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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135087
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H03H 5/12 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H03H5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045602
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝村 俊介
(72)【発明者】
【氏名】井上 竜也
(72)【発明者】
【氏名】徳永 英晃
(72)【発明者】
【氏名】小林 恵治
(72)【発明者】
【氏名】野添 研治
【テーマコード(参考)】
5J024
【Fターム(参考)】
5J024AA09
5J024CA20
5J024DA01
5J024DA22
5J024KA03
5J024KA04
(57)【要約】
【課題】静電気ノイズに対する高いノイズ低減効果を有する通信装置を提供する。
【解決手段】通信装置は、高周波信号の伝送を行うものであって、高周波信号の伝送を行う信号線とグラウンドの間に、過電圧保護素子と直列に、通信装置に印加された静電気ノイズの高周波成分による、グラウンドを経由した電流の回り込みの低減と、静電気ノイズの低周波成分による、過電圧保護素子に流れる電流の低減とを両立する、少なくとも1つのインピーダンス部品が挿入される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号の伝送を行う通信装置であって、
前記高周波信号の伝送を行う信号線とグラウンドの間に、過電圧保護素子と直列に、前記通信装置に印加された静電気ノイズの高周波成分による、グラウンドを経由した電流の回り込みの低減と、前記静電気ノイズの低周波成分による、前記過電圧保護素子に流れる電流の低減とを両立する、少なくとも1つのインピーダンス部品を挿入した、
通信装置。
【請求項2】
前記高周波信号は、第1信号線と第2信号線とによる差動伝送によって伝送される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に、それぞれ直列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に、それぞれ並列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に、それぞれ挿入される抵抗である、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に挿入されるフェライトビーズである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に直列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項8】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項9】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に挿入される抵抗である、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項10】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に挿入される抵抗と前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に挿入されるインダクタ、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に挿入される抵抗と前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に挿入されるインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項11】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に、それぞれ直列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項12】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に、それぞれ並列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項13】
前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に、それぞれ挿入される抵抗である、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項14】
前記高周波信号は、信号線によるシングル伝送によって伝送される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項15】
前記インピーダンス部品は、前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に直列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記インピーダンス部品は、前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項17】
前記インピーダンス部品は、前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に挿入される抵抗である、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項18】
前記インピーダンス部品は、前記信号線と前記過電圧保護素子との間に直列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項19】
前記インピーダンス部品は、前記信号線と前記過電圧保護素子との間に並列に挿入される抵抗とインダクタである、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項20】
前記インピーダンス部品は、前記信号線と前記過電圧保護素子との間に挿入される抵抗である、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項21】
前記過電圧保護素子は、ESDサプレッサまたはサイリスタである、
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平衡線路において差動伝送を行う通信装置に用いられて、静電気ノイズの影響を低減することが可能なフィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/066578号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、静電気ノイズで発生した信号を、グラウンド(以下、GNDともいう)に逃がしやすくするために、例えばツェナーダイオードで構成された保護部品とマッチングをとるために、ツェナーダイオードとGNDの間にインダクタ(コイル)を直列に挿入することによって、保護回路を形成している。しかし、静電気ノイズの高周波成分は、GNDを通じて被保護部品に到達することがある。また、静電気ノイズの低周波成分により、インピーダンス部品を流れる電流が増加するおそれがある。そのため、ノイズ低減効果がより高いフィルタの実現が望まれていた。
【0005】
本開示は、静電気ノイズに対する高いノイズ低減効果を有する通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る通信装置は、差動伝送によって高周波信号の伝送を行う通信装置であって、高周波信号の伝送を行う信号線とグラウンドの間に、過電圧保護素子と直列に、前記通信装置に印加された静電気ノイズの高周波成分による、グラウンドを経由した電流の回り込みの低減と、前記静電気ノイズの低周波成分による、前記過電圧保護素子に流れる電流の低減とを両立する、少なくとも1つのインピーダンス部品を挿入したものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る通信装置によれば、静電気ノイズに対する高いノイズ低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態の通信装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、静電気ノイズの一例を示す電流波形である。
図3図3は、過電圧保護素子の電圧電流特性の一例を示すグラフである。
図4図4は、静電気ノイズの第1ピークおよび第2ピークによって、被保護部品に流れる電流波形の一例を示す図である。
図5図5は、静電気ノイズの第1ピークによって、被保護部品に流れる電流波形の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態の通信装置の第1の構成例を示す図である。
図7図7は、図6の通信装置における保護回路の信号通過特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。
図8図8は、図6の通信装置における保護回路のインピーダンスのシミュレーション結果の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態の通信装置の第2の構成例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態通信装置の第3の構成例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態の通信装置の第4の構成例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態の通信装置の第5の構成例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態の通信装置の第6の構成例を示す図である。
図14図14は、第1の実施形態の通信装置の第7の構成例を示す図である。
図15図15は、第1の実施形態の通信装置の第8の構成例を示す図である。
図16図16は、第1の実施形態の通信装置の第9の構成例を示す図である。
図17図17は、第1の実施形態の通信装置の第10の構成例を示す図である。
図18図18は、第1の実施形態の通信装置の第11の構成例を示す図である。
図19図19は、第2の実施形態の通信装置の第1の構成例を示す図である。
図20図20は、第2の実施形態の通信装置の第2の構成例を示す図である。
図21図21は、第2の実施形態の通信装置の第3の構成例を示す図である。
図22図22は、第2の実施形態の通信装置の第4の構成例を示す図である。
図23図23は、第2の実施形態の通信装置の第5の構成例を示す図である。
図24図24は、第2の実施形態の通信装置の第6の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る通信装置の第1の実施形態について説明する。
【0010】
(通信装置の概略構成)
図1を用いて、第1の実施形態の通信装置10の概略構成を説明する。図1は、第1の実施形態の通信装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
通信装置10は、ECU(Electronic Control Unit)に内蔵されて、複数の異なるECU間で、差動伝送による情報通信を行う。差動伝送とは、2本の信号線を用いて、互いに逆位相の電流を流すことによって、2本の信号線間の電位差で信号を伝送する方法である。通信装置10は、例えばセンサーと情報通信を行ってもよい。
【0012】
通信装置10は、図1に示すコネクタ12と、CMCC(Common Mode Choke Coil)13と、被保護部品14とが、第1信号線15aと第2信号線15bとで互いに接続された構造を有する。また、通信装置10は、第1信号線15aとグラウンド(以下、GNDともいう)との間に、保護回路18を備える。また、通信装置10は、第2信号線15bとGNDとの間に、保護回路18を備える。
【0013】
コネクタ12は、前段のECU等の信号源と通信装置10とを接続する。
【0014】
CMCC13は、コモンモードノイズを除去するフィルタである。CMCC13は、第1信号線15aを流れる信号と第2信号線15bを流れる信号に同相で印加されたノイズ、すなわちコモンモードノイズを除去する。なお、CMCC13は、第1信号線15aを流れる信号と第2信号線15bを流れる信号、すなわち逆位相の信号に対しては、何ら影響を与えない。CMCC13は、例えば、1つのコアに2本の導線を逆向きに巻き付けた構造を有する。
【0015】
被保護部品14は、例えば、差動伝送された2つの信号を1つの信号に変換するレシーバ機能や、差動伝送に係る、互いに逆位相の2つの信号を生成するドライバ機能等を有する部品である。
【0016】
第1信号線15aと第2信号線15bには、互いに逆位相の高周波信号が流れる。
【0017】
保護回路18は、過電圧保護素子16とインピーダンス部品17とを備える。
【0018】
過電圧保護素子16は、通信装置10に印加された静電気放電(ESD:Electro-Static Discharge)から、通信装置10を保護する素子である。過電圧保護素子16は、例えば、ESDサプレッサ、サイリスタ、TVSダイオード等である。
【0019】
インピーダンス部品17は、過電圧保護素子16と直列に挿入されて、静電気放電をGNDに逃がす。本実施形態の通信装置10において、インピーダンス部品17には、抵抗または誘導性部品が用いられる。誘導性部品は、例えばインダクタ、コイル、ビーズ、コモンモードノイズフィルタである。ビーズは、例えばチップビーズあるいはフェライトビーズである。コモンモードノイズフィルタは、例えばコモンモードチョークコイルである。インピーダンス部品17は、抵抗器であってもよい。
【0020】
(静電気ノイズの波形)
図2を用いて、代表的な静電気ノイズの波形について説明する。図2は、静電気ノイズの一例を示す電流波形である。
【0021】
静電気ノイズは、例えば、図2に示すように、非常に高速な立ち上がり(1ns以下)を有する第1ピークP1と、それに続く、やや緩やかな第2ピークP2とを有する。通信装置10は、図2のような静電気ノイズが印加された場合であっても、正常に動作することが求められる。
【0022】
(過電圧保護素子の電圧電流特性)
図3を用いて、過電圧保護素子16の電圧電流特性について説明する。図3は、過電圧保護素子の電圧電流特性の一例を示すグラフである。
【0023】
過電圧保護素子16に用いられる例えばESDサプレッサは、通常の信号はそのまま被保護部品14の側に流して、図2に示すような静電気ノイズはGNDに逃がすことによって、被保護部品14を保護する。
【0024】
ESDサプレッサは、通常は非常に高い抵抗値を有する絶縁素子であるが、図3に示すように、所定の電圧値Vc(例えば数百V)を超える高電圧が印加されると、抵抗値が急激に低下して、電圧降下を伴って電流が流れる。ESDサプレッサは、このような電気的特性を利用することによって、静電気ノイズが印加されない場合は、信号線を流れる信号の品質を確保し、静電気ノイズが印加された場合は、静電気ノイズをGNDに逃がすことによって、被保護部品14等の電子部品あるいは電子機器を保護する。
【0025】
(静電気ノイズ印加時に過電圧保護素子に流れる電流)
図4図5を用いて、通信装置10に静電気ノイズを印加した場合に、被保護部品14に流れる電流波形について説明する。図4は、静電気ノイズの第1ピークおよび第2ピークによって、被保護部品14に流れる電流波形の一例を示す図である。図5は、静電気ノイズの第1ピークによって、被保護部品14に流れる電流波形の一例を示す図である。
【0026】
図5は、図4の時間区間T1の部分を拡大して表示したものである。時間区間T1は、図2に示した静電気ノイズの主放電、即ち第1ピークP1に係る区間である。一方、図4に示す時間区間T2は、静電気ノイズの主放電に続く第2ピークP2に係る区間である。
【0027】
主放電に先立ち、CMCC13が有する容量性により、図5の(1)に示す電流が、図1の(1)の部分に流れる。言い換えると、コネクタ12から、CMCC13と被保護部品14とを経てグラウンドに達する電流が流れる。この電流は、主放電前なので抵抗器定数には依存しない。
【0028】
主放電は、過電圧保護素子16を含む保護回路18に流れる。保護回路18のGNDと被保護部品14のGNDは基板GNDで繋がっているが電位差がある為、図5の(2)に示す電流が、図1の(2)の部分に流れる。言い換えると、コネクタ12から、保護回路18を経てグラウンドに達した電流が、グラウンドから被保護部品14に回り込んで、CMCC13に達する。電流(2)はCMCC13で一部反射して、図5の(3)に示す電流が、図1の(3)の部分に流れる。言い換えると、CMCC13から被保護部品14を経てグラウンドに達する電流が流れる。電流(2)、電流(3)は保護回路18に直列に接続されたインピーダンス部品17のインピーダンスに応じてダンピングされる。したがって、インピーダンス部品17は被保護部品14の保護に寄与する。
【0029】
保護回路18に抵抗器等のインピーダンス部品17が接続されると、第2ピークP2の電流抑制効果は低下する。そのため、インピーダンス部品17として周波数特性をもつ、例えばビーズを使用することで、第2ピークP2の周波数成分に影響を与えず、第1ピークP1の周波数成分のみ低減するようにすることが可能となる。
【0030】
例えば、図5において、インピーダンス部品17の抵抗値を大きくした方が、被保護部品14に流れる、静電気ノイズの第1ピークP1に係る電流の量を低減することができる。例えば、図5において、インピーダンス部品17の抵抗値が0Ωよりも6.8Ωの方が、電流が少なくなる。また、インピーダンス部品17の抵抗値が6.8Ωよりも22Ωの方が、電流が少なくなる。
【0031】
一方、図4に示す時間区間T2、即ち静電気ノイズの第2ピークP2に係る区間においては、インピーダンス部品17の抵抗値が小さい方が被保護部品14に流れる電流の量を低減することができる。例えば、図4の時間区間T2においては、インピーダンス部品17の抵抗値が22Ωよりも6.8Ωの方が、電流が少なくなる。また、インピーダンス部品17の抵抗値が6.8Ωよりも0Ωの方が、電流が少なくなる。
【0032】
このように、被保護部品14に流れる電流を低減して静電気ノイズの影響を小さくするためには、保護回路18に挿入されるインピーダンス部品17のインピーダンスは、時間区間T1においては、できるだけ大きいことが望ましい。また、保護回路18に挿入されるインピーダンス部品17のインピーダンスは、時間区間T2においては、できるだけ小さいことが望ましい。
【0033】
ここで、図2に示す代表的な静電気ノイズ波形を分析すると、第1ピークP1は、数百MHzの周波数成分を有する。また、第2ピークP2は、数MHzの周波数成分を有する。したがって、保護回路18に挿入されるインピーダンス部品17のインピーダンスは、数MHzの周波数帯域において、できるだけ小さく、数百MHzの周波数帯域において、できるだけ大きいことが望ましい。
【0034】
(第1の実施形態の通信装置の第1の構成例)
図6から図8を用いて、第1の実施形態の第1の構成例である通信装置10aについて説明する。図6は、第1の実施形態の通信装置の第1の構成例を示す図である。図7は、図6の通信装置における保護回路の信号通過特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。図8は、図6の通信装置における保護回路のインピーダンスのシミュレーション結果の一例を示す図である。
【0035】
図6に示す通信装置10aは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16とGNDとの間、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16とGNDとの間に、それぞれ抵抗17aとインダクタ17bとが直列に挿入された構成を有する。
【0036】
本開示の発明者らは、図6の通信装置10aについて、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。なお、図6における抵抗17aは4Ω、インダクタ17bは10nHとした。
【0037】
図7は、図6の通信装置10aにおける保護回路18の信号通過特性を示すシミュレーション結果である。図7の横軸は周波数を表し、縦軸は信号の通過率を表す。図7から、通信装置10aは数GHzまでの周波数帯域で、信号を減衰させることなく伝送できることがわかる。
【0038】
図8は、図6の通信装置10aの保護回路18のインピーダンスを示すシミュレーション結果である。図8の横軸は周波数を表し、縦軸は、過電圧保護素子16がONであるときの、第1信号線15aまたは第2信号線15bに接続された保護回路18のインピーダンスを表す。図8から、通信装置10aの保護回路18は、静電気ノイズの第2ピークP2(図2参照)に相当する周波数帯域(数MHz)において、静電気ノイズの第1ピークP1(図2参照)に相当する周波数帯域(数百MHz)に比べて、インピーダンスが低くなっていることがわかる。
【0039】
このように、通信装置10aの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0040】
(第1の実施形態の通信装置の第2の構成例)
図9を用いて、第1の実施形態の第2の構成例である通信装置10bについて説明する。図9は、第1の実施形態の通信装置の第2の構成例を示す図である。
【0041】
図9に示す通信装置10aは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16とGNDとの間、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16とGNDとの間に、それぞれ抵抗17aとインダクタ17bとが並列に挿入された構成を有する。
【0042】
本開示の発明者らは、通信装置10bについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0043】
このように、通信装置10bの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0044】
(第1の実施形態の通信装置の第3の構成例)
図10を用いて、第1の実施形態の第3の構成例である通信装置10cについて説明する。図10は、第1の実施形態通信装置の第3の構成例を示す図である。
【0045】
図10に示す通信装置10bは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16とGNDとの間、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16とGNDとの間に、それぞれ抵抗17aが挿入された構成を有する。
【0046】
本開示の発明者らは、通信装置10cについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0047】
このように、通信装置10cの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0048】
(第1の実施形態の通信装置の第4の構成例)
図11を用いて、第1の実施形態の第4の構成例である通信装置10dについて説明する。図11は、第1の実施形態通信装置の第4の構成例を示す図である。
【0049】
図11に示す通信装置10dは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とGNDとの間に、フェライトビーズ17cが挿入された構成を有する。
【0050】
フェライトビーズ17cは、チップインダクタやビーズインダクタとも呼ばれる。フェライトビーズ17cは、インダクタと同様に、周波数が高くなるにつれてインピーダンスが大きくなるインピーダンス部品である。
【0051】
本開示の発明者らは、通信装置10dについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0052】
このように、通信装置10dの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0053】
(第1の実施形態の通信装置の第5の構成例)
図12を用いて、第1の実施形態の第5の構成例である通信装置10eについて説明する。図12は、第1の実施形態通信装置の第5の構成例を示す図である。
【0054】
図12に示す通信装置10eは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とGNDとの間に、抵抗17aとインダクタ17bとが直列に挿入された構成を有する。
【0055】
本開示の発明者らは、通信装置10eについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0056】
このように、通信装置10eの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0057】
(第1の実施形態の通信装置の第6の構成例)
図13を用いて、第1の実施形態の第6の構成例である通信装置10fについて説明する。図13は、第1の実施形態通信装置の第6の構成例を示す図である。
【0058】
図13に示す通信装置10fは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とGNDとの間に、抵抗17aとインダクタ17bとが並列に挿入された構成を有する。
【0059】
本開示の発明者らは、通信装置10fについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0060】
このように、通信装置10fの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0061】
(第1の実施形態の通信装置の第7の構成例)
図14を用いて、第1の実施形態の第7の構成例である通信装置10gについて説明する。図14は、第1の実施形態通信装置の第7の構成例を示す図である。
【0062】
図14に示す通信装置10gは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とGNDとの間に、抵抗17aが挿入された構成を有する。
【0063】
本開示の発明者らは、通信装置10gについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0064】
このように、通信装置10gの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0065】
(第1の実施形態の通信装置の第8の構成例)
図15を用いて、第1の実施形態の第8の構成例である通信装置10hについて説明する。図15は、第1の実施形態通信装置の第8の構成例を示す図である。
【0066】
図15に示す通信装置10hは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側に抵抗17aが挿入されて、過電圧保護素子16とGNDとの間にインダクタ17bが挿入された構成を有する。また、通信装置10hは、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に抵抗17aが挿入されて、過電圧保護素子16とGNDとの間にインダクタ17bが挿入された構成を有する。
【0067】
本開示の発明者らは、通信装置10hについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0068】
このように、通信装置10hの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0069】
(第1の実施形態の通信装置の第9の構成例)
図16を用いて、第1の実施形態の第9の構成例である通信装置10iについて説明する。図16は、第1の実施形態通信装置の第9の構成例を示す図である。
【0070】
図16に示す通信装置10iは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に、それぞれ抵抗17aとインダクタ17bとが直列に挿入された構成を有する。
【0071】
本開示の発明者らは、通信装置10iについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0072】
このように、通信装置10iの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0073】
(第1の実施形態の通信装置の第10の構成例)
図17を用いて、第1の実施形態の第10の構成例である通信装置10jについて説明する。図17は、第1の実施形態通信装置の第10の構成例を示す図である。
【0074】
図17に示す通信装置10jは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に、それぞれ抵抗17aとインダクタ17bとが並列に挿入された構成を有する。
【0075】
本開示の発明者らは、通信装置10jについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0076】
このように、通信装置10jの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0077】
(第1の実施形態の通信装置の第11の構成例)
図18を用いて、第1の実施形態の第11の構成例である通信装置10kについて説明する。図18は、第1の実施形態通信装置の第11の構成例を示す図である。
【0078】
図18に示す通信装置10kは、前述した通信装置10(図1参照)と同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に、それぞれ抵抗17aが挿入された構成を有する。
【0079】
本開示の発明者らは、通信装置10kについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0080】
このように、通信装置10kの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0081】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明したように、第1の実施形態に係る通信装置10aは、高周波信号の伝送を行う通信装置であって、高周波信号の伝送を行う信号線とグラウンドの間に、過電圧保護素子16と直列に、通信装置10aに印加された静電気ノイズの高周波成分による、グラウンドを経由した電流の回り込みの低減と、静電気ノイズの低周波成分による、過電圧保護素子16に流れる電流の低減とを両立する、少なくとも1つのインピーダンス部品17が挿入される。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0082】
また、第1の実施形態に係る通信装置10aにおいて、高周波信号は、第1信号線15aと第2信号線15bとによる差動伝送によって伝送される。したがって、差動伝送を行う際に、通信装置10aに印加された静電気ノイズの影響を低減することができる。
【0083】
また、第1の実施形態に係る通信装置10aにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16とグラウンドとの間、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16とグラウンドとの間に、それぞれ直列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0084】
また、第1の実施形態に係る通信装置10bにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16とグラウンドとの間、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16とグラウンドとの間に、それぞれ並列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0085】
また、第1の実施形態に係る通信装置10cにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16とグラウンドとの間、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16とグラウンドとの間に、それぞれ挿入される抵抗17aである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0086】
また、第1の実施形態に係る通信装置10dにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とグラウンドとの間に挿入されるフェライトビーズ17cである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0087】
また、第1の実施形態に係る通信装置10eにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とグラウンドとの間に直列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0088】
また、第1の実施形態に係る通信装置10fにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0089】
また、第1の実施形態に係る通信装置10gにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16と、第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16との接続点とグラウンドとの間に挿入される抵抗17aである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0090】
また、第1の実施形態に係る通信装置10hにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側に挿入される抵抗17aと過電圧保護素子16とグラウンドとの間に挿入されるインダクタ17b、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に挿入される抵抗17aと過電圧保護素子16とグラウンドとの間に挿入されるインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0091】
また、第1の実施形態に係る通信装置10iにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に、それぞれ直列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0092】
また、第1の実施形態に係る通信装置10jにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に、それぞれ並列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0093】
また、第1の実施形態に係る通信装置10kにおいて、インピーダンス部品17は、第1信号線15aに接続される過電圧保護素子16の前段側、および第2信号線15bに接続される過電圧保護素子16の前段側に、それぞれ挿入される抵抗17aである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0094】
また、第1の実施形態に係る通信装置10a~10kにおいて、過電圧保護素子16は、ESDサプレッサまたはサイリスタである。したがって、保護回路18に静電気ノイズが印加された際に、静電気ノイズをグラウンドに逃がすことによって、被保護部品14等の電子機器を保護することができる。
【0095】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る通信装置の第2の実施形態について説明する。
【0096】
(第2の実施形態の通信装置の第1の構成例)
図19に示す通信装置20aは、高周波信号を1本の信号線15で伝送する(シングル伝送)。通信装置20aは、コネクタ12と、CMCC13と、被保護部品14とが、信号線15で互いに接続された構造を有する。また、通信装置20aは、信号線15とグラウンド(以下、GNDともいう)との間に、保護回路18を備える。
【0097】
コネクタ12、CMCC13、被保護部品14は、第1の実施形態で説明した通りである。そして、通信装置20aは、保護回路18に、過電圧保護素子16とインピーダンス部品17とを備える。
【0098】
過電圧保護素子16は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0099】
インピーダンス部品17は、抵抗17aとインダクタ17bとが直列に接続された構成を有する。
【0100】
本開示の発明者らは、通信装置20aについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0101】
このように、通信装置20aの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0102】
(第2の実施形態の通信装置の第2の構成例)
図20を用いて、第1の実施形態の第2の構成例である通信装置20bについて説明する。図20は、第2の実施形態の通信装置の第2の構成例を示す図である。
【0103】
図20に示す通信装置20bは、前述した通信装置20aと同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、信号線15に接続される過電圧保護素子16とGNDとの間に、抵抗17aとインダクタ17bとが並列に挿入された構成を有する。
【0104】
本開示の発明者らは、通信装置20bについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0105】
このように、通信装置20bの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0106】
(第2の実施形態の通信装置の第3の構成例)
図21を用いて、第1の実施形態の第2の構成例である通信装置20cについて説明する。図21は、第2の実施形態の通信装置の第3の構成例を示す図である。
【0107】
図21に示す通信装置20cは、前述した通信装置20aと同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、信号線15に接続される過電圧保護素子16とGNDとの間に、抵抗17aが挿入された構成を有する。
【0108】
本開示の発明者らは、通信装置20cについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0109】
このように、通信装置20cの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0110】
(第2の実施形態の通信装置の第4の構成例)
図22を用いて、第1の実施形態の第2の構成例である通信装置20dについて説明する。図22は、第2の実施形態の通信装置の第4の構成例を示す図である。
【0111】
図22に示す通信装置20dは、前述した通信装置20aと同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、信号線15に接続される過電圧保護素子16の前段側に、抵抗17aとインダクタ17bとが直列に挿入された構成を有する。
【0112】
本開示の発明者らは、通信装置20dについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0113】
このように、通信装置20dの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0114】
(第2の実施形態の通信装置の第5の構成例)
図23を用いて、第1の実施形態の第2の構成例である通信装置20eについて説明する。図23は、第2の実施形態の通信装置の第5の構成例を示す図である。
【0115】
図23に示す通信装置20eは、前述した通信装置20aと同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、信号線15に接続される過電圧保護素子16の前段側に、抵抗17aとインダクタ17bとが並列に挿入された構成を有する。
【0116】
本開示の発明者らは、通信装置20eについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0117】
このように、通信装置20eの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0118】
(第2の実施形態の通信装置の第6の構成例)
図24を用いて、第1の実施形態の第2の構成例である通信装置20fについて説明する。図24は、第2の実施形態の通信装置の第6の構成例を示す図である。
【0119】
図24に示す通信装置20fは、前述した通信装置20aと同様の構造を有する。そして、インピーダンス部品17として、信号線15に接続される過電圧保護素子16の前段側に、抵抗17aが挿入された構成を有する。
【0120】
本開示の発明者らは、通信装置20fについて、前述したのと同様に、保護回路18の信号通過特性と保護回路18のインピーダンスとのシミュレーションを行った。その結果、図7図8と同様の傾向を示すことを確認した。
【0121】
このように、通信装置20fの構成によると、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの第1ピークP1と第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0122】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明したように、第2の実施形態に係る通信装置20aにおいて、高周波信号は、信号線15によるシングル伝送によって伝送される。したがって、シングル伝送を行う際に、通信装置10aに印加された静電気ノイズの影響を低減することができる。
【0123】
また、第2の実施形態に係る通信装置20aにおいて、インピーダンス部品17は、過電圧保護素子16とグラウンドとの間に直列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0124】
また、第2の実施形態に係る通信装置20bにおいて、インピーダンス部品17は、過電圧保護素子16とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0125】
また、第2の実施形態に係る通信装置20cにおいて、インピーダンス部品17は、過電圧保護素子16とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗17aである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0126】
また、第2の実施形態に係る通信装置20dにおいて、インピーダンス部品17は、信号線15と過電圧保護素子16との間に直列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0127】
また、第2の実施形態に係る通信装置20eにおいて、インピーダンス部品17は、信号線15と過電圧保護素子16との間に並列に挿入される抵抗17aとインダクタ17bである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0128】
また、第2の実施形態に係る通信装置20fにおいて、インピーダンス部品17は、信号線15と過電圧保護素子16との間に並列に挿入される抵抗17aである。したがって、保護回路18の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークP1と、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークP2の影響をともに低減することができる。
【0129】
また、第2の実施形態に係る通信装置20a~10fにおいて、過電圧保護素子16は、ESDサプレッサまたはサイリスタである。したがって、保護回路18に静電気ノイズが印加された際に、静電気ノイズをグラウンドに逃がすことによって、被保護部品14等の電子機器を保護することができる。
【0130】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0131】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の各項目が開示される。
【0132】
(項目1)高周波信号の伝送を行う通信装置であって、前記高周波信号の伝送を行う信号線とグラウンドの間に、過電圧保護素子と直列に、前記通信装置に印加された静電気ノイズの高周波成分による、グラウンドを経由した電流の回り込みの低減と、前記静電気ノイズの低周波成分による、前記過電圧保護素子に流れる電流の低減とを両立する、少なくとも1つのインピーダンス部品を挿入した、通信装置。
【0133】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0134】
(項目2)前記高周波信号は、第1信号線と第2信号線とによる差動伝送によって伝送される、項目1に記載の通信装置。
【0135】
この構成により、差動伝送を行う際に、通信装置に印加された静電気ノイズの影響を低減することができる。
【0136】
(項目3)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に、それぞれ直列に挿入される抵抗とインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0137】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0138】
(項目4)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に、それぞれ並列に挿入される抵抗とインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0139】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0140】
(項目5)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に、それぞれ挿入される抵抗である、項目2に記載の通信装置。
【0141】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0142】
(項目6)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に挿入されるフェライトビーズである、項目2に記載の通信装置。
【0143】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0144】
(項目7)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に直列に挿入される抵抗とインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0145】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0146】
(項目8)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗とインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0147】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0148】
(項目9)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子と、前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子との接続点とグラウンドとの間に挿入される抵抗である、項目2に記載の通信装置。
【0149】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0150】
(項目10)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に挿入される抵抗と前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に挿入されるインダクタ、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に挿入される抵抗と前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に挿入されるインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0151】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0152】
(項目11)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に、それぞれ直列に挿入される抵抗とインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0153】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0154】
(項目12)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に、それぞれ並列に挿入される抵抗とインダクタである、項目2に記載の通信装置。
【0155】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0156】
(項目13)前記インピーダンス部品は、前記第1信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側、および前記第2信号線に接続される前記過電圧保護素子の前段側に、それぞれ挿入される抵抗である、項目2に記載の通信装置。
【0157】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0158】
(項目14)前記高周波信号は、信号線によるシングル伝送によって伝送される、項目1に記載の通信装置。
【0159】
この構成により、シングル伝送を行う際に、通信装置に印加された静電気ノイズの影響を低減することができる。
【0160】
(項目15)前記インピーダンス部品は、前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に直列に挿入される抵抗とインダクタである、項目14に記載の通信装置。
【0161】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0162】
(項目16)前記インピーダンス部品は、前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に並列に挿入される抵抗とインダクタである、項目14に記載の通信装置。
【0163】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0164】
(項目17)前記インピーダンス部品は、前記過電圧保護素子とグラウンドとの間に挿入される抵抗である、項目14に記載の通信装置。
【0165】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0166】
(項目18)前記インピーダンス部品は、前記信号線と前記過電圧保護素子との間に直列に挿入される抵抗とインダクタである、項目14に記載の通信装置。
【0167】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0168】
(項目19)前記インピーダンス部品は、前記信号線と前記過電圧保護素子との間に並列に挿入される抵抗とインダクタである、項目14に記載の通信装置。
【0169】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0170】
(項目20)前記インピーダンス部品は、前記信号線と前記過電圧保護素子との間に挿入される抵抗である、項目14に記載の通信装置。
【0171】
この構成により、保護回路の数MHzの周波数帯域におけるインピーダンスが、数百MHzの周波数帯域におけるインピーダンスに比べて小さくなるため、静電気ノイズの数百MHzの周波数帯域を有する第1ピークと、数MHzの周波数帯域を有する第2ピークの影響をともに低減することができる。
【0172】
(項目21)前記過電圧保護素子は、ESDサプレッサまたはサイリスタである、項目1から項目20のいずれかに記載の通信装置。
【0173】
この構成により、保護回路に静電気ノイズが印加された際に、静電気ノイズをGNDに逃がすことによって、被保護部品等の電子機器を保護することができる。
【符号の説明】
【0174】
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j、10k 通信装置
12 コネクタ
13 CMCC
14 被保護部品
15 信号線
15a 第1信号線
15b 第2信号線
16 過電圧保護素子
17 インピーダンス部品
17a 抵抗
17b インダクタ
17c フェライトビーズ
18 保護回路
20a、20b、20c、20d、20e、20f 通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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