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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135183
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】タイヤ組立体
(51)【国際特許分類】
   B60C 5/00 20060101AFI20240927BHJP
   B60C 3/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B60C5/00 F
B60C3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045745
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】二宮 浩彰
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB03
3D131BC44
3D131CB03
(57)【要約】
【課題】 高負荷小径タイヤであってもロードノイズを低減し得るタイヤ組立体を提供する。
【解決手段】 本発明は、リム2と、リム2に装着された空気入りタイヤ3とのタイヤ組立体1である。リム2の外面2sと空気入りタイヤ3の内面3sとにより規定されるタイヤ内腔1cに、タイヤ周方向に延びる制音体9が設けられている。リム2のリム径RDは、18インチ以下である。空気入りタイヤ3のタイヤ断面幅SWに対する断面高さSHの比率SH/SWは、30%~45%である。タイヤ断面幅SWに対するリム2のリム幅RWの比率RW/SWは、78%~99%である。制音体9は、リム2の外面2sと空気入りタイヤ3の内面3sとの少なくとも一方に固着されたスポンジ材9aを含んでいる。スポンジ材9aの体積は、タイヤ内腔1cの全体積の0.4%以上である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムと、前記リムに装着された空気入りタイヤとのタイヤ組立体であって、
前記リムの外面と前記空気入りタイヤの内面とにより規定されるタイヤ内腔に、タイヤ周方向に延びる制音体が設けられ、
前記リムのリム径RDは、18インチ以下であり、
前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅SWに対する断面高さSHの比率SH/SWは、30%~45%であり、
前記タイヤ断面幅SWに対する前記リムのリム幅RWの比率RW/SWは、78%~99%であり、
前記制音体は、前記リムの前記外面と前記空気入りタイヤの前記内面との少なくとも一方に固着されたスポンジ材を含み、
前記スポンジ材の体積は、前記タイヤ内腔の全体積の0.4%以上である、
タイヤ組立体。
【請求項2】
前記リム径RDが、10インチ以上である、請求項1に記載のタイヤ組立体。
【請求項3】
前記スポンジ材の前記体積は、前記タイヤ内腔の前記全体積の20%以下である、請求項1に記載のタイヤ組立体。
【請求項4】
前記スポンジ材は、タイヤ周方向に部分的に設けられ、
前記スポンジ材が設けられたタイヤ周方向の角度の総和は、108~270°である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【請求項5】
前記タイヤ断面幅SWに対する前記スポンジ材のタイヤ軸方向の幅Wの比率W/SWは、10%~70%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【請求項6】
前記スポンジ材のタイヤ半径方向の最大高さは、30mm以下である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【請求項7】
前記スポンジ材の硬さは、10~250Nである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【請求項8】
前記スポンジ材の引張強さは、70kPa以上である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【請求項9】
前記スポンジ材の比重は、0.014~0.052である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【請求項10】
低床小型バスに用いられる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リムと、リムに装着された空気入りタイヤとのタイヤ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リムの外面と空気入りタイヤの内面とにより規定されるタイヤ内腔に、タイヤ周方向に延びる制音体が設けられたタイヤ組立体が知られている。例えば、下記特許文献1は、特定のスポンジ材を用いた制音体をタイヤ内腔に配することで、走行中のロードノイズを低減させた空気入りタイヤとリムとの組立体を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-306302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の組立体は、一般的な乗用車用タイヤとして用いられることを想定したものであり、低床小型バス等に用いられる高負荷小径タイヤを対象とするものではなかった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、高負荷小径タイヤであってもロードノイズを低減し得るタイヤ組立体を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リムと、前記リムに装着された空気入りタイヤとのタイヤ組立体であって、前記リムの外面と前記空気入りタイヤの内面とにより規定されるタイヤ内腔に、タイヤ周方向に延びる制音体が設けられ、前記リムのリム径RDは、18インチ以下であり、前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅SWに対する断面高さSHの比率SH/SWは、30%~45%であり、前記タイヤ断面幅SWに対する前記リムのリム幅RWの比率RW/SWは、78%~99%であり、前記制音体は、前記リムの前記外面と前記空気入りタイヤの前記内面との少なくとも一方に固着されたスポンジ材を含み、前記スポンジ材の体積は、前記タイヤ内腔の全体積の0.4%以上である、タイヤ組立体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタイヤ組立体は、上述の構成を備えることにより、高負荷小径タイヤであってもロードノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のタイヤ組立体の一実施形態を示す断面図である。
図2】本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。
図3】タイヤ組立体のタイヤ赤道における端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の正規状態のタイヤ組立体1を示すタイヤ子午線断面図である。ここで、「正規状態」とは、リム2に空気入りタイヤ3が装着され、かつ、正規内圧に調整された無負荷の状態である。以下、特に言及しない場合、タイヤ組立体1の各部の寸法等は、この正規状態で測定された値である。
【0010】
「正規内圧」は、空気入りタイヤ3が基づいている規格を含む規格体系が有る場合、各規格がタイヤ毎に定める空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。「正規内圧」は、空気入りタイヤ3が基づいている規格を含む規格体系が無い場合、メーカー等がタイヤ毎に定める空気圧である。
【0011】
図1に示されるように、タイヤ組立体1は、例えば、低床小型バスに用いられるタイヤのように高負荷小径タイヤとして好適に採用される。本実施形態のタイヤ組立体1は、リム2と、リム2に装着された空気入りタイヤ3との組立体である。
【0012】
リム2は、例えば、ディスク4と組み合わされることで、ホイール5を形成している。すなわち、ホイール5は、リム2とディスク4とを含んでいる。本実施形態のリム2は、ディスク4に溶着されている。リム2は、例えば、ディスク4と一体的に形成されてもよい。また、リム2は、例えば、タイヤ軸方向に分割されてディスク4を挟み込むものであってもよい。
【0013】
本実施形態のリム2のリム径RDは、18インチ以下である。本実施形態のタイヤ組立体1は、このような小径タイヤを対象としたものである。このようなタイヤ組立体1は、タイヤ外径を低減させることに役立ち、例えば低床小型バスに装着されたときに、車両空間内のスペース効率を向上させることができる。このような観点から、リム2のリム径RDは、より好ましくは、15インチ以下である。
【0014】
リム2のリム径RDは、好ましくは、10インチ以上である。このようなタイヤ組立体1は、リム2のタイヤ半径方向内側に、大径ブレーキやインホイールモーター等を配置するスペースを確保することができる。このような観点から、リム2のリム径RDは、より好ましくは、12インチ以上である。
【0015】
図2は、本実施形態の正規状態の空気入りタイヤ3のタイヤ子午線断面図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ3は、トレッド部6と、一対のサイドウォール部7と、一対のビード部8とを含んでいる。トレッド部6は、転動時に路面に接する接地面6sを有している。
【0016】
一対のサイドウォール部7は、それぞれ、トレッド部6のタイヤ軸方向の両側からタイヤ半径方向の内側に延びている。一対のビード部8は、それぞれ、サイドウォール部7のタイヤ半径方向の内側に位置し、リム2に装着されたときにリム2に当接する。
【0017】
本実施形態の空気入りタイヤ3のタイヤ断面幅SWに対する断面高さSHの比率SH/SWは、30%~45%である。このような空気入りタイヤ3は、タイヤ外径を低減させつつタイヤ内腔1cの体積を増大させることができ、例えば低床小型バスに求められる高負荷小径タイヤとして好適に採用され得る。
【0018】
ここで、タイヤ断面幅SWは、文字や模様等の突出部やリムガード3aを含まないサイドウォール部7の最大幅位置でのタイヤ軸方向の幅である。また、断面高さSHは、リム径RDとして規定されるビードベースラインBLからタイヤ赤道Cにおける接地面6sまでのタイヤ半径方向の高さである。また、タイヤ内腔1cは、リム2の外面2sと空気入りタイヤ3の内面3sとにより規定される空間である。
【0019】
タイヤ断面幅SWに対するリム2のリム幅RWの比率RW/SWは、好ましくは、78%~99%である。このようなリム2は、タイヤ断面幅SWに対するリム幅RWが大きいので、タイヤ内腔1cの体積を増大させることに役立つ。
【0020】
本実施形態のタイヤ内腔1cには、タイヤ周方向に延びる制音体9が設けられている。制音体9は、リム2の外面2sと空気入りタイヤ3の内面3sとの少なくとも一方に、本実施形態では、空気入りタイヤ3の内面3sに固着されたスポンジ材9aを含んでいる。このような制音体9は、タイヤ内腔1c内で発生する空洞共鳴音を抑制し、タイヤ組立体1のロードノイズを低減させることができる。
【0021】
本実施形態のスポンジ材9aの体積は、タイヤ内腔1cの全体積の0.4%以上である。このようなスポンジ材9aは、制音体9によるロードノイズの低減効果を確実に奏することができる。このため、本実施形態のタイヤ組立体1は、高負荷小径タイヤであってもロードノイズを低減することができる。
【0022】
ここで、スポンジ材9aの体積は、スポンジ材9aの内部の空間を含むスポンジ材9aの外形から求められる見かけ上の体積であって、空気入りタイヤ3がリム2から取り外された状態で測定された値である。また、タイヤ内腔1cの全体積は、スポンジ材9aがない状態でのタイヤ内腔1cの正規状態の体積に相当する。
【0023】
より好ましい態様として、スポンジ材9aの体積は、タイヤ内腔1cの全体積の20%以下である。このようなスポンジ材9aは、タイヤ組立体1のコストの低減とロードノイズの低減とを両立することができる。
【0024】
図2に示されるように、スポンジ材9aは、タイヤ赤道C上を含むタイヤ内腔1cのタイヤ軸方向の中心位置に配されるのが望ましい。このようなスポンジ材9aは、路面からの入力に対する振動が最も大きいタイヤ赤道C近傍で発生する空洞共鳴音を効率的に抑制することができる。
【0025】
タイヤ断面幅SWに対するスポンジ材9aのタイヤ軸方向の幅Wの比率W/SWは、好ましくは、10%~70%である。比率W/SWが10%以上であることで、制音体9によるロードノイズの低減効果を確実に奏することができる。比率W/SWが70%以下であることで、タイヤ組立体1のコストの低減とロードノイズの低減とを両立することができる。
【0026】
本実施形態のスポンジ材9aは、タイヤ内腔1cのタイヤ軸方向の中心位置に配されているので、幅Wが小さくてもロードノイズの効率的に低減することができる。このような観点から、比率W/SWは、より好ましくは、50%以下であり、更に好ましくは、30%以下である。ここで、スポンジ材9aの幅Wは、空気入りタイヤ3がリム2から取り外された状態で測定された値である。
【0027】
スポンジ材9aのタイヤ半径方向の最大高さHは、好ましくは、30mm以下である。このようなスポンジ材9aは、高速走行時の剥離を抑制することができ、タイヤ組立体1の耐久性能を向上させることができる。このような観点から、スポンジ材9aの最大高さHは、より好ましくは、25mm以下であり、更に好ましくは、20mm以下である。
【0028】
スポンジ材9aの最大高さHの下限値は、特に限定されるものではないが、制音体9によるロードノイズの低減効果を確実に奏するためにも、10mm以上であるのが好ましい。ここで、スポンジ材9aの最大高さHは、空気入りタイヤ3がリム2から取り外された状態で測定された値である。
【0029】
スポンジ材9aの硬さは、好ましくは、10~250Nである。スポンジ材9aの硬さが10N以上であることで、空洞共鳴音を効率的に抑制することができる。スポンジ材9aの硬さが250N以下であることで、スポンジ材9aが空気入りタイヤ3の内面3sに固着された場合にも、接地面6sの接地による変形に追従し、剥離を抑制することができる。ここで、スポンジ材9aの硬さは、JIS K6400-2に規定されたA法に準じて測定された値である。
【0030】
スポンジ材9aの引張強さは、好ましくは、70kPa以上である。スポンジ材9aの引張強さが70kPa以上であることで、スポンジ材9aが空気入りタイヤ3の内面3sに固着され接地面6sの接地により変形した場合にも破損することなく、耐久性能を向上させることができる。ここで、スポンジ材9aの引張強さは、JIS K6400-5の規定に準じて測定された値である。
【0031】
スポンジ材9aの比重は、好ましくは、0.014~0.052である。スポンジ材9aの比重が0.014以上であることで、空洞共鳴音を効率的に抑制することができる。スポンジ材9aの比重が0.052以下であることで、重量増加を抑制することができる。ここで、スポンジ材9aの比重は、JIS K7222に準じて測定された見掛け密度から換算された値である。
【0032】
制音体9は、例えば、スポンジ材9aをリム2の外面2s又は空気入りタイヤ3の内面3sに固着するための接着層9bを含んでいる。このような制音体9は、リム2の外面2s又は空気入りタイヤ3の内面3sに強固に固着することができ、耐久性能を向上させることができる。
【0033】
スポンジ材9aの断面形状は、図2では、2つの突出部を有する形状であるが、このような態様に限定されるものではなく、例えば、矩形状であってもよく、半円形状、台形状、三角形状等であってもよい。
【0034】
図3は、タイヤ組立体1のタイヤ赤道Cにおける端面図である。図3に示されるように、本実施形態のスポンジ材9aは、タイヤ周方向に部分的に設けられている。このようなスポンジ材9aは、重量増加を抑制すると共に、コストを低減することができる。
【0035】
スポンジ材9aが設けられたタイヤ周方向の角度θの総和Σθは、好ましくは、108~270°である。総和Σθが108°以上であることで、空洞共鳴音を確実に抑制することができる。総和Σθが270°以下であることで、重量増加を抑制すると共に、コストを低減することができる。
【0036】
図2に示されるように、ビード部8は、例えば、タイヤ周方向に延びる環状のビードコア10と、ビードコア10からタイヤ半径方向外側に延びるビードエーペックス11とを有している。ビードコア10は、例えば、スチールワイヤから形成されている。ビードエーペックス11は、例えば、硬質のゴムから形成されている。このようなビード部8は、高い剛性を有するので、荷重負荷状態の変形が抑制され、タイヤ組立体1のロードノイズを低減させることに役立つ。
【0037】
本実施形態の空気入りタイヤ3は、一対のビード部8の間を延びるカーカス12と、トレッド部6に配されたベルト層13とを含んでいる。ベルト層13は、例えば、カーカス12のタイヤ半径方向外側に配されている。
【0038】
カーカス12は、少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ12Aを含んでいる。カーカスプライ12Aは、トレッド部6からサイドウォール部7を経てビード部8のビードコア10に至る本体部12aと、本体部12aに連なり、ビードコア10の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部12bとを含むのが望ましい。このようなカーカス12は、ビード部8の剛性を向上させ、タイヤ組立体1のロードノイズを低減させることに役立つ。
【0039】
カーカスプライ12Aは、例えば、有機繊維コードからなるカーカスコード(図示省略)を含んでいる。有機繊維コードとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維及びレーヨン繊維からなる群より選択される1種単独又は2種以上のハイブリッド繊維のコードが挙げられる。
【0040】
ベルト層13は、少なくとも1枚、好ましくは、2枚以上、本実施形態では2枚のベルトプライ13A、13Bを含んでいる。2枚のベルトプライ13A、13Bは、例えば、タイヤ半径方向の内側に位置する第1ベルトプライ13Aと、第1ベルトプライ13Aの外側に位置する第2ベルトプライ13Bとを含んでいる。このようなベルト層13は、トレッド部6の剛性を向上することができ、タイヤ組立体1のロードノイズを低減させることができる。
【0041】
ベルトプライ13A、13Bは、例えば、スチールコードからなるベルトコード(図示省略)を含んでいる。ベルトコードは、例えば、スチール単線であってもよく、複数のスチールフィラメントを撚り合わせた撚り線であってもよい。
【0042】
ベルトコードは、例えば、タイヤ周方向に対して10~30°の角度で配されている。第1ベルトプライ13Aのベルトコードと第2ベルトプライ13Bのベルトコードとは、タイヤ周方向に対して互いに逆向きに傾斜するのが望ましい。
【0043】
このようなベルト層13は、トレッド部6の剛性をバランスよく高め、タイヤ組立体1のロードノイズを低減させることができる。ここで、ベルトコードの角度は、正規状態の空気入りタイヤ3における角度であり、例えば、トレッド部6を部分的に剥離させることで確認することができる。
【0044】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0045】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0046】
[本発明1]
リムと、前記リムに装着された空気入りタイヤとのタイヤ組立体であって、
前記リムの外面と前記空気入りタイヤの内面とにより規定されるタイヤ内腔に、タイヤ周方向に延びる制音体が設けられ、
前記リムのリム径RDは、18インチ以下であり、
前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅SWに対する断面高さSHの比率SH/SWは、30%~45%であり、
前記タイヤ断面幅SWに対する前記リムのリム幅RWの比率RW/SWは、78%~99%であり、
前記制音体は、前記リムの前記外面と前記空気入りタイヤの前記内面との少なくとも一方に固着されたスポンジ材を含み、
前記スポンジ材の体積は、前記タイヤ内腔の全体積の0.4%以上である、
タイヤ組立体。
【0047】
[本発明2]
前記リム径RDが、10インチ以上である、本発明1に記載のタイヤ組立体。
【0048】
[本発明3]
前記スポンジ材の前記体積は、前記タイヤ内腔の前記全体積の20%以下である、本発明1又は2に記載のタイヤ組立体。
【0049】
[本発明4]
前記スポンジ材は、タイヤ周方向に部分的に設けられ、
前記スポンジ材が設けられたタイヤ周方向の角度の総和は、108~270°である、本発明1ないし3のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【0050】
[本発明5]
前記タイヤ断面幅SWに対する前記スポンジ材のタイヤ軸方向の幅Wの比率W/SWは、10%~70%である、本発明1ないし4のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【0051】
[本発明6]
前記スポンジ材のタイヤ半径方向の最大高さは、30mm以下である、本発明1ないし5のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【0052】
[本発明7]
前記スポンジ材の硬さは、10~250Nである、本発明1ないし6のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【0053】
[本発明8]
前記スポンジ材の引張強さは、70kPa以上である、本発明1ないし7のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【0054】
[本発明9]
前記スポンジ材の比重は、0.014~0.052である、本発明1ないし8のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【0055】
[本発明10]
低床小型バスに用いられる、本発明1ないし9のいずれかに記載のタイヤ組立体。
【符号の説明】
【0056】
1 タイヤ組立体
1c タイヤ内腔
2 リム
2s 外面
3 空気入りタイヤ
3s 内面
9 制音体
9a スポンジ材
図1
図2
図3