(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135170
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/798 20140101AFI20240927BHJP
【FI】
A63F13/798
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045720
(22)【出願日】2023-03-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和4年3月30日掲載,動画サイト「YouTube」の「シブサワ・コウ40周年記念「信長の野望の日」公式生放送」(https://www.youtube.com/watch?v=aqw1rxqo8cE) (2)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「My Nintendo Store」の「信長の野望・新生」(https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000032612.html) (3)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「PlayStation.Store」の「信長の野望・新生」(https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0106-CUSA23843_00-HDDBOOT000000001) (4)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「STEAM」の「信長の野望・新生」(https://store.steampowered.com/app/1336980/_/) (5)令和4年7月28日発行,週刊ファミ通,2022年7/28号,第26~29頁,株式会社KADOKAWA,株式会社KADOKAWA Game Linkage (6)令和4年8月4日発行,週刊ファミ通,2022年8/4号,第88~93頁,株式会社KADOKAWA,株式会社KADOKAWA Game Linkage
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草場 康平
(57)【要約】
【課題】集団に属するキャラクターの能力値を用いて集団の能力値を決定するゲームにおいて、属するキャラクターの能力値の平均値を集団の能力値とみなす場合に比べて、複数のキャラクターを1つの集団に所属させる意義を高める技術を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、前記複数のキャラクターには基準となる基準キャラクターと参照キャラクターとが含まれ、前記能力種別ごとに、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値を上回る前記一の能力種別の能力値を有する前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値と前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値とを用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定部として前記情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、
複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、
前記複数のキャラクターには、基準となる基準キャラクターと、参照キャラクターと、が含まれ、
前記能力種別ごとに、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値を上回る前記一の能力種別の能力値を有する前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、複数の前記参照キャラクター各々の前記一の能力種別の能力値に対して、所定の序列に応じた重みづけを行うことにより、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、複数の前記参照キャラクター各々の前記一の能力種別の能力値に対して、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値との差に基づく序列に応じた重みづけを行うことにより、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、前記一の能力種別において前記基準キャラクターの能力値との差が大きい前記序列に位置する前記参照キャラクターほど大きい重みを付与した加重平均により前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、
前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値を用いて最初のベース値を決定し、
i)前記参照キャラクターの中で、選択されておらず、かつ最も前記一の能力種別の能力値が低い一の前記参照キャラクターを選択する処理、
ii)ベース値と、選択された前記一の参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値とを用いて前記ベース値を更新する処理、
上記i)およびii)の処理を繰り返して得られた前記ベース値を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、前記基準キャラクター又は前記集団と、前記参照キャラクターとの相性値に応じて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、
ある前記能力種別における集団の能力値に基づき、当該集団に属する前記複数のキャラクターのうち一のキャラクターの属性値、又は前記集団の属性値を変化させ、
前記一のキャラクターの属性値は、前記一のキャラクターの特性を示す値であって、前記一のキャラクターの能力値と区別され、
前記集団の属性値は、前記集団の特性を示す値であって、前記集団の能力値と区別されることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記能力値決定部は、前記複数のキャラクターが前記集団に属する期間に応じて前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項9】
複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、
前記複数のキャラクターには、基準となる基準キャラクターと、参照キャラクターと、が含まれ、
前記能力種別ごとに、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値を上回る前記一の能力種別の能力値を有する前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定部を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、
前記複数のキャラクターには、基準となる基準キャラクターと、参照キャラクターと、が含まれ、
前記能力種別ごとに、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値を上回る前記一の能力種別の能力値を有する前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値と、前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定手順を実行させることを特徴とする、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間において、複数のキャラクターが属する集団を用いるゲームが存在する。キャラクターの各々が能力値を有する場合、少なくとも一部のキャラクターの能力値を用いて、集団の能力値が決定される。
【0003】
特許文献1に開示されたゲームシステムでは、野球ゲームに参加するプレイヤーが端末装置を操作し、選手キャラクターを選択して自らのチームを編成する。端末装置の関与キャラクター抽出手段が、実際の対戦に関与した選手キャラクターを抽出する。その後、端末装置のチーム戦力演算手段が、関与キャラクター抽出部により抽出された複数の選手キャラクターの有する能力値の平均を算出し、算出された平均値を自己チームのチーム戦力値として、サーバー装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、複数の選手キャラクターの有する能力値の平均値を、自己チームのチーム戦力値としてサーバー装置に送信する。特許文献1に開示された技術は、複数のキャラクターの能力値を考慮しているものの、代表者とその他の者の区別が考慮されておらず、集団に属する複数のキャラクターの能力値を十分に活用できていないため、複数のキャラクターを1つの集団に所属させる意義を感じにくい。
【0006】
そこで、本発明は、集団に属するキャラクターの能力値を用いて集団の能力値を決定するゲームにおいて、属するキャラクターの能力値の平均値を集団の能力値とみなす場合に比べて、複数のキャラクターを1つの集団に所属させる意義を高める技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、前記複数のキャラクターには、基準となる基準キャラクターと、参照キャラクターと、が含まれ、前記能力種別ごとに、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値を上回る前記一の能力種別の能力値を有する前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【0008】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、複数の前記参照キャラクター各々の前記一の能力種別の能力値に対して、所定の序列に応じた重みづけを行うことにより、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴としてもよい。
【0009】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、複数の前記参照キャラクター各々の前記一の能力種別の能力値に対して、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値との差に基づく序列に応じた重みづけを行うことにより、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴としてもよい。
【0010】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、前記一の能力種別において前記基準キャラクターの能力値との差が大きい前記序列に位置する前記参照キャラクターほど大きい重みを付与した加重平均により前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴としてもよい。
【0011】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、前記基準キャラクターの前記一の能力種別の能力値を用いて最初のベース値を決定し、
i)前記参照キャラクターの中で、選択されておらず、かつ最も前記一の能力種別の能力値が低い一の前記参照キャラクターを選択する処理、
ii)ベース値と、選択された前記一の参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値とを用いて前記ベース値を更新する処理、
上記i)およびii)の処理を繰り返して得られた前記ベース値を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴としてもよい。
【0012】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、前記基準キャラクター又は前記集団と、前記参照キャラクターとの相性値に応じて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴としてもよい。
【0013】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、ある前記能力種別における集団の能力値に基づき、当該集団に属する前記複数のキャラクターのうち一のキャラクターの属性値、又は前記集団の属性値を変化させ、前記一のキャラクターの属性値は、前記一のキャラクターの特性を示す値であって、前記一のキャラクターの能力値と区別され、前記集団の属性値は、前記集団の特性を示す値であって、前記集団の能力値と区別されることを特徴としてもよい。
【0014】
上記のゲームプログラムにおいて、前記能力値決定部は、前記複数のキャラクターが前記集団に属する期間に応じて前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定することを特徴としてもよい。
【0015】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、情報処理装置であって、複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、前記複数のキャラクターには、基準となる基準キャラクターと、前記基準キャラクターの能力値を上回る能力値を有する参照キャラクターと、が含まれ、能力種別ごとに前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値と、前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定部を備えることを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、複数の能力種別ごとに能力値を有する複数のキャラクターが集団に所属し、前記複数のキャラクターには、基準となる基準キャラクターと、前記基準キャラクターの能力値を上回る能力値を有する参照キャラクターと、が含まれ、能力種別ごとに前記参照キャラクターを決定し、前記基準キャラクターの一の能力種別の能力値と、前記参照キャラクターの前記一の能力種別の能力値と、を用いて、前記集団の前記一の能力種別の能力値を決定する能力値決定手順を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、集団に属するキャラクターの能力値を用いて集団の能力値を決定するゲームにおいて、複数のキャラクターを1つの集団に所属させる意義を高める技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】キャラクター情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】城能力決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】戦団能力決定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。理解の向上のため、本実施形態に係るゲームプログラムが適用されたゲームシステムが、いわゆる戦略シミュレーションゲームである例を用いて説明する。このゲームでは、プレイヤーはゲームの仮想空間における当事者として、仮想空間内に設定された所定の地域を統治する。プレイヤーは、入力操作により他者の拠点を奪って自らの拠点としたり、配下となる武将を増やしたり、自分の拠点に領主を設定したり、各政策を講じたりなどすることにより、統治において自己に有利となるようゲームを進行させる。
【0020】
また、本ゲームシステムでは、例えばノンプレイヤーキャラクターが所定の地域を統治している。ノンプレイヤーキャラクターの中には、プレイヤーと利害が対立する者も存在すれば、プレイヤーと協力関係にある者も存在し、ゲーム内の時間進行に応じて各々のノンプレイヤーキャラクターに関するパラメータが変更される。
【0021】
なお、以下に示す例では、プレイヤーは情報処理装置により制御されるノンプレイヤーキャラクターが存在する仮想空間内でゲームをプレイする。しかしながら、他の例において、ネットワークを介して通信可能に接続される複数の情報処理装置を用いて、複数の者がプレイヤーとしてゲームに参加してもよい。
【0022】
図1は、情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットコンピューター等の汎用的なコンピューター、又はゲーム専用のゲーム機である。情報処理装置10は、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150とを備える。
【0023】
処理部110は、情報処理装置10の全体を統括的に制御する。例えば、処理部110は、プレイヤーの操作を検出するとともに、検出したプレイヤーの操作に従ってゲーム進行を制御し、ゲーム進行に従ったゲーム画像やゲーム音声を生成する。また、処理部110は、検出したプレイヤーの操作や時間経過などに従って、仮想空間の外観を変化させたり、プレイヤーの保有するパラメータ及びノンプレイヤーキャラクターのパラメータを変化させたりする。
【0024】
記憶部120は、ゲームの進行に必要な情報を記憶する。入力部130は、入力装置を用いてプレイヤーからの入力操作を受け付ける。出力部140は、出力装置を用いて情報処理装置10の有する情報を出力する。通信部150は、ネットワークを介して接続された図示しないサーバー装置や他の情報処理装置10との間で情報の送信及び受信を行う。
【0025】
上述のような機能を実現するため、処理部110は、操作検出部111と、能力値決定部112と、パラメータ設定部113と、対戦実行部114と、表示制御部115とを備える。操作検出部111は、プレイヤーの入力操作を検出し、検出した操作を示す操作情報を他の機能部に出力する。例えば、操作検出部111は、仮想空間内でプレイヤーが保有する集団の中から、キャラクターを所属させる集団の選択を受け付ける。操作検出部111は、プレイヤーが保有するキャラクターの中から、選択された集団に配属させるキャラクターの選択を受け付ける。
【0026】
以下、操作検出部111が、集団の拠点である城に対し、プレイヤーが保有するキャラクターである保有キャラクターを城主又は配下として所属させる入力操作、及び所属を解除する入力操作を受け付ける例を用いて説明する。各キャラクターは、複数の能力種別ごとに能力値を有する。
【0027】
能力値決定部112は、集団に属するキャラクターの能力値を用いて、集団の能力値を決定する。例えば、能力値決定部112は、能力種別ごとに集団の能力値を決定する。能力値決定部112は、キャラクターの有する能力種別ごとに、基準キャラクターの一の能力種別の能力値を上回る一の能力種別の能力値を有する参照キャラクターを決定する。能力値決定部112は、基準キャラクターの一の能力種別の能力値と、参照キャラクターの一の能力種別の能力値と、を用いて、集団の一の能力種別の能力値を決定する。基準キャラクターは、例えば城主である。
【0028】
能力値決定部112は、例えば、ある能力種別において決定した参照キャラクターの能力値に対して、所定の序列に応じた重みづけを行うことにより、集団の当該能力種別の能力値を決定するが、詳細は後述する。なお、以下に示す例では、拠点である城に所属する集団の能力値が、城の能力値として取り扱われる。
【0029】
パラメータ設定部113は、ゲーム進行状況に応じた各種パラメータを設定する。例えばパラメータ設定部113は、能力値決定部112が決定した城の能力値を、後述の城情報122に設定する。また、パラメータ設定部113は、城の能力値に応じて、後述のキャラクター情報121の属性値を変更する。属性値は、キャラクターの特性に関するパラメータの1つであり、能力値とは区別してキャラクターに付与される。属性値は、キャラクターが仮想空間において各種任務を実行する力量があるか否かの判定に用いられる。
【0030】
対戦実行部114は、入力操作に応じて決定した複数の集団の対戦を実行する。対戦実行部114は、各集団が各々有する戦団の能力値等のパラメータを用いて、勝者となる戦団を決定する。表示制御部115は、出力部140を介して仮想空間を示すゲーム画像を出力させる。例えば、表示制御部115は、入力された表示指示に応じて、城の能力値を含む城情報画面を表示させる。
【0031】
記憶部120は、キャラクター情報121と、城情報122とを含む。キャラクター情報121は、プレイヤーが保有する城主や配下等のキャラクターに関する情報である。城情報122は、プレイヤーが保有する拠点となる城に関する情報である。
【0032】
図2は、キャラクター情報121のデータ構造の一例を示す図である。キャラクター情報121は、例えばキャラクターを特定するキャラクター識別子に対し、統率者識別子と、キャラクターの能力値と、他のキャラクターとの相性情報と、属性値と、所属する城を特定する識別情報である所属城識別子と、所属開始時期と、を関連付けた情報である。
【0033】
統率者識別子は、キャラクターが配下である場合の統率者を特定する識別情報である。キャラクターが城に所属する場合、統率者は城主である。キャラクターの能力値は、「統率」、「武勇」、「知略」、及び「政務」等の各能力種別に対する、キャラクターの能力を示す値である。なお、キャラクター情報121の各能力種別は、後述の城情報122に含まれる各能力種別と対応している。相性情報は、例えば統率者との相性を示す情報である。
【0034】
属性値は、キャラクターの特性を示す値である。例えば属性値は、キャラクターの特性を分類する種別であるキャラクター特性種別と、水準を示す値との組み合わせにより定まる。所属城識別子は、キャラクターが所属する城を特定する識別情報である。所属開始時期は、キャラクターが城への所属を開始した時期に関する情報である。
【0035】
図3は、城情報122のデータ構造の一例を示す図である。城情報122は、例えば城を特定する城識別子に対し、城に所属するキャラクターを特定する所属キャラクター識別子と、城主であるキャラクターを特定する城主識別子と、城の能力値と、城の属性値と、を関連付けた情報である。
【0036】
城の能力値は、
図2に示すキャラクター情報121の能力値と同様に、各能力種別に対する城の能力を示す値である。城の属性値は、対戦の際に勝敗の決定に用いられるパラメータであって、各能力種別における能力値より定まる。属性値は、属性値を分類する種別である特殊能力種別ごとに決定される。なお、属性値は、能力値とは区別され、敵側に特殊なダメージを与えるために使用される。例えば、所定の属性値は、敵軍団と交戦中に、一定確率で強力なダメージを与える。
【0037】
図3に示す例において、特殊能力種別が「包囲」である属性値は、能力種別が「知略」である能力値を用いて定まる。特殊能力種別「騎馬レベル」は、城に所属する城主及び配下の属性値と、当該属性値の特殊能力種別と関連する能力種別における、城の能力値より定まるが、詳細は後述する。
【0038】
図4は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ストレージ13と、音声処理装置14と、メディアインターフェイス装置15と、画像プロセッサ16と、画像メモリ17と、入力インターフェイス装置18と、出力インターフェイス装置19と、通信インターフェイス装置20とを有し、各構成要素はバスにより接続されている。
【0039】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算ユニットであって、メインメモリ12又はストレージ13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。処理部110を構成する各要素は、プロセッサ11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。メインメモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置である。ストレージ13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM(Read Only Memory)などの記録装置である。
【0040】
音声処理装置14は、入力された音声データを処理して音声信号を生成する装置である。生成された音声信号は、出力インターフェイス装置19を介してスピーカー(図示しない)に出力され、音声として出力される。メディアインターフェイス装置15は、ストレージ13から情報を読み取るための装置であるが、ストレージ13に情報を書き込めてもよい。メディアインターフェイス装置15は、例えば、光ディスクを読み取るディスクドライブや、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体メモリを読み取るリーダである。
【0041】
画像プロセッサ16は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)などの、ゲーム画像等のグラフィックスを生成するための演算ユニットである。画像メモリ17は、例えば、VRAM(Video RAM)などの、ゲーム画像等のグラフィックスをレンダリングするために使用される記憶装置である。レンダリングされたグラフィックスは、出力インターフェイス装置19を介してディスプレイ(図示しない)に出力され、表示される。
【0042】
入力インターフェイス装置18は、例えば、メカニカルキー、タッチパネル、又はゲームコントローラーなどの入力装置に接続され、当該入力装置からの操作信号を受け付ける装置である。出力インターフェイス装置19は、ディスプレイやスピーカー等の出力装置に接続され、当該出力装置へと出力を行う装置である。例えば、出力インターフェイス装置19は、画像プロセッサ16の生成したグラフィックス等の表示データを、ディスプレイに出力する。また、出力インターフェイス装置19は、音声処理装置14の生成した音声信号を、スピーカーに出力する。通信インターフェイス装置20は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う通信装置、アンテナを介して無線通信を行う通信装置を含む、情報を送受信する装置である。
【0043】
例えば、プロセッサ11は、クラウド上に保存されたゲームソフト(ゲームプログラムやゲームデータを含む)の少なくとも一部を、通信インターフェイス装置20を介して読み込み、メインメモリ12に展開する。なお、プロセッサ11は、ストレージ13に記憶されているゲームソフトを、メディアインターフェイス装置15を介して読み込んでもよいし、メインメモリ12に記憶されているゲームソフトを読み込んでもよい。また例えば、プロセッサ11は、読み込んだゲームソフトを実行し、プレイヤー操作による入力装置からの操作信号に従ってゲーム進行を制御する。
【0044】
また例えば、プロセッサ11は、ゲーム進行に従ったゲーム画像の内容を決定し、その内容を構成する描画データを画像プロセッサ16に生成させる。画像プロセッサ16は、描画データを用いて画像データを画像メモリ17上にレンダリングする。レンダリングされた画像データ(ゲーム画像)は、外部のディスプレイに出力される。また例えばプロセッサ11は、ゲーム進行に従ったゲーム音声を決定し、当該音声の音声信号を音声処理装置14に生成させ、スピーカーに出力させる。
【0045】
処理部110は、プロセッサ11がゲームプログラムを実行することによって実現される。処理部110の少なくとも一部の機能は、画像プロセッサ16により実現されてもよい。また、情報処理装置10の有する図示しない記憶部120は、例えば、メインメモリ12又はストレージ13によりその機能が実現される。
【0046】
図5は、城能力決定処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、例えば操作検出部111が、城に関する情報の入力操作を受け付ける画面の表示指示を受け付けると開始される。
【0047】
まず、操作検出部111は、保有する城の中から、キャラクターを変更する城の選択を受け付ける(ステップS11)。例えば、操作検出部111は、プレイヤーが保有する城の一覧を表示する画面の中から、配下又は城主を変更する城の選択を受け付ける。以下、選択された城は、処理対象の城として取り扱われる。城が選択されると、表示制御部115は、城に所属するキャラクターと、プレイヤーが保有する他のキャラクターとの一覧を表示する画面に遷移させる。
【0048】
次に、操作検出部111は、城に対するキャラクターの所属指示又は所属解除の指示を受け付ける(ステップS12)。具体的には、操作検出部111は、処理対象の城に新たに所属させる城主又は配下の選択を受け付けるか、処理対象の城に既に所属している城主又は配下の中から、所属を解除させる城主又は配下の選択を受け付ける。なお、本実施形態において、城に所属させることのできる配下の人数の上限値は、城ごとに予め定められている。パラメータ設定部113は、選択に応じて城に所属する城主又は配下を変更し、キャラクター情報121及び城情報122を更新する。
【0049】
次に、能力値決定部112は、まだ選択されていない能力種別のうち、1つの能力種別を選択する(ステップS13)。能力値決定部112は、城情報122に含まれる各能力種別のうち、まだ選択されていない能力種別を1つ選択する。以下、選択された能力種別を、処理対象の能力種別として説明する。
【0050】
次に、能力値決定部112は、城主の能力値より高い能力値を有する配下を抽出する(ステップS14)。具体的には、能力値決定部112は、城情報122及びキャラクター情報121を参照し、処理対象の城の城主の能力値のうち、処理対象の能力種別の能力値を特定する。能力値決定部112は、処理対象の城に所属する配下について、処理対象の能力種別の各能力値を参照し、城主の能力値より高い能力値を有する1又は複数の配下を抽出する。抽出された配下は、処理対象の能力種別における参照キャラクターとして取り扱われる。
【0051】
次に、能力値決定部112は、城主の能力値をベース値に決定する(ステップS15)。
【0052】
次に、能力値決定部112は、まだ選択していない配下のうち、最も能力値の低い配下を選択する(ステップS16)。具体的には、能力値決定部112は、ステップS14で抽出した配下のうち、まだ選択しておらず、かつ処理対象の能力種別の能力値が最も低い配下を選択する。なお、能力値決定部112は、最も能力値の低い配下が複数存在する場合、そのうちの一人の配下を選択する。
【0053】
次に、能力値決定部112は、選択した配下の能力値とベース値とを用いて、新たなベース値を決定する(ステップS17)。例えば、能力値決定部112は、配下の能力値とベース値との平均値を新たなベース値に決定する。なお、能力値決定部112は、配下の能力値とベース値とを用いて、当該ベース値よりも新たなベース値が高くなるよう決定すればよく、新たなベース値は、配下の能力値とベース値との平均値に限定されない。
【0054】
次に、能力値決定部112は、選択していない配下が存在するか否かを判定する(ステップS18)。具体的には、能力値決定部112は、ステップS14で抽出した配下のうち、まだ選択していない配下が存在するか否かを判定する。能力値決定部112は、選択していない配下が存在すると判定する場合(ステップS18で「YES」の場合)、処理をステップS16に移行する。
【0055】
即ち、能力値決定部112は、城主の能力値を用いて最初のベース値を決定した後、ステップS14で抽出した配下のうち、選択されておらず、かつ最も処理対象の能力種別の能力が低い一の配下を選択する一の処理、ベース値と、選択された配下の能力値とを用いてベース値を更新する二の処理、以上の2つの処理を繰り返す。
【0056】
能力値決定部112が、選択していない配下が存在しないと判定する場合(ステップS18で「NO」の場合)、能力値決定部112はステップS17で直前に決定したベース値を処理対象の種別の能力値に決定する(ステップS19)。
【0057】
次に、能力値決定部112は、選択していない能力種別が存在するか否かを判定する(ステップS20)。具体的には、能力値決定部112は、城情報122に含まれる各能力種別のうち、ステップS13において、まだ選択していない能力種別が存在するか否かを判定する。能力値決定部112は、選択していない能力種別が存在すると判定する場合(ステップS20で「YES」の場合)、処理をステップS13に移行する。
【0058】
能力値決定部112が、選択していない能力種別が存在しないと判定する場合(ステップS20で「NO」の場合)、能力値決定部112は、城主と相性のよい配下が存在するか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、能力値決定部112は、キャラクター情報121を参照することにより、城主と相性のよい配下が存在するか否かを判定する。能力値決定部112が、城主と相性のよい配下が存在しないと判定する場合(ステップS21で「NO」の場合)、能力値決定部112は処理をステップS23に移行する。
【0059】
能力値決定部112が、城主と相性のよい配下が存在する場合(ステップS21で「YES」の場合)、各能力値を増加させる(ステップS22)。具体的には、能力値決定部112は、処理対象の城に属する配下のうち、城主と相性のよい配下の人数を特定する。能力値決定部112は、人数が多いほど能力値が増加するよう、各能力種別の能力値を増加させる。一例として、能力値決定部112は、相性のよい配下の人数に所定の値を乗算した値を、各能力種別の能力値に加算する。
【0060】
なお、能力値の増加方法は、上述の例に限定されない。例えば、能力値決定部112は、城主と参照キャラクターとの相性値に応じて、城の能力値を決定してもよい。その場合、能力値決定部112は、処理対象の種別における1又は複数の参照キャラクターの各々と城主との相性値を抽出し、相性値の平均値を算出する。能力値決定部112は、ステップS19で決定した処理対象の種別の能力値に対し、算出した相性値に応じて予め段階的に設定された値を加算することにより、当該能力種別の能力値を決定する。
【0061】
他の例として、能力値決定部112は、処理対象の城に属する各配下と城主との相性値の平均を算出し、相性値に応じて予め段階的に設定された値を各能力値に加算してもよい。付言すれば、能力値決定部112は、各配下もしくは参照キャラクターと城主との相性値に代えて、配下もしくは参照キャラクターと城との相性値に基づいて、各能力値を増加させてもよい。その場合、キャラクター情報121には、各キャラクターに対し、城との相性値が予め関連付けられている。能力値決定部112は、キャラクター情報121を参照することにより、処理対象の城と配下もしくは参照キャラクターとの相性値を決定する。
【0062】
次に、パラメータ設定部113は、城情報122を更新する(ステップS23)。具体的には、ステップS22で増加した能力値が存在する場合、パラメータ設定部113は、当該能力値を用いて、城情報122の各能力値を更新する。ステップS22で増加した能力値が存在しない場合、パラメータ設定部113は、ステップS19で決定した能力値を用いて、城情報122の各能力値を更新する。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0063】
以下、上記の能力値の算出方法について、詳細に説明する。処理対象の能力種別において、城主の能力値をPsとし、Psを超える能力値を有する配下の人数をnとし、Psを超える能力値を有する配下のうち、能力値の小さい順に並べた場合のi番目(i=順番を示す1~nまでの整数)の配下の能力値をPiとし、城の能力値をPgとする。なお、城の能力値Pgは、n番目の配下の能力値Pi (i = n)を用いて得られる新たなベース値と等しい。また、以下に示す例において、能力値決定部112は、ベース値と、配下の能力値との平均値を新たなベース値に決定する。
【0064】
n=1の場合、ベース値は、式(1)により得られる。
Pg = (Ps+P1)/2 (1)
【0065】
n=2の場合、新たなベース値は、式(2)により得られる。
Pg = {(Ps+P1)/2 + P2 }/2 = (Ps + P1 + 2*P2)/4 (2)
【0066】
n=3の場合、新たなベース値は、式(3)により得られる。
Pg = {(Ps+P1+2*P2)/4 + P3 }/2 = (Ps + P1 + 2*P2 + 4*P3)/8 (3)
【0067】
即ち、i番目の配下の能力値を用いて得られる新たなベース値は、式(4)により得られる。
【0068】
以上より、能力値決定部112は、基準となる城主の能力値Psを超える能力値を有する配下の能力値に対し、能力値Psとの差に基づく序列に応じた重みづけを行って、城の能力値を決定するといえる。付言すれば、能力値決定部112は、能力値Psとの差が大きい序列に位置する配下ほど、大きい重みを付与した加重平均により城の能力値を決定する。
【0069】
なお、能力値決定部112が城の能力値を決定する方法については、本フローチャートの例に限定されない。能力値決定部112は、城主の能力値と、城に属する配下のうち、城主の能力値を超える能力値を有する配下の能力値を用いて、城の能力値を決定することができる。例えば、能力値決定部112は、城主の能力値と、城主の能力値を超える配下の能力値との平均値を、城の能力値に決定してもよい。
【0070】
一方で、本フローチャートに示すように、序列に応じて、配下の能力値に対する重みづけを行うことにより、城主の能力値と、城主の能力値を超える配下の能力値との平均値を城の能力値に決定する方法に比べ、配下の能力値と序列とに工夫の余地が生じ、興趣性が向上する。
【0071】
付言すれば、重みづけに用いる序列は、城主の能力値Psと配下の能力値との差に基づく序列に限定されない。例えば、能力値決定部112は、プレイヤーの入力操作に基づいた序列に応じて、配下の能力値に重みづけを行ってもよい。その場合、例えば能力値決定部112は、城に属する配下のうち、処理対象の能力種別において城主の能力値を超える能力値を有する配下の一覧を表示し、序列の入力操作を受け付ける。能力値決定部112は、入力された序列が上位であるほど、大きい重みを付与した加重平均により、城の能力値を決定する。
【0072】
なお、
図5に示す城能力決定処理では、城の有する能力種別ごとに、配下の能力値を用いて城の能力値を決定する。しかしながら、能力値決定部112は、城の有するすべての能力種別ごとに、城の能力値を決定しなくてもよい。能力値決定部112は、少なくとも1つの城の能力種別に対し、城の能力値を決定することができる。
【0073】
例えば能力値決定部112は、予め定められた能力値種別条件を満たす能力種別に対する、城の能力値を決定することができる。その場合、能力値決定部112は、能力値種別条件を満たす能力種別を決定する。能力値決定部112は、参照キャラクターの当該能力種別における能力値に対し、基準キャラクターの能力値との差に基づく序列に応じた重みづけを行うことにより、城の当該能力種別の能力値を決定することができる。
【0074】
なお、能力値決定部112は、城主よりも高い能力値を有する配下について、所属期間に応じた重みづけを行ってもよい。その場合、例えば能力値決定部112は、
図5のステップS17において、選択した配下の所属期間を特定し、所属期間に対して予め設定された係数を乗算又は加算する等により、新たなベース値を算出する。能力値決定部112は、例えば所属期間が長いほど、城の能力値が高くなるよう決定することができる。
【0075】
また、能力値決定部112は、城主よりも高い能力値を有する配下の人数に応じた重みづけを行ってもよい。その場合、例えば能力値決定部112は、
図5のステップS19の能力値の決定の際、処理対象の能力種別において城主の能力値よりも高い能力値を有する配下の人数を特定する。能力値決定部112は、人数に応じて予め設定された係数を加算する等により、処理対象の能力種別の能力値を得ることができる。
【0076】
付言すれば、能力値決定部112は、城の位置に基づいた能力値の調整を行ってもよい。その場合、例えば能力値決定部112は、記憶部120の図示しない領域を参照し、処理対象の城に隣接する他の城を抽出する。能力値決定部112は、隣接する城の城主を抽出し、処理対象の城の城主との相性値を各々特定する。能力値決定部112は、ステップS22において実行した、配下と城主との相性値を用いて能力値を増加させる処理と同様に、隣接する城の城主と処理対象の城主との相性値に応じて、能力値を増加させる。
【0077】
ところで、城の能力値は、様々な状況で活用される。例えば、城下の発展のために施設を建築する際、所定の能力種別の能力値が所定値以上である場合に建築が許可される。また、敵から攻撃を受ける際には、所定の能力種別の能力値に基づいて勝敗の判定が行われる。
【0078】
図6は、戦団能力決定処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、例えば操作検出部111が戦闘開始指示の入力操作を受け付けると開始される。
【0079】
まず、操作検出部111は、軍団を出陣させる城の選択を受け付ける(ステップS31)。
【0080】
次に、能力値決定部112は、城情報122を用いて戦団能力値を決定する(ステップS32)。具体的には、能力値決定部112は、ステップS31で選択された城の能力値を、戦団の能力値に決定する。
【0081】
次に、能力値決定部112は、特定の特性を有する配下が存在するか否かを判定する(ステップS33)。具体的には、能力値決定部112は、キャラクター情報121及び城情報122を参照し、予め定められたキャラクター特性種別における属性値を有する配下が、ステップS31で選択された城に存在するか否かを判定する。一例として、能力値決定部112は、キャラクター特性種別が「馬術」である属性値を有する配下が存在する場合に、予め定められた特性を有する配下が存在すると判定する。能力値決定部112が、特定の特性を有する配下が存在しないと判定する場合(ステップS33で「NO」の場合)、能力値決定部112はステップS38に処理を移行する。
【0082】
能力値決定部112が、特定の特性を有する配下が存在すると判定する場合(ステップS33で「YES」の場合)、能力値決定部112は、城の所定の能力種別の能力値が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS34)。具体的には、能力値決定部112は、ステップS33における判定に用いられた特性の特性種別と予め関連付けられた能力種別の能力値が、第1閾値以上であるか否かを判定する。例えば能力値決定部112は、キャラクター特性種別である「馬術」と予め関連付けられた能力種別が「統率」である場合、能力種別が「統率」である城の能力値が、第1閾値である「90」以上であるか否かを判定する。
【0083】
能力値決定部112が、城の所定の能力種別の能力値が第1閾値以上であると判定する場合(ステップS34で「YES」の場合)、能力値決定部112は、特定の特性を有するキャラクター数に、第1閾値に対応する定数を乗算して、軍団の属性値を得る(ステップS35)。
【0084】
例えば、能力値決定部112は、キャラクター特性種別が「馬術」である特性を有する配下が二人存在する場合、第1閾値に対応する定数である「2」を、配下の人数の「2」に加算して、属性値として「4」を得る。なお、キャラクター特性種別「馬術」に対応する城の特殊能力種別は「騎馬レベル」である。能力値決定部112は、城の属性値として、特殊能力種別が「騎馬レベル」の属性値「4」を得る。なお、能力値決定部112が、定数及び配下の人数から属性値を得る方法は、上述の例に限定されない。
【0085】
能力値決定部112が、城の所定の能力種別の能力値が第1閾値を下回ると判定する場合(ステップS34で「NO」の場合)、能力値決定部112は、城の所定の能力種別の能力値が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS36)。なお、第2閾値は第1閾値より低い値である。例えば能力値決定部112は、能力種別が「統率」である城の能力値が、第2閾値である「80」以上であるか否かを判定する。能力値決定部112が、城の所定の能力種別の能力値が第2閾値を下回ると判定する場合(ステップS36で「NO」の場合)、能力値決定部112は、処理をステップS38に移行する。
【0086】
能力値決定部112が、城の所定の能力種別の能力値が第2閾値以上であると判定する場合(ステップS36で「YES」の場合)、能力値決定部112は、所定の特性を有するキャラクター数に第2閾値に対応する定数を加算して、属性値を得る(ステップS37)。例えば、能力値決定部112は、キャラクター能力種別が「馬術」である属性値を有する配下が二人存在する場合、第2閾値に対応する定数として予め定められた「1」を、配下の人数の「2」に加算して、特殊能力種別が「騎馬レベル」の属性値として「3」を得る。なお、第2閾値に対応する定数は、第1閾値に対応する定数よりも低い。
【0087】
次に、パラメータ設定部113は、戦団の能力に関する情報を更新する(ステップS38)。具体的には、パラメータ設定部113は、ステップS32で決定した戦団能力値と、ステップS35又はステップS37において属性値を得た場合の当該属性値と、の組み合わせを軍団の能力に関する情報として、記憶部120の図示しない領域に記憶させる。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0088】
なお、本図に示す例では、軍団を出陣させる城の能力値を軍団の能力値に決定した。しかしながら、軍団の構成員は城の構成員に限定されない。例えば、本実施形態において、軍団の構成員を特定する入力操作を受け付けてもよい。その場合、能力値決定部112は、構成員の能力値を用いて、
図5に記載する城能力決定処理を実行することにより、構成員の能力値により決定される軍団の能力値を決定することができる。その後、能力値決定部112は、
図6に示す戦団能力決定処理を行うことにより、軍団の属性値を得ることができる。対戦実行部114は、軍団の能力値及び属性値を集団の能力値及び属性値として用い、他の軍団との対戦を実行する。
【0089】
付言すれば、本実施形態において、城の能力値を用いて、配下の属性値を変化させることができる。例えば、能力値決定部112は、城の能力値が所定の条件を満たす場合に、城に属する配下の特性に関する属性値を変化させる。一例として、能力値決定部112は、能力種別が「政務」である城の能力値が所定値以上である場合に、城に所属する配下の属性値のうち、キャラクター特性種別が「能吏」である属性値を、予め定められた値を用いて増加させる。
【0090】
以上、本実施形態によれば、集団の能力値を決定する際に、基準キャラクターの能力値より高い能力値を有する参照キャラクターの能力値を使用する。これにより、集団に属するキャラクターの能力値を活用して集団の能力値を決定する新たな仕組みを提供し、複数のキャラクターを1つの集団に所属させる意義を高めることができる。また、集団の能力値が、集団に属するキャラクターの能力値に影響するため、キャラクターを集団に所属させる際に緊張感が生じ、よりゲーム進行に深みを持たせることができる。
【0091】
以上、
図1に示した情報処理装置10の構成は、情報処理装置10及びゲームプログラムの構成を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。情報処理装置10及びゲームプログラムの構成は、処理内容に基づいて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理又は機能の分担は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。また、
図4で示した情報処理装置10のハードウェア構成は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。
【0092】
また、
図5、及び
図6に示したフローチャートの処理単位は、情報処理装置10及びゲームプログラムの処理を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。情報処理装置10及びゲームプログラムの処理は、処理内容に基づいて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。さらに、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0093】
また、本発明は、単独の情報処理装置10によってゲームプログラムが実行される場合に限らず、複数の情報処理装置10あるいは情報処理装置10とサーバー装置によってゲームプログラムが実行される場合にも適用できる。
【0094】
また、本発明は、上述したようなゲームに限らず、例えば、プレイヤーに操作されるオブジェクト(プレイヤーキャラクター等のプレイヤーオブジェクトであって、画面に表示されなくてもよい)を有する様々なゲームに適用できる。
【0095】
また、本発明は、ゲームプログラムだけでなく、当該ゲームプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、当該ゲームプログラムを実行するゲーム装置あるいはコンピューター、ゲーム進行制御方法、などの様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0096】
10:情報処理装置、11:プロセッサ、12:メインメモリ、13:ストレージ、14:音声処理装置、15:メディアインターフェイス装置、16:画像プロセッサ、17:画像メモリ、18:入力インターフェイス装置、19:出力インターフェイス装置、20:通信インターフェイス装置、110:処理部、111:操作検出部、112:能力値決定部、113:パラメータ設定部、114:対戦実行部、115:表示制御部、120:記憶部、121:キャラクター情報、122:城情報、130:入力部、140:出力部、150:通信部