(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135163
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045712
(22)【出願日】2023-03-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500294785
【氏名又は名称】株式会社ホンダファイナンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 宝那
(72)【発明者】
【氏名】石井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】大橋 智昭
(72)【発明者】
【氏名】金田 雄司
(72)【発明者】
【氏名】新井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】関口 祐太
(72)【発明者】
【氏名】山本 武士
(57)【要約】
【課題】安全教育の学習効果を向上させるための技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置であって、道路の位置情報と、前記道路の危険箇所情報とを記憶する記憶手段と、通信装置の位置情報を受信する受信手段と、前記通信装置が所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴に基づいて前記通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する送信手段とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
道路の位置情報と、前記道路の危険箇所情報とを記憶する記憶手段と、
通信装置の位置情報を受信する受信手段と、
前記通信装置が所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴に基づいて前記通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記通信装置での報知のために前記危険箇所情報を前記通信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、他の通信装置での報知のために前記危険箇所情報を前記他の通信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、他の通信装置の位置情報をさらに受信し、
前記送信手段は、前記通信装置と前記他の通信装置とが互いに所定距離範囲内にある状態で移動しており且つ前記通信装置と前記他の通信装置とが所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴と前記他の通信装置の移動履歴とに基づいて、前記通信装置及び前記他の通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記通信装置と前記通信装置と関連する他の通信装置との少なくとも一方へ前記危険箇所情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記危険箇所情報を受信した前記通信装置において入力された危険個所に対する付加情報を受信する付加情報受信手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記付加情報を前記道路の危険箇所情報に含めて記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信手段は、前記付加情報を含む前記道路の危険箇所情報を他の通信装置へ送信可能であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受信手段は、前記通信装置の位置情報とともに時間情報をさらに受信し、
前記記憶手段は、時間帯ごとに前記危険箇所情報を記憶しており、
前記送信手段は、前記通信装置の移動時の時間情報に基づく時間帯の前記危険箇所情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記時間帯は、通勤時間帯又は通学時間帯を含むことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記受信手段は、前記通信装置のユーザ操作により受け付けられた開始指示に応じて送信が開始された前記通信装置の位置情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
道路の位置情報と、前記道路の危険箇所情報とを記憶する記憶手段を備える情報処理装置の制御方法であって、
通信装置の位置情報を受信する受信工程と、
前記通信装置が所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴に基づいて前記通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する送信工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データを用いて、ユーザ位置が設定された安全度より低い場合に危険報知を行うことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、急ブレーキ発生個所が地図上に表示されるのみであり、ユーザ自ら気になる箇所を確認する作業が発生するため手間がかかる。そのため、ユーザへの安全教育に関する学習効果が低いという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、安全教育の学習効果を向上させるための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明に係る情報処理装置は、
道路の位置情報と、前記道路の危険箇所情報とを記憶する記憶手段と、
通信装置の位置情報を受信する受信手段と、
前記通信装置が所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴に基づいて前記通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安全教育の学習効果を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】(a)一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図であり、(b)一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】(a)一実施形態に係るサーバ装置の機能構成例を示す図であり、(b)一実施形態に係る通信装置の機能構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る通信システムの処理シーケンスを示す図である。
【
図5】一実施形態に係るサーバ装置が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る処理の適用シーンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本実施形態では、通信装置のユーザが通った道を記憶しておき、その通行履歴から所定範囲内の危険箇所情報をユーザにまとめて報知する。ユーザが通った道に関する危険箇所情報を自動的に提示するため、ユーザはより実感が涌き安全教育に関する学習効果を高めることができる。通学路・通勤路など、普段良く通行する道に関して効果的な学習を行うことが可能となる。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図1において、10はサーバ装置(情報処理装置)である。20及び30は通信装置であり、例えばスマートフォンである。ただし、スマートフォンに限定されるものではなく、タブレット端末、ヘッドマウントディスプレイ等の他の種類の通信装置であってもよい。本実施形態では、通信装置30は子供が所持するスマートフォンであり、通信装置20は、通信装置30を所持する子供の保護者が所持するスマートフォンである。通信装置20及び通信装置30は、近接無線通信を用いて通信可能である。40はネットワークであり、各装置がネットワーク40を介して接続される。
【0012】
<装置構成>
続いて、
図2(a)及び
図2(b)を参照しながら、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10、通信装置20及び30の構成例を説明する。
図2(a)が、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の構成例を示す図であり、
図2(b)が、本発明の一実施形態に係る通信装置20及び30の構成例を示す図である。
【0013】
図2(a)に示すように、サーバ装置10は、CPU101、記憶装置102、及び通信部103を備えている。サーバ装置10の制御動作は、CPU101が記憶装置102に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU101は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置102は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU101により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部103は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。
【0014】
図2(b)に示すように、通信装置20及び30は、CPU121、記憶装置202、及び通信部203を備えている。通信装置20及び30の制御動作は、CPU201が記憶装置202に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU201は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置202は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU201により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部203は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。また、通信部203は、近接無線通信により近くの装置と通信することもできる。
【0015】
報知部204は、スピーカ、ディスプレイ、バイブレータなどであってもよく、音、表示及び振動のうちの少なくとも1つを用いて報知が行われる。音、表示、振動の何れか1つを使用してもよいし、これらのうちの2つ以上を組み合わせて使用してもよい。操作入力部205は、例えばマウス、キーボード、タッチパネル、スイッチなどであり、ユーザから各種情報の入力を受け付けることができる。
【0016】
<サーバ装置(情報処理装置)の機能構成>
続いて、
図3(a)を参照して、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の機能構成について説明する。サーバ装置10は、記憶部301、位置情報受信部302、情報抽出部303、送信部304及び付加情報受信部305を備える。記憶部301は、道路の位置情報と、当該道路の危険箇所情報とを記憶する、位置情報受信部302は、通信装置20の位置情報を通信装置20から受信し、且つ/又は、通信装置30の位置情報を通信装置30から受信する。
【0017】
情報抽出部303は、通信装置20が所定位置(例えば通信装置20のユーザの自宅)に到達した場合、通信装置20の移動履歴に基づいて通信装置20の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を抽出する。或いは、情報抽出部303は、通信装置30が所定位置に到達した場合、通信装置30の移動履歴に基づいて通信装置30の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を抽出する。送信部304は、情報抽出部303が抽出した危険箇所情報を送信する。送信先は通信装置20及び/又は通信装置30であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの他の情報処理装置であってもよい。
【0018】
付加情報受信部305は、通信装置20及び/又は通信装置30において入力された危険箇所に対する付加情報を受信する。なお、記憶部301は、付加情報を道路の危険箇所情報に含めて記憶することができる。これにより、道路の危険箇所情報を更新することができる。以降、送信部304は、更新された情報を通信装置へ提供することが可能となる。
【0019】
<通信装置の機能構成>
図3(b)を参照して、本発明の一実施形態に係る通信装置20の機能構成について説明する。通信装置20は、測定部351、位置情報送信部352、報知部353、接続部354、入力受付部355、及び付加情報送信部356を備える。なお、通信装置30も同様の構成とすることができる。
【0020】
測定部351は、通信装置20の位置情報を測定する。例えば、GPS(GlobalPositioning System)受信機を用いて複数の衛星からGPS信号を受信し、受信結果に基づいて通信装置20の位置を特定する。位置情報送信部352は、測定部351により測定された通信装置20の位置情報をサーバ装置10へ送信する。
【0021】
報知部353は、サーバ装置10から受信した情報に基づいて、通信装置20の移動経路から所定範囲内の危険箇所の情報を報知する。
【0022】
接続部354は、通信装置20の周辺の他の通信装置30と近距離無線通信で接続することができる。近距離無線通信としては、例えばNFC(Near Field Communication)、Wi-Fi、Bluetoothなどを利用することができる。
【0023】
入力受付部355は、例えばタッチパネル上のキーボードやボタン、あるいは物理ボタンなどの操作入力部である。報知部353により危険箇所情報を報知されたユーザは、入力受付部355を介して当該危険箇所に対する付加情報を入力することができる。例えば、危険箇所について、「見通しが悪い」、「道路幅が狭く交通量が多い」といったコメントを付加情報として入力することができる。付加情報送信部356は、入力受付部355を介して入力された付加情報をサーバ装置10へ送信する。
【0024】
<処理>
図4の処理シーケンスを参照して、本実施形態の処理を説明する。まずF401において、通信装置20は、自身の位置情報を測定する。F402において、通信装置20は、測定した位置情報をサーバ装置10へ送信する。例えば、通信装置20のユーザ操作により受け付けられた開始指示に応じて送信が開始されてもよい。F401及びF402は繰り返し実行される。F403において、サーバ装置10は、通信装置20の移動履歴に基づいて、通信装置20が所定位置(例えば、通信装置20のユーザの自宅)に到達したことを確認する。所定位置の情報は、予めサーバ装置10に登録して記憶していてもよいし、通信装置20が所定位置に到達したことを示す信号を通信装置20からサーバ装置10が受信してもよい。そして、通信装置20が所定位置に到達した場合に、通信装置の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を抽出する。
【0025】
F404において、サーバ装置10は、抽出した危険箇所情報を通信装置20へ送信する。F405において、サーバ装置10は、抽出した危険箇所情報を通信装置30へ送信する。例えば、F402で通信装置20が位置情報をサーバ装置10へ送信する際に、通信装置30の情報を併せて送信しておき、通信装置30にもサーバ装置10から情報を送信できるように構成しておくことで、F405の処理を実現することができる。あるいは、サーバ装置10に予め通信装置20及び通信装置30をペアリングして登録しておき、送信対象に含めるように構成してもよい。なお、F404及びF405は、少なくとも何れか1つを実行するように構成してもよい。
【0026】
F406において、通信装置20は、サーバ装置10から受信した通信装置20の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を報知する。報知は、移動経路に関連する道路地図情報に移動経路上の危険箇所情報を合成して表示することにより行うことができる。
【0027】
例えば、
図6には、通信装置20の移動経路を示す矢印と、移動経路周辺の道路地図と、危険箇所601及びその説明情報611、危険箇所602及びその説明情報612、危険箇所603及びその説明情報613が示されている。説明情報611は、危険箇所601が「交通量が多い交差点」であることを示す。説明情報612は、危険箇所602が「PM5:00~PM6:00の間に大通りから左折して小道へ進入していく車両が多い」ことを示す。説明情報613は、危険箇所603が「見通しが悪く信号がない横断歩道」であることを示す。通信装置20の報知部353がこれらの情報を表示することで、通信装置20のユーザは、例えば自宅に帰宅するまでの移動経路における危険箇所情報を容易に認識することができる。移動経路と関係が無い危険箇所情報などを排除し、移動経路に関係がある情報のみが抽出されて表示されるため、学習効果を高めることができる。
【0028】
F407において、通信装置30は、サーバ装置10から受信した通信装置20の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を報知する。報知の方法は、F406で説明した方法と同様である。これにより、通信装置20のユーザ(例えば親)と、通信装置30のユーザ(例えば子)がそれぞれの報知内容を自宅で確認しながら、親子で安全教育を行うことが容易になる。
【0029】
F408において、通信装置20は、入力受付部355を介して、報知された危険個所に対する付加情報の入力を受け付ける。例えば、危険箇所602を指定して、危険箇所602に対して「横断歩道が無い」といったコメントを付加情報として入力できるように構成してもよい。F409において、通信装置20は、入力受付部355を介して入力された付加情報をサーバ装置10へ送信する。
【0030】
F410において、サーバ装置10は、通信装置20から受信した付加情報に基づいて、記憶部301のデータベースを更新する。すなわち、記憶部301は、付加情報を道路の危険箇所情報に含めて記憶する。
図6の例では、危険箇所602の説明情報612が「PM5:00~PM6:00の間に大通りから左折して小道へ進入していく車両が多い。横断歩道が無い。」といった情報に更新される。以降、サーバ装置10は、更新された情報を提供することが可能となる。なお、更新された付加情報はその正しさを検証されてもよい。例えば、他の通信装置に提供された危険箇所の更新された説明情報に対して、他の通信装置のユーザから誤りの指摘を受け付けるように構成してもよい。サーバ装置10は、誤りの指摘があった説明情報を更新前の状態に戻すように制御してもよい。あるいは、誤りの指摘が所定回数以上あった場合に更新前の状態に戻すように制御してもよい。
【0031】
なお、
図4の処理シーケンスでは、付加情報の入力の受け付けを通信装置20で行う例を示したが、これは通信装置30のユーザが子供であり、場合によっては文字を読めない低年齢の子供である可能性があることが理由である。もちろん通信装置30においても通信装置20と同様に付加情報の入力を受け付け可能に構成してもよい。
【0032】
次に、
図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係るサーバ装置10が実施する処理の手順を説明する。
【0033】
S501において、サーバ装置10の位置情報受信部302は、通信装置20から、通信装置20の位置情報を受信する。
【0034】
S502において、サーバ装置10の情報抽出部302は、通信装置20の位置情報に基づいて、通信装置20が所定位置(例えば、通信装置20のユーザの自宅)に到達したか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S503へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S501に戻る。
【0035】
S503において、サーバ装置10の情報抽出部302は、通信装置20の移動履歴に基づいて、通信装置20の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を抽出する。
【0036】
S504において、サーバ装置10の送信部304は、情報抽出部302により抽出した危険箇所情報を送信先での報知のために送信する。送信先は、例えば通信装置20であるが、通信装置30であってもよい。通信装置30に送信する場合は、S501において、通信装置20から通信装置30に関する情報も併せて受信しておいてもよい。例えば、通信装置30のユーザ(子)は、通信装置20のユーザ(親)と関連しており、通信装置30にも情報を提供して欲しいことを要求してもよい。送信先は、通信装置20と、通信30との少なくとも何れか一方であってもよい。
【0037】
S505において、通信装置20は、一連の処理を継続するか否かを判定する。例えば、通信装置20のユーザから危険箇所情報の提供が不要であることを示す情報を受信した場合に、処理を終了してもよい。本ステップがYesである場合、処理を終了する。一方、本ステップがNoである場合、S501に戻る。
【0038】
なお、フローチャートの処理の順序は説明した順序に限定されるものではなく、他の順序であってもよい。また、他の処理が適宜追加されてもよいし、一部の処理が行われなくてもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施形態では、通信装置のユーザが通った道を記憶しておき、その通行履歴から所定範囲内の危険箇所情報をユーザに報知する。ユーザが通った道に関する危険箇所情報を自動的に提示するため、ユーザはより実感が涌き安全教育に関する学習効果を高めることができる。通学路・通勤路など、普段良く通行する道に関して効果的な学習を行うことが可能となる。従って、安全教育の学習効果を向上させることが可能となる。
【0040】
[変形例]
上述の実施形態では、通信装置20の移動履歴に基づいて危険箇所情報を報知する例を説明したが、この例に限定されない。通信装置30の移動履歴に基づいて危険箇所情報を報知してもよい。
【0041】
また、上述の実施形態では、親が帰宅した場合に危険箇所情報を親の通信装置に送信して報知させる例を説明したが、これに限定されない。例えば、親子が一緒に帰宅した場合に限定して危険箇所情報を報知させるように構成してもよい。その場合、サーバ装置10の位置情報受信部301は、通信装置20及び通信装置30のそれぞれの位置情報を受信してもよい。そして、サーバ装置10の情報抽出部303は、通信装置20と通信装置30とが互いに所定距離範囲内にある状態で移動しており(つまり、親子が一緒に移動しており)且つ通信装置20と通信装置30とが所定位置に到達した(例えば、親子が一緒に帰宅した)場合、通信装置20の移動履歴と通信装置30の移動履歴とに基づいて、通信装置20及び通信装置30の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報を抽出してもよい。通信装置20の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報と、通信装置30の移動経路から所定範囲内の危険箇所情報とは、通信装置20と通信装置30との近接度合いに応じて異なる可能性がある。そこで、これらの重複範囲内の危険箇所情報を抽出するように構成してもよい。サーバ装置10の送信部304は、抽出された危険箇所情報を通信装置20及び/又は通信装置30へ送信してもよい。
【0042】
このように、親子が一緒に帰宅した場合に限定して危険箇所情報を報知させるように構成することで、親子で一緒に通学路・通勤路などの普段良く通行する道に関して効果的な学習を行うことが可能となる。従って、安全教育の学習効果を向上させることが可能となる。
【0043】
また、上述の実施形態では、危険箇所情報は道路位置と関連付けられている例を説明したが、この例に限定されない。例えば、サーバ装置10の位置情報受信部302は、通信装置20の位置情報とともに時間情報をさらに受信してもよい。具体的には、通信装置20が、通信装置20の位置情報が測定された際の時刻情報も併せてサーバ装置10へ送信してもよい。
【0044】
その場合、サーバ装置10の記憶部301は、道路の位置情報と、危険箇所情報と、時間情報とを関連付けて記憶してもよい。例えば、受信した時間情報が通勤時間帯(例えば6:30~9:00の時間帯)・通学時間帯(例えば7:00~8:00の時間帯)に属する場合、サーバ装置10の情報抽出部303は、その時間帯に対応する道路の位置情報と危険箇所情報とを抽出してもよい。これにより、時間帯に特有の危険箇所情報を通信装置へ送信して報知させることができるため、より効果的な学習を行うことが可能となる。
【0045】
また、上述の実施形態では、サーバ装置10が通信装置20や通信装置30等へ危険箇所情報を送信する例を説明したが、この例に限定されない。例えば、通信装置20へ情報を送信した場合に、通信装置20が近接無線通信で通信装置30と接続し、当該情報を通信装置30へ送信して報知させるように構成してもよい。反対に、通信装置30へ情報を送信した場合に、通信装置30が近接無線通信で通信装置20と接続し、当該情報を通信装置20へ送信して報知させるように構成してもよい。
【0046】
<実施形態のまとめ>
第1の態様による情報処理装置(10)は、
情報処理装置であって、
道路の位置情報と、前記道路の危険箇所情報とを記憶する記憶手段(301)と、
通信装置の位置情報を受信する受信手段(302)と、
前記通信装置が所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴に基づいて前記通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する送信手段(304)と、
を備える。
【0047】
これにより、ユーザが通った道に関する危険箇所情報を送信先で報知することが可能となるため、ユーザはより実感が涌き安全教育に関する学習効果を高めることができる。通学路・通勤路など、普段良く通行する道に関して効果的な学習を行うことが可能となる。従って、安全教育の学習効果を向上させることが可能となる。
【0048】
第2の態様による情報処理装置(10)では、
前記送信手段は、前記通信装置での報知のために前記危険箇所情報を前記通信装置へ送信する。
【0049】
これにより、通信装置の移動履歴に応じた危険箇所情報を通信装置で報知することが可能となる。そのため、通信装置のユーザは、自身の移動経路上の危険箇所情報を容易に学習することが可能となる。
【0050】
第3の態様による情報処理装置(10)では、
前記送信手段は、他の通信装置での報知のために前記危険箇所情報を前記他の通信装置へ送信する。
【0051】
これにより、例えば、移動履歴を取得した通信装置のユーザ(例えば親)とは異なる他の通信装置のユーザ(例えば子)に、危険箇所情報を報知させることが可能となる。例えば、親が子供の通学路を通学開始前に単独で通行し、その結果を親子で確認することで子供の事前の学習を行うことが容易となる。あるいは、自宅のパーソナルコンピュータ等のデバイスで危険箇所情報を報知させるといったことも可能となる。
【0052】
第4の態様による情報処理装置(10)では、
前記受信手段は、他の通信装置の位置情報をさらに受信し、
前記送信手段は、前記通信装置と前記他の通信装置とが互いに所定距離範囲内にある状態で移動しており且つ前記通信装置と前記他の通信装置とが所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴と前記他の通信装置の移動履歴とに基づいて、前記通信装置及び前記他の通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する。
【0053】
このように、通信装置を所持する親と他の通信装置を所持する子とが一緒に帰宅した場合に限定して危険箇所情報を報知させるように構成することで、親子で一緒に通学路・通勤路などの普段良く通行する道に関して効果的な学習を行うことが可能となる。従って、安全教育の学習効果を向上させることが可能となる。
【0054】
第5の態様による情報処理装置(10)では、
前記送信手段は、前記通信装置と前記通信装置と関連する他の通信装置との少なくとも一方へ前記危険箇所情報を送信する。
【0055】
これにより、様々な装置を介して危険箇所情報を報知させることが可能となる。
【0056】
第6の態様による情報処理装置(10)は、
前記危険箇所情報を受信した前記通信装置において入力された危険個所に対する付加情報を受信する付加情報受信手段(305)をさらに備え、
前記記憶手段は、前記付加情報を前記道路の危険箇所情報に含めて記憶する。
【0057】
これにより、道路上の危険箇所情報の精度を向上させることができるため、以降の危険箇所情報の提供により更なる学習効果の向上が期待できる。
【0058】
また、通信装置のユーザ自身による付加情報の入力を受け付け可能とすることで、ユーザ自身が考える危険箇所情報を自分の中で言語化してメモすることができる。通信装置上で付加情報が入力された状態の危険箇所情報を保持しておくことで、ユーザ専用の危険箇所が記載された地図を所有することができる。例えば、ユーザ専用の通勤路又は通学路の危険箇所情報付きの地図を通信装置上に保持しておくことが可能となる。
【0059】
第7の態様による情報処理装置(10)では、
前記送信手段は、前記付加情報を含む前記道路の危険箇所情報を他の通信装置へ送信可能である。
【0060】
これにより、ある通信装置のユーザから収集された付加情報を反映した危険箇所情報を、別の通信装置の移動履歴に基づいて当該別の通信装置で報知させることが可能となる。すなわち、あるユーザが入力した付加情報を、広く他のユーザが提供を受けることが可能となるため公益に資する結果となる。
【0061】
第8の態様による情報処理装置(10)では、
前記受信手段は、前記通信装置の位置情報とともに時間情報をさらに受信し、
前記記憶手段は、時間帯ごとに前記危険箇所情報を記憶しており、
前記送信手段は、前記通信装置の移動時の時間情報に基づく時間帯の前記危険箇所情報を送信する。
【0062】
これにより、時間帯に特有の危険箇所情報を通信装置へ送信して報知させることができるため、より効果的な学習を行うことが可能となる。
【0063】
第9の態様による情報処理装置(10)では、
前記時間帯は、通勤時間帯又は通学時間帯を含む。
【0064】
これにより、通勤時間帯又は通学時間帯に特有の危険箇所情報を通信装置へ送信して報知させることができるため、より効果的な学習を行うことが可能となる。
【0065】
第10の態様による情報処理装置(10)では、
前記受信手段は、前記通信装置のユーザ操作により受け付けられた開始指示に応じて送信が開始された前記通信装置の位置情報を受信する。
【0066】
これにより、通信装置のユーザが危険箇所情報を取得したい時に当該情報を提供することが可能となる。
【0067】
第11の態様による情報処理装置(10)の制御方法は、
道路の位置情報と、前記道路の危険箇所情報とを記憶する記憶手段(301)を備える情報処理装置の制御方法であって、
通信装置(20)の位置情報を受信する受信工程(S501)と、
前記通信装置が所定位置に到達した場合、前記通信装置の移動履歴に基づいて前記通信装置の移動経路から所定範囲内の前記危険箇所情報を送信する送信工程と(S502~S504)、
を有する。
【0068】
これにより、ユーザが通った道に関する危険箇所情報を送信先で報知することが可能となるため、ユーザはより実感が涌き安全教育に関する学習効果を高めることができる。通学路・通勤路など、普段良く通行する道に関して効果的な学習を行うことが可能となる。従って、安全教育の学習効果を向上させることが可能となる。
【0069】
第12の態様によるプログラムは、
第11の態様による情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0070】
これにより、情報処理装置の機能をプログラムとして実現することが可能となる。
【0071】
第13の態様による記憶媒体は、
第11の態様による情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体である。
【0072】
これにより、情報処理装置の機能を記憶媒体として実現することが可能となる。
【0073】
<その他の実施形態>
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0074】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
10:サーバ装置、20,30:通信装置、301:記憶部、302:位置情報受信部、303:情報抽出部、304:送信部、305:付加情報受信部