IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社栗本鐵工所の特許一覧

特開2024-135065仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム
<>
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図1
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図2
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図3
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図4
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図5
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図6
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図7
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図8
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図9
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図10
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図11
  • 特開-仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135065
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240927BHJP
   A63F 13/285 20140101ALI20240927BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240927BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240927BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/01 510
A63F13/285
A63F13/58
A63F13/53
A63F13/2145
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045574
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
(72)【発明者】
【氏名】木野井 慶介
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA76
5E555BA04
5E555BA20
5E555BA38
5E555BB04
5E555BB20
5E555BB38
5E555BD01
5E555BE17
5E555CA12
5E555CB12
5E555CC26
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示が可能な仮想オブジェクト触覚提示システムを提供する。
【解決手段】仮想オブジェクト触覚提示システムは、仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置と、仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置とを備える。視覚提示装置は、仮想オブジェクトを視覚的及び触覚的に提示するための視覚データ及び触覚データと、仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部と、記憶部が記憶する触覚データ及び補正データを触覚提示装置へ送信する通信部と、記憶部が記憶する視覚データに基づいて仮想オブジェクトを表示部に表示させる処理部とを備える。触覚提示装置は、視覚提示装置から送信された触覚データ及び補正データを受信し、受信した触覚データ及び補正データに基づいて、仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置と、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置とを備える仮想オブジェクト触覚提示システムであって、
前記視覚提示装置は、
前記仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを前記触覚提示装置へ送信する通信部と、
前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示させる処理部と
を備え、
前記触覚提示装置は、
前記視覚提示装置から送信された前記触覚データ及び前記補正データを受信する通信部と、
受信した前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する制御部と
を備える仮想オブジェクト触覚提示システム。
【請求項2】
前記処理部は、
前記仮想オブジェクトの仮想温度に関連する画像又はテキストを表示し、又は前記仮想オブジェクトの表示態様を仮想温度に関連付けて変更し、
前記視覚提示装置の前記通信部は、
前記仮想温度を示す仮想温度データを前記触覚提示装置へ送信し、
前記触覚提示装置の前記通信部は、
前記視覚提示装置から送信された仮想温度データを受信し、
前記制御部は、
受信した仮想温度データ、前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する
請求項1に記載の仮想オブジェクト触覚提示システム。
【請求項3】
前記触覚データは、所定の仮想温度における前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するためのデータであり、
前記補正データは、仮想温度と、所定の仮想温度に係る前記触覚データの補正係数とを対応付けたデータを含む
請求項1又は請求項2に記載の仮想オブジェクト触覚提示システム。
【請求項4】
前記触覚データは、所定の仮想温度における前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するためのデータであり、
前記補正データは、前記所定の仮想温度と異なる他の仮想温度における前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するためのデータを含む
請求項1又は請求項2に記載の仮想オブジェクト触覚提示システム。
【請求項5】
仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置であって、
前記仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置へ送信する通信部と、
前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示させる処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記仮想オブジェクトの仮想温度に関連する画像又はテキストを表示し、又は前記仮想オブジェクトの表示態様を仮想温度に関連付けて変更し、
前記通信部は、
前記仮想温度を示す仮想温度データを前記触覚提示装置へ送信する
視覚提示装置。
【請求項6】
仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置であって、
前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを受信する通信部と、
受信した前記触覚データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する制御部と
を備え、
前記通信部は、
前記仮想温度を示す仮想温度データを受信し、
前記制御部は、
受信した仮想温度データ、前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する
触覚提示装置。
【請求項7】
仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部を備え、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置と、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置とを用いて、前記仮想オブジェクトを視覚的及び触覚的に提示する仮想オブジェクト触覚提示方法であって、
前記視覚提示装置は、
前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを前記触覚提示装置へ送信し、
前記触覚提示装置は、
前記視覚提示装置から送信された前記触覚データ及び前記補正データを受信し、
受信した前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する
仮想オブジェクト触覚提示方法。
【請求項8】
仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部及び処理部を備え、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示する処理を視覚提示装置に実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記仮想オブジェクトを視覚的に提示する触覚提示装置へ前記触覚データ及び前記補正データを送信し、
前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示し、
前記仮想オブジェクトの仮想温度に関連する画像又はテキストを表示し、又は前記仮想オブジェクトの表示態様を仮想温度に関連付けて変更し、
前記仮想温度を示す仮想温度データを前記触覚提示装置へ送信する
処理を前記視覚提示装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置の動作を制御するための制御プログラムであって、
前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを受信して記憶し、
前記仮想温度を示す仮想温度データを受信し、
受信した仮想温度データと、記憶した前記触覚データ及び前記補正データとに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する
処理を前記触覚提示装置に実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
触覚を提示する技術(ハプティクス)が種々提案されている。発明者らは、磁気粘性流体に対する知見に基づいて、ユーザが操作可能であって、対象物によって異なる感触を再現する触覚提示装置を提案した(特許文献1等)。特許文献2には、触覚提示装置による触覚提示と、視覚提示(画像出力)とを合わせて出力するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6906275号
【特許文献2】特開2020-130632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示が可能な仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る仮想オブジェクト触覚提示システムは、仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置と、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置とを備える仮想オブジェクト触覚提示システムであって、前記視覚提示装置は、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを前記触覚提示装置へ送信する通信部と、前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示させる処理部とを備え、前記触覚提示装置は、前記視覚提示装置から送信された前記触覚データ及び前記補正データを受信する通信部と、受信した前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する制御部とを備える。
【0006】
本開示の一側面に係る視覚提示装置は、仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置であって、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置へ送信する通信部と、前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示させる処理部とを備え、前記処理部は、前記仮想オブジェクトの仮想温度に関連する画像又はテキストを表示し、又は前記仮想オブジェクトの表示態様を仮想温度に関連付けて変更し、前記通信部は、前記仮想温度を示す仮想温度データを前記触覚提示装置へ送信する。
【0007】
本開示の一側面に係る触覚提示装置は、仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置であって、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを受信する通信部と、受信した前記触覚データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する制御部とを備え、前記通信部は、前記仮想温度を示す仮想温度データを受信し、前記制御部は、受信した仮想温度データ、前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する。
【0008】
本開示の一側面に係る仮想オブジェクト触覚提示方法は、仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部を備え、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置と、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置とを用いて、前記仮想オブジェクトを視覚的及び触覚的に提示する仮想オブジェクト触覚提示方法であって、前記視覚提示装置は、前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを前記触覚提示装置へ送信し、前記触覚提示装置は、前記視覚提示装置から送信された前記触覚データ及び前記補正データを受信し、受信した前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する。
【0009】
本開示の一側面に係るコンピュータプログラムは、仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部及び処理部を備え、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示する処理を視覚提示装置に実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記仮想オブジェクトを視覚的に提示する触覚提示装置へ前記触覚データ及び前記補正データを送信し、前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示し、前記仮想オブジェクトの仮想温度に関連する画像又はテキストを表示し、又は前記仮想オブジェクトの表示態様を仮想温度に関連付けて変更し、前記仮想温度を示す仮想温度データを前記触覚提示装置へ送信する処理を前記視覚提示装置に実行させる。
【0010】
本開示の一側面に係る制御プログラムは、仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置の動作を制御するための制御プログラムであって、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを受信して記憶し、前記仮想温度を示す仮想温度データを受信し、受信した仮想温度データと、記憶した前記触覚データ及び前記補正データとに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する処理を前記触覚提示装置に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態1におけるゲームシステムを示す模式図である。
図2】視覚提示装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】感覚DBの内容例を示す説明図である。
図4】触覚提示装置の構成を示すブロック図である。
図5】サーバ装置の内部構成を示すブロック図である。
図6】視覚提示装置及びサーバ装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】触覚提示装置の操作量(変位量)に応じたキャラクタの画像の変化を示す模式図である。
図8】温度変化表示画像の一例を示す模式図である。
図9】触覚提示装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】仮想温度に応じた触覚提示を実現する方法を示す概念図である。
図11】実施形態2に係る補正データテーブルを示す模式図である。
図12】実施形態3に係る触覚データテーブル(補正データテーブル)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態に係る仮想オブジェクト触覚提示システム、視覚提示装置、触覚提示装置、仮想オブジェクト触覚提示方法、コンピュータプログラム及び制御プログラムを、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本実施形態に係る仮想オブジェクト触覚提示システムを適用したゲームシステムについて説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本実施形態1におけるゲームシステム100を示す模式図である。ゲームシステム100は、情報処理装置である視覚提示装置1と、触覚提示装置2と、サーバ装置3とを含む。視覚提示装置1と、触覚提示装置2とは近距離無線通信で通信接続され、相互にデータを授受する。視覚提示装置1と、サーバ装置3とは、ネットワークNを介して相互にデータを送受信する。ネットワークNは、インターネットN1、キャリアネットワークN2、基地局BS、及びアクセスポイントAPを含む。
【0015】
視覚提示装置1は、仮想オブジェクトであるキャラクタCを視覚的に提示する装置である。また、視覚提示装置1は、キャラクタCを聴覚的に提示する機能も有する。視覚提示装置1は、例えば表示部14及び音声出力部15を有するスマートフォンである。視覚提示装置1は、スマートフォンに限られず、タブレット端末、ラップトップ型のPC(Personal Computer)、ゲーム専用機器などであってもよい。視覚提示装置1は、触覚提示装置2と一体化されたゲーム専用機器、すなわちコントローラ部分に触覚提示装置2を含むゲーム機であってもよい。なお、視覚提示装置1と、表示部14及び音声出力部15とは、別体の構成であってもよい。
【0016】
触覚提示装置2は、ユーザが指を変位部202に沿えて持ちながら指を動かして操作できる装置である。触覚提示装置2は、ユーザが指を動かすことで変位する変位部202の位置を読み取り、内蔵するMRF(Magneto-Rheological Fluid)デバイス24をその位置に応じて制御してユーザの変位部202への操作に対する反力(回転抵抗)により力覚を生じさせ、触覚を提示する装置である。触覚提示装置2の変位部202の態様は、図1に示すようなものに限られず、ボタンであってもよいし、スティック状であってもよいし、カバーに覆われたクッション状のものであってもよい。触覚提示装置2は、MRFデバイス24に代えて、モータ、ピエゾ素子、超音波発振器などを採用し、ユーザの操作に対し回転力や振動により力覚を生じさせるアクティブ型の触覚提示装置であってもよく、変位部202の他、振動や温感、冷感、電気刺激を提示するものと組み合わされてもよい。アクティブ型と、本願のようなパッシブ型の触覚提示装置を組み合わせてもよい。地面や壁に設置し、ユーザの手のひらや足等で操作される構造でもよい。
【0017】
ゲームシステム100では、ゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリP1という)をインストールした視覚提示装置1が、サーバ装置3と通信してゲームを実行可能とする。視覚提示装置1は、サーバ装置3のコンテンツデータベース(DB:Data Base )311から、ゲームコンテンツをネットワークN経由で取得する。ゲームコンテンツは、ゲームのキャラクタCである仮想オブジェクトを視覚的、聴覚的及び触覚的に提示するための視覚データ、聴覚データ、触覚データを含む。また、ゲームコンテンツは、キャラクタCの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データを含む。視覚提示装置1は、取得したゲームコンテンツに含まれる視覚データに基づき、内蔵する表示部14にキャラクタCの画像を表示する(視覚的に提示する)。また、視覚提示装置1は、取得したゲームコンテンツに含まれる聴覚データに基づき、音声出力部15からキャラクタCの音声及び効果音を出力する(聴覚的に提示する)。更に、視覚提示装置1は、取得したゲームコンテンツに含まれる触覚データ及び補正データを触覚提示装置2へ送信し、キャラクタCを触覚的に提示する。
より具体的には図1に示すように、視覚提示装置1は表示部14にキャラクタCを表示させる。ユーザが触覚提示装置2の変位部202を指で押し込むと、キャラクタCの種類に応じた触覚が生じる。表示中のキャラクタCの画像は、変位部202の操作及び触覚提示とともに変化し、変化に応じた音声又は効果音が音声出力部15から出力される。
【0018】
ゲームシステム100では、操作するキャラクタCを選択することができる。視覚提示装置1は、選択されたキャラクタCに応じた触覚を触覚提示装置2によって提示し、またキャラクタCの仮想温度に応じて触覚を変化させる。また、視覚提示装置1は変位部202における変位に応じて画像及び音声を変更して出力する。視覚提示装置1は、ゲームシナリオに応じた触覚提示装置2の操作に従って、所定のゲームポイントを加算させたり、抽選(いわゆるガチャ)を実行したりしてゲームを進行させる。
【0019】
図2は、視覚提示装置1の内部構成を示すブロック図である。視覚提示装置1は、処理部10、記憶部11、第1通信部12、第2通信部13、表示部14、音声出力部15及び操作部16を備える。処理部10は、CPU(Central Processing Unit )及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、記憶部11が記憶するゲームアプリP1に基づき、ゲームに係る処理を実行する。
【0020】
記憶部11は、例えばフラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリである。記憶部11は、ゲームアプリP1と、後述の感覚DB110と、その他、処理部10が参照するデータとを記憶する。ゲームアプリP1は、記憶媒体8に記憶されているゲームアプリP8を処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。ゲームアプリP1は、第1通信部12を介してサーバ装置3又は他のプログラムサーバ装置からダウンロードして実行可能に記憶したものである。
【0021】
記憶部11は、ゲームアプリP1のユーザID(触覚提示装置2のユーザを識別するID)を記憶する。記憶部11は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリP1上で所有しているキャラクタC又はアイテム等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。記憶部11に記憶されているユーザIDとコンテンツID及び個数との関係は、サーバ装置3においてユーザIDに対応付けて記憶されているコンテンツID及び個数と同一の内容である。
【0022】
記憶部11は、キャラクタCに応じた触覚データ、視覚(画像、動画、テキスト)データ、聴覚(音声、効果音)データ、及びキャラクタCの仮想温度に応じて触覚データを補正するための補正データを格納した感覚DB110を記憶するストレージである。感覚DB110は、これらのデータを、逐次、サーバ装置3のコンテンツDB311からキャラクタC毎に取得するものであってもよいし、予め記憶されているものであってよい。
【0023】
第1通信部12は、インターネットN1又はキャリアネットワークN2を含むネットワークNを介したサーバ装置3との通信を実現する通信回路を含む。第1通信部12は具体的には、キャリアネットワークN2と接続する無線通信デバイスであってもよいし、WiFi用の無線通信デバイスであってもよい。処理部10は、第1通信部12によってサーバ装置3との間でデータを送受信する。
【0024】
第2通信部13は、近距離無線通信、例えばBluetooth(登録商標)の通信モジュールである。通信モジュールは通信回路を含む。処理部10は、第2通信部13によって触覚提示装置2との間でデータを送受信する。
【0025】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部14は例えば、タッチパネル内蔵型ディスプレイである。処理部10は表示部14に、ゲームアプリP1に基づき、記憶部11が記憶するゲームコンテンツ、又は、サーバ装置3から提供される画像、テキスト等のゲームコンテンツを表示する。なお、スマートフォンのディスプレイを例示したが、表示部14は、スクリーンへの投影、ユーザへの網膜投影、虚像投影などを行う投影装置であってもよい。
【0026】
音声出力部15は、スピーカ等を含む。処理部10は、ゲームアプリP1に基づき、記憶部11が記憶するゲームコンテンツ、又は、サーバ装置3から提供されるゲームコンテンツに含まれる聴覚データに応じた音声、音楽等を音声出力部15から出力させる。
【0027】
操作部16は、ユーザによる操作情報を処理部10に与えるためのユーザインタフェースである。操作部16は、例えば表示部14に内蔵されたタッチパネルである。操作部16は、物理ボタンであってもよい。操作部16は、音声入力部と兼用であってもよい。
【0028】
図3は、感覚DB110の内容例を示す説明図である。感覚DB110は、触覚データテーブルと、補正データテーブルと、視覚データ及び聴覚データを記憶する。
【0029】
感覚DB110は、コンテンツの種類によって異なる複数の触覚データテーブルをコンテンツIDに対応付けて記憶する。触覚データテーブルは、触覚データとして、変位部202の変位量(角度)と、触覚提示装置2のMRFデバイス24に供給する電流の値とを対応付けて格納している。当該触覚データは、所定の仮想温度におけるキャラクタCの触覚を提示するための電流値である。
【0030】
感覚DB110は、コンテンツの種類によって異なる複数の補正データテーブルをコンテンツIDに対応付けて記憶する。言い換えると、感覚DB110は、上述の複数の触覚データテーブルそれぞれに対応する補正データテーブルを記憶する。補正データテーブルは、キャラクタCの仮想温度毎と、補正係数と対応付けて格納している。補正係数は、例えば、所定の仮想温度におけるキャラクタCの触覚を提示するために必要な電流値に乗算することによって、当該電流値を補正する係数である。図3に示す例では温度「標準」、「低い1」、「低い2」、「高い1」、「高い2」のように、仮想温度を複数の温度範囲に区分し、各温度範囲に補正係数が対応付けられている。なお、「標準」は、上述した所定の仮想温度が属する温度範囲であり、補正係数は「1」である。
【0031】
感覚DB110は、コンテンツの種類によって異なるキャラクタCの画像又は動画(フレーム画像)等の画像データを、視覚データとしてコンテンツIDに対応付けて格納している。感覚DB110は、一つのコンテンツIDに対応付けて、パターンα、パターンβ、…と異なる複数パターンの視覚データを格納してもよい。図3に示す例では、パターンαの視覚データは、変位部202の変位量によって画像が変化しない画像データである。パターンβの視覚データは、変位部202の変位量に応じて画像が変化する画像データである。パターンβの視覚データは、変位部202の複数の変位量(角度)にそれぞれ対応付けられた、複数の画像データを含む。パターンα、パターンβ、及びその他のパターンの視覚データは、ランダムに選択されてもよいし、ゲームのシナリオ及び状況に応じて選択されてもよい。
【0032】
感覚DB110は、コンテンツの種類によって異なるキャラクタCの音声又は効果音の音声データを、聴覚データとしてコンテンツIDに対応付けて格納している。感覚DB110は、一つのコンテンツIDに対応付けて、パターンα、パターンβ、…と異なる複数パターンの聴覚データを格納してもよい。図3に示す例では、パターンαの聴覚データは、変位部202の変位量によって音声が変化しない音声データである。パターンβの聴覚データは、変位部202の変位量に応じて音声が変化する音声データである。パターンβの聴覚データは、変位部202の複数の変位量(角度)にそれぞれ対応付けられた、複数の音声データを含む。
【0033】
図4は、触覚提示装置2の構成を示すブロック図である。触覚提示装置2は、図1に示すようにユーザによって把持及び操作される把持体201と、図4に示す制御部20と、触覚データ記憶部21と、通信部22と、電源部23と、MRFデバイス24と、変位センサ25とを備える。なお、図2に示す制御部20、電源部23等の制御及び給電に係る回路は、把持体201と一体的に構成してもよいし、別体で構成して有線又は無線で接続してもよい。
【0034】
把持体201は、中空円板状のケーシングと、変位部202と、結束具203と、リンク機構204とを含む。ケーシングは磁気粘性流体と、回転軸を有するロータとを収納している。ロータは円板状の部材であり、磁気粘性流体で満たされたケーシングの内部で回転する。ロータは、磁気粘性流体による回転抵抗力を受ける。また、把持体201には、磁気粘性流体に磁場を印加するための電磁石(不図示)が設けられており、電磁石は、磁気粘性流体及びロータ等とともにMRFデバイス24を構成している。具体的には、電磁石は、すき間を空けて円板状のロータを挟むように配されたヨークと、ヨークに設けられたコイルとを有する。コイルに電流が流れると磁界が発生し、磁気粘性流体の粘度(ずり応力)が変化し、回転軸に加わる回転抵抗力が与えられる。
【0035】
変位部202は、ケーシングの周面の一部に沿うように湾曲した帯状の部材である。変位部202は、それ自体がたわむことが可能な素材であるが、剛性の高い素材で形成されている。変位部202の基端部は、変位部202の先端部がケーシングから接離する方向に移動することができるように、支軸によってケーシングに回動可能に支持されている。変位部202の先端部外側の面には、ユーザの指を結束するための結束具203が設けられている。結束具203はリングをなす帯状の部材、例えば布テープである。変位部202には、その表面にシリコンラバーや毛並みを持つもの等、多様な感触を加えた素材等が取り付けられていてもよい。変位部202の先端部と、ロータの回転軸とは、リンク機構204によって連結している。リンク機構204は、ケーシングに対して接近又は離反する変位部202の運動を、回転軸の回転運動に変換して伝達する機構である。
【0036】
ユーザは図1に示したように、把持体201を例えば親指と中指とで把持しつつ、人差し指等の指を変位部202に沿わせて結束具203に人差し指を差し込んで使用する。ユーザは人差し指を押し込むように変位部202を動かすことができ、また、人差し指を伸ばして把持体201から変位部202を遠ざけるように動かすことができる。
【0037】
制御部20は、CPU、MPU(Micro-Processing Unit )等の制御プロセッサ20a、ROM(Read Only Memory)20b、RAM(Random Access Memory)20c等のメモリ、及びI/O20dを含む。制御部20は、例えばマイクロコントローラである。制御部20は、ROM20bに記憶されている制御プログラムP2に基づいて各構成部を制御し、触覚提示を実現する。
制御プログラムP2は、図示しない記憶媒体に記憶されている制御プログラムP2を制御部20が読み出してフラッシュメモリなどのROM20bに複製したものであってもよい。制御プログラムP2は、サーバ装置3又は他のプログラムサーバ装置からダウンロードして実行可能に記憶したものであってもよい。
【0038】
触覚データ記憶部21は、制御部20に対する補助記憶メモリであり、MRFデバイス24の制御データである触覚データ及び補正データを書き換え可能に記憶する。
【0039】
通信部22は、近距離無線通信、例えばBluetooth(登録商標)の通信モジュールである。通信モジュールは通信回路を含む。制御部20は、通信部22によって視覚提示装置1との間でデータを送受信する。
【0040】
制御部20は、電源部23、MRFデバイス24及び変位センサ25とI/O20dを介して接続されており、相互に信号を授受する。
【0041】
電源部23は、充電可能なバッテリを含む。電源部23は、ON状態になると各構成部及びMRFデバイス24へ電力を供給する。
【0042】
変位センサ25は、変位部202の位置(角度)を測定して制御部20へ出力する。変位センサ25は変位部202の変位を、角度として測定して出力する。変位センサ25は、ジャイロセンサ、加速度センサ等の複数のセンサから構成されてもよい。
【0043】
図4に示すように構成される触覚提示装置2では、変位部202がユーザによって操作されると、変位部202の変位がリンク機構204を介してMRFデバイス24のロータの回転軸への回転方向に伝達される。回転軸は、MRFデバイス24が動作していない場合、すなわち制御電流がゼロである間は、自由に回転するため、変位部202は抵抗なく変動する。一方で、MRFデバイス24が動作し、制御電流が流れている場合には、MRFデバイス24へ流れる電流の大きさに応じてMRFデバイス24内部の磁気粘性流体の粘度(ずり応力)が変化する。制御部20が、MRFデバイス24への電流の大きさを連続的に変更したり、電流値を所定の周波数で振動させたりすることで、変位部202に対する抵抗の力やその出現方法を変更できる。つまり、制御部20はMRFデバイス24に流れる電流の波形及び電流値を制御することによって、あらゆる触覚を提示することができる。
【0044】
このようにして触覚提示装置2は、変位部202の押し込む量に応じて抵抗(電流値)を変動させてヌルリとした触覚を提示したり、押し込む量が大きくなるにつれて抵抗を大きくしてギュッとした固さの触覚を提示したり、抵抗の大小の繰り返しや矩形波によるON及びOFFの繰り返しによってザクザクとした触覚を提示したりすることができる。
【0045】
図5は、サーバ装置3の内部構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、視覚提示装置1との間でデータの送受信が可能なゲームサーバである。以下の説明において、サーバ装置3は1台のゲームサーバとして説明するが、複数台のサーバコンピュータをネットワークNで通信接続して分散処理させる態様であってもよい。
【0046】
サーバ装置3は、サーバ処理部30、記憶部31、サーバ通信部32を備える。サーバ処理部30は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。サーバ処理部30は、記憶部31に記憶されているサーバプログラムP3に基づき、ゲームサーバとしての処理を実行する。
【0047】
記憶部31は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive )等の不揮発性メモリである。記憶部31は、サーバ処理部30が参照するデータを記憶する。記憶部31は、サーバプログラムP3を記憶する。サーバプログラムP3は、記憶媒体9に記憶されているサーバプログラムP9をサーバ処理部30が読み出して記憶部31に複製したものであってもよい。サーバプログラムP3は、サーバ通信部32を介して他のプログラムサーバ装置からサーバ処理部30がダウンロードして記憶したものであってもよい。
【0048】
記憶部31は、コンテンツDB311を構成しており、ゲームで使用されるゲームコンテンツを記憶する。記憶部31が記憶するゲームコンテンツは、キャラクタデータ、アイテムデータ等を含む。記憶部31のうち、これらのゲームコンテンツのデータを記憶する記憶領域は、ネットワークNで通信接続された外部記憶媒体であってもよい。
【0049】
キャラクタデータは、ゲーム内に登場するキャラクタCのデータである。キャラクタデータは、名称(識別データ)、感覚DB110に含まれるべき触覚データ、視覚データ(画像、動画、テキスト等)、聴覚データ(音声、効果音)及び補正データを含む。
【0050】
アイテムデータは、キャラクタC毎にキャラクタCに関連するアイテムのデータである。アイテムは特定のゲームによって得られる。アイテムデータは名称、画像データを含む。アイテムデータは、キャラクタデータ同様に触覚データを含んでもよい。アイテムデータは、レア度を含んでもよい。
【0051】
ゲームコンテンツにはその他、キャラクタC毎に、アイテム等との交換に用いられる交換用アイテム又は交換用ポイント等が含まれる。
【0052】
記憶部31は、これらのゲームコンテンツの実体(画像データ等)を、コンテンツ識別データ(以下、コンテンツIDという)に対応付けて記憶する。記憶部31は、各視覚提示装置1でユーザ毎に使用可能なゲームコンテンツのコンテンツIDを、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて記憶する。例えば記憶部31は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリP1上で使用可能なキャラクタC、アイテム等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。サーバ処理部30は、コンテンツIDを指定した取得要求に応じて、ゲームコンテンツのデータの複製をコンテンツテーブルから読み出して要求元に提供する。これらのユーザIDに対応付けられるデータを記憶する記憶領域は、ネットワークNで通信接続された外部記憶媒体であってもよい。
【0053】
サーバ通信部32は、ネットワークNを介した視覚提示装置1との通信を実現する通信回路を含む。サーバ通信部32は具体的には、ネットワークカードである。サーバ通信部32は、キャリアネットワークN2と接続する無線通信モジュールであってもよいし、WiFi用の無線通信モジュールであってもよい。サーバ処理部30は、サーバ通信部32によって視覚提示装置1との間でデータを送受信する。
【0054】
図6は、視覚提示装置1及びサーバ装置3の処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは視覚提示装置1と、触覚提示装置2との通信が確立し、視覚提示装置1の表示部14にメイン画面が表示されているものとする。メイン画面は、複数のキャラクタCの画像と、各キャラクタCの選択ボタンとを含む。
【0055】
視覚提示装置1の処理部10は、メイン画面からキャラクタCの選択を受け付ける(ステップS101)。処理部10は、選択されたキャラクタCのゲームコンテンツをサーバ装置3へ要求する(ステップS102)。
【0056】
サーバ装置3のサーバ処理部30は、データ要求を受信し(ステップS301)、データ要求に応じてコンテンツDB311から、視覚提示装置1で選択されたキャラクタCのゲームコンテンツを読み出す(ステップS302)。読み出されるゲームコンテンツは、要求元の視覚提示装置1に記憶されているユーザIDが示すユーザが所有するゲームコンテンツのデータを含む。ゲームコンテンツは、ユーザIDが示すユーザが所有するキャラクタCに関する触覚データ、補正データ、視覚データ及び聴覚データを含む。サーバ処理部30は、読み出したゲームコンテンツを視覚提示装置1へ送信する(ステップS303)。
【0057】
視覚提示装置1の処理部10は、ゲームコンテンツを受信し(ステップS103)、受信したゲームコンテンツを記憶部11に記憶させる(ステップS104)。ステップS104により、記憶部11は、対象のキャラクタCの触覚データ、補正データ、視覚データ及び聴覚データを記憶する。
【0058】
処理部10は、選択されたキャラクタC用のゲーム画面を表示し(ステップS105)し、選択されたキャラクタC用の触覚データテーブル及び補正データテーブルを触覚提示装置2へ送信する(ステップS106)。ステップS105の処理によって、キャラクタCの画像及び指画像Fがゲーム画面に表示される。また、キャラクタCに応じた音声が音声出力部15から出力される。触覚提示装置2は、ステップS106の処理によって送信された触覚データ及び補正データに基づいて、触覚提示に係る処理を実行する(図8参照)。詳細は後述する。
【0059】
触覚提示装置2の変位部202が操作されると、触覚提示装置2から変位部202の変位量が送信される。処理部10は、触覚提示装置2から送信される変位量を受信する(ステップS107)。処理部10は、感覚DB110が記憶する視覚データ及び聴覚データを参照し、受信した変位量に対応する画像データと、音声データとを読み出す(ステップS108)。そして、処理部10は、読み出した画像データ及び音声データをそれぞれ表示部14及び音声出力部15から出力させる(ステップS109)。
【0060】
ステップS107~ステップS109を繰り返すことによって、触覚提示装置2の操作量(変位量)に応じたキャラクタCの画像及び音声を出力することができる。
【0061】
図7は、触覚提示装置2の操作量(変位量)に応じたキャラクタCの画像の変化を示す模式図である。例えば、処理部10は、図7Aに示すようにキャラクタCの一例であるボールの画像と、指画像Fとを表示部14に表示する。触覚提示装置2の変位部202が押し込まれ、変位量が変化すると、図7Bに示すように指画像Fがボールの画像に近づき、接触する。指画像Fがボールの画像に接触したあたりから、MRFデバイス24に電流が供給され、キャラクタCに応じた触覚提示が開始される。触覚提示の詳細は後述する。触覚提示装置2の変位部202が更に押し込まれると、図7Cに示すように、処理部10は、指がボールに食い込み、へこんだボールの画像を表示部14に表示する。触覚提示装置2は変位量に応じた触覚提示を行う。キャラクタCがボールの場合、変位量が大きくなるほど、触覚提示装置2は抵抗が大きくなるような触覚提示を行う。触覚提示装置2の変位部202が更に押し込まれ、所定の終了位置に達すると、処理部10は、図7Dに示すように、つぶれたボールの画像を表示する。
ここでは、変位部202の変位に伴う画像の変化を主に説明したが、変位部202の変位量に応じた音声も出力される。例えば、図7Cに示すようにボールがへこむにつれて、「ぎゅー」などの効果音が音声出力部15から出力される。また、図7Dに示すように、ボールがつぶれたとき、「ぶちゅ」「ボン」などの効果音が音声出力部15から出力される。
【0062】
次いで、処理部10は、ユーザにキャラクタCの温度変化を認識させる温度変化表示画像Hを表示部14に表示させる(ステップS110)。処理部10は、例えば、ユーザによる操作部16の操作によって、温度変化にかかわる操作が行われた場合、任意の仮想温度が入力された場合、温度変化表示画像Hを表示又は変更する。また、処理部10は、ゲーム開始後所定時間が経過した場合、又はゲームシナリオに従って、温度変化表示画像Hを表示し、又は変更する。温度変化表示画像Hを表示する条件及びタイミングは特に限定されるものではない。
【0063】
図8は、温度変化表示画像Hの一例を示す模式図である。例えば、処理部10は、図8Aに示すように、温度変化表示画像Hとして熱源画像を表示する。熱源画像は、例えばたき火の画像である。たき火画像は一例であり、湯気、太陽、ストーブ、光線など、ユーザにキャラクタCの温度の上昇を想起させるような画像であれば、特に画像の種類は限定されるものではない。熱源画像を表示させることによって、キャラクタCが熱せられた状態にあることを表現することができる。ユーザは、標準状態に比べてキャラクタCの仮想温度が上昇していることを認識する。
また、処理部10は、図8Bに示すように、温度変化表示画像HとしてキャラクタCの温度を示すテキストを表示するようにしてもよい。例えば、「80℃」のテキストを表示する。なお、温度は一例であり、文字、記号などを表すテキストを用いて、キャラクタCの仮想温度を表現してもよい。また、ゲージの画像等を用いて、キャラクタCの仮想温度を表現してもよい。ユーザは、テキスト等によって、標準状態に比べてキャラクタCの温度が上昇していることを認識することができる。
更に、処理部10は、図8Cに示すように、温度変化表示画像Hとして、吸熱源画像を表示するようにしてもよい。吸熱源画像は例えば水である。水の画像は一例であり、氷、雪、雨、扇風機など、ユーザに温度の低下を想起させるような画像であれば、特に画像の種類は限定されるものではない。
更にまた、処理部10は、図8Dに示すように、温度変化表示画像Hとして、仮想温度に応じてキャラクタCの表示態様を変更するように構成してもよい。例えば、キャラクタCが凍った状態を示す画像を表示する。また、処理部10は、キャラクタCの色を暖色系の色、寒色系の色などに変更することによって、当該キャラクタCの仮想温度を表現してもよい。
このようにして、処理部10は視覚的にキャラクタCの仮想的な温度変化をユーザに認識させることができる。
【0064】
次いで、処理部10は、キャラクタCの仮想温度を特定し(ステップS111)、特定した仮想温度を示す仮想温度データを触覚提示装置2へ送信する(ステップS112)。例えば、ステップS110で表示した温度変化表示画像Hの種類毎に仮想温度が対応付けられている場合、処理部10は、ステップS110で表示した温度変化表示画像Hに対応する仮想温度をキャラクタCの仮想温度として特定する。また、処理部10は、キャラクタCと、温度変化表示画像Hとの距離に応じて仮想温度を調整してもよい。
【0065】
次いで、処理部10は、ゲームシナリオに基づいて、ゲームアプリP1を終了するか否かを判定する(ステップS113)。処理部10は、変位部202が最後まで押し込まれ、変位量が所定終了位置に到達した場合、ゲームアプリP1を終了とすると判定してもよい。ゲームアプリP1を終了しないと判定された場合(ステップS113:NO)、処理部10は処理をステップS107へ戻し、キャラクタCの画像及び音声を表示し、ゲームシナリオ及び状況に応じて温度変化画像を表示し、仮想温度データを触覚提示装置2へ送信する処理を継続する。ゲームアプリP1を終了すると判定した場合(ステップS113:YES)、処理部10はゲームアプリP1を終了する。
【0066】
図9は、触覚提示装置2の処理手順の一例を示すフローチャートである。図10は、仮想温度に応じた触覚提示を実現する方法を示す概念図である。触覚提示装置2の制御部20は、起動して視覚提示装置1と通信接続が確立されると、以下の処理を実行する。
【0067】
触覚提示装置2は、通信接続中の視覚提示装置1から触覚データテーブル及び補正データテーブルを受信すると(ステップS201)、受信した触覚データテーブル及び補正データテーブルを触覚データ記憶部21に記憶する(ステップS202)。ステップS201で受信する触覚データは、上述した変位量毎の電流値の一覧テーブルである。補正データは、キャラクタCの仮想温度に応じて当該キャラクタCの触覚を補正するための補正係数のテーブルである。
【0068】
触覚提示装置2の制御部20は、変位センサ25から出力される変位部202の変位量(角度)に対応する信号をサンプリングする(ステップS203)。制御部20は、サンプリングにより得られる変位量を、視覚提示装置1へ送信する(ステップS204)。変位量(角度)は、上端からの相対的な変位量でもよいし、変位センサ25によって検出された絶対位置でもよい。
【0069】
また、制御部20は、視覚提示装置1から送信される仮想温度データが送信された場合、当該仮想温度データを受信する(ステップS205)。制御部20は、受信した仮想温度データをRAM20cに一時記憶する。なお、仮想温度データを触覚データ記憶部21に記憶するように構成してもよい。
【0070】
制御部20は、サンプリングにより得られる変位量に対応する電流値を、触覚データ記憶部21に記憶した触覚データから参照する(ステップS206)。制御部20は、仮想温度データをキーにして触覚データ記憶部21が記憶する補正係数を読み出し、触覚データの電流値を補正する(ステップS207)。具体的には、制御部20は、電流値に補正係数を乗算することによって、電流値を補正する。そして、制御部20は、参照及び補正された電流値に応じた電流をMRFデバイス24へ出力する(ステップS208)。
【0071】
制御部20は、新たに他の触覚データを受信したか否かを判断し(ステップS209)、受信していないと判断された場合(ステップS209:NO)、処理をステップS203へ戻す。
【0072】
制御部20は、新たに他の触覚データを受信したと判断した場合(ステップS209:YES)、処理をステップS202へ戻して他の触覚データを触覚データ記憶部21に記憶し(ステップS202)、ステップS203-S208の処理を繰り返し実行する。
【0073】
以上の通り、本実施形態1に係るゲームシステム100によれば、仮想オブジェクトであるキャラクタCを視覚的、聴覚的及び触覚的に提示することができる。また、本実施形態1によれば、キャラクタCの仮想温度に応じて、キャラクタCの触覚を変化させることができる。
【0074】
本実施形態1では、温度変化画像を表示することによって、キャラクタCの仮想温度の変化を視覚的に提示した上、仮想温度に応じたキャラクタCの触覚の変化を提示することができる。
例えば、熱源画像、吸熱源画像によって、キャラクタCの仮想温度を表現したり、仮想温度をテキスト表示したりすることによって、キャラクタCの仮想温度を表現したりすることができる。また、キャラクタCの表示態様を変更することによって、仮想温度を表現することができる。
【0075】
また、触覚データテーブル及び補正データテーブルを触覚提示装置2に記憶させた上、視覚提示装置1から仮想温度データを触覚提示装置2へ送信する構成であるため、必要最小限のデータの送受信によって、仮想温度の変化に応じた触覚変化を実現することができる。触覚提示装置2は、仮想温度の温度範囲と補正係数とを対応付けた小容量の補正データテーブルを記憶するだけで、触覚データを補正することができる。
【0076】
なお、本実施形態1では、磁気粘性流体を用いた触覚提示装置2を例示したが、触覚提示装置2の種類は特に限定されるものではない。モータ、ピエゾ素子、超音波等によって、ユーザに力覚を生じさせる触覚提示装置2においても制御値を、キャラクタCの仮想温度に応じて補正することによって、キャラクタCの仮想温度に応じた触覚を提示することができる。
【0077】
(実施形態2)
実施形態2におけるゲームシステム(仮想オブジェクト触覚提示システム)100は、補正データテーブルの構成と、触覚データの補正方法が実施形態1と異なる。ゲームシステム100のその他の構成は、実施形態1に係るゲームシステム100と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0078】
図11は、実施形態2に係る補正データテーブルを示す模式図である。実施形態2に係る補正データテーブルは、キャラクタCの複数の仮想温度と、当該仮想温度における触覚データの補正係数とを対応付けて格納している。例えば、図11に示す補正データテーブルは、仮想温度「-10℃」「―5℃」「0℃」「5℃」「10℃」にそれぞれ対応付けて補正係数「1.10」「1.05」「1.00」「0.95」及び「0.90」を格納している。
【0079】
制御部20は、ステップS207において、キャラクタCの現在の仮想温度(ステップS205で受信して記憶した仮想温度)に最も近い仮想温度の補正係数を補正データテーブルから読み出す。そして、制御部20は、現在の変位部202の変位量に応じた電流値に、読み出した補正係数を乗算することによって当該電流値を補正する。
【0080】
また、制御部20は線形補完によって、現在の仮想温度に対応する補正係数を算出し、触覚データである電流値を補正してもよい。具体的には、現在の仮想温度と同一の仮想温度に対応する補正係数が補正データテーブルにある場合、制御部20は当該補正係数を補正データテーブルから読み出し、この補正係数を用いて電流値を補正する。
同一の仮想温度が補正データテーブルにない場合、現在の仮想温度(T)よりも低温で、当該仮想温度に最も近い仮想温度(T1)に対応付けられた補正係数(A1)を読み出す。また、制御部20は、現在の仮想温度(T)よりも高温で、当該仮想温度に最も近い仮想温度(T2)に対応付けられた補正係数(A2)を読み出す。この場合、現在の仮想温度(T)における補正係数(A)は下記式(1)で表される。
A=(A2-A1)/(T2-T1)×(T―T1)+A1…(1)
【0081】
制御部20は、上記式(1)で算出された電流値が示す電流をMRFデバイス24に供給することによって、触覚を提示する。
【0082】
以上の通り、本実施形態2に係るゲームシステム100によれば、実施形態1と同様にして仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を行うことができる。
【0083】
また、補正係数を線形補完によって算出する構成によれば、任意の仮想温度に応じて触覚データを補正することができ、仮想温度に応じて滑らかに触覚の程度を変化させることができる。
【0084】
(実施形態3)
実施形態3におけるゲームシステム(仮想オブジェクト触覚提示システム)100は、補正データの構成と、触覚データの補正方法が実施形態1と異なる。ゲームシステム100のその他の構成は、実施形態1に係るゲームシステム100と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0085】
図12は、実施形態3に係る触覚データテーブル(補正データテーブル)を示す模式図である。実施形態3に係る感覚DB110は、所定の標準仮想温度、例えば0℃の時の触覚データテーブルとともに、標準仮想温度と異なる仮想温度における触覚データテーブルを補正データテーブルとして記憶している。例えば、補正データテーブルとして機能する触覚データテーブルは、仮想温度が5℃のときの、変位量と電流値との関係を記憶している。なお、図12に示すテーブルの形式は同一のようにみえるが、標準仮想温度と異なる仮想温度にける触覚データは、標準仮想温度における触覚データを補正するためのデータとして機能するため、補正データと理解することができる。
【0086】
制御部20は、線形補完によって、現在の仮想温度及び変位量に対応する電流値を算出する。具体的には、現在の仮想温度と同一の仮想温度に対応する触覚データテーブルがある場合、制御部20は当該触覚データテーブルを選択し、当該触覚データテーブルから、変位量に対応する電流値を読み出す。
同一の仮想温度に対応する触覚データテーブルがない場合、現在の仮想温度(T)よりも低温で、当該仮想温度に最も近い仮想温度(T1)に係る触覚データテーブルから、変位量に対応する電流値(j1)を読み出す。また、制御部20は、現在の仮想温度(T)よりも高温で、当該仮想温度に最も近い仮想温度(T2)に係る触覚データテーブルから、変位量に対応する電流値(j2)を読み出す。この場合、現在の仮想温度(T)及び変位量における電流値(j)は下記式(2)で表される。
j=(j2-j1)/(T2-T1)×(T―T1)+j1…(2)
【0087】
制御部20は、上記式(2)で算出された電流値が示す電流をMRFデバイス24に供給することによって、触覚を提示する。
【0088】
以上の通り、本実施形態3に係るゲームシステム100によれば、実施形態1と同様にして仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を行うことができる。
【0089】
異なる仮想温度に係る触覚データテーブルの電流値を用いた線形補完によって、現在の任意の仮想温度に応じた触覚データを算出することができ、仮想温度に応じて滑らかに触覚の程度を変化させることができる。
【0090】
本開示の課題を解決するための手段を付記する。
(付記1)
仮想オブジェクトを視覚的に提示する視覚提示装置と、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示する触覚提示装置とを備える仮想オブジェクト触覚提示システムであって、
前記視覚提示装置は、
前記仮想オブジェクトを視覚的に提示するための視覚データと、前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するための触覚データと、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じて触覚を補正するための補正データとを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する前記触覚データ及び前記補正データを前記触覚提示装置へ送信する通信部と、
前記記憶部が記憶する前記視覚データに基づいて前記仮想オブジェクトを表示部に表示させる処理部と
を備え、
前記触覚提示装置は、
前記視覚提示装置から送信された前記触覚データ及び前記補正データを受信する通信部と、
受信した前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する制御部と
を備える仮想オブジェクト触覚提示システム。
(付記2)
前記処理部は、
前記仮想オブジェクトの仮想温度に関連する画像又はテキストを表示し、又は前記仮想オブジェクトの表示態様を仮想温度に関連付けて変更し、
前記視覚提示装置の前記通信部は、
前記仮想温度を示す仮想温度データを前記触覚提示装置へ送信し、
前記触覚提示装置の前記通信部は、
前記視覚提示装置から送信された仮想温度データを受信し、
前記制御部は、
受信した仮想温度データ、前記触覚データ及び前記補正データに基づいて、前記仮想オブジェクトの仮想温度に応じた触覚提示を制御する
付記1に記載の仮想オブジェクト触覚提示システム。
(付記3)
前記触覚データは、所定の仮想温度における前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するためのデータであり、
前記補正データは、仮想温度と、所定の仮想温度に係る前記触覚データの補正係数とを対応付けたデータを含む
付記1又は付記2に記載の仮想オブジェクト触覚提示システム。
(付記4)
前記触覚データは、所定の仮想温度における前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するためのデータであり、
前記補正データは、前記所定の仮想温度と異なる他の仮想温度における前記仮想オブジェクトを触覚的に提示するためのデータを含む
付記1から付記3のいずれか1つに記載の仮想オブジェクト触覚提示システム。
【符号の説明】
【0091】
1 :視覚提示装置
2 :触覚提示装置
3 :サーバ装置
8 :記憶媒体
10 :処理部
11 :記憶部
12 :第1通信部
13 :第2通信部
14 :表示部
15 :音声出力部
16 :操作部
20 :制御部
21 :触覚データ記憶部
22 :通信部
23 :電源部
24 :MRFデバイス
25 :変位センサ
100 :ゲームシステム
201 :把持体
202 :変位部
C :キャラクタ
感覚DB :110
H :温度変化表示画像
N :ネットワーク
P1 :ゲームアプリ
P2 :制御プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12