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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135104
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/26 20060101AFI20240927BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20240927BHJP
   E06B 3/48 20060101ALI20240927BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E05D15/26
E05D15/00 A
E06B3/48
E05D15/06 116
E05D15/06 124Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045627
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000184621
【氏名又は名称】小松ウオール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
(74)【代理人】
【識別番号】100176359
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 光代
(72)【発明者】
【氏名】寺井 寛
(72)【発明者】
【氏名】大和 傑
(72)【発明者】
【氏名】岡野 裕樹
【テーマコード(参考)】
2E015
2E034
【Fターム(参考)】
2E015AA01
2E015BA00
2E015DA02
2E015EA03
2E015FA02
2E034AA01
2E034BA13
2E034BE00
2E034JA02
2E034JC01
(57)【要約】
【課題】吊戸式の折戸D、Dを使用して、床面をフラットなバリアフリー構造にする。
【解決手段】門形の戸枠10と、引違戸として動作可能な吊戸式の折戸D、Dと、折戸D、Dの一方に付設するガイドローラ31と、他方に装着するガイドレール41、41とを設け、ガイドローラ31は、折戸D、Dが引違戸として動作するときガイドレール41、41に係合し、他方の折戸Dの折畳み操作により係合が外れる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
門形の戸枠と、該戸枠に組み込み、引違戸として動作可能な室内側、室外側の吊戸式の折戸と、引違戸の召合せ部において前記室外側の折戸の下端に付設するガイドローラと、前記室内側の折戸の下端に装着し、前記召合せ部に形成する口部に連通するガイドレールとを備えなり、前記ガイドローラは、前記折戸を引違戸として動作させるとき前記ガイドレールに係合し、前記室内側の折戸の折畳み操作により前記口部を通過して前記室内側の折戸との係合が外れることを特徴とする間仕切り装置。
【請求項2】
前記各折戸は、平板状に展開するときに互いに対向して嵌合する嵌合部を折れ部の両側に備えることを特徴とする請求項1記載の間仕切り装置。
【請求項3】
前記嵌合部は、前記ガイドレールの一端に連結可能なフォールドキャップに形成することを特徴とする請求項2記載の間仕切り装置。
【請求項4】
前記口部は、前記ガイドレールの一端に連結可能なガイドキャップに形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の間仕切り装置。
【請求項5】
前記室外側の折戸は、前記戸枠の戸尻側の振れ止めに対応する振れ止めを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の間仕切り装置。
【請求項6】
前記室外側の折戸は、前記戸枠の戸尻側の振れ止めに対応する振れ止めを有することを特徴とする請求項4記載の間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、開口部を実質的に全面開放するとともに、引違戸として開口部を部分開放することができ、しかも下レールを廃して床面をバリアフリー構造にすることができる間仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間仕切り装置において、引違戸として動作可能な2列の吊戸式の折戸を使用することが提案されている(たとえば特許文献1、2)。
【0003】
従来の間仕切り装置は、各折戸を折り畳んで戸尻側、戸先側の一方または双方に寄せることにより、間仕切り装置の開口部を実質的に全面開放することができる。また、各折戸を平板状に展開して引違戸として使用することにより、開口部を部分開放することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4897538号公報
【特許文献2】特開2020-190177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、吊戸式の折戸は、吊下用の上レールの他に、姿勢制御用の下レールを設けることが不可欠であり、床面をフラットなバリアフリー構造にすることが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、室内側、室外側の吊戸式の折戸の一方に付設するガイドローラと、他方に装着するガイドレールとを組み合わせることによって、下レールを使用することなく、床面のフラットなバリアフリー構造を容易に実現することができる間仕切り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、門形の戸枠と、戸枠に組み込み、引違戸として動作可能な室内側、室外側の吊戸式の折戸と、引違戸の召合せ部において室外側の折戸の下端に付設するガイドローラと、室内側の折戸の下端に装着し、召合せ部に形成する口部に連通するガイドレールとを備えなり、ガイドローラは、折戸を引違戸として動作させるときガイドレールに係合し、室内側の折戸の折畳み操作により口部を通過して室内側の折戸との係合が外れることをその要旨とする。
【0008】
なお、各折戸は、平板状に展開するときに互いに対向して嵌合する嵌合部を折れ部の両側に備えることができ、嵌合部は、ガイドレールの一端に連結可能なフォールドキャップに形成することができる。
【0009】
また、口部は、ガイドレールの一端に連結可能なガイドキャップに形成してもよく、室外側の折戸は、戸枠の戸尻側の振れ止めに対応する振れ止めを有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
かかる発明の構成によるときは、室内側、室外側の吊戸式の折戸は、平板状に展開させて引違戸として動作させるとき、室外側の折戸の下端のガイドローラを室内側の折戸のガイドレールに係合させ、引違戸の全ストロークについて各折戸を適正な垂下姿勢に維持して安定に動作させることができる。なお、このとき、室外側の折戸は、戸枠の戸尻側の縦枠に戸尻側を当接させて振れ止めするとともに、たとえば戸先側に設ける下向きのフランス落しを介して所定位置に固定する。また、室内側の折戸に係合中のガイドローラは、室内側の折戸を折畳み操作すると、召合せ部に設ける口部を通して外部に進出し、室内側の折戸との係合が外れて折畳み操作を妨げることがない。そこで、室内側、室外側の折戸は、両者を折り畳み、たとえば戸枠の戸尻側に寄せて戸枠内の開口部を実質的に全面開放し、両者を平板状に展開して引違戸として開口部を部分開放することができる上、下レールを設ける必要がなく、床面を完全にフラットなバリアフリー構造にすることができる。
【0011】
各折戸は、折れ部の両側に互いに対向して嵌合する嵌合部を備えることにより、平板状に展開するときに折れ部の両側を容易に正しく一直線状に整列させることができる。なお、室内側の折戸の嵌合部は、折れ部の両側のガイドレールの対向する各一端に連結するフォールドキャップに形成すると、折れ部を通過するガイドローラの動きの円滑化も併せて実現可能である。また、ガイドレールを設けない室外側の折戸についても、同様の嵌合部付きのフォールドキャップを折れ部の両側に対向して配置することができる。
【0012】
ガイドレールの一端に連結可能なガイドキャップに形成する口部は、折戸の折畳み操作に伴うガイドローラの通過を一層円滑にすることができる。ガイドキャップは、口部を形成するに加えて、口部とガイドレールとの間におけるガイドローラの移動経路をも適切に規制することができるからである。
【0013】
室外側の折戸は、戸枠の戸尻側の振れ止めに対応する振れ止めを設けることにより、引違戸として動作させる際に各折戸を効果的に振れ止めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】模式構成説明図
図2】正面図
図3】要部拡大縦断面図
図4】要部構成説明図(1)
図5】要部構成説明図(2)
図6】ガイドキャップの構成説明図
図7】要部構成説明図(3)
図8】フォールドキャップの構成説明図
図9】要部構成説明図(4)
図10】要部動作説明図(1)
図11】要部動作説明図(2)
図12】他の実施の形態を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0016】
間仕切り装置は、門形の戸枠10に室内側、室外側の吊戸式の折戸D、Dを組み込んでなる(図1)。ただし、図1(A)~(C)は、それぞれ全閉状態、一部開放状態、全面開放状態を示す模式正面図と模式横断面図である。なお、以下の説明において、図1(A)~(C)の各模式正面図の手前側、奥側をそれぞれ室外側、室内側といい、左側、右側をそれぞれ戸尻側、戸先側ということにする。
【0017】
折戸D、Dは、それぞれ2枚1組のパネル20、20を折畳み自在に連結して構成されている。折戸D、Dは、それぞれのパネル20、20を平板状に展開して引違戸として動作させ、室内側の折戸Dを正逆に引き操作して戸枠10内の開口部を全閉し(図1(A))、開口部のほぼ半分を部分的に開閉することができる(同図(B))。また、折戸D、Dは、それぞれのパネル20、20を折り畳んでたとえば戸枠10の戸尻側に寄せることにより、戸枠10内の開口部を実質的に全面開放することができる(同図(C))。ただし、各折戸Dの折れ方向は、パネル20、20の折れ部が室外側に山形に突出する方向である。なお、各折戸Dの折れ部の近傍には、折れ防止用の上向きのフランス落しL1 が装着され、各折戸Dの戸先側には、位置決め固定用の下向きのフランス落しL2 が装着されている。
【0018】
戸枠10は、戸尻側、戸先側の縦枠11、11と、縦枠11、11を介して両端を支持する上枠12とを備えている(図2図3)。各縦枠11は、床F上に立設する間仕切りW用の支柱Cに添わせ、スペーサCa を介して支柱Cにねじ止めされている(図4(A)、(B))。戸尻側、戸先側の縦枠11、11には、それぞれ縦方向の内向きの突条11aが室内側、室外側に偏心させて形成されている。ただし、図4(A)~(C)は、それぞれ図2のX1 -X1 線、X2 -X2 線、X3 -X3 線矢視相当の要部拡大断面図である。
【0019】
上枠12は、ペーパハニカムの芯材12aの両面にたとえば鋼板製の表面材12b、12bを付設して構成されている(図3図4(A))。上枠12の両端は、それぞれ縦枠11に対し、突条11aを介して位置決めしてねじ止めされている。上枠12の上端面には、補強材12c、13a、13bを介して天カバー13が付設されており、上枠12側の補強材12cの両側面は、上枠12の表面材12b、12bによって覆われている。上枠12の下端面には、共通の補強材14aを介し、折戸D、D用の各パネル20を吊下する室内側、室外側の上レール14、14が装着されている。ただし、図3の上レール14、14は、たとえばアルミニウムの押出形材により一体に形成されている。また、補強材14aの両側面は、上枠12の表面材12b、12bによって覆われている。
【0020】
折戸D、D用の各パネル20は、縦框21、21、上框22、下框23、中桟24を枠状に組み立て、上下のガラス25、25が装着されている(図2図3)。各パネル20は、上框22に装着する吊車26を介し、室内側または室外側の上レール14から吊下されている。また、室内側、室外側の折戸D、Dを構成する各2枚のパネル20、20は、ヒンジ27、27…を介して折畳み自在に連結されており(図2図4(C))、上下のヒンジ27、27…の位置が各折戸Dの折れ部となっている。各折れ部の折れ方向(図4(C)の矢印方向)の室外側には、先端部が重なり合う指挟み防止用の可撓性の舌片27a、27aが各パネル20の縦框21、21に付設されている。
【0021】
折戸D、Dの引違戸としての召合せ部には、引違戸錠28が装着されている(図2)。また、室内側の折戸Dの戸先側には、操作用の両面のハンドル21a、21a、部分開放時の引残し用の戸当り21bが付設されており(図2図4(B))、戸尻側の縦枠11、室外側の折戸Dの戸尻側には、それぞれ互いに対向して係合する振れ止め29a、29bが装着されている(図2図5(A))。ただし、図5(A)~(D)は、それぞれ、図2のX4 -X4 線矢視相当の要部拡大断面図、Y1 部拡大図、Y2 矢視、Y3 矢視相当の要部拡大図である。
【0022】
引違戸の召合せ部において、室外側の折戸Dの下端には、ブラケット31aを介して上向きのガイドローラ31が付設されている(図2図3図5(B))。また、室内側の折戸Dの各パネル20の下端には、下向きチャンネル状のガイドレール41が付設されており、折戸Dの折れ部の両側には、それぞれガイドレール41の一端に連結するフォールドキャップ42、42が互いに対向して配置されている(図2図5(D))。ガイドローラ31は、折戸D、Dが引違戸として動作するとき、ガイドレール41、41、フォールドキャップ42、42に下から係合することがきる。なお、室外側の折戸Dの下端にも、同様のフォールドキャップ42、42が折れ部の両側に互いに対向して配置されている。
【0023】
引違戸の召合せ部において、室内側の折戸Dの下端には、ガイドレール41の一端に連結するガイドキャップ32が装着されている(図2図5(B)、(C))。ガイドキャップ32は、室外側に向けて開口する口部32aと、ガイドレール41の一端に連結する連結口32bとを有し(図5(C)、図6)、口部32a、連結口32bは、滑らかに湾曲する通路を介して連通されている。なお、口部32a、連結口32bは、中間の通路とともに下向きチャンネル状に形成されている。また、ガイドキャップ32には、高低の取付片32c、32d、32dがベース32e上に一体に形成されている。ただし、図6(A)~(C)は、それぞれガイドキャップ32の斜視図、上面図、口部32a側の側面図である。
【0024】
ガイドキャップ32は、連結口32bにガイドレール41の一端を連結可能であり(図7(A))、室内側の折戸Dの戸尻側のパネル20の戸尻側の縦框21の下端に対し、下框23に収納するガイドレール41とともに、取付片32c、ベース32e上のねじ孔を利用してねじ止めされている(同図(B)、(C))。なお、縦框21の下端には、取付用の切欠き21cが形成されている。
【0025】
フォールドキャップ42の一端には、ガイドレール41の一端を連結する連結口42aが形成され(図8(A)、(B))、他端の口部42bの上面には、波形の嵌合部42cが形成されている(同図(A)~(C))。なお、連結口42a、口部42bは、ストレートの下向きチャンネル状のフォールドキャップ42の両端に形成されている。また、フォールドキャップ42の上面の嵌合部42c寄りには、縦長の取付片42dが立設され、左右対称に突出する下端のベース42e、42e上には、それぞれ横長の位置決め片42fが形成されている。ただし、図8(A)~(C)は、それぞれフォールドキャップ42の斜視図、上面図、口部42b側の正面図である。
【0026】
フォールドキャップ42は、連結口42aにガイドレール41の一端を連結可能であり(図9(A))、室内側の折戸Dの各パネル20の折れ部側の縦框21の下端に対し、下框23に収納するガイドレール41とともに、取付片42d、ベース42e、42e上のねじ孔を利用してねじ止めされている(同図(B)、(C))。また、フォールドキャップ42は、室外側の折戸Dの各パネル20の折れ部側の縦框21の下端に対し、ガイドレール41と連結することなく、同様にして独立に装着されている(図2)。
【0027】
かかる間仕切り装置の作動は、たとえば次のとおりである。
【0028】
各折戸Dのパネル20、20の下端に装着するフォールドキャップ42、42は、各折戸Dを平板状に展開して引違戸として動作させるとき、各折戸Dの折れ部の両側に互いに対向して配置される(図2図5(D))。そこで、フォールドキャップ42、42は、それぞれの嵌合部42c、42cが折れ部の両側に互いに対向して嵌合することにより、パネル20、20の相対位置関係を正しく規制してパネル20、20を一直線状に整列させることができる。また、室内側の折戸Dを開き方向に引き操作するとき、室外側の折戸D側のガイドローラ31は、室内側の折戸Dのガイドレール41、41に係合しながら相対移動し(図10(A))、フォールドキャップ42、42を介して折れ部を円滑に通過することができる(同図(B)、(C))。室内側の折戸Dを逆方向に操作するときも同様である。
【0029】
なお、折戸D、Dを引違戸として動作させるときは、室外側の折戸Dを戸尻側に固定し、室内側の折戸Dを引き操作する(図1(A)、(B))。このとき、各折戸Dは、それぞれの折れ部の近傍に設ける上向きのフランス落しL1 のスライダを対応する上レール14の吊車26用の中央溝に係合させて折れ防止し、平板状の展開状態に維持することができる。また、室外側の折戸Dは、戸尻側に寄せ、振れ止め29a、29bを介して振れ止めするとともに、戸先側の下向きのフランス落しL2 を介して固定する。一方、室内側の折戸Dは、戸先側の戸当り21bが室外側の折戸Dの戸先側に当接することにより、所定の引残しを残して戸枠10内の開口部のほぼ半分を開放することができる。また、室内側の折戸Dは、全閉時において、引違戸錠28を介して施錠可能である。
【0030】
戸枠10内の開口部を全面開放するときは、折戸D、Dを一旦全閉状態にして、各折戸Dの折れ防止用のフランス落しL1 、L1 を解除する。つづいて、たとえばハンドル21aを介して室内側の折戸Dの戸先側を室内側に押し込むと、パネル20、20がそれぞれの吊車26を中心に互いに逆方向に回転し、ヒンジ27、27…を介して折れ部が室外側に山形に突出するように変形してパネル20、20を折り畳むことができる。また、このようにして室内側の折戸Dを折り畳むと、引違戸の召合せ部において、室内側の折戸Dの戸尻側が室外側の折戸Dの戸先側から離れるように室内側に回転し(図5(C)の矢印K方向)、同時に、室内側の折戸Dに係合している室外側の折戸D側のガイドローラ31は、ガイドキャップ32の口部32aを通して相対的に外部に円滑に進出し(図11(A)~(C))、室内側の折戸Dとの係合が外れる。
【0031】
その後、室外側の折戸Dの戸先側のフランス落しL2 を解除した上、同様にして室外側の折戸Dを折り畳み、双方の折戸D、Dを一括してたとえば戸枠10の戸尻側に寄せることにより戸枠10内の開口部を実質的に全面開放することができる(図1(C))。なお、このとき、室内側の折戸Dの戸先側のフランス落しL2 のスライダを室内側の床上の適位置のつぼ(図示せず)に落し込むことにより、折戸D、Dを適切に折り畳んだ状態に固定することができる。
【0032】
一方、図1(C)のように折り畳んだ折戸D、Dを再び平板状に展開して引違戸として動作させるには、逆の手順によればよい。なお、このときも、室外側の折戸Dにつづいて室内側の折戸Dを適位置で展開させることにより、室内側の折戸D側のガイドキャップ32の口部32aを通して、室外側の折戸D側のガイドローラ31を室内側の折戸Dに円滑に係合させることができる。
【0033】
以上の説明において、室外側の折戸Dは、2枚1組のパネル20、20を折畳み自在に連結する2組を使用してもよい(図12)。ただし、図12(A)~(C)は、それぞれ図1(A)~(C)相当図である。
【0034】
また、以上の説明において、「室内側」、「室外側」の語は、互いに入れ替えるようにして読み替えてもよいものとする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、門形の戸枠に吊戸式の折戸を組み合わせ、間仕切り装置の開口部を実質的に全面開放するとともに床面を完全にフラットなバリアフリー構造にすることができ、たとえば事務所、倉庫、病院、介護施設などの各種の用途の建築物に対して広く好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
D…折戸
10…戸枠
11…縦枠
12…上枠
12a…芯材
12b…表面材
12c…補強材
13…天カバー
13a、13b…補強材
14…上レール
29a、29b…振れ止め
31…ガイドローラ
32…ガイドキャップ
32a…口部
41…ガイドレール
42…フォールドキャップ
42c…嵌合部

特許出願人 小松ウオール工業株式会社
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12