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特開2024-13527軌道計画支援装置、軌道計画支援方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013527
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】軌道計画支援装置、軌道計画支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/127 20060101AFI20240125BHJP
   B23K 9/04 20060101ALI20240125BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20240125BHJP
【FI】
B23K9/127 509Z
B23K9/04 Z
B23K9/04 G
B33Y50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115684
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】近口 諭史
(72)【発明者】
【氏名】椋田 雄
(57)【要約】
【課題】欠陥や形状崩れの発生が抑えられる軌道計画を容易に作成できる軌道計画支援装置、軌道計画支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】溶接ビードBを形成するパスの狙い位置を含む溶接ビードBの軌跡情報を取得する軌跡情報取得部31と、軌跡情報に基づいて、互いに近接する溶接ビードBの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出部33と、位置情報に基づいて、端部同士の距離である端部間距離Lseを算出する端部間距離算出部35と、端部間距離Lseと予め設定された閾値Lthとを比較し、端部間距離Lseが閾値Lthより小さいか否かを判定する端部間判定部37と、端部間距離Lseが閾値Lthより小さいと判定された場合に、端部の少なくとも一方の位置を溶接ビードBの軌跡に沿って移動させ、端部間距離Lseが閾値Lth以上となるように修正する位置修正部39と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定する軌道計画支援装置であって、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得部と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出部と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定部と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正部と、
を含む、
軌道計画支援装置。
【請求項2】
前記端部間距離算出部は、前記端部を含む前記溶接ビードの軌跡同士の交差角を併せて算出し、
前記端部間判定部は、前記端部間距離と前記閾値とを比較する際に、前記交差角が0°以上180°以下の範囲内において、前記交差角が大きくなるほど前記閾値を減少させる、
請求項1に記載の軌道計画支援装置。
【請求項3】
前記閾値は、前記交差角に応じて変動する許容変動範囲を有し、
前記交差角が0°以上180°以下の範囲内において、前記交差角が大きいほど前記許容変動範囲が増加する、
請求項2に記載の軌道計画支援装置。
【請求項4】
前記位置修正部は、前記溶接ビードの全体の軌跡長を一定に保持しながら前記端部の位置を修正する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の軌道計画支援装置。
【請求項5】
軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定する軌道計画支援方法であって、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得工程と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出工程と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出工程と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定工程と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正工程と、
を含む、
軌道計画支援方法。
【請求項6】
軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定するプログラムであって、
コンピュータに、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得機能と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出機能と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出機能と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定機能と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正機能と、
を実現させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道計画支援装置、軌道計画支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生産手段としての3Dプリンタのニーズが高まっており、特に金属材料への適用については航空機業界等で実用化に向けて研究開発が行われている。金属材料を用いた3Dプリンタは、レーザーやアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させて造形物を造形する。
【0003】
特許文献1には、造形経路に沿ってビードを形成して層形状を造形し、この層形状を積層して三次元形状を造形する積層造形において、造形経路および修正幅に基づいて、修正経路を求めることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6647480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような積層造形において、造形経路に沿って形成される溶接ビードの軌跡の始端及び終端は、その位置関係によって欠陥や形状崩れの要因になりやすい。このため、軌道計画を作成する際には、溶接ビードの軌跡における始端及び終端の位置関係に注意が必要である。しかし、溶接ビードの形成パス数が多くなると、溶接ビードの軌跡の始端と終端との位置関係のチェックや修正が膨大となり、設計者の大きな負担となる。
【0006】
そこで本発明は、欠陥や形状崩れの発生が抑えられる軌道計画を容易に作成できる軌道計画支援装置、軌道計画支援方法及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は下記構成からなる。
(1) 軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定する軌道計画支援装置であって、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得部と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出部と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定部と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正部と、
を含む、
軌道計画支援装置。
(2) 軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定する軌道計画支援方法であって、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得工程と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出工程と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出工程と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定工程と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正工程と、
を含む、
軌道計画支援方法。
(3) 軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定するプログラムであって、
コンピュータに、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得機能と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出機能と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出機能と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定機能と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正機能と、
を実現させるための、
プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、欠陥や形状崩れの発生が抑えられる軌道計画を容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、積層造形システムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、軌道計画支援装置の機能ブロック図である。
図3図3は、軌道計画支援装置による軌道計画の修正手順を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、ビードモデルを設定する様子を模式的に示す説明図である。
図4B図4Bは、ビードモデルを設定する様子を模式的に示す説明図である。
図4C図4Cは、ビードモデルを設定する様子を模式的に示す説明図である。
図5A図5Aは、溶接ビードの軌跡における始端及び終端の位置関係を示す模式図である。
図5B図5Bは、溶接ビードの軌跡における始端及び終端の位置関係を示す模式図である。
図5C図5Cは、溶接ビードの軌跡における始端及び終端の位置関係を示す模式図である。
図6A図6Aは、溶接ビードの重なりを説明する模式図である。
図6B図6Bは、溶接ビードの重なりを説明する模式図である。
図7図7は、交差角を考慮した閾値を示すグラフである。
図8A図8Aは、溶接ビードの軌跡における端部間距離の修正前の状態を示す模式図である。
図8B図8Bは、溶接ビードの軌跡における端部間距離の修正後の状態を示す模式図である。
図9A図9Aは、溶接ビードの軌跡における端部間距離の修正前の状態を示す模式図である。
図9B図9Bは、溶接ビードの軌跡における端部間距離の修正後の状態を示す模式図である。
図10A図10Aは、許容変動範囲の設定について説明する模式図である。
図10B図10Bは、許容変動範囲の設定について説明する模式図である。
図11図11は、交差角を考慮した許容変動範囲を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここで示す積層造形システムは、マニピュレータに保持された溶加材(溶接ワイヤ)を熱源装置によって溶融させて溶接ビードを形成し、形成された溶接ビードを所望の形状に繰り返し積層して、溶接ビードが積層されてなる造形物を造形するものである。軌道計画支援装置は、このような造形物を造形する積層造形装置における軌道計画を決定する。
【0011】
<積層造形システムの構成>
上記の軌道計画支援装置が決定する軌道計画に基づいて動作する、積層造形システムの一構成例を説明する。
図1は、積層造形システムの全体構成を示す概略図である。
積層造形システム100は、造形制御装置15と、マニピュレータ17と、溶加材供給装置19と、マニピュレータ制御装置21と、熱源制御装置23とを含んで構成される。
【0012】
マニピュレータ制御装置21は、マニピュレータ17と、熱源制御装置23とを制御する。マニピュレータ制御装置21には不図示のコントローラが接続されて、マニピュレータ制御装置21の任意の操作がコントローラを介して操作者から指示可能となっている。
【0013】
マニピュレータ17は、例えば多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ11には、溶加材Mが連続供給可能に支持される。トーチ11は、溶加材Mを先端から突出した状態に保持する。トーチ11の位置及び姿勢は、マニピュレータ17を構成するロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。マニピュレータ17は、6軸以上の自由度を有するものが好ましく、先端の熱源の軸方向を任意に変化させられるものが好ましい。マニピュレータ17は、図1に示す4軸以上の多関節ロボットの他、2軸以上の直交軸に角度調整機構を備えたロボット等、種々の形態であってもよい。
【0014】
トーチ11は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。シールドガスは、大気を遮断し、溶接中の溶融金属の酸化、窒化などを防いで溶接不良を抑制する。本構成で用いるアーク溶接法としては、被覆アーク溶接又は炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接又はプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、造形対象に応じて適宜選定される。ここでは、ガスメタルアーク溶接を例に挙げて説明する。消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ11は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。
【0015】
溶加材供給装置19は、トーチ11に向けて溶加材Mを供給する。溶加材供給装置19は、溶加材Mが巻回されたリール19aと、リール19aから溶加材Mを繰り出す繰り出し機構19bとを備える。溶加材Mは、繰り出し機構19bによって必要に応じて正方向又は逆方向に送られながらトーチ11へ送給される。繰り出し機構19bは、溶加材供給装置19側に配置されて溶加材Mを押し出すプッシュ式に限らず、ロボットアーム等に配置されるプル式、又はプッシュ-プル式であってもよい。
【0016】
熱源制御装置23は、マニピュレータ17による溶接に要する電力を供給する溶接電源である。熱源制御装置23は、溶加材Mを溶融、凝固させるビード形成時に供給する溶接電流及び溶接電圧を調整する。また、熱源制御装置23が設定する溶接電流及び溶接電圧等の溶接条件に連動して、溶加材供給装置19の溶加材供給速度が調整される。
【0017】
溶加材Mを溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザーとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビーム又はレーザーを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。電子ビーム又はレーザーにより加熱する場合、加熱量を更に細かく制御でき、形成するビードの状態をより適正に維持して、積層構造物の更なる品質向上に寄与できる。また、溶加材Mの材質についても特に限定するものではなく、例えば、軟鋼、高張力鋼、アルミ、アルミ合金、ニッケル、ニッケル基合金など、造形物Wの特性に応じて、用いる溶加材Mの種類が異なっていてよい。
【0018】
造形制御装置15は、上記した各部を統括して制御する。
【0019】
上記した構成の積層造形システム100は、造形物Wの造形計画に基づいて作成された造形プログラムに従って動作する。造形プログラムは、多数の命令コードにより構成され、造形物の形状、材質、入熱量等の諸条件に応じて、適宜なアルゴリズムに基づいて作成される。この造形プログラムに従って、トーチ11を移動させつつ、送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、溶加材Mの溶融凝固体である線状の溶接ビードBがベース13上に形成される。つまり、マニピュレータ制御装置21は、造形制御装置15から提供される所定のプログラムに基づいてマニピュレータ17、熱源制御装置23を駆動させる。マニピュレータ17は、マニピュレータ制御装置21からの指令により、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ11を移動させて溶接ビードBを形成する。このようにして溶接ビードBを順次に形成、積層することで、目的とする形状の造形物Wが得られる。
【0020】
図2は、造形制御装置15の機能ブロック図である。造形制御装置15は、軌跡情報取得部31と、位置情報抽出部33と、端部間距離算出部35と、端部間判定部37と、位置修正部39と、を含んで構成され、軌道計画支援装置として機能する。各部の詳細については後述するが、概略的な機能は次のとおりである。
【0021】
軌跡情報取得部31は、溶接ビードBを形成するパスの狙い位置を含む溶接ビードBの軌跡の情報を取得する。
【0022】
位置情報抽出部33は、軌跡情報取得部31が取得した軌跡情報に基づいて、互いに近接する溶接ビードBの軌跡における端部の位置情報を抽出する。
【0023】
端部間距離算出部35は、位置情報抽出部33が抽出した位置情報に基づいて、溶接ビードBの軌跡における端部間の距離を算出する。
【0024】
端部間判定部37は、端部間距離算出部35が算出した端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、端部間距離が閾値より小さいか否かを判定する。
【0025】
位置修正部39は、端部間判定部37によって端部間距離が閾値より小さいと判定された場合に、端部間距離が閾値以上となるように、溶接ビードBの端部の少なくとも一方の位置を溶接ビードBの軌跡に沿って修正する。
【0026】
上記の軌道計画支援装置として機能する造形制御装置15は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置を用いたハードウェアにより構成される。造形制御装置15の各機能は、不図示の制御部が不図示の記憶装置に記憶された特定の機能を有するプログラムを読み出し、これを実行することで実現される。記憶装置としては、揮発性の記憶領域であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶領域であるROM(Read Only Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを例示できる。また、制御部としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)などのプロセッサ、又は専用回路等を例示できる。造形制御装置15は、上記した形態のほか、ネットワーク等を介して積層造形システム100から遠隔から接続される他のコンピュータであってもよい。
【0027】
<軌道計画の修正手順>
図3は、軌道計画支援装置による軌道計画の修正手順を示すフローチャートである。図4A図4Cは、それぞれビードモデルを設定する様子を模式的に示す説明図である。
【0028】
軌跡情報取得部31が、溶接ビードBを形成するパスの狙い位置を含む溶接ビードBの軌跡情報を取得する(ステップS1)。軌跡情報の取得方法は、特に限定されないが、一手段として、作りたい造形物に対して割り当てた溶接ビードの代表位置(例えば、溶接ビードの底辺の中心)を狙い位置の情報として取得する。なお、軌跡情報は、部分的に生成した軌跡の点群情報を、並列に複製された点群情報から取得してもよい。
【0029】
造形物に対する溶接ビードの割り当て方としては、例えば、図4Aに示すように、読み込んだ造形物の3次元形状データ(CADデータ等)の形状を、溶接ビードの積層方向Hと直交する面61でスライスして複数のビード層BLに分割し、図4Bに示すように、分割した各ビード層BLを、溶接ビードのビード形状に対応するように、面63によって複数の矩形ビードモデルBM0に分割する。そして、図4Cに示すように、分割された複数の矩形ビードモデルBM0を、単純な幾何図形である台形に当てはめ、台形ビードモデルBMに変更する。
【0030】
位置情報抽出部33が、軌跡情報に基づいて、軌道計画された各パスの溶接ビードBの軌跡に基づいて、互いに近接する溶接ビードBの軌跡における端部の位置情報を抽出する(ステップS2)。具体的には、互いに近接する溶接ビードBの軌跡における始端Bs及び終端Beを割り出し、これらの始端Bs及び終端Beの座標からなる位置情報を抽出する。
【0031】
端部間距離算出部35が、位置情報に基づいて、溶接ビードBの始端及び終端の距離である端部間距離Lse及び溶接ビードB同士のなす角である交差角θを算出する(ステップS3)。具体的には、位置情報抽出部33が抽出した溶接ビードBの始端Bs及び終端Beの位置情報に基づいて、近傍範囲内に入る始端Bs及び終端Beを割り出す。この近傍範囲内に入る始端Bs及び終端Beは、最近傍探索などの各種の手法によって求められる。例えば、始端Bs及び終端Beの全組合せの距離を計算して閾値との大小比較によって近傍にあるか否か判定してもよいし、溶接ビードBの軌跡の点が含まれる空間を所定サイズのメッシュで細かく分割し、同一メッシュ内に存在する点同士を近傍範囲内の始端Bs及び終端Beとして判定してもよい。
【0032】
そして、近傍範囲内に入る始端Bs及び終端Beを割り出したら、これらの始端Bs及び終端Beの端部間距離Lseを算出し、さらに、それぞれの溶接ビードB同士の軌跡方向の交差角θを算出する。なお、始端Bs及び終端Beの端部間距離Lseは、最短直線距離とする。また、交差角θは、始端Bsを含む溶接ビードB及び終点Beを含む溶接ビードBの軌跡のベクトル同士がなす角とする。
【0033】
図5A図5Bは、それぞれ近傍範囲内に始端Ba及び終端Beが配置された2つの溶接ビードBの例を示す。
【0034】
図5Aに示す例では、始端Bsを有する溶接ビードBと、終端Beを有する溶接ビードBとが同一直線上に配置され、これらの溶接ビードBは、略180°の交差角θを有している。そして、始端Bsを有する一方の溶接ビードBの延長線上に、他方の溶接ビードBの終端Beが配置されている。図5B及び図5Cに示す例では、始端Bsを有する溶接ビードBと、終端Beを有する溶接ビードBとの交差角θが同一角度とされているが、図5Bに示す例では、一方の溶接ビードBの延長線上から外れた位置に、他方の溶接ビードBの終端Beが配置され、図5Cに示す例では、一方の溶接ビードBの延長線上に、他方の溶接ビードBの終端Beが配置されている。
【0035】
このように、それぞれ近傍範囲内に始端Ba及び終端Beが配置された2つの溶接ビードBに対して、端部間距離算出部35は、始端Bs及び終端Beの端部間距離Lse及び溶接ビードB同士の軌跡方向の交差角θを算出する。
【0036】
端部間判定部37が、始端Bs及び終端Beの端部間距離Lseと、予め設定された閾値Lthとを比較し、端部間距離Lseが閾値Lthより小さいか否かを判定する(ステップS4)。
【0037】
図6A及び図6Bは、溶接ビードBの重なりを説明する模式図である。図7は、交差角θを考慮した閾値Lthを示すグラフである。
【0038】
図6A及び図6Bに示すように、始端Bs及び終端Beが近傍範囲内に配置された溶接ビードBを形成する際に、端部間距離Lseが同一であっても、交差角θが大きい場合(図6A参照)と比べ、交差角θが小さい(図6B参照)ほど、隣接する溶接ビードBの重なり(図6A及び図6B中符号dで示す寸法)が過剰に確保されやすい。したがって、溶接ビードB同士の過剰な重なりを抑えるためには、溶接ビードBの始端Bs及び終端Beの端部間距離Lseは、溶接ビードBの交差角θが小さいほど広めに確保するのが好ましい。
【0039】
このため、始端Bs及び終端Beの端部間距離Lseと比較する閾値Lthは、交差角θに依存する値とするのが好ましい。例えば、図7に示すように、閾値Lthは、交差角θが0°~180°(0~πrad)の範囲では、交差角θが増加するにしたがって減少する値とする。なお、閾値Lthは、交差角θが180°~360°(π~2πrad)の範囲では、交差角θが増加するにしたがって増加する値とする。
【0040】
端部間判定部37によって端部間距離Lseが閾値Lthより小さいと判定された場合(ステップS4:No)、位置修正部39は、端部間距離Lseが閾値Lth以上となるように、始端Bs及び終端Beの少なくとも一方の位置を修正する(ステップS5)。
【0041】
図8Aは、溶接ビードBの軌跡における端部間距離Lseの修正前の状態を示す模式図である。図8Bは、溶接ビードBの軌跡における端部間距離Lseの修正後の状態を示す模式図である。
図8Aに示すように、一方の溶接ビードBの延長線上に、他方の溶接ビードBの始端Bs(または終端Be)が配置されている場合、位置修正部39は、例えば、図8Bに示すように、一方の溶接ビードBの終端Be(または始端Bs)の位置を、他方の溶接ビードBの始端Bs(または終端Be)から離間する方向へ、一方の溶接ビードBの軌跡に沿って移動させる。これにより、一方の溶接ビードBの終端Be(または始端Bs)と、他方の溶接ビードBの始端Bs(または終端Be)との端部間距離Lseを閾値Lth以上となるように修正する。この場合、一方の溶接ビードBの長さの修正によって端部間距離Lseを容易に修正できる。
【0042】
図9Aは、溶接ビードBの軌跡における端部間距離Lseの修正前の状態を示す模式図である。図9Bは、溶接ビードBの軌跡における端部間距離Lseの修正後の状態を示す模式図である。
図9Aに示すように、一方の溶接ビードBの終端Be(または始端Bs)と、他方の溶接ビードBの始端Bs(または終端Be)とが並んで配置されている場合、位置修正部39は、例えば、図9Bに示すように、一方の溶接ビードBを延ばすとともに他方の溶接ビードBを縮めることにより、一方の溶接ビードBの終端Be(または始端Bs)及び他方の溶接ビードBの始端Bs(または終端Be)を移動させる。これにより、一方の溶接ビードBの終端Be(または始端Bs)と、他方の溶接ビードBの始端Bs(または終端Be)との端部間距離Lseを閾値Lth以上となるように修正する。この場合、溶接ビードBの軌跡の合計長さを保持しながら端部間距離Lseを修正でき、溶接ビードBの溶着体積の減少による未溶着の発生を抑えることができる。
【0043】
全ての始端Bs及び終端Beの組(全組数:N)に対して、端部間判定部37による端部間距離Lseと閾値Lthとの比較(ステップS4)及び必要に応じた端部間距離Lseの修正(ステップS5)を順次実行する(ステップS6)。
【0044】
これにより、過剰に近接する溶接ビードBの始端Bsや終点Beなどの端部位置を自動で修正でき、軌道計画を作成する設計者の負担を軽減できる。また、溶接ビードBの始端Bsや終端Beなどの端部が過剰に近接することによるトーチ11の干渉等の装置エラーを回避でき、造形物Wを円滑に造形できる。
【0045】
なお、位置修正部39による端部間距離Lseの修正(ステップS5)において、修正量の算出に用いる閾値Lthとしては、一意の値だけでなく、許容変動範囲(±δL)を設けてもよい。つまり、位置修正部39によって、始端Bs及び終端Beの端部間距離Lseを、許容変動範囲(±δL)を考慮した閾値Lth±δL以上となるように修正させるようにしてもよい。なお、端部間距離Lseは、狭くなるほど溶接ビードBの重なりが過剰に大きくなるおそれがあるので、許容変動範囲としては、端部間距離Lseが増加する増加側の許容変動範囲(+δL)が好ましい。
【0046】
図10A及び図10Bは、それぞれ許容変動範囲の設定について説明する模式図である。図11は、交差角θを考慮した許容変動範囲δLを示すグラフである。
図10A及び図10Bに示すように、溶接ビードBの軌跡を延長させた際の軌跡の交差側において、溶接ビードBの軌跡の延長線によって囲われる角部の領域(図10A及び図10Bにおける溶接ビードBと二点鎖線とで囲われた三角形状の領域)の面積が大きくなりすぎると、溶接ビードB同士の接続箇所での未溶着が生じやすくなる。この溶接ビードBの軌跡を延長した際の交差側の角部の領域は、端部間距離Lseの変動によって面積が増減するが、この面積の増減は、溶接ビードBの交差角θが小さい時ほど大きくなる。例えば、閾値Lthに増加側の許容変動範囲(+δL)を設けた場合、この許容変動範囲(+δL)が同一であっても、図10Aに示すように、交差角θが大きいと、許容変動範囲(+δL)による角部の領域の変動(増加量)は小さいが、図10Bに示すように、交差角θが小さいと、許容変動範囲(+δL)による角部の領域の変動(増加量)が大きくなり、例えば、溶接ビードB同士の接続箇所での未溶着が生じやすくなる。同様に、閾値Lthに減少側の許容変動範囲(-δL)を設けた場合、許容変動範囲(-δL)が同一であっても、交差角θが大きいと、許容変動範囲(-δL)による角部の領域の変動(減少量)は小さくなるのに対して、交差角θが小さいと、許容変動範囲(-δL)による角部の領域の変動(減少量)が大きくなり、例えば、溶接ビードB同士の重なり量が大きくなってしまう。
【0047】
したがって、閾値Lthに許容変動範囲(±δL)を設ける場合、この許容変動範囲(±δL)に制限を設けることが好ましい。具体的には、図11に示すように、許容変動範囲(±δL)は、交差角θが0°~180°(0~πrad)の範囲では、交差角θが増加するにしたがって単調に増加する値とする。なお、許容変動範囲(±δL)は、交差角θが180°~360°(π~2πrad)の範囲では、交差角θが増加するにしたがって単調に減少する値とする。このように、閾値Lthに設ける許容変動範囲(±δL)を、交差角θの大きさに応じて増減させることで、始端Bs及び終端Beの位置調整を交差角θに応じて自動で適正に修正できる。
【0048】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0049】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定する軌道計画支援装置であって、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得部と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出部と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定部と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正部と、
を含む、軌道計画支援装置。
この構成の軌道計画支援装置によれば、過剰に近接しすぎた溶接ビードの始端や終点などの端部位置を自動で修正でき、軌道計画を作成する設計者の負担を軽減できる。また、溶接ビードの始端や終端などの端部が過剰に近接することによるトーチの干渉等の装置エラーを回避でき、造形物を円滑に造形できる。
【0050】
(2) 前記端部間距離算出部は、前記端部を含む前記溶接ビードの軌跡同士の交差角を併せて算出し、
前記端部間判定部は、前記端部間距離と前記閾値とを比較する際に、前記交差角が0°以上180°以下の範囲内において、前記交差角が大きくなるほど前記閾値を減少させる、(1)に記載の軌道計画支援装置。
この構成の軌道計画支援装置によれば、端部間判定部は、端部間距離と閾値とを比較する際に、溶接ビードの軌跡同士の交差角が大きいほど閾値を小さくし、溶接ビードの軌跡同士の交差角が小さいほど閾値を大きくする。これにより、溶接ビード同士の近接しすぎによって生じる溶接ビードの凹凸を抑制できる。
【0051】
(3) 前記閾値は、前記交差角に応じて変動する許容変動範囲を有し、
前記交差角が0°以上180°以下の範囲内において、前記交差角が大きいほど前記許容変動範囲が増加する、(2)に記載の軌道計画支援装置。
この構成の軌道計画支援装置によれば、閾値の許容変動範囲を、交差角の大きさに応じて増減させることで、端部の位置調整を交差角に応じて自動で適正に修正できる。
【0052】
(4) 前記位置修正部は、前記溶接ビードの全体の軌跡長を一定に保持しながら前記端部の位置を修正する、(1)~(3)のいずれか一つに記載の軌道計画支援装置。
この構成の軌道計画支援装置によれば、溶接ビードの全体の軌跡長を一定に保持しながら端部の位置を修正することで、溶接ビードの溶着体積の不足を発生させずに、始端や終点などの端部同士の間隔を適正に調整できる。
【0053】
(5) 軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定する軌道計画支援方法であって、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得工程と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出工程と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出工程と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定工程と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正工程と、
を含む、軌道計画支援方法。
この構成の軌道計画支援方法によれば、過剰に近接しすぎた溶接ビードの始端や終点などの端部位置を自動で修正でき、軌道計画を作成する設計者の負担を軽減できる。また、溶接ビードの始端や終端などの端部が過剰に近接することによるトーチの干渉等の装置エラーを回避でき、造形物を円滑に造形できる。
【0054】
(6) 軌道計画にしたがってトーチを移動させながら溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する積層造形装置における前記軌道計画を決定するプログラムであって、
コンピュータに、
前記溶接ビードを形成するパスの狙い位置を含む前記溶接ビードの軌跡情報を取得する軌跡情報取得機能と、
前記軌跡情報に基づいて、互いに近接する前記溶接ビードの軌跡における端部の位置情報を抽出する位置情報抽出機能と、
前記位置情報に基づいて、前記端部同士の距離である端部間距離を算出する端部間距離算出機能と、
前記端部間距離と予め設定された閾値とを比較し、前記端部間距離が前記閾値より小さいか否かを判定する端部間判定機能と、
前記端部間距離が前記閾値より小さいと判定された場合に、前記端部の少なくとも一方の位置を前記溶接ビードの前記軌跡に沿って移動させ、前記端部間距離が前記閾値以上となるように修正する位置修正機能と、
を実現させるための、プログラム。
この構成のプログラムによれば、過剰に近接しすぎた溶接ビードの始端や終点などの端部位置を自動で修正でき、軌道計画を作成する設計者の負担を軽減できる。また、溶接ビードの始端や終端などの端部が過剰に近接することによるトーチの干渉等の装置エラーを回避でき、造形物を円滑に造形できる。
【符号の説明】
【0055】
11 トーチ
15 造形制御装置(軌道計画支援装置)
31 軌跡情報取得部
33 位置情報抽出部
35 端部間距離算出部
37 端部間判定部
39 位置修正部
B 溶接ビード
Bs 始端(端部)
Be 終端(端部)
Lse 端部間距離
Lth 閾値
W 造形物
θ 交差角
δL 許容変動範囲
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11