(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135157
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240927BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240927BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20240927BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 H
G08G1/005
G01C21/26 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045703
(22)【出願日】2023-03-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500294785
【氏名又は名称】株式会社ホンダファイナンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 宝那
(72)【発明者】
【氏名】大橋 智昭
(72)【発明者】
【氏名】金田 雄司
(72)【発明者】
【氏名】新井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】関口 祐太
(72)【発明者】
【氏名】山本 武士
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129CC15
2F129DD20
2F129DD53
2F129EE43
2F129EE78
2F129FF02
2F129FF72
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA21
5H181BB04
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】適切なタイミングで危険報知を行うための技術を提供する。
【解決手段】通信装置であって、前記通信装置の位置情報を測定する測定手段と、道路上の危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて、前記通信装置が前記危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを報知する報知手段と、前記通信装置の周辺の他の通信装置と近距離無線通信で接続する接続手段と、前記他の通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを前記他の通信装置に報知させるための指示を前記他の通信装置へ送信する送信手段とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
前記通信装置の位置情報を測定する測定手段と、
道路上の危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて、前記通信装置が前記危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを報知する報知手段と、
前記通信装置の周辺の他の通信装置と近距離無線通信で接続する接続手段と、
前記他の通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを前記他の通信装置に報知させるための指示を前記他の通信装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記危険箇所の危険理由をさらに報知することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置での報知は、音、表示及び振動のうちの少なくとも1つを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記他の通信装置での報知は、音及び振動のうちの少なくとも1つを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記危険箇所の位置情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報とを関連付けて記憶しており、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険箇所の危険理由とを報知することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報と、前記危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを関連付けて記憶しており、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険理由と、前記ガイド情報とを報知することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記危険箇所の位置情報をサーバ装置から取得する情報取得手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記情報取得手段により取得された前記危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記情報取得手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報とを前記サーバ装置から取得し、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険箇所の危険理由とを報知することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記情報取得手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報と、前記危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを前記サーバ装置から取得し、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険理由と、前記ガイド情報とを報知することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項11】
前記接続手段は、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置する場合に、前記他の通信装置と接続することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項12】
前記報知手段は、前記危険理由の内容を前記他の通信装置のユーザへ教えるように、前記通信装置のユーザを促すことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項13】
前記報知手段は、前記ガイド情報の内容を前記他の通信装置のユーザへ教えるように、前記通信装置のユーザを促すことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項14】
通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の位置情報を測定する測定工程と、
道路上の危険箇所の位置情報と、前記測定工程での測定結果とに基づいて、前記通信装置が前記危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程での判定結果に基づいて、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを報知する報知工程と、
前記通信装置の周辺の他の通信装置と近距離無線通信で接続する接続工程と、
前記他の通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを前記他の通信装置に報知させるための指示を前記他の通信装置へ送信する送信工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載の通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項14に記載の通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データを用いて、ユーザ位置が設定された安全度より低い場合に危険報知を行うことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、自身の位置情報を把握できていない通信装置には危険報知が行われず、認識すべき情報を知ることができないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、適切なタイミングで危険報知を行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明に係る通信装置は、
前記通信装置の位置情報を測定する測定手段と、
道路上の危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて、前記通信装置が前記危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを報知する報知手段と、
前記通信装置の周辺の他の通信装置と近距離無線通信で接続する接続手段と、
前記他の通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを前記他の通信装置に報知させるための指示を前記他の通信装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自身の位置情報を把握できていない通信装置であっても危険箇所の情報を報知することが可能となる。そのため、適切なタイミングで危険報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】(a)一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図であり、(b)一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る通信装置の機能構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る通信システムの処理シーケンスを示す図である。
【
図5】一実施形態に係る通信装置が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る処理の適用シーンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本実施形態では、親子が一緒に歩いている際に、危険箇所に近づいたことに応じて、親の通信装置に危険箇所の情報を報知させ、さらに親の無線通信装置と近接無線通信している子の通信装置へ報知を指示する例を説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図1において、10はサーバ装置(情報処理装置)である。20及び30は通信装置であり、例えばスマートフォンである。ただし、スマートフォンに限定されるものではなく、タブレット端末、ヘッドマウントディスプレイ等の他の種類の通信装置であってもよい。本実施形態では、通信装置30は子供が所持するスマートフォンであり、通信装置20は、通信装置30を所持する子供の保護者が所持するスマートフォンである。通信装置20及び通信装置30は、近接無線通信を用いて通信可能である。40はネットワークであり、各装置がネットワーク40を介して接続される。
【0012】
<装置構成>
続いて、
図2(a)及び
図2(b)を参照しながら、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10、通信装置20及び30の構成例を説明する。
図2(a)が、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の構成例を示す図であり、
図2(b)が、本発明の一実施形態に係る通信装置20及び30の構成例を示す図である。
【0013】
図2(a)に示すように、サーバ装置10は、CPU101、記憶装置102、及び通信部103を備えている。サーバ装置10の制御動作は、CPU101が記憶装置102に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU101は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置102は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU101により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部103は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。
【0014】
図2(b)に示すように、通信装置20及び30は、CPU121、記憶装置202、及び通信部203を備えている。通信装置20及び30の制御動作は、CPU201が記憶装置202に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU201は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置202は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU201により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部203は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。また、通信部203は、近接無線通信により近くの装置と通信することもできる。
【0015】
報知部204は、スピーカ、ディスプレイ、バイブレータなどであってもよく、音、表示及び振動のうちの少なくとも1つを用いて報知が行われる。音、表示、振動の何れか1つを使用してもよいし、これらのうちの2つ以上を組み合わせて使用してもよい。操作入力部205は、例えばマウス、キーボード、タッチパネル、スイッチなどであり、ユーザから各種情報の入力を受け付けることができる。
【0016】
<通信装置の機能構成>
続いて、
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る通信装置20の機能構成について説明する。通信装置20は、測定部301、判定部302、報知部303、接続部304、送信部305、記憶部306及び情報取得部307を備える。
【0017】
測定部301は、通信装置20の位置情報を測定する。例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を用いて複数の衛星からGPS信号を受信し、受信結果に基づいて通信装置20の位置を特定する。
【0018】
判定部302は、道路上の危険箇所の位置情報と、測定部301の測定結果とに基づいて、通信装置20が危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する。例えば、
図6に示すように、交通量の多い道路における交通信号のない横断歩道を含むエリア601が危険箇所として記憶されており、通信装置20がエリア601内に位置するか否かを判定する。図示の例では車両Vが横断歩道に接近しており、通信装置20を所持する親と、通信装置30を所持する子とが横断歩道の近くに位置している。
【0019】
報知部303は、判定部302の判定結果に基づいて、通信装置20が危険箇所の近くに位置する場合に、そのことを報知する。接続部304は、通信装置20の周辺の他の通信装置30と近距離無線通信で接続する。近距離無線通信としては、例えばNFC(Near field communication)、Wi-Fi、Bluetoothなどを利用することができる。
【0020】
接続部304は、通信装置20が危険箇所の近くに位置すると判定された場合に、他の通信装置30との接続処理を実行するように構成してもよい。あるいは、事前に他の通信装置30と接続した状態であってもよい。送信部305は、他の通信装置30が危険箇所の近くに位置することを他の通信装置30に報知させるための指示を他の通信装置30へ送信する。
【0021】
記憶部306は、危険箇所の位置情報を記憶する。また、記憶部306は、危険箇所の位置情報と、危険箇所の危険理由を示す情報とを関連付けて記憶していてもよい。さらに記憶部306は、危険箇所の位置情報と、危険箇所の危険理由を示す情報と、危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを関連付けて記憶していてもよい。記憶部306は、これらの情報を予めデータベースとして記憶していてもよいし、サーバ装置10から受信することにより取得した情報を記憶してもよい。
【0022】
ここで危険箇所の位置情報は、GPS位置情報に基づく座標情報であってもよい。危険理由は、例えば傍に交通量が多い道路であること、交通信号を有さない横断歩道であること、見通しが悪い交差点であること、事故が多発している地点であること、これらの組み合わせに該当すること等が挙げられる。ただし、危険理由の例はこれらに限定されるものではなく、危険個所ごとに種々の危険理由が関連付けられていてもよい。
【0023】
そして、ガイド情報は、テキスト又は音声でユーザをガイドするための情報である。例えば、「交通量が多い道路なので、左右をよく確認してから横断歩道を渡りましょう」、「見通しの悪い交差点なので、急に車両が現れるかもしれないから注意しましょう」、「事故が多発している地点なので、巻き込まれないように常に周囲を見ましょう」といった情報とすることができる。
【0024】
情報取得部307は、危険箇所の位置情報をサーバ装置10から取得する。情報取得部307は、危険箇所の位置情報とともに、危険箇所の危険理由を示す情報をサーバ装置10から取得してもよい。また、情報取得部307は、危険箇所の位置情報と、危険箇所の危険理由を示す情報と、危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とをサーバ装置10から取得してもよい。情報取得部307により情報を取得可能に構成することで、記憶部306に記憶されているデータベースを最新の状態に更新することができる。
【0025】
また、記憶部306が全ての道路に関するデータベースを予め記憶しておく場合には大きなデータ容量が必要となる。そのため、通信装置20の位置情報に関連する危険箇所の情報(例えば、通信装置20の現在位置から所定範囲内の情報)に限定して都度サーバ装置10から取得して使用するように構成することで、記憶部306のデータ容量をより小さくすることが可能となり、コストを削減することが可能となる。
【0026】
そして、報知部303はさらに、危険理由の内容を他の通信装置30のユーザ(子)へ教えるように、通信装置20のユーザ(親)を促してもよい。例えば、「見通しが悪い交差点であることを子供に教えてあげましょう」といったテキストを表示したり、音声を出力したりしてもよい。また、報知部303はさらに、ガイド情報の内容を他の通信装置30のユーザ(子)へ教えるように、通信装置20のユーザを促してもよい。例えば、「見通しの悪い交差点なので、急に車両が現れるかもしれないから注意するように子供に教えてあげましょう」といったテキストを表示したり、音声を出力したりしてもよい。
【0027】
なお、通信装置30も通信装置20と同様の構成とすることができる。
【0028】
<処理>
まず、
図4の処理シーケンスを参照して、本実施形態の処理を説明する。まずF401において、通信装置20は、自身の位置情報を測定する。F402において、通信装置20は、測定した位置情報をサーバ装置10へ送信する。F403において、サーバ装置10は、通信装置20の位置情報に基づいて、道路上の危険箇所の位置情報を通信装置20へ送信する。例えば、通信装置20の現在位置から所定範囲(例えば2km)内に存在する道路上の危険箇所の位置情報を通信装置20へ送信する。なお、通信装置20が道路上の危険箇所の位置情報のデータベースを予め保持している場合には、F402及びF403の処理は省略してもよい。
【0029】
F404において、通信装置20は、通信装置20が危険箇所から所定範囲(例えば30m)内に位置するかどうかを判定する。F405において、通信装置20は、通信装置20が危険箇所から所定範囲(例えば30m)内に位置する場合に、そのことを示す情報を、例えば、音声、音、振動、テキスト表示などにより報知する。通信装置20のユーザ(親)はディスプレイを見ているとは限らないため、認識しやすいように音声、警報音、振動を用いて報知を行い、併せてテキスト表示も行うように構成するとよい。これにより、通信装置20のユーザ(親)は、自分が危険個所の近くにいることを容易に認識することができる。また、通信装置20は、通信装置20が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報とを報知してもよい。また、通信装置20は、通信装置20が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報と、危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを報知してもよい。
【0030】
続いて、F406において、通信装置20は、近接無線通信を用いて通信装置30と接続する処理を行う。ただし、予め通信装置20と通信装置30とが接続済である場合には、当該処理を省略してもよい。
【0031】
F407において、通信装置20は、通信装置30が危険箇所の近くに位置することを通信装置30に報知させるための指示を送信する。また、通信装置20は、他の通信装置30が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報とを報知させる指示を送信してもよい。また、通信装置20は、危険箇所の位置情報と、危険箇所の危険理由を示す情報と、危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを報知させる指示を送信してもよい。
【0032】
F408において、通信装置30は、通信装置30が危険箇所の近くに位置することを報知する。例えば、通信装置30が危険箇所の近くに位置することを示す情報を、音声、音、振動、テキスト表示などにより報知する。通信装置30のユーザ(子)はディスプレイを見ているとは限らないし、子供なので文字が読めるとも限らない。そのため、認識しやすいように音声、警報音、振動を用いて報知を行ってもよい。もちろん、併せてテキスト表示も行ってもよい。これにより、通信装置30が自身の位置情報を測定できない場合であっても、危険箇所の情報を報知することが可能となる。そのため、適切なタイミングで危険報知を行うことができる。
【0033】
次に、
図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る通信装置20が実施する処理の手順を説明する。S501において、通信装置20の測定部301は、通信装置20の位置情報を測定する。S502において、通信装置20の判定部302は、道路上の危険箇所の位置情報と、S501で測定された位置情報とに基づいて、通信装置20が危険個所から所定範囲内に位置するか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S503へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S501に戻る。
【0034】
S503において、通信装置20の報知部303は、通信装置20が危険箇所の近くに位置することを報知する。報知部303は、通信装置20が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報とを報知してもよい。また、報知部303は、通信装置20が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報と、危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを報知してもよい。S504において、通信装置20の接続部304は、近接無線通信を用いて通信装置30と接続する。S505において、通信装置20の送信部305は、他の通信装置30が危険箇所の近くに位置することを他の通信装置30に報知させるための指示を他の通信装置30へ送信する。また、送信部305は、他の通信装置30が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報とを報知させる指示を送信してもよい。また、送信部305は、他の通信装置30が危険箇所の近くに位置することと、危険箇所の危険理由を示す情報と、危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを報知させる指示を送信してもよい。
【0035】
S506において、通信装置20は、処理を継続するか否かを判定する。例えば、通信装置20のユーザが、危険箇所情報の報知を停止する指示を入力した場合に、一連の処理を終了してもよい。そして、処理を継続する場合は、一定時間待機してからS501に戻ってもよい。通信装置20の位置が変化していない場合に、一連の処理を繰り返すと過度な報知となってしまう可能性があるためである。あるいは、一定時間待機せず、既に報知済の危険箇所については報知しないように制御してもよい。これにより、同じ危険箇所が短時間の間に繰り返し報知されてしまうことを防止することができる。以上で
図5の処理が終了する。
【0036】
このように、通信装置の近くに存在する他の通信装置が自身が位置情報などを把握していなくても、他の通信装置のユーザは、危険箇所の近くにいることを認識することが可能となる。また、通信装置を保護者が所持し、他の通信を子供に所持させた場合に、一緒に危険箇所の通知を受け取ることで、子供の危険箇所に対する学習効果を高めることができる。また、子供の通信装置について、振動又は音を用いて報知を行うことで、文字が読めない年齢の子供に対しても学習効果を発揮することができる。また、親の通信装置にも通知を行うため、親から子供へ危険個所の内容や危険理由を適切に伝達することが可能となる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、自身の位置情報を把握できていない通信装置であっても危険箇所の情報を報知することが可能となる。そのため、適切なタイミングで危険報知を行うことができる。また、親子で歩きながら子供に安全教育を行うことが容易となる。
【0038】
なお、フローチャートの処理の順序は説明した順序に限定されるものではなく、他の順序であってもよい。また、他の処理が適宜追加されてもよい。
【0039】
<実施形態のまとめ>
第1の態様による通信装置(20)は、
通信装置であって、
前記通信装置の位置情報を測定する測定手段(301)と、
道路上の危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて、前記通信装置が前記危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する判定手段(302)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを報知する報知手段(303)と、
前記通信装置の周辺の他の通信装置(30)と近距離無線通信で接続する接続手段(304)と、
前記他の通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを前記他の通信装置に報知させるための指示を前記他の通信装置へ送信する送信手段(305)と、
を備える。
【0040】
これにより、自身の位置情報を把握できていない通信装置であっても危険箇所の情報を報知することが可能となる。そのため、適切なタイミングで危険報知を行うことができる。
【0041】
第2の態様による通信装置(20)では、
前記報知手段は、前記危険箇所の危険理由をさらに報知する。
【0042】
これにより、通信装置のユーザ(例えば親)は、なぜ危険箇所なのかを容易に認識することができる。そのため、他の通信装置のユーザ(例えば子)が近くにいる場合に、他の通信装置のユーザ(子)へ危険理由を伝達することができるため、学習効果を高めることができる。
【0043】
第3の態様による通信装置(20)では、
前記通信装置での報知は、音、表示及び振動のうちの少なくとも1つを用いて行われる。
【0044】
これにより、通信装置のユーザ(例えば親)は、自分が危険箇所の近くにいることを容易に認識することができる。
【0045】
第4の態様による通信装置(20)では、
前記他の通信装置での報知は、音及び振動のうちの少なくとも1つを用いて行われる。
【0046】
これにより、他の通信装置のユーザ(例えば子)は、文字が読めないほど低年齢であっても、自分が危険箇所の近くにいることを容易に認識することができる。
【0047】
第5の態様による通信装置(20)は、
前記危険箇所の位置情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて判定を行う。
【0048】
このように、予め危険箇所のデータベースを保持しておくことにより、サーバ装置にアクセスして危険箇所の情報を取得する必要がなくなる。そのため、例えば通信環境が悪くサーバ装置にアクセスできない状況下でも、危険報知を行うことが可能となる。
【0049】
第6の態様による通信装置(20)では、
前記記憶手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報とを関連付けて記憶しており、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険箇所の危険理由とを報知する。
【0050】
これにより、通信装置のユーザ(例えば親)は、自分が危険箇所の近くにいることと、自分のいる位置がなぜ危険箇所なのかの理由とを容易に認識することができる。
【0051】
第7の態様による通信装置(20)では、
前記記憶手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報と、前記危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを関連付けて記憶しており、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険理由と、前記ガイド情報とを報知する。
【0052】
これにより、通信装置のユーザ(例えば親)は、自分が危険箇所の近くにいることと、自分のいる位置がなぜ危険箇所なのかの理由と、対処方法とを容易に認識することができる。
【0053】
第8の態様による通信装置(20)は、
前記危険箇所の位置情報をサーバ装置から取得する情報取得手段(307)をさらに備え、
前記判定手段は、前記情報取得手段により取得された前記危険箇所の位置情報と、前記測定手段の測定結果とに基づいて判定を行う。
【0054】
これにより、通信装置の位置の近くの危険箇所の情報に限定して取得することが可能となるため、予め危険箇所のデータベースを保持しておく必要がなくなる。そのため、通信装置のメモリを節約することができる。
【0055】
第9の態様による通信装置(20)では、
前記情報取得手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報とを前記サーバ装置から取得し、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険箇所の危険理由とを報知する。
【0056】
これにより、通信装置のユーザ(例えば親)は、自分が危険箇所の近くにいることと、自分のいる位置がなぜ危険箇所なのかの理由とを容易に認識することができる。
【0057】
第10の態様による通信装置(20)では、
前記情報取得手段は、前記危険箇所の位置情報と、前記危険箇所の危険理由を示す情報と、前記危険箇所でユーザをガイドするためのガイド情報とを前記サーバ装置から取得し、
前記報知手段は、前記通信装置が前記危険箇所から前記所定範囲内に位置することと、前記危険理由と、前記ガイド情報とを報知する。
【0058】
これにより、通信装置のユーザ(例えば親)は、自分が危険箇所の近くにいることと、自分のいる位置がなぜ危険箇所なのかの理由と、対処方法とを容易に認識することができる。
【0059】
第11の態様による通信装置(20)では、
前記接続手段は、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置する場合に、前記他の通信装置と接続する。
【0060】
これにより、必要な時に接続するため、予め常時接続しておく場合と比べてバッテリを節約することが可能となる。
【0061】
第12の態様による通信装置(20)では、
前記報知手段は、前記危険理由の内容を前記他の通信装置のユーザへ教えるように、前記通信装置のユーザを促す。
【0062】
これにより、他の通信装置のユーザ(例えば子)が危険理由を適切なタイミングで学習できる可能性を高めることができる。
【0063】
第13の態様による通信装置(20)では、
前記報知手段は、前記ガイド情報の内容を前記他の通信装置のユーザへ教えるように、前記通信装置のユーザを促す。
【0064】
これにより、他の通信装置のユーザ(例えば子)が対処方法を適切なタイミングで学習できる可能性を高めることができる。
【0065】
第14の態様による通信装置(20)の制御方法は、
通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の位置情報を測定する測定工程(S501)と、
道路上の危険箇所の位置情報と、前記測定工程での測定結果とに基づいて、前記通信装置が前記危険箇所から所定範囲内に位置するか否かを判定する判定工程(S502)と、
前記判定工程での判定結果に基づいて、前記通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを報知する報知工程(S503)と、
前記通信装置の周辺の他の通信装置と近距離無線通信で接続する接続工程(S504)と、
前記他の通信装置が前記危険箇所の近くに位置することを前記他の通信装置に報知させるための指示を前記他の通信装置へ送信する送信工程(S505)と、
を有する。
【0066】
これにより、自身の位置情報を把握できていない通信装置であっても危険箇所の情報を報知することが可能となる。そのため、適切なタイミングで危険報知を行うことができる。
【0067】
第15の態様によるプログラムは、
第14の態様による通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0068】
これにより、通信装置の機能をプログラムとして実現することが可能となる。
【0069】
第16の態様による記憶媒体は、
第14の態様による通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体である。
【0070】
これにより、通信装置の機能を記憶媒体として実現することが可能となる。
【0071】
<その他の実施形態>
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0072】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10:サーバ装置、20,30:通信装置、301:測定部、302:判定部、303:報知部、304:接続部、305:送信部、306:記憶部、307:情報取得部