(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135260
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6551 20140101AFI20240927BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/6565 20140101ALI20240927BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
H01M10/6551
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6568
H01M10/6563
H01M10/633
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/643
H01M10/6565
H01M50/204 401H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045862
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 泰史
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK01
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】バッテリモジュールのセル本体を冷却可能であって、セル端子も適切に冷却することが可能なバッテリパックを提供する。
【解決手段】バッテリパック1は、複数のバッテリモジュール10と、バッテリケース31と、バッテリモジュール10を下方から冷却するウォータージャケット40と、を備える。バッテリケース31は、バッテリモジュール10が配置されバッテリモジュール10とウォータージャケット40と間で熱交換が行われる第1区画51と、バッテリモジュール10が配置されていない第2区画52と、第2区画52に設けられ、ウォータージャケット40側から突出するように形成されたフィン17と、第1区画51と第2区画52を跨いで空気を循環させるファン13と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極端子及び負極端子を有する複数のセルと、
前記複数のセルが積層された複数のバッテリモジュールと、
前記複数のバッテリモジュールを収容するバッテリケースと、
前記バッテリケースの外部にある熱交換システムに配管で接続され且つ前記バッテリケースの内部又は外部に設けられ、前記複数のバッテリモジュールを下方から冷却するウォータージャケットと、を備え、
前記バッテリケースは、
前記複数のバッテリモジュールが配置され、前記複数のバッテリモジュールと前記ウォータージャケットと間で熱交換が行われる第1区画と、
前記ウォータージャケットの上方であって、バッテリモジュールが配置されていない第2区画と、
前記複数のセルと前記バッテリケースの内壁との間に設けられ、空気が通過可能な隙間と、
前記第2区画に設けられ、前記ウォータージャケット側から突出するように形成されたフィンと、
前記第1区画と前記第2区画を跨いで空気を循環させるファンと、を有する、バッテリパック。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリパックであって、
前記ファン及び前記熱交換システムは、制御部によって制御され、
前記制御部は、
前記セルの温度が第1閾値より高いとき、前記熱交換システムを作動させ、
前記セルの端子温度が、第2閾値より高いとき、前記ファンを作動させる、バッテリパック。
【請求項3】
請求項1に記載のバッテリパックであって、
前記バッテリケースには、ジャンクションボックスが収容され、
前記ジャンクションボックスは、前記ファンにより前記第1区画と前記第2区画を循環する空気が、前記ジャンクションボックスの導電部材に接触するように配置されている、バッテリパック。
【請求項4】
請求項1に記載のバッテリパックであって、
前記第2区画は、前記第1区画よりも外側であって且つ前記第1区画の両側に存在し、
前記ファンは、前記第2区画に配置されている、バッテリパック。
【請求項5】
請求項4に記載のバッテリパックであって、
前記第2区画には、それぞれ前記ファンが配置され、
前記第2区画は、それぞれ
前記ファンに対し前記ファンから空気が排出される側である正圧領域と、
前記ファンに対し前記ファンへ前記空気が導入される側である負圧領域と、を有し、
一方側の前記第2区画の前記正圧領域と他方側の前記第2区画の前記負圧領域とが、前記第1区画を挟んで対向し、
一方側の前記第2区画の前記負圧領域と他方側の前記第2区画の前記正圧領域とが、前記第1区画を挟んで対向する、バッテリパック。
【請求項6】
請求項1に記載のバッテリパックであって、
前記複数のバッテリモジュールは、前記セルの前記正極端子及び前記負極端子の少なくとも一方のセル端子を覆う端子絶縁カバーを有し、
前記端子絶縁カバーと前記セル端子との間に前記セルの積層方向に延びる空間が設けられている、バッテリパック。
【請求項7】
請求項1に記載のバッテリパックであって、
前記第2区画は、前記第1区画よりも外側であって且つ前記第1区画の両側に存在し、
隣り合う前記バッテリモジュール間、又は、前記バッテリモジュールとクロスメンバとの間には、前記第2区画の延伸方向に直交し、且つ、一方側の前記第2区画と他方側の前記第2区画とを結ぶ空気通路が形成されている、バッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に搭載可能なバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、車両においてもCO2排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、電動化技術に関する研究開発が行われている。
【0003】
電動化技術ではバッテリが重要な役割を担っている。バッテリは発熱部品であるため、安全性の観点やバッテリの劣化防止の観点から、バッテリが所定温度以上になると電流制限が行われる。そのため、例えば、バッテリパックには、ウォータージャケットが設けられ、バッテリの温度が所望の温度領域内に維持されるようにバッテリの冷却制御が行われている。
【0004】
特許文献1には、複数列に配列したバッテリ間にウォータージャケットを設けるとともに、冷却用ファンを設けてバッテリケースの後方から前方に送気することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年のバッテリ開発で、バッテリモジュールを構成するセルの耐熱温度が高くなっている。そのため、従来はバッテリモジュールを構成するセルを冷却していればよかったが、近年ではセルの温度は電流制限を行う臨界温度に達していないものの、セルの端子温度が電流制限を行う臨界温度に達してしまう虞がある。
【0007】
特許文献1に記載のバッテリの冷却方法は、冷却用ファンによる送気で前方にあるバッテリモジュールの車幅方向外側の面を冷却することはできるが、セル端子の冷却については触れられていない。
【0008】
本発明は、バッテリモジュールのセル本体を冷却可能であって、セル端子も適切に冷却することが可能なバッテリパックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
正極端子及び負極端子を有する複数のセルと、
前記複数のセルが積層された複数のバッテリモジュールと、
前記複数のバッテリモジュールを収容するバッテリケースと、
前記バッテリケースの外部にある熱交換システムに配管で接続され且つ前記バッテリケースの内部又は外部に設けられ、前記複数のバッテリモジュールを下方から冷却するウォータージャケットと、を備え、
前記バッテリケースは、
前記複数のバッテリモジュールが配置され、前記複数のバッテリモジュールと前記ウォータージャケットと間で熱交換が行われる第1区画と、
前記ウォータージャケットの上方であって、バッテリモジュールが配置されていない第2区画と、
前記複数のセルと前記バッテリケースの内壁との間に設けられ、空気が通過可能な隙間と、
前記第2区画に設けられ、前記ウォータージャケット側から突出するように形成されたフィンと、
前記第1区画と前記第2区画を跨いで空気を循環させるファンと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バッテリモジュールのセル本体を冷却可能であり、さらにセル端子も適切に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態のバッテリパック1の分解斜視図である。
【
図2】バッテリモジュール10の分解斜視図である。
【
図4】各ラミネート型セル21の電極タブ212を接続するバスバー22を示す斜視図である。
【
図5】バッテリパック1の内部構造を示す平面図である。
【
図10】ファン13による空気の流れを模式的に示す、バッテリパック1の内部構造を示す平面図である。
【
図12】バッテリの冷却制御を説明するグラフである。
【
図13】第2実施形態のバッテリパック1Aの内部構造を示す平面図であり、あわせてファン13による空気の流れを模式的に示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態のバッテリパックについて、添付図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のバッテリパック1は、ハイブリッド車両、電気自動車、燃料電池車等の電動車両に搭載可能に構成される。バッテリパック1は、
図1に示すように、4つのバッテリモジュール10と、ジャンクションボックス11と、補器12と、これらを収容するバッテリケース31と、を備える。4つのバッテリモジュール10は、前後方向に2列、左右方向に2列に配置されている。なお、バッテリモジュール10は、2つ以上であればその数は任意に設定することができ、配置も特に限定されるものではない。
【0014】
バッテリモジュール10は、不図示の電気接続部材を介して互いに電気的に接続されている。バッテリモジュール10が蓄える電力は、車両の駆動源となるモータ等に供給される。なお、以下の説明では、4つのバッテリモジュール10をまとめてバッテリと称することがある。
【0015】
バッテリモジュール10は、
図2に示すように、ラミネート型セル21が複数積層されたセル積層体20と、中間プレート30と、一対のエンドプレート37と、一対の拘束部材38と、カバープレート60と、を備える。
【0016】
ラミネート型セル21は、例えば、固体電池である。固体電池からなるラミネート型セル21は、
図3に示すように、正極タブ21aが連結された正極と、負極タブ21bが連結された負極と、正極と負極との間に配置された固体電解質と、これらを収容するラミネートフィルム21cと、を有しており、固体電解質を介した正極と負極との間のリチウムイオンの授受により充放電を行う。また、ラミネート型セル21の周縁にはシール部211が設けられている。正極タブ21aは、ラミネート型セル21の長手方向における一端側にあるシール部211から延出しており、負極タブ21bは、ラミネート型セル21の長手方向における他端側にあるシール部211から延出している。なお、正極タブ21a及び負極タブ21bは、ともにラミネート型セル21の長手方向における一端側にあるシール部211から延出していてもよい。以下では、正極タブ21aと負極タブ21bとをまとめて電極タブ212とも称する。なお、ラミネート型セル21は、固体電解質に限らず、半固体電解質、液体電解質でもよい。
【0017】
セル積層体20は、
図4に示すように、複数のラミネート型セル21が左右方向に積層されて構成される。本実施形態では、各ラミネート型セル21は、電極タブ212が前後方向に延出するようにして配置される。各ラミネート型セル21は、バスバー22を介して電気的に接続されている。
【0018】
図2に戻って、中間プレート30は、複数のラミネート型セル21の積層方向(ここでは左右方向)における中間部に設けられている。中間プレート30は、2つ以上設けられてもよい。
【0019】
一対のエンドプレート37は、複数のラミネート型セル21の積層方向における両端部に設けられている。
【0020】
一対の拘束部材38は、上下方向において互いに対向し、一対のエンドプレート37に連結されて複数のラミネート型セル21を拘束する。ここでは、一対の拘束部材38は、プレート形状を有し、複数のラミネート型セル21、中間プレート30、及び一対のエンドプレート37を上下方向から覆っている。この例では拘束部材38は板状であるが、エンドプレート37を積層方向に拘束できれば、その形状は梯子状の形状やロッドによる拘束などセルを覆い隠してしなくてもよい。
【0021】
カバープレート60は、前後方向において複数のラミネート型セル21よりも外側に設けられ、積層方向に延在している。カバープレート60は、前後方向において互いに対向して2つ設けられている。カバープレート60は、前後方向から見たとき、電気絶縁性を有するバスバーカバー23を介して、バスバー22及び各ラミネート型セル21の電極タブ212を覆い、バスバー22及び電極タブ212を保護する。
【0022】
図1に戻って、バッテリケース31は、複数のバッテリモジュール10が載置されるバッテリトレイ32と、バッテリモジュール10の上方を覆う上部カバー33と、を有する。バッテリモジュール10と上部カバー33との間には、
図6、7、9に示すように、上方隙間15が設けられている。
【0023】
図5に示すように、バッテリトレイ32は、バッテリモジュール10が載置されるボトムプレート321と、ボトムプレート321の左右両側に設けられた一対のサイドフレーム322と、一対のサイドフレーム322を連結する前クロスメンバ333、中央クロスメンバ334、後クロスメンバ335と、を備える。
【0024】
前クロスメンバ333はバッテリケース31の前壁を構成し、後クロスメンバ335はバッテリケース31の後壁を構成する。中央クロスメンバ334は、バッテリケース31の内部を前後2つの空間に分割する。前方空間には、2つのバッテリモジュール10が左右に配置され、後方空間には、2つのバッテリモジュール10が左右に配置される。
【0025】
バッテリケース31の左右中央部には、左側に位置する2つのバッテリモジュール10と、右側に位置する2つのバッテリモジュール10の上方に、前後方向に延びるアッパーフレーム34が架け渡されている。アッパーフレーム34上には、前方にジャンクションボックス11が配置され、後方に補器12が配置されている。ジャンクションボックス11には、バッテリケース31の内部の電力系統とバッテリケース31の外部のDC線とを接続する導電部材、ヒューズ、コンタクタ等の電子部品が配置される。補器12は、例えば、バッテリECUである。
【0026】
また、
図6~
図9に示すように、ボトムプレート321の下方には、カバープレート36が取り付けられ、ボトムプレート321とカバープレート36との間には、ウォータージャケット40が形成されている。
【0027】
ウォータージャケット40は、ボトムプレート321の略全面に亘って設けられている。バッテリケース31の内部空間のうち、バッテリモジュール10が配置された領域を第1区画51、バッテリモジュール10が配置されていない領域を第2区画52とすると、ウォータージャケット40は、第1区画51及び第2区画52に亘って設けられている。第1区画では、バッテリモジュール10とウォータージャケット40との間で熱交換が行われる。バッテリモジュール10とボトムプレート321とは、直接接触していてもよく、伝熱材を介して間接的に接触していてもよい。
【0028】
第2区画52は、ウォータージャケット40の上方に第1区画51を囲繞するように設けられる。即ち、第2区画52は、左側に位置する2つのバッテリモジュール10と左側のサイドフレーム322との間の左方隙間521、右側に位置する2つのバッテリモジュール10と右側のサイドフレーム322との間の右方隙間522、前側に位置する2つのバッテリモジュール10と前クロスメンバ333との間の前方隙間523、前側に位置する2つのバッテリモジュール10と中央クロスメンバ334との間の中央前方隙間524、後側に位置する2つのバッテリモジュール10と中央クロスメンバ334との間の中央後方隙間526、後側に位置する2つのバッテリモジュール10と後クロスメンバ335との間の後方隙間527、を有する。
【0029】
ウォータージャケット40は、
図11に示すバッテリ冷却回路18に接続される。バッテリ冷却回路18は、バッテリケース31の外部に設けられ、配管でバッテリケース31に接続される。バッテリ冷却回路18は、ファン13とともに制御部14により制御される。なお、ファン13を制御する制御装置と、バッテリ冷却回路18を制御する制御装置は、同じでもよく、異なるものであってもよい。バッテリ冷却回路18は、ウォータージャケット40、ラジエータ41、チラー42、ヒーター43、及び電動ポンプ44、を備えるメイン流路45と、ウォータージャケット40とラジエータ41との間に位置する分岐部46aと、ラジエータ41とチラー42との間に位置する合流部46bとを接続するバイパス流路47と、を備える。分岐部46aには、三方弁48が設けられる。制御部14は、三方弁48をバイパスOFF状態とバイパスON状態とに切り替える。三方弁48がバイパスOFF状態にあるとき、電動ポンプ44から送出された冷媒は、ウォータージャケット40、ラジエータ41、チラー42、及びヒーター43を循環する。一方、バイパスON状態にあるとき、電動ポンプ44から送出された冷媒は、ラジエータ41を迂回し、ウォータージャケット40、チラー42、及びヒーター43を循環する。
【0030】
バッテリ冷却回路18は、制御部14により、停止モード、加温モード、通常モード、及び冷却モードの3つの制御モードで駆動される。停止モードは、例えば、車両の駐車時に設定される。停止モードでは、電動ポンプ44が稼働しない。加温モードは、例えば、バッテリの低温時に設定される。加温モードでは、三方弁48をバイパスON状態とすることで、ラジエータ41からの放熱を遮断しつつヒーター43で冷媒を温め、バッテリを加温することができる。通常モードは、例えば、車両の走行時に設定される。通常モードでは、三方弁48をバイパスOFF状態として、冷媒の熱をラジエータ41から放熱することでバッテリを冷却することができる。冷却モードは、例えば、車両の走行時においてバッテリの温度が高い場合、又は車両の充電時(急速充電を含む)に設定される。冷却モードでは、冷媒の熱をラジエータ41から放熱することに加えて、バッテリ冷却回路18の冷媒が空調用冷凍サイクル(不図示)の冷媒とチラー42で熱交換することで、バッテリをさらに冷却することができる。充電時など、ラジエータ41による熱交換能力が制限されるため、チラー42による熱交換が有効となる。
【0031】
図5に戻って、ウォータージャケット40に冷媒が供給されるとボトムプレート321を介して第1区画51のバッテリモジュール10が冷却される。このとき、ボトムプレート321に近いラミネート型セル21の下部(バッテリモジュール10の下部)はよく冷却されるのに対し、ラミネート型セル21の上部(バッテリモジュール10の上部)は冷却されづらく、ラミネート型セル21(バッテリモジュール10)に上下で温度差が発生し得る。また、ボトムプレート321から離間したラミネート型セル21の電極タブ212も冷却されづらく、電極タブ212の温度が閾値を超えてバッテリの電流制限が行われる虞がある。
【0032】
本開示では、バッテリケース31にファン13が設けられるとともに、第2区画52のボトムプレート321には複数のフィン17が突出するように形成される。これにより、ファン13を駆動すると、空気が第1区画51と第2区画52とを循環し、ラミネート型セル21の上部(バッテリモジュール10の上部)を冷却するとともに、ラミネート型セル21の電極タブ212を冷却する。ラミネート型セル21と熱交換して温められた空気は、フィン17を介してウォータージャケット40に放熱する。
【0033】
本実施形態のバッテリケース31には2つのファン13が設けられ、1つは第2区画52の右方隙間522であって中央クロスメンバ334の後方に設けられ、もう第2区画52の左方隙間521であって中央クロスメンバ334の前方に設けられる。これら2つのファン13は、前後方向で互いに逆方向に空気を送出するように配置される。
【0034】
本実施形態では、
図10に示すように、右側のファン13は前方に向かって空気を送出し、左側のファン13は後方に向かって空気を送出する。ファン13から送出された空気は、それぞれ中央クロスメンバ334の周囲の隙間を前方又は後方に向かって流れる。したがって、右側のファン13の前方が正圧領域となり、後方が負圧領域となるのに対し、左側のファン13の前方が負圧領域となり、後方が正圧領域となる。これにより、バッテリケース31内には、左右方向に第2区画52の正圧領域→第1区画51(バッテリモジュール10)→第2区画52の負圧領域となる圧力分布が形成され、バッテリケース31内での空気の循環を円滑にすることができる。
【0035】
即ち、
図10の矢印で示すように、バッテリケース31の内部では、右側のファン13から送り出された空気が、右方隙間522の前方(右側のファン13の正圧領域)から、前側に位置する2つのバッテリモジュール10の上部(上方隙間15)を通って、左方隙間521の前方(左側のファン13の負圧領域)に流れ、左側のファン13に吸い込まれる。また、左側のファン13から送り出された空気は、左方隙間521の後方(左側のファン13の正圧領域)から、後側に位置する2つのバッテリモジュール10の上部(上方隙間15)を通って、右方隙間522の後方(右側のファン13の負圧領域)に流れ、右側のファン13に吸い込まれる。これにより、ラミネート型セル21の上部(バッテリモジュール10の上部)を冷却することができる。
【0036】
また、前側に位置する2つのバッテリモジュール10の上部には、アッパーフレーム34に取り付けられたジャンクションボックス11が配置されるので、ジャンクションボックス11も冷却される。特に、ジャンクションボックス11の導電部材がこの第1区画51と第2区画52を循環する空気に接触することで、この導電部材の発熱による電流制限を回避することができる。
【0037】
また、右側のファン13から送り出された空気の一部は、右方隙間522の前方(右側のファンの正圧領域)から、前方隙間523及び中央前方隙間524を通って、左方隙間521の前方(左側のファン13の負圧領域)に流れ、左側のファン13に吸い込まれる。また、左側のファン13から送り出された空気の一部は、後方隙間527及び中央後方隙間526を通って、右方隙間522の後方(右側のファン13の負圧領域)に流れ、右側のファン13に吸い込まれる。これにより、ラミネート型セル21の電極タブ212を冷却することができる。
【0038】
すなわち、前方隙間523、中央前方隙間524、後方隙間527、及び中央後方隙間526を通る空気は、
図9に示すように、ラミネート型セル21の電極タブ212とバスバーカバー23との間に形成され積層方向に延びる空間25を進みながら、ラミネート型セル21の電極タブ212を冷却する。このように、ラミネート型セル21の電極タブ212とバスバーカバー23との間に形成された空間25が積層方向に繋がることで空気通路が形成されるので、クロスメンバ333~335の近傍に位置するラミネート型セル21の電極タブ212を適切に冷却することができる。
【0039】
このように構成されたバッテリパック1では、第1区画51においてラミネート型セル21の上部と電極タブ212はバッテリケース31内を循環する空気に接触しているので、ラミネート型セル21の上部及び電極タブ212の熱を空気とフィン17を介して第2区画52のウォータージャケット40に放熱することができる。これにより、電極タブ212の温度を下げることができるので、電極タブ212の温度に起因して電流制限がかかることが抑制され、バッテリの能力を有効に使うことができる。
【0040】
また、ラミネート型セル21の上部は、空気とフィン17を介してウォータージャケット40に放熱し、ラミネート型セル21の下部は、第1区画51でラミネート型セル21の下にあるウォータージャケット40に放熱するので、ラミネート型セル21の上部と下部との間の温度バラツキを抑制できる。これにより、バッテリの電流制限が作用するのを抑制でき、バッテリの能力を適切に利用することができる。
【0041】
図12は、バッテリの冷却制御を説明するグラフである。
図12に示すように、充電が開始されてラミネート型セル21の温度がセル閾値温度に達すると、制御部14は、バッテリ冷却回路18を停止モードから冷却モードに変更する。即ち、制御部14は、ラミネート型セル21の温度がセル閾値温度より高いとき、バッテリ冷却回路18を作動させる。具体的に説明すると、制御部14は、電動ポンプ44を駆動するともに三方弁48をバイパスOFF状態にした状態で、チラー42を稼働(ON)させる。これにより、冷媒の温度が下がるとともにバッテリの温度が低下する。なお、制御部14は、充電の開始に合わせてバッテリ冷却回路18を通常モードで稼働し、ラミネート型セル21の温度がセル閾値温度を超えたときに通常モードから冷却モードへの制御を変更してもよい。
【0042】
しかしながら、バッテリ冷却回路18を冷却モードで駆動しても、ラミネート型セル21の電極タブ212の温度は上昇し続ける。ラミネート型セル21の電極タブ212の温度が、電流制限がかかるタブ上限温度よりも低いタブ閾値温度に達すると、制御部14は、ファン13を作動させる。即ち、制御部14は、ラミネート型セル21の電極タブ212の温度がタブ閾値温度より高いとき、ファン13を作動させる。これにより、電極タブ212が冷却され、電極タブ212の温度が低下する。このようにファン13を作動させることで、ウォータージャケット40による冷却では十分に冷却できなかった電極タブ212を冷却することができ、電極タブ212の温度がタブ上限温度に達することが回避される。
【0043】
このように上記したバッテリの冷却制御では、ウォータージャケット40によるラミネート型セル21の冷却と、空気による電極タブ212の冷却とで、温度を監視する対象が異なる。制御部14がラミネート型セル21の温度に応じてバッテリ冷却回路18を制御することで、第1区画51でウォータージャケット40がラミネート型セル21を冷却する能力はラミネート型セル21の温度に応じて変化することになる。一方、制御部14が電極タブ212の温度に応じてファン13を制御することで、バッテリケース31の内部の空気が電極タブ212を冷却する能力は、電極タブ212の温度に応じて変化することになる。したがって、バッテリ冷却回路18の作動用に温度を監視する対象と、ファン13の作動用に温度を監視する対象とが同じ対象である場合に比べて、ラミネート型セル21の温度を適温に保ちつつ、電極タブ212の温度に起因して電流制限がかかることをさらに効果的に抑制することができる。
【0044】
なお、温度の測定方法については、温度センサをラミネート型セル21や電極タブ212に接触させて、ラミネート型セル21の温度や電極タブ212の温度を直接測定する場合に限らず、ラミネート型セル21や電極タブ212の温度を反映する部分の温度からラミネート型セル21や電極タブ212の温度を推定してもよい。例えば、セル端子周囲の空気の温度から電極タブ212の温度を推定してもよい。また、ウォータージャケット40の出口側の冷媒温度からラミネート型セル21の温度を推定してもよい。
【0045】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のバッテリパック1Aについて
図13及び
図14を参照しながら説明する。なお、以下では、第1実施形態のバッテリパック1との相違点についてのみ説明する。図中、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
第2実施形態のバッテリパック1Aは、
図13に示すように、8つのバッテリモジュール10Aと、ジャンクションボックス11と、補器12と、これらを収容するバッテリケース31と、を備える。8つのバッテリモジュール10Aは、前後方向に2列、左右方向に4列に配置されている。なお、バッテリモジュール10Aは、2つ以上であればその数は任意に設定することができ、配置も特に限定されるものではない。
【0047】
バッテリモジュール10Aは、角型セル21Aが複数積層されたセル積層体20Aの積層方向両端部に配置された一対のエンドプレートが、側方に配置された一対の拘束部材38Aで連結され、角型セル21Aの上部に設けられた正極端子21a1及び負極端子21b1がバスバーカバー23Aで覆われている。正極端子21a1及び負極端子21b1とバスバーカバー23Aとの間には、空間25が積層方向に繋がることで空気通路が形成される。
【0048】
即ち、第2実施形態のバッテリモジュール10Aでは、角型セル21Aの上部に正極端子21a1及び負極端子21b1が設けられている。なお、角型セル21Aの代わりに円柱状セルが積層されていてもよい。
【0049】
このように構成されたバッテリパック1Aにおいて、バッテリモジュール10Aが搭載されたバッテリケース31のファン13を駆動すると、第1実施形態の
図10の矢印と同様、
図14の矢印で示すように、右側のファン13から送り出された空気が、右方隙間522の前方(右側のファン13の正圧領域)から、前側に位置する4つのバッテリモジュール10の上部(上方隙間15)を通って、左方隙間521の前方(左側のファン13の負圧領域)に流れ、左側のファン13に吸い込まれる。また、左側のファン13から送り出された空気は、左方隙間521の後方(左側のファン13の正圧領域)から、後側に位置する4つのバッテリモジュール10の上部(上方隙間15)を通って、右方隙間522の後方(右側のファン13の負圧領域)に流れ、右側のファン13に吸い込まれる。上方隙間15を通る空気は、角型セル21Aの正極端子21a1及び負極端子21b1とバスバーカバー23Aとの間に形成され積層方向に延びる空間25を進みながら、角型セル21Aの正極端子21a1及び負極端子21b1を冷却する。これにより、角型セル21Aの上部(バッテリモジュール10Aの上部)を冷却するとともに、正極端子21a1及び負極端子21b1を冷却することができる。
【0050】
なお、本実施形態においても、ファン13によって送り出された空気の一部は、前方隙間523、中央前方隙間524、後方隙間527、及び中央後方隙間526を通る。前方隙間523、中央前方隙間524、後方隙間527、及び中央後方隙間526を通る空気は、角型セル21Aの側面(バッテリモジュール10Aの側面)を冷却する。
【0051】
このようにバッテリパック1Aにおいても、第1区画51において角型セル21Aの上部と正極端子21a1及び負極端子21b1とはバッテリケース31内を循環する空気に接触しているので、角型セル21Aの上部と正極端子21a1及び負極端子21b1の熱を空気とフィン17を介して第2区画52のウォータージャケット40に放熱することができる。これにより、正極端子21a1及び負極端子21b1の温度を下げることができるので、正極端子21a1及び負極端子21b1の温度に起因して電流制限がかかることが抑制され、バッテリの能力を有効に使うことができる。
【0052】
また、角型セル21Aの上部は、空気とフィン17を介してウォータージャケット40に放熱し、角型セル21Aの下部は、第1区画51で角型セル21Aの下にあるウォータージャケット40に放熱するので、角型セル21Aの上部と下部との間の温度バラツキを抑制できる。これにより、バッテリの電流制限が作用するのを抑制でき、バッテリの能力を適切に利用することができる。
【0053】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0054】
例えば、ファン13は、2つに限らず1つでもよく3つ以上設けられてもよい。また、ファンは、第2区画52に配置される場合に限らず、第1区画51、バッテリケース31の壁面、上部カバー33に設けられてもよい。
【0055】
また、ウォータージャケット40は、ボトムプレート321とカバープレート36とにより形成される場合に限らず、別体のウォータージャケットが外付けされてもよく、バッテリケース31の内部に設けられてもよい。
【0056】
また、フィン17の数や形状は適宜選択することができる。また、フィン17は、第2区画52の一部にのみ設けられてもよく、第2区画52の全体に亘って設けられてもよい。
【0057】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0058】
(1) 正極端子(正極タブ21a、正極端子21a1)及び負極端子(負極タブ21b、負極端子21b1)を有する複数のセル(ラミネート型セル21、角型セル21A)と、
前記複数のセルが積層された複数のバッテリモジュール(バッテリモジュール10、10A)と、
前記複数のバッテリモジュールを収容するバッテリケース(バッテリケース31)と、
前記バッテリケースの外部にある熱交換システム(バッテリ冷却回路18)に配管で接続され且つ前記バッテリケースの内部又は外部に設けられ、前記複数のバッテリモジュールを下方から冷却するウォータージャケット(ウォータージャケット40)と、を備え、
前記バッテリケースは、
前記複数のバッテリモジュールが配置され、前記複数のバッテリモジュールと前記ウォータージャケットと間で熱交換が行われる第1区画(第1区画51)と、
前記ウォータージャケットの上方であって、バッテリモジュールが配置されていない第2区画(第2区画52)と、
前記複数のセルと前記バッテリケースの内壁との間に設けられ、空気が通過可能な隙間(上方隙間15、前方隙間523、中央前方隙間524、中央後方隙間526、後方隙間527)と、
前記第2区画に設けられ、前記ウォータージャケット側から突出するように形成されたフィン(フィン17)と、
前記第1区画と前記第2区画を跨いで空気を循環させるファン(ファン13)と、を有する、バッテリパック(バッテリパック1、1A)。
【0059】
(1)によれば、第1区画においてセルの上部とセル端子はバッテリケース内を循環する空気に接触しているので、セルの上部及びセル端子の熱を空気とフィンを介して第2区画のウォータージャケットに放熱することができる。これにより、セル端子の温度を下げることができるので、セル端子の温度に起因して電流制限がかかることが抑制され、バッテリの能力を有効に使うことができる。また、セルの上部は、空気とフィンを介してウォータージャケットに放熱し、セルの下部は、第1区画でセルの下にあるウォータージャケットに放熱するので、セルの上部と下部との間の温度バラツキを抑制できる。これにより、バッテリの電流制限が作用するのを抑制でき、バッテリの能力を適切に利用することができる。
【0060】
(2) (1)に記載のバッテリパックであって、
前記ファン及び前記熱交換システムは、制御部(制御部14)によって制御され、
前記制御部は、
前記セルの温度が第1閾値(セル閾値温度)より高いとき、前記熱交換システムを作動させ、
前記セルの端子温度が、第2閾値(タブ閾値温度)より高いとき、前記ファンを作動させる、バッテリパック。
【0061】
(2)によれば、ウォータージャケットによるセルの冷却と、空気によるセル端子の冷却とで温度を監視する対象が異なり、第1区画でウォータージャケットがセルを冷却する能力はセルの温度に応じて変化し、バッテリケース内の空気がセル端子を冷却する能力はセル端子の温度によって変化する。これにより、バッテリケース外の熱交換システムの作動用に温度を監視する対象と、ファンの作動用に温度を監視する対象とが同じ対象である場合に比べて、セルの温度を適温に保ちつつ、セル端子の温度に起因して電流制限がかかることがさらに効果的に抑制される。なお、温度の測定方法については、温度センサをセルやセル端子に接触させて、セルの温度やセル端子の温度を直接測定する場合に限らず、セルやセル端子の温度を反映する部分の温度からセルやセル端子の温度を推定してもよい。例えば、セル端子周囲の空気の温度からセル端子の温度を推定してもよい。また、ウォータージャケットの出口側の冷媒温度からセルの温度を推定してもよい。
【0062】
(3) (1)に記載のバッテリパックであって、
前記バッテリケースには、ジャンクションボックス(ジャンクションボックス11)が収容され、
前記ジャンクションボックスは、前記ファンにより前記第1区画と前記第2区画を循環する空気が、前記ジャンクションボックスの導電部材に接触するように配置されている、バッテリパック。
【0063】
(3)によれば、バッテリケース内の空気の流れによりジャンクションボックスの導電部材も冷却されるので、急速充電時などに電流制限がかかることが抑制される。
【0064】
(4) (1)に記載のバッテリパックであって、
前記第2区画は、前記第1区画よりも外側であって且つ前記第1区画の両側に存在し、
前記ファンは、前記第2区画に配置されている、バッテリパック。
【0065】
(4)によれば、バッテリモジュールが配置されていない衝突ストロークとして使用される第2区画にファンが設置されるので、バッテリモジュールの上(第1区画)にファンを設置する場合に比べて、パック内のスペースを有効に使うことができ、バッテリパックの高さの増加を抑えることができる。
【0066】
(5) (4)に記載のバッテリパックであって、
前記第2区画には、それぞれ前記ファンが配置され、
前記第2区画は、それぞれ
前記ファンに対し前記ファンから空気が排出される側である正圧領域と、
前記ファンに対し前記ファンへ前記空気が導入される側である負圧領域と、を有し、
一方側の前記第2区画の前記正圧領域と他方側の前記第2区画の前記負圧領域とが、前記第1区画を挟んで対向し、
一方側の前記第2区画の前記負圧領域と他方側の前記第2区画の前記正圧領域とが、前記第1区画を挟んで対向する、バッテリパック。
【0067】
(5)によれば、第2区画の正圧領域→第1区画(バッテリモジュール)→第2区画の負圧領域となる圧力分布が形成され、バッテリケース内での空気の循環をより円滑にすることができる。
【0068】
(6) (1)に記載のバッテリパックであって、
前記複数のバッテリモジュールは、前記セルの前記正極端子及び前記負極端子の少なくとも一方のセル端子(電極タブ212)を覆う端子絶縁カバー(バスバーカバー23、23A)を有し、
前記端子絶縁カバーと前記セル端子との間に前記セルの積層方向に延びる空間(空間25)が設けられている、バッテリパック。
【0069】
(6)によれば、セル端子の周辺の空間が空気通路となるので、セル端子を絶縁しつつ効率的に冷却することができる。
【0070】
(7) (1)に記載のバッテリパックであって、
前記第2区画は、前記第1区画よりも外側であって且つ前記第1区画の両側に存在し、
隣り合う前記バッテリモジュール間、又は、前記バッテリモジュールとクロスメンバとの間には、前記第2区画の延伸方向に直交し、且つ、一方側の前記第2区画と他方側の前記第2区画とを結ぶ空気通路(中央前方隙間524、中央後方隙間526)が形成されている、バッテリパック。
【0071】
セルの両側にセル端子がある場合には片方の端子の位置は他のバッテリモジュール又はクロスメンバに近い側になる。(7)によれば、隣り合うバッテリモジュールの間、又は、バッテリモジュールとクロスメンバとの間には、空気通路が設けられることで、空気通路を設けずにバッテリモジュール同士を密接させる場合に比べて、他のバッテリモジュールやクロスメンバに近い側にあるセル端子も効率的に冷却することができる。
【符号の説明】
【0072】
1、1A バッテリパック
10、10A バッテリモジュール
11 ジャンクションボックス
13 ファン
14 制御部
15 上方隙間(隙間)
17 フィン
18 バッテリ冷却回路(熱交換システム)
21 ラミネート型セル(セル)
21A 角型セル(セル)
21a 正極タブ(正極端子)
21a1 正極端子(正極端子)
21b 負極タブ(負極端子)
21b1 負極端子(負極端子)
23、23A バスバーカバー(端子絶縁カバー)
25 空間
31 バッテリケース
33 上部カバー(カバー)
40 ウォータージャケット
51 第1区画
52 第2区画
60 カバープレート(端子絶縁カバー)
212 電極タブ(セル端子)
523 前方隙間(隙間)
524 中央前方隙間(隙間、空気通路)
526 中央後方隙間(隙間、空気通路)
527 後方隙間(隙間)