(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135123
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】端末装置、音声出力制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/60 20060101AFI20240927BHJP
H04M 1/72 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
H04M1/60 A
H04M1/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045656
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 晶己
(72)【発明者】
【氏名】下田 秀章
(72)【発明者】
【氏名】桐原 亮治
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA03
5K127BA03
5K127DA12
5K127DA13
5K127GA12
5K127GA37
5K127GB76
5K127HA11
5K127HA24
5K127JA06
5K127JA09
5K127JA23
5K127MA05
(57)【要約】
【課題】出力される音声を聞き取りやすくすること。
【解決手段】端末装置は、第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信する第1通信制御部と、第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信する第2通信制御部と、第1通信部で受信した音声信号を音声として出力する音声出力部と、第2通信部で他端末装置から受信した電波の電波強度を測定する電波強度測定部と、端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、第1通信部を介して管理装置から取得する優先順位情報取得部と、他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を他端末装置の識別子と共に第2通信部で受信した場合、電波強度測定部で測定した他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が他端末装置の優先順位よりも低いとき、音量が低下するよう音声出力部を制御する音声出力制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信する第1通信制御部と、
第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信する第2通信制御部と、
前記第1通信部で受信した音声信号を音声として出力する音声出力部と、
前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定する電波強度測定部と、
端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得する優先順位情報取得部と、
前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、前記電波強度測定部で測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも低いとき、音量が低下するよう前記音声出力部を制御する音声出力制御部と、
を備える、端末装置。
【請求項2】
第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信する第1通信制御部と、
第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信する第2通信制御部と、
前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定する電波強度測定部と、
端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得する優先順位情報取得部と、を備え、
前記第2通信制御部は、前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、前記電波強度測定部で測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも高いとき、前記他端末装置に対して音量を低下させるための制御信号を前記第2通信部で送信する、
端末装置。
【請求項3】
前記第1通信制御部は、第1通信方式で通信するための前記自端末装置が属するグループの識別子を記憶し、前記管理装置から音声信号と共に、受信した前記音声信号の音声を前記自端末装置および前記他端末装置とで同時に拡声出力することを指示する拡声要求を前記第1通信部で受信した場合、記憶している前記自端末装置のグループの識別子を所定の拡声音声出力グループに変更し、
前記第2通信制御部は、前記自端末装置のグループが前記拡声音声出力グループに変更された場合、前記電波強度測定部で測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高い前記他端末装置に対して、グループを前記拡声音声出力グループに変更するように要求する変更要求を前記第2通信部で送信し、
前記第1通信制御部は、前記第2通信部で前記変更要求を送信した後、前記他端末装置から自身のグループを前記拡声音声出力グループに変更したことの応答である変更完了通知を前記第2通信部で受信した場合に、前記管理装置に対してグループの変更が完了したことを通知するために前記変更完了通知を前記第1通信部で送信する、
請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信するステップと、
第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信するステップと、
前記第1通信部で受信した音声信号を音声として出力するステップと、
前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定するステップと、
端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得するステップと、
前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも低いとき、前記音声出力部の音量を低下させるステップと、
を含む、音声出力制御方法。
【請求項5】
第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信するステップと、
第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信するステップと、
前記第1通信部で受信した音声信号を音声として出力するステップと、
前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定するステップと、
端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得するステップと、
前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも低いとき、前記音声出力部の音量を低下させるステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、音声出力制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
グループ通話の受信端末の再生処理を適切に決定することのできる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の端末装置で音声を拡声するために出力(拡声出力)する場合、他の端末装置との距離や周囲の音声レベルによって、聞き取りづらくなる可能性がある。他の端末装置との距離や周囲の音声レベルに応じて、音声の出力方法を制御することが求められている。
【0005】
本発明は、出力される音声を聞き取りやすくすることのできる端末装置、音声出力制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信する第1通信制御部と、第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信する第2通信制御部と、前記第1通信部で受信した音声信号を音声として出力する音声出力部と、前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定する電波強度測定部と、端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得する優先順位情報取得部と、前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、前記電波強度測定部で測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも低いとき、音量が低下するよう前記音声出力部を制御する音声出力制御部と、を備える。
【0007】
本発明の端末装置は、第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信する第1通信制御部と、第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信する第2通信制御部と、前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定する電波強度測定部と、端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得する優先順位情報取得部と、を備え、前記第2通信制御部は、前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、前記電波強度測定部で測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも高いとき、前記他端末装置に対して音量を低下させるための制御信号を前記第2通信部で送信する。
【0008】
本発明の音声出力制御方法は、第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信するステップと、第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信するステップと、前記第1通信部で受信した音声信号を音声として出力するステップと、前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定するステップと、端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得するステップと、前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも低いとき、前記音声出力部の音量を低下させるステップと、を含む。
【0009】
本発明のプログラムは、第1通信部を制御して管理装置と第1通信方式で通信するステップと、第2通信部を制御して他端末装置と第2通信方式で通信するステップと、前記第1通信部で受信した音声信号を音声として出力するステップと、前記第2通信部で前記他端末装置から受信した電波の電波強度を測定するステップと、端末装置それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、前記第1通信部を介して前記管理装置から取得するステップと、前記他端末装置の音声出力部が音声を出力中であることを示す出力情報を前記他端末装置の識別子と共に前記第2通信部で受信した場合、測定した前記他端末装置の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ自端末装置の優先順位が前記他端末装置の優先順位よりも低いとき、前記音声出力部の音量を低下させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、出力される音声を聞き取りやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る通信システムの処理の概要を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る優先順位情報を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る音声出力制御処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態に係る音声出力制御処理を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態に係る音声品質比較処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第5実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第6実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
[第1実施形態]
(通信システム)
図1を用いて、第1実施形態に係る通信システムの構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、通信システム1は、管理装置10と、n台の端末装置12-1から端末装置12-n(nは2以上の整数)と、を含む。端末装置12-1から端末装置12-nを区別する必要のない場合には、端末装置12と総称することもある。管理装置10と、端末装置12とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。
【0015】
管理装置10は、通信システム1の通信を管理する装置である。管理装置10は、例えば、端末装置12の通信を管理する。管理装置10は、例えば、コンピュータなどの情報処理装置である。
【0016】
端末装置12は、業務用無線機、スマートフォンなどの通信装置である。端末装置12は、ネットワークNを介して、管理装置10と無線通信を行う。端末装置12は、他の端末装置12と、近距離無線通信を行う。本実施形態において、端末装置12は、受信した音声を拡声出力する機能を有しているものとする。
【0017】
(通信システムの処理の概要)
図2を用いて、第1実施形態に係る通信システムの処理の概要について説明する。
図2は、第1実施形態に係る通信システムの処理の概要を説明するための図である。
【0018】
本実施形態は、例えば、災害が発生した際に、各ユーザを避難誘導する際にユーザを誘導するための音声を拡声出力する。
図2に示すように、例えば、誘導スタッフU10が端末装置12―1を所持し、誘導スタッフU11が端末装置12―2を所持し、誘導スタッフU12が端末装置12―3を所持しているとする。この場合、端末装置12―1から端末装置12―3は、ユーザU1およびユーザU2を誘導するための音声を拡声出力し、ユーザU1およびユーザU2を安全な場所に避難させる。
【0019】
ここで、端末装置12―1から端末装置12―3の距離が近い場合にそれぞれの端末から異なる音声が出力されたり、音声の品質が悪かったりする場合には、ユーザU1およびユーザU2は拡声された音声を聞き取りづらくなる可能性がある。そこで、本発明では、ユーザU1およびユーザU2が拡声された音声を聞き取りやすくするための処理を実行する。
【0020】
(端末装置)
図3を用いて、第1実施形態に係る端末装置の構成例について説明する。
図3は、第1実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図3に示すように、端末装置12は、第1通信部20と、第2通信部22と、操作部24と、表示部26と、音声出力部28と、記憶部30と、制御部32と、を備える。
【0022】
第1通信部20は、ネットワークNを介して、管理装置10と通信を行う。第1通信部20が行う通信の方式は、第1通信方式と呼ばれる。第1通信方式は、例えば、APCO-P25(Association of Public safety Communications Officials international Project 25)およびNXDN(登録商標)といったデジタル業務無線が挙げられる。第1通信方式は、インターネット網および携帯電話網等による通信であってもよい。
【0023】
第2通信部22は、近距離無線通信方式で他の端末装置12と通信を行う。第2通信部22が行う通信の方式は、第2通信方式と呼ばれる。近距離無線通信方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)による通信が例示されるが、これに限定されない。
【0024】
操作部24は、端末装置12に対する各種の入力操作を受け付ける。操作部24は、受け付けた入力操作に応じた入力信号を制御部34に出力する。操作部24は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、マイク、PTT(Push to Talk)ボタンなどを含む。
【0025】
表示部26は、各種の映像を表示する。表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイである。
【0026】
音声出力部28は、各種の音声を出力する。音声出力部28は、例えば、他の端末装置12のユーザの音声を出力する。音声出力部28は、例えば、管理装置10から第1通信部20で受信した音声信号に関する音声を拡声出力する。音声出力部28は、スピーカである。
【0027】
記憶部30は、各種の情報を記憶している。記憶部30は、制御部32の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0028】
記憶部30は、例えば、端末装置12ごとの音声を出力する優先順位を示す優先順位情報30aを記憶している。
図4は、第1実施形態に係る優先順位情報を示す図である。
【0029】
図4に示すように、優先順位情報30aは、「識別子」および「優先順位」といった項目を含む。「識別子」は、端末装置12を一意に識別するための情報である。「識別子」は、例えば「端末装置#A」などと概念的に示しているが、実際には、IDなどで示される。「優先順位」は、音声を出力する優先度の高さを示す情報である。「優先順位」が示す数字が小さいほど、優先度が高いことを意味する。
【0030】
制御部32は、端末装置12の各部を制御する。制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAMまたはROMなどの記憶装置とを有する。制御部32は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部32は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0031】
制御部32は、第1通信制御部40と、第2通信制御部42と、電波強度測定部44と、優先順位情報取得部46と、音声出力制御部48と、を備える。
【0032】
第1通信制御部40は、第1通信部20を制御して、第1通信方式による通信を制御する。第1通信制御部40は、第1通信部20を制御して、所定のチャンネルを設定し、管理装置10と第1通信方式で通信を行う。
【0033】
第2通信制御部42は、第2通信部22を制御して、第2通信方式による通信を制御する。第2通信制御部42は、第2通信部22を制御して、他の端末装置12と第2通信方式で通信を行う。
【0034】
電波強度測定部44は、第2通信部22が受信した他の端末装置12の電波に関する電波強度を測定する。電波強度測定部44は、例えば、第2通信部22が受信した他の端末装置12の電波のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を測定する。
【0035】
優先順位情報取得部46は、端末装置12それぞれの識別子と優先順位を関連付けた優先順位情報を、第1通信部20を介して管理装置10から取得する。優先順位情報取得部46は、取得した優先順位情報を、優先順位情報30aとして記憶部30に記憶させる。
【0036】
音声出力制御部48は、音声出力部28を制御して、各種の音声を出力させる。音声出力制御部48は、例えば、音声出力部28に出力させる音声の音量を制御する。音声出力制御部48は、例えば、第1通信部20が管理装置10から受信した音声信号に関する音声を拡声出力する。
【0037】
音声出力制御部48は、例えば、他の端末装置12の状況に応じて、音声出力部28から出力させる音声を制御してもよい。例えば、第2通信部22が他の端末装置12から他の端末装置12の音声出力部28が音声を出力中であることを示す出力情報を受信したとする。この場合、音声出力制御部48は、電波強度測定部44で測定した他の端末装置12の電波強度が所定の電波強度の値よりも高く、かつ端末装置12の優先順位が他の端末装置12の優先順位よりも低いとき、音声出力部28の音量を低下させてもよい。
【0038】
(音声出力制御処理)
図5を用いて、第1実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。
図5は、第1実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【0039】
第2通信制御部42は、第2通信部22を制御して、他の端末装置12から他の端末装置12が出力している音声に関する音声出力情報を含む電波を受信させる(ステップS10)。そして、ステップS12に進む。
【0040】
第1通信制御部40は、第1通信部20を制御して、管理装置10から音声信号を受信させる(ステップS12)。なお、ステップS10とステップS12の処理は、並列に行われてよい。そして、ステップS14に進む。
【0041】
電波強度測定部44は、他の端末装置12の電波強度は、あらかじめ定められた閾値未満であるか否かを判定する(ステップS14)。電波強度は、他の端末装置12までの距離が離れるほど弱くなる。言い換えれば、電波強度測定部44、他の端末装置12までの距離が所定距離以上であるか否かを判定する。電波強度があらかじめ定められた閾値未満であると判定された場合(ステップS14;Yes)、ステップS18に進む。電波強度があらかじめ定められた閾値未満であると判定されない場合(ステップS14;No)、ステップS16に進む。
【0042】
ステップS14でNoと判定された場合、音声出力制御部48は、他の端末装置12が音声を拡声出力しているか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、音声出力制御部48は、第2通信部22が他の端末装置12から受信した電波に含まれる音声出力情報に基づいて、他の端末装置12が音声を拡声出力しているか否かを判定する。他の端末装置12が音声を拡声出力していると判定された場合(ステップS16;Yes)、ステップS10に進む。他の端末装置12が音声を拡声出力していると判定されない場合(ステップS16;No)、ステップS18に進む。
【0043】
ステップS14でYesと判定された場合またはステップS16でNoと判定された場合、音声出力制御部48は、音声出力部28を制御して、管理装置10から受信した音声信号に関する音声を拡声出力させる(ステップS18)。そして、ステップS20に進む。
【0044】
制御部32は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS20)。例えば、制御部32は、第1通信部20が管理装置10から音声信号を受信できなくなった場合や、操作部24が端末装置12の電源をオフにする操作を受け付けた場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS20;Yes)、
図5の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS20;No)、ステップS10に進む。
【0045】
上述のとおり、第1実施形態は、所定距離以内に音声を拡声出力させる他の端末装置がいない場合には、管理装置から受信した音声を拡声出力させる。これにより、第1実施形態は、他の端末装置12が出力する音声と、自らが出力する音声とが混在してしまうことを防止できるので、ユーザが音声を聞き取りやすくすることができる。
【0046】
[第2実施形態]
(音声出力制御処理)
図6を用いて、第2実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。
図6は、第2実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS30からステップS36の処理は、
図5に示すステップS10からステップS16の処理と同じなので、説明を省略する。
【0048】
ステップS36でYesと判定された場合、音声出力制御部48は、自身の端末装置12の方が他の端末装置12よりも優先順位が高いか否かを判定する(ステップS38)。具体的には、音声出力制御部48は、優先順位情報30aに基づいて、自身の端末装置12の方が他の端末装置12よりも優先順位が高いか否かを判定する。自身の端末装置12の方が、優先順位が高いと判定された場合(ステップS38;Yes)、ステップS40に進む。自身の端末装置12の方が、優先順位が高いと判定されない場合(ステップS38;No)、ステップS44に進む。
【0049】
ステップS38でYesと判定された場合、第2通信制御部42は、第2通信部22を制御して、音声の拡声を中断させるための拡声中断要求を、音声を拡声出力している他の端末装置12に送信する(ステップS40)。すなわち、端末装置12は、自身よりも優先順位の低い他の端末装置12が音声を拡声出力している場合には、拡声を中断させる。そして、ステップS42に進む。
【0050】
音声出力制御部48は、自身の端末装置12は音声を拡声中であるか否かを判定する(ステップS42)。音声を拡声中であると判定された場合(ステップS42;Yes)、ステップS48に進む。音声を拡声中であると判定されない場合(ステップS42;No)、ステップS46に進む。
【0051】
ステップS38でNoと判定された場合、音声出力制御部48は、音声出力部28を制御して、出力している音声の音量を低下させる(ステップS44)。すなわち、音声出力部28は、自身よりも優先順位の高い他の端末装置12が音声を拡声出力している場合には、自身の音声の音量を低下させる。そして、ステップS48に進む。
【0052】
ステップS46およびステップS48の処理は、それぞれ、
図5に示すステップS18およびステップS20の処理と同じなので、説明を省略する。
【0053】
上述のとおり、第2実施形態は、自身と他の端末装置12との距離が所定距離以内の場合に、自身と他の端末装置12との優先順位を比較して、優先順位の高い端末装置12の音声を拡声し、優先順位の低い端末装置12の音声の音量を低下させる処理を実行する。これにより、第2実施形態は、優先順位の高い端末装置12の音声のみが拡声出力されるため、他の端末装置12が出力する音声と、自らが出力する音声とが混在してしまうことを防止できるので、ユーザが音声を聞き取りやすくすることができる。
【0054】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。端末装置12が管理装置10から音声信号を受信して音声を拡声出力するときに、その音声が重要な音声である場合には他の端末装置12にも、その音声を拡声出力させたい状況もあり得る。そこで、第3実施形態では、複数の端末装置12から同じ音声を拡声出力する処理を実行する。
【0055】
(音声出力制御処理)
図7を用いて、第3実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。
図7は、第3実施形態に係る音声出力制御処理の流れを示すシーケンス図である。
【0056】
端末装置12-1の第2通信制御部42は、管理装置10から受信した音声信号に関する音声の出力状況に関する音声出力情報を含む電波を第2通信部22で端末装置12-2に送信する(ステップS60)。音声出力情報は、例えば、音声出力部28が出力している音声の音量に関する情報を含む。そして、ステップS62に進む。
【0057】
端末装置12―2の電波強度測定部44は、第2通信部22で端末装置12―1から受信した電波の電波強度を測定する(ステップS62)。そして、ステップS64に進む。
【0058】
端末装置12-2の第2通信制御部42は、管理装置10から受信した音声信号に関する音声の出力状況に関する音声出力情報を含む電波を第2通信部22で端末装置12-1に送信する(ステップS64)。そして、ステップS66に進む。
【0059】
端末装置12-2の電波強度測定部44は、第2通信部22で端末装置12-1から受信した電波の電波強度を測定する(ステップS66)。ステップS60からステップS66の処理は、常時実行される。そして、ステップS68に進む。
【0060】
管理装置10は、音声を拡声出力する指示をする出力音声拡声要求を含む音声信号を端末装置12-1に送信する(ステップS68)。そして、ステップS70に進む。
【0061】
端末装置12-1の第1通信制御部40は、第1通信部20で管理装置10から出力音声拡声要求を含む音声信号を受信すると、グループ通信を行うグループのID(識別子)を、同一の音声を同時に拡声出力するための専用グループIDに変更して記憶する(ステップS70)。専用グループIDが示すグループは、拡声音声出力グループとも呼ばれる。そして、ステップS72に進む。
【0062】
端末装置12-1の第2通信制御部42は、ステップS66で測定した電波強度に基づいて、グループのIDを専用グループIDに変更する指示をする専用グループID変更要求を第2通信部22で端末装置12-2に送信する(ステップS72)。そして、ステップS74に進む。
【0063】
端末装置12-2の第1通信制御部40は、第2通信部22で端末装置12-1から送信されたグループID変更要求を受信すると、グループのIDを専用グループIDに変更する(ステップS74)。そして、ステップS76に進む。
【0064】
端末装置12-2の第2通信制御部42は、グループのIDを専用グループIDに変更した旨を示す専用グループID変更完了通知を第2通信部22で端末装置12-1に送信する(ステップS76)。そして、ステップS78に進む。
【0065】
端末装置12-1の第1通信制御部40は、端末装置12-2から第2通信部でグループID変更完了通知を受信した後、他の端末装置12と自端末装置のグループのIDを専用グループIDに変更した旨を示すグループID変更完了通知を、第1通信部20で管理装置10に送信する(ステップS78)。そして、ステップS80に進む。
【0066】
管理装置10は、専用グループに向けたグループ通信で、端末装置12-1および端末装置12-2に対して、音声信号を送信する(ステップS80)。そして、ステップS82に進む。
【0067】
端末装置12―1の音声出力制御部48は、音声出力部28を制御して、第1通信部20で管理装置10から受信した音声信号に関する音声を、拡声出力させる(ステップS82)。そして、ステップS84に進む。
【0068】
端末装置12―2の音声出力制御部48は、音声出力部28を制御して、第1通信部20で管理装置10から受信した音声信号に関する音声を、拡声出力させる(ステップS84)。なお、ステップS82とステップS84は、端末装置12―1と端末装置12―2のそれぞれで並列して実行される。そして、
図7の処理を終了する。
【0069】
上述のとおり、第3実施形態は、自身と他の端末装置12との距離に基づいて、複数の端末装置12から管理装置10から受信した同一の音声信号に関する音声を同時に拡声出力する。これにより、第3実施形態は、ユーザは重要な音声を適切に聞くことができる。
【0070】
[第4実施形態]
図8を用いて、第4実施形態に係る端末装置の構成例について説明する。
図8は、第4実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【0071】
図8に示すように、第4実施形態に係る端末装置12Aは、制御部32Aが音質評価部50を備える点で、
図3に示す端末装置12と異なる。
【0072】
音質評価部50は、第1通信部20で管理装置10から受信した音声信号のエラーレートを測定する。音質評価部50は、音声信号のエラーレートの測定結果をエラー情報として出力する。
【0073】
第2通信制御部42Aは、音質評価部50が測定したエラー情報を自端末装置の識別子と共に第2通信部22で他の端末装置12に送信する。
【0074】
管理装置10から受信した音声信号のエラー情報を含む信号を他の端末装置12から第2通信部22で受信した場合に、音声出力制御部48Aは、受信した他の端末装置12のエラー情報と、音質評価部50が測定した自身のエラー情報とを比較する。音声出力制御部48Aは、第2通信部22で受信した電波の電波強度が所定以上であり、かつ音質評価部50で測定したエラーレートが他の端末装置12のエラーレートよりもよいとき、第1通信部20で管理装置10から受信した音声信号を拡声出力する。このとき、第2通信制御部42Aは、他の端末装置12が音声を拡声出力している場合には、第2通信部22を制御して、他の端末装置12に対して拡声停止要求を送信して、音声の拡声を停止させる。
【0075】
(音声出力制御処理)
図9を用いて、第4実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。
図9は、第4実施形態に係る音声出力制御処理を示すシーケンス図である。
【0076】
ステップS90からステップS96の処理は、それぞれ、ステップS60からステップS66の処理と同じなので、説明を省略する。
【0077】
管理装置10は、端末装置12A-1および端末装置12A-2に対して、音声信号を送信する(ステップS98)。そして、ステップS100に進む。
【0078】
管理装置10は、音声を拡声出力する指示をする出力音声拡声要求を含む音声信号を端末装置12A-1に送信する(ステップS100)。そして、ステップS102に進む。
【0079】
端末装置12A―1の音声出力制御部48Aは、音声出力部28を制御して、第1通信部20で管理装置10から受信した音声信号に関する音声を、拡声出力させる(ステップS102)。そして、ステップS104に進む。
【0080】
端末装置12A-1の音質評価部50は、第1通信部20で受信した管理装置10からの音声信号のエラーレートを測定する(ステップS104)。そして、ステップS106に進む。
【0081】
端末装置12A-2の音質評価部50は、第1通信部20で受信した管理装置10からの音声信号のエラーレートを測定する(ステップS106)。なお、ステップS104とステップS106は、端末装置12A―1と端末装置12A―2のそれぞれで並列して実行される。そして、ステップS108に進む。
【0082】
端末装置12A-1の第2通信制御部42Aは、音声を出力して拡声していることを示す出力音声拡声通知と、管理装置10から受信した音声信号のエラーレートに関するエラー情報を自端末装置の識別子と共に第2通信部22で端末装置12A-2に送信する(ステップS108)。
【0083】
端末装置12A-2の制御部32Aは、音声品質比較処理を実行する(ステップS110)。
図10は、第4実施形態に係る音声品質比較処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
端末装置12A-2の音質評価部50は、管理装置10から端末装置12A-1が受信している音声信号よりも端末装置12A-2が受信している音声信号の方が音質がよいか否かを判定する(ステップS200)。具体的には、端末装置12A-2の音質評価部50は、端末装置12A-1が管理装置10から受信した音声信号のエラーレートよりも、端末装置12A-2が管理装置10から受信した音声信号のエラーレートの方がよいか否かを判定する。端末装置12A-2が管理装置10から受信した音声信号の方が音質がよいと判定された場合(ステップS200;Yes)、ステップS202に進む。端末装置12A-2が受信している音声信号の方が音質がよいと判定されない場合(ステップS200;No)、ステップS204に進む。
【0085】
ステップS200でYesと判定された場合、端末装置12A-2の電波強度測定部44は、第2通信部22が端末装置12A-1から受信した電波の電波強度は、あらかじめ定められた閾値未満であるか否かを判定する(ステップS202)。電波強度があらかじめ定められた閾値未満であると判定されない場合(ステップS202;No)、
図9のステップS112に進む。電波強度があらかじめ定められた閾値未満であると判定された場合(ステップS202;Yes)、ステップS204に進む。
【0086】
ステップS200でNoまたはステップ202でYesと判定された場合、端末装置12A-2の制御部32Aは、管理装置10との間の通信が終了したか否かを判定する(ステップS204)。管理装置10との間の通信が終了したと判定された場合(ステップS204;Yes)、
図10の処理を終了する。管理装置10との間の通信が終了したと判定されない場合(ステップS204;No)、ステップS200に進む。
【0087】
再び
図9を参照する。端末装置12A-2の第2通信制御部42Aは、音声の拡声を停止させるための音声拡声停止要求を端末装置12A-1に第2通信部22で送信する(ステップS112)。そして、ステップS114に進む。
【0088】
端末装置12A-2の音声出力制御部48Aは、音声出力部28を制御して、第1通信部20で管理装置10から受信した音声信号に関する音声を、拡声出力させる(ステップS114)。そして、ステップS116に進む。
【0089】
端末装置12A-1の音声出力制御部48Aは、第2通信部22が音声拡声停止要求を受信すると、音声出力部28を制御して、音声出力部28から拡声出力させている音声を停止させる(ステップS116)。そして、
図9の処理を終了する。
【0090】
上述のとおり、第4実施形態は、近くにいる複数の端末装置12のうち、管理装置10から受信した音声信号のエラーレートがよい端末装置12から音声を拡声出力する。これにより、第4実施形態は、ユーザは重要な音声を適切に聞くことができる。
【0091】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。端末装置12の周囲の騒音が大きい場合には、端末装置12で音声を拡声出力しても、ユーザが拡声された音声を聞くことができない可能性がある。そこで、第5実施形態では、周囲の音声の大きさに応じて、音声出力制御処理の内容を変更する。
【0092】
(端末装置)
図11を用いて、第5実施形態に係る端末装置の構成例について説明する。
図11は、第5実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【0093】
図11に示すように、端末装置12Bは、制御部32Bが音声検出部52と、音声レベル判定部54を備える点で、
図3に示す端末装置12と異なる。
【0094】
音声検出部52は、操作部24に含まれるマイクを制御して、端末装置12Bの周囲の音声を検出させる。音声検出部52は、マイクが検出した音声に関する音声情報をマイクから取得する。
【0095】
音声レベル判定部54は、音声検出部52が検出した端末装置12Bの周囲の音声の音量を示す音声レベルを判定する。音声レベル判定部54は、音声検出部52が取得した音声情報に基づいて、音声レベルを判定する。音声レベル判定部54は、判定した音声レベルが閾値未満であるか否かを判定する。
【0096】
音声出力制御部48Bは、音声レベル判定部54による音声レベルの判定結果に応じて、音声出力部28から出力させる音声の音量を制御する。
【0097】
(音声出力制御処理)
図12を用いて、第5実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。
図12は、第5実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【0098】
ステップS120からステップS122の処理は、それぞれ、
図5に示すステップS10からステップS12の処理と同じなので説明を省略する。
【0099】
音声検出部52は、操作部24に含まれるマイクを制御して端末装置12Bの周囲の音声を検出させる(ステップS124)。音声検出部52は、マイクに検出させた音声に関する音声情報をマイクから取得する。そして、ステップS126に進む。
【0100】
音声レベル判定部54は、音声検出部52が取得した音声情報に基づいて、端末装置12Bの周囲の音声の音量レベルは閾値未満であるか否かを判定する(ステップS126)。音量レベルは閾値未満であると判定された場合(ステップS126;Yes)、ステップS130に進む。音量レベルは閾値未満であると判定されない場合(ステップS126;No)、ステップS128に進む。
【0101】
ステップS126でNoと判定された場合、第2通信制御部42Bは、他の端末装置12に対して、音声を拡声出力させるための音声拡声要求を第2通信部22で送信する(ステップS128)。具体的には、第2通信制御部42Bは、電波強度が所定以上の端末装置12に対して、すなわち、近傍に位置する他の端末装置12に対して、音声拡声要求を第2通信部22で送信する。そして、ステップS130に進む。
【0102】
ステップS130およびステップS132の処理は、それぞれ、
図5に示すステップS18およびステップS20の処理と同じなので、説明を省略する。
【0103】
上述のとおり、第5実施形態は、周囲の音声レベルが閾値以上である場合に、複数の端末装置12から管理装置10から受信した音声信号に関する音声を拡声出力する。これにより、第5実施形態は、周囲の騒がしいような環境でもユーザは音声を適切に聞くことができる。
【0104】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。第6実施形態に係る端末装置の構成は、
図11に示す端末装置12Bと同じなので、説明を省略する。
【0105】
端末装置12Bの周囲の騒音が大きい場合でも、その騒音が優先されるべき一斉放送などの優先音声が流れているものであれば、端末装置12Bが別の音声を拡声出力すると、優先音声の妨げとなってしまう可能性がある。そこで、第6実施形態では、端末装置12Bの周囲の音声が優先音声であるか否かに応じて、音声出力制御処理の内容を変更する。
【0106】
(音声出力制御処理)
図13を用いて、第6実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。
図13は、第6実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【0107】
ステップS140からステップS144の処理は、それぞれ、
図12に示すステップS120からステップS124の処理と同じなので、説明を省略する。
【0108】
音声レベル判定部54は、音声検出部52が取得した音声情報に基づいて、端末装置12Bの周囲で優先音声が拡声されているか否かを判定する(ステップS146)。例えば、音声レベル判定部54は、音声情報に基づいて音声の内容を検出し、検出した音声の内容に基づいて、優先音声であるか否かを判定してもよい。例えば、音声検出部52が取得した音声信号を公知の音声認識技術を用いて音声情報を生成し、音声情報に含まれるキーワードなどから優先音声であると判定してもよい。例えば、あらかじめ優先音声の音声レベルが定められており、音声レベル判定部54は、音声検出部52が取得した音声信号に基づいて、優先音声の音声レベルと判定された場合に優先音声があると判定してもよい。優先音声があると判定された場合(ステップS146;Yes)、ステップS148に進む。優先音声があると判定されない場合(ステップS146;No)、ステップS150に進む。
【0109】
ステップS146でYesと判定された場合、音声出力制御部48Bは、音声出力部28を制御して、音声出力部28が出力している音声の音量を低下させる(ステップS148)。例えば、あらかじめ設定された所定の音量に低下させて音声を拡声する。そして、ステップS156に進む。
【0110】
ステップS150からステップS156の処理は、それぞれ、端末装置12Bの周囲の音声の音量レベルに応じて自身の音声を拡声する、
図12に示すステップS126からステップS132の処理と同じなので、説明を省略する。
【0111】
上述のとおり、第6実施形態は、端末装置12B周囲に優先音声が流れている場合には、出力している音声の音量を低下させる。これにより、第6実施形態は、周囲が騒がしい環境でも、その内容が優先音声であれば、自身の拡声音声の音量を上げて優先音声を妨げてしまうことを防止することができる。
【0112】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の付加や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0113】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0114】
1 通信システム
10 管理装置
12,12A,12B 端末装置
20 第1通信部
22 第2通信部
24 操作部
26 表示部
28 音声出力部
30 記憶部
32,32A,32B 制御部
40 第1通信制御部
42,42A,42B 第2通信制御部
44 電波強度測定部
46 優先順位情報取得部
48,48A,48B 音声出力制御部
50 音質評価部
52 音声検出部
54 音声レベル判定部