(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135178
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H03K 17/78 20060101AFI20240927BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20240927BHJP
H03K 17/00 20060101ALI20240927BHJP
H03K 17/785 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H03K17/78 J
H03K17/687 G
H03K17/00 C
H03K17/785
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045736
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】常次 幸男
【テーマコード(参考)】
5J050
5J055
【Fターム(参考)】
5J050AA01
5J050BB21
5J050DD08
5J050EE02
5J050EE13
5J050EE17
5J050EE22
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5J055EX07
5J055EX30
5J055EY01
5J055EY12
5J055EY14
5J055EY21
5J055EY24
5J055EY28
5J055EZ25
5J055EZ34
5J055GX01
5J055GX02
(57)【要約】
【課題】2組のMOSFET対が同時にオンすることを抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置は、第1及び第2スイッチ素子と第1及び第2発光素子と第1及び第2受光素子と第1及び第2電圧制御回路と第1及び第2スイッチ制御回路とを含む。第1スイッチ素子は、各々の一端が第1ノードに接続され且つ各々のゲート端が第2ノードに接続された第1及び第2トランジスタを有する。第2スイッチ素子は、各々の一端が第3ノードに接続され且つ各々のゲート端が第4ノードに接続された第3及び第4トランジスタを有する。第1スイッチ制御回路は、入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に第1発光素子を発光させる。第2スイッチ制御回路は、入力信号が第2論理レベルから第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に第2発光素子の発光を停止させる。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々の一端が第1ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第2ノードに接続された第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを有する第1スイッチ素子と、
各々の一端が第3ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第4ノードに接続された第3MOSトランジスタ及び第4MOSトランジスタを有する第2スイッチ素子と、
第1発光素子及び第2発光素子と、
前記第1発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第1受光素子と、
前記第2発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第2受光素子と、
前記第1受光素子により生成された電流に基づいて前記第2ノードに電圧を印加する第1電圧制御回路と、
前記第2受光素子により生成された電流に基づいて前記第3ノードに電圧を印加する第2電圧制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に前記第1発光素子を発光させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に前記第2発光素子の発光を停止させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備え、
前記第1MOSトランジスタ及び前記第2MOSトランジスタのそれぞれは、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETであり、
前記第3MOSトランジスタ及び前記第4MOSトランジスタのそれぞれは、デプレッション型のNチャネルMOSFETである、
半導体装置。
【請求項2】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから前記第2時間が経過する前に前記第1発光素子の発光を停止させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移してから前記第1時間が経過する前に前記第2発光素子を発光させるように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移して前記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで第1電流に基づいて前記第1発光素子を発光させ、前記第3時間が経過した後に前記第1電流よりも少ない第2電流に基づいて前記第1発光素子を発光させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移してから第4時間が経過するまで第3電流に基づいて前記第2発光素子を発光させ、前記第4時間が経過した後に前記第3電流よりも少ない第4電流に基づいて前記第2発光素子を発光させるように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
電源電圧が供給されたことに基づいて、前記第1スイッチ素子の導通の制御を有効にする第1イネーブル信号と、前記第2スイッチ素子の導通の制御を有効にする第2イネーブル信号を生成するように構成されたイネーブル制御回路をさらに備え、
前記電源電圧が供給されたことに基づいて前記第1イネーブル信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルに遷移するタイミングは、前記電源電圧が供給されたことに基づいて前記第2イネーブル信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルに遷移するタイミングよりも遅く、
前記電源電圧の供給が停止されたことに基づいて前記第1イネーブル信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに遷移するタイミングは、前記電源電圧の供給が停止されたことに基づいて前記第2イネーブル信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに遷移するタイミングよりも早い、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1電圧制御回路は、前記第2ノードを充電する経路に接続された第1抵抗素子と、前記第1ノードを放電する経路に接続され、且つ前記第1抵抗素子よりも低い抵抗値を有する第2抵抗素子とを有し、
前記第2電圧制御回路は、前記第3ノードを充電する経路に接続された第3抵抗素子と、前記第4ノードを放電する経路に接続され、且つ前記第3抵抗素子よりも高い抵抗値を有する第4抵抗素子とを有する、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
各々のソース端が第1ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第2ノードに接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタを有する第1スイッチ素子と、
各々のソース端が第3ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第4ノードに接続された第3トランジスタ及び第4トランジスタを有する第2スイッチ素子と、
第1発光素子及び第2発光素子と、
前記第1発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第1受光素子と、
前記第2発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第2受光素子と、
前記第1受光素子により生成された電流に基づいて前記第2ノードに電圧を印加する第1電圧制御回路と、
前記第2受光素子により生成された電流に基づいて前記第4ノードに電圧を印加する第2電圧制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に前記第1発光素子を発光させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に前記第2発光素子を発光させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備え、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタのそれぞれは、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETである、
半導体装置。
【請求項7】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから前記第2時間が経過する前に前記第1発光素子の発光を停止させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移してから前記第1時間が経過する前に前記第2発光素子の発光を停止させるように構成される、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移して前記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで第1電流に基づいて前記第1発光素子を発光させ、前記第3時間が経過した後に前記第1電流よりも少ない第2電流に基づいて前記第1発光素子を発光させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから前記第2時間が経過してからさらに第4時間が経過するまで第3電流に基づいて前記第2発光素子を発光させ、前記第4時間が経過した後に前記第3電流よりも少ない第4電流に基づいて前記第2発光素子を発光させるように構成される、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
第1スイッチ素子と、
第2スイッチ素子と、
第1絶縁結合素子及び第2絶縁結合素子と、
前記第1絶縁結合素子が信号を伝送している場合に前記第1スイッチ素子を導通状態に制御し、前記第1絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に前記第1スイッチ素子を非導通状態に制御するように構成された第1制御回路と、
前記第2絶縁結合素子が信号を伝送している場合に前記第2スイッチ素子を非導通状態に制御し、前記第2絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に前記第2スイッチ素子を導通状態に制御するように構成された第2制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に前記第1絶縁結合素子に信号を伝送させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に前記第2絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備える、半導体装置。
【請求項10】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから前記第2時間が経過する前に前記第1絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移してから前記第1時間が経過する前に前記第2絶縁結合素子に信号を伝送させるように構成される、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移して前記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで前記第1絶縁結合素子の信号の伝送を促進させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移してから第4時間が経過するまで前記第2絶縁結合素子の信号の伝送を促進させるように構成される、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
第1スイッチ素子と、
第2スイッチ素子と、
第1絶縁結合素子及び第2絶縁結合素子と、
前記第1絶縁結合素子が信号を伝送している場合に前記第1スイッチ素子を導通状態に制御し、前記第1絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に前記第1スイッチ素子を非導通状態に制御するように構成された第1制御回路と、
前記第2絶縁結合素子が信号を伝送している場合に前記第2スイッチ素子を導通状態に制御し、前記第2絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に前記第2スイッチ素子を非導通状態に制御するように構成された第2制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に前記第1絶縁結合素子に信号を伝送させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に前記第2絶縁結合素子の信号を伝送させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備える、半導体装置。
【請求項13】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移してから前記第2時間が経過する前に前記第1絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移してから前記第1時間が経過する前に前記第2絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成される、
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルへ遷移して前記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで前記第1絶縁結合素子の信号の伝送を促進させるように構成され、
前記第2スイッチ制御回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルへ遷移して前記第2時間が経過してからさらに第4時間が経過するまで前記第2絶縁結合素子の信号の伝送動作を促進させるように構成される、
請求項12に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1次側(送信側)の回路と2次側(受信側)の回路とが電気的に絶縁された状態で、1次側の回路の制御により2次側の回路のスイッチ素子をオンオフさせることが可能な半導体装置が知られている。また、このような半導体装置の一種として、発光素子(例えば、LED:Light Emitting Diode)を含む1次側の回路と、受光素子(例えば、フォトダイオード)を含む2次側の回路とにより構成されるフォトリレーが知られている。例えば、フォトリレーでは、2次側の回路が、受光素子と、ソースが共通接続されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)対(すなわち、ソースコモンMOSFET)とを含む。また、フォトリレーの一種として、2組のソースコモンMOSFETを利用したC接点型のフォトリレーが知られている。C接点型のフォトリレーは、2組のソースコモンMOSFETのうち一方をオンさせ、他方をオフさせるように構成される。この場合、1次側の発光素子の発光/非発光が制御されることによって、2組のソースコモンMOSFETのオンオフが制御される。このようなフォトリレーでは、2組のソースコモンMOSFETが同時にオンしないことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-261027号公報
【特許文献2】特開平08-065127号公報
【特許文献3】特開平07-046109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2組のMOSFET対が同時にオンすることを抑制できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、第1スイッチ素子と、第2スイッチ素子と、第1発光素子と、第2発光素子と、第1受光素子と、第2受光素子と、第1電圧制御回路と、第2電圧制御回路と、第1スイッチ制御回路と、第2スイッチ制御回路とを含む。第1スイッチ素子は、各々の一端が第1ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第2ノードに接続された第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを有する。第2スイッチ素子は、各々の一端が第3ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第4ノードに接続された第3MOSトランジスタ及び第4MOSトランジスタを有する。第1受光素子は、第1発光素子により生成された光に基づいて電流を生成するように構成される。第2受光素子は、第2発光素子により生成された光に基づいて電流を生成するように構成される。第1電圧制御回路は、第1受光素子により生成された電流に基づいて第2ノードに電圧を印加するように構成される。第2電圧制御回路は、第2受光素子により生成された電流に基づいて第3ノードに電圧を印加するように構成される。第1スイッチ制御回路は、入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に第1発光素子を発光させるように構成される。第2スイッチ制御回路は、入力信号が第2論理レベルから第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に第2発光素子の発光を停止させるように構成される。第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタのそれぞれは、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETである。第3MOSトランジスタ及び第4MOSトランジスタのそれぞれは、デプレッション型のNチャネルMOSFETである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置の外観の一例を示す平面図。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置の入出力特性の一例を示すテーブル。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置のパッケージの構成の一例を示すブロック図。
【
図4】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路の構成の一例を示すブロック図。
【
図5】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路に含まれたリセット回路の構成の一例を示す回路図。
【
図6】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路に含まれたリセット回路の動作特性の一例を示すタイムチャート。
【
図7】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路に含まれたイネーブル制御回路の動作特性の一例を示すタイムチャート。
【
図8】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路に含まれたLED制御回路構成の一例を示すブロック図。
【
図9】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるAIN生成回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図10】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるTONA生成回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図11】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるBIN生成回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図12】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるTONB生成回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図13】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるLED駆動回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図14】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるLED駆動回路の動作特性の第1例を示す回路図。
【
図15】第1実施形態に係る半導体装置が備える集積回路におけるLED駆動回路の動作特性の第2例を示す回路図。
【
図16】第1実施形態に係る半導体装置が備えるASW制御部に含まれた受光部及びVGS制御回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図17】第1実施形態に係る半導体装置が備えるBSW制御部に含まれた受光部及びVGS制御回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図18】第1実施形態に係る半導体装置における電源電圧に基づく動作の一例を示すタイムチャート。
【
図19】第1実施形態に係る半導体装置においてVCC瞬間停電が発生した場合の動作の一例を示すタイムチャート。
【
図20】第1実施形態に係る半導体装置の電源オン時におけるAタイプスイッチ及びBタイプスイッチの動作の一例を示すタイムチャート。
【
図21】第1実施形態に係る半導体装置の電源オン時におけるゲート-ソース間電圧の変化の一例を示すタイムチャート。
【
図22】第2実施形態に係る半導体装置の外観の一例を示す平面図。
【
図23】第2実施形態に係る半導体装置の入出力特性の一例を示すテーブル。
【
図24】第2実施形態に係る半導体装置のパッケージの構成の一例を示すブロック図。
【
図25】第2実施形態に係る半導体装置が備える集積回路の構成の一例を示すブロック図。
【
図26】第2実施形態に係る半導体装置が備える集積回路に含まれたLED制御回路の構成の一例を示すブロック図。
【
図27】第2実施形態に係る半導体装置の電源オン時における2つのAタイプスイッチの動作の一例を示すタイムチャート。
【
図28】ASW制御部に含まれた受光部及びVGS制御回路の回路構成の変形例を示す回路図。
【
図29】BSW制御部に含まれた受光部及びVGS制御回路の回路構成の変形例を示す回路図。
【
図30】半導体装置のパッケージの構成の変形例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は、模式的又は概念的なものである。図面の寸法及び比率等は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素には、同一の符号が付加されている。
【0008】
本明細書では、入力信号が無信号であることを示す論理レベルが“L(Low)”レベルであり、入力信号が有信号であることを示す論理レベルが“H(High)”レベルである場合について説明する。“H”レベルは、“L”レベルの逆論理レベルに対応する。なお、入力信号の有無と論理レベルとの対応付けは、回路構成に応じて変更されてもよい。
【0009】
本明細書において、フォトリレーとして使用される半導体装置が備えるスイッチ素子としては、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETと、デプレッション型のNチャネルMOSFETとが挙げられる。以下では、NチャネルMOSFETのことを、“NMOSトランジスタ”と呼ぶ。PチャネルMOSFETのことを、“PMOSトランジスタ”と呼ぶ。NPN型のバイポーラトランジスタのことを、“NPNトランジスタ”と呼ぶ。エンハンスメント型のNMOSトランジスタを利用したスイッチ素子のことを、“AタイプスイッチASW”と呼ぶ。デプレッション型のNMOSトランジスタを利用したスイッチ素子のことを、“BタイプスイッチBSW”と呼ぶ。
【0010】
<1>第1実施形態
第1実施形態に係る半導体装置1は、AタイプスイッチASWとBタイプスイッチBSWを備え、入力信号に応じてAタイプスイッチASWとBタイプスイッチBSWのオンオフを電気的に切り替えるように構成されたフォトリレーである。半導体装置1は、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWのそれぞれのオンオフのタイミングを調整することにより、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの同時オンの発生を抑制する。以下に、第1実施形態に係る半導体装置1の詳細について説明する。
【0011】
<1-1>構成
まず、第1実施形態に係る半導体装置1の構成について説明する。
【0012】
<1-1-1>半導体装置1の外観
図1は、第1実施形態に係る半導体装置1の外観の一例を示す平面図である。
図1に示すように、半導体装置1は、例えば、端子T1~T8が露出したパッケージPKGに封止される。パッケージPKGは、半導体装置1がフォトリレーとして機能するための発光素子や受光素子などを含む。
【0013】
端子T1~T4は、半導体装置1の入力側の端子である。具体的には、端子T1は、半導体装置1の電源端子である。端子T1には、例えば、電源電圧VCCが印加される。端子T2は、半導体装置1の入力端子である。端子T2には、例えば、入力信号VINが入力される。入力信号VINは、フォトリレーに含まれた2つのスイッチ素子の切り替え指示に使用される制御信号である。端子T3は、例えば、半導体装置1に含まれたLEDの動作テストに使用される端子である。端子T4は、半導体装置1の接地端子である。端子T4には、例えば、接地電圧GNDが印加される。なお、端子T3は、LEDの動作テストをしない場合は、ノンコンタクトとしてもよい。この場合、半導体装置1内の集積回路からLEDの動作テストに関する機能が省略され、チップサイズが小さく設計され得る。このように、半導体装置1として、安価な製品群が構成されてもよい。
【0014】
端子T5及びT6は、半導体装置1の出力側の端子である。具体的には、端子T5は、半導体装置1が備えるAタイプスイッチASWの一端(ASWT1)に対応する。端子T6は、半導体装置1が備えるAタイプスイッチASWの他端(ASWT2)に対応する。半導体装置1は、入力信号VINに基づいて、端子T5及びT6間の電流経路を形成又は遮断し得る。半導体装置1内で端子T5及びT6間の電流経路が形成された状態は、AタイプスイッチASWのオン状態に対応する。半導体装置1内で端子T5及びT6間の電流経路が遮断された状態は、AタイプスイッチASWのオフ状態に対応する。
【0015】
端子T7及びT8は、半導体装置1の出力側の端子である。具体的には、端子T7は、半導体装置1が備えるBタイプスイッチBSWの一端(BSWT1)に対応する。端子T8は、半導体装置1が備えるBタイプスイッチBSWの他端(BSWT2)に対応する。半導体装置1は、入力信号VINに基づいて、端子T7及びT8間の電流経路を形成又は遮断し得る。半導体装置1内で端子T7及びT8間の電流経路が形成された状態は、BタイプスイッチBSWのオン状態に対応する。半導体装置1内で端子T7及びT8間の電流経路が遮断された状態は、BタイプスイッチBSWのオフ状態に対応する。
【0016】
<1-1-2>半導体装置1の入出力特性
図2は、第1実施形態に係る半導体装置1の入出力特性の一例を示すテーブルである。
図2は、入力側に対応する電源電圧VCC、接地電圧GND及び入力信号VINのそれぞれの状態と、出力側に対応するAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWのそれぞれの状態との対応関係を示している。
図2に示すように、半導体装置1は、3つの状態のいずれかで動作し得る。なお、接地電圧GNDは、3つの状態のいずれにおいても“L”レベルである。
【0017】
電源電圧VCCが“L”レベルである、又は端子T1に電源が接続されていない場合、半導体装置1は、入力信号VINによる制御を受け付けない状態になる(
図2の“-”)。この場合、AタイプスイッチASWがオフ状態になり、且つBタイプスイッチBSWがオン状態になる。
【0018】
電源電圧VCCが“H”レベルである場合、半導体装置1は、入力信号VINによる制御を受け付ける状態である。すなわち、半導体装置1は、電源電圧VCCが“H”レベルである場合、入力信号VINに基づいて、相補的にAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWをオン・オフ制御する。
【0019】
具体的には、電源電圧VCCが“H”レベルであり且つ入力信号VINが“H”レベルである場合、半導体装置1は、AタイプスイッチASWがオン状態になり、且つBタイプスイッチBSWがオフ状態になるように、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWを制御する。電源電圧VCCが“H”レベルであり且つ入力信号VINが“L”レベルである場合、半導体装置1は、AタイプスイッチASWがオフ状態になり、且つBタイプスイッチBSWがオン状態になるように、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWを制御する。
【0020】
<1-1-3>パッケージPKGの構成
図3は、第1実施形態に係る半導体装置1のパッケージPKGの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パッケージPKGは、例えば、AタイプスイッチASW、BタイプスイッチBSW、集積回路10、ASW制御部20、及びBSW制御部30を含む。
【0021】
AタイプスイッチASWは、NMOSトランジスタENM1及びENM2を含む。NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれは、エンハンスメント型のNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのゲート端は、ノードNG_Aに接続される。NMOSトランジスタENM1のドレイン端は、端子T5に接続される。NMOSトランジスタENM2のドレイン端は、端子T6に接続される。NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのソース端は、ノードNS_Aに接続される。また、
図3には、NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれに対して、ソース端及びドレイン端の間に形成される寄生ダイオードが示されている。NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれがオン状態になった状態が、AタイプスイッチASWのオン状態に対応する。NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれがオフ状態になった状態が、AタイプスイッチASWのオフ状態に対応する。
【0022】
BタイプスイッチBSWは、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2を含む。NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれは、デプレッション型のNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのゲート端は、ノードNG_Bに接続される。NMOSトランジスタDNM1のドレイン端は、端子T7に接続される。NMOSトランジスタDNM2のドレイン端は、端子T8に接続される。NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのソース端は、ノードNS_Bに接続される。また、
図3には、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれに対して、ソース端及びドレイン端の間に形成される寄生ダイオードが示されている。NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれがオン状態になった状態が、BタイプスイッチBSWのオン状態に対応する。NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれがオフ状態になった状態が、BタイプスイッチBSWのオフ状態に対応する。
【0023】
集積回路10は、半導体装置1の入力側に配置される回路であり、ASW制御部20及びBSW制御部30のそれぞれを制御する。集積回路10は、端子T1~T4のそれぞれに接続される。集積回路10は、ノードCA_A及びCA_Bを含む。集積回路10は、端子T1に供給された電源電圧VCCと、端子T2に供給された入力信号VINとに基づいて、ノードCA_A及びCA_Bのそれぞれの電圧を制御するように構成される。また、集積回路10は、例えば、ノードCA_A及び/又はCA_Bを流れる電流に基づいた電流を端子T3に供給できるように構成される。
【0024】
ASW制御部20は、集積回路10の制御に基づいて、AタイプスイッチASWのオンオフを制御する。ASW制御部20は、LED(Light-Emitting Diode)21、受光部22、及びVGS制御回路23を含む。LED21は、集積回路10により発光又は非発光に制御される発光素子である。LED21のアノードは、端子T1に接続される。LED21のカソードは、集積回路10のノードCA_Aに接続される。受光部22は、光照射により電流を生成する受光素子を含む。受光部22は、LED21が発光状態になると、LED21から放出される光を受けてオン状態になる。オン状態の受光部22は、VGS制御回路23に電流を供給する。VGS制御回路23は、受光部22により生成された電流に基づいて動作し、ノードNG_A及びNS_Aの電圧を制御する。ASW制御部20は、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート端に正電圧を印加できるように構成される。これにより、ASW制御部20は、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間に正の電位差を発生させることができる。
【0025】
BSW制御部30は、集積回路10の制御に基づいて、BタイプスイッチBSWのオンオフを制御する。BSW制御部30は、LED(Light-Emitting Diode)31、受光部32、及びVGS制御回路33を含む。LED31は、集積回路10により発光又は非発光に制御される発光素子である。LED31のアノードは、端子T1に接続される。LED31のカソードは、集積回路10のノードCA_Bに接続される。受光部32は、光照射により電流を生成する受光素子を含む。受光部32は、LED31が発光状態になると、LED31から放出される光を受けてオン状態になる。オン状態の受光部32は、VGS制御回路33に電流を供給する。VGS制御回路33は、受光部32により生成された電流に基づいて動作し、ノードNG_B及びNS_Bの電圧を制御する。BSW制御部30は、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のソース端に正電圧を印加できるように構成される。これにより、ASW制御部20は、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間に負の電位差を発生させることができる。
【0026】
<1-1-4>集積回路10の構成
図4は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、集積回路10は、例えば、起動回路11、電源回路12、リセット回路13、イネーブル制御回路14、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18を含む。起動回路11、電源回路12、リセット回路13、イネーブル制御回路14、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18のそれぞれは、端子T4に接続される。以下では、端子T4に接続されたノードのことを、接地ノード(GND)と呼ぶ。
【0027】
起動回路11は、端子T1に供給された電源電圧VCCに基づいて電源電圧VCC1及び3VLDOを生成する。起動回路11は、生成した電源電圧3VLDOを、リセット回路13に供給する。リセット回路13は、起動回路11により供給された電源電圧3VLDOに基づいて動作する。3VLDOは、ロジック回路のハイ側の電圧源であり、例えば、ロードロップ3Vシリーズ電源により生成される。3VLDOの電圧値は、集積回路10の回路構成に応じて適宜変更され得る。また、起動回路11は、生成した電源電圧VCC1を、電源回路12、イネーブル制御回路14、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18のそれぞれに供給する。電源回路12、イネーブル制御回路14、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18のそれぞれは、起動回路11により供給された電源電圧VCC1に基づいて動作する。以下では、電源電圧VCC1の供給に使用されるノードのことを、電源ノードと呼ぶ。なお、起動回路11は、複数種類の電源電圧を生成するように構成されてもよい。起動回路11は、回路構成に応じた少なくとも1種類の電源電圧を、電源回路12、リセット回路13、イネーブル制御回路14、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18のそれぞれに供給するように構成されてもよい。
【0028】
電源回路12は、電流IL1及びIL2を生成し、生成した電流IL1及びIL2をLED制御回路18に供給する。電源回路12は、例えば、電源電圧VCC1が所定の電圧以上である場合に温度依存性を有する電流源を内蔵している。
【0029】
リセット回路13は、リセット信号RSTを生成し、生成したリセット信号RSTをLED制御回路18に供給する。リセット信号RSTは、LED制御回路18に含まれたロジック回路の初期化に使用される制御信号である。リセット回路13の詳細な構成については後述する。
【0030】
イネーブル制御回路14は、イネーブル信号AENB及びBENBを生成し、生成したイネーブル信号AENB及びBENBをLED制御回路18に供給する。イネーブル信号AENBは、AタイプスイッチASWの導通(オンオフ)の制御を有効にするための制御信号である。イネーブル信号AENBが“H”レベルである場合、AタイプスイッチASWの導通の制御が有効になる。イネーブル信号BENBは、BタイプスイッチBSWの導通(オンオフ)の制御を有効にするための制御信号である。イネーブル信号BENBが“H”レベルである場合、BタイプスイッチBSWの導通の制御が有効になる。イネーブル制御回路14の詳細な構成については後述する。
【0031】
発振回路15は、クロック信号CLKを生成し、生成したクロック信号CLKを、LED制御回路18に供給する。クロック信号CLKは、周期的な電気信号である。クロック信号CLKのクロック周波数は、例えば、1MHzである。
【0032】
入力回路16は、端子T2に入力された入力信号VINを受信する。そして、入力回路16は、受信した入力信号VINを入力信号VIN1として、LED制御回路18に供給する。入力回路16は、例えば、レベルシフタを含む。
【0033】
LEDテスト回路17は、ノードCA_A及び/又はCA_Bを流れる電流に基づいた電流を、端子T3に供給する機能を有する。すなわち、LEDテスト回路17は、LED21及び/又はLED31を流れる電流を、端子T3に供給し得る。LED21及び/又はLED31を流れる電流は、端子T3に接続された装置によってモニタされ得る。
【0034】
LED制御回路18は、電流IL1及びIL2、リセット信号RST、イネーブル信号AENB及びBENB、クロック信号CLK、並びに入力信号VIN1に基づいて動作する。LED制御回路18は、ASW制御回路ACNTと、BSW制御回路BCNTとを含む。ASW制御回路ACNTは、ノードCA_Aの電圧を制御する。すなわち、ASW制御回路ACNTは、LED21のカソードの電流を制御する。BSW制御回路BCNTは、ノードCA_Bの電流を制御する。すなわち、BSW制御回路BCNTは、LED31のカソードの電流を制御する。LED制御回路18の詳細な構成については後述する。
【0035】
<1-1-4-1>リセット回路13の構成
図5は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10に含まれたリセット回路13の構成の一例を示す回路図である。
図5に示すように、リセット回路13は、例えば、インバータ131、遅延回路132、及び論理積(AND)回路133を含む。図示が省略されているが、インバータ131、遅延回路132、及びAND回路133のそれぞれは、電源ノード及び接地ノードに接続され、電源電圧3VLDOに基づいて動作する。
【0036】
図4のリセット回路13に入力された電源電圧3VLDOは、インバータ131の入力端と、AND回路133の第1入力端N1とのそれぞれに入力される。インバータ131の出力端は、遅延回路132の入力端に接続される。遅延回路132の出力端は、AND回路133の第2入力端N2に接続される。AND回路133は、第1入力端N1に入力された信号と第2入力端N2に入力された信号との論理積演算を実行し、演算結果をリセット信号RSTとして出力する。
【0037】
以下に、
図6を参照してリセット回路13の動作特性の一例について説明する。
図6は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10に含まれたリセット回路13の動作特性の一例を示すタイムチャートである。
図6は、電源電圧3VLDO、AND回路133の第1入力端N1及び第2入力端N2、並びにリセット信号RSTのそれぞれの電圧の変化を示している。
【0038】
電源電圧3VLDOが“L”レベルを維持している場合、AND回路133の第1入力端N1の電圧は、“L”レベルである。一方で、AND回路133の第2入力端N2の電圧は、インバータ131により反転された電源電圧3VLDOの論理レベルとなるため、“H”レベルである。
【0039】
電源電圧3VLDOが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、AND回路133の第1入力端N1の電圧が、直ちに“L”レベルから“H”レベルに遷移する。このとき、インバータ131の出力信号も“H”レベルから“L”レベルに遷移する。そして、インバータ131の出力信号の論理レベルは、遅延回路132により遅延してからAND回路133の第2入力端N2の電圧に反映される。このため、AND回路133は、ノードN1及びN2のそれぞれの電圧は電源電圧3VLDOが“L”レベルから“H”レベルに遷移してから遅延回路132による遅延時間に基づいた期間だけ“H”レベルとなり、この期間において“H”レベルのリセット信号RSTを出力する。その後、AND回路133は、第1入力端N1の電圧が“H”レベルになり、且つ第2入力端N2の電圧が“L”レベルになったことに基づいて、“L”レベルのリセット信号RSTを出力する。
【0040】
以上で説明されたように、リセット回路13は、電源電圧3VLDOが“L”レベルから“H”レベルに遷移したことに基づいて、1回のパルス信号を出力するように構成される。なお、リセット回路13の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。
【0041】
<1-1-4-2>イネーブル制御回路14の構成
図7は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10に含まれたイネーブル制御回路14の動作特性の一例を示すタイムチャートである。
図7は、電源電圧VCC1、イネーブル信号AENB及びBENBのそれぞれの電圧の変化を示している。
図7に示すように、イネーブル制御回路14は、イネーブル信号AENBの閾値と、イネーブル信号BENBの閾値とが異なるように構成される。また、イネーブル制御回路14は、例えば、イネーブル信号AENB及びBENBのそれぞれの閾値が、電源電圧VCC1が“L”レベルから“H”レベルに遷移する場合と、電源電圧VCC1が“H”レベルから“L”レベルに遷移する場合とで異なるように構成される。
【0042】
具体的には、電源電圧VCC1が“L”レベルから“H”レベルに遷移する場合のイネーブル信号AENBの閾値VTHA1は、電源電圧VCC1が“H”レベルから“L”レベルに遷移する場合のイネーブル信号AENBの閾値VTHA2よりも高い。電源電圧VCC1が“L”レベルから“H”レベルに遷移する場合のイネーブル信号BENBの閾値VTHB1は、電源電圧VCC1が“H”レベルから“L”レベルに遷移する場合のイネーブル信号BENBの閾値VTHB2よりも高い。
【0043】
さらに、イネーブル信号AENBの閾値VTHA1は、イネーブル信号BENBの閾値VTHB1よりも高い。イネーブル信号AENBの閾値VTHA2は、イネーブル信号BENBの閾値VTHB2よりも高い。イネーブル制御回路14において、イネーブル信号AENBの閾値VTHA1及びVTHA2の差DVTHAと、イネーブル信号BENBの閾値VTHB1及びVTHB2の差DVTHBとのそれぞれは、適宜変更され得る。
【0044】
これにより、イネーブル制御回路14では、電源電圧VCC1が“L”レベルから“H”レベルに遷移する過程において、イネーブル信号BENBが“L”レベルから“H”レベルに遷移した後に、イネーブル信号AENBが“L”レベルから“H”レベルに遷移する。また、イネーブル制御回路14では、電源電圧VCC1が“H”レベルから“L”レベルに遷移する過程において、イネーブル信号AENBが“H”レベルから“L”レベルに遷移した後に、イネーブル信号BENBが“H”レベルから“L”レベルに遷移する。
【0045】
以上で説明されたように、イネーブル制御回路14は、イネーブル信号AENBが“H”レベルである期間が、イネーブル信号BENBが“H”レベルである期間に含まれるように構成される。なお、イネーブル制御回路14の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、どのような回路構成であってもよい。
【0046】
<1-1-4-3>LED制御回路18の構成
図8は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10に含まれたLED制御回路18の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、LED制御回路18は、例えば、ドライバ回路40及び50、並びにLED駆動回路60A及び60Bを含む。ドライバ回路40及びLED駆動回路60Aの組が、ASW制御回路ACNTに対応する。ドライバ回路50及びLED駆動回路60Bの組が、BSW制御回路BCNTに対応する。
【0047】
ドライバ回路40は、入力信号VIN1、イネーブル信号AENB、クロック信号CLK、及びリセット信号RSTに基づいて、LED駆動回路60Aを制御する。ドライバ回路40は、AIN生成回路41、及びTONA生成回路42を含む。AIN生成回路41は、制御信号AINを生成する。制御信号AINは、AタイプスイッチASWに関連付けられたLED21の発光を制御する信号である。TONA生成回路42は、制御信号TONAを生成する。制御信号TONAは、AタイプスイッチASWに関連付けられたLED21の発光の立ち上がりの加速に使用される信号である。
【0048】
ドライバ回路50は、入力信号VIN1、イネーブル信号BENB、クロック信号CLK、及びリセット信号RSTに基づいて、LED駆動回路60Bを制御する。ドライバ回路50は、BIN生成回路51、及びTONB生成回路52を含む。BIN生成回路51は、制御信号BINを生成する。制御信号BINは、BタイプスイッチBSWに関連付けられたLED31の発光を制御する信号である。TONB生成回路52は、制御信号TONBを生成する。制御信号TONBは、BタイプスイッチBSWに関連付けられたLED31の発光の立ち上がりの加速に使用される信号である。
【0049】
LED駆動回路60Aは、ノードCA_Aの電圧を制御することによって、LED21の発光及び非発光を制御する。LED駆動回路60Aは、ノードIN1~IN4及びOUTを有する。LED駆動回路60AのノードIN1には、制御信号AINが入力される。LED駆動回路60AのノードIN2には、制御信号TONAが入力される。LED駆動回路60AのノードIN3には、電流IL1が入力される。LED駆動回路60AのノードIN4には、電流IL2が入力される。LED駆動回路60AのノードOUTは、ノードCA_Aに接続される。LED駆動回路60Aは、例えば、制御信号AIN及びTONAに基づいて電流IL1及び/又はIL2を増幅する。そして、LED駆動回路60Aは、増幅した電流IL1及び/又はIL2によって、ノードOUTの電流を制御し得る。
【0050】
LED駆動回路60Bは、ノードCA_Bの電圧を制御することによって、LED31の発光及び非発光を制御する。LED駆動回路60Bは、ノードIN1~IN4及びOUTを有する。LED駆動回路60BのノードIN1には、制御信号BINが入力される。LED駆動回路60BのノードIN2には、制御信号TONBが入力される。LED駆動回路60BのノードIN3には、電流IL1が入力される。LED駆動回路60BのノードIN4には、電流IL2が入力される。LED駆動回路60BのノードOUTは、LED31のノードCA_Bに接続される。LED駆動回路60Bは、例えば、制御信号BIN及びTONBに基づいて電流IL1及び/又はIL2を増幅する。そして、LED駆動回路60Bは、増幅した電流IL1及び/又はIL2によって、ノードOUTの電流を制御し得る。
【0051】
以下に、LED制御回路18に含まれたAIN生成回路41、TONA生成回路42、BIN生成回路51、TONB生成回路52、並びにLED駆動回路60A及び60Bのそれぞれの詳細な回路構成について順に説明する。なお、LED駆動回路60A及び60Bは、入力される制御信号と、接続されるノードCAとが異なることを除いて、共通の回路構成を有する。このため、以下では、LED駆動回路60A及び60B間で共通の回路構成について、LED駆動回路60の回路構成として説明する。
【0052】
また、以下で参照される図面に記載されたカウンタCTは、同期式カウンタである。カウンタCTは、例えば、クロック入力端子CKと、リセット端子Rと、出力端子Q0~Q13とを有する。カウンタCTは、クロック入力端子CKに入力されたクロック信号のカウント動作を実行する。そして、カウンタCTは、カウント結果を出力端子Q0~Q13から出力する。カウント結果は、出力端子Q0~Q13からの出力信号により2進数で示される。例えば、カウンタCTは、クロック信号を2k回(kは0以上13以下の整数)カウントした場合に、出力端子Qkからの出力信号を“H”レベルにするように構成される。また、カウンタCTは、リセット端子Rに“H”レベルの信号が入力されたことに基づいてリセットされるように構成される。リセットされたカウンタCTは、出力端子Q0~Q13のそれぞれから“L”レベルの信号を出力する。なお、カウンタCTが備える出力端子Qの数は、その他の数であってもよい。
【0053】
また、以下で参照される図面に記載されたフリップフロップ回路FFは、D型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路FFは、データ入力端子Dと、クロック入力端子CKと、リセット端子Rと、非反転出力端子Qと、反転出力端子QNとを有する。フリップフロップ回路FFは、クロック入力端子に入力された信号に応じて、データ入力端子Dに入力された信号をサンプリングする。そして、フリップフロップ回路FFは、サンプリング結果を、非反転出力信号として、非反転出力端子Qから出力する。また、フリップフロップ回路FFは、非反転出力信号を反転させた反転出力信号を、反転出力端子QNから出力する。また、フリップフロップ回路FFは、リセット端子Rに“H”レベルの信号が入力されたことに基づいてリセットされるように構成される。リセットされたフリップフロップ回路FFは、非反転出力端子Qから“L”レベルの信号を出力する。
【0054】
(1:AIN生成回路41の回路構成)
図9は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるAIN生成回路41の回路構成の一例を示す回路図である。
図9に示すように、AIN生成回路41は、例えば、論理積(AND)回路AN10~AN13、論理和(OR)回路OR10~OR12、インバータIV10及びIV11、カウンタCT10、並びにフリップフロップ回路FF10を含む。図示が省略されているが、AND回路AN10~AN13、OR回路OR10~OR12、インバータIV10及びIV11、カウンタCT10、並びにフリップフロップ回路FF10のそれぞれは、電源ノード及び接地ノードに接続され、電源ノードに印加された電源電圧VCC1に基づいて動作する。
【0055】
AND回路AN10は、クロック信号CLKと、入力信号VIN1と、制御信号BINとの論理積演算を実行し、演算結果をクロック信号CLKAとして出力する。カウンタCT10は、クロック入力端子CKに入力されたクロック信号CLKAのカウント動作を実行し、カウント結果を出力端子Q0~Q13から出力する。AND回路AN11は、カウンタCT10の出力端子Q5、Q6及びQ8のそれぞれの出力信号の論理積演算を実行し、演算結果を出力する。AND回路AN12は、AND回路AN11の出力信号と、カウンタCT10の出力端子Q11の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。
【0056】
AND回路AN13は、AND回路AN12の出力信号と、フリップフロップ回路FF10の反転出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。フリップフロップ回路FF10のクロック入力端子CKには、AND回路AN13の出力信号が入力される。フリップフロップ回路FF10のデータ入力端子Dは、フリップフロップ回路FF10の反転出力端子QNに接続される。フリップフロップ回路FF10の非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号が、制御信号AINに対応する。リセットされた状態のフリップフロップ回路FF10は、クロック入力端子CKに“H”レベルの信号が入力されると、非反転出力端子Qから“H”レベルの非反転出力信号を出力する。
【0057】
インバータIV10は、イネーブル信号AENBを反転させて、イネーブル信号EAとして出力する。インバータIV11は、入力信号VIN1を反転させて、入力信号VIN1BARとして出力する。OR回路OR10は、イネーブル信号EAと、入力信号VIN1BARと、AND回路AN12の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR11は、OR回路OR10の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR11の出力信号は、カウンタCT10のリセット端子Rに入力される。OR回路OR12は、イネーブル信号AENBと、入力信号VIN1BARと、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR12の出力信号は、フリップフロップ回路FF10のリセット端子Rに入力される。
【0058】
以上で説明されたAIN生成回路41は、リセット信号RSTが“H”レベルになると、カウンタCT10及びフリップフロップ回路FF10のそれぞれがリセットされるように構成される。また、AIN生成回路41は、イネーブル信号AENBが“H”レベルである状態で入力信号VIN1が“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、カウンタCT10とAND回路AN11及びAN12との組によるデッドタイム(以下では、“デッドタイムDT1”と呼ぶ)が経過した後に、制御信号AINを“L”レベルから“H”レベルに遷移させる。そして、イネーブル信号AENBが“H”レベルである状態で入力信号VIN1が“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、OR回路OR12の出力信号が“H”レベルになり、フリップフロップ回路FF10がリセットされる。すなわち、AIN生成回路41は、入力信号VIN1が“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、制御信号AINを直ちに“H”レベルから“L”レベルに遷移させる。
【0059】
なお、AIN生成回路41の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。デッドタイムDT1は、AND回路AN11及びAN12と、カウンタCT10との接続を変更することによって、簡便に変更され得る。デッドタイムDT1を形成することが可能であれば、カウンタCT10とAND回路AN11及びAN12との組が使用されなくてもよい。カウンタCT10は、アナログ回路で構成されてもよい。例えば、カウンタCT10は、微小電流源、逆ワイドラー回路、容量などにより構成される遅延回路でもよい。
【0060】
(2:TONA生成回路42の回路構成)
図10は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるTONA生成回路42の回路構成の一例を示す回路図である。
図10に示すように、TONA生成回路42は、例えば、論理積(AND)回路AN20~AN24、論理和(OR)回路OR20~OR23、インバータIV20、遅延回路DC20、カウンタCT20、並びにフリップフロップ回路FF20を含む。図示が省略されているが、AND回路AN20~AN24、OR回路OR20~OR23、インバータIV20、遅延回路DC20、カウンタCT20、並びにフリップフロップ回路FF20のそれぞれは、電源ノード及び接地ノードに接続され、電源ノードに印加された電源電圧VCC1に基づいて動作する。
【0061】
インバータIV20は、制御信号AINを反転させて出力する。遅延回路DC20は、インバータIV20の出力信号を遅延させて出力する。AND回路AN20は、制御信号AINと、遅延回路DC20の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。インバータIV20と、遅延回路DC20と、AND回路AN20との組は、制御信号AINが“H”レベルになったことに基づいて、1回のパルス信号を出力する。
【0062】
AND回路AN21は、AND回路AN20の出力信号と、フリップフロップ回路FF20の反転出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。フリップフロップ回路FF20のクロック入力端子CKには、AND回路AN21の出力信号が入力される。フリップフロップ回路FF20のデータ入力端子Dは、フリップフロップ回路FF20の反転出力端子QNに接続される。フリップフロップ回路FF20の非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号が、制御信号TONAに対応する。リセットされた状態のフリップフロップ回路FF20は、クロック入力端子CKにパルス信号が入力されると、非反転出力端子Qから“H”レベルの非反転出力信号を出力する。
【0063】
AND回路AN22は、制御信号AINと、クロック信号CLKAとの論理積演算を実行し、演算結果をクロック信号CLKA1として出力する。カウンタCT20は、クロック入力端子CKに入力されたクロック信号CLKA1のカウント動作を実行し、カウント結果を出力端子Q0~Q13から出力する。AND回路AN23は、カウンタCT20の出力端子Q2、Q5及びQ7のそれぞれの出力信号の論理積演算を実行し、演算結果を出力する。AND回路AN24は、AND回路AN23の出力信号と、カウンタCT20の出力端子Q9及びQ10のそれぞれの出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。
【0064】
OR回路OR20は、イネーブル信号EAと、入力信号VIN1BARと、AND回路AN24の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR21は、OR回路OR20の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR21の出力信号は、カウンタCT20のリセット端子Rに入力される。OR回路OR22は、イネーブル信号EAと、入力信号VIN1BARと、AND回路AN24の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR23は、OR回路OR22の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR23の出力信号は、フリップフロップ回路FF20のリセット端子Rに入力される。
【0065】
以上で説明されたTONA生成回路42は、リセット信号RSTが“H”レベルになると、カウンタCT20及びフリップフロップ回路FF20のそれぞれがリセットされるように構成される。また、TONA生成回路42は、イネーブル信号EAが“L”レベルである状態、すなわちイネーブル信号AENBが“H”レベルである状態で制御信号AINが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、制御信号TONAを直ちに“L”レベルから“H”レベルに遷移させる。そして、制御信号AINが“H”レベルに遷移してから、カウンタCT20とAND回路AN23及びAN24との組によるデッドタイム(以下では、“デッドタイムDT2”と呼ぶ)が経過すると、OR回路OR23の出力信号が“H”レベルになり、フリップフロップ回路FF20がリセットされる。言い換えると、TONA生成回路42は、制御信号AINが“L”レベルから“H”レベルに遷移したことに基づいて、デッドタイムDT2の期間だけ“H”レベルの制御信号TONAを出力する。
【0066】
なお、TONA生成回路42の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。デッドタイムDT2は、AND回路AN23及びAN24と、カウンタCT20との接続を変更することによって、簡便に変更され得る。デッドタイムDT2を形成することが可能であれば、カウンタCT20とAND回路AN23及びAN24との組が使用されなくてもよい。カウンタCT20は、アナログ回路で構成されてもよい。例えば、カウンタCT20は、微小電流源、逆ワイドラー回路、容量、コンパレータなどにより構成されるワンショットパルス生成回路でもよい。
【0067】
(3:BIN生成回路51の回路構成)
図11は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるBIN生成回路51の回路構成の一例を示す回路図である。
図11に示すように、BIN生成回路51は、例えば、論理積(AND)回路AN30~AN34、論理和(OR)回路OR30~OR33、インバータIV30~IV37、遅延回路DC30、カウンタCT30、並びにフリップフロップ回路FF30を含む。図示が省略されているが、AND回路AN30~AN34、OR回路OR30~OR33、インバータIV30~IV37、遅延回路DC30、カウンタCT30、並びにフリップフロップ回路FF30のそれぞれは、電源ノード及び接地ノードに接続され、電源ノードに印加された電源電圧VCC1に基づいて動作する。
【0068】
インバータIV30は、制御信号AINを反転させて出力する。インバータIV31は、入力信号VIN1を反転させて出力する。インバータIV32は、インバータIV31の出力信号を反転させて出力する。AND回路AN30は、クロック信号CLKと、インバータIV30の出力信号と、インバータIV31の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果をクロック信号CLKBとして出力する。カウンタCT30は、クロック入力端子CKに入力されたクロック信号CLKBのカウント動作を実行し、カウント結果を出力端子Q0~Q13から出力する。AND回路AN31は、カウンタCT30の出力端子Q5、Q6及びQ8のそれぞれの出力信号の論理積演算を実行し、演算結果を出力する。AND回路AN32は、AND回路AN31の出力信号と、カウンタCT30の出力端子Q11の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。
【0069】
AND回路AN33は、AND回路AN32の出力信号と、フリップフロップ回路FF30の反転出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。フリップフロップ回路FF30のクロック入力端子CKには、AND回路AN33の出力信号が入力される。フリップフロップ回路FF30のデータ入力端子Dは、フリップフロップ回路FF30の反転出力端子QNに接続される。フリップフロップ回路FF30の非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号は、インバータIV33に出力される。リセットされた状態のフリップフロップ回路FF30は、クロック入力端子CKに“H”レベルの信号が入力されると、“H”レベルの非反転出力信号を出力する。インバータIV33は、フリップフロップ回路FF30の非反転出力信号を反転させて、制御信号BINbとして出力する。OR回路OR30は、制御信号BINbと、インバータIV32の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を制御信号BINとして出力する。
【0070】
インバータIV34は、イネーブル信号BENBを反転させて、イネーブル信号EBとして出力する。OR回路OR31は、イネーブル信号EBと、インバータIV32の出力信号と、AND回路AN32の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR32は、OR回路OR31の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR32の出力信号は、カウンタCT30のリセット端子Rに入力される。
【0071】
インバータIV35は、入力信号VIN1を反転させて、入力信号VIN1BARとして出力する。インバータIV31に入力される入力信号VIN1のレベルと、インバータIV35に入力される入力信号VIN1のレベルとは、異なっていてもよい。インバータIV36は、入力信号VIN1BARを反転させて出力する。インバータIV37は、インバータIV36の出力信号を反転させて出力する。遅延回路DC30は、インバータIV37の出力信号を遅延させて出力する。AND回路AN34は、インバータIV36の出力信号と、遅延回路DC30の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。インバータIV37と、遅延回路DC30と、AND回路AN34との組は、入力信号VIN1が“H”レベルになったことに基づいて、1回のパルス信号を出力する。OR回路OR33は、イネーブル信号EBと、AND回路AN34の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR33の出力信号は、フリップフロップ回路FF30のリセット端子Rに入力される。
【0072】
以上で説明されたBIN生成回路51は、リセット信号RSTが“H”レベルになると、カウンタCT30及びフリップフロップ回路FF30のそれぞれがリセットされるように構成される。また、イネーブル信号BENBが“H”レベルである状態で入力信号VIN1が“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、OR回路OR33が1回のパルス信号をフリップフロップ回路FF30に入力し、フリップフロップ回路FF30がリセットされる。これにより、BIN生成回路51は、入力信号VIN1が“L”レベルから“H”レベルに遷移したことに基づいて、制御信号BINを直ちに“L”レベルから“H”レベルに遷移させる。そして、イネーブル信号BENBが“H”レベルである状態で入力信号VIN1が“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、カウンタCT30がクロック信号CLKBのカウント動作を開始する。すると、BIN生成回路51は、入力信号VIN1が“L”レベルに遷移してから、カウンタCT30とAND回路AN31及びAN32との組によるデッドタイム(以下では、“デッドタイムDT3”と呼ぶ)が経過した後に、制御信号BINを“H”レベルから“L”レベルに遷移させる。
【0073】
なお、BIN生成回路51の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。デッドタイムDT3は、AND回路AN31及びAN32と、カウンタCT30との接続を変更することによって、簡便に変更され得る。デッドタイムDT3を形成することが可能であれば、カウンタCT30とAND回路AN31及びAN32との組が使用されなくてもよい。カウンタCT30は、アナログ回路で構成されてもよい。例えば、カウンタCT30は、微小電流源、逆ワイドラー回路、容量などにより構成された遅延回路でもよい。
【0074】
(4:TONB生成回路52の回路構成)
図12は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるTONB生成回路52の回路構成の一例を示す回路図である。
図12に示すように、TONB生成回路52は、例えば、論理積(AND)回路AN40~AN45、論理和(OR)回路OR40~OR43、インバータIV40~IV42、遅延回路DC40、カウンタCT40、並びにフリップフロップ回路FF40を含む。図示が省略されているが、AND回路AN40~AN45、OR回路OR40~OR43、インバータIV40~IV42、遅延回路DC40、カウンタCT40、並びにフリップフロップ回路FF40のそれぞれは、電源ノード及び接地ノードに接続され、電源ノードに印加された電源電圧VCC1に基づいて動作する。
【0075】
インバータIV40は、入力信号VIN1を反転させて出力する。遅延回路DC40は、インバータIV40の出力信号を遅延させて出力する。インバータIV41は、遅延回路DC40の出力信号を反転させて出力する。AND回路AN40は、入力信号VIN1と、インバータIV41の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。インバータIV40と、遅延回路DC40と、インバータIV41と、AND回路AN40との組は、“H”レベルの入力信号VIN1を遅延させて出力する。例えば、インバータIV40と、遅延回路DC40と、インバータIV41と、AND回路AN40との組による信号の遅延によって、BIN生成回路51から出力される制御信号BINと、TONB生成回路52から出力される制御信号TONBとが同期される。
【0076】
AND回路AN41は、AND回路AN40の出力信号と、フリップフロップ回路FF40の反転出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。フリップフロップ回路FF40のクロック入力端子CKには、AND回路AN41の出力信号が入力される。フリップフロップ回路FF40のデータ入力端子Dは、フリップフロップ回路FF40の反転出力端子QNに接続される。フリップフロップ回路FF40の非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号が、制御信号TONBに対応する。リセットされた状態のフリップフロップ回路FF40は、クロック入力端子CKに“H”レベルの信号が入力されると、“H”レベルの非反転出力信号を出力する。
【0077】
インバータIV42は、イネーブル信号EBを反転させて出力する。AND回路AN42は、入力信号VIN1と、制御信号BINbと、クロック信号CLKBとの論理積演算を実行し、演算結果を出力する。AND回路AN43は、インバータIV42の出力信号と、AND回路AN42の出力信号との論理積演算を実行し、演算結果をクロック信号CLKB1として出力する。カウンタCT40は、クロック入力端子CKに入力されたクロック信号CLKB1のカウント動作を実行し、カウント結果を出力端子Q0~Q13から出力する。AND回路AN44は、カウンタCT40の出力端子Q2、Q5及びQ7のそれぞれの出力信号の論理積演算を実行し、演算結果を出力する。AND回路AN45は、AND回路AN44の出力信号と、カウンタCT40の出力端子Q9及びQ10のそれぞれの出力信号との論理積演算を実行し、演算結果を出力する。
【0078】
OR回路OR40は、イネーブル信号EBと、入力信号VIN1BARと、AND回路AN45の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR41は、OR回路OR40の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR41の出力信号は、カウンタCT40のリセット端子Rに入力される。OR回路OR42は、イネーブル信号EBと、入力信号VIN1BARと、AND回路AN45の出力信号との論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR43は、OR回路OR42の出力信号と、リセット信号RSTとの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。OR回路OR43の出力信号は、フリップフロップ回路FF40のリセット端子Rに入力される。
【0079】
以上で説明されたTONB生成回路52は、リセット信号RSTが“H”レベルになると、カウンタCT40及びフリップフロップ回路FF40のそれぞれがリセットされるように構成される。また、TONB生成回路52は、イネーブル信号EBが“L”レベルである状態で制御信号BINが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、入力信号VINBと同期させて、制御信号TONBを“L”レベルから“H”レベルに遷移させる。そして、制御信号BINが“H”レベルに遷移してから、カウンタCT40とAND回路AN44及びAN45との組によるデッドタイム(以下では、“デッドタイムDT4”と呼ぶ)が経過すると、OR回路OR43の出力信号が“H”レベルになり、フリップフロップ回路FF40がリセットされる。言い換えると、TONB生成回路52は、制御信号BINが“L”レベルから“H”レベルに遷移したことに基づいて、デッドタイムDT4の期間だけ“H”レベルの制御信号TONBを出力する。
【0080】
なお、TONB生成回路52の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。デッドタイムDT4は、AND回路AN44及びAN45と、カウンタCT40との接続を変更することによって、簡便に変更され得る。デッドタイムDT4を形成することが可能であれば、カウンタCT40とAND回路AN44及びAN45との組が使用されなくてもよい。カウンタCT40は、アナログ回路で構成されてもよい。例えば、カウンタCT40は、微小電流源、逆ワイドラー回路、容量、コンパレータなどにより構成されるワンショットパルス生成回路でもよい。
【0081】
(5:LED駆動回路60の回路構成)
図13は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるLED駆動回路60の回路構成の一例を示す回路図である。
図13に示すように、LED駆動回路60は、例えば、ノードIN1~IN5及びOUT、インバータIV50~IV54、否定論理和(NOR)回路NR50、NMOSトランジスタNM50~NM54、及びPMOSトランジスタPM50を含む。図示が省略されているが、インバータIV50~IV54、及びNOR回路NR50のそれぞれは、電源ノード及び接地ノードに接続され、電源ノードに印加された電源電圧VCC1に基づいて動作する。
【0082】
ノードIN1は、インバータIV50及びIV51を介して、NMOSトランジスタNM50のゲート端に接続される。ノードIN1には、制御信号LEDONが入力される。制御信号LEDONは、LED駆動回路60Aの場合に制御信号AINに対応し、LED駆動回路60Bの場合に制御信号BINに対応する。
【0083】
ノードIN2は、インバータIV52及びIV53を介して、NMOSトランジスタNM51のゲート端に接続される。ノードIN2には、制御信号RUSHONが入力される。制御信号RUSHONは、LED駆動回路60Aの場合に制御信号TONAに対応し、LED駆動回路60Bの場合に制御信号TONBに対応する。
【0084】
NMOSトランジスタNM50のドレイン端は、ノードIN3に接続される。NMOSトランジスタNM51のドレイン端は、ノードIN4に接続される。ノードIN3には、電流IL1が供給される。ノードIN4には、電流IL2が供給される。NMOSトランジスタNM50及びNM51のそれぞれのソース端は、ノードIN5に接続される。
【0085】
NMOSトランジスタNM52のゲート端及びドレイン端は、ノードIN5に接続される。NMOSトランジスタNM52のソース端は、接地ノード(GND)に接続される。NMOSトランジスタNM53のゲート端は、ノードIN5に接続される。NMOSトランジスタNM53のドレイン端は、ノードOUTに接続される。NMOSトランジスタNM53のソース端は、接地ノード(GND)に接続される。NMOSトランジスタNM52及びNM53は、カレントミラー回路を構成している。NMOSトランジスタNM52及びNM53のカレントミラー比は、例えば、1:100である。
【0086】
NOR回路NR50の第1入力端及び第2入力端は、それぞれノードIN1及びIN2に接続される。NOR回路NR50は、制御信号LEDON及びRUSHONの論理和演算を実行し、演算結果を出力する。NOR回路NR50の出力端は、NMOSトランジスタNM54のゲート端に接続される。NMOSトランジスタNM54のドレイン端は、ノードIN5に接続される。NMOSトランジスタNM54のソース端は、接地ノード(GND)に接続される。NMOSトランジスタNM54は、ノードIN5の放電経路として使用される。
【0087】
また、NOR回路NR50の出力端は、インバータIV54を介して、PMOSトランジスタPM50のゲート端に接続される。PMOSトランジスタPM50のソース端には、電源電圧VCC1が印加される。PMOSトランジスタPM50のドレイン端は、ノードOUTに接続される。ノードOUTは、ノードCAに接続される。ノードCAは、LED駆動回路60Aの場合にノードCA_A(LED21のカソード)に対応し、LED駆動回路60Bの場合にノードCA_B(LED31のカソード)に対応する。
【0088】
制御信号LEDON及びRUSHONのそれぞれが“L”レベルである場合、PMOSトランジスタPM50とNMOSトランジスタNM54とのそれぞれがオン状態になり、NMOSトランジスタNM50及びNM51のそれぞれがオフ状態になる。NMOSトランジスタNM50及びNM51のそれぞれがオフ状態である場合、ノードIN5には、電流IL1及びIL2のいずれも供給されない。また、NMOSトランジスタNM54がオン状態である場合、ノードIN5がNMOSトランジスタNM54を介して放電され、“L”レベルになる。このため、NMOSトランジスタNM52及びNM53のそれぞれがオフ状態になる。そして、ノードOUTがPMOSトランジスタPM50を介して充電され、ノードCAの電圧が上昇する。その結果、LED駆動回路60に対応付けられたLEDは、アノード及びカソード間の電圧差が小さくなり、非発光状態となる。
【0089】
図14は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるLED駆動回路60の動作特性の第1例を示す回路図である。第1例は、LED駆動回路60において、制御信号LEDON及びRUSHONのそれぞれが“H”レベルである場合に対応する。
図14に示すように、制御信号LEDON及びRUSHONのそれぞれが“H”レベルである場合、NMOSトランジスタNM50及びNM51のそれぞれがオン状態になる。また、NOR回路NR50が“L”レベルの信号を出力するため、NMOSトランジスタNM54がオフ状態になる。さらに、インバータIV54が“H”レベルの信号を出力するため、PMOSトランジスタPM50がオフ状態になる。
【0090】
NMOSトランジスタNM50及びNM51のそれぞれがオン状態になると、ノードIN5が、NMOSトランジスタNM50を介して供給された電流IL1と、NMOSトランジスタNM51を介して供給された電流IL2とによって充電される。すると、電流IL1と電流IL2との合計の電流IL1+IL2が、NMOSトランジスタNM52及びNM53によって構成されるカレントミラー回路によって増幅される。そして、カレントミラー回路によって増幅された電流IL3が、NMOSトランジスタNM53を流れる。これにより、ノードOUTが放電され、対応付けられたLEDのカソードの電圧が下降する。例えば、電流IL3の量は、(IL1+IL2)×100(“100”はカレントミラー比)によって算出される値に相当する。
【0091】
図15は、第1実施形態に係る半導体装置1が備える集積回路10におけるLED駆動回路60の動作特性の第2例を示す回路図である。第2例は、LED駆動回路60において、第1例に対応する状態の後に制御信号RUSHONが“H”レベルから“L”レベルに遷移した場合に対応する。
図15に示すように、制御信号LEDONが“H”レベルであり、且つ制御信号RUSHONが“L”レベルである場合、NMOSトランジスタNM50がオン状態になり、NMOSトランジスタNM51がオフ状態になる。また、NOR回路NR50が“L”レベルの信号を出力するため、NMOSトランジスタNM54がオフ状態になる。さらに、インバータIV54が“H”レベルの信号を出力するため、PMOSトランジスタPM50がオフ状態になる。
【0092】
NMOSトランジスタNM50がオン状態になり、且つNMOSトランジスタNM51がオフ状態になると、ノードIN5が、NMOSトランジスタNM50を介して供給された電流IL1によって充電される。すると、電流IL1が、NMOSトランジスタNM52及びNM53によって構成されるカレントミラー回路によって増幅される。そして、カレントミラー回路によって増幅された電流IL4が、NMOSトランジスタNM53を流れる。これにより、ノードOUTが放電され、対応付けられたLEDのカソードの電圧が“L”レベルを維持する。例えば、電流IL4の量は、(IL1)×100(“100”はカレントミラー比)によって算出される値に相当する。第2例では、電流IL2がカレントミラー回路により増幅されないため、第1例よりもノードOUTを放電する電流量が小さくなる。
【0093】
なお、LED駆動回路60の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。LEDテスト回路17は、例えば、電流IL3又はIL4に基づいた電流を、端子T3に入力可能に構成される。制御信号RUSHONに基づいてLED21及び/又は31を流れる電流は、電流IL3及び電流IL4の差に基づいて判定されてもよい。制御信号RUSHONに対応する制御信号を生成するTONA生成回路42及びTONB生成回路52のそれぞれは、“LED電流増幅(加算)回路”、“電流増幅(加算)回路”と呼ばれてもよい。この電流増幅(加算)回路は、制御信号AIN又はBINの立ち上がりから所定の時間だけLED21又は31を流れる電流を増幅(加算)するように構成される。
【0094】
<1-1-5>ASW制御部20の構成
図16は、第1実施形態に係る半導体装置1が備えるASW制御部20に含まれた受光部22及びVGS制御回路23の回路構成の一例を示す回路図である。
図16に示すように、受光部22は、例えば、フォトダイオードアレイ22a、22b及び22c、並びにフォトダイオードPD1及びPD2を含む。フォトダイオードアレイ22a、22b及び22cのそれぞれは、直列に接続されたフォトダイオードを含む。VGS制御回路23は、例えば、ノードND1~ND5、AGND1及びAGND2、ダイオードDI、ツェナーダイオードZD1及びZD2、抵抗素子R60~R63、デプレッションNMOSトランジスタNM60、NPNトランジスタNPN1~NPN3、並びに電流調整回路24を含む。デプレッションNMOSトランジスタNM60は、デプレッション型のNMOSトランジスタである。
【0095】
フォトダイオードアレイ22aのアノード側の端部は、ノードND1に接続される。フォトダイオードアレイ22aのカノード側の端部は、ノードAGND1に接続される。フォトダイオードアレイ22aは、光照射に基づいて電流を生成し、ノードND1及びAGND1間に電位差を発生させる。フォトダイオードアレイ22bのアノード側の端部は、ノードAGND1に接続される。フォトダイオードアレイ22bのカノード側の端部は、ノードND2に接続される。フォトダイオードアレイ22bは、光照射に基づいて電流を生成し、ノードAGND1及びND2間に電位差を発生させる。フォトダイオードアレイ22cのアノード側の端部は、ノードND3に接続される。フォトダイオードアレイ22cのカノード側の端部は、ノードND1に接続される。フォトダイオードアレイ22cは、光照射に基づいて電流を生成し、ノードND3及びND1間に電位差を発生させる。
【0096】
フォトダイオードPD1のアノードは、ノードND1に接続される。フォトダイオードPD1のカソードは、ノードND4に接続される。フォトダイオードPD2のアノードは、ノードND3に接続される。フォトダイオードPD2のカソードは、ノードND4に接続される。以下では、ノードND1を流れる電流のことを“I1”と呼び、ノードND2を流れる電流のことを“I2”と呼び、ノードND3を流れる電流のことを“I3”と呼ぶ。ノードND4には、フォトダイオードPD1を介して流れた電流I1と、フォトダイオードPD2を介して流れた電流I3とが流れ込む。
【0097】
電流調整回路24は、受光部22により生成された電圧に基づいて動作する。電流調整回路24は、VGS制御回路23のノードND1~ND3及びAGND1のそれぞれに接続される。電流調整回路24には、ノードND2を介して電流I2が入力される。電流調整回路24は、例えば、ノードND1~ND3のそれぞれを流れる電流を制御する電流源などを含む。電流調整回路24の電流I1~I3は、LED21を流れるLED電流に基づいて照射された光の受光部22における受光面照度と受光面積に比例する。よって、LED21のLED電流が制御されることにより、電流I1~I3のそれぞれがAタイプスイッチASWの駆動に適切な大きさに調整される。
【0098】
抵抗素子R60は、ノードND2及びAGND1間に接続される。抵抗素子R61は、ノードND2と、デプレッションNMOSトランジスタNM60のゲート端との間に接続される。デプレッションNMOSトランジスタNM60のドレイン端は、ノードND4に接続される。デプレッションNMOSトランジスタNM60のソース端は、ノードAGND1に接続される。NPNトランジスタNPN1のベース端は、ノードAGND1とデプレッションNMOSトランジスタNM60のソース端とに接続される。NPNトランジスタNPN1のコレクタ端は、ノードND4に接続される。NPNトランジスタNPN1のエミッタ端は、ノードAGND2に接続される。デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組は、ダーリントン接続されている。デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組は、ノードND4からノードAGND1及びAGND2への放電経路として使用される。なお、デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組は、“ダーリントントランジスタ”と呼ばれてもよい。
【0099】
ダイオードDIのアノードは、ノードAGND2に接続される。ダイオードDIのカソードは、ノードAGND1に接続される。ツェナーダイオードZD1のアノードは、ツェナーダイオードZD2のアノードに接続される。ツェナーダイオードZD1のカソードは、ノードND4に接続される。ツェナーダイオードZD2のカソードは、ノードAGND2に接続される。ツェナーダイオードZD1及びZD2の組は、VGS制御回路23の保護回路として機能する。
【0100】
NPNトランジスタNPN2のベース端及びコレクタ端は、ノードND4に接続される。NPNトランジスタNPN2のエミッタ端は、抵抗素子R62の一端に接続される。抵抗素子R62の他端は、ノードND5に接続される。NPNトランジスタNPN2は、ノードND4及びND5間でダイオード接続されており、ノードND4からノードND5へ向かう方向への整流特性を有する。NPNトランジスタNPN2及び抵抗素子R62の組は、ノードND5の充電経路に対応する。
【0101】
NPNトランジスタNPN3のエミッタ端は、ノードND4に接続される。NPNトランジスタNPN3のベース端及びコレクタ端は、抵抗素子R63の一端に接続される。抵抗素子R63の他端は、ノードND5に接続される。NPNトランジスタNPN3は、ノードND4及びND5間でダイオード接続されており、ノードND5からノードND4へ向かう方向への整流特性を有する。NPNトランジスタNPN3及び抵抗素子R63の組は、ノードND5の放電経路に対応する。
【0102】
ノードAGND2は、ノードNS_Aに接続される。すなわち、ノードAGND2の電圧が、AタイプスイッチASWに含まれたNMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのソース端に印加される。VGS制御回路23のノードND5は、ノードNG_Aに接続される。すなわち、VGS制御回路23のノードND5の電圧が、AタイプスイッチASWに含まれたNMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのゲート端に印加される。
【0103】
受光部22にLED21の光が照射されていない場合、デプレッションNMOSトランジスタNM60のゲート端に電圧が印加されないため、デプレッションNMOSトランジスタNM60がオン状態となる。このため、ノードND4が、デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組(すなわち、ダーリントントランジスタ)を介して放電される。また、ノードND5(すなわち、ノードNG_A)が、NPNトランジスタNPN3を介して、抵抗素子R63の抵抗値と、AタイプスイッチASWに含まれたNMOSトランジスタENM1及びENM2の入力容量とに基づいた早さで放電される。
【0104】
受光部22にLED21の光が照射されている場合、フォトダイオードアレイ22bによってデプレッションNMOSトランジスタNM60のゲート端に負電圧が印加されるため、デプレッションNMOSトランジスタNM60がオフ状態となる。このため、デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組(すなわち、ダーリントントランジスタ)による放電経路が遮断される。また、受光部22により生成された電流I1及びI2がノードND4に供給され、ノードND4の電圧が上昇する。そして、ノードND5(すなわち、ノードNG_A)が、NPNトランジスタNPN2を介して、抵抗素子R62の抵抗値と、AタイプスイッチASWに含まれたNMOSトランジスタENM1及びENM2の入力容量とに基づいた早さで充電される。これにより、VGS制御回路23は、NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのゲート端に、正電圧を印加することができる。言い換えると、VGS制御回路23は、NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのゲート-ソース間に正の電位差を発生させることができる。
【0105】
なお、抵抗素子R62の抵抗値は、抵抗素子R63の抵抗値よりも高く設計される。抵抗素子R62の抵抗値は、例えば、1キロオームである。抵抗素子R63の抵抗値は、例えば、100オームである。このため、ノードNG_Aの放電速度、すなわちノードND5からノードND4への放電速度は、ノードNG_Aの充電速度、すなわちノードND4からノードND5への充電速度よりも早くなる。このように、ASW制御部20は、AタイプスイッチASWのオフ状態からオン状態への遷移が遅くなるように、且つ、AタイプスイッチASWのオン状態からオフ状態への遷移が早くなるように構成される。ASW制御部20の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。
【0106】
<1-1-6>BSW制御部30の構成
図17は、第1実施形態に係る半導体装置1が備えるBSW制御部30に含まれた受光部32及びVGS制御回路33の回路構成の一例を示す回路図である。
図17に示すように、受光部32は、例えば、フォトダイオードアレイ32a、32b及び32c、並びにフォトダイオードPD1及びPD2を含む。VGS制御回路33は、例えば、ノードND1~ND5、BGND1及びBGND2、ダイオードDI、ツェナーダイオードZD1及びZD2、抵抗素子R60、R61、R64及びR65、デプレッションNMOSトランジスタNM60、NPNトランジスタNPN1~NPN3、並びに電流調整回路34を含む。
【0107】
受光部32の各構成の接続は、受光部22の各構成の接続において、フォトダイオードアレイ22a、22b及び22cがそれぞれフォトダイオードアレイ32a、32b及び32cに置き換えられ、ノードAGND1がノードBGND1に置き換えられたものと同様である。VGS制御回路33の各構成の接続は、VGS制御回路23の各構成の接続において、ノードAGND1及びAGND2がそれぞれノードBGND1及びBGND2に置き換えられ、抵抗素子R62及びR63がそれぞれ抵抗素子R64及びR65に置き換えられたものと同様である。VGS制御回路33のデプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組(すなわち、ダーリントントランジスタ)は、ノードND4からノードBGND1及びBGND2への放電経路として使用される。VGS制御回路33のツェナーダイオードZD1及びZD2の組は、VGS制御回路33の保護回路として機能する。
【0108】
電流調整回路34は、受光部32により生成された電圧に基づいて動作する。電流調整回路34は、VGS制御回路33のノードND1~ND3及びBGND1のそれぞれに接続される。電流調整回路34には、ノードND2を介して電流I2が入力される。電流調整回路34は、例えば、ノードND1~ND3のそれぞれを流れる電流を制御する電流源などを含む。電流調整回路34の電流I1~I3は、LED31のLED電流に基づいて照射された光の受光部32における受光面照度と受光面積に比例する。よって、LED31のLED電流が制御されることにより、電流I1~I3のそれぞれがBタイプスイッチBSWの駆動に適切な大きさに調整される。
【0109】
ノードBGND2は、ノードNG_Bに接続される。すなわち、ノードBGND2の電圧が、BタイプスイッチBSWに含まれたNMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのゲート端に印加される。VGS制御回路33のノードND5は、ノードNS_Bに接続される。すなわち、VGS制御回路33のノードND5の電圧が、BタイプスイッチBSWに含まれたNMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのソース端に印加される。
【0110】
受光部32にLED31の光が照射されていない場合、デプレッションNMOSトランジスタNM60のゲート端に電圧が印加されないため、デプレッションNMOSトランジスタNM60がオン状態となる。このため、ノードND4が、デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組(すなわち、ダーリントントランジスタ)を介して放電される。また、ノードND5(すなわち、ノードNS_B)が、NPNトランジスタNPN3を介して、抵抗素子R65の抵抗値と、BタイプスイッチBSWに含まれたNMOSトランジスタDNM1及びDNM2の入力容量とに基づいた早さで放電される。
【0111】
受光部32にLED31の光が照射されている場合、フォトダイオードアレイ22bによってデプレッションNMOSトランジスタNM60のゲート端に負電圧が印加されるため、デプレッションNMOSトランジスタNM60がオフ状態となる。このため、デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1の組(すなわち、ダーリントントランジスタ)による放電経路が遮断される。また、受光部32により生成された電流I1及びI3がノードND4に供給され、ノードND4の電圧が上昇する。そして、ノードND5(すなわち、ノードNS_B)が、NPNトランジスタNPN2を介して、抵抗素子R64の抵抗値と、BタイプスイッチBSWに含まれたNMOSトランジスタDNM1及びDNM2の入力容量とに基づいた早さで充電される。これにより、VGS制御回路33は、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのソース端に、正電圧を印加することができる。言い換えると、VGS制御回路33は、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのゲート-ソース間に負の電位差を発生させることができる。
【0112】
なお、抵抗素子R64の抵抗値は、抵抗素子R65の抵抗値よりも低く設計される。抵抗素子R64の抵抗値は、例えば、100オームである。抵抗素子R65の抵抗値は、例えば、1キロオームである。このため、ノードNS_Bの放電速度、すなわちノードND5からノードND4への放電速度は、ノードNS_Bの充電速度、すなわちノードND4からノードND5への充電速度よりも遅くなる。このように、BSW制御部30は、BタイプスイッチBSWのオフ状態からオン状態への遷移が遅くなるように、且つ、BタイプスイッチBSWのオン状態からオフ状態への遷移が早くなるように構成される。BSW制御部30の回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。
【0113】
<1-2>動作
次に、第1実施形態に係る半導体装置1の動作について説明する。
【0114】
<1-2-1>電源電圧VCCに基づく動作
図18は、第1実施形態に係る半導体装置1における電源電圧VCCに基づく動作の一例を示すタイムチャートである。
図18は、半導体装置1に入力される電源電圧VCCと入力信号VINのそれぞれの電圧の変化を示している。以下に、
図18を参照して、半導体装置1における電源電圧VCCに基づく動作の一例について説明する。
【0115】
電源電圧VCCが“L”レベルである場合、通常、入力信号VINは“L”レベルである。電源電圧VCCが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、半導体装置1の電源がオンする(電源オン)。また、電源電圧VCC及び入力信号VINがデッドタイムDT1よりも緩やかに上昇する場合、イネーブル制御回路14が、ASW制御回路ACNT及びBSW制御回路BCNTのそれぞれを有効にするタイミングをずらすことによって、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの同時オンを抑制し得る。
【0116】
半導体装置1の電源がオンすると、入力信号VINは、外部の機器により、“H”レベル又は“L”レベルに制御される状態になる。本例では、電源電圧VCCが“H”レベルになった後に、入力信号VINが“H”レベルに固定されている。それから、電源電圧VCCが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、半導体装置1の電源がオフする(電源オフ)。また、電源電圧VCCが下降することに伴い、入力信号VINも下降する。
【0117】
電源電圧VCCがLED21及び31を駆動できない電圧まで下がった際に、LED21及び31は、非発光状態になる。このとき、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート電圧は、VGS制御回路23を介して放電されることによって、抵抗素子R63の抵抗値に基づいた早さで下降する。同様に、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート電圧は、VGS制御回路33を介して放電されることによって、抵抗素子R65の抵抗値に基づいた早さで下降する。
【0118】
本例では、VGS制御回路23が、NMOSトランジスタENM1及びENM2のオフが早くなるように構成され、VGS制御回路33が、NMOSトランジスタDNM1及びDM2のオンが遅くなるように構成されている。このため、本例では、NMOSトランジスタENM1及びENM2のオフした後に、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2がオンし得る。従って、第1実施形態に係る半導体装置1では、電源オフ時におけるAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの同時オンが抑制され得る。
【0119】
<1-2-2>VCC瞬間停電が発生した場合の動作
図19は、第1実施形態に係る半導体装置1においてVCC瞬間停電が発生した場合の動作の一例を示すタイムチャートである。
図19は、半導体装置1に入力される電源電圧VCCと入力信号VINのそれぞれの電圧の変化を示している。以下に、
図19を参照して、半導体装置1においてVCC瞬間停電が発生した場合の動作の一例について説明する。
【0120】
電源電圧VCCが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、
図18の説明と同様に、半導体装置1の電源がオンする(電源オン)。そして、本例では、入力信号VINが、“H”レベル及び“L”レベル間で周期的に制御されている。それから、入力信号VINが“H”レベルである時に、電源電圧VCCが異常により、“H”レベルから“L”レベルに遷移している(VCC瞬間停電)。このように、電源電圧VCCが“L”レベルであっても、入力信号VINが一時的に“H”レベルに維持される場合がある。
【0121】
このような場合においても、電源電圧VCCがLED21及び31を駆動できない電圧まで下がった際に、LED21及び31は、非発光状態になる。そして、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート電圧は、VGS制御回路23を介して放電されることによって、抵抗素子R63の抵抗値に基づいた早さで下降する。同様に、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート電圧は、VGS制御回路33を介して放電されることによって、抵抗素子R65の抵抗値に基づいた早さで下降する。従って、第1実施形態に係る半導体装置1では、VCC瞬間停電時においても、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの同時オンが抑制され得る。
【0122】
<1-2-3>AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの動作
図20は、第1実施形態に係る半導体装置1の電源オン時におけるAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの動作の一例を示すタイムチャートである。
図20は、入力信号VIN、並びに制御信号AIN、TONA、BIN及びTONBのそれぞれの電圧の変化と、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWのそれぞれの状態とを示している。以下に、
図20を参照して、第1実施形態に係る半導体装置1の電源オン時におけるAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの動作の一例について説明する。なお、本例では、デッドタイムDT1及びDT4が同じ時間に設定されている。しかしながら、デッドタイムDT1及びDT4の時間は、半導体プロセスの配線形成手段により適宜変更され得る。
【0123】
本例の初期状態では、入力信号VIN、並びに制御信号AIN、TONA、BIN及びTONBのそれぞれが“L”レベルであり、AタイプスイッチASWがオフ状態であり、BタイプスイッチBSWがオン状態である。
【0124】
時刻t1において、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、制御信号BIN及びTONBのそれぞれが“L”レベルから“H”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60Bが、電流IL1及びIL2を利用して増幅された電流IL3をLED31に流す。具体的には、LED電流(IL3)が、端子T1(VCC)から、LED31のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60BのNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED31が、速やかに発光する。その結果、VGS制御回路33によりNMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間に逆バイアスが印加され、BタイプスイッチBSWがオフ状態になる。また、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移したことに伴い、AIN生成回路41のカウンタCT10と、TONB生成回路のカウンタCT40とのそれぞれが、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t1を起点としてカウンタCT10のカウント結果に基づくデッドタイムDT1が経過した時刻と、時刻t1を起点としてカウンタCT40のカウント結果に基づくデッドタイムDT4が経過した時刻とが、時刻t2に対応する。
【0125】
時刻t2において、制御信号AIN及びTONAのそれぞれは、時刻t1からデッドタイムDT1が経過したことに基づいて、“L”レベルから“H”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60Aが、電流IL1及びIL2を利用して増幅された電流IL3をLED21に流す。具体的には、LED電流(IL3)が、端子T1(VCC)から、LED21のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60AのNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED21が、速やかに発光する。その結果、VGS制御回路23によりNMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間に順バイアスが印加され、AタイプスイッチASWがオン状態になる。また、制御信号AINが“L”レベルから“H”レベルに遷移したことに伴い、TONA生成回路42のカウンタCT20が、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t2を起点としてカウンタCT20のカウント結果に基づくデッドタイムDT2が経過した時刻が、時刻t3に対応する。さらに、時刻t2において、制御信号TONBは、時刻t1からデッドタイムDT4が経過したことに基づいて、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60Bは、電流IL1を利用して増幅された電流IL4をLED31に流す。具体的には、LED電流(IL4)が、端子T1(VCC)から、LED31のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60BのNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED31の発光が維持される。従って、BタイプスイッチBSWは、時刻t2の後もオフ状態を維持する。
【0126】
時刻t3において、制御信号TONAは、時刻t2からデッドタイムDT2が経過したことに基づいて、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60Aは、電流IL1を利用して増幅された電流IL4をLED21に流す。具体的には、LED電流(IL4)が、端子T1(VCC)から、LED21のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60AのNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED21の発光が維持される。従って、AタイプスイッチASWは、時刻t3の後もオン状態を維持する。
【0127】
時刻t4において、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、制御信号AINが“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60Aは、LED21への電流の供給を停止し、LED21の発光を停止させる。その結果、VGS制御回路23によりNMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれのゲート端が放電され、AタイプスイッチASWがオフ状態になる。また、時刻t4において、入力信号VIN及び制御信号AINのそれぞれが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、BIN生成回路51のカウンタCT30が、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t4を起点としてカウンタCT30のカウント結果に基づくデッドタイムDT3が経過した時刻が、時刻t5に対応する。
【0128】
時刻t5において、制御信号BINは、時刻t4からデッドタイムDT3が経過したことに基づいて、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60Bは、LED31への電流の供給を停止し、LED31の発光を停止させる。その結果、VGS制御回路33によりNMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれのソース端が放電され、BタイプスイッチBSWがオン状態になる。
【0129】
時刻t6における半導体装置1の動作は、時刻t1における半導体装置1の動作と同様である。その後、半導体装置1は、入力信号VINの変化に応じて、時刻t1~t5で説明された動作を実行する。
【0130】
以上のように、半導体装置1において、ASW制御回路ACNTは、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してからデッドタイムDT1が経過した後にLED21を発光させ、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルへ遷移してからデッドタイムDT3が経過する前にLED21の発光を停止させるように構成される。さらに、ASW制御回路ACNTは、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してデッドタイムDT1が経過してからさらにデッドタイムDT2が経過するまで電流IL1及びIL2の合計の電流に基づいてLED21を発光させ、デッドタイムDT2が経過した後に電流IL1に基づいてLED21を発光させるように構成される。また、BSW制御回路BCNTは、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してからデッドタイムDT1が経過する前にLED31を発光させ、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルへ遷移してからデッドタイムDT3が経過した後にLED31の発光を停止させるように構成される。さらに、BSW制御回路BCNTは、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してからデッドタイムDT4が経過するまで電流IL1及びIL2の合計の電流に基づいてLED31を発光させ、デッドタイムDT4が経過した後に電流IL1に基づいてLED31を発光させるように構成される。
【0131】
なお、4つのデッドタイムDT1~DT4は、独立したカウンタCTにより決定されるパラメータである。従って、デッドタイムDT1~DT4のそれぞれは、ドライバ回路40及び50の回路構成の修正によって簡便に変更され得る。
【0132】
図21は、第1実施形態に係る半導体装置1の電源オン時におけるゲート-ソース間電圧の変化の一例を示すタイムチャートである。
図21は、入力信号VINと、制御信号AIN及びBINと、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間電圧VGS_Aと、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間電圧VGS_Bとのそれぞれの電圧の変化を示している。
図21の時刻t1、t2、t4及びt5は、
図20の時刻t1、t2、t4及びt5にそれぞれ対応する、すなわち、
図21の時刻t1、t2、t4及びt5のそれぞれでは、
図20で説明された半導体装置1の動作が実行される。以下に、
図21を参照して、第1実施形態に係る半導体装置1の電源オン時におけるソース-ゲート間電圧の変化の一例について説明する。
【0133】
本例の初期状態において、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間電圧VGS_Aと、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間電圧VGS_Bとのそれぞれの電圧は、VLである。VLは、ノードAGND2又はBGND2の電圧に基づいた電圧であり、例えば、0Vである。
【0134】
時刻t1において、入力信号VIN及び制御信号BINのそれぞれが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、LED31が発光する。すると、VGS制御回路33が、受光部32により生成された電流(光電流)を用いてノードNS_Bを充電する。以下では、ノードNS_Bの充電速度を示す傾きのことを、“S1”と呼ぶ。傾きS1は、例えば、VGS制御回路33の抵抗素子R64の抵抗値と、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2の入力容量に基づいて決定される。ノードNS_Bの充電によって、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間電圧VGS_Bは、VGSMまで下降する。VGSMは、負の電圧であり、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のそれぞれの閾値電圧よりも低い電圧である。従って、BタイプスイッチBSWは、時刻t1の後にVGS_BがNMOSトランジスタDNM1及びDNM2の閾値電圧を下回るため、オフ状態になる。
【0135】
時刻t2において、制御信号AINが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、LED21が発光する。すると、VGS制御回路23が、受光部22により生成された電流(光電流)を用いてノードNG_Aを充電する。以下では、ノードNG_Aの充電速度を示す傾きのことを、“S2”と呼ぶ。傾きS2は、例えば、VGS制御回路23の抵抗素子R62の抵抗値と、NMOSトランジスタENM1及びENM2の入力容量に基づいて決定される。ノードNG_Aの充電によって、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間電圧VGS_Aは、VGSPまで上昇する。VGSPは、正の電圧であり、NMOSトランジスタENM1及びENM2のそれぞれの閾値電圧以上の電圧である。従って、AタイプスイッチASWは、時刻t2の後にVGS_AがNMOSトランジスタENM1及びENM2の閾値電圧以上になるため、オン状態になる。すなわち、S1に基づくVGSMの立ち下がり時刻と、S2に基づくVGSPの立ち上がり時刻との間の期間が、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWが同時にオンしていない期間、すなわち両方オフ状態である期間に対応する。
【0136】
時刻t4において、入力信号VIN及び制御信号AINのそれぞれが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、LED21の発光が停止する。すると、VGS制御回路23が、ダーリントン接続のデプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1を用いてノードNG_Aを放電する。以下では、ノードNG_Aの放電速度を示す傾きのことを、“S3”と呼ぶ。傾きS3は、例えば、VGS制御回路23の抵抗素子R63の抵抗値と、NMOSトランジスタENM1及びENM2の入力容量に基づいて決定される。ノードNG_Aの放電によって、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間電圧VGS_Aは、VLまで下降する。従って、AタイプスイッチASWは、時刻t4の後にVGS_AがNMOSトランジスタENM1及びENM2の閾値電圧を下回るため、オフ状態になる。
【0137】
時刻t5において、制御信号BINが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、LED31の発光が停止する。すると、VGS制御回路33が、ダーリントン接続のデプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1を用いてノードNS_Bを放電する。以下では、ノードNS_Bの放電速度を示す傾きのことを、“S4”と呼ぶ。傾きS4は、例えば、VGS制御回路33の抵抗素子R65の抵抗値と、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2の入力容量に基づいて決定される。ノードNS_Bの放電によって、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間電圧VGS_Bは、VLまで上昇する。従って、BタイプスイッチBSWは、時刻t5の後にVGS_BがNMOSトランジスタDNM1及びDNM2の閾値電圧以上になるため、オン状態になる。すなわち、S3に基づくVGSPの立ち下がり時刻と、S4に基づくVGSMの立ち上がり時刻との間の期間が、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWが同時にオンしていない期間、すなわち両方オフ状態である期間に対応する。
【0138】
半導体装置1では、VGS制御回路23の抵抗素子R62及びR63と、VGS制御回路33の抵抗素子R64及びR65とのそれぞれは、AタイプスイッチASWとBタイプスイッチBSWとのゲート容量の違いを補填した抵抗値に設定される。これにより、AタイプスイッチASWでは、傾きS2に示されるようにオフ状態からオン状態への遷移が遅くなり、傾きS3に示されるようにオン状態からオフ状態への遷移が早くなる。同様に、BタイプスイッチBSWでは、傾きS1に示されるようにオン状態からオフ状態への遷移が早くなり、傾きS4に示されるようにオフ状態からオン状態への遷移が遅くなる。
【0139】
傾きS1は、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間電圧VGS_Bが、デッドタイムDT1内にVLからVGSMまで下降するように設計されることが好ましい。同様に、傾きS3は、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間電圧VGS_Aが、デッドタイムDT3内にVGSPからVLまで下降するように設計されることが好ましい。これに限定されず、傾きS1~S4のそれぞれは、少なくとも、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWの同時オンを抑制できるように設計されていればよい。
【0140】
<1-3>第1実施形態の効果
以上で説明された第1実施形態に係る半導体装置1に依れば、2つのスイッチ素子(AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSW)が同時にオンすることを抑制できる。以下に、第1実施形態の効果の詳細について説明する。
【0141】
AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWのオンオフを電気的に切り替えるように構成されたフォトリレーは、オンオフの遅れ時間を短くすることが好ましい。しかしながら、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWのオンオフの応答を早くすると、2つのスイッチ素子が同時にオンする期間が発生するおそれがある。
【0142】
そこで、第1実施形態に係る半導体装置1は、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移する際の波形のエッジと、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移する際の波形のエッジとに、それぞれ2つの遅延時間(デッドタイムDT1及びDT3)を設けている。具体的には、半導体装置1は、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移する際の波形のエッジを検知すると、AタイプスイッチASWがオンするタイミングをデッドタイムDT1だけ遅らせる。また、半導体装置1は、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移する際の波形のエッジを検知すると、BタイプスイッチBSWがオフするタイミングをデッドタイムDT3だけ遅らせる。
【0143】
これにより、半導体装置1は、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移した場合に、AタイプスイッチASWがオンするよりも前に、BタイプスイッチBSWをオフさせることができる。同様に、半導体装置1は、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移した場合に、BタイプスイッチBSWがオンするよりも前に、AタイプスイッチASWをオフさせることができる。従って、半導体装置1は、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWが同時にオンすることを抑制できる。
【0144】
一方で、AタイプスイッチASWとBタイプスイッチBSWを同時にオンさせないためにデッドタイムDT1及びDT3を設定することは、スイッチング動作が遅くなる要因となり得る。すなわち、デッドタイムDT1及びDT3の設定と、スイッチング動作の早さとは、トレードオフの関係を有する。そこで、半導体装置1は、AタイプスイッチASWを高速にオンさせるための制御信号TONAを制御するための遅延時間(デッドタイムDT2)と、BタイプスイッチBSWを高速にオフさせるための制御信号TONBを制御するための遅延時間(デッドタイムDT4)とを設けている。デッドタイムDT2に基づいて生成される制御信号TONAの単発のパルス信号は、LED21の発光の開始を早めることができる。同様に、デッドタイムDT4に基づいて生成される制御信号TONBの単発のパルス信号は、LED31の発光の開始を早めることができる。従って、第1実施形態に係る半導体装置1は、制御信号TONA及びTONBにより、制御信号AIN及びBINのみでLED21及び31を駆動する場合よりも、高速なスイッチングを実現し得る。つまり、制御信号TONA及びTONBを利用した動作は、デッドタイムDT1及びDT3を設けることによるスイッチング動作の遅延を軽減させることができる。すなわち、第1実施形態に係る半導体装置1は、スイッチング動作の早さに関するトレードオフの問題を、デッドタイムDT1及びDT3の設定と、制御信号TONA及びTONBの使用とを組み合わせることによって解決することができる。
【0145】
また、半導体装置1は、フォトリレーの2次側の回路を太陽電池モードで動作させるような構成を有している。この場合、AタイプスイッチASWのオン時間と、BタイプスイッチBSWのオフ時間とのそれぞれは、1次側の回路のLED電流の制御によって短縮され得る。一方で、AタイプスイッチASWのオフ時間と、BタイプスイッチBSWのオン時間とのそれぞれは、2次側の回路に含まれたオフ回路の放電回路の特性に基づいて決定される。そこで、半導体装置1では、オフ回路として、VGS制御回路23及び33のそれぞれが、ダーリントン接続により構成されるデプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1を有している。半導体装置1は、デプレッションNMOSトランジスタNM60及びNPNトランジスタNPN1を調整することによって、オフ回路の駆動電流を上げることができる。つまり、半導体装置1は、AタイプスイッチASWのオフに要する時間と、BタイプスイッチBSWのオンに要する時間とのそれぞれを短縮することができる。
【0146】
また、半導体装置1では、VGS制御回路23が、抵抗素子R62及びR63によって、AタイプスイッチASWがオンする場合よりもオフする場合の方が早く動作するように構成されている。同様に、VGS制御回路33が、抵抗素子R64及びR65によって、BタイプスイッチBSWがオンする場合よりもオフする場合の方が早く動作するように構成されている。これにより、半導体装置1に対する電源が遮断されたことに基づいて、ノードNG_A及びノードNS_Bのそれぞれが放電された場合においても、AタイプスイッチASWがオフする動作の方が、BタイプスイッチBSWがオンする動作よりも早く動作し得る。従って、第1実施形態に係る半導体装置1は、電源電圧VCCが遮断された場合にAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWが同時にオンすることも抑制することができる。
【0147】
また、半導体装置1は、LED21及び/又は31を流れる電流をモニターするための端子T3及び回路(LEDテスト回路17)を有している。これにより、パッケージの制約から製品テストでLED電流をモニターできない場合においても、半導体装置1のLED21及び/又は31の不良の有無が、端子T3にテスターを接続することによって判定され得る。このように、半導体装置1は、ダイソータテスト、ダイマウント時のテスト、配線後又は樹脂封止後の最終テストなどにおいて不良を省くことが可能に構成されているため、半導体装置1の信頼性を高めることができる。
【0148】
<2>第2実施形態
第2実施形態に係る半導体装置1aは、2つのAタイプスイッチASW1及びASW2を備え、入力信号に応じて2つのAタイプスイッチASW1及びASW2のオンオフを電気的に切り替えるように構成されたフォトリレーである。半導体装置1aは、2つのAタイプスイッチASW1及びASW2のそれぞれのオンオフのタイミングを調整することにより、2つのAタイプスイッチASW1及びASW2の同時オンの発生を抑制する。以下に、第2実施形態に係る半導体装置1aの詳細について説明する。
【0149】
<2-1>構成
まず、第2実施形態に係る半導体装置1aの構成について説明する。
【0150】
<2-1-1>半導体装置1の外観
図22は、第2実施形態に係る半導体装置1aの外観の一例を示す平面図である。
図22に示すように、半導体装置1aは、例えば、端子T1a~T8aが露出したパッケージPKGaに封止される。パッケージPKGaは、半導体装置1aがフォトリレーとして機能するための発光素子や受光素子などを含む。
【0151】
端子T1a~T4aは、半導体装置1aの入力側の端子である。具体的には、端子T1aは、半導体装置1aの電源端子である。端子T1aには、例えば、電源電圧VCCが印加される。端子T2aは、半導体装置1aの入力端子である。端子T2aには、例えば、入力信号VINが入力される。端子T3aは、例えば、半導体装置1aに含まれたLEDの動作テストに使用される端子である。端子T4aは、半導体装置1aの接地端子である。端子T4aには、例えば、接地電圧GNDが印加される。なお、端子T3aは、LEDの動作テストをしない場合は、ノンコンタクトとしてもよい。この場合、半導体装置1a内の集積回路からLEDの動作テストに関する機能が省略され、チップサイズが小さく設計され得る。このように、半導体装置1aとして、安価な製品群が構成されてもよい。
【0152】
端子T5a及びT6aは、半導体装置1aの出力側の端子である。具体的には、端子T5aは、半導体装置1aが備えるAタイプスイッチASW1の一端(ASW1T1)に対応する。端子T6aは、半導体装置1aが備えるAタイプスイッチASW1の他端(ASW1T2)に対応する。半導体装置1aは、入力信号VINに基づいて、端子T5a及びT6a間の電流経路を形成又は遮断し得る。半導体装置1a内で端子T5a及びT6a間の電流経路が形成された状態は、AタイプスイッチASW1のオン状態に対応する。半導体装置1a内で端子T5a及びT6a間の電流経路が遮断された状態は、AタイプスイッチASW1のオフ状態に対応する。
【0153】
端子T7a及びT8aは、半導体装置1aの出力側の端子である。具体的には、端子T7aは、半導体装置1aが備えるAタイプスイッチASW2の一端(ASW2T1)に対応する。端子T8aは、半導体装置1aが備えるAタイプスイッチASW2の他端(ASW2T2)に対応する。半導体装置1aは、入力信号VINに基づいて、端子T7a及びT8a間の電流経路を形成又は遮断し得る。半導体装置1a内で端子T7a及びT8a間の電流経路が形成された状態は、AタイプスイッチASW2のオン状態に対応する。半導体装置1a内で端子T7a及びT8a間の電流経路が遮断された状態は、AタイプスイッチASW2のオフ状態に対応する。
【0154】
<2-1-2>半導体装置1aの入出力特性
図23は、第2実施形態に係る半導体装置1aの入出力特性の一例を示すテーブルである。
図23は、入力側に対応する電源電圧VCC、接地電圧GND及び入力信号VINのそれぞれの状態と、出力側に対応するAタイプスイッチASW1及びASW2のそれぞれの状態との対応関係を示している。
図23に示すように、半導体装置1aは、3つの状態のいずれかで動作し得る。なお、接地電圧GNDは、3つの状態のいずれにおいても“L”レベルである。
【0155】
電源電圧VCCが“L”レベルである、又は端子T1aに電源が接続されていない場合、半導体装置1aは、入力信号VINによる制御を受け付けない状態になる(
図23“-”)。この場合、AタイプスイッチASW1及びASW2のそれぞれは、オフ状態になる。
【0156】
電源電圧VCCが“H”レベルである場合、半導体装置1aは、入力信号VINによる制御を受け付ける状態である。すなわち、半導体装置1aは、電源電圧VCCが“H”レベルである場合、入力信号VINに基づいて、相補的にAタイプスイッチASW1及びASW2をオン・オフ制御する。
【0157】
具体的には、電源電圧VCCが“H”レベルであり且つ入力信号VINが“H”レベルである場合、半導体装置1aは、AタイプスイッチASW1がオン状態になり、且つAタイプスイッチASW2がオフ状態になるように、AタイプスイッチASW1及びASW2を制御する。電源電圧VCCが“H”レベルであり且つ入力信号VINが“L”レベルである場合、半導体装置1aは、AタイプスイッチASW1がオフ状態になり、且つAタイプスイッチASW2オン状態になるように、AタイプスイッチASW1及びASW2を制御する。
【0158】
<2-1-3>パッケージPKGの構成
図24は、第2実施形態に係る半導体装置1aのパッケージPKGaの構成の一例を示すブロック図である。
図24に示すように、パッケージPKGaは、例えば、AタイプスイッチASW1及びASW2、集積回路10a、並びにASW制御部20-1及び20-2を含む。
【0159】
AタイプスイッチASW1は、NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1を含む。NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれは、エンハンスメント型のNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれのゲート端は、ノードNG_A1に接続される。NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれのソース端は、ノードNS_A1に接続される。NMOSトランジスタENM1-1のドレイン端は、端子T5aに接続される。NMOSトランジスタENM2-1のドレイン端は、端子T6aに接続される。
図24には、NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれに対して、ソース端及びドレイン端の間に設けられる寄生ダイオードが示されている。NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれがオン状態になった状態が、AタイプスイッチASW1のオン状態に対応する。NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれがオフ状態になった状態が、AタイプスイッチASW1のオフ状態に対応する。
【0160】
AタイプスイッチASW2は、NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2を含む。NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれは、エンハンスメント型のNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれのゲート端は、ノードNG_A2に接続される。NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれのソース端は、ノードNS_A2に接続される。NMOSトランジスタENM1-2のドレイン端は、端子T7aに接続される。NMOSトランジスタENM2-2のドレイン端は、端子T8aに接続される。
図24には、NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれに対して、ソース端及びドレイン端の間に設けられる寄生ダイオードが示されている。NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれがオン状態になった状態が、AタイプスイッチASW2のオン状態に対応する。NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれがオフ状態になった状態が、AタイプスイッチASW2のオフ状態に対応する。
【0161】
集積回路10aは、半導体装置1aの入力側に配置される回路であり、ASW制御部20-1及び20-2のそれぞれを制御する。集積回路10aは、端子T1a~T4aのそれぞれに接続される。集積回路10aは、ノードCA_A1及びCA_A2を含む。集積回路10aは、端子T1aに供給された電源電圧VCCと、端子T2aに供給された入力信号VINとに基づいて、ノードCA_A1及びCA_A2のそれぞれの電圧を制御するように構成される。また、集積回路10aは、例えば、ノードCA_A1及び/又はCA_A2を流れる電流に基づいた電流を端子T3aに供給できるように構成される。
【0162】
ASW制御部20-1は、集積回路10aの制御に基づいて、AタイプスイッチASW1のオンオフを制御する。ASW制御部20-1は、LED(Light-Emitting Diode)21-1、受光部22-1、及びVGS制御回路23-1を含む。LED21-1、受光部22-1、及びVGS制御回路23-1のそれぞれの構成は、それぞれ第1実施形態で説明されたLED21、受光部22、及びVGS制御回路23と同様である。LED21-1のアノードは、端子T1aに接続される。LED21-1のカソードは、集積回路10aのノードCA_A1に接続される。受光部22-1は、LED21-1が発光状態になると、LED21-1から放出される光を受けてオン状態になる。オン状態の受光部22-1は、VGS制御回路23-1に電流を供給する。VGS制御回路23-1のノードND5は、ノードNG_A1に接続される。VGS制御回路23-1のノードAGND2は、ノードNS_A1に接続される。VGS制御回路23-1は、受光部22-1により生成された電流に基づいて動作し、ノードNG_A1及びNS_A1の電圧を制御する。ASW制御部20-1は、NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のゲート端に正電圧を印加できるように構成される。これにより、ASW制御部20-1は、NMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のゲート-ソース間に正の電位差を発生させることができる。
【0163】
ASW制御部20-2は、集積回路10aの制御に基づいて、AタイプスイッチASW2のオンオフを制御する。ASW制御部20-2は、LED(Light-Emitting Diode)21-2、受光部22-2、及びVGS制御回路23-2を含む。LED21-2、受光部22-2、及びVGS制御回路23-2のそれぞれの構成は、それぞれ第1実施形態で説明されたLED21、受光部22、及びVGS制御回路23と同様である。LED21-2のアノードは、端子T1aに接続される。LED21-2のカソードは、集積回路10aのノードCA_A2に接続される。受光部22-2は、LED21-2が発光状態になると、LED21-2から放出される光を受けてオン状態になる。オン状態の受光部22-2は、VGS制御回路23-2に電流を供給する。VGS制御回路23-2のノードND5は、ノードNG_A2に接続される。VGS制御回路23-2のノードAGND2は、ノードNS_A2に接続される。VGS制御回路23-2は、受光部22-2により生成された電流に基づいて動作し、ノードNG_A2及びNS_A2の電圧を制御する。ASW制御部20-2は、NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のゲート端に正電圧を印加できるように構成される。これにより、ASW制御部20-2は、NMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のゲート-ソース間に正の電位差を発生させることができる。
【0164】
<2-1-4>集積回路10aの構成
図25は、第2実施形態に係る半導体装置1aが備える集積回路10aの構成の一例を示すブロック図である。
図25に示すように、集積回路10aは、例えば、起動回路11、電源回路12、リセット回路13、イネーブル制御回路14a、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18aを含む。集積回路10aにおける起動回路11、電源回路12、リセット回路13、発振回路15、入力回路16、及びLEDテスト回路17のそれぞれの構成は、第1実施形態と同様である。
【0165】
集積回路10aにおける起動回路11は、端子T1aに供給された電源電圧VCCに基づいて電源電圧VCC1及び3VLDOを生成する。集積回路10aにおける入力回路16は、端子T2aに入力された入力信号VINを受信し、受信した入力信号VINを入力信号VIN1としてLED制御回路18aに供給する。集積回路10aにおけるLEDテスト回路17は、ノードCA_A1及び/又はCA_A2を流れる電流に基づいた電流を、端子T3aに供給する機能を有する。集積回路10aにおいて、起動回路11、電源回路12、リセット回路13、イネーブル制御回路14a、発振回路15、入力回路16、LEDテスト回路17、及びLED制御回路18aのそれぞれは、端子T4aに接続される。イネーブル制御回路14a及びLED制御回路18aのそれぞれには、電源ノードを介して電源電圧VCC1が供給され、接地ノードを介して接地電圧GNDが供給される。
【0166】
イネーブル制御回路14aは、イネーブル信号AENB1及びAENB2を生成し、生成したイネーブル信号AENB1及びAENB2をLED制御回路18aに供給する。イネーブル信号AENB1は、AタイプスイッチASW1を有効にするための制御信号である。イネーブル信号AENB1が“H”レベルである場合、AタイプスイッチASW1が有効になる。イネーブル信号AENB2は、AタイプスイッチASW2を有効にするための制御信号である。イネーブル信号AENB2が“H”レベルである場合、AタイプスイッチASW2が有効になる。また、イネーブル制御回路14aは、イネーブル信号AENB1及びAENB2の動作が、
図7を用いて説明されたイネーブル信号AENB及びBENBの動作にそれぞれ対応するように構成される。すなわち、イネーブル制御回路14aは、イネーブル信号AENB1が“H”レベルである期間が、イネーブル信号AENB2が“H”レベルである期間に含まれるように構成される。
【0167】
LED制御回路18aは、電流IL1及びIL2、リセット信号RST、イネーブル信号AENB1及びAENB2、クロック信号CLK、並びに入力信号VIN1に基づいて動作する。LED制御回路18aは、ASW制御回路ACNT1と、ASW制御回路ACNT2とを含む。ASW制御回路ACNT1は、ノードCA_A1の電流を制御する。すなわち、ASW制御回路ACNT1は、LED21-1のカソードの電流を制御する。ASW制御回路ACNT2は、ノードCA_A2の電流を制御する。すなわち、ASW制御回路ACNT2は、LED21-2のカソードの電流を制御する。
【0168】
<2-1-5>LED制御回路18aの構成
図26は、第2実施形態に係る半導体装置1aが備える集積回路10aに含まれたLED制御回路18aの構成の一例を示すブロック図である。
図26に示すように、LED制御回路18aは、例えば、ドライバ回路40a及び40b、LED駆動回路60A-1及び60A-2、並びにインバータIV60を含む。ドライバ回路40a及びLED駆動回路60A-1の組が、ASW制御回路ACNT1に対応する。ドライバ回路40b及びLED駆動回路60A-2の組が、ASW制御回路ACNT2に対応する。インバータIV60は、入力信号VINを反転させて、入力信号VIN1bを出力する。
【0169】
ドライバ回路40aは、入力信号VIN1、イネーブル信号AENB1、クロック信号CLK、及びリセット信号RSTに基づいて、LED駆動回路60A-1を制御する。ドライバ回路40aは、AIN生成回路41a、及びTONA生成回路42aを含む。AIN生成回路41aは、制御信号AIN1を生成する。制御信号AIN1は、AタイプスイッチASW1に関連付けられたLED21-1の発光を制御する信号である。TONA生成回路42aは、制御信号TONA1を生成する。制御信号TONA1は、AタイプスイッチASW1に関連付けられたLED21-1の発光の立ち上がりの加速に使用される信号である。AIN生成回路41a及びTONA生成回路42aのそれぞれの構成は、第1実施形態で説明されたAIN生成回路41及びTONA生成回路42において、イネーブル信号AENBがイネーブル信号AENB1に置き換えられ、制御信号AIN及びTONAがそれぞれ制御信号AIN1及びTONA1に置き換えられ、制御信号BINが制御信号AIN2に置き換えられた構成と同様である。以下では、AIN生成回路41aにおいて、カウンタCT10を用いて生成されたデッドタイムDT1のことを、“デッドタイムDT1a”と呼ぶ。TONA生成回路42aにおいて、カウンタCT20を用いて生成されたデッドタイムDT2のことを、“デッドタイムDT2a”と呼ぶ。
【0170】
ドライバ回路40bは、入力信号VIN1b、イネーブル信号AENB2、クロック信号CLK、及びリセット信号RSTに基づいて、LED駆動回路60A-2を制御する。ドライバ回路40bは、AIN生成回路41b、及びTONA生成回路42bを含む。AIN生成回路41bは、制御信号AIN2を生成する。制御信号AIN2は、AタイプスイッチASW2に関連付けられたLED21-2の発光を制御する信号である。TONA生成回路42bは、制御信号TONA2を生成する。制御信号TONA2は、AタイプスイッチASW2に関連付けられたLED21-2の発光の立ち上がりの加速に使用される信号である。AIN生成回路41b及びTONA生成回路42bのそれぞれの構成は、第1実施形態で説明されたAIN生成回路41及びTONA生成回路42において、入力信号VIN1が入力信号VIN1bに置き換えられ、イネーブル信号AENBがイネーブル信号AENB2に置き換えられ、制御信号AIN及びTONAがそれぞれ制御信号AIN2及びTONA2に置き換えられ、制御信号BINが制御信号AIN1に置き換えられた構成と同様である。以下では、AIN生成回路41bにおいて、カウンタCT10を用いて生成されたデッドタイムDT1のことを、“デッドタイムDT1b”と呼ぶ。TONA生成回路42bにおいて、カウンタCT20を用いて生成されたデッドタイムDT2のことを、“デッドタイムDT2b”と呼ぶ。
【0171】
LED駆動回路60A-1は、ノードCA_A1の電圧を制御することによって、LED21-1の発光及び非発光を制御する。LED駆動回路60A-2は、ノードCA_A2の電圧を制御することによって、LED21-2の発光及び非発光を制御する。LED駆動回路60A-1及び60A-2のそれぞれの構成は、第1実施形態で説明されたLED駆動回路60Aと同様である。LED駆動回路60A-1のノードIN1には、制御信号AIN1が入力される。LED駆動回路60A-1のノードIN2には、制御信号TONA1が入力される。LED駆動回路60A-1のノードOUTは、ノードCA_A1に接続される。LED駆動回路60A-2のノードIN1には、制御信号AIN2が入力される。LED駆動回路60A-2のノードIN2には、制御信号TONA2が入力される。LED駆動回路60A-2のノードOUTは、ノードCA_A2に接続される。
【0172】
なお、LED制御回路18aの回路構成は、以上で説明された動作を実現することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。第2実施形態に係る半導体装置1aのその他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置1と同様である。
【0173】
<2-2>動作
図27は、第2実施形態に係る半導体装置1aの電源オン時における2つのAタイプスイッチASW1及びASW2の動作の一例を示すタイムチャートである。
図27は、入力信号VIN、並びに制御信号AIN1、TONA1、AIN2及びTONA2のそれぞれの電圧の変化と、AタイプスイッチASW1及びASW2のそれぞれの状態とを示している。以下に、
図27を参照して、第2実施形態に係る半導体装置1aの電源オン時における2つのAタイプスイッチASW1及びASW2の動作の一例について説明する。
【0174】
本例の初期状態では、入力信号VIN、並びに制御信号AIN1、TONA1、TONA2のそれぞれが“L”レベルであり、制御信号AIN2が“H”レベルであり、AタイプスイッチASW1がオフ状態であり、AタイプスイッチASW2がオン状態である。すなわち、LED21-1は非発光状態であり、LED21-2は発光状態である。
【0175】
時刻t1aにおいて、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、制御信号AIN2が“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60A-2は、LED21-2への電流の供給を停止し、LED21-2の発光を停止させる。その結果、VGS制御回路23-2によりNMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のそれぞれのゲート端が放電され、AタイプスイッチASW2がオフ状態になる。また、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、AIN生成回路41aのカウンタCT10が、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t1aを起点としてAIN生成回路41aのカウンタCT10のカウント結果に基づくデッドタイムDT1aが経過した時刻が、時刻t2aに対応する。
【0176】
時刻t2aにおいて、制御信号AIN1及びTONA1のそれぞれは、時刻t1aからデッドタイムDT1aが経過したことに基づいて、“L”レベルから“H”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60A-1が、電流IL1及びIL2を利用して増幅された電流IL3をLED21-1に流す。具体的には、LED電流(IL3)が、端子T1a(VCC)から、LED21-1のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60A-1のNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED21-1が、速やかに発光する。その結果、VGS制御回路23-1によりNMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のゲート-ソース間に順バイアスが印加され、AタイプスイッチASW1がオン状態になる。また、制御信号AIN1が“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、TONA生成回路42aのカウンタCT20が、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t2aを起点としてTONA生成回路42aのカウンタCT20のカウント結果に基づくデッドタイムDT2aが経過した時刻が、時刻t3aに対応する。
【0177】
時刻t3aにおいて、制御信号TONA1は、時刻t2aからデッドタイムDT2aが経過したことに基づいて、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60A-1は、電流IL1を利用して増幅された電流IL4をLED21-1に流す。具体的には、LED電流(IL4)が、端子T1a(VCC)から、LED21-1のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60A-1のNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED21-1の発光が維持される。従って、AタイプスイッチASW1は、時刻t3aの後もオン状態を維持する。
【0178】
時刻t4aにおいて、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、制御信号AIN1が“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60A-1は、LED21-1への電流の供給を停止し、LED21-1の発光を停止させる。その結果、VGS制御回路23-1によりNMOSトランジスタENM1-1及びENM2-1のそれぞれのゲート端が放電され、AタイプスイッチASW1がオフ状態になる。また、時刻t4aにおいて、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、AIN生成回路41bのカウンタCT10が、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t4aを起点としてAIN生成回路41bのカウンタCT10のカウント結果に基づくデッドタイムDT1bが経過した時刻が、時刻t5aに対応する。
【0179】
時刻t5aにおいて、制御信号AIN2及びTONA2のそれぞれは、時刻t4aからデッドタイムDT1bが経過したことに基づいて、“L”レベルから“H”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60A-2が、電流IL1及びIL2を利用して増幅された電流IL3をLED21-2に流す。具体的には、LED電流(IL3)が、端子T1a(VCC)から、LED21-2のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60A-2のNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED21-2が、速やかに発光する。その結果、VGS制御回路23-2によりNMOSトランジスタENM1-2及びENM2-2のゲート-ソース間に順バイアスが印加され、AタイプスイッチASW2がオン状態になる。また、制御信号AIN2が“L”レベルから“H”レベルに遷移すると、TONA生成回路42bのカウンタCT20が、入力されたクロック信号のカウント動作を開始する。本例では、時刻t5aを起点としてTONA生成回路42bのカウンタCT20のカウント結果に基づくデッドタイムDT2bが経過した時刻が、時刻t6aに対応する。
【0180】
時刻t6aにおいて、制御信号TONA2は、時刻t5aからデッドタイムDT2bが経過したことに基づいて、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、LED駆動回路60A-2は、電流IL1を利用して増幅された電流IL4をLED21-2に流す。具体的には、LED電流(IL4)が、端子T1a(VCC)から、LED21-2のアノード及びカソードを介して、LED駆動回路60A-2のNMOSトランジスタNM53(定電流スイッチ)へ流れる。これにより、LED21-2の発光が維持される。従って、AタイプスイッチASW2は、時刻t6aの後もオン状態を維持する。
【0181】
時刻t7aにおける半導体装置1aの動作は、時刻t1aにおける半導体装置1aの動作と同様である。その後、半導体装置1aは、入力信号VINの変化に応じて、時刻t1a~t6aで説明された動作を実行する。なお、4つのデッドタイムDT1a、DT2a、DT1b、及びDT2bは、独立したカウンタCTにより決定されるパラメータである。従って、デッドタイムDT1a、DT2a、DT1b、及びDT2bのそれぞれは、ドライバ回路40a及び40bの回路構成の修正によって簡便に変更され得る。
【0182】
以上のように、半導体装置1aにおいて、ASW制御回路ACNT1は、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してからデッドタイムDT1aが経過した後にLED21-1を発光させ、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルへ遷移してからデッドタイムDT1bが経過する前にLED21-1の発光を停止させるように構成される。さらに、ASW制御回路ACNT1は、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してデッドタイムDT1aが経過してからさらにデッドタイムDT2aが経過するまで電流IL1及びIL2の合計の電流に基づいてLED21-1を発光させ、デッドタイムDT2aが経過した後に電流IL1に基づいてLED21-1を発光させるように構成される。
【0183】
また、ASW制御回路ACNT2は、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルへ遷移してからデッドタイムDT1aが経過する前にLED21-2の発光を停止させ、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルへ遷移してからデッドタイムDT1bが経過した後にLED21-2を発光させるように構成される。さらに、ASW制御回路ACNT2は、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルへ遷移してデッドタイムDT1bが経過してからさらにデッドタイムDT2bが経過するまで電流IL1及びIL2の合計の電流に基づいてLED21-2を発光させ、デッドタイムDT2bが経過した後に電流IL1に基づいてLED21-2を発光させるように構成される。
【0184】
第2実施形態に係る半導体装置1aのその他の動作は、第1実施形態に係る半導体装置1の動作と同様である。
【0185】
<2-3>第2実施形態の効果
第2実施形態に係る半導体装置1aは、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに遷移した場合に、AタイプスイッチASW1がオンするよりも前に、AタイプスイッチASW2をオフさせることができる。同様に、半導体装置1aは、入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移した場合に、AタイプスイッチASW2がオンするよりも前に、AタイプスイッチASW1をオフさせることができる。従って、半導体装置1aは、第1実施形態と同様に、2つのスイッチ素子(AタイプスイッチASW1及びASW2)が同時にオンすることを抑制できる。第2実施形態に係る半導体装置1aのその他の効果は、第1実施形態と同様である。このように、半導体装置1は、2つのAタイプスイッチASW1及びASW2と、2つのASW制御回路ACNT1及びACNT2とが組み合わされた半導体装置1aのように構成されてもよい。つまり、半導体装置1は、出力に使用されるNMOSトランジスタの特性に応じて設計変更され得る。
【0186】
<3>変形例など
第1実施形態に係る半導体装置1と、第2実施形態に係る半導体装置1aとのそれぞれは、テスターリレーやシーケンサーなどリードリレーや、水銀リレー、メカニカルリレーの代替として使用され得る。以上で説明された半導体装置1及び1aは、以下のように構成されてもよい。
【0187】
図28は、ASW制御部20に含まれた受光部22及びVGS制御回路23の回路構成の変形例を示す回路図である。
図28は、第1実施形態と同様の受光部22の回路構成と、VGS制御回路23の回路構成の変形例(VGS制御回路23a)を示している。
図28に示すように、VGS制御回路23aは、第1実施形態で説明されたVGS制御回路23において、NPNトランジスタNPN2及びNPN3と抵抗素子R63とが省略された構成を有する。また、VGS制御回路23aでは、デプレッションNMOSトランジスタNM60のドレイン端と、NPNトランジスタNPN1のコレクタ端とのそれぞれが、ノードND4でなく、ノードND5に接続される。この場合、デプレッションNMOSトランジスタNM60とNPNトランジスタNPN1とのそれぞれのオン抵抗が、第1実施形態の抵抗素子R63と同様に使用される。受光部22及びVGS制御回路23aの組は、第1実施形態の受光部22及びVGS制御回路23の組と同様に動作し、同様の効果を実現し得る。なお、デプレッションNMOSトランジスタNM60のドレイン端及びNPNトランジスタNPN1のコレクタ端との組と、ノードND5との間に、抵抗素子R62よりも低い抵抗値に設計された抵抗素子R63(図示せず)が接続されてもよい。
【0188】
図29は、BSW制御部30に含まれた受光部32及びVGS制御回路33の回路構成の変形例を示す回路図である。
図29は、第1実施形態と同様の受光部32の回路構成と、VGS制御回路33の回路構成の変形例(VGS制御回路33a)を示している。
図29に示すように、VGS制御回路33aは、第1実施形態で説明されたVGS制御回路33において、NPNトランジスタNPN2及びNPN3とが省略された構成を有する。また、VGS制御回路33aでは、ノードND4が、抵抗素子R64を介してノードND5に接続される。また、デプレッションNMOSトランジスタNM60のドレイン端と、NPNトランジスタNPN1のコレクタ端とのそれぞれが、抵抗素子R64よりも高い抵抗値に設計された抵抗素子R65を介してノードND5に接続される。受光部32及びVGS制御回路33aの組は、第1実施形態の受光部32及びVGS制御回路33の組と同様に動作し、同様の効果を実現し得る。
【0189】
図30は、半導体装置1のパッケージPKGの構成の変形例(パッケージPKGb)を示すブロック図である。以下では、パッケージPKGbを備える半導体装置1のことを、“半導体装置1b”と呼ぶ。パッケージPKGbは、例えば、AタイプスイッチASW、BタイプスイッチBSW、集積回路10b、並びにASW制御部20a及びBSW制御部30aを含む。本例では、端子T3が省略されている。集積回路10bは、定電圧回路101、DT回路102、ドライバ回路103a及び103b、並びに信号生成回路104a及び104bを含む。ASW制御部20aは、コイルL21及びL22、受信回路25、並びにドライバ回路26を含む。BSW制御部30aは、コイルL31及びL32、受信回路35、並びにドライバ回路36を含む。コイルL21及びL22の組と、コイルL31及びL32の組とのそれぞれは、絶縁素子、又は磁気結合素子と呼ばれてもよい。
【0190】
定電圧回路101は、端子T1に印加された電源電圧VCCに基づいて、例えば、DT回路102、ドライバ回路103a及び103b、並びに信号生成回路104a及び104bに一定の電圧VREGを供給する回路である。定電圧回路101は、例えば、リニアレギュレータである。DT回路102は、端子T2に入力された入力信号VINに基づいて、ASW制御部20a及びBSW制御部30aのうち一方の絶縁素子を、他方の絶縁素子と異なるタイミングで動作させる。具体的には、DT回路102は、ドライバ回路103a及び信号生成回路104aを介して、ASW制御部20aの絶縁素子の動作を制御する。同様に、DT回路102は、ドライバ回路103b及び信号生成回路104bを介して、BSW制御部30aの絶縁素子の動作を制御する。ドライバ回路103aは、ASW制御部20aの絶縁素子を駆動する回路である。ドライバ回路103aは、DT回路102の制御に基づいて生成した電圧を信号生成回路104aに供給する。信号生成回路104aは、ドライバ回路103aから“H”レベルの電圧が供給された場合に、コイルL21の一端に変調した電圧を送信する。ドライバ回路103bは、BSW制御部30aの絶縁素子を駆動する回路である。ドライバ回路103bは、DT回路102の制御に基づいて生成した電圧を信号生成回路104bに供給する。信号生成回路104bは、ドライバ回路103bから“H”レベルの電圧が供給された場合に、コイルL31の一端に変調した電圧を送信する。信号生成回路104a及び104bのそれぞれは、例えば、発振回路などを含む。
【0191】
コイルL21の他端は、接地ノードに接続される。コイルL21とコイルL22とは、コイルL21及びL22間に設けられた図示せぬ絶縁層によって電気的に絶縁され、磁気結合している。コイルL22の一端は、受信回路25に接続される。コイルL22の他端は、接地ノードに接続される。受信回路25は、信号を受信する回路である。受信回路25は、コイルL22から受信した信号を復調し、復調した信号をドライバ回路26に供給する。受信回路25は、例えば、平滑回路などを含む。ドライバ回路26は、受信回路25から供給された電圧に基づいて、NMOSトランジスタENM1及びENM1を駆動する回路である。ASW制御部20aは、信号生成回路104aから変調した電圧を受信した際に、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート端(ノードNG_A)に正電圧を印加する。言い換えると、ASW制御部20aは、信号生成回路104aから変調した電圧を受信した際に、NMOSトランジスタENM1及びENM2のゲート-ソース間に順方向の電圧を印加する。
【0192】
コイルL31の他端は、接地ノードに接続される。コイルL31とコイルL32とは、コイルL31及びL32間に設けられた図示せぬ絶縁層によって電気的に絶縁され、磁気結合している。コイルL32の一端は、受信回路35に接続される。コイルL32の他端は、接地ノードに接続される。受信回路35は、信号を受信する回路である。受信回路35は、コイルL32から受信した信号を復調し、復調した信号をドライバ回路36に供給する。受信回路35は、例えば、平滑回路などを含む。ドライバ回路36は、受信回路35から供給された電圧に基づいて、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2を駆動する回路である。BSW制御部30aは、信号生成回路104bから変調した電圧を受信した際に、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のソース端(ノードNS_B)に正電圧を印加する。言い換えると、BSW制御部30aは、信号生成回路104bから変調した電圧を受信した際に、NMOSトランジスタDNM1及びDNM2のゲート-ソース間に逆方向の電圧を印加する。
【0193】
そして、AタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSW、集積回路10b、並びにASW制御部20a及びBSW制御部30aの組は、
図20と同様に動作する。ASW制御部20aでは、磁気結合したコイルL21及びL22間で信号と電力が伝送され、AタイプスイッチASWの導通及び遮断が実行される。BSW制御部30aでは、磁気結合したコイルL31及びL32間で信号と電力が伝送され、BタイプスイッチBSWの導通及び遮断が実行される。このように、半導体装置1bは、磁気結合によりAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWを制御するように構成される。DT回路102は、第1実施形態のASW制御回路ACNT及びBSW制御回路BCNTと同様にデッドタイムDT1~DT4を設定して、相補的にAタイプスイッチASW及びBタイプスイッチBSWを制御し得る。また、ドライバ回路103a及び103bのそれぞれは、第1実施形態のドライバ回路40と同様の構成を有していてもよい。この場合、ドライバ回路103a及び103bのそれぞれは、制御信号RUSHONに基づいて、信号生成回路104a及び104bを駆動する電圧を上昇させる。このような場合においても、半導体装置1bは、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、半導体装置1bにおいて、2つのAタイプスイッチASW1及びASW2の組み合わせが使用されてもよい。この場合、半導体装置1bは、第2実施形態と同様に動作するように構成される。
【0194】
なお、半導体装置1bでは、磁気結合を利用する場合について例示したが、磁気結合の替わりに容量結合が利用されても良い。この場合、例えば、コイルL21及びL22の組と、コイルL31及びL32の組とのそれぞれが、容量結合素子であるキャパシタに置き換えられる。そして、ドライバ回路103a及び103b、信号生成回路104a及び104b、受信回路25及び35、並びにドライバ回路26及び36のそれぞれが、キャパシタを介して信号を伝送可能な構成に変更される。このような場合においても、半導体装置1bは、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、図示しないが、絶縁結合素子は、各々ドライバ回路お及び受信回路に最適に接続されていればよい。絶縁結合素子、絶縁された、異なる二つの電源―接地点を有した構成で使用される。
【0195】
本明細書において、光結合により信号を伝送するLED及び受光部(例えば、LED21及び受光部22)の組と、磁気結合により信号を伝送する2つのコイル(例えば、コイルL21及びL22)の組と、容量結合により信号を伝送するキャパシタのそれぞれは、“絶縁結合素子”と呼ばれてもよい。絶縁結合素子は、動作している場合に信号を伝送し、動作停止の場合に信号の伝送を停止するように構成される。例えば、ASW制御部20は、LED21及び受光部22により構成される絶縁結合素子から信号が伝送された場合、すなわち、対応付けられた絶縁結合素子が動作している場合に、AタイプスイッチASWを導通状態(オン状態)に制御するように構成される。また、ASW制御部20は、LED21及び受光部22により構成される絶縁結合素子から信号が伝送されていない場合、すなわち、対応付けられた絶縁結合素子が動作停止の場合に、AタイプスイッチASWを非導通状態(オフ状態)に制御するように構成される。BSW制御部30は、LED31及び受光部32により構成される絶縁結合素子から信号が伝送された場合、すなわち、対応付けられた絶縁結合素子が動作している場合に、BタイプスイッチBSWを非導通状態(オフ状態)に制御するように構成される。また、BSW制御部30は、LED31及び受光部32により構成される絶縁結合素子から信号が伝送されていない場合、すなわち、対応付けられた絶縁結合素子が動作停止の場合に、BタイプスイッチBSWを導通状態(オン状態)に制御するように構成される。
【0196】
本明細書において“H”レベルの電圧は、2値でデータを判定する際に、閾値以上の電圧に対応する。“L”レベルの電圧は、2値でデータを判定する際に、閾値よりも低い電圧に対応する。“接続”は、電気的に接続されている事を示し、例えば、間に別の素子を介することを除外しない。“電気的に接続される”は、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していても良い。本明細書において、“導電型”は、“N型”又は“P型”に対応する。例えば、第1導電型のトランジスタは、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの一方に対応し、第2導電型のトランジスタは、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの他方に対応する。NPNトランジスタのコレクタ端及びエミッタ端は、トランジスタの一端及び他端と呼ばれても良い。同様に、NMOSトランジスタのドレイン端及びソース端は、トランジスタの一端及び他端と呼ばれても良い。トランジスタの一端及び他端は、“第1端”及び“第2端”と呼ばれてもよい。接地ノードは、電源ノードと呼ばれてもよい。ASW制御回路ACNT、ACNT1及びACNT2、並びにBSW制御回路BCNTのそれぞれは、“スイッチ制御回路”と呼ばれてもよい。VGS制御回路23、23a、33a及び33bのそれぞれは、“電圧制御回路”と呼ばれてもよい。以上で説明された半導体装置1及び1aにおける各回路構成は、同様の機能及び動作が実現可能であれば、その他の回路構成であってもよい。
【0197】
なお、上記各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限られるものではない。
【0198】
(付記1)
各々の一端が第1ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第2ノードに接続された第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタを有する第1スイッチ素子と、
各々の一端が第3ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第4ノードに接続された第3MOSトランジスタ及び第4MOSトランジスタを有する第2スイッチ素子と、
第1発光素子及び第2発光素子と、
上記第1発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第1受光素子と、
上記第2発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第2受光素子と、
上記第1受光素子により生成された電流に基づいて上記第2ノードに電圧を印加する第1電圧制御回路と、
上記第2受光素子により生成された電流に基づいて上記第3ノードに電圧を印加する第2電圧制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に上記第1発光素子を発光させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に上記第2発光素子の発光を停止させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備える、半導体装置。
【0199】
(付記2)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから上記第2時間が経過する前に上記第1発光素子の発光を停止させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移してから上記第1時間が経過する前に上記第2発光素子を発光させるように構成される、
付記1に記載の半導体装置。
【0200】
(付記3)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移して上記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで第1電流に基づいて上記第1発光素子を発光させ、上記第3時間が経過した後に上記第1電流よりも少ない第2電流に基づいて上記第1発光素子を発光させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移してから第4時間が経過するまで第3電流に基づいて上記第2発光素子を発光させ、上記第4時間が経過した後に上記第3電流よりも少ない第4電流に基づいて上記第2発光素子を発光させるように構成される、
付記1又は付記2に記載の半導体装置。
【0201】
(付記4)
電源電圧が供給されたことに基づいて、上記第1スイッチ素子の導通の制御を有効にする第1イネーブル信号と、上記第2スイッチ素子の導通の制御を有効にする第2イネーブル信号を生成するように構成されたイネーブル制御回路をさらに備え、
上記電源電圧が供給されたことに基づいて上記第1イネーブル信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルに遷移するタイミングは、上記電源電圧が供給されたことに基づいて上記第2イネーブル信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルに遷移するタイミングよりも遅く、
上記電源電圧の供給が停止されたことに基づいて上記第1イネーブル信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルに遷移するタイミングは、上記電源電圧の供給が停止されたことに基づいて上記第2イネーブル信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルに遷移するタイミングよりも早い、
付記1乃至付記3のいずれかに記載の半導体装置。
【0202】
(付記5)
上記第1電圧制御回路は、上記第2ノードを充電する経路に接続された第1抵抗素子と、上記第1ノードを放電する経路に接続され、且つ上記第1抵抗素子よりも低い抵抗値を有する第2抵抗素子とを有し、
上記第2電圧制御回路は、上記第3ノードを充電する経路に接続された第3抵抗素子と、上記第4ノードを放電する経路に接続され、且つ上記第3抵抗素子よりも高い抵抗値を有する第4抵抗素子とを有する、
付記1乃至付記4のいずれかに記載の半導体装置。
【0203】
(付記6)
上記第1MOSトランジスタ及び上記第2MOSトランジスタのそれぞれは、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETであり、
上記第3MOSトランジスタ及び上記第4MOSトランジスタのそれぞれは、デプレッション型のNチャネルMOSFETである、
付記1乃至付記5のいずれかに記載の半導体装置。
【0204】
(付記7)
各々のソース端が第1ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第2ノードに接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタを有する第1スイッチ素子と、
各々のソース端が第3ノードに接続され、且つ各々のゲート端が第4ノードに接続された第3トランジスタ及び第4トランジスタを有する第2スイッチ素子と、
第1発光素子及び第2発光素子と、
上記第1発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第1受光素子と、
上記第2発光素子により生成された光に基づいて電流を生成する第2受光素子と、
上記第1受光素子により生成された電流に基づいて上記第2ノードに電圧を印加する第1電圧制御回路と、
上記第2受光素子により生成された電流に基づいて上記第4ノードに電圧を印加する第2電圧制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に上記第1発光素子を発光させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に上記第2発光素子を発光させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備える、半導体装置。
【0205】
(付記8)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから上記第2時間が経過する前に上記第1発光素子の発光を停止させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移してから上記第1時間が経過する前に上記第2発光素子の発光を停止させるように構成される、
付記7に記載の半導体装置。
【0206】
(付記9)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移して上記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで第1電流に基づいて上記第1発光素子を発光させ、上記第3時間が経過した後に上記第1電流よりも少ない第2電流に基づいて上記第1発光素子を発光させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから上記第2時間が経過してからさらに第4時間が経過するまで第3電流に基づいて上記第2発光素子を発光させ、上記第4時間が経過した後に上記第3電流よりも少ない第4電流に基づいて上記第2発光素子を発光させるように構成される、
付記7又は付記8に記載の半導体装置。
【0207】
(付記10)
上記第1トランジスタ、上記第2トランジスタ、上記第3トランジスタ、及び上記第4トランジスタのそれぞれは、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETである、
付記7乃至付記9のいずれかに記載の半導体装置。
【0208】
(付記11)
第1スイッチ素子と、
第2スイッチ素子と、
第1絶縁結合素子及び第2絶縁結合素子と、
上記第1絶縁結合素子が信号を伝送している場合に上記第1スイッチ素子を導通状態に制御し、上記第1絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に上記第1スイッチ素子を非導通状態に制御するように構成された第1制御回路と、
上記第2絶縁結合素子が信号を伝送している場合に上記第2スイッチ素子を非導通状態に制御し、上記第2絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に上記第2スイッチ素子を導通状態に制御するように構成された第2制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に上記第1絶縁結合素子に信号を伝送させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に上記第2絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備える、半導体装置。
【0209】
(付記12)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから上記第2時間が経過する前に上記第1絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移してから上記第1時間が経過する前に上記第2絶縁結合素子に信号を伝送させるように構成される、
付記11に記載の半導体装置。
【0210】
(付記13)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移して上記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで上記第1絶縁結合素子の信号の伝送を促進させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移してから第4時間が経過するまで上記第2絶縁結合素子の信号の伝送を促進させるように構成される、
付記11又は付記12に記載の半導体装置。
【0211】
(付記14)
第1スイッチ素子と、
第2スイッチ素子と、
第1絶縁結合素子及び第2絶縁結合素子と、
上記第1絶縁結合素子が信号を伝送している場合に上記第1スイッチ素子を導通状態に制御し、上記第1絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に上記第1スイッチ素子を非導通状態に制御するように構成された第1制御回路と、
上記第2絶縁結合素子が信号を伝送している場合に上記第2スイッチ素子を導通状態に制御し、上記第2絶縁結合素子が信号を伝送していない場合に上記第2スイッチ素子を非導通状態に制御するように構成された第2制御回路と、
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルへ遷移してから第1時間が経過した後に上記第1絶縁結合素子に信号を伝送させるように構成された第1スイッチ制御回路と、
上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから第2時間が経過した後に上記第2絶縁結合素子の信号を伝送させるように構成された第2スイッチ制御回路と、
を備える、半導体装置。
【0212】
(付記15)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移してから上記第2時間が経過する前に上記第1絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移してから上記第1時間が経過する前に上記第2絶縁結合素子の信号の伝送を停止させるように構成される、
付記14に記載の半導体装置。
【0213】
(付記16)
上記第1スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルへ遷移して上記第1時間が経過してからさらに第3時間が経過するまで上記第1絶縁結合素子の信号の伝送を促進させるように構成され、
上記第2スイッチ制御回路は、上記入力信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルへ遷移して上記第2時間が経過してからさらに第4時間が経過するまで上記第2絶縁結合素子の信号の伝送動作を促進させるように構成される、
付記14又は付記15に記載の半導体装置。
【0214】
(付記17)
電源電圧が供給されたことに基づいて、上記第1スイッチ素子の導通の制御を有効にする第1イネーブル信号と、上記第2スイッチ素子の導通の制御を有効にする第2イネーブル信号を生成するように構成されたイネーブル制御回路をさらに備え、
上記電源電圧が供給されたことに基づいて上記第1イネーブル信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルに遷移するタイミングは、上記電源電圧が供給されたことに基づいて上記第2イネーブル信号が上記第1論理レベルから上記第2論理レベルに遷移するタイミングよりも遅く、
上記電源電圧の供給が停止されたことに基づいて上記第1イネーブル信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルに遷移するタイミングは、上記電源電圧の供給が停止されたことに基づいて上記第2イネーブル信号が上記第2論理レベルから上記第1論理レベルに遷移するタイミングよりも早い、
付記11乃至付記16のいずれかに記載の半導体装置。
【0215】
(付記18)
上記第1絶縁結合素子及び上記第2絶縁結合素子のそれぞれは、光結合を利用して信号を伝送するように構成される、
付記11乃至付記17のいずれかに記載の半導体装置。
【0216】
(付記19)
上記第1絶縁結合素子及び上記第2絶縁結合素子のそれぞれは、磁気結合を利用して信号を伝送するように構成される、
付記11乃至付記17のいずれかに記載の半導体装置。
【0217】
(付記20)
上記第1絶縁結合素子及び上記第2絶縁結合素子のそれぞれは、容量結合を利用して信号を伝送するように構成される、
付記11乃至付記17のいずれかに記載の半導体装置。
【0218】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0219】
1,1a…半導体装置、10,10a,10b…集積回路、11…起動回路、12…電源回路、13…リセット回路、14,14a…イネーブル制御回路、15…発振回路、16…入力回路、17…LEDテスト回路、18,18a…LED制御回路、20,20-1,20-2,20a…ASW制御部、21,21-1,21-2,31…LED、22,22-1,22-2,32…受光部、22a,22b,22c…フォトダイオードアレイ、23,23-1,23-2,23a,33,33a…VGS制御回路、24,34…電流調整回路、30,30a…BSW制御部、40…ドライバ回路、40a,40b…ドライバ回路、41,41a,41b…AIN生成回路、42,42a,42b…TONA生成回路、50…ドライバ回路、51…BIN生成回路、52…TONB生成回路、60,60A,60A-1,60A-2,60B…LED駆動回路、62…抵抗素子、131…インバータ、132…遅延回路、133…AND回路、133…論理積回路、ASW,ASW1,ASW2…Aタイプスイッチ、BSW…Bタイプスイッチ、ACNT1,ACNT2…ASW制御回路、AENB1,AENB2…イネーブル信号、CLK…クロック信号、AIN,AIN1,AIN2,BIN,TONA,TONA1,TONA2,TONB…制御信号、NM…NMOSトランジスタ、DNM…デプレッション型NMOSトランジスタ、ENM…エンハンスメント型NMOSトランジスタ、NPN…NPNトランジスタ、PM…PMOSトランジスタ、CT…カウンタ、DC…遅延回路、FF…フリップフロップ回路、IV…インバータ、R…抵抗素子、AN…論理積回路、OR…論理和回路、NR…否定論理和回路、PD…フォトダイオード、T1~T8…端子、PKG,PKGa,PKGb…パッケージ、ZD…ツェナーダイオード、101…定電圧回路、102…DT回路、103a,103b,26,36…ドライバ回路、104a,104b…信号生成回路、25,35…受信回路