(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135220
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】レーザースキャン装置、レーザースキャン方法およびレーザースキャン用プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G01C15/00 103E
G01C15/00 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045795
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 陽
(57)【要約】
【課題】レーザースキャン装置に正対していない面に対するレーザースキャンを効率化する。
【解決手段】水平回転する水平回転部と、前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系とを備えたレーザースキャン装置100であって、前記光学系において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、前記レーザースキャン装置100を用いて路面200面のレーザースキャンを行う場合において、前記水平回転部は、前記初期設定された値よりも速く水平回転する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平回転する水平回転部と、
前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系と
を備えたレーザースキャン装置であって、
前記光学系において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、
前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、
前記レーザースキャン装置を用いて水平面のレーザースキャンを行う場合において、
前記水平回転部は、前記初期設定された値よりも速く水平回転するレーザースキャン装置。
【請求項2】
当該レーザースキャン装置から水平方向で離れた前記水平面上の位置を位置P、
当該レーザースキャン装置から前記位置Pまでの水平距離をL、
当該レーザースキャン装置の前記水平面との鉛直方向における離間距離をh、
L>hとして、
前記水平面に対するレーザースキャンにおいて、
前記水平回転部の回転速度が(L/h)倍に調整される請求項1に記載のレーザースキャン装置。
【請求項3】
前記初期設定は、水平方向で正対する鉛直面において、当該レーザースキャン装置から見た水平な位置における前記水平回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔と、前記鉛直回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔とが均等になるように設定されている請求項2に記載のレーザースキャン装置。
【請求項4】
前記初期設定は、水平方向で正対する鉛直面において、当該レーザースキャン装置から見た水平な位置における前記水平回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔と、前記鉛直回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔との差が30%以内となるように設定されている請求項3に記載のレーザースキャン装置。
【請求項5】
水平回転する水平回転部と、
前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系と
を備えたレーザースキャン装置を用いたレーザースキャン方法であって、
前記光学系9において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、
前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、
前記レーザースキャン装置を用いて水平面のレーザースキャンを行う場合において、
前記水平回転部を前記初期設定された値よりも速く水平回転させるレーザースキャン方法。
【請求項6】
水平回転する水平回転部と、
前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系と
を備えたレーザースキャン装置を用いたレーザースキャンをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記光学系において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、
前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、
前記レーザースキャン装置を用いて水平面のレーザースキャンを行う場合において、
コンピュータに前記水平回転部を前記初期設定された値よりも速く水平回転させる制御を実行させるレーザースキャン用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザースキャンの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
水平回転部と鉛直回転部を組み合わせたレーザースキャン装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、地上設置型の測量用のレーザースキャン装置において、水平方向の正対面(鉛直に立てた面)上で縦横比が1の格子状にスキャン点(スキャン光の反射点)が分布しているとする。上記正対面を対象とした場合、正対面までの距離が変化すると、スキャン点の縦横の間隔の比率は変わらず、間隔の値が変化する(近くでは狭く、遠くでは広くなる)。
【0005】
ところで、例えば、道路の測量において、水平面である路面のレーザースキャンを行う場合がある。この場合、鉛直スキャン方向におけるスキャン点の間隔は、距離が同じであっても正対面を対象に設定された値よりも大きくなる(この点の詳細な説明は、
図1を参照して後述する)。他方において、当該路面上における鉛直スキャン方向に直交する方向のスキャン点の間隔は距離が同じであれば正対面を対象に設定された値とほぼ同じである。
【0006】
この結果、路面上におけるスキャン点の縦横の間隔のバランスが崩れ、路面上におけるスキャン点の密度は、鉛直スキャン方向において相対的に粗、鉛直スキャン方向に直交する方向(レーザースキャン装置から見て左右の方向:水平方向)において相対的に密となる。
【0007】
例えば、路面のレーザースキャンを行うに当たり、行政が定めた基準として、特定の寸法の正方区画に最低1点のスキャン点が必要といったものがある。この基準を満たすように鉛直スキャンの条件を定めた場合、鉛直スキャン方向に直交する方向におけるスキャン点の数が過剰になる。
【0008】
これは、無駄なデータを扱うことによるハードウェアの負担の増大、記憶領域の無駄な利用、消費電力の増大、処理時間の増大等を招き、作業の効率化の点で好ましくない。
【0009】
このような背景において、本発明は、レーザースキャン装置に正対していない面に対するレーザースキャンを効率化できる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、水平回転する水平回転部と、前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系とを備えたレーザースキャン装置であって、前記光学系において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、前記レーザースキャン装置を用いて水平面のレーザースキャンを行う場合において、前記水平回転部は、前記初期設定された値よりも速く水平回転するレーザースキャン装置である。
【0011】
本発明において、当該レーザースキャン装置から水平方向で離れた前記水平面上の位置を位置P、当該レーザースキャン装置から前記位置Pまでの水平距離をL、当該レーザースキャン装置の前記水平面との鉛直方向における離間距離をh、L>hとして、前記水平面に対するレーザースキャンにおいて、前記水平回転部の回転速度が(L/h)倍に調整される態様が挙げられる。
【0012】
本発明において、前記初期設定は、水平方向で正対する鉛直面において、当該レーザースキャン装置から見た水平な位置における前記水平回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔と、前記鉛直回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔とが均等になるように設定されている態様が挙げられる。本発明において、前記初期設定は、水平方向で正対する鉛直面において、当該レーザースキャン装置から見た水平な位置における前記水平回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔と、前記鉛直回転の回転角の方向における前記パルス状のレーザースキャン光の反射点の間隔との差が30%以内となるように設定されている態様が挙げられる。
【0013】
本発明は、水平回転する水平回転部と、前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系とを備えたレーザースキャン装置を用いたレーザースキャン方法であって、前記光学系において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、前記レーザースキャン装置を用いて水平面のレーザースキャンを行う場合において、前記水平回転部を前記初期設定された値よりも速く水平回転させるレーザースキャン方法である。
【0014】
水平回転する水平回転部と、前記水平回転部に配置され、鉛直回転する光学系とを備えたレーザースキャン装置を用いたレーザースキャンをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記光学系において、パルス状のレーザースキャン光の発光および該レーザースキャン光の反射光の受光が行われ、前記水平回転の回転速度と前記鉛直回転の回転速度は、特定の値に初期設定され、前記レーザースキャン装置を用いて水平面のレーザースキャンを行う場合において、コンピュータに前記水平回転部を前記初期設定された値よりも速く水平回転させる制御を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、レーザースキャン装置に正対していない面に対するレーザースキャンを効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】路面のレーザースキャンを行う状態を示す概念図(A)とその部分拡大図(B)である。
【
図2】路面のレーザースキャンを行う状態を示す斜視図である。
【
図4】路面におけるスキャン点の分布を示す図である。
【
図5】路面におけるスキャン点の分布を示す図である。
【
図7】処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.第1の実施形態
図1(A)および
図2には、レーザースキャン装置100を路面200の上に設置し、路面200のレーザースキャンを行う場合が示されている。ここで、路面200は水平で、レーザースキャン装置100は水平に設置されているとする。また、レーザースキャン装置の位置と姿勢の情報が既知であるとする。
【0018】
図3には、レーザースキャン装置(レーザースキャナ)100の外観が示されている。レーザースキャン装置100は、三脚101、三脚101の上部に固定されたベース部102、ベース部102上で水平回転が可能な回転体である水平回転部103、水平回転部103に対して鉛直回転が可能な回転体である鉛直回転部104を備えている。また、水平回転部103の背面には、図示しない操作パネルが配置されている。
【0019】
鉛直回転部104は、レーザースキャン光の放射と受光を行う光学系である光学部105を備えている。鉛直回転部104が鉛直回転することで、光学部105は鉛直回転する。光学部105からレーザースキャン光がパルス発光される。このパルス発光は、鉛直回転部104が回転しながら、その回転軸(水平方向に延長する軸)に直交する方向(鉛直面)に沿って行われる。この場合、光学部105から鉛直角の方向(仰角および俯角の角度方向)に沿ってレーザースキャン光がパルス発光される。
【0020】
鉛直回転部104を回転させながら上記のレーザースキャン光のパルス発光が行われることで、鉛直スキャンが行われる。
図2に示すように、路面200を対象に鉛直スキャンを行うと、レーザースキャン装置100から離れる方向(
図1,2のY軸の方向)の沿って点々とスキャン点が分布する状態となる。以下、鉛直スキャンの方向を鉛直スキャン方向という。
【0021】
水平回転部103を水平回転させ、且つ、鉛直回転部104を鉛直回転させながら、光学部105からレーザースキャン光をパルス発光させ、対象物からのその反射光を光学部105で受光することで、周囲に対するレーザースキャンが行われる。
【0022】
上記の鉛直スキャンと同時に水平回転部103が水平回転することで、鉛直スキャンのラインが水平角方向(水平方向)に沿ってずれるようにして移動する。
【0023】
なお、鉛直回転時に水平回転も同時に行った場合、鉛直スキャンは完全に鉛直角の方向(
図2の場合はY軸の方向)に沿っておらず、僅かであるが少し斜めの線となる。なお、水平回転部103が回転しなければ、鉛直スキャンは鉛直角の方向(
図2の場合はY軸に方向)に沿ったものとなる。
【0024】
水平回転部103と鉛直回転部104の回転は、モータにより行われる。水平回転部103の水平回転角と、鉛直回転部104の鉛直回転角は、エンコーダにより精密に計測される。
【0025】
各レーザースキャン光は、1条のパルス測距光であり、一つのレーザースキャン光により、当該レーザースキャン光が当たった反射点であるスキャン点の測距が行われる。この測距値とレーザースキャン光の照射方向から、レーザースキャン装置100に対するスキャン点(レーザースキャン光の反射点)の位置が算出される。
【0026】
多数のスキャン点の位置データにより点群データが構成される。点群データの形態としては、各点(各スキャン点)に係る距離と方向のデータを出力する形態が挙げられる。レーザースキャン装置100の内部において、特定の座標系における各点の位置を計算し、各点の3次元座標位置を点群データとして出力する形態も可能である。また、レーザースキャンにより得られた点群のデータには、各スキャン点の輝度(反射光の強度)の情報も含まれている。
【0027】
図1(A)において、Lはレーザースキャン装置100の光学原点(測距の原点)からスキャン点P1までの水平距離であり、hは路面200からレーザースキャン装置100の光学原点までの高さである。
図1(A)において、L,h,θには、三角関数の定義からtanθ=h/Lの関係が成り立つ。
【0028】
図1(B)は、スキャン点(スキャン光の反射点)P1の付近を拡大した概念図である。
図1(B)において、θが十分に小さければ、鉛直スキャン方向で隣接するスキャン光を平行光と近似でき、近似的にtanθ=Δz/Δyの関係が成り立つと見なせる。ここで、Δyは、路面200上における鉛直スキャン方向における隣接するスキャン点P1とP2の間の距離である。なお、スキャン点の位置は、反射面におけるスキャン光のビーム断面の幾何中心の位置として把握される。
【0029】
Δzは、レーザースキャン装置100から水平距離L離れた路面200の位置(P1の位置)における鉛直方向における隣接する2本のスキャン光の光軸間の離間距離である。Δzは、レーザースキャン装置100に正対する鉛直面における鉛直方向におけるスキャン点の間隔に対応する(厳密には、両者は同一ではないが、θが小さければ、近似的にそう見なせる)。上記の関係式から、tanθ=h/L=Δz/Δyが得られ、Δy=(L/h)Δzとなる。
【0030】
レーザースキャン装置100は、レーザースキャン装置100に正対する鉛直面において、レーザースキャン装置100から見た水平な位置におけるスキャン点の分布が、水平方向(水平角方向)におけるスキャン点の間隔(水平間隔)と、鉛直スキャン方向(鉛直角方向)におけるスキャン点の間隔(鉛直間隔)が均等になるように初期設定されている。
図8は、初期設定がされる状態の概念図である。P0は、レーザースキャン装置100の光学原点から水平な方向におけるレーザースキャン装置100に正対する鉛直面上の位置である。P0の位置において、レーザースキャン装置100から見た水平方向(水平角方向)におけるスキャン点の間隔(水平間隔)と、鉛直スキャン方向(鉛直角方向)におけるスキャン点の間隔(鉛直間隔)が均等になるように初期設定されている。これは、レーザースキャン装置における通常の仕様である。
【0031】
均等の程度としては、両間隔が同一である場合が理想であるが、両間隔の差が30%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下となるように初期設定される。具体的には、(水平間隔)/(鉛直間隔)の値を0.7~1.3、好ましくは0.8~1.2、より好ましくは0.9~1.1となるように初期設定が行われる。
【0032】
ここで、
図1の路面200上の点P1における鉛直スキャン方向に直交する水平な方向(
図2のX軸の方向(水平回転部103の水平角の方向))でのスキャン点の間隔をΔx(図示せず)とする。この例では、レーザースキャン装置100に水平方向で正対する鉛直面の正対位置(
図8のP0の位置)において、Δx(水平間隔)=Δz(鉛直間隔)となるようにレーザースキャン装置100は初期設定されている。
【0033】
点P1位置は、レーザースキャン装置100から見て水平な方向ではなく、やや斜め下の方向になる。よって、路面200上の点P1の位置における上記Δxの値はΔzの値と同じではなく多少のずれを生じる。しかしながら、そのずれは僅かであり、P1の位置において、近似的にΔx=Δzと見なすことができる。
【0034】
ここで、Δy=(L/h)Δzであるから、Δx=Δzから、Δy=(L/h)ΔxあるいはΔx=(h/L)Δyとなる。
【0035】
通常、Lは数m~数十mであり、hは1m~1.5m程度であるので、L>hであり、Δxは、Δyよりも小さくなる。つまり、路面200上におけるスキャン光の光軸に直交する水平な方向(
図2のX軸方向(レーザースキャン装置100から見た水平角の方向))におけるスキャン点の間隔は、路面200上の鉛直スキャン方向(Y軸方向)におけるスキャン点の間隔よりも狭く(小さく)なる。
【0036】
逆にいうと、ΔyはΔxより大きく、路面200上の鉛直スキャン方向におけるスキャン点の間隔は、スキャン光の光軸に直交する水平な方向におけるスキャン点の間隔よりも広く(大きく)なる。
【0037】
ここで、路面200上でスキャン点を正方格子状(上下左右(縦横)で均等)に分布させることを考える。すなわち、路面200上におけるスキャン点の間隔が、鉛直スキャン方向(
図1,
図2のY軸方向)と、それに直交する水平方向(
図2のX軸方向)とで同じとなるようにすることを考える。
【0038】
これには、Δx=Δyとなるように、Δxを大きくすればよい。具体的には、路面200上における
図2のX軸の方向(水平角の方向)におけるスキャン点の間隔が(L/h)倍となるようにスキャンの条件を調整する。
【0039】
ここでは、上記の調整を実現するために、レーザースキャン装置100の水平回転部103の水平回転速度を上記の初期設定値の(L/h)倍とする。
【0040】
この場合、距離LにおけるX軸方向におけるスキャン点の間隔がΔx=(h/L)Δyの(L/h)倍となり、Δx=Δyを実現できる。厳密には、いくつかに誤差要因により、正確にΔx=Δyとはならない場合もあるが、路面200上における鉛直スキャン方向に直交する方向(
図2のX軸の方向)におけるスキャン点の間隔と鉛直スキャン方向(
図1,
図2のY軸の方向)のスキャン点の間隔の差を是正することができる。すなわち、路面200上での鉛直角の方向と水平角の方向におけるスキャン点の間隔の差を是正できる。
【0041】
この方法によれば、特定の水平距離Lにおいて、水平面上(この場合は路面200上)における鉛直角の方向におけるスキャン点の間隔と、レーザースキャン装置100から見た水平角の方向におけるスキャン点の間隔の差を是正できる。
【0042】
しかしながら、レーザースキャン装置100からの水平距離がLから遠い、あるいは近い距離では、両者に差が生じる。例えば、L=20mにおいて、路面200上における鉛直角の方向と水平角の方向におけるスキャン点の間隔の差が最小(理想的には同一)となるように、レーザースキャン装置100の水平回転部103の水平回転速度を初期設定時の(L/h)倍としたとする。
【0043】
この場合、レーザースキャン装置100からの距離が15mと25mの位置において、路面200上におけるX軸方向におけるスキャン点の間隔とY軸方向のスキャン点の間隔に差が生じる。具体的には、路面200において、距離20mの位置で正方格子状にスキャン点が分布し、そこから距離が遠くなると、相対的にY軸方向よりもX軸方向におけるスキャン点の密度が高くなり、20mよりも距離が短くなると、逆の傾向となる。しかしながら、距離15m~25mの範囲において、路面200上におけるY軸方向とX軸方向におけるスキャン点の間隔の差をある程度の範囲に抑えることができる。
【0044】
図4は、レーザースキャン装置100から見て正対する鉛直面の正対位置(
図8のP0)において、水平角方向におけるスキャン点の間隔と鉛直角方向のスキャン点の間隔が同じとなるように初期設定されたレーザースキャン装置100を用いて、20m先(つまり、L=20m)の路面200に対するレーザースキャンを行った場合の路面200上におけるスキャン点の分布を示す図である。
図4は、路面200を鉛直上方から見た場合のスキャン点の分布となる。なお、h=1.25mである。また、
図4における格子の間隔は10cm(単位四角形の一辺は10cm)である。
【0045】
図4の縦軸は、
図1、
図2のY軸の方向であり、横軸は
図2のX軸の方向である。この場合、
図1を用いて説明した原理により、路面200上におけるY軸方向のスキャン点の間隔がX軸方向におけるスキャン点の間隔に比較して大きくなる。なお、X軸方向におけるスキャン点が一直線上に並んでいないのは、発光時刻の揺らぎ、路面の凹凸の影響、スキャン光のビームの広がり、演算誤差等の影響による誤差があるからである。また、厳密には、X軸方向におけるスキャン点は円弧上に分布するが、距離20mでは、その傾向は極小さく、40cm程度の範囲では直線上に分布すると見なせる。
【0046】
図4の場合、Y軸方向(縦軸)におけるスキャン点は、およそ10cm間隔で分布している。また、X軸方向(横軸)におけるスキャン点の密度は、Y軸方向におけるスキャン点の密度の約16倍である。ここで、X軸方向がレーザースキャン装置100の水平回転角の方向に対応することを考えると、スキャン時における水平回転部103の速度を16倍にすると、スキャン点の分布が1区画に1点となることが分かる。
【0047】
具体的には、L=20m、h=1.25mであるから、(L/h)=16となり、スキャン時における水平回転部の速度を初期設定時の16倍とする。この結果、X軸方向におけるスキャン点の間隔が16倍となる(X軸方向におけるスキャン点の密度は1/16となる)。この結果、X軸方向におけるスキャン点の間隔が広がり、路面200上におけるスキャン点の分布が
図5のようになる。
図5の場合、10cm四方に1点のスキャン点の分布を実現できる。
【0048】
以上述べた技術によれば、hが既知であり、Lを決めれば、回転速度を初期設定時の(L/h)倍にすることで、距離Lにおける路面上におけるスキャン点の分布を略格子状に揃えることができる。
【0049】
(具体例)
例えば、路面上におけるスキャン点の密度が10cm×10cmの範囲に1点以上といった条件を満たすレーザースキャンが必要であるとする。この場合、
図5の条件によりレーザースキャンを行うことで、距離20m以下において、上記の条件を満たす路面へのレーザースキャンが可能となる。
【0050】
(ブロック図)
図6は、レーザースキャン装置100のブロック図である。レーザースキャン装置100は、操作内容受付部111、発光部112、受光部113、測距部114、方向取得部115、点群データ生成部116、水平回転駆動制御部117、鉛直回転駆動制御部118、発光タイミング制御部119、水平回転速度算出部120、鉛直回転速度算出部121、データ記憶部122、通信装置123、スキャン条件算出部124を備える。
【0051】
測距部114、方向取得部115、点群データ生成部116、水平回転駆動制御部117、鉛直回転駆動制御部118、発光タイミング制御部119、水平回転速度算出部120、鉛直回転速度算出部121、データ記憶部122およびスキャン条件算出部124により、処理部125が構成されている。処理部125は、プログラムにより図示する各機能を実現するコンピュータにより実現されている。処理部125の一部または全部を専用のハードウェアで構成することも可能である。処理部125の一部または全部をレーザースキャン装置100の外部に用意する形態も可能である。
【0052】
操作内容受付部111は、ユーザーインターフェースであり、例えばタッチパネルディスプレイにより構成される。ユーザは、操作内容受付部111を操作し、レーザースキャン装置100の操作や各種の設定を行う。端末やスマートフォンを用いて操作内容の受付が行われる形態も可能である。
【0053】
発光部112は、レーザースキャン光の発光を行うための発光素子、光学系、発光素子の駆動系を有している。受光部113は、対象から反射して戻ってきたレーザースキャン光を受光する受光素子、光学系、受光素子から出力される検出信号を扱う回路を有している。
【0054】
測距部114は、光波測距の原理により、レーザースキャン装置100の光学原点からレーザースキャン光の反射点までの距離を算出する。これは、通常のレーザー距離計の原理と同じである。方向取得部115は、水平回転部103の水平回転角と鉛直回転部104の鉛直回転角から、各レーザースキャン光の光軸の方向を取得する。
【0055】
点群データ生成部116は、各スキャン点に係り、レーザースキャン装置100の位置を原点とする座標系における位置を記述したデータである点群データを生成する。例えば、各スキャン点に係るレーザースキャン装置100からの方向と距離のデータの群により点群データが構成される。点群データでは、各スキャン点からの反射光の強度も関連付けされている。
【0056】
水平回転駆動制御部117は、水平回転部103の水平回転の駆動制御を行う。鉛直回転駆動制御部118は、鉛直回転部104の鉛直回転の駆動制御を行う。発光タイミング制御部119は、発光部112の発光素子の発光タイミングの制御を行う。水平回転速度算出部120は、水平回転部103の回転速度を算出する。鉛直回転速度算出部121は、鉛直回転部104の回転速度を算出する。
【0057】
データ記憶部122は、レーザースキャン装置100の動作において扱う各種データや動作プログラムを記憶する。通信装置123は、他の機器との通信を行う。通信は、有線や無線(無線LANや携帯電話回線)を利用して行われる。スキャン条件算出部124は、スキャン点の間隔を調整する際の条件に係る各種の計算を行う。本実施形態では、スキャン条件算出部124は利用されない。
【0058】
(動作の一例)
以下、レーザースキャン装置100を用いた路面200に対するレーザースキャンを行う場合の処理の手順の一例を説明する。
図7は、当該処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートを実行するためのプログラムは、データ記憶部122に記憶され、
図6の処理部124を構成するコンピュータのCPUにより実行される。
【0059】
ここでは、
図1,
図2に示すように、路面200上に設置されたレーザースキャン装置100により、路面200表面のレーザースキャンを行い、路面200表面のレーザースキャン点群を得る場合を説明する。ここで、路面200の表面は略水平であり、レーザースキャン装置100は、路面200上で水平に設置されているとする。また、レーザースキャン装置100は、レーザースキャン装置100から水平距離Lで離れた鉛直面において、レーザースキャン装置100から見た水平な位置(
図8のP0)におけるスキャン点の分布が、水平方向(水平角方向)におけるスキャン点の間隔(水平間隔)と、鉛直スキャン方向(鉛直角方向)におけるスキャン点の間隔(鉛直間隔)が均等になるように初期設定されている。また、レーザースキャン装置100の位置と姿勢の情報も既知であるとする。
【0060】
まず、設置位置におけるレーザースキャン装置100の路面200からの高さhの値を受け付ける(ステップS101)。なお、レーザースキャン装置100の位置は、レーザースキャン装置100の光学原点(測距を行う起点)の位置とする。hの値の取得の方法としては、ユーザの入力を受け付ける形態やセンサの計測値を受け付ける形態が挙げられる。
【0061】
次に、路面200上でスキャン点を正方格子状に得たい水平距離L(レーザースキャン装置200からの水平距離L)の値を受け付ける(ステップS102)。Lはユーザが入力する、また、予め数種類のLの値を図示しない操作パネル上に表示しておき、そこからユーザが希望するLの値を選択する形態も可能である。
【0062】
次に、ステップS101において得たhの値、およびステップS102において得たLの値に基づき、水平回転部102の水平回転速度の算出を行う(ステップS103)。具体的には、
図1を用いて説明した方法を用い、初期設定の水平回転速度を(L/h)倍した値を新たな水平回転速度として求める。この処理は、水平回転速度算出部120において行われる。
【0063】
次に、ステップS103において算出した水平回転速度を用いた路面200に対するレーザースキャンを行い(ステップS104)、路面200表面の点群データを生成する(ステップS105)。
【0064】
以上の方法によれば、路面200上のレーザースキャン装置100から水平距離Lの位置において、正方格子状に分布したスキャン点の点群データを得ることができる。
【0065】
2.第2の実施形態
例えば、レーザースキャン装置100から水平距離Lの路面200上における正方格子状に分布したスキャン点の間隔の具体的な値(例えば、15m先で10cm間隔等)が指定されているとする。この場合に対応できる例を以下に説明する。
【0066】
(初めに)
発光周波数をf(発光回数/秒)、鉛直回転部104の回転速度をV(回/秒)とすると、鉛直回転部104が1回転するのに必要な時間Tは、T=1/Vであり、1秒にf回発光するので、鉛直回転部104が1回転する際の発光回数はTf=(f/V)回となる。半径Lの円周の長さは、2πLであり、この円周の長さにおいて、Tf=(f/V)回の発光が行われる。よって、水平方向において、レーザースキャン装置100に距離Lで正対した鉛直面におけるレーザースキャン装置100から見た水平な位置における鉛直スキャン点の間隔Dvは、Dv=2πL/Tf=2πL/(f/V)=2πL(V/f)となる。
【0067】
例えば、L=10m、V=16(回転/秒)、f=100kHzとすると、Dv≒1cmとなる。ここで、L=10mにおいて、Dv≒0.5cmを実現したいのであれば、(V/f)の値を(1/2)倍とすればよい。例えば、鉛直回転部104の回転速度Vを半分にする、あるいは発光周波数fを2倍にすればよい。もちろん、鉛直回転部104の回転速度Vと発光周波数fの両方を調整してもよい。このように、(V/f)の値により、鉛直方向におけるスキャン点の間隔を調整することができる。
【0068】
鉛直回転部104の回転速度Vは、鉛直回転駆動制御部118により調整が可能である。スキャン光の発光周波数fは、発光タイミング制御部119により調整が可能である。具体的には、スキャン光の発光間隔を決めるクロック周波数を可変することで、fの調整が行われる。
【0069】
(前提条件)
ここでは、
図1および
図2に示すモデルにおいて、路面200を対象にレーザースキャンを行うとする。また、レーザースキャン装置100の発光周波数の初期設定値をf0、鉛直回転部104の回転速度(回/秒)の初期設定値をV0、水平回転部103の回転速度(回/秒)の初期設定値をHV0(回/秒)とする。初期設定値の条件は
図8に関連して先に述べた通りである。また、hは既知であるとする。また、レーザースキャン装置100の位置と姿勢も既知であるとする。
【0070】
(処理の手順の一例)
まず、路面200上におけるレーザースキャン装置100から見た鉛直スキャン方向と水平角の方向におけるスキャン点の間隔を同じとする距離L(レーザースキャン装置100からの水平離間距離)と、路面200上の距離Lにおける上記各方向におけるスキャン点の離間距離Dがユーザにより指定される。
【0071】
上記の指定を受け、以下の演算が行われる。この演算は、スキャン条件算出部124において行われる。まず、初期設定状態のレーザースキャン装置100を用いて、距離L離れた鉛直面でのレーザースキャン装置100から見た水平な位置における鉛直スキャン点の間隔Dvを求める。Dvは、Dv=2πL(V0/f0)から算出される。
【0072】
ここで、DとDvを比較するために、Dをレーザースキャン装置100に正対する鉛直面でのレーザースキャン装置100から見た水平な位置における鉛直スキャン点の間隔D’に変換する。まず、
図1の幾何関係から、D’/D=h/L、D’=hD/Lが成り立つ。
【0073】
ここで両者の比(D’/Dv)を考える。仮にD’/Dv=1であれば(あえて意図しなければ、これは希な場合である)、初期設定値の(V0/f0)の変更は必要ない。D’/Dv=1でない場合、DとDv’が同じになるように(V0/f0)を変更する。すなわち、Dv=2πL(V0/f0)であるので、(V0/f0)を変更すれば、Dvを目標とするD’に合わせることができる。
【0074】
例えば、(D’/Dv)=0.5であれば、Dvを半分にすることで、Dvを目標とするD’に合わせることができる。この場合、(V0/f0)を1/2にすればよい。具体的には、鉛直回転部104の回転速度V0を(1/2)倍あるいは発光周波数f0を2倍にすることで、鉛直スキャン点の間隔を半分に狭める。
【0075】
一般化すると、(V/f)=(D’/Dv)×(V0/f0)となるように(V/f)の値を決定する。ここで、D’=hD/Lであり、Dv=2πLV0/f0である。
【0076】
この新たな(V/f)を求める処理がスキャン条件算出部124において行われる。ここで求めた(V/f)の実現は、Vまたはf、あるいはその両方を調整することで行われる。ここで、Vの算出は、鉛直回転速度算出部121において行われ、fの算出は、発光タイミング制御部119で行われる。
【0077】
上記(V/f)の変更により、距離Lの路面200上において鉛直スキャンの希望する間隔Dが得られる。次に、レーザースキャン装置100から見た水平回転角の方向(鉛直スキャン方向に直交する方向)での距離Lにおける路面200上のスキャン点の間隔をDに調整する方法を説明する。この場合、水平回転部103の回転速度を調整することで上記水平回転角の方向におけるスキャン点の間隔を調整する。
【0078】
水平回転部103の回転速度の調整については、以下のようにする。まず、(D’/Dv)=1である場合は、第1の実施形態で説明した方法により、距離Lの路面200上での水平回転に関係するスキャン点の間隔の調整を行う。なお、Dv=2πL(V0/f0)、D’=hD/Lである。
【0079】
(D’/Dv)≠1である場合、水平回転部103の回転速度を以下のように変更する。この場合、まず水平回転部103の回転速度HV0(回/秒)を(D’/Dv)倍する。例えば、D’<Dvであれば、HV0を小さくし、距離Lにおける
図2のX軸方向におけるスキャン点の間隔(水平回転角の方向におけるスキャン点の間隔)が小さくなるようにする。D’>Dvであれば、逆の傾向の変更を行う。この変更された水平回転部103の回転速度をHV0’とする。
【0080】
この変更された水平回転部103の回転速度HV0’を基準に、更に第1の実施形態において説明した水平回転速度の変更を行い、最終的な水平回転部103の回転速度HV0’’を得る。以上の水平回転速度を決める演算は、水平回転速度算出部120において行われる。
【0081】
そして、鉛直回転部104の回転速度Vと光学部105からの発光周波数fを(V/f)=(D’/Dv)×(V0/f0)の条件とし、また水平回転部103の回転速度をHV0’’としたレーザースキャンを行う。
【0082】
これにより、路面200上のレーザースキャン装置100からの距離Lの位置における鉛直スキャン方向のスキャン点の間隔と鉛直スキャン方向に直交する方向(水平回転部103の水平回転角の方向)におけるスキャン点の間隔を、共にユーザが指定した値Dに設定したレーザースキャンを行える。
【0083】
3.第3の実施形態
本発明は、路面200が傾斜している場合にも利用できる。ここでの傾斜は、
図1の左側から右側に向かって上り坂、あるいは下り坂の場合である。路面200が傾斜していると、
図1の場合に比較して誤差が発生する。
【0084】
例えば、
図1の左側から右側に向かって上り坂の場合、路面200上における鉛直スキャン方向での隣接するスキャン点の間隔は、路面200に傾きがない場合に比較して小さくなる。傾斜が逆の場合は逆の傾向となる。この点を考慮に入れて計算を行うことで、上記の路面200の傾斜に起因する誤差を抑えることができる。もちろん、誤差が許容できる程度に坂の傾斜が緩い場合は、路面200が水平と仮定して処理を行えばよい。
【0085】
4.その他
レーザースキャンの対象としては、路面以外に地面、建物の床面、建物やトンネルの天井面が挙げられる。鉛直スキャンをミラーの回転により行う方法も可能である。この場合、回転するミラーが鉛直回転し、鉛直角方向に対するスキャン光の放射(出射)と受光が行われる。レーザースキャン装置100を台車のような移動体の上に乗せ、移動し易い構成とすることも可能である。
【0086】
5.変形例
以下、任意の水平距離Lにおけるレーザースキャン装置100に正対する鉛直面において、レーザースキャン装置100から水平な方向におけるスキャン点が所望の間隔Dの正方格子状に分布したレーザースキャンを行う場合を説明する。
【0087】
まず、ユーザが指定する水平距離Lにおけるスキャン点の間隔Dを受け付ける。ここでは、レーザースキャン装置100から水平距離Lで離れた鉛直面において、レーザースキャン装置100から見た水平な位置におけるスキャン点の分布が間隔Dの正方格子状となる条件が指定されるとする。
【0088】
次に、初期設定の状態のレーザースキャン装置100を用いた場合に得られる距離Lにおける鉛直スキャン方向における隣接するスキャン点の間隔Dvを求める。Dvは、Dv=2πL(V0/f0)から算出される。初期設定は、
図8に関連して説明した設定である。
【0089】
次に、鉛直回転部104の回転速度Vと光学部105からの発光周波数fを(V/f)=(D/Dv)×(V0/f0)とし、また水平回転部103の回転速度を初期設定値の(D/Dv)とする。これにより、レーザースキャン装置100に水平距離Lで正対する鉛直面におけるレーザースキャン装置100から見た水平な位置におけるスキャン点の分布が間隔Dの正方格子状となるレーザースキャンが可能となる。
【符号の説明】
【0090】
100…レーザースキャン装置、101…三脚、102…ベース部、103…水平回転部、104…鉛直回転部、105…光学部、200…路面。