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特開2024-135174画像処理装置及び電子メールの設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135174
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】画像処理装置及び電子メールの設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240927BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 127Z
H04N1/32 037
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045725
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】有福 直也
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC15
5C062AC22
5C062AF01
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】電子メールのFrom/Senderフィールドの設定において、特に、From/Senderフィールドでの表示に関して柔軟な運用を行うことが可能な画像処理装置等を提供する。
【解決手段】 電子メールの送信を制御する制御部と、ユーザのユーザ情報を記憶することが可能な記憶部と、前記ユーザのログイン認証を行う認証部とを備え、前記制御部は、送信元アドレスの優先設定が有効である場合は、ログインユーザの前記ユーザ情報に基づき送信元アドレスを設定し、前記送信元アドレスの優先設定が無効である場合は、装置に対して設定された送信者情報に基づき送信元アドレスを設定する画像処理装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールの送信を制御する制御部と、
ユーザのユーザ情報を記憶することが可能な記憶部と、
前記ユーザのログイン認証を行う認証部とを備え、
前記制御部は、
送信元アドレスの優先設定が有効である場合は、ログインユーザの前記ユーザ情報に基づき送信元アドレスを設定し、
前記送信元アドレスの優先設定が無効である場合は、装置に対して設定された送信者情報に基づき送信元アドレスを設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ユーザ情報を前記送信元アドレスとして設定する場合、前記ログインユーザの名称を差出人フィールドに設定し、前記ログインユーザのメールアドレスを送信者フィールドに設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記差出人フィールドと前記送信者フィールドとに設定した前記ログインユーザの前記ユーザ情報の編集を制限することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記記憶部に、前記ログインユーザの前記ユーザ情報として前記ログインユーザのメールアドレスが記憶されていない場合、前記装置に対して設定された前記送信者情報に基づき送信元アドレスを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記送信元アドレスの優先設定が無効である場合、前記ログインユーザの前記ユーザ情報と前記装置に対して設定された前記送信者情報とのどちらを送信元アドレスとして設定するかの選択を受付けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、
前記ログインユーザが所属するグループに関するグループ情報を含み、
前記制御部は、
前記送信元アドレスの優先設定が有効である場合、前記グループ情報を差出人フィールドと送信者フィールドとに設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
電子メールの設定方法であって、
ユーザのユーザ情報を記憶し、
前記ユーザのログイン認証を行い、
送信元アドレスの優先設定が有効である場合は、ログインユーザの前記ユーザ情報に基づき送信元アドレスを設定し、
前記送信元アドレスの優先設定が無効である場合は、装置に対して設定された送信者情報に基づき送信元アドレスを設定することを特徴とする電子メールの設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールのメールヘッダに配置されたFromフィールドとSenderフィールド(以降、From/Senderフィールドと称することがある)とは、電子メールの差出人の名称(メールアドレスを含む場合はそのメールアドレス)や送信者のメールアドレス等を表示する表示領域である。電子メールの受信者は、From/Senderフィールドの表示内容を確認することで、当該電子メールの差出人や送信元アドレスを把握することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子メール送信時に、画像形成装置にログインしたログインユーザのメールアドレスをFrom/Senderフィールドに設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-297767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、電子メールのFrom/Senderフィールドの設定において、特に、From/Senderフィールドでの表示に関して柔軟な運用を行うことが可能な画像処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る画像処理装置は、電子メールの送信を制御する制御部と、ユーザのユーザ情報を記憶することが可能な記憶部と、前記ユーザのログイン認証を行う認証部とを備え、前記制御部は、送信元アドレスの優先設定が有効である場合は、ログインユーザの前記ユーザ情報に基づき送信元アドレスを設定し、前記送信元アドレスの優先設定が無効である場合は、装置に対して設定された送信者情報に基づき送信元アドレスを設定することを特徴としている。
【0007】
また、本開示に係る電子メールの設定方法は、ユーザのユーザ情報を記憶し、前記ユーザのログイン認証を行い、送信元アドレスの優先設定が有効である場合は、ログインユーザの前記ユーザ情報に基づき送信元アドレスを設定し、前記送信元アドレスの優先設定が無効である場合は、装置に対して設定された送信者情報に基づき送信元アドレスを設定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電子メールのFrom/Senderフィールドの設定において、特に、From/Senderフィールドでの表示に関して柔軟な運用を行うことが可能な画像処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る複合機の接続形態を説明する全体図である。
図2】第1実施形態に係る複合機の機能構成図である。
図3】第1実施形態に係るユーザ情報テーブルを説明する図である。
図4】(a)SMTP設定情報テーブル及び(b)優先設定の設定状況を説明する図である。
図5】第1実施形態の処理の流れを説明するフローチャートである。
図6】第1実施形態の動作例を説明する図である。
図7】第1実施形態の動作例を説明する図である。
図8】第1実施形態の動作例を説明する図である。
図9】第1実施形態の動作例を説明する図である。
図10】第1実施形態の動作例を説明する図である。
図11】第2実施形態を説明する図である。
図12】第2実施形態に係るユーザ情報テーブルを説明する図である。
図13】第2実施形態を説明する図である。
図14】第2実施形態を説明する図である。
図15】第3実施形態の処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲は、以下の記載に限定されるものではない。
【0011】
電子メールを送信するためには、メールサービスプロバイダとの間でメール送信プロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)に準じた装置に対する設定が必要である。SMTPの設定では、後述するように、メールサービスプロバイダや、ポート番号等の接続情報に加え、電子メールの送信元に関する、差出人の名称や送信者のメールアドレス等の送信者情報の設定が行われる。
【0012】
電子メールの送信の際、Fromフィールドには、送信者情報として設定した差出人の名称が、Senderフィールドには送信元アドレスが反映して表示される。
【0013】
例えば、家庭等に設置された個人使用の画像処理装置を介して電子メールを送信する場合、From/Senderフィールドで表示される送信者情報は、電子メールの実際の送信者の送信者情報と一致している場合が多く、問題となることは少ない。
【0014】
一方で、例えば、職場や公共の場に設置されている共有性の高い画像処理装置では、ユーザ個人の名称やメールアドレス等が送信者情報として設定されることは稀であり、多くは画像処理装置の機種、型番、機能、設置環境等に基づく通称、呼称、総称等に基づき送信者情報が設定されることが多い。このような場合、送信された電子メールのFrom/Senderフィールドでの表示内容から、電子メールの実際の送信者を特定することは困難であり、電子メールの受信者に混乱を招くことがあった。一方で、実際の送信者が特定されることを回避すべく、画像処理装置の通称等を送信元とする要望も依然としてあり、From/Senderフィールドの設定についての柔軟な運用が求められてきた。
【0015】
本開示では、電子メールのFrom/Senderフィールドの設定において、特に、From/Senderフィールドでの表示に関して柔軟な運用を行うことが可能な画像処理装置等を以下の実施形態で実現する。
【0016】
[1 第1実施形態]
第1実施形態では、プリント、コピー、スキャン、ファクス、画像データを添付した電子メールの送信等の各モードで実行するジョブを一つの筐体で実施可能な複合機を画像処理装置の一形態として説明する。
【0017】
図1は、複合機10と、メールサーバ30と、複合機10からの電子メールの送信先である端末装置50との接続形態の一構成を概略的に説明する図である。複合機10は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電話回線、ファクス回線等のネットワークNWに接続されている。ネットワークNWは、さらに、インターネット網INと接続され、複合機10は、ネットワークNW、インターネット網INを介してメールサーバ30等と通信可能となるように接続されている。そして、端末装置50は、メールサーバ30を介して複合機10から送信された電子メールを受信することができる。なお、複合機10は、ネットワークNWに複数台接続されていてもよい。
【0018】
[1.1 機能構成]
[1.1.1 複合機10について]
第1実施形態に係る複合機10の機能構成について図2を用いて説明する。図2は、複合機10の機能構成図である。複合機10は、制御部11と、表示部13と、操作入力部15と、画像入力部17と、画像形成部19と、通信部21と、記憶部23とを備える。
【0019】
制御部11は、複合機10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central processing unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部23に記憶された各種プログラムを読み出し、画像入力部17、画像形成部19、通信部21等の各デバイスを制御することで各モードにおけるジョブや装置機能を実現する。
【0020】
表示部13は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部13は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等の表示装置により構成することができる。表示部13は、制御部11による制御に基づき、各アプリケーション画面、システム設定画面、ユーザ認証画面等を表示する。
【0021】
操作入力部15は、ユーザ等による情報の入力を受付ける。操作入力部15は、ハードキー(例えば、テンキー)やボタン等の入力装置で構成することができる。なお、操作入力部15は、表示部13を介しての入力が可能なタッチパネルとして構成することもできる。この場合、タッチパネルの入力方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった一般的な方式を採用することができる。
【0022】
画像入力部17は、例えば、CCD(Charge coupled device)、CIS(Contact image sensor)等のイメージセンサ、自動原稿送り装置(ADF:Automatic document feeder)、原稿を載置するためのフラットベット等を備えたスキャナ装置として構成することができる。この場合、スキャナ装置は、原稿画像からの反射光像をイメージセンサで読取ることで画像データを生成することが可能な構成であれば、その構成に特に制限はない。なお、画像入力部17は、例えば、USB(Universal serial bus)メモリ等の外部記憶装置(デバイス)に記憶された画像データや、ネットワークNWを介して受信した画像データ等の取得が可能なインタフェースとして構成することも可能である。
【0023】
画像形成部19は、画像入力部17から入力された画像データに基づく画像を記録媒体としての用紙等に形成する。画像形成部19は、不図示の給紙部から用紙を給紙し、用紙上に画像データに基づく画像を形成した後、不図示の排紙部に排紙する。画像形成部19は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。この場合、画像形成部19は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0024】
通信部21は、例えば、LAN、WAN、インターネット、電話回線、ファクス回線等のネットワークNWを介して他の装置(メールサーバ30等)との通信を行うために必要な有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0025】
記憶部23は、複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部23は、例えば、RAM(Random access memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、ROM(Read only memory)等の記憶装置により構成するこができる。
【0026】
第1実施形態において、記憶部23は、制御プログラム231と、アプリケーションプログラム233と、認証プログラム235とを記憶し、ユーザ情報記憶領域237と、設定情報記憶領域239とを確保する。
【0027】
制御プログラム231は、複合機10を統括的に制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。制御プログラム231を読み出した制御部11は、表示部13、操作入力部15、画像入力部17、画像形成部19、通信部21等の各デバイスの駆動を制御する。
【0028】
アプリケーションプログラム233は、プリント、コピー、スキャン、ファクス、画像データを添付した電子メールの送信等の各モードに係る処理をジョブ単位で行う際に制御部11が読み出すプログラムである。アプリケーションプログラム233には、例えば、イメージ送信プログラム2331を含めることができる。制御部11はイメージ送信プログラム2331を読み出すことで、画像入力部17を介して入力された画像データを電子メールに添付して送信することができる。このようなイメージ送信プログラム2331は、送信元判定プログラム23311を含む。送信元判定プログラム23311を読み出した制御部11は、後述する送信元アドレスの優先設定に基づき、ログインユーザのユーザ情報を送信元アドレスに設定するか又は装置に対して設定された送信者情報を送信元アドレスに設定するかを判定する。
【0029】
認証プログラム235は、複合機10にログインを試みるユーザを認証する際に制御部11が読み出すプログラムである。認証プログラム235を読み出した制御部11は、認証部として機能し、ユーザ認証機能が有効である場合は、後述するログイン画面を表示部13に表示させ、ユーザ認証に係る認証情報の入力を受付ける。例えば、認証条件がログインユーザ名とログインパスワードとの組み合わせである場合、制御部11は、ユーザ認証に係るログインユーザ名とログインパスワードとを予め関連付けて記憶しておき、ログイン画面を介して入力されたログインユーザ名とログインパスワードとを照合することで、ユーザ認証を行うことができる。本開示では、ユーザ認証に成功し、複合機10の操作権限を得たユーザをログインユーザと称するものとする。ここで、ユーザ認証は、ログインユーザ名とログインパスワードとを組み合わせた知識認証に加え、例えば、トークン、鍵、IC(Integrated circuit)カード、スマートフォン等を用いた所有物認証、顔認証や指紋認証等の生体認証等により行うことができる。なお、制御部11は、不図示のシステム設定画面等を介してユーザ認証機能の有効/無効の設定を受付けることができる。
【0030】
ユーザ情報記憶領域237は、ログインユーザのユーザ情報を記憶する記憶領域である。ユーザ情報に含まれる設定内容は、後述するユーザ情報設定画面を介して受付けることができる。ここで、図3を用いてユーザ情報記憶領域237で記憶するユーザ情報の一例について説明する。図3は、ユーザ情報テーブルのデータ構造の一構成例を説明する図である。ユーザ情報テーブルは、ユーザID(ログインID)と、ユーザ名(ログインユーザ名)と、パスワード(ログインパスワード)と、権限と、メールアドレスと、登録状況とを管理項目として含む。
【0031】
ユーザID(ログインID)はログインユーザを一意に識別するための識別子である。ユーザ名(ログインユーザ名)は、ログインユーザの名称を表し、パスワード(ログインパスワード)は、ユーザが複合機10へログインするためのパスワードを表す。権限は、当該ログインユーザに付与された操作権限を表す。例えば、権限が“管理者”である場合、当該ログインユーザには、複合機10を管理するための管理権限が付与されていることを表している。一方、権限が“一般”である場合、当該ログインユーザには、複合機10を操作することのみが可能な操作権限が付与されていることを表している。メールアドレスは、ログインユーザのメールアドレスを表している。登録状況は、ログインユーザのメールアドレスの複合機10に対する登録状況を表すフラグである。
【0032】
例えば、ユーザID(ログインID)が“011”のログインユーザは、ユーザ名(ログインユーザ名)が“user011”であり、複合機10にログインするためのパスワード(ログインパスワード)が“*****”であることを表している。そして、当該ログインユーザのメールアドレス“user011@local”が複合機10に対して登録されていることを表している(登録状況“Yes”)。
【0033】
ユーザ情報テーブルに登録(記憶)されたログインユーザのユーザ名と、メールアドレスは、後述する送信元アドレスの優先設定が有効(Yes)である場合に、電子メールのメールヘッダのFrom/Senderフィールドに反映して表示される。
【0034】
設定情報記憶領域239は、装置に対して設定された設定情報を記憶する記憶領域である。ここで、図4を用いて設定情報記憶領域239で記憶する設定情報の一例について説明する。図4(a)は、SMTP設定情報テーブルのデータ構造の一構成例を説明する図である。SMTP設定情報に含まれる設定内容は、後述するSMTP設定画面を介して受付けることができる。SMTP設定情報テーブルは、プライマリサーバと、セカンダリサーバと、ポート番号と、タイムアウト(秒)と、送信者情報としての、送信者名(Sender)と、送信者アドレスと、SSL/TLS設定とを管理項目として含む。
【0035】
プライマリサーバは、優先的に使用するメールサービスプロバイダ(メールサーバ30)を表し、セカンダリサーバは、代替的に使用するメールサービスプロバイダを表している。ポート番号は、制御部11がTCP/IP通信に使用するプログラムを識別するための番号を表している。タイムアウト(秒)は、通信やセッション等が確立されない場合に処理を中止するまでの制限時間を表している。送信者名(Sender)と送信者アドレスとは、装置に対して設定された送信者情報であり、後述する送信元アドレスの優先設定が無効(No)である場合に、電子メールのメールヘッダのFrom/Senderフィールドに反映して表示される。SSL/TLS設定は、インターネット上での通信内容を暗号化する暗号化プロトコルの適用の有効(Yes)/無効(No)を表している。
【0036】
例えば、図4(a)は、メールサービスプロバイダのプライマリサーバとして“smtp@example.com”が設定され、ポート番号“587”、タイムアウト(秒)“20”、送信者名(Sender)“sendmfp@local”、送信者アドレス“sendmfp@local”、SSL/TLS設定“Yes”に設定された例示である。
【0037】
図4(b)は、送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報とするか又は装置に対して設定された送信者情報とするかを判定するための優先設定の設定状況を説明する図である。図4(b)は、“From/Senderフィールドにはユーザ情報を優先して設定”のパラメータが“Yes”に設定された例示である。この場合、送信元判定プログラム23311を読み出した制御部11は、優先設定の設定状況に基づき、ログインユーザのユーザ情報を送信元アドレスに設定する。
【0038】
[1.1.2 メールサーバ30について]
本実施形態に係るメールサーバ30は、SMTPサーバ、POP(Post office protocol)サーバ、又はIMAP(Internet message access protocol)サーバとしての機能を提供し、複合機10や端末装置50との間で電子メールの送受信を媒介することが可能な構成であれば、既知の構成を用いることができる。したがって、メールサーバ30の機能構成に関する説明は省略する。
【0039】
[1.1.3 端末装置50について]
端末装置50は、複合機10との間でメールサーバ30を介して電子メールの送受信を行うことが可能な構成を備えた端末装置である。端末装置50としては、特に限定されないが、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル端末装置や、デスクトップパソコン等の設置型端末装置を挙げることができる。
【0040】
[1.2 処理の流れ]
次に、第1実施形態に係る処理の流れについて説明する。図5は、複合機10における電子メールのFrom/Senderフィールドの設定処理の流れを説明するフローチャートである。図5で説明する処理は、制御部11が、制御プログラム231、イメージ送信プログラム2331(送信元判定プログラム23311)、認証プログラム235等を読み出すことにより実行する処理である。
【0041】
まず、制御部11は、認証モードでのユーザのログイン操作を検出したか否かを判定する(ステップS10)。この場合、制御部11は、後述するログイン画面を介してユーザによりログインユーザ名やログインパスワードの入力を受付けることで、ユーザのログイン操作を検出することができる。
【0042】
制御部11は、認証モードでのユーザのログイン操作を検出した場合、ログイン認証処理を行い、当該ユーザのログインが成功したか否かを判定する(ステップS10;Yes→ステップS12)。なお、認証モードでのユーザのログイン操作を検出しない場合、制御部11は、当該ログイン操作を検出するまで待機する(ステップS10;No)。そして、制御部11は、ユーザのログインが成功したと判定した場合、ログインユーザによりイメージ送信アプリケーションの起動指示の入力を受付けたか否かを判定する(ステップS12;Yes→ステップS14)。一方、ユーザのログインが失敗した場合、制御部11は処理を終了する(ステップS12;No→終了)。なお、この場合、制御部11は、直ちに処理を終了するのではなく、ログイン画面を表示部13に再度表示し、ユーザに対して再ログイン操作を促してもよい。制御部11は、誤った認証情報を複数回受付けた場合に、処理を終了する形態とすることも可能である。
【0043】
ログインユーザによりイメージ送信アプリケーションの起動指示の入力を受付けたと判定した場合、制御部11は、装置に対して設定された設定情報を読み出す(ステップS14;Yes→ステップS16)。
【0044】
なお、制御部11は、ログインユーザによりイメージ送信アプリケーケーションの起動指示の入力を受付けていないと判定した場合、ログインユーザによりその他のアプリケーションが選択されたと判定し、ログインユーザにより選択されたその他のアプリケーションを起動する(ステップS14;No→“その他のアプリケーション”)。
【0045】
ステップS16において、制御部11は、図4(b)で例示した送信元アドレスの優先設定の設定状況を読み出し、電子メールのFrom/Senderフィールドに表示する送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報とするか又は装置に対して設定された送信者情報とするかを判定する(ステップS18)。
【0046】
制御部11は、From/Senderフィールドに対し、ユーザ情報の優先設定がなされていると判定した場合、From/Senderフィールドにログインユーザのメールアドレスを送信元アドレスとして設定する(ステップS18;Yes→ステップS20)。具体的には、制御部11は、図4(b)での例示のように、“From/Senderフィールドにはユーザ情報を優先して設定”のパラメータが“Yes”に設定されている場合、From/Senderフィールドにログインユーザのメールアドレスを送信元アドレスとして設定する。
【0047】
一方、制御部11は、From/Senderフィールドに対し、ユーザ情報の優先設定がなされていないと判定した場合(すなわち、送信元アドレスとして、装置に対して設定された送信者情報を設定すると判定した場合)、From/SenderフィールドにSMTP設定に基づくメールアドレスを送信元アドレスとして設定する(ステップS18;No→ステップS22)。具体的には、制御部11は、“From/Senderフィールドにはユーザ情報を優先して設定”のパラメータが“No”に設定されている場合、From/SenderフィールドにSMTP設定に基づくメールアドレスを送信元アドレスとして設定する。なお、制御部11は、From/Senderフィールドに対し、ユーザ情報の優先設定がなされていないと判定した場合、電子メールのFrom/Senderフィールドに表示する送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報とするか又は装置に対して設定された送信者情報とするかの選択を受付ける不図示の選択画面を表示し、どちらかの選択に応じてFrom/Senderフィールドに表示する送信元アドレスを決定する形態としてもよい。
【0048】
そして、制御部11は、作成した電子メールを宛先に送信し、処理を終了する(ステップS24)。
【0049】
[1.3 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。図6は、ユーザ情報設定画面W10の一構成例を説明する図である。
【0050】
ユーザ情報設定画面W10は、ユーザ情報入力領域R10と、登録ボタンB10と、キャンセルボタンB12とを含む。
【0051】
ユーザ情報入力領域R10は、ユーザ情報の入力を受付ける入力ボックスとして、ユーザID(ログインID)入力ボックスと、ユーザ名(ログインユーザ名)入力ボックスと、パスワード(ログインパスワード)入力ボックスと、権限入力ボックスと、メールアドレス入力ボックスとを含む。
【0052】
図6は、図3のユーザ情報テーブルで例示したユーザID(ログインID)“011”で識別されるログインユーザのユーザ情報の入力例を表している。例えば、ユーザ情報の管理者は、図6での例示のように、ユーザID(ログインID)入力ボックスに“011”、ユーザ名(ログインユーザ名)入力ボックスに“user011”、パスワード(ログインパスワード)入力ボックスに“*****”、権限入力ボックスに“管理者”、メールアドレス入力ボックスに“user011@local”をそれぞれ入力することができる。
【0053】
登録ボタンB10は、ユーザ情報入力領域R10に対するユーザ情報の入力の確定指示を受付けるボタンである。複合機10の管理者は、ユーザ情報入力領域R10における入力の完了後、登録ボタンB10を選択することで、入力したユーザ情報を確定させることができる。制御部11は、登録ボタンB10の選択を受付けると、ユーザ情報入力領域R10における入力内容をユーザ情報として登録する。一方、キャンセルボタンB12は、ユーザ情報入力領域R10に対するユーザ情報の入力破棄(キャンセル)を受け付けるボタンである。制御部11は、キャンセルボタンB12の選択を受付けると、ユーザ情報入力領域R10における入力内容を破棄し、ユーザ情報設定に係る処理を終了する。
【0054】
図7は、SMTP設定画面W20の一構成例を説明する図である。
【0055】
SMTP設定画面W20は、SMTP設定入力領域R20と、送信元アドレス優先設定領域R22と、登録ボタンB16と、キャンセルボタンB18とを含む。
【0056】
SMTP設定入力領域R20は、SMTP設定の入力を受付ける入力ボックスとして、プライマリサーバ入力ボックスと、セカンダリサーバ入力ボックスと、ポート番号入力ボックスと、タイムアウト入力ボックスと、送信者名入力ボックスと、送信者アドレス入力ボックスと、SSL/TLSを有効にするチェックボックスを含む。
【0057】
図7は、図4(a)のSMTP設定情報テーブルで例示したSMTP設定の入力例を表している。例えば、管理者は、図7での例示のように、プライマリサーバ入力ボックスに“smtp@example.com”、セカンダリサーバ入力ボックスには入力無し(該当するサーバ無し)、ポート番号入力ボックスに“587”、タイムアウト入力ボックスに“20”、送信者名入力ボックスに“sendmfp@local”、送信アドレス入力ボックスに“sendmfp@local” をそれぞれ入力することができる。加えて、管理者は、SSL/TLSを有効にするチェックボックスに対するチェックの付与を選択することで、SSL/TLSの有効/無効設定を行うことができる。図7の、SSL/TLSを有効にするチェックボックスに対するチェックが付与されている状態は、SSL/TLSが有効設定されていることを示す。
【0058】
送信元アドレス優先設定領域R22は、電子メールのFrom/Senderフィールドに表示する送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報とするか又は装置に対して設定された送信者情報とするかの優先設定の選択を受付ける。送信元アドレス優先設定領域R22では、“From/Senderフィールドにはユーザ情報を優先して設定”のパラメータを“Yes”又は“No”の何れを選択することにより、管理者は、送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報又は装置に対して設定された送信者情報のどちらかに設定することができる。
【0059】
登録ボタンB16は、SMTP設定入力領域R20及び送信元アドレス優先設定領域R22に対する入力の確定指示を受付けるボタンである。複合機10の管理者は、SMTP設定入力領域R20及び送信元アドレス優先設定領域R22に対する入力の完了後、登録ボタンB16を選択することで、入力した設定情報を確定させることができる。制御部11は、登録ボタンB16の選択を受付けると、SMTP設定入力領域R20及び送信元アドレス優先設定領域R22における入力内容をSMTP設定及び送信元アドレス優先設定として登録する。一方、キャンセルボタンB18は、SMTP設定入力領域R20及び送信元アドレス優先設定領域R22に対する設定情報の入力破棄(キャンセル)を受付けるボタンである。制御部11は、キャンセルボタンB18の選択を受付けると、SMTP設定入力領域R20及び送信元アドレス優先設定領域R22における入力内容を破棄し、SMTP設定に係る処理を終了する。
【0060】
図8は、ユーザ認証機能が有効である場合に、制御部11が表示部13に表示するログイン画面W30の一構成例を説明する図である。
【0061】
ログイン画面W30は、ログインユーザ名入力ボックスBx10と、ログインパスワード入力ボックスBx12と、ログインボタンB20とを含む。
【0062】
ログインユーザ名入力ボックスBx10は、複合機10へのログインを試みるユーザのログインユーザ名の入力を受付ける。なお、ログインユーザ名は、キーボード等の入力装置を用いて直接入力してもよいし、別途設けられた不図示のリストに表示されるユーザ名リストから選択して入力することも可能である。
【0063】
ログインパスワード入力ボックスBx12は、ログインユーザ名に対応するログインパスワードの入力を受付ける入力ボックスである。複合機10へのログインを試みるユーザは、ログインユーザ名の入力と併せてログインパスワードを入力する。
【0064】
ログインボタンB20は、ユーザによる入力動作の確定指示を受付けるボタンである。ユーザは、ログインユーザ名入力ボックスBx10およびログインパスワード入力ボックスBx12に対する入力が完了後、ログインボタンB20を選択する。ログインボタンB20の選択指示を受けると、制御部11は、ログインユーザの認証処理を行う。なお、ユーザ認証先は、装置単体であってもよいし、例えば、ネットワーク(NW)上に別途設けられたログイン認証サーバ等を指定することも可能である。ユーザ認証先として装置単体が指定された場合、制御部11は、入力されたログインユーザ名及びログインパスワードを、予め準備した認証情報(例えば、ユーザ名とパスワードとの組み合わせ等)と対比することにより、ユーザ認証を行う。一方、ネットワーク(NW)上に設けられた不図示のログイン認証サーバがユーザ認証先として指定された場合、制御部11は、入力されたログインユーザ名及びログインパスワードをログイン認証サーバに送信し、ログイン認証サーバからの認証結果を受信することによってユーザ認証を行う。
【0065】
図9は、制御部11が送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報であると判定した場合のメール画面M10の一構成例を説明する図である。メール画面M10は、ヘッダ領域R30と、メール本文の表示領域であるボディ領域R40とを含む。ヘッダ領域R30は、メールの送信先、件名、添付書類(画像データ)の有無に加え、From/SenderフィールドF10を含む。制御部11は、送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報であると判定した場合、From/SenderフィールドF10のFromフィールド(差出人フィールド)に、ログインユーザの名称である“user011”<user011@local>、Senderフィールド(送信者フィールド)にログインユーザのメールアドレス<user011@local>をそれぞれ表示する。なお、From/SenderフィールドF10で表示された送信元アドレスに関する情報についての編集・変更は不可とするのが好ましい。
【0066】
一方、図10は、制御部11が送信元アドレスを装置に対して設定された送信者情報であると判定した場合のメール画面M20の一構成例を説明する図である。制御部11は、送信元アドレスを装置に対して設定された送信者情報であると判定した場合、From/SenderフィールドF10のFromフィールドに、SMTP設定に基づく“sendmfp@local”<sendmfp@local>、Senderフィールドに<sendmfp@local>をそれぞれ表示する。
【0067】
以上のように、第1実施形態によれば、送信元アドレスの優先設定が有効である場合は、ログインユーザのユーザ情報に基づき送信元アドレスを設定し、送信元アドレスの優先設定が無効である場合は、装置に対し設定された送信者情報に基づき送信元アドレスを設定するため、複合機10のログインユーザは、必要に応じて自身のメールアドレスを送信元アドレスに容易に設定することができる。一方、例えば、セキュリティの都合上、ログインユーザ自身のメールアドレスを送信元アドレスとすることが好ましくない状況である場合は、複合機10に対して設定された送信者情報(SMTP設定)を送信元アドレスとすることができるため、第1実施形態によれば、電子メールのFrom/Senderフィールドの設定において、特に、From/Senderフィールドでの表示に関して柔軟な運用を行うことができる。
【0068】
[2 第2実施形態]
第1実施形態では、ログインユーザの名称やメールアドレスを送信元アドレスとしてFrom/Senderフィールドに設定する態様であった。第2実施形態では、ログインユーザの名称やメールアドレスに加え、ログインユーザが所属するグループに関するグループ情報をFrom/Senderフィールドに設定可能な形態について説明する。
【0069】
第2実施形態に係る複合機10の機能構成及び処理の流れについては第1実施形態と同等とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0070】
図11は、第2実施形態に係るユーザ情報設定画面W40の一構成例を説明する図である。
【0071】
ユーザ情報設定画面W40は、ユーザ情報入力領域R50と、登録ボタンB10と、キャンセルボタンB12とを含む。
【0072】
ユーザ情報入力領域R50は、第1実施形態のユーザ情報設定画面W10で例示したユーザ情報入力領域R10の構成に加え、所属グループ入力ボックスと、グループメールアドレス入力ボックスとを含む。
【0073】
所属グループ入力ボックスは、ログインユーザの所属グループの名称の入力を受付ける入力ボックスである。グループメールアドレス入力ボックスは、所属グループで共有又は代表のメールアドレスの入力を受付ける入力ボックスである。
【0074】
図11は、ログインユーザが所属する所属グループとして“営業グループ”、グループメールアドレスとして“eigyou@local”を入力した例示である。
【0075】
登録ボタンB10、キャンセルボタンB12のそれぞれのボタンは、第1実施形態で説明した登録ボタンB10、キャンセルボタンB12と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0076】
図12は、第2実施形態に係るユーザ情報テーブルのデータ構造の一構成例を説明する図である。第2実施形態に係るユーザ情報テーブルは、図3のユーザ情報テーブルで例示した管理項目に加え、所属グループと、グループメールアドレスとを含む。
【0077】
所属グループ及びグループメールアドレスは、ユーザ情報設定画面W40のユーザ情報入力領域R50で入力を受け付けた所属グループと、グループメールアドレスとを表し、ログインユーザ“user011”の所属グループが“営業グループ”、グループメールアドレスが“eigyou@local”として登録されていることを表している。
【0078】
図13は、第2実施形態に係るSMTP設定画面W50の一構成例を説明する図である。
【0079】
SMTP設定画面W50は、第1の実施形態に係るSMTP設定画面W20の送信元アドレス優先設定領域R22に替えて送信元アドレス優先設定領域R25を含む。
【0080】
送信元アドレス優先設定領域R25は、電子メールのFrom/Senderフィールドに表示する送信元アドレスをログインユーザの“ユーザ情報”、“所属グループ”、又は“優先設定無し”の何れにするかの選択を受付けるプルダウンメニューを含む。図13は、ユーザにより送信元アドレスとして“所属グループ”が選択された場合の例示である。管理者による当該プルダウンメニューの選択に応じて、制御部11は、電子メールのFrom/Senderフィールドに表示する送信元アドレスを設定し、図4(b)で例示した優先設定の設定状況を表すテーブルに当該設定内容を登録する。
【0081】
図14は、制御部11が送信元アドレスをログインユーザの所属グループであると判定した場合のメール画面M30の一構成例を説明する図である。メール画面M30は、ヘッダ領域R30と、メール本文の表示領域であるボディ領域R40とを含む。ヘッダ領域R30は、メールの送信先、件名、添付書類(画像データ)の有無に加え、From/SenderフィールドF10を含む。制御部11は、送信元アドレスをログインユーザの所属グループであると判定した場合、From/SenderフィールドF10のFromフィールドに、“営業グループ”<eigyou@local>、Senderフィールドにグループメールアドレスの<eigyou@local>をそれぞれ表示する。
【0082】
以上のように、第2実施形態によれば、ユーザ情報としてログインユーザが所属するグループに関する情報をFrom/Senderフィールドに設定することができる。このような構成とすることで、ログインユーザは、自身のメールアドレスを用いることなく、所属するグループのグループメールアドレスを送信元アドレスとしたメールを送信することができる。なお、第2実施形態では、グループ情報の一態様としてログインユーザが所属する所属グループについて説明したが、これ以外にも、例えば、会社名、営業所名、役職名、職種、チーム名、プロジェクト名、ログインユーザに対して付与されたアノテーション等をグループ情報として用いることも可能である。
【0083】
[3 第3実施形態]
第1実施形態又は第2実施形態では、送信元アドレスの優先設定に応じて、電子メールのFrom/Senderフィールドに設定する送信元アドレスをログインユーザのユーザ情報とするか又は装置に対して設定された送信者情報とするかを判定する形態であった。第3実施形態では、当該構成に加え、ログインユーザのメールアドレスがユーザ情報として登録(記憶)されていない場合に、From/Senderフィールドに装置に対して設定された送信者情報のメールアドレスを送信元アドレスとして設定する形態である。
【0084】
第3実施形態に係る複合機10の機能構成については第1実施形態又は第2実施形態と同等とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0085】
図15は、第3実施形態の複合機10における電子メールのFrom/Senderフィールドの設定処理の流れを説明するフローチャートである。なお、第3実施形態に係る処理の流れは、図5のフローチャートで説明したステップS18と、ステップS20との間に新たにステップS26を設けたものである。したがって、ステップS26に係る処理について説明し、他のステップに係る処理についてはその説明を省略する。
【0086】
ステップS18において、From/Senderフィールドに対し、ユーザ情報の優先設定がなされていると判定した場合、制御部11はログインユーザのメールアドレスが、ユーザ情報として登録されているか否かを判定する(ステップS18;Yes→ステップS26)。
【0087】
制御部11は、ログインユーザのメールアドレスが、ユーザ情報として登録されていると判定した場合、From/Senderフィールドにログインユーザのメールアドレスを送信元アドレスとして設定する(ステップS26;Yes→ステップS20)。一方、制御部11は、ログインユーザのメールアドレスが、ユーザ情報として登録されていないと判定した場合、From/SenderフィールドにSMTP設定に基づくメールアドレスを送信元アドレスとして設定する(ステップS26;No→ステップS22)。
【0088】
第3実施形態に係る制御部11は、From/Senderフィールドに対し、ユーザ情報の優先設定がなされているにもかかわらず、ログインユーザのメールアドレスが、ユーザ情報として登録されていないと判定した場合であっても、From/SenderフィールドにSMTP設定に基づくメールアドレスを送信元アドレスとして設定することができる。したがって、例えば、図3で例示したユーザ情報テーブルにおいて、ユーザID“033”で識別されるユーザ“user033”のように、当該ログインユーザのメールアドレスが登録されていない場合であっても、制御部11は、From/SenderフィールドにSMTP設定のメールアドレス(sendermfp@local)を送信元アドレスとして設定するため、送信エラーが発生することなく安定したメール送信を行うことができる。
【0089】
[4 変形例]
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0090】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0091】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0092】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0093】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0094】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、又は諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装、実行することも可能である。本明細書で述べた機能を実現するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトロンジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はこれらを組み合わせたものを含んでもよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本開示の一以上の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0095】
10 複合機
11 制御部
13 表示部
15 操作入力部
17 画像入力部
19 画像形成部
21 通信部
23 記憶部
231 制御プログラム
233 アプリケーションプログラム
2331 イメージ送信プログラム
23311 送信元判定プログラム
235 認証プログラム
237ユーザ情報記憶領域
239 設定情報記憶領域
30 メールサーバ
50 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15