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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135231
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】接合型配線部材
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/88 J
H01L21/90 J
H01L21/92 602B
H01L21/92 602H
H01L21/92 602J
H01L21/92 603B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045812
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】小原 佳
(72)【発明者】
【氏名】津村 一道
【テーマコード(参考)】
5F033
【Fターム(参考)】
5F033HH07
5F033HH13
5F033HH18
5F033JJ33
5F033MM03
5F033MM30
5F033PP15
5F033PP26
5F033QQ08
5F033QQ19
5F033QQ31
5F033VV07
5F033XX13
5F033XX20
(57)【要約】
【課題】信頼性を高くすることができる接合型配線部材の提供。
【解決手段】接合型配線部材は、第1方向に延びる第1貫通孔を有する第1基板と、第1方向において第1基板と対向し、第1方向に延びる第2貫通孔を有する第2基板と、第1方向において第1基板と第2基板との間に位置し、第1基板及び第2基板の少なくともいずれか一方に積層され、第1貫通孔及び第2貫通孔と連続する貫通孔を有する配線部と、配線部の貫通孔の側面に設けられた導電膜と、第1方向において第1基板と第2基板との間に位置し、第1基板と第2基板とを接合する少なくとも2つの接合金属部と、接合金属部と配線部との間に設けられた下地金属膜とを備え、導電膜は、接合金属部の材料及び下地金属膜の材料と異なる材料からなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1貫通孔を有する第1基板と、
前記第1方向において前記第1基板と対向し、前記第1方向に延びる第2貫通孔を有する第2基板と、
前記第1方向において前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板及び前記第2基板の少なくともいずれか一方に積層され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔と連続する貫通孔を有する配線部と、
前記配線部の前記貫通孔の側面に設けられた導電膜と、
前記第1方向において前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板と前記第2基板とを接合する少なくとも2つの接合金属部と、
前記接合金属部と前記配線部との間に設けられた下地金属膜と、
を備え、
前記導電膜は、前記接合金属部の材料及び前記下地金属膜の材料と異なる材料からなる接合型配線部材。
【請求項2】
前記配線部は、前記下地金属膜を介して前記接合金属部と電気的に接続された配線層を有する請求項1に記載の接合型配線部材。
【請求項3】
前記配線部は、前記第1基板及び前記第2基板のそれぞれに積層され、
前記導電膜は、前記第1基板及び前記第2基板のそれぞれに積層された前記配線部の前記貫通孔の前記側面に設けられている請求項1に記載の接合型配線部材。
【請求項4】
前記第2貫通孔の側面に設けられた電極膜をさらに備え、
前記配線部は、前記第1基板に積層され、
前記配線部は、前記下地金属膜及び前記接合金属部を介して、前記電極膜と電気的に接続された配線層を有する請求項1に記載の接合型配線部材。
【請求項5】
前記接合金属部は、主に金を含み、
前記下地金属膜は、主にパラジウム、チタン、またはパラジウム膜とチタン膜との積層膜を含み、
前記導電膜は、主に窒化チタンを含む請求項1~4のいずれか1つに記載の接合型配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接合型配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
配線部材に貫通孔を形成した構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-282038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、信頼性を高くすることができる接合型配線部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、接合型配線部材は、第1方向に延びる第1貫通孔を有する第1基板と、前記第1方向において前記第1基板と対向し、前記第1方向に延びる第2貫通孔を有する第2基板と、前記第1方向において前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板及び前記第2基板の少なくともいずれか一方に積層され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔と連続する貫通孔を有する配線部と、前記配線部の前記貫通孔の側面に設けられた導電膜と、前記第1方向において前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板と前記第2基板とを接合する少なくとも2つの接合金属部と、前記接合金属部と前記配線部との間に設けられた下地金属膜と、を備え、前記導電膜は、前記接合金属部の材料及び前記下地金属膜の材料と異なる材料からなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の接合型配線部材の模式平面図である。
図2図1におけるA-A断面図である。
図3】(a)及び(b)は、第1実施形態の接合型配線部材の製造方法を示す模式断面図である。
図4】(a)及び(b)は、第1実施形態の接合型配線部材の製造方法を示す模式断面図である。
図5】(a)及び(b)は、第1実施形態の接合型配線部材の製造方法を示す模式断面図である。
図6】(a)及び(b)は、第1実施形態の接合型配線部材の製造方法を示す模式断面図である。
図7】第1実施形態の接合型配線部材の製造方法を示す模式断面図である。
図8】第2実施形態の接合型配線部材の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
また、同一または同様の要素には、同じ符号を付している。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の接合型配線部材1の模式平面図である。
図2は、図1におけるA-A断面図である。
【0009】
接合型配線部材1は、第1チップ100と第2チップ200とを備える。第1チップ100と第2チップ200とは、接合金属部50を介して接合され、第1方向Zにおいて積層されている。第1方向Zに直交する2方向を、第2方向X及び第3方向Yとする。第2方向Xと第3方向Yとは互いに直交する。
【0010】
第1チップ100は、第1基板10を有する。第1基板10は、第1面11と、第1方向Zにおいて第1面11の反対側に位置する第2面12とを有する。また、第1基板10は、第1面11から第2面12まで貫通し、第1方向Zに延びる第1貫通孔13を有する。第1基板10は、例えば、シリコン基板である。
【0011】
第2チップ200は、第2基板20を有する。第2基板20は、第1方向Zにおいて第1基板10の第1面11と対向する第3面21と、第1方向Zにおいて第3面21の反対側に位置する第4面22とを有する。また、第2基板20は、第3面21から第4面22まで貫通し、第1方向Zに延びる第2貫通孔23を有する。第2基板20は、例えば、シリコン基板である。
【0012】
第1チップ100は、第1基板10に積層された第1配線部30を有する。第1配線部30は、第1基板10の第1面11に設けられている。第1方向Zにおいて、第1配線部30は、第1基板10と第2基板20との間に位置する。第1配線部30は、第1絶縁層33と、第1絶縁層33内に設けられた第1配線層31とを有する。第1配線部30は、例えば、複数層の第1配線層31と、異なる層の第1配線層31どうしを接続する第1導電ビア32とを有する。また、第1配線部30は、第1方向Zにおいて第1貫通孔13及び第2貫通孔23と連続する第1配線部貫通孔35を有する。
【0013】
第2チップ200は、第2基板20に積層された第2配線部40を有する。第2配線部40は、第2基板20の第3面21に設けられている。第1方向Zにおいて、第2配線部40は、第1配線部30と第2基板20との間に位置する。第2配線部40は、第2絶縁層43と、第2絶縁層43内に設けられた第2配線層41とを有する。第2配線部40は、例えば、複数層の第2配線層41と、異なる層の第2配線層41どうしを接続する第2導電ビア42とを有する。また、第2配線部40は、第1方向Zにおいて第1貫通孔13、第1配線部貫通孔35、及び第2貫通孔23と連続する第2配線部貫通孔45を有する。
【0014】
図1に示すように、例えば、複数の第2貫通孔23が、第2方向X及び第3方向Yに並んでいる。第2貫通孔23の下方に第2配線部貫通孔45が位置し、第2配線部貫通孔45の下方に第1配線部貫通孔35が位置し、第1配線部貫通孔35の下方に第1貫通孔13が位置する。
【0015】
接合金属部50は、第1方向Zにおいて第1配線部30と第2配線部40との間に位置する。複数の接合金属部50が、第1チップ100と第2チップ200との間に配置される。図1に示すように、平面視において、第2方向X及び第3方向Yの少なくとも一方向において隣り合う第2貫通孔23の間に、1つの接合金属部50が配置される。逆に言うと、平面視において、第2方向X及び第3方向Yの少なくとも一方向において隣り合う接合金属部50の間に、1つの第2貫通孔23が配置される。
【0016】
1つの接合金属部50は、後述するように、第1チップ100側に設けられた第1接合金属部51と、第2チップ200側に設けられた第2接合金属部52とが、熱と力を加えることで金属拡散接合されて一体となったものである。
【0017】
第1チップ100は、接合金属部50と第1配線部30との間に設けられた第1下地金属膜61をさらに有する。第1下地金属膜61は、接合金属部50と第1配線部30との密着力を高める。
【0018】
第2チップ200は、接合金属部50と第2配線部40との間に設けられた第2下地金属膜62をさらに有する。第2下地金属膜62は、接合金属部50と第2配線部40との密着力を高める。
【0019】
第1チップ100は、第1配線部貫通孔35の側面に設けられた第1導電膜71をさらに有する。第1導電膜71は、第1配線部貫通孔35の側面の全面を覆う。
【0020】
第2チップ200は、第2配線部貫通孔45の側面に設けられた第2導電膜72をさらに有する。第2導電膜72は、第2配線部貫通孔45の側面の全面を覆う。
【0021】
第2貫通孔23、第2配線部貫通孔45、第1配線部貫通孔35、及び第1貫通孔13内を、例えば、荷電粒子ビームが通過する。それぞれが貫通孔を有する2つのチップ(第1チップ100及び第2チップ200)を接合することで、単独のチップでは形成することが難しい深い貫通孔を持った接合型配線部材1を構成することができる。
【0022】
接合金属部50は、第1チップ100と第2チップ200とを接合するだけでなく、第1チップ100と第2チップ200とを電気的に接続する導電部としても機能することができる。この場合、第1チップ100の第1配線部30の第1配線層31は、第1導電ビア32及び第1下地金属膜61を介して、接合金属部50と電気的に接続される。また、第2チップ200の第2配線部40の第2配線層41は、第2導電ビア42及び第2下地金属膜62を介して、接合金属部50と電気的に接続される。
【0023】
本実施形態によれば、第1配線部30に形成された第1配線部貫通孔35の側面は第1導電膜71で覆われ、第1配線部30の第1絶縁層33は第1配線部貫通孔35の側面において露出していない。第2配線部40に形成された第2配線部貫通孔45の側面は第2導電膜72で覆われ、第2配線部40の第2絶縁層43は第2配線部貫通孔45の側面において露出していない。これにより、接合型配線部材1の使用環境下、使用準備中、または保管中における第1絶縁層33の側面及び第2絶縁層43の側面への吸湿を抑制し、第1配線層31及び第2配線層41の酸化を抑制することができる。この結果、接合型配線部材1の信頼性を高めることができる。
【0024】
また、第1導電膜71及び第2導電膜72により、第1絶縁層33の側面及び第2絶縁層43の側面への帯電を抑制し、荷電粒子ビームの異常偏向を抑制することができる。この結果、接合型配線部材1の信頼性を高めることができる。
【0025】
また、本実施形態においては、第1導電膜71及び第2導電膜72は、接合金属部50の材料及び第1下地金属膜61及び第2下地金属膜62の材料と異なる材料からなる。ここでの材料は、各部材を主に構成する材料を表す。例えば、接合金属部50は主に金を含み、第1下地金属膜61及び第2下地金属膜62は主にパラジウム、チタン、またはパラジウム膜とチタン膜との積層膜を含み、第1導電膜71及び第2導電膜72は主に窒化チタンを含む。これにより、後述するように、第1下地金属膜61及び第2下地金属膜62をパターニングするときのエッチングによる、第1導電膜71及び第2導電膜72のダメージや消失を防ぐことができる。
【0026】
次に、図3(a)~図7を参照して、第1実施形態の接合型配線部材1の製造方法について説明する。
【0027】
図3(a)に示すように、第1基板10の第1面11に第1配線部30を形成する。第1配線部30は、前述したように、例えば、多層配線構造を有する。
【0028】
図3(b)に示すように、第1配線部30に第1配線部貫通孔35を形成する。第1配線部貫通孔35は、第1配線部30を貫通し、第1基板10の第1面11に達する。
【0029】
第1配線部貫通孔35を形成した後、図4(a)に示すように、第1導電膜71を形成する。第1導電膜71として、例えば、窒化チタンを主に含む窒化チタン膜をスパッタ法で形成する。第1導電膜71は、第1配線部30の上面、第1配線部貫通孔35の側面及び底面に連続して形成される。
【0030】
第1導電膜71を形成した後、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法により、第1導電膜71をエッチバックし、図4(b)に示すように、第1配線部貫通孔35の側面に第1導電膜71を残す。
【0031】
この後、図5(a)に示すように、第1下地金属膜61を形成する。第1下地金属膜61として、例えば、パラジウム、チタン、またはパラジウム膜とチタン膜との積層膜を主に含む金属膜をスパッタ法で形成する。第1下地金属膜61は、第1配線部30の上面、第1配線部貫通孔35の側面に形成された第1導電膜71、及び第1配線部貫通孔35の底面に連続して形成される。このとき、第1配線部30の上面において、第1下地金属膜61は第1配線部30の第1導電ビア32と電気的に接続される。
【0032】
第1下地金属膜61を形成した後、図5(b)に示すように、レジストマスク91を用いためっき法により、第1接合金属部51が、金を主に含む金属膜として形成される。第1下地金属膜61は、めっきのシード層として機能する。第1接合金属部51は、第1配線部30の上面に位置する第1下地金属膜61上に形成される。
【0033】
第1接合金属部51を形成した後、レジストマスク91を除去する。そして、レジストマスク91の除去により第1下地金属膜61の露出した部分を、ウェットエッチング法により除去する。第1接合金属部51は、第1下地金属膜61の材料と異なる材料からなるため、第1下地金属膜61をウェットエッチングにより除去するときにマスクとして機能する。図6(a)に示すように、第1接合金属部51の下に第1下地金属膜61が残り、それ以外の第1下地金属膜61は除去される。このとき、第1導電膜71は、第1下地金属膜61の材料と異なる材料からなるため、上記ウェットエッチングに対する耐性を有する。これにより、第1配線部貫通孔35の側面に、第1導電膜71を確実に残すことができる。
【0034】
なお、第1接合金属部51を選択的なエッチングによりパターニングしてもよい。この場合においても、第1導電膜71は、第1接合金属部51の材料と異なる材料からなるため、第1接合金属部51をエッチングするときに耐性を有し、第1配線部貫通孔35の側面に第1導電膜71を確実に残すことができる。
【0035】
第1接合金属部51を形成した後、図6(b)に示すように、第1基板10に第1貫通孔13を形成する。例えば、第1基板10の第2面12側からRIE法により、第1配線部貫通孔35とつながるように第1貫通孔13を形成する。このようにして、第1チップ100が得られる。
【0036】
上述した第1チップ100と同様の工程により、第2チップ200も得ることができる。そして、図7に示すように、第1チップ100の第1接合金属部51と、第2チップ200の第2接合金属部52とを対向させ、接触させる。この後、熱と力を加えて、第1接合金属部51及び第2接合金属部52の金属(この例では金)どうしを拡散させ、第1接合金属部51及び第2接合金属部52を接合する。
【0037】
比較例として、第1接合金属部51をパターニングした後に、第1配線部貫通孔35の側面に第1導電膜71を形成することが考えられる。この場合、第1導電膜71を形成するときの金属残渣により、第1接合金属部51の表面が第2接合金属部52との接合処理に適さない状態になる可能性や、異なる電位が与えられる第1接合金属部51間をショートさせる可能性が懸念される。
【0038】
本実施形態によれば、第1接合金属部51を形成する前に、第1配線部貫通孔35の側面に第1導電膜71が既に形成されている。そのため、第1接合金属部51と第2接合金属部52との接合処理を良好に行え、異なる電位が与えられる第1接合金属部51間のショートも抑制することができる。
【0039】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の接合型配線部材2の模式断面図である。
【0040】
第1チップ100と第2チップ300とが、接合金属部50を介して接合されている。第2チップ300は、第2基板20を有する。配線部は第1チップ100の第1基板10のみに積層され、第2チップ300の第2基板20には積層されていない。第2基板20は、第1配線部貫通孔35及び第1貫通孔13と連続した第2貫通孔23を有する。第2基板20の第3面21に、第2下地金属膜62を介して、接合金属部50が接合している。
【0041】
第2基板20の第2貫通孔23の側面には、第1電極膜81と第2電極膜82が設けられている。第1電極膜81と第2電極膜82とは、第2方向Xにおいて離れて対向し、第2貫通孔23内においてつながっていない。
【0042】
第1電極膜81及び第2電極膜82のそれぞれの下端部は、第2下地金属膜62と接続している。第1電極膜81及び第2電極膜82のそれぞれは、第2下地金属膜62、接合金属部50、第1下地金属膜61、及び第1導電ビア32を介して、第1配線層31と電気的に接続されている。第1電極膜81と電気的に接続された第1配線層31と、第2電極膜82と電気的に接続された第1配線層31とは、電気的に接続されず、第1電極膜81及び第2電極膜82のそれぞれに異なる電位を与えることができる。これにより、第2貫通孔23内を通過する荷電粒子ビームを偏向させることができる。
【0043】
第2基板20が、例えば、シリコン基板のように導電性を有する場合には、第1電極膜81と第2基板20との間、及び第2電極膜82と第2基板20との間に絶縁膜24が設けられる。第2基板20が、絶縁性基板である場合には、第1電極膜81及び第2電極膜82を第2基板20に直接形成してもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…接合型配線部材、2…接合型配線部材、10…第1基板、13…第1貫通孔、20…第2基板、23…第2貫通孔、24…絶縁膜、30…第1配線部、31…第1配線層、33…第1絶縁層、35…第1配線部貫通孔、40…第2配線部、41…第2配線層、43…第2絶縁層、45…第2配線部貫通孔、50…接合金属部、51…第1接合金属部、52…第1接合金属部、61…第1下地金属膜、62…第2下地金属膜、71…第1導電膜、72…第2導電膜、81…第1電極膜、82…第2電極膜、100…第1チップ、200…第2チップ、300…第2チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8