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特開2024-135149表示制御システム、移動体の制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135149
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】表示制御システム、移動体の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045694
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 達也
(72)【発明者】
【氏名】奥山 晴子
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】移動体周辺のオブジェクトの存在を適切に認識可能にして移動体の運転態様を一層適切なものにする。
【解決手段】本発明の一側面に係る表示制御システムは、周辺のオブジェクトの位置情報を表示可能に左右方向に延設された表示装置と、制御装置とを備える移動体の表示制御システムであって、前記制御装置は、前記移動体に対する前記オブジェクトの相対位置を示す位置情報を前記表示装置における左右方向に延びる表示範囲内に表示可能な場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲における該オブジェクトに対応する位置にて第1の態様で表示されるように前記表示装置を制御し、前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲の両端部のうち該オブジェクトの位置に対応する一方にて前記第1の態様とは異なる第2の態様で表示されるように前記表示装置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺のオブジェクトの位置情報を表示可能に左右方向に延設された表示装置と、制御装置とを備える移動体の表示制御システムであって、
前記制御装置は、
前記移動体に対する前記オブジェクトの相対位置を示す位置情報を前記表示装置における左右方向に延びる表示範囲内に表示可能な場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲における該オブジェクトに対応する位置にて第1の態様で表示されるように前記表示装置を制御し、
前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲の両端部のうち該オブジェクトの位置に対応する一方にて前記第1の態様とは異なる第2の態様で表示されるように前記表示装置を制御する
ことを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
前記移動体周辺のオブジェクトの位置情報を取得するための第1の取得装置を更に備え、
前記制御装置は、前記第1の取得装置による取得結果に基づいて前記表示装置を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記第1の取得装置は、前記移動体から基準範囲内に位置するオブジェクトの位置を取得し、該基準範囲は前記移動体の速度により可変である
ことを特徴とする請求項2記載の表示制御システム。
【請求項4】
運転席に着座する運転者の位置情報を取得するための第2の取得装置を更に備え、
前記制御装置は、前記第2の取得装置による取得結果に基づいて、前記表示範囲における前記第1の態様または前記第2の態様による前記オブジェクトの位置情報の表示位置を調整する
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記オブジェクトの位置情報を音により通知可能な音源装置を更に備え、
前記制御装置は、前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合、更に、前記移動体に対する該オブジェクトの相対位置が示されるように前記音源装置を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記音源装置は複数の音源装置の1つであり、
前記複数の音源装置は、運転席の周囲に配置される
ことを特徴とする請求項5記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記複数の音源装置は、前記移動体内に周設される
ことを特徴とする請求項6記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合、前記複数の音源装置の個々の駆動力を調整することにより前記移動体に対する該オブジェクトの相対位置が示されるように前記複数の音源装置を制御する
ことを特徴とする請求項6記載の表示制御システム。
【請求項9】
前記第2の態様は、前記移動体に対する前記オブジェクトの相対方向を示す態様である
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御システム。
【請求項10】
前記移動体の前方部に設置されたウィンドウ部材を前記表示装置の前記表示範囲として更に備える
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項記載の表示制御システム。
【請求項11】
移動体の制御方法であって、
前記移動体は、前記移動体周辺のオブジェクトの位置情報を表示可能に左右方向に延設された表示装置を備え、
前記制御方法は、
前記移動体に対する前記オブジェクトの相対位置を示す位置情報を前記表示装置における左右方向に延びる表示範囲内に表示可能な場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲における該オブジェクトに対応する位置にて第1の態様で表示されるように前記表示装置を制御するステップと、
前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲の両端部のうち該オブジェクトの位置に対応する一方にて前記第1の態様とは異なる第2の態様で表示されるように前記表示装置を制御するステップと、を含む
ことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11記載の制御方法に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に表示制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。その実現に向けて、予防安全技術に関し、交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発が行われている。
例えば、車両のなかには、その周辺のオブジェクト(歩行者、他車両など)の位置情報を表示可能な表示装置を備えるものもある(特許文献1~2)。このような構成によれば、車両周辺のオブジェクトの存在を運転者にとって認識容易となり、車両の運転態様を適切なものにすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/190630号
【特許文献2】特開2016-197407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、車両周辺のオブジェクトの存在を更に認識容易にし、運転態様を一層適切なものにする技術が一般に求められうる。同様のことが、車輪を備えない移動体についても謂える。
【0005】
本発明は、移動体の運転態様を一層適切なものにすることを例示的目的とし、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面は表示制御システムに係り、前記表示制御システムは、
周辺のオブジェクトの位置情報を表示可能に左右方向に延設された表示装置と、制御装置とを備える移動体の表示制御システムであって、
前記制御装置は、
前記移動体に対する前記オブジェクトの相対位置を示す位置情報を前記表示装置における左右方向に延びる表示範囲内に表示可能な場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲における該オブジェクトに対応する位置にて第1の態様で表示されるように前記表示装置を制御し、
前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲の両端部のうち該オブジェクトの位置に対応する一方にて前記第1の態様とは異なる第2の態様で表示されるように前記表示装置を制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動体の運転態様を適切なものにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る車両の構成を示す図。
図2】車両の個々の要素の相対位置を示す模式図。
図3】制御装置による制御内容の一例を示すフローチャート。
図4A】表示装置および音源装置の駆動態様の一例を示す模式図。
図4B】表示装置および音源装置の駆動態様の一例を示す模式図。
図4C】表示装置および音源装置の駆動態様の一例を示す模式図。
図5】表示装置に用いられるアイコンの例を示す図。
図6】オブジェクト検出装置による検出対象範囲を可変とする例を示す図。
図7】表示装置および音源装置の駆動態様の参考例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、実施形態に係る車両1の構成を示す。図2は、車両1が備える個々の要素の相対位置を説明するための模式図である。車両1は、車輪11、運転席12、運転操作装置13、ウィンドウ部材14、第1の検出装置15、第2の検出装置16、表示装置17、音源装置18、及び、制御装置19を備える。
本実施形態では、車両1は、左右一対の前輪および左右一対の後輪を車輪11として備える四輪車とするが、車輪11の数量は本例に限られない。また、車両1は、運転者が運転席12に着座可能な搭乗型車両とするが、運転者が跨って座るためのシートを運転席12に代替して備える鞍乗型車両であってもよい。
【0011】
図中には、構造の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を示す(後述の他の図においても同様とする。)。X方向は前後方向に対応し、Y方向は左右方向に対応し、また、Z方向は上下方向に対応する。本明細書において、前/後、左/右(側方)、上/下等の表現は、車体を基準とした相対的な位置関係を示す。例えば、「前」、「前方」等の表現は+X方向に対応し、「後」、「後方」等の表現は-X方向に対応する。同様に、車体内側(内方)/車体外側(外方)等の表現についても車体を基準とする相対的な位置関係を示す。
【0012】
運転操作装置13は、加速操作子13a、制動操作子13bおよび操舵操作子13cを含み、それぞれ、運転者によりアクセス可能に運転席12近傍に配置される。加速操作子13aは、車両1を加速させ又は走行維持させるための操作入力を運転者から受付け可能に構成され、その典型例としてアクセルペダルが用いられうる。制動操作子13bは、車両1を減速させ又は停止させるための操作入力を運転者から受付け可能に構成され、その典型例としてブレーキペダルが用いられうる。操舵操作子13cは、車両1を旋回させ又は進行方向を変更させるための操作入力を運転者から受付け可能に構成され、その典型例としてステアリングホイールが用いられうる。尚、操作子13a~13cには、ボタン式スイッチ、回動式レバー等、公知の他の構成が採用されてもよい。
【0013】
ウィンドウ部材14は、車内外を画定する透光性の板材であり、車両1の前方部、本実施形態では運転席12および運転操作装置13の前方に配置され、これにより、運転者は車外の様子を車内からウィンドウ部材14を介して視認可能である。ウィンドウ部材14は、ウィンドシールド等と表現されうるが、フロントウィンドウ等と表現されてもよい。
【0014】
第1の検出装置15は、車両1周辺に存在するオブジェクトを検出する(後述の検出装置16との区別のため、オブジェクト検出装置15と表現する。)。オブジェクトの例としては、歩行者、他車両、建築物、設置物、自車両との接触が回避されるべき他の障害物等が挙げられる。オブジェクト検出装置15には、CCD/CMOSイメージセンサ等で構成されたカメラが典型的に用いられ、車両1周辺の様子を検出可能に複数のカメラが用いられてもよいが、全方位カメラが用いられてもよい。オブジェクト検出装置15は、車両1周辺の様子を監視することから、周辺監視装置などと表現されてもよいし、あるいは単に監視装置などと表現されてもよい。
【0015】
第2の検出装置16は、運転席12に着座する運転者および其の姿勢を検出する(前述の検出装置15との区別のため、運転者検出装置16と表現する。)。運転者検出装置16には、カメラが典型的に用いられうる。運転者検出装置16は、運転者の様子を監視することから、運転者監視装置などと表現されてもよいし、あるいは単に監視装置などと表現されてもよい。
【0016】
表示装置17は、ウィンドウ部材14の幅に対応するように左右方向に延設され、本実施形態では、ウィンドウ部材14下方においてウィンドウ部材14下縁部に沿って帯状に延設されうる。このような帯状の表示装置17は、典型的には、インストルメントパネルを含むダッシュボードにおいて、運転者により視認可能となるようにウィンドウ部材14側に近接して配置されうる。
表示装置17は、その筐体と共に左右方向に延びる表示範囲に沿って有機EL、LED等の光源素子が配列されており、それにより車両1周辺のオブジェクトの位置情報を表示可能に構成されうる。詳細については後述とするが、表示装置17による表示態様はオブジェクト検出装置15の検出結果に基づいて変更されうる。
【0017】
音源装置18は、本実施形態においては車両1内に複数周設されるものとするが、運転席12の周囲に複数配置されればよい。図2の例では、左右一対の音源装置181L及び181R、182L及び182R、並びに、183L及び183R、の計6つの音源装置18が配置されるものとする。例えば、左側方において、音源装置181L、182L及び183Lは、前方から後方に順に配置され、また、右側方において、音源装置181R、182R及び183Rは、前方から後方に順に配置されうる。
詳細については後述とするが、音源装置18は、1種類以上の音を発生することにより車両1周辺のオブジェクトの位置情報を通知可能に構成され、その発生態様はオブジェクト検出装置15の検出結果に基づいて変更されうる。
【0018】
尚、表示装置17および音源装置18は、オブジェクトの位置情報を運転者に対して通知する機能を備えることから、まとめて通知装置と表現されてもよいし、或いは、それぞれ第1の通知装置および第2の通知装置と表現されてもよい。
【0019】
制御装置19は、車両1が備える個々の要素を制御可能に構成され、本実施形態では、主に表示装置17および音源装置18をオブジェクト検出装置15および運転者検出装置16の検出結果に基づいて制御する。
制御装置19による制御機能は、CPU(中央演算装置)が所定のプログラムをメモリ上に展開しながら実行することにより実現されるものとするが、ASIC(特定用途向け集積回路)等の半導体装置により実現されてもよい。即ち、制御装置19による制御機能は、ハードウェア及びソフトウェアの何れによっても実現可能である。
【0020】
図3は、制御装置19による制御内容の一例を示すフローチャートである。その概要は、オブジェクト検出装置15によりオブジェクトが検出された場合、そのオブジェクトの位置情報についての通知を、表示装置17および音源装置18により、そのオブジェクトの検出位置に応じた態様で行う、というものである。本フローチャートは、車両1の起動時に開始されてもよいが、通知機能のON/OFFの切替えに基づいて実行されてもよいし、その他の所定条件を満たすことに応じて実行されてもよい。
【0021】
ステップS3000(以下、単に「S3000」とする。後述の他のステップについても同様とする。)では、オブジェクト検出装置15の検出結果に基づいて、車両1周辺にオブジェクトが存在するか否かを判定する。本実施形態では、車両1から基準範囲内に位置するオブジェクトが検出された場合に車両1周辺にオブジェクトが存在することが判定されるものとする。この基準範囲は、運転者の注意喚起を要する範囲であり、オブジェクト検出装置15によるオブジェクトの検出対象範囲とも謂える(以下「検出対象範囲」という。)。
例えば、オブジェクト検出装置15には一般にカメラが用いられうるが、単にカメラにより得られる画像データにオブジェクトが含まれるだけでなく、該オブジェクトまでの距離が基準以下となる場合に、該オブジェクトが車両1周辺に存在するものと判定される。よって、オブジェクト検出装置15は測距機能を備えており、典型的には複眼カメラが用いられうるが、代替的/付随的に、ミリ波レーダ、LiDAR(Light Detectiоn And Ranging)等の他の測距装置が用いられてもよい。
詳細については後述とするが、オブジェクト検出装置15によるオブジェクトの検出対象範囲は、車両1に対するX方向またはY方向によって異なっていてもよい。
車両1周辺にオブジェクトが存在する(検出対象範囲内にオブジェクトが位置する)と判定された場合にはS3010に進み、そうでない場合にはS3000に戻る。
【0022】
S3010では、オブジェクト検出装置15により検出された車両1に対するオブジェクトの相対位置、本実施形態ではX方向及び/又はY方向における車両1からオブジェクトまでの距離を特定し、それを示す情報を相対位置信号SIG1として生成する。
【0023】
S3020では、運転者検出装置16の検出結果に基づいて運転者の姿勢を特定し、本実施形態では、車両1内における運転者の頭部(主に目)の位置を特定し、それを示す情報を運転者姿勢信号SIG2として生成する。
【0024】
S3030では、オブジェクトの相対位置と運転者の姿勢とに基づいて、オブジェクトがウィンドウ部材14を介して運転者により視認可能な位置か否かを判定する。本判定は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づく演算処理により行われればよい。オブジェクトが視認可能な場合にはS3040に進み、そうでない場合にはS3050に進む。
【0025】
S3040では(オブジェクトが視認可能と判定された場合)、制御信号CNT1を出力して表示装置17の駆動制御を行う。
詳細については後述とするが、制御信号CNT1は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づいて生成される。
【0026】
S3050では(オブジェクトが視認不可と判定された場合)、制御信号CNT21を出力して表示装置17の駆動制御を行うと共に、制御信号CNT22を出力して音源装置18の駆動制御を行う。
詳細については後述とするが、制御信号CNT21及びCNT22は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づいて生成される。
【0027】
ここで、以下の説明において、オブジェクトがウィンドウ部材14を介して運転者により視認可能か否かは、単に「視認可能」又は「視認不可」と表現される場合がある。
【0028】
図4A図4Cは、運転者DRによりオブジェクトOBがオブジェクト検出装置15により検出された場合(S3000のYes判定の場合)についての表示装置17および音源装置18の駆動態様の幾つかの例を示す。
図4Aは、運転者DRにより視認可能なオブジェクトOBがオブジェクト検出装置15により検出された場合(S3030のYes判定の場合)について示す。
図4Bは、運転者DRにより視認不可のオブジェクトOBがオブジェクト検出装置15により検出された場合(S3030のNo判定の場合)であってオブジェクトOBが車両1の左側方に位置する場合について示す。
図4Cは、運転者DRにより視認不可のオブジェクトOBがオブジェクト検出装置15により検出された場合(S3030のNo判定の場合)であってオブジェクトOBが車両1の右側後方に位置する場合について示す。
尚、図中の破線は、オブジェクト検出装置15による検出対象範囲Rを示し、一例として、検出対象範囲Rは、車両1前方において車両1後方より広く設定され、車両1両側方において比較的狭く設定されているものとする。また、図を見やすくするため幾つかの要素を不図示とする。
【0029】
図4Aの例では、オブジェクト検出装置15により検出されたオブジェクトOBは運転者DRによりウィンドウ部材14を介して視認可能である。そのため、表示装置17は、制御信号CNT1に基づいて、アイコンCON1によりオブジェクトOBの位置情報を表示する。
ここで、アイコンCON1は、オブジェクトOBに対応する位置に表示され、本実施形態に係る帯状の表示装置17においては、アイコンCON1の表示位置とオブジェクトOBとが運転者DRの視線にて上下方向で一致するとよい。本例の場合、アイコンCON1は、上面視において、視線方向を示す破線矢印上の位置に表示されることとなる。
アイコンCON1の表示位置は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づいて算出可能である。制御信号CNT1は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づいて生成されうる。
【0030】
図4Bの例では、オブジェクト検出装置15により検出されたオブジェクトOBは、運転者DRの視線においてウィンドウ部材14よりも左側方(ウィンドウ部材14の外側)に位置するため、運転者DRによりウィンドウ部材14を介して視認不可である。そのため、表示装置17は、制御信号CNT21に基づいて、アイコンCON2LによりオブジェクトOBの位置情報を表示する。
このようなアイコンCON2Lは、オブジェクトOBがウィンドウ部材14外側に位置するものとして、帯状の表示装置17の両端部のうちオブジェクトOBに対応する一方(ここでは左側端部)に表示される。制御信号CNT21は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づいて生成されうる。
【0031】
付随的に、複数の音源装置18は、制御信号CNT22に基づいて選択的に駆動され、具体的には、オブジェクトOBの相対位置に対応する一部(1以上)の音源装置18が駆動される。ここで駆動対象となる音源装置18は、其れ/其れらが発生する音により運転者DRがオブジェクトOBの相対位置(特にオブジェクトOBが存在する方向、即ち相対方向)を認識可能であればよく、即ち、これを実現可能なものが複数の音源装置18から選択されて駆動される。本実施形態では、音源装置181L及び182Lが駆動されるものとする。
駆動対象となる音源装置18の駆動力(音量、音域など)はオブジェクトOBの相対位置に基づいて個別に調整される。制御信号CNT22は、相対位置信号SIG1および運転者姿勢信号SIG2に基づいて生成されうる。
【0032】
例えば、本実施形態において駆動対象となる音源装置181L及び182Lのうち、一方の駆動力を大きくし且つ他方の駆動力を小さくすること、双方の駆動力を等しくすること等により、オブジェクトOBが車両1左側方における何れの位置に存在するかを詳細に表現可能となる。また、音源装置18の駆動力を大きくすることによりオブジェクトOBが車両1に対して近接していることも表現可能であるし、該駆動力を小さくすることによりオブジェクトOBが車両1に対して離間していることも表現可能である。
【0033】
尚、本実施形態では複数の音源装置18が用いられるものとして説明されたが、オブジェクトOBの相対位置が認識可能となるように指向性を有する構成が採用されればよく、よって、単一の音源装置18が用いられてもよい。
【0034】
ここで、参考例として、図7は、ウィンドウ部材14よりも左側方に位置するオブジェクトOBがアイコンCON1により表示された場合を示す。このような場合、アイコンCON1の表示位置に対応する視線方向上にオブジェクトOBに存在するものと運転者DRに誤認識させてしまう可能性があり、或いは、運転者DRはオブジェクトOBの相対方向を認識困難となりうる。
よって、本実施形態では、図4Bに示されるように、アイコンCON2Lは、車両1に対するオブジェクトOBの相対方向を示すものとなっている。
【0035】
図4Cの例では、オブジェクト検出装置15により検出されたオブジェクトOBは、運転者DRの視線においてウィンドウ部材14よりも右側方(ウィンドウ部材14の外側)に位置するため、運転者DRによりウィンドウ部材14を介して視認不可である。そのため、表示装置17は、制御信号CNT21に基づいて、アイコンCON2RによりオブジェクトOBの位置情報を表示する。
アイコンCON2Rは、帯状の表示装置17の両端部のうちオブジェクトOBに対応する一方(ここでは右側端部)に表示される。
付随的に、複数の音源装置18のうち、オブジェクトOBの相対位置に対応する一部(1以上)が制御信号CNT22に基づいて駆動される。本実施形態では、音源装置182R及び183Rが駆動されるものとする。
【0036】
アイコンCON1、CON2L及びCON2Rは、視覚的に互いに異なる形状であるとよい。其れらの形状は、図4A図4Cに例示された態様に限られるものではなく、運転者DRを含むユーザにとって直感で認識容易なものであればよい。例えば、図5に示される幾つかのパターンから、他のアイコンが選択されて用いられてもよい。或いは、ここで例示された幾つかのパターンが組み合わせられて用いられてもよいし、代替的/付随的に公知の他のアイコンが用いられてもよい。
また、アイコンCON1、CON2L及びCON2Rは、点灯により表示されるものとするが、それらの一部は代替的に点滅により表示されてもよい。例えば、アイコンCON1は点灯により表示され、アイコンCON2L及びCON2Rは点滅により表示されてもよい。
【0037】
アイコンCON2L及びCON2Rは互いに左右対称な形状で表示されうるが、オブジェクトOBの相対位置によって、そのサイズ、色の濃淡など、強調の度合いを示すパラメータが変更されてもよい。例えば、図4Bの場合において、アイコンCON2Lは、車両1左側方のオブジェクトOBの位置が後方に移動するほど細長い形状となるように表示されてもよい。
【0038】
制御装置19による表示装置17および音源装置18の駆動制御は継続的に実行されるものとする。よって、オブジェクトOBが移動することにより、オブジェクトOBの相対位置が変化する場合には、該変化に追従して表示装置17および音源装置18の駆動態様が調整ないし変更されうる。同様に、運転席12において運転者DRの姿勢(頭部の位置)が変化する場合には、該変化に追従して表示装置17および音源装置18の駆動態様が調整ないし変更されうる。
制御装置19による上記駆動制御は、通知機能のON/OFFの切替えに基づいて実行されてもよい。或いは、車両1が運転支援機能(加速操作、制動操作および操舵操作の一部/全部を運転者DRに代替して車載のECU(電子制御ユニット)が行う機能)を備える場合には、上記駆動制御は、手動運転モードで実行され且つ運転支援モードでは抑制されてもよい。
【0039】
以上、本実施形態によれば、オブジェクトOBがウィンドウ部材14を介して視認可能な場合、オブジェクトOBの位置情報は、表示装置17におけるオブジェクトOBに対応する位置にて、第1の態様で(ここではアイコンCON1により)表示される。一方、オブジェクトOBが視認不可の場合、オブジェクトOBの位置情報は、表示装置17の両端部のうちオブジェクトOBの位置に対応する一方(左側端部または右側端部)にて第2の態様で(ここではアイコンCON2LまたはCON2Rにより)表示される。
このような構成によれば、運転者DRは車両1周辺のオブジェクトOBの存在を適切に認識可能となり、車両1の運転態様を一層適切なものにすることが可能となる。
オブジェクトOBが視認不可の場合には、更に、オブジェクトOBの相対位置が示されるようにオブジェクトOBの存在が音源装置18により通知され、これにより、運転者DRは車両1周辺のオブジェクトOBの存在を一層適切に認識可能となる。
【0040】
上述の効果を適切に実現するため、車両1が備える要素の一部が選択され又は組み合わされたシステムが採用されてもよい。例えば、車載システムとして、表示装置17および制御装置19を備える表示制御システムが採用されてもよい。該車載システムは、音源装置18を更に備えてもよく、代替的/付随的に、運転操作装置13、ウィンドウ部材14、オブジェクト検出装置15及び/又は運転者検出装置16を更に備えてもよい。
【0041】
(第2実施形態)
オブジェクト検出装置15による検出対象範囲Rは、車両1の速度(車速)により可変であってもよい。一般に、車速が大きくなるほど、車両1周辺のオブジェクトについての運転者に対する注意喚起の重要度が高くなると謂える。よって、検出対象範囲Rは、車速が大きくなるほど広くなるように設定されてもよい。
【0042】
車両1は前方に向かって走行しているものとし、図6は、車速が比較的小さい場合の検出対象範囲RLVと、車速が比較的大きい場合の検出対象範囲RHVとを対比可能に示す。検出対象範囲Rは車速が大きくなると拡張され、本実施形態では、その拡張率は、車両1の前方、後方および両側方において互いに異なる。
【0043】
例えば、車両1前方における検出対象範囲RLVの長さLLVと、車両1前方における検出対象範囲RHVの長さLHVとを用いた場合、検出対象範囲RLVに対する検出対象範囲RHVの車両1前方への拡張率AFrは、
Rr=LHV/LLV
と表せる。
同様に、車両1後方への拡張率を拡張率ARrとし、車両1左側方への拡張率を拡張率ALfとし、車両1右側方への拡張率を拡張率ARiとする。
【0044】
この場合、上述の拡張率は、
Fr>ARr≧ALf=ARi≧1
を満たすように設定されうる。これにより、進行方向(前方)への車速が大きくなると、注意喚起の度合いを高めることが可能となり、特に車両1前方について注意喚起の度合いを高めることが可能となる。
【0045】
車両1が後方に向かって走行する場合、上述の拡張率は、
Rr>AFr≧ALf=ARi≧1
を満たすように設定されてもよい。
【0046】
同様に、車両1が左折、右折、左旋回、右旋回等、車両1の進行方向を変更する場合には、該変更される進行方向における注意喚起の重要度が高くなると謂える。よって、上述の内容は、車両1の進行方向を変更する場合にも適用可能である。
【0047】
例えば、車両1の進行方向を前方左側方に変更する場合には、上述の拡張率は、
Lf>AFr≧ARr≧ARi≧1
を満たすように設定されてもよい。
同様に、車両1の進行方向を前方右側方に変更する場合には、上述の拡張率は、
Ri>AFr≧ARr≧ARf≧1
を満たすように設定されてもよい。
また、拡張率ALf及び/又はARiは、操舵操作子13cの操作量(舵角)に応じて変更されてもよい。
【0048】
(第3実施形態)
表示装置17および音源装置18によるオブジェクトの通知態様は、該オブジェクトの属性に基づいて更に変更されてもよい。例えば、オブジェクトが歩行者か他車両かによって、アイコンCON1等の表示態様(例えば形状、色など)が変更されてもよいし、代替的/付随的に、音源装置18が発生する音の種類が変更されてもよい。
オブジェクトの属性の特定は、S3000にてオブジェクト検出装置15により検出されたオブジェクトについて公知の画像解析を行うことにより実現可能である。
【0049】
(第4実施形態)
運転者により視認不可のオブジェクトがオブジェクト検出装置15により検出された場合(前述の第1実施形態における図4B及び図4Cの場合)であっても、運転操作に対する影響が小さく、運転者にとって却って煩雑になることも考えられる。例えば、視認不可のオブジェクトが車両1から比較的離間している場合、運転者への積極的な通知は部分的に省略可能と謂える。そのような場合には、表示装置17のみが駆動され(アイコンCON2L又はCON2Rのみが表示され)、音源装置18の駆動が抑制されてもよい。
これを実現可能とするため、検出対象範囲Rは、表示装置17および音源装置18のそれぞれに対して個別に設定されてもよく、例えば、表示装置17に対応する検出対象範囲Rは、音源装置18に対応する検出対象範囲Rより広く設定されてもよい。
【0050】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、オブジェクトがウィンドウ部材14を介して運転者により視認可能か否かに基づいて表示装置17および音源装置18の駆動制御を変更する態様が例示された。しかしながら、実施形態の内容は、ウィンドウ部材14を備えない車両にも適用可能である。その例としては鞍乗型二輪車など、運転者が実質的に直接的に(例えばサングラス等、運転者により決定されうる付随的な要素が介在しない形で)オブジェクトを視認可能な車両が挙げられる。
【0051】
本実施形態においては、前述の第1実施形態で述べられたオブジェクトが視認可能な状態は、該オブジェクトの相対位置が表示装置17の表示範囲内であることに対応する。同様に、オブジェクトが視認不可の状態は、該オブジェクトの相対位置が表示装置17の表示範囲外であることに対応する。
【0052】
鞍乗型二輪車の場合、表示装置17は、運転席12および運転操作装置13の前方部において左右方向に、例えばハンドルバー等に沿って、帯状に延設されればよい。鞍乗型二輪車の場合、一般に、ハンドルバーの姿勢(車体に対する向き)は運転者により任意に変更可能であるため、アイコンCON1等の表示位置は、ハンドルバーの姿勢に更に基づいて調整されうる。
尚、ここでは、ウィンドウ部材14を備えない車両として鞍乗型二輪車が例示されたが、本実施形態の内容は、搭乗型作業機、小型特殊車両などの他の公知の車両にも適用可能である。
【0053】
(第1変形例)
以上の実施形態にて例示された構成には、その趣旨を逸脱しない範囲で変形・変更が加えられてもよく、例えば、或る要素の機能の一部/全部は、その要素と直接的/間接的に協働しうる他の要素により代行されてもよい。また、それに伴い、該機能を示す表現は等価的な他の表現に換言されてもよい。
例えば、制御装置19の機能の一部は、検出装置15及び16により行われてもよい。具体的には、実施形態では、検出装置15及び16による検出対象を「特定」してから其の位置情報を「生成」するまでの一連の動作は制御装置19により行われるものとしたが(図3のS3010及びS3020)、該一連の動作の一部/全部は検出装置15及び16により実現されてもよい。この場合、検出装置15及び16は、検出対象の位置情報を「取得」するとも謂えるため、取得装置と換言されうる。
【0054】
(第2変形例)
このような機能の代行は、車両1外の外部要素により行われてもよく、その典型的な例としては、外部要素による代行の結果を車両1が所定の無線通信により取得することが挙げられる。
【0055】
検出対象の位置情報を「取得」する上述の場合の一例として、検出対象の位置情報は、路上に設置された監視カメラおよび其の画像処理装置により生成され、車両1は路車間通信により画像処理装置から該位置情報を取得することができる。監視カメラは、信号機、道路標識等の路上設置物に取り付けられ、画像処理装置は、監視カメラにより得られた画像データに基づいて該位置情報を生成して車両1に送信可能とする。
他の例として、検出対象の位置情報は、車両1周辺を走行中の他車両において生成されてもよく、車両1は車車間通信により他車両から該位置情報を取得してもよい。他車両は、それに搭載されたカメラ等に基づいて該位置情報を生成して車両1に送信可能とする。また、他車両は、検出対象であるオブジェクトそのものであってもよい。
更に他の例として、検出対象の位置情報は、遠隔地のサーバ装置において生成されてもよく、車両1はインターネット通信によりサーバ装置から該位置情報を取得してもよい。サーバ装置は、車両1周辺の他車両から車両1周辺の情報を取得し、及び/又は、路上に設置された監視カメラにより検出された車両1周辺の情報を取得し、それにより該位置情報を生成して車両1に送信可能とする。
【0056】
これらの場合、車両1の検出装置15及び16は、第1変形例同様に取得装置と換言可能であり、或いは、車両1は、検出装置15及び16とは独立して、位置情報を無線通信により取得するための通信装置を更に備えうる。
【0057】
(その他)
以上の説明においては、理解の容易化のため、各要素をその機能面に関連する名称で示したが、各要素は、実施形態で説明された内容を主機能として備えるものに限られるものではなく、それを補助的に備えるものであってもよい。よって、各要素は、その表現に厳密に限定されるものではなく、その表現は同様の表現に置換え可能とする。
同様の趣旨で、「装置(apparatus)」という表現は、「部(unit)」、「部品(component, piece)」、「部材(member)」、「構造体(structure)」、「組立体(assembly)」等に置換されてもよいし、或いは、省略されてもよいし付されてもよい。
また、本明細書では典型例として車両1を例示したが、実施形態の内容は、車輪を備えないもの(船舶等)にも適用可能であり、即ち多様な移動体に適用可能と云える。
その他、本明細書で使用された各表現は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で広義に解釈されるべきである。
【0058】
(実施形態のまとめ)
実施形態にて例示された幾つかの特徴は次のとおりである:
[1]
周辺のオブジェクト(例えばOB)の位置情報を表示可能に左右方向に延設された表示装置(例えば17)と、制御装置(例えば19)とを備える移動体(例えば1)の表示制御システムであって、
前記制御装置は、
前記移動体に対する前記オブジェクトの相対位置を示す位置情報を前記表示装置における左右方向に延びる表示範囲内に表示可能な場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲における該オブジェクトに対応する位置にて第1の態様(例えばCON1)で表示されるように前記表示装置を制御し、
前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲の両端部のうち該オブジェクトの位置に対応する一方にて前記第1の態様とは異なる第2の態様(例えばCON2L、CON2R)で表示されるように前記表示装置を制御する
ことを特徴とする表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は移動体周辺のオブジェクトの存在を適切に認識可能となり、よって、移動体の運転態様を一層適切なものとなる。
【0059】
[2]
前記移動体周辺のオブジェクトの位置情報を取得するための第1の取得装置(例えば15)を更に備え、
前記制御装置は、前記第1の取得装置による取得結果に基づいて前記表示装置を制御する
ことを特徴とする[1]記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、移動体周辺のオブジェクトを適切に検出可能となる。
【0060】
[3]
前記第1の取得装置は、前記移動体から基準範囲内に位置するオブジェクトの位置を取得し、該基準範囲は前記移動体の速度により可変である
ことを特徴とする[2]記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は、移動体の速度に応じた態様でオブジェクトの存在を認識可能となる。
【0061】
[4]
運転席(例えば12)に着座する運転者の位置情報を取得するための第2の取得装置(例えば16)を更に備え、
前記制御装置は、前記第2の取得装置による取得結果に基づいて、前記表示範囲における前記第1の態様または前記第2の態様による前記オブジェクトの位置情報の表示位置を調整する
ことを特徴とする[1]~[3]の何れか1項記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は、その姿勢に応じた態様でオブジェクトの存在を認識可能となる。
【0062】
[5]
前記オブジェクトの位置情報を音により通知可能な音源装置(例えば18)を更に備え、
前記制御装置は、前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合、更に、前記移動体に対する該オブジェクトの相対位置が示されるように前記音源装置を制御する
ことを特徴とする[1]~[4]の何れか1項記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は、オブジェクトの存在を適切に認識可能となる。
【0063】
[6]
前記音源装置は複数の音源装置(例えば18、181L、181R等)の1つであり、
前記複数の音源装置は、運転席(例えば12)の周囲に配置される
ことを特徴とする[5]記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は、オブジェクトの存在を適切に認識可能となる。
【0064】
[7]
前記複数の音源装置は、前記移動体内に周設される
ことを特徴とする[6]記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は、オブジェクトの存在を適切に認識可能となる。
【0065】
[8]
前記制御装置は、前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合、前記複数の音源装置の個々の駆動力を調整することにより前記移動体に対する該オブジェクトの相対位置が示されるように前記複数の音源装置を制御する
ことを特徴とする[6]又は[7]記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、運転者は、オブジェクトの存在を適切に認識可能となる。
【0066】
[9]
前記第2の態様は、前記移動体に対する前記オブジェクトの相対方向を示す態様である
ことを特徴とする[1]~[8]の何れか1項記載の表示制御システム。
即ち、移動体の構成は、四輪車等、多様な車両に一般に適用可能である。
【0067】
[10]
前記移動体の前方部に設置されたウィンドウ部材(例えば14)を前記表示装置の前記表示範囲として更に備える
ことを特徴とする[1]~[9]の何れか1項記載の表示制御システム。
このような特徴によれば、移動体周辺のオブジェクトを運転者がウィンドウ部材を介して視認可能か否かに基づいて、表示装置による表示の態様を変更可能とする。
【0068】
[11]
移動体(例えば1)の制御方法であって、
前記移動体は、前記移動体周辺のオブジェクト(例えばOB)の位置情報を表示可能に左右方向に延設された表示装置(例えば17)を備え、
前記制御方法は、
前記移動体に対する前記オブジェクトの相対位置を示す位置情報を前記表示装置における左右方向に延びる表示範囲内に表示可能な場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲における該オブジェクトに対応する位置にて第1の態様(例えばCON1)で表示されるように前記表示装置を制御するステップと、
前記オブジェクトの位置情報を前記表示範囲内に表示不可の場合には該オブジェクトの位置情報が前記表示範囲の両端部のうち該オブジェクトの位置に対応する一方にて前記第1の態様とは異なる第2の態様(例えばCON2L、CON2R)で表示されるように前記表示装置を制御するステップと、を含む
ことを特徴とする制御方法。
このような特徴によれば、上記[1]同様の効果を実現可能となる。
【0069】
[12]
コンピュータに、[11]記載の制御方法に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
このような特徴によれば、上記[1]同様の効果を実現可能となる。尚、プログラムは、所定のプロセッサにより実行可能にコンピュータ可読記憶媒体(nоn-transitоry cоmputer readable medium)に記憶されうる。
【0070】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 車両(移動体)、14 ウィンドウ部材、17 表示装置、18 音源装置、
19 制御装置、OB オブジェクト。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7