(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135109
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】物体検知装置
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045637
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】梅木 俊介
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA17
5C086BA20
5C086CA06
5C086CA10
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA02
5C086DA08
5C086GA10
(57)【要約】
【課題】筐体側コネクタを外部から遮蔽する信頼性が低下すること及びユーザの作業性が低下することを抑制する。
【解決手段】物体検知装置(20)は、筐体(21)に設けられ、第1延長面(21f)と第2延長面(21g)とが交差する交差位置(P1)に対向する対向部(22)と、ケーブル(31)が引き出される引出部(30c)、及びケーブル側コネクタ(32)を含み、引出部が第1面(21c)と同方向を向いた状態と、引出部が第2面(21d)と同方向を向いた状態とで、対向部に着脱可能な着脱部(30)と、対向部に設けられた第1筐体側コネクタ(23A)と第2筐体側コネクタ(23B)と、を備え、着脱部は、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタが接続された状態、及び第2筐体側コネクタにケーブル側コネクタが接続された状態で、第1筐体側コネクタ、第2筐体側コネクタ、及びケーブル側コネクタを外部から遮蔽する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び第2面を有する筐体を備え、前記第1面を延長した第1延長面と前記第2面を延長した第2延長面とが交差し、前記第1面又は前記第2面が固定部材に固定され、ケーブルが接続される物体検知装置であって、
前記筐体に設けられ、前記第1延長面と前記第2延長面とが交差する交差位置に対向する対向部と、
前記ケーブルが引き出される引出部、及び前記ケーブルに接続されるケーブル側コネクタを含み、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態とで、前記対向部に着脱可能な着脱部と、
前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態で前記ケーブル側コネクタを接続可能な第1筐体側コネクタと、
前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で前記ケーブル側コネクタを接続可能な第2筐体側コネクタと、
を備え、
前記着脱部は、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1筐体側コネクタ、前記第2筐体側コネクタ、及び前記ケーブル側コネクタを外部から遮蔽する、物体検知装置。
【請求項2】
前記対向部は、前記第1延長面と前記第2延長面とがなす角を2等分する所定平面に関して対称である第1当接面と第2当接面とを含み、
前記着脱部は、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1当接面に当接可能である第3当接面と、前記第2当接面に当接可能である第4当接面とを含み、
前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第4当接面は前記第1当接面に当接可能であり、前記第3当接面は前記第2当接面に当接可能である、請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項3】
前記ケーブル側コネクタを前記第1筐体側コネクタの方向へガイドするとともに、前記第1当接面と前記第3当接面とが摺動すること及び前記第2当接面と前記第4当接面とが摺動することを規制する第1ガイド機構と、
前記ケーブル側コネクタを前記第2筐体側コネクタの方向へガイドするとともに、前記第2当接面と前記第3当接面とが摺動すること及び前記第1当接面と前記第4当接面とが摺動することを規制する第2ガイド機構と、を備える、請求項2に記載の物体検知装置。
【請求項4】
前記第1ガイド機構は、前記対向部に形成されて前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタを接続する第1接続方向に延びる第1穴と、前記着脱部に設けられて前記ケーブル側コネクタの接続方向に延び且つ前記第1穴に挿入可能であるピンとを含み、
前記第2ガイド機構は、前記対向部に形成されて前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタを接続する第2接続方向に延びる第2穴と、前記第2穴に挿入可能である前記ピンとを含む、請求項3に記載の物体検知装置。
【請求項5】
前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記着脱部を締め付けて前記対向部に固定可能である締具を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の物体検知装置。
【請求項6】
第1面及び第2面を有する筐体を備え、前記第1面を延長した第1延長面と前記第2面を延長した第2延長面とが交差し、前記第1面又は前記第2面が固定部材に固定され、ケーブルが接続される物体検知装置であって、
前記筐体に設けられ、前記第1延長面と前記第2延長面とが交差する交差位置に対向する対向部と、
前記ケーブルが引き出される引出部、及び前記ケーブルに接続されるケーブル側コネクタを含み、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態とで、前記対向部に着脱可能な着脱部と、
前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態及び前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で、前記ケーブル側コネクタを接続可能な筐体側コネクタと、
前記着脱部は、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記筐体側コネクタ及び前記ケーブル側コネクタを外部から遮蔽する、物体検知装置。
【請求項7】
前記対向部は、前記第1延長面と前記第2延長面とがなす角を2等分する所定平面に関して対称である第1当接面と第2当接面とを含み、
前記着脱部は、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1当接面に当接可能である第3当接面と、前記第2当接面に当接可能である第4当接面とを含み、
前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第4当接面は前記第1当接面に当接可能であり、前記第3当接面は前記第2当接面に当接可能である、請求項6に記載の物体検知装置。
【請求項8】
前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記着脱部を締め付けて前記対向部に固定可能である締具を備える、請求項6又は7に記載の物体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を検知する物体検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出射方向を変えながら検出光を出射し、その反射光に基づいて監視エリア内の侵入物を検知するエリアセンサがある(特許文献1参照)。一般的に、エリアセンサには、電力供給用及び通信用のケーブルが接続されている。具体的には、ケーブルに接続されたケーブル側コネクタと、エリアセンサの筐体に設けられた筐体側コネクタとが接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エリアセンサ(物体検知装置)は、物体を検知する監視エリアとの関係で設置する向きや場所が制約される。その場合、エリアセンサからケーブルを引き出す適切な方向は、エリアセンサの設置態様に応じて変化する。例えば、エリアセンサの背面が壁に固定されている場合は、エリアセンサの下方へケーブルを引き出すことが望ましい。また、エリアセンサの下面が台の上面に固定されている場合は、エリアセンサの後方又は側方へケーブルを引き出すことが望ましい。
【0005】
そこで、エリアセンサの筐体に、ケーブル側コネクタを後方から接続可能な第1筐体側コネクタと、ケーブル側コネクタを下方から接続可能な第2筐体側コネクタとを設け、使用しない筐体側コネクタを蓋により外部から遮蔽することが考えられる。しかし、筐体に蓋を取り付け忘れた場合に、使用しない筐体側コネクタが外部に露出するおそれがあり、筐体側コネクタを外部から遮蔽する信頼性が低下するおそれがある。
【0006】
また、エリアセンサの後方へケーブルを引き出すための第1ケーブル側部品と、エリアセンサの下方へケーブルを引き出すための第2ケーブル側部品とを用意し、エリアセンサの設置態様に応じて第1ケーブル側部品と第2ケーブル側部品とを使い分けることも考えられる。しかし、エリアセンサの設置態様が当初の予定から変更された場合等には、ケーブル側部品の追加購入及び取替が必要となるおそれがあり、ユーザの作業性が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、複数の方向へケーブルを引き出し可能である物体検出装置において、筐体側コネクタを外部から遮蔽する信頼性が低下すること及びユーザの作業性が低下することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の手段は、
第1面及び第2面を有する筐体を備え、前記第1面を延長した第1延長面と前記第2面を延長した第2延長面とが交差し、前記第1面又は前記第2面が固定部材に固定され、ケーブルが接続される物体検知装置であって、
前記筐体に設けられ、前記第1延長面と前記第2延長面とが交差する交差位置に対向する対向部と、
前記ケーブルが引き出される引出部、及び前記ケーブルに接続されるケーブル側コネクタを含み、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態とで、前記対向部に着脱可能な着脱部と、
前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態で前記ケーブル側コネクタを接続可能な第1筐体側コネクタと、
前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で前記ケーブル側コネクタを接続可能な第2筐体側コネクタと、
を備え、
前記着脱部は、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1筐体側コネクタ、前記第2筐体側コネクタ、及び前記ケーブル側コネクタを外部から遮蔽する。
【0009】
上記構成によれば、第1面及び第2面を有する筐体を備え、前記第1面を延長した第1延長面と前記第2面を延長した第2延長面とが交差し、前記第1面又は前記第2面が固定部材に固定され、ケーブルが接続される。このため、物体検知装置の筐体の第1面が固定部材に固定される場合は、筐体の第2面が向いた方向へケーブルを引き出すことが望ましい。また、物体検知装置の筐体の第2面が固定部材に固定される場合は、筐体の第1面が向いた方向へケーブルを引き出すことが望ましい。
【0010】
ここで、対向部は、前記筐体に設けられ、前記第1延長面と前記第2延長面とが交差する交差位置に対向している。着脱部は、前記ケーブルが引き出される引出部、及び前記ケーブルに接続されるケーブル側コネクタを含み、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態とで、前記対向部に着脱可能である。そして、第1筐体側コネクタは、前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態で前記ケーブル側コネクタを接続可能である。このため、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続して対向部に着脱部を装着することにより、着脱部の引出部から筐体の第1面が向いた方向へケーブルを引き出すことができる。また、第2筐体側コネクタは、前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で前記ケーブル側コネクタを接続可能である。このため、第2筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続して対向部に着脱部を装着することにより、着脱部の引出部から筐体の第2面が向いた方向へケーブルを引き出すことができる。
【0011】
さらに、前記着脱部は、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1筐体側コネクタ、前記第2筐体側コネクタ、及び前記ケーブル側コネクタを外部から遮蔽する。このため、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態において、第2筐体側コネクタを外部から遮蔽する蓋を必要としない。また、前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態において、第1筐体側コネクタを外部から遮蔽する蓋を必要としない。したがって、筐体に蓋を取り付け忘れて、使用しない筐体側コネクタが外部に露出するおそれがなく、筐体側コネクタを外部から遮蔽する信頼性が低下することを抑制することができる。また、筐体の第1面が向いた方向へケーブルを引き出す場合と、筐体の第2面が向いた方向へケーブルを引き出す場合とで、部品を取り替える必要がない。したがって、物体検知装置の設置態様が当初の予定から変更された場合であっても、部品の追加購入及び取替が必要なく、ユーザの作業性が低下することを抑制することができる。
【0012】
第2の手段では、前記対向部は、前記第1延長面と前記第2延長面とがなす角を2等分する所定平面に関して対称である第1当接面と第2当接面とを含み、前記着脱部は、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1当接面に当接可能である第3当接面と、前記第2当接面に当接可能である第4当接面とを含み、前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第4当接面は前記第1当接面に当接可能であり、前記第3当接面は前記第2当接面に当接可能である。
【0013】
上記構成によれば、対向部の第1当接面と第2当接面とは、筐体の前記第1延長面と前記第2延長面とがなす角を2等分する所定平面に関して対称である。このため、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1当接面に第3当接面が当接可能であり、前記第2当接面に第4当接面が当接可能であれば、前記第1当接面に第4当接面を当接させた際に、前記第2当接面に第3当接面を当接させることができる。この点、前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第4当接面は前記第1当接面に当接可能であり、前記第3当接面は前記第2当接面に当接可能である。したがって、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタが接続されて対向部に着脱部が装着された状態と、第2筐体側コネクタにケーブル側コネクタが接続されて対向部に着脱部が装着された状態とを実現することができる。
【0014】
対向部の第1当接面及び着脱部の第3当接面(第2当接面及び第4当接面)が、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する方向に垂直でない場合は、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する際に第1当接面と第3当接面と(第2当接面と第4当接面と)が当接後に摺動して、第1筐体側コネクタ及びケーブル側コネクタに過度な力が作用するおそれがある。同様に、対向部の第2当接面及び着脱部の第3当接面(第1当接面及び第4当接面)が、第2筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する方向に垂直でない場合は、第2筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する際に第2当接面と第3当接面と(第1当接面と第4当接面と)が当接後に摺動して、第2筐体側コネクタ及びケーブル側コネクタに過度な力が作用するおそれがある。
【0015】
この点、第3の手段では、前記ケーブル側コネクタを前記第1筐体側コネクタの方向へガイドするとともに、前記第1当接面と前記第3当接面とが摺動すること及び前記第2当接面と前記第4当接面とが摺動することを規制する第1ガイド機構と、前記ケーブル側コネクタを前記第2筐体側コネクタの方向へガイドするとともに、前記第2当接面と前記第3当接面とが摺動すること及び前記第1当接面と前記第4当接面とが摺動することを規制する第2ガイド機構と、を備える。こうした構成によれば、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する際に、第1ガイド機構により、前記ケーブル側コネクタを前記第1筐体側コネクタの方向へガイドするとともに、前記第1当接面と前記第3当接面とが摺動すること及び前記第2当接面と前記第4当接面とが摺動することを規制することができる。このため、対向部の第1当接面及び着脱部の第3当接面(第2当接面及び第4当接面)が、第1筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する方向に垂直でない場合も、第1筐体側コネクタ及びケーブル側コネクタに過度な力が作用することを抑制することができる。同様に、第2筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続する際に、第2ガイド機構により、前記ケーブル側コネクタを前記第2筐体側コネクタの方向へガイドするとともに、前記第2当接面と前記第3当接面とが摺動すること及び前記第1当接面と前記第4当接面とが摺動することを規制することができる。
【0016】
具体的には、第4の手段のように、前記第1ガイド機構は、前記対向部に形成されて前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタを接続する第1接続方向に延びる第1穴と、前記着脱部に設けられて前記ケーブル側コネクタの接続方向に延び且つ前記第1穴に挿入可能であるピンとを含み、前記第2ガイド機構は、前記対向部に形成されて前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタを接続する第2接続方向に延びる第2穴と、前記第2穴に挿入可能である前記ピンとを含む、といった構成を採用することができる。
【0017】
第5の手段では、前記第1筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記着脱部を締め付けて前記対向部に固定可能である締具を備える。こうした構成によれば、前記第1筐体側コネクタ又は前記第2筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタを接続した後に、対向部と着脱部とがずれることを抑制することができる。したがって、ユーザがケーブルに引っ掛かった場合等に、第1筐体側コネクタ、第2筐体側コネクタ、及びケーブル側コネクタが破損することを抑制することができる。
【0018】
第6の手段は、
第1面及び第2面を有する筐体を備え、前記第1面を延長した第1延長面と前記第2面を延長した第2延長面とが交差し、前記第1面又は前記第2面が固定部材に固定され、ケーブルが接続される物体検知装置であって、
前記筐体に設けられ、前記第1延長面と前記第2延長面とが交差する交差位置に対向する対向部と、
前記ケーブルが引き出される引出部、及び前記ケーブルに接続されるケーブル側コネクタを含み、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態とで、前記対向部に着脱可能な着脱部と、
前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態及び前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で、前記ケーブル側コネクタを接続可能な筐体側コネクタと、
前記着脱部は、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記筐体側コネクタ及び前記ケーブル側コネクタを外部から遮蔽する。
【0019】
上記構成によれば、対向部は、前記筐体に設けられ、前記第1延長面と前記第2延長面とが交差する交差位置に対向している。着脱部は、前記ケーブルが引き出される引出部、及び前記ケーブルに接続されるケーブル側コネクタを含み、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態とで、前記対向部に着脱可能である。そして、筐体側コネクタは、前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態で、前記ケーブル側コネクタを接続可能である。このため、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態で、筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続して対向部に着脱部を装着することにより、着脱部の引出部から筐体の第1面が向いた方向へケーブルを引き出すことができる。また、筐体側コネクタは、前記対向部に設けられ、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で、前記ケーブル側コネクタを接続可能である。このため、前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で、筐体側コネクタにケーブル側コネクタを接続して対向部に着脱部を装着することにより、着脱部の引出部から筐体の第2面が向いた方向へケーブルを引き出すことができる。
【0020】
さらに、前記着脱部は、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記筐体側コネクタ、前記筐体側コネクタ、及び前記ケーブル側コネクタを外部から遮蔽する。このため、前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態において、筐体側コネクタを外部から遮蔽する蓋を必要としない。したがって、筐体に蓋を取り付け忘れるおそれがなく、筐体側コネクタを外部から遮蔽する信頼性が低下することを抑制することができる。また、筐体の第1面が向いた方向へケーブルを引き出す場合と、筐体の第2面が向いた方向へケーブルを引き出す場合とで、部品を取り替える必要がない。したがって、物体検知装置の設置態様が当初の予定から変更された場合であっても、部品の追加購入及び取替が必要なく、ユーザの作業性が低下することを抑制することができる。
【0021】
第7の手段では、前記対向部は、前記第1延長面と前記第2延長面とがなす角を2等分する所定平面に関して対称である第1当接面と第2当接面とを含み、前記着脱部は、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1当接面に当接可能である第3当接面と、前記第2当接面に当接可能である第4当接面とを含み、前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第4当接面は前記第1当接面に当接可能であり、前記第3当接面は前記第2当接面に当接可能である。
【0022】
上記構成によれば、対向部の第1当接面と第2当接面とは、筐体の前記第1延長面と前記第2延長面とがなす角を2等分する所定平面に関して対称である。このため、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第1当接面に第3当接面が当接可能であり、前記第2当接面に第4当接面が当接可能であれば、前記第1当接面に第4当接面を当接させた際に、前記第2当接面に第3当接面を当接させることができる。この点、前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記第4当接面は前記第1当接面に当接可能であり、前記第3当接面は前記第2当接面に当接可能である。したがって、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ筐体側コネクタにケーブル側コネクタが接続されて対向部に着脱部が装着された状態と、前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ筐体側コネクタにケーブル側コネクタが接続されて対向部に着脱部が装着された状態とを実現することができる。
【0023】
第8の手段では、前記引出部が前記第1面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態、及び前記引出部が前記第2面と同方向を向き且つ前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタが接続された状態で、前記着脱部を締め付けて前記対向部に固定可能である締具を備える。こうした構成によれば、前記引出部が前記第1面と同方向を向いた状態又は前記引出部が前記第2面と同方向を向いた状態で、前記筐体側コネクタに前記ケーブル側コネクタを接続した後に、対向部と着脱部とがずれることを抑制することができる。したがって、ユーザがケーブルに引っ掛かった場合等に、筐体側コネクタ及びケーブル側コネクタが破損することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】エリアセンサが設置される環境を示す斜視図。
【
図3】エリアセンサが台の上に設置される態様を示す模式図。
【
図4】エリアセンサが支持板に設置される態様を示す模式図。
【
図5】エリアセンサの筐体に後方から着脱部を取り付ける態様を示す模式図。
【
図6】エリアセンサの筐体に下方から着脱部を取り付ける態様を示す模式図。
【
図7】着脱部の取り付け時に作用する力を示す模式図。
【
図8】着脱部の取り付け時にコネクタが破損する態様を示す模式図。
【
図11】着脱部が筐体にねじで固定された状態を示す模式図。
【
図14】対向部及び着脱部の他の変更例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、工場の監視エリアへの侵入を監視するエリアセンサに具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1に示すように、工場内には、ロボット10が設置されている。ロボット10は、例えば工場の床に固定されている。ロボット10の周囲には、柵11が設けられている。柵11(仕切部材)は、床から垂直に(上方へ)延びており、ロボット10を隔離することが可能な所定幅を有している。柵11の下部(所定部分)には、支持板12(固定部材)を介してエリアセンサ20が取り付けられている。すなわち、エリアセンサ20は支持板12に固定されており、支持板12は柵11に固定されている。
【0027】
エリアセンサ20(物体検知装置)は、前方の略190°の検知範囲(所定範囲)をレーザ光で走査する広角の測距レーダである。エリアセンサ20は、平面視においてエリアA(検知範囲)にレーザ光を走査して投光し、レーザ光が反射された反射光を受光した受光状態に基づいて、エリアAの物体を検知する。レーザ光には、例えば赤外レーザや、可視レーザ、紫外レーザ等を利用することができる。例えば、エリアAは、作業者Mの膝下部分に対応する所定高さで所定面積を有し、所定位置に設定された矩形状の領域である。エリアセンサ20は、エリアAで作業者M(物体)を検知した場合は警報を行う。
【0028】
エリアセンサ20は、所定角度θの間隔でパルス状のレーザ光を投光する投光部、投光部により投光されたレーザ光が物体で反射された反射光を受光する受光部、物体までの距離を算出する距離算出部等を備えている。距離算出部は、投光部によりレーザ光が投光されてから、受光部により反射光が受光されるまでの経過時間に基づいて、投光方向ごとに投光部(エリアセンサ20)から物体までの距離を算出する。詳しくは、距離算出部は、レーザ光を投光してから反射光を受光するまでの経過時間に比例させて、エリアセンサ20から物体までの距離を算出する。
【0029】
図2は、エリアセンサ20の斜視図である。エリアセンサ20は、筐体21及びセンサ部40を備えている。センサ部40は、円柱状に形成されている。レーザ光がセンサ部40から外部へ出射され、物体により反射された反射光がセンサ部40から内部へ入射する。筐体21は、四角柱状(直方体状)に形成されている。筐体21は、前面21a、側面21b、背面21c、及び下面21dを有している。各面が曲面により滑らかに接続され、各面の接続部が丸くなっていてもよい。
【0030】
図3は、エリアセンサ20が台13の上に設置される態様を示す模式図である。この場合、筐体21の下面21d(第2面)が台13(固定部材)の上面に固定されている。エリアセンサ20には、ケーブル31が接続されている。ケーブル31は、電力を供給する電力供給ケーブル、信号を送受信する通信ケーブル等を含んでいる。筐体21の下方へケーブル31を引き出すことができないため、ケーブル31は筐体21の後方(背面21c(第1面)が向いた方向)へ引き出されている。なお、エリアセンサ20が、床(固定部材)の上面に固定(設置)される場合も同様である。
【0031】
図4は、エリアセンサ20が支持板12に設置される態様を示す模式図である。この場合、筐体21の背面21c(第1面)が支持板12の前面(表側面)に固定されている。筐体21の後方へケーブル31を引き出すことができないため、ケーブル31は筐体21の下方(下面21d(第2面)が向いた方向)へ引き出されている。なお、エリアセンサ20が、壁(固定部材)や、上下方向に延びる部材(固定部材)の側面に固定(設置)される場合も同様である。
【0032】
図3,4に示すように、エリアセンサ20の設置態様に応じて、ケーブル31を引き出す方向を変更可能(設定可能)であることが望ましい。そこで、エリアセンサ20は、ケーブル31を引き出す方向を変更可能とするために、以下の構成を備えている。
【0033】
図5に示すように、エリアセンサ20は、筐体21に着脱可能な着脱部30を備えている。筐体21は、着脱部30が取り付けられる部分が切除されている。換言すれば、筐体21と着脱部30とが分割されている。
【0034】
筐体21の背面21cを延長した第1延長面21fと、下面21dを延長した第2延長面21gとが垂直に交差している。筐体21は、第1延長面21fと第2延長面21gとの交差位置P1に対向する対向部22を備えている。
【0035】
対向部22は、第1延長面21fと第2延長面21gとがなす角αを2等分する平面S1(所定平面)に関して対称な形状に形成されている。対向部22は、平面S1に関して対称である第1当接面22aと第2当接面22bとを含んでいる。第1当接面22aと第2当接面22bとは、同一平面上の面である。第1当接面22a及び第2当接面22bは、第1延長面21fに対して45°傾斜した面である。第1当接面22a及び第2当接面22bは、第2延長面21gに対して45°傾斜した面である。
【0036】
対向部22において第1当接面22aの範囲には、第1筐体側コネクタ23Aが設けられている。第1筐体側コネクタ23Aは、溝形(雌型)のコネクタであり、筐体21の背面21cが向いた方向に開口している。第1筐体側コネクタ23Aは、エリアセンサ20の上記距離算出部の機能を有するマイコン等に配線を介して接続されている。
【0037】
対向部22において第2当接面22bの範囲には、第2筐体側コネクタ23Bが設けられている。第2筐体側コネクタ23Bは、溝形(雌型)のコネクタであり、筐体21の下面21dが向いた方向に開口している。第2筐体側コネクタ23Bは、平面S1に関して第1筐体側コネクタ23Aと対称に設けられている。第2筐体側コネクタ23Bは、第1筐体側コネクタ23Aと同一形状であり、平面S1に関して第1筐体側コネクタ23Aと対称な位置及び向きに配置されている。第2筐体側コネクタ23Bは、エリアセンサ20の上記距離算出部の機能を有するマイコン等に配線を介して接続されている。すなわち、第1筐体側コネクタ23Aの接続先と、第2筐体側コネクタ23Bの接続先とは同一である。
【0038】
着脱部30は、平面S2に関して対称な形状に形成されている。着脱部30は、直角二等辺三角柱状に形成されている。平面S2は、直角二等辺三角柱状に形成された着脱部30の直角を2等分する平面である。着脱部30は、平面S2に関して対称である第3当接面30aと第4当接面30bとを含んでいる。第3当接面30aと第4当接面30bとは、同一平面上の面である。第3当接面30aの形状及び大きさは、第1当接面22aの形状及び大きさと同一(略同一)である。第4当接面30bの形状及び大きさは、第2当接面22bの形状及び大きさと同一(略同一)である。
【0039】
着脱部30は、ケーブル31が引き出される引出部30cと、ケーブル31に接続されるケーブル側コネクタ32とを含んでいる。ケーブル側コネクタ32には、コネクタ(接続部材)を介してケーブル31が接続されていてもよいし、ケーブル31が直接接続されていてもよい。ケーブル側コネクタ32は、着脱部30において第3当接面30aの範囲に設けられている。ケーブル側コネクタ32は、板形(雄型)のコネクタであり、第3当接面30aに対して45°傾斜した方向、すなわちケーブル31が引き出される方向と平行な方向へ所定幅で延びている。なお、第1筐体側コネクタ23A及び第2筐体側コネクタ23Bを板形(雄型)のコネクタとし、ケーブル側コネクタ32を溝形(雌型)のコネクタとすることもできる。
【0040】
ケーブル側コネクタ32は、引出部30cが筐体21の背面21cと同方向を向いた状態で第1筐体側コネクタ23Aに接続可能である。すなわち、背面21cが向いた方向(
図5の左方向)と引出部30cが向いた方向(
図5の左方向)とが同じである状態で、ケーブル側コネクタ32は第1筐体側コネクタ23Aに接続可能である。第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、対向部22の第1当接面22aに第3当接面30aが当接可能であり、対向部22の第2当接面22bに第4当接面30bが当接可能である。そして、着脱部30は、引出部30cが筐体21の背面21cと同方向を向いた状態で、対向部22に取り付け可能である。
【0041】
また、
図6に示すように、ケーブル側コネクタ32は、引出部30cが筐体21の下面21dと同方向を向いた状態で第2筐体側コネクタ23Bに接続可能である。すなわち、下面21dが向いた方向(
図6の下方向)と引出部30cが向いた方向(
図6の下方向)とが同じである状態で、ケーブル側コネクタ32は第2筐体側コネクタ23Bに接続可能である。第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、対向部22の第1当接面22aに第4当接面30bが当接可能であり、対向部22の第2当接面22bに第3当接面30aが当接可能である。そして、着脱部30は、引出部30cが筐体21の下面21dと同方向を向いた状態で、対向部22に取り付け可能である。
【0042】
図7に示すように、筐体21の後方から第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続し、対向部22の第1当接面22aに着脱部30の第3当接面30aが当接し、対向部22の第2当接面22bに着脱部30の第4当接面30bが当接した状態で、着脱部30に矢印F1で示す力をさらに加えると以下の問題が生じ得る。すなわち、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する方向(矢印F1の方向)と、当接面22a,22b,30a,30bとが垂直でないため、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動し、第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動する。このため、矢印F2で示すように着脱部30に当接面22a,22b,30a,30bに沿った力が作用し、
図8に示すように、第1筐体側コネクタ23A及びケーブル側コネクタ32が破損するおそれがある。また、筐体21の下方から第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続する場合も、同様の問題が生じ得る。
【0043】
そこで、
図9に示すように、エリアセンサ20は、ケーブル側コネクタ32を第1筐体側コネクタ23Aの方向へガイドするとともに、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを規制する第1ガイド機構を備えている。
【0044】
第1ガイド機構は、対向部22に形成されて第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する第1接続方向に延びる第1穴24A,25Aを含んでいる。
【0045】
第1穴24Aは、対向部22において第1当接面22aの範囲に断面円形で形成され、筐体21の背面21cに垂直(下面21dに平行)に延びている。第1穴25Aは、対向部22において第2当接面22bの範囲に断面円形で形成され、筐体21の背面21cに垂直(下面21dに平行)に延びている。
【0046】
第1ガイド機構は、着脱部30に設けられて第1接続方向(ケーブル側コネクタ32の接続方向)に延び且つ第1穴24A,25Aにそれぞれ挿入可能であるピン34,35を含んでいる。ピン34は、円柱状に形成され、着脱部30において第3当接面30aの範囲に取り付けられ、第3当接面30aに対して45°傾斜した方向、すなわちケーブル31が引き出される方向と平行な方向へ延びている。ピン34の外径は、第1穴24Aの内径よりも若干小さくなっている。ピン35は、円柱状に形成され、着脱部30において第4当接面30bの範囲に取り付けられ、第4当接面30bに対して45°傾斜した方向、すなわちケーブル31が引き出される方向と平行な方向へ延びている。ピン35の外径は、第1穴25Aの内径よりも若干小さくなっている。ピン34とピン35との位置関係は、第1穴24Aにピン34が挿入される際に第1穴25Aにピン35が挿入されるように設定されている。
【0047】
そして、第1穴24Aにピン34を挿入し且つ第1穴25Aにピン35を挿入することで、ケーブル側コネクタ32が第1筐体側コネクタ23Aに接続(挿入)されるように、第1筐体側コネクタ23A、ケーブル側コネクタ32、第1穴24A,25A、及びピン34,35の位置関係が設定されている。
【0048】
第1ガイド機構によれば、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を近付けると、第1穴24A,25Aにそれぞれピン34,35が入り始める。第1穴24Aにピン34の一部が入り且つ第1穴25Aにピン35の一部が入っている状態では、着脱部30は対向部22に対して上記第1接続方向にのみ移動可能となる。すなわち、対向部22に対するケーブル31を中心軸とした着脱部30の回転、及び対向部22に対する当接面22a,22bに沿った方向への着脱部30の移動が規制される。そして、第1穴24Aにピン34をさらに挿入し且つ第1穴25Aにピン35をさらに挿入することで、ケーブル側コネクタ32が第1筐体側コネクタ23Aに接続される。その後、第1穴24Aにピン34をさらに挿入し且つ第1穴25Aにピン35をさらに挿入することで、第1当接面22aに第3当接面30aが当接し、第2当接面22bに第4当接面30bが当接する。しかし、第1当接面22aと第3当接面30aとの摺動、及び第2当接面22bと第4当接面30bとの摺動が、第1穴24A,25Aにそれぞれ挿入されたピン34,35により規制される。
【0049】
同様に、エリアセンサ20は、ケーブル側コネクタ32を第2筐体側コネクタ23Bの方向へガイドするとともに、第2当接面22bと第3当接面30aとが摺動すること及び第1当接面22aと第4当接面30bとが摺動することを規制する第2ガイド機構を備えている。第2ガイド機構は、対向部22に形成されて第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続する第2接続方向に延びる第2穴24B,25Bと、着脱部30に設けられて第2接続方向(ケーブル側コネクタ32の接続方向)に延び且つ第2穴24B,25Bにそれぞれ挿入可能であるピン34,35とを含んでいる。
【0050】
図11は、着脱部30が筐体21にねじ38,39で固定された状態を示す模式図である。対向部22には、ねじ38,39をそれぞれ締め付け可能なねじ穴26A,27Aが、筐体21の背面21cに垂直に延びるように形成されている。着脱部30には、ねじ38,39をそれぞれ挿通可能な挿通孔36,37が、ケーブル31が引き出される方向(ケーブル側コネクタ32の接続方向)に延びるように形成されている。第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態において、ねじ穴26A,27Aの位置と挿通孔36,37の位置とがそれぞれ一致している。そして、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された後に、挿通孔36,37にそれぞれねじ38,39が挿通され、ねじ38,39がそれぞれねじ穴26A,27Aにねじ込まれている。これにより、着脱部30がねじ38,39により締め付けられて対向部22に固定されている。なお、ねじ穴26A,27A、挿通孔36,37、及びねじ38,39により、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態で着脱部30を締め付けて対向部22に固定可能である締具が構成されている。
図5~11では、ねじ穴26A,27A、挿通孔36,37、及びねじ38,39の表示を省略している。
【0051】
着脱部30は、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32を外部から遮蔽している。詳しくは、着脱部30は、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32の外部に対する防水性及び防塵性を確保している。
【0052】
同様に、対向部22には、ねじ38,39をそれぞれ締め付け可能なねじ穴26B,27Bが、筐体21の下面21dに垂直に延びるように形成されている。着脱部30(エリアセンサ20)からケーブル31を下方へ引き出す場合は、以下のように対向部22に着脱部30を取り付ける。第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態において、ねじ穴26B,27Bの位置と挿通孔36,37の位置とがそれぞれ一致する。そして、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された後に、挿通孔36,37にそれぞれねじ38,39が挿通され、ねじ38,39がそれぞれねじ穴26B,27Bにねじ込まれる。これにより、着脱部30がねじ38,39により締め付けられて対向部22に固定される。着脱部30は、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32を外部から遮蔽する。なお、ねじ穴26B,27B、挿通孔36,37、及びねじ38,39により、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で着脱部30を締め付けて対向部22に固定可能である締具が構成されている。
【0053】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0054】
・対向部22は、筐体21に設けられ、第1延長面21fと第2延長面21gとが交差する交差位置P1に対向している。着脱部30は、ケーブル31が引き出される引出部30c、及びケーブル31に接続されるケーブル側コネクタ32を含み、引出部30cが背面21cと同方向を向いた状態と、引出部30cが下面21dと同方向を向いた状態とで、対向部22に着脱可能である。そして、第1筐体側コネクタ23Aは、対向部22に設けられ、引出部30cが背面21cと同方向を向いた状態でケーブル側コネクタ32を接続可能である。このため、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続して対向部22に着脱部30を装着することにより、着脱部30の引出部30cから筐体21の背面21cが向いた方向へケーブル31を引き出すことができる。また、第2筐体側コネクタ23Bは、対向部22に設けられ、引出部30cが下面21dと同方向を向いた状態でケーブル側コネクタ32を接続可能である。このため、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続して対向部22に着脱部30を装着することにより、着脱部30の引出部30cから筐体21の下面21dが向いた方向へケーブル31を引き出すことができる。
【0055】
・着脱部30は、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態、及び第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32を外部から遮蔽する。このため、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態において、第2筐体側コネクタ23Bを外部から遮蔽する蓋を必要としない。また、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態において、第1筐体側コネクタ23Aを外部から遮蔽する蓋を必要としない。したがって、筐体21に蓋を取り付け忘れて、使用しない筐体側コネクタが外部に露出するおそれがなく、筐体側コネクタ23A,23Bを外部から遮蔽する信頼性が低下することを抑制することができる。また、筐体21の背面21cが向いた方向へケーブル31を引き出す場合と、筐体21の下面21dが向いた方向へケーブル31を引き出す場合とで、部品を取り替える必要がない。したがって、エリアセンサ20の設置態様が当初の予定から変更された場合であっても、部品の追加購入及び取替が必要なく、ユーザの作業性が低下することを抑制することができる。
【0056】
・対向部22の第1当接面22aと第2当接面22bとは、筐体21の第1延長面21fと第2延長面21gとがなす角αを2等分する平面S1に関して対称である。このため、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、第1当接面22aに第3当接面30aが当接可能であり、第2当接面22bに第4当接面30bが当接可能であれば、第1当接面22aに第4当接面30bを当接させた際に、第2当接面22bに第3当接面30aを当接させることができる。この点、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、第4当接面30bは第1当接面22aに当接可能であり、第3当接面30aは第2当接面22bに当接可能である。したがって、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続されて対向部22に着脱部30が装着された状態と、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続されて対向部22に着脱部30が装着された状態とを実現することができる。
【0057】
・エリアセンサ20は、ケーブル側コネクタ32を第1筐体側コネクタ23Aの方向へガイドするとともに、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを規制する第1ガイド機構と、ケーブル側コネクタ32を第2筐体側コネクタ23Bの方向へガイドするとともに、第2当接面22bと第3当接面30aとが摺動すること及び第1当接面22aと第4当接面30bとが摺動することを規制する第2ガイド機構と、を備える。こうした構成によれば、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する際に、第1ガイド機構により、ケーブル側コネクタ32を第1筐体側コネクタ23Aの方向へガイドするとともに、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを規制することができる。このため、対向部22の第1当接面22a及び着脱部30の第3当接面30a(第2当接面22b及び第4当接面30b)が、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する方向に垂直でない場合も、第1筐体側コネクタ23A及びケーブル側コネクタ32に過度な力が作用することを抑制することができる。同様に、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続する際に、第2ガイド機構により、ケーブル側コネクタ32を第2筐体側コネクタ23Bの方向へガイドするとともに、第2当接面22bと第3当接面30aとが摺動すること及び第1当接面22aと第4当接面30bとが摺動することを規制することができる。
【0058】
・第1ガイド機構は、対向部22に形成されて第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する第1接続方向に延びる第1穴24A,25Aと、着脱部30に設けられてケーブル側コネクタ32の接続方向に延び且つ第1穴24A,25Aにそれぞれ挿入可能であるピン34,35とを含む。第2ガイド機構は、対向部22に形成されて第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続する第2接続方向に延びる第2穴24B,25Bと、第2穴24B,25Bに挿入可能であるピン34,35とを含む。このため、第1当接面22aと第3当接面30aとの摺動、及び第2当接面22bと第4当接面30bとの摺動を、第1穴24A,25Aにそれぞれ挿入されたピン34,35により規制することができる。さらに、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する際に、対向部22に対するケーブル31を中心軸とした着脱部30の回転を規制することができる。しかも、第1当接面22a、第2当接面22b、第3当接面30a、及び第4当接面30bに沿った対向部22と着脱部30との相対移動が規制されるため、ユーザがケーブル31に引っ掛かった場合等に、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32が破損することを抑制することもできる。また、ユーザがケーブル31に引っ掛かった場合等に、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32に作用する力をピン34,35により受けることができ、これらのコネクタ23A,23B,32が破損することを抑制することができる。
【0059】
・第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態、及び第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、着脱部30を締め付けて対向部22に固定可能である締具を備えている。具体的には、ねじ穴26A,27A,26B,27B、挿通孔36,37、及びねじ38,39により、筐体側コネクタ23A,23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で着脱部30を締め付けて対向部22に固定可能である締具が構成されている。こうした構成によれば、第1筐体側コネクタ23A又は第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続した後に、対向部22と着脱部30とがずれることを抑制することができる。したがって、ユーザがケーブル31に引っ掛かった場合等に、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32が破損することを抑制することができる。
【0060】
・エリアセンサ20からケーブル31を引き出す方向を変更するためにケーブル31を曲げる必要がなく、ケーブル31を曲げるためのスペースを必要とする構成と比較して、省スペース化することができる。
【0061】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0062】
・
図12に示すように、第1当接面122aと第2当接面122bとが、同一平面上の面でない構成を採用することもできる。第1当接面122aは、第1延長面21fに対して45°よりも小さい角度傾斜した面である。第2当接面122bは、第2延長面21gに対して45°よりも小さい角度傾斜した面である。この場合も、対向部22は、第1延長面21fと第2延長面21gとがなす角αを2等分する平面S1(所定平面)に関して対称な形状に形成されている。第1当接面22aと第2当接面22bとは、平面S1に関して対称である。
【0063】
対向部22の上記形状に対応して、第3当接面130aと第4当接面30bとが、同一平面上の面でない構成を採用することができる。第3当接面130aの形状及び大きさは、第1当接面122aの形状及び大きさと同一(略同一)である。第4当接面130bの形状及び大きさは、第2当接面122bの形状及び大きさと同一(略同一)である。この場合も、着脱部30は、平面S2に関して対称な形状に形成されている。第3当接面130aと第4当接面130bとは、平面S2に関して対称である。上記構成によっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。なお、第1当接面122aを、第1延長面21fに対して45°よりも大きい角度傾斜した面にし、第2当接面122bを、第2延長面21gに対して45°よりも大きい角度傾斜した面にすることも可能である。
【0064】
・対向部22に形成された第1穴25A及び着脱部30に設けられたピン35を省略することもできる。又は、対向部22に形成された第1穴24A及び着脱部30に設けられたピン34を省略することもできる。これらの場合も、着脱部30が第1当接面22a及び第2当接面22bに沿って平行に移動して、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを規制することはできる。
【0065】
・
図13に示すように、第1筐体側コネクタ23Aを、対向部22の第1当接面22aが向いた方向に開口するように配置してもよい。これに対応して、第2筐体側コネクタ23Bも、対向部22の第2当接面22bが向いた方向に開口するように配置する。第2筐体側コネクタ23Bは、平面S1に関して第1筐体側コネクタ23Aと対称に設けられている。第2筐体側コネクタ23Bは、第1筐体側コネクタ23Aと同一形状であり、平面S1に関して第1筐体側コネクタ23Aと対称な位置及び向きに配置されている。
【0066】
そして、ケーブル側コネクタ32を、第3当接面30aに対して垂直な方向へ所定幅で延びるように配置する。ケーブル側コネクタ32は、引出部30cが筐体21の背面21cと同方向を向いた状態で第1筐体側コネクタ23Aに接続可能である。第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、対向部22の第1当接面22aに第3当接面30aが当接可能であり、対向部22の第2当接面22bに第4当接面30bが当接可能である。また、ケーブル側コネクタ32は、引出部30cが筐体21の下面21dと同方向を向いた状態で第2筐体側コネクタ23Bに接続可能である。第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、対向部22の第1当接面22aに第4当接面30bが当接可能であり、対向部22の第2当接面22bに第3当接面30aが当接可能である。
【0067】
上記構成によれば、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する方向(矢印の方向)と、当接面22a,22b,30a,30bとが垂直であるため、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること、及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを抑制することができる。したがって、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを規制するガイド機構を設けない場合であっても、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する際に、これらのコネクタ23A,32に過度な力が作用することを抑制することができる。また、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続する際も、同様の作用効果を奏することができる。
【0068】
・
図14に示すように、第1当接面222aと第2当接面222bとが垂直である構成を採用することもできる。第1当接面222aは、第1延長面21fに平行な面である。第2当接面222bは、第2延長面21gに平行な面である。この場合も、対向部22は、第1延長面21fと第2延長面21gとがなす角αを2等分する平面S1(所定平面)に関して対称な形状に形成されている。第1当接面222aと第2当接面222bとは、平面S1に関して対称である。なお、第1筐体側コネクタ23Aは、平面S1に対して第1当接面222aと反対側(第2当接面222bと同側)に設けられている。第2筐体側コネクタ23Bは、平面S1に対して第2当接面222bと反対側(第1当接面222aと同側)に設けられている。
【0069】
対向部22の上記形状に対応して、第3当接面230aの形状及び大きさは、第1当接面222aの形状及び大きさと同一(略同一)である。第4当接面230bの形状及び大きさは、第2当接面222bの形状及び大きさと同一(略同一)である。この場合も、着脱部30は、平面S2に関して対称な形状に形成されている。第3当接面230aと第4当接面230bとは、平面S2に関して対称である。なお、ケーブル側コネクタ32は、平面S2に対して第3当接面230aと反対側(第4当接面230bと同側)に設けられている。
【0070】
上記構成によっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する方向(矢印の方向)と、当接面222a,230aとが垂直であるため、第1当接面222aと第3当接面230aとが摺動することを抑制することができる。したがって、第1当接面222aと第3当接面230aとが摺動することを規制するガイド機構を設けない場合であっても、第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32を接続する際に、これらのコネクタ23A,32に過度な力が作用することを抑制することができる。また、第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32を接続する際も、同様の作用効果を奏することができる。
【0071】
・第1筐体側コネクタ23Aにケーブル側コネクタ32が接続された状態、及び第2筐体側コネクタ23Bにケーブル側コネクタ32が接続された状態で、第1筐体側コネクタ23A、第2筐体側コネクタ23B、及びケーブル側コネクタ32と外部とをシールするシール部材が対向部22又は着脱部30に設けられていてもよい。
【0072】
・
図15に示すように、筐体側コネクタ23を、対向部22の第1当接面22a及び第2当接面22bが向いた方向に開口するように1つのみ配置してもよい。筐体側コネクタ23は、平面S1に関して対称な形状に形成されている。
【0073】
筐体側コネクタ23に対応させて、ケーブル側コネクタ32は、第3当接面30a及び第4当接面30bに対して垂直な方向へ所定幅で延びるように配置されている。ケーブル側コネクタ32は、平面S2に関して対称な形状に形成されている。ケーブル側コネクタ32は、引出部30cが筐体21の背面21cと同方向を向いた状態で筐体側コネクタ23に接続可能である。そして、筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態で、対向部22の第1当接面22aに第3当接面30aが当接可能であり、対向部22の第2当接面22bに第4当接面30bが当接可能である。また、ケーブル側コネクタ32は、引出部30cが筐体21の下面21dと同方向を向いた状態で筐体側コネクタ23に接続可能である。そして、筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態で、対向部22の第1当接面22aに第4当接面30bが当接可能であり、対向部22の第2当接面22bに第3当接面30aが当接可能である。
【0074】
引出部30cが筐体21の背面21cと同方向を向いた状態でケーブル側コネクタ32が筐体側コネクタ23に接続された場合と、引出部30cが筐体21の下面21dと同方向を向いた状態でケーブル側コネクタ32が筐体側コネクタ23に接続された場合とでは、筐体側コネクタ23に対するケーブル側コネクタ32の向きが180°異なる。この点については、エリアセンサ20にディップスイッチを設けて、ディップスイッチによりケーブル側コネクタ32からの電力や信号の入力経路を切り替えたり、ケーブル側コネクタ32の向きを自動判別してケーブル側コネクタ32からの電力や信号の入力経路を切り替えたりすればよい。なお、筐体側コネクタに対してケーブル側コネクタが逆向きに接続されることを防止する逆接続防止構造が設けられることが一般的である。しかし、上記構成においては、逆接続防止構造が設けられておらず、筐体側コネクタ23に対してケーブル側コネクタ32を180°回転させても(左右逆にしても、又は上下逆にしても)接続可能となっている。そして、着脱部30は、引出部30cが背面21cと同方向を向き且つ筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態、及び引出部30cが下面21dと同方向を向き且つ筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態で、筐体側コネクタ23及びケーブル側コネクタ32を外部から遮蔽する。
【0075】
上記構成によれば、上記実施形態に準じた作用効果を奏することができる。さらに、筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32を接続する方向(矢印の方向)と、当接面22a,22b,30a,30bとが垂直であるため、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること、及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを抑制することができる。したがって、第1当接面22aと第3当接面30aとが摺動すること及び第2当接面22bと第4当接面30bとが摺動することを規制するガイド機構を設けない場合であっても、引出部30cが背面21cと同方向を向いた状態で筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32を接続する際に、これらのコネクタ23A,32に過度な力が作用することを抑制することができる。また、引出部30cが下面21dと同方向を向いた状態で筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32を接続する際も、同様の作用効果を奏することができる。加えて、対向部22に筐体側コネクタを2つ設ける必要がなく、1つの筐体側コネクタ23のみ設ければよいため、筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32を接続する構成を簡潔にすることができる。
【0076】
また、上記構成においても、対向部22にはねじ穴26A,27A,26B,27Bが形成され、着脱部30には挿通孔36,37が形成され、エリアセンサ20はねじ38,39を備えている。すなわち、エリアセンサ20は、引出部30cが背面21cと同方向を向き且つ筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態、及び引出部30cが下面21dと同方向を向き且つ筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態で、着脱部30を締め付けて対向部22に固定可能である締具を備えている。したがって、引出部30cが背面21cと同方向を向いた状態又は引出部30cが下面21dと同方向を向いた状態で、筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32を接続した後に、対向部22と着脱部30とがずれることを抑制することができる。したがって、ユーザがケーブル31に引っ掛かった場合等に、筐体側コネクタ23及びケーブル側コネクタ32が破損することを抑制することができる。
【0077】
・対向部22において、第1当接面22a,122a,222aと第2当接面22b,122b,222b以外の部分は、平面S1(所定平面)に関して対称でなくてもよい。着脱部30において、第3当接面30a,130a,230aと第4当接面30b,130b,230b以外の部分は、平面S2に関して対称でなくてもよい。
【0078】
・引出部30cが背面21cと同方向を向き且つ筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態、及び引出部30cが下面21dと同方向を向き且つ筐体側コネクタ23にケーブル側コネクタ32が接続された状態で、筐体側コネクタ23及びケーブル側コネクタ32と外部とをシールするシール部材が対向部22又は着脱部30に設けられていてもよい。
【0079】
・ねじ穴26A,27A,26B,27B、挿通孔36,37、及びねじ38,39により構成された締具に代えて、面的に着脱可能な面ファスナを対向部22と着脱部30とに設けることもできる。また、対向部22と着脱部30と両面テープ等により接着することもできる。
【0080】
・エリアセンサ20からケーブル31を引き出す方向は、エリアセンサ20の後方と下方とに限らない。例えば、エリアセンサ20の側方と下方とに、ケーブル31を引き出すこともできる。その場合は、筐体21の側面21b(第1面)を延長した延長面(第1延長面)と下面21d(第2面)を延長した延長面(第2延長面)とが交差する交差位置に対向するように、筐体21に対向部22を設ければよい。また、エリアセンサ20の後方と側方とに、ケーブル31を引き出すこともできる。その場合は、背面21c(第1面)を延長した延長面(第1延長面)と側面21b(第2面)を延長した延長面(第2延長面)とが交差する交差位置に対向するように、筐体21に対向部22を設ければよい。また、筐体21の形状は、四角柱状(直方体状)に限らず、三角柱状や六角柱状等であってもよい。その場合も、ケーブル31を、エリアセンサ20の後方と下方とに引き出したり、側方と下方とに引き出したり、後方と側方とに引き出したりすることができる。
【0081】
・エリアセンサ20は、検知範囲をレーザ光で走査する測距レーダに限らず、検知範囲をミリ波で走査する測距レーダ(物体検知装置)、検知範囲を超音波で走査する測距レーダ(物体検知装置)、検知範囲をカメラで撮影した画像に基づき物体を検知する物体検知装置等であってもよい。これらの物体検知装置においても、物体を検知する監視エリアとの関係で設置する向きや場所が制約されるため、物体検知装置からケーブルを引き出す適切な方向は、物体検知装置の設置態様に応じて変化する。したがって、これらの物体検知装置においても、上記実施形態及びその変更例を適用することが有効である。また、エリアセンサ20は、屋内に限らず、屋外に設置されていてもよい。
【0082】
なお、上記実施形態及びその変更例を、組み合わせ可能な範囲で組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0083】
20…エリアセンサ(物体検知装置)、21…筐体、21c…背面(第1面)、21d…下面(第2面)、21f…第1延長面、21g…第2延長面、22…対向部、22a…第1当接面、22b…第2当接面、23…筐体側コネクタ、23A…第1筐体側コネクタ、23B…第2筐体側コネクタ、30…着脱部、30a…第3当接面、30b…第4当接面、30c…引出部、31…ケーブル、32…ケーブル側コネクタ、122a…第1当接面、122b…第2当接面、130a…第3当接面、130b…第4当接面、222a…第1当接面、222b…第2当接面、230a…第3当接面、230b…第4当接面。