる複数の第1のピラー構造31を含む第1のピラー構造アレイを含むピラー構造アレイと、積層体内を第1及び第2の方向に延伸する第1の壁状構造41と、積層体内を第1及び第3の方向に延伸する第2の壁状構造42と、第1の壁状構造の内部を含んで第1及び第2の方向に延伸する第1の平面と、第2の壁状構造の内部を含んで第1及び第3の方向に延伸する第2の平面とが交差する位置に対応して設けられ、積層体内を第1の方向に延伸するサポート構造50とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に互いに離間して積層された複数の導電層を含む積層体と、
それぞれが前記積層体内を前記第1の方向に延伸し且つ前記第1の方向と交差する第2の方向及び前記第1及び第2の方向と交差する第3の方向に配列された複数のピラー構造を含むピラー構造アレイであって、前記複数のピラー構造に含まれ且つそれぞれがNANDストリング用に用いられる複数の第1のピラー構造を含む第1のピラー構造アレイを含むピラー構造アレイと、
前記積層体内を前記第1及び第2の方向に延伸し、前記ピラー構造アレイを前記第3の方向で区画する第1の壁状構造と、
前記積層体内を前記第1及び第3の方向に延伸し、前記ピラー構造アレイの前記第2の方向の端部に沿って設けられた第2の壁状構造と、
前記第1の壁状構造の内部を含んで前記第1及び第2の方向に延伸する第1の平面と、前記第2の壁状構造の内部を含んで前記第1及び第3の方向に延伸する第2の平面とが交差する位置に対応して設けられ、前記積層体内を前記第1の方向に延伸するサポート構造と、
を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ピラー構造アレイは、前記第1のピラー構造アレイと前記第2の壁状構造との間に設けられ、前記複数のピラー構造に含まれ且つそれぞれがNANDストリング用に用いられない複数の第2のピラー構造を含む第2のピラー構造アレイをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記複数の第2のピラー構造のそれぞれは、前記複数の第1のピラー構造のそれぞれとは異なる構造を有している
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記サポート構造は、前記複数の第2のピラー構造の材料と同じ材料で形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記積層体は、第1の積層部分及び第2の積層部分を含み、
前記複数の第1のピラー構造は、前記第1の積層部分内を前記第1の方向に延伸し、
前記複数の第2のピラー構造は、前記第2の積層部分内を前記第1の方向に延伸する
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第2の積層部分で前記複数の導電層にそれぞれ接続された複数のコンタクトをさらに備える
ことを特徴とする請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
複数のコンタクトの中の第1のコンタクトは、前記複数の導電層の中の第1の導電層に接続され、
前記第1のコンタクトは、前記第1の導電層よりも上層側に位置する1以上の前記導電層を貫通している
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記サポート構造は、前記複数のコンタクトの材料と同じ材料で形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
それぞれが前記積層体内を前記第1の方向に延伸し且つそれぞれがNANDストリング用に用いられない複数のダミーピラー構造を含むダミーピラー構造アレイをさらに含み、
前記第2の壁状構造は、前記第2のピラー構造アレイと前記ダミーピラー構造アレイとの間に設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記積層体は、第3の積層部分をさらに含み、
前記複数のダミーピラー構造のそれぞれは、前記第3の積層部分内を前記第1の方向に延伸する
ことを特徴とする請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
それぞれが前記積層体内を前記第1の方向に延伸し且つそれぞれがNANDストリング用に用いられない複数のダミーピラー構造を含むダミーピラー構造アレイをさらに含み、
前記第2の壁状構造は、前記第1のピラー構造アレイと前記ダミーピラー構造アレイとの間に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記サポート構造は、前記積層体、前記第1の壁状構造及び前記第2の壁状構造に接している
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記サポート構造は柱状の形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1の方向から見て、前記サポート構造は円状パターンを有する
ことを特徴とする請求項13に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1の方向から見て、前記サポート構造は円状パターンの1以上の部分が欠けたパターンを有する
ことを特徴とする請求項13に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記サポート構造は、それぞれが柱状の形状を有する複数の部分に分割されている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記積層体は、前記第1の方向に交互に積層された前記複数の導電層及び複数の絶縁層を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のメモリセルが積層された3次元構造を有するNAND型の不揮発性半導体記憶装置では、機械的な強度を高めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-026518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機械的な強度を高めることが可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の方向に互いに離間して積層された複数の導電層を含む積層体と、それぞれが前記積層体内を前記第1の方向に延伸し且つ前記第1の方向と交差する第2の方向及び前記第1及び第2の方向と交差する第3の方向に配列された複数のピラー構造を含むピラー構造アレイであって、前記複数のピラー構造に含まれ且つそれぞれがNANDストリング用に用いられる複数の第1のピラー構造を含む第1のピラー構造アレイを含むピラー構造アレイと、前記積層体内を前記第1及び第2の方向に延伸し、前記ピラー構造アレイを前記第3の方向で区画する第1の壁状構造と、前記積層体内を前記第1及び第3の方向に延伸し、前記ピラー構造アレイの前記第2の方向の端部に沿って設けられた第2の壁状構造と、前記第1の壁状構造の内部を含んで前記第1及び第2の方向に延伸する第1の平面と、前記第2の壁状構造の内部を含んで前記第1及び第3の方向に延伸する第2の平面とが交差する位置に対応して設けられ、前記積層体内を前記第1の方向に延伸するサポート構造と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した平面パターン図である。
図2】実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図3】実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図4】実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図5】実施形態に係る半導体記憶装置のピラー構造の構成を模式的に示した断面図である。
図6】実施形態に係る半導体記憶装置のピラー構造の構成を模式的に示した断面図である。
図7A】実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図7B】実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図7C】実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図7D】実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図7E】実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図7F】実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8A】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8B】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8C】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8D】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8E】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8F】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図8G】実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した平面パターン図である。
図9】実施形態に係る半導体記憶装置のサポート構造の第1の変形例の構成を模式的に示した平面パターン図である。
図10】実施形態に係る半導体記憶装置のサポート構造の第2の変形例の構成を模式的に示した平面パターン図である。
図11】実施形態の変形例に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した平面パターン図である。
図12】実施形態の変形例に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
図1は、実施形態に係る3次元構造を有するNAND型の不揮発性半導体記憶装置の構成を模式的に示した平面パターン図である。図2図3及び図4は、図1に示した不揮発性半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。図1のA-A線に沿った断面が図2に対応し、図1のB-B線に沿った断面が図3に対応し、図1のC-C線に沿った断面が図4に対応する。
【0009】
なお、図1等に示されたX方向、Y方向及びZ方向は互いに交差する方向である。具体的には、X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交している。
【0010】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、メイン領域100及びダミー領域200を含んでおり、メイン領域100及びダミー領域200は同一の半導体基板上に設けられている。メイン領域100には、X方向で隣接するメモリ領域110及びコンタクト領域120が含まれている。
【0011】
メイン領域100及びダミー領域200には、半導体基板を含む下部領域10上に、積層体20、複数のピラー構造(第1のピラー構造)31、複数のピラー構造(第2のピラー構造)32、複数のピラー構造(ダミーピラー構造)33、複数の壁状構造(第1の壁状構造)41、壁状構造(第2の壁状構造)42、複数のサポート構造50及び複数のコンタクト60を含む構造が設けられている。
【0012】
積層体20は、メモリ領域110に設けられた積層部分(第1の積層部分)20Aと、コンタクト領域120に設けられた積層部分(第2の積層部分)20Bと、ダミー領域200に設けられた積層部分(第3の積層部分)20Cとを含んでいる。
【0013】
また、積層体20は、Z方向に互いに離間して積層された複数の導電層21を含んでいる。より具体的には、積層体20は、Z方向に互いに離間して積層された複数の導電層21及び複数の絶縁層22を含んでいる。
【0014】
各導電層21は、NANDストリングに対するワード線又は選択ゲート線として機能する。NANDストリングは、1以上の下部選択トランジスタと、1以上の上部選択トランジスタと、1以上の下部選択トランジスタと1以上の上部選択トランジスタとの間に設けられた複数のメモリセルとがZ方向に積層された構造を有している。各絶縁層22は隣接する導電層21間を絶縁する機能を有している。導電層21はタングステン等の金属材料で形成され、絶縁層22はシリコン酸化物等の絶縁材料で形成されている。最下の導電層21を含む1以上の導電層21が下部選択ゲート線として機能し、最上の導電層21を含む1以上の導電層21が上部選択ゲート線として機能する。また、最下の導電層21を含む1以上の導電層21と最上の導電層21を含む1以上の導電層21との間に設けられた複数の導電層21がワード線として機能する。
【0015】
複数のピラー構造31及び複数のピラー構造32はメイン領域100に設けられ、複数のピラー構造33はダミー領域200に設けられている。各ピラー構造31、各ピラー構造32及び各ピラー構造33は、積層体20内をZ方向に延伸している。
【0016】
複数のピラー構造31は、メモリ領域110に設けられ、積層部分20A内をZ方向に延伸している。各ピラー構造31は、NANDストリング用に用いられる。すなわち、ピラー構造31とピラー構造31を囲む複数の導電層21とによってNANDストリングが形成される。より具体的には、ワード線として機能する1つの導電層21とピラー構造31のワード線として機能する1つの導電層21に囲まれた部分とによって1つのメモリセルが形成され、選択ゲート線として機能する1つの導電層21とピラー構造31の選択ゲート線として機能する1つの導電層21に囲まれた部分とによって1つの選択ゲートが形成される。
【0017】
図5及び図6はそれぞれ、ピラー構造31の構成を模式的に示した断面図である。図5はZ方向に対して平行な断面図であり、図6はZ方向に対して垂直な断面図である。
【0018】
図5及び図6に示すように、ピラー構造31は、コア絶縁層31a、コア絶縁層31aの側面を囲む半導体層31b、半導体層31bの側面を囲むトンネル絶縁層31c、トンネル絶縁層31cの側面を囲む電荷蓄積層31d、及び電荷蓄積層31dの側面を囲むブロック絶縁層31eを含んでいる。
【0019】
複数のピラー構造32は、コンタクト領域120に設けられ、積層部分20B内をZ方向に延伸している。各ピラー構造32は、NANDストリング用には用いられない。複数のピラー構造32は、後述するリプレース処理の際に複数の絶縁層22を支える機能を有している。また、各ピラー構造32は、各ピラー構造31とは異なる構造を有しており、各ピラー構造31の材料とは異なる材料で形成されている。
【0020】
複数のピラー構造33は、ダミー領域200に設けられ、積層部分20C内をZ方向に延伸している。各ピラー構造33は、NANDストリング用には用いられず、各ピラー構造31とは異なる構造を有している。また、各ピラー構造33は、各ピラー構造32と同じ構造を有しており、各ピラー構造32の材料と同じ材料で形成されている。
【0021】
メイン領域100に含まれる複数のピラー構造31及び複数のピラー構造32はX方向及びY方向に配列されており、メイン領域100に含まれる複数のピラー構造31及び複数のピラー構造32によってピラー構造アレイ30Aが構成される。
【0022】
したがって、メモリ領域110に含まれる複数のピラー構造31もX方向及びY方向に配列されており、メモリ領域110に含まれる複数のピラー構造31によってピラー構造アレイ(第1のピラー構造アレイ)31Aが構成される。
【0023】
同様に、コンタクト領域120に含まれる複数のピラー構造32もX方向及びY方向に配列されており、コンタクト領域120に含まれる複数のピラー構造32によってピラー構造アレイ(第2のピラー構造アレイ)32Aが構成される。
【0024】
また、ダミー領域200に含まれる複数のピラー構造33もX方向及びY方向に配列されており、ダミー領域200に含まれる複数のピラー構造33によってピラー構造アレイ(ダミーピラー構造アレイ)33Aが構成される。
【0025】
複数の壁状構造41はY方向に配列されており、複数の壁状構造41のそれぞれは積層体20内をX方向及びZ方向に延伸している。
【0026】
複数の壁状構造41のそれぞれは、メイン領域100をY方向で区画(分割)するものであり、複数の壁状構造41によってメイン領域100がY方向で複数のサブ領域に区画(分割)されている。すなわち、複数の壁状構造41のそれぞれはピラー構造アレイ30AをY方向で区画(分割)するものであり、複数の壁状構造41によってピラー構造アレイ30AがY方向で複数のサブアレイに区画(分割)されている。
【0027】
したがって、複数の壁状構造41のそれぞれによってメモリ領域110もY方向で区画(分割)されており、複数の壁状構造41によってメモリ領域110がY方向で複数のサブ領域に区画(分割)されている。すなわち、複数の壁状構造41のそれぞれによってピラー構造アレイ31AがY方向で区画(分割)され、複数の壁状構造41によってピラー構造アレイ31AがY方向で複数のサブアレイに区画(分割)されている。
【0028】
同様に、複数の壁状構造41のそれぞれによってコンタクト領域120もY方向で区画(分割)されており、複数の壁状構造41によってコンタクト領域120がY方向で複数のサブ領域に区画(分割)されている。すなわち、複数の壁状構造41のそれぞれによってピラー構造アレイ32AがY方向で区画(分割)され、複数の壁状構造41によってピラー構造アレイ32AがY方向で複数のサブアレイに区画(分割)されている。
【0029】
壁状構造42は、積層体20内をY向及びZ方向に延伸している。壁状構造42は、ピラー構造アレイ30AのX方向の端部に沿って設けられており、ピラー構造アレイ32Aとピラー構造アレイ33Aとの間に設けられている。また、ピラー構造アレイ32Aは、ピラー構造アレイ31Aと壁状構造42との間に設けられている。
【0030】
複数のサポート構造50は、Y方向に配列されている。各サポート構造50は、壁状構造41の内部を含んでX及びZ方向に延伸する第1の平面と、壁状構造42の内部を含んでY及びZ方向に延伸する第2の平面とが交差する位置に対応して設けられており、積層体20内をZ方向に延伸している。したがって、各サポート構造50は、積層体20、壁状構造41及び壁状構造42に接している。各サポート構造50はZ方向に延伸する柱状の形状を有しており、Z向から見て各サポート構造50は円状パターンを有している。
【0031】
複数のサポート構造50は、後述するリプレース処理の際に複数の絶縁層22を支える機能を有している。特に、各サポート構造50は、リプレース処理の際に、壁状構造41と壁状構造42とによって区画された領域のコーナー部分で複数の絶縁層22を効果的に支える機能を有している。
【0032】
複数のコンタクト60は、積層部分20Bで複数の導電層21にそれぞれ接続されている。具体的には、図2に示されるように、各コンタクト60は対応する導電層21に接続されており、最上の導電層21に接続されたコンタクト60を除く各コンタクト60は、対応する導電層21よりも上層側に位置する1以上の導電層21を貫通して対応する導電層21に接続されている。
【0033】
図7A図7Fは、本実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法を模式的に示した平面パターン図である。
【0034】
まず、図7Aに示す構造を形成する。具体的には、積層体20を形成するための予備的な積層体20pを形成する。予備的な積層体20pは、絶縁層22と導電層21でリプレースされる犠牲層とが交互に積層された構造を有している。続いて、予備的な積層体20pに、同一の工程で、ピラー構造31用のホール31h、ピラー構造32用のホール32h、ピラー構造33用のホール33h、及びサポート構造50用のホール50hを形成する。
【0035】
次に、図7Bに示す構造を形成する。具体的には、ホール31h内には、図5及び図6に示したようなピラー構造31を形成する。ホール32h、ホール33h及びホール50hは、同一の工程でシリコン酸化物層等の絶縁材料で埋められ、ピラー構造32、ピラー構造33及びサポート構造50が形成される。
【0036】
次に、図7Cに示す構造を形成する。具体的には、予備的な積層体20pにコンタクト60用の複数のホールを形成し、複数のホール内にアモルファスシリコン層等の犠牲層60sを形成する。
【0037】
次に、図7Dに示す構造を形成する。具体的には、予備的な積層体20pに、壁状構造41用の溝41t及び壁状構造42用の溝42tを形成する。
【0038】
次に、図7Eに示す構造を形成する。具体的には、以下のようにして、リプレース処理を行う。まず、溝41t及び42tを通して予備的な積層体20pの犠牲層をエッチングし、予備的な積層体20pの複数の絶縁層22間に複数のスペースを形成する。このときに、予備的な積層体20pには溝41t及び42tが形成されており、且つ予備的な積層体20pの複数の絶縁層22間には複数のスペースが形成されている。そのため、予備的な積層体20pの強度が弱くなっている。本実施形態では、予めサポート構造50が形成されているため、予備的な積層体20pの強度を高めることが可能である。
【0039】
続いて、複数のスペースをタングステン等の導電材料で埋めて複数の導電層21を形成する。これにより、複数の導電層21と複数の絶縁層22とが交互に積層された積層体20が形成される。また、溝41t及び42tもタングステン等の導電材料で埋められ、壁状構造41及び42が形成される。
【0040】
次に、図7Fに示す構造を形成する。具体的には、犠牲層60sをタングステン等の導電材料でリプレースすることで、コンタクト60が形成される。
【0041】
以上のようにして、図1図2図3及び図4に示したような構造を有する半導体記憶装置が得られる。上述したことからわかるように、本製造方法では、サポート構造50はピラー構造32及び33の材料と同じ材料で形成される。
【0042】
図8A図8Gは、本実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法を模式的に示した平面パターン図である。
【0043】
まず、図8Aに示す構造を形成する。具体的には、第1の製造方法と同様にして、絶縁層22と犠牲層とが交互に積層された予備的な積層体20pを形成する。続いて、予備的な積層体20pに、ピラー構造31用のホール31h、ピラー構造32用のホール32h及びピラー構造33用のホール33hを形成する。
【0044】
次に、図8Bに示す構造を形成する。具体的には、ホール31h内には、図5及び図6に示したようなピラー構造31を形成する。ホール32h及びホール33hは、同一の工程でシリコン酸化物層等の絶縁材料で埋められ、ピラー構造32及びピラー構造33が形成される。
【0045】
次に、図8Cに示す構造を形成する。具体的には、予備的な積層体20pに、同一の工程で、サポート構造50用のホール50h及びコンタクト60用のホール60hを形成する。
【0046】
次に、図8Dに示す構造を形成する。具体的には、ホール50h及びホール60hをアモルファスシリコン等の犠牲材料で埋め、同一の工程でサポート構造50用の犠牲層50s及びコンタクト60用の犠牲層60sを形成する。
【0047】
次に、図8Eに示す構造を形成する。具体的には、予備的な積層体20pに、壁状構造41用の溝41t及び壁状構造42用の溝42tを形成する。
【0048】
次に、図8Fに示す構造を形成する。具体的には、第1の製造方法と同様にして、リプレース処理を行うことで積層体20が形成され、さらに、壁状構造41及び42が形成される。本製造方法では、リプレース処理の際に、サポート構造50用の犠牲層50sが形成されている。そのため、第1の製造方法と同様に、リプレース処理の際に、予備的な積層体20pの強度を高めることが可能である。
【0049】
次に、図8Gに示す構造を形成する。具体的には、犠牲層50s及び犠牲層60sをタングステン等の導電材料でリプレースすることで、同一の工程でサポート構造50及びコンタクト60が形成される。
【0050】
以上のようにして、図1図2図3及び図4に示したような構造を有する半導体記憶装置が得られる。上述したことからわかるように、本製造方法では、サポート構造50はコンタクト60の材料と同じ材料で形成される。
【0051】
なお、上述した第2の製造方法の図8Gの工程において、犠牲層50sをタングステン等の導電材料でリプレースせずに、犠牲層50sを用いてサポート構造50を形成してもよい。
【0052】
以上のように、本実施形態では、リプレース処理を行う際に、サポート構造50或いはサポート構造50用の犠牲層50sが予め形成されているため、予備的な積層体20pの強度を高めることが可能である。したがって、本実施形態では、機械的な強度が高められた半導体記憶装置を得ることが可能である。
【0053】
また、本実施形態では、サポート構造50を他の構成要素(ピラー構造32及び33、或いはコンタクト60)と同一の工程で形成することができ、サポート構造50の形成に伴う製造工程の増加を抑制することが可能である。
【0054】
図9は、本実施形態における半導体記憶装置のサポート構造50の第1の変形例の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【0055】
上述した実施形態では、Z向から見て、サポート構造50は円状パターンを有していたが、本変形例では、Z向から見て、サポート構造50は円状パターンの1以上の部分が欠けたパターンを有している。具体的には、壁状構造41及び42の少なくとも一方(図9に示した例では、壁状構造41及び42の両方)によって、円状パターンの1以上の部分が欠けている。
【0056】
本変形例のような形状を有するサポート構造50を用いても、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0057】
図10は、本実施形態における半導体記憶装置のサポート構造50の第2の変形例の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【0058】
本変形例では、サポート構造50は、それぞれが柱状の形状を有する複数のサブ部分50pに分割されている。具体的には、壁状構造41及び42の少なくとも一方(図10に示した例では、壁状構造41及び42の両方)によって、サポート構造50が複数のサブ部分50pに分割されている。より具体的には、Z向から見て、サポート構造50は、円状パターンが複数のサブパターンに分割された形状を有している。
【0059】
本変形例のような形状を有するサポート構造50を用いても、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0060】
図11は、本実施形態の変形例に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した平面パターン図である。図12は、図11に示した半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。図11のA-A線に沿った断面が図12に対応する。
【0061】
上述した実施形態では、主として、メモリ領域110のX方向における一方の端部側の構成(メモリ領域110のコンタクト領域120側の構成)について説明した。本変形例は、メモリ領域110のX方向における他方の端部側の構成(メモリ領域110のコンタクト領域120と反対側の構成)に関するものである。
【0062】
図11及び図12に示すように、メモリ領域110の他方の端部側には複数のピラー構造(ダミーピラー構造)33xが設けられたダミー領域200xが設けられており、壁状構造(第2の壁状構造)42xがピラー構造アレイ(第1のピラー構造アレイ)31Aとピラー構造アレイ(ダミーピラー構造アレイ)33Axとの間に設けられている。上述した実施形態と同様に、サポート構造50xは、壁状構造41の内部を含んでX及びZ方向に延伸する第1の平面と、壁状構造42xの内部を含んでY及びZ方向に延伸する第2の平面とが交差する位置に対応して設けられ、積層体20内をZ方向に延伸している。本変形例におけるダミー領域200x、ピラー構造33x、ピラー構造アレイ33Ax、壁状構造42x及びサポート構造50xの基本的な構成は、上述した実施形態のダミー領域200、ピラー構造33、ピラー構造アレイ33A、壁状構造42及びサポート構造50の構成と同様である。
【0063】
なお、メモリ領域110の一方の端部側では、上述した実施形態と同様に、ピラー構造アレイ32Aを含んだコンタクト領域120及びピラー構造アレイ33Aを含んだダミー領域200が設けられていてもよいが、必ずしも上述した実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、コンタクト領域120の積層体20は、X方向に階段状に加工された端部を有していてもよい。この場合、階段状の端部に位置する複数の導電層21に複数のコンタクト60が接続されている。また、この場合には、ピラー構造アレイ33Aを含んだダミー領域200は設けられていなくてもよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10…下部領域
20…積層体 20A…積層部分(第1の積層部分)
20B…積層部分(第2の積層部分) 20C…積層部分(第3の積層部分)
21…導電層 22…絶縁層
30A…ピラー構造アレイ
31…ピラー構造(第1のピラー構造)
31A…ピラー構造アレイ(第1のピラー構造アレイ)
32…ピラー構造(第2のピラー構造)
32A…ピラー構造アレイ(第2のピラー構造アレイ)
33、33x…ピラー構造(ダミーピラー構造)
33A、33Ax…ピラー構造アレイ(ダミーピラー構造アレイ)
41…壁状構造(第1の壁状構造) 42、42x…壁状構造(第2の壁状構造)
50、50x…サポート構造 60…コンタクト
100…メイン領域 110…メモリ領域 120…コンタクト領域
200、200x…ダミー領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9
図10
図11
図12