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  • 特開-コントロールユニット用ハウジング 図1
  • 特開-コントロールユニット用ハウジング 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135281
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】コントロールユニット用ハウジング
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/08 20060101AFI20240927BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20240927BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20240927BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20240927BHJP
   H01R 13/52 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
H02G3/08 080
H05K5/00 A
H02G3/16
H02G3/14
H01R13/52 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045895
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】523122089
【氏名又は名称】ヴィオニア スウェーデン セーフティー システムズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】光岡 利充
【テーマコード(参考)】
4E360
5E087
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB12
4E360EA03
4E360EA30
4E360EB03
4E360GA29
4E360GB92
5E087EE11
5E087FF12
5E087LL17
5E087MM05
5E087MM08
5E087QQ04
5E087RR12
5G361AA06
5G361AB09
5G361AC03
5G361AC13
5G361AD01
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】保護カバーを良好な姿勢に保つことで、当該保護カバーの機能を十分に発揮できるようなコントロールユニット用ハウジングを提供すること。
【解決手段】本発明は、車両に搭載される各種デバイスを制御するコントロールユニット用のハウジングであって、前記コントロールユニットを収容する本体部と;前記各種デバイスのコネクタと連結されるコネクタ接続部と;前記コネクタ接続部の上部において前記本体部に連結される固定端と、前記固定部から前記本体部の外側に向かって延びる自由端とを有し、前記コネクタの上方を覆うように配置される保護カバーと;前記保護カバーの固定端と前記本体部との間に配置され、前記保護カバーの固定端の高さを可変とするスペーサー部材と;を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される各種デバイスを制御するコントロールユニット用のハウジングであって、
前記コントロールユニットを収容する本体部と;
前記各種デバイスのコネクタと連結されるコネクタ接続部と;
前記コネクタ接続部の上部において前記本体部に連結される固定端と、前記固定部から前記本体部の外側に向かって延びる自由端とを有し、前記コネクタの上方を覆うように配置される保護カバーと;
前記保護カバーの固定端と前記本体部との間に配置され、前記保護カバーの固定端の高さを可変とするスペーサー部材と;を備えたことを特徴とするコントロールユニット用ハウジング。
【請求項2】
前記スペーサー部材は、前記本体部と一体成形されることを特徴とする請求項1に記載のコントロールユニット用ハウジング。
【請求項3】
前記スペーサー部材は、前記本体部と別部材であることを特徴とする請求項1に記載のコントロールユニット用ハウジング。
【請求項4】
前記スペーサー部材は、前記保護カバーの固定端と接する部分が前記本体部の上面と平行に成形されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のコントロールユニット用ハウジング。
【請求項5】
前記スペーサー部材は、前記保護カバーの固定端と接する部分が前記コネクタ接続部に向かって下がる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のコントロールユニット用ハウジング。
【請求項6】
前記スペーサー部材は、前記保護カバーの固定端と接する部分が前記コネクタ接続部に向かって上がる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のコントロールユニット用ハウジング。
【請求項7】
前記保護カバーは、自重によって撓むように柔軟な素材で成形されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のコントロールユニット用ハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用コントロールユニットのハウジングに関し、特に、各種デバイスのコネクタとの連結部分を保護する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、各種センサやエアバッグ装置等の電子デバイスが備えられている。これらのデバイスは、ケーブルによってECU等のコントローラに電気的に接続される。デバイスに接続されたケーブルの先端には、コネクタが接続されている。一方、コントローラを収容するハウジングには、デバイスのコネクタを受け入れるコネクタ受け部が設けられている。
【0003】
コントローラのハウジングにおいては、上方からの水や埃等の異物がコネクタ周辺に浸入するのを防ぐため、保護カバーを設けることがある。保護カバーとしては、PET等の薄い硬質又は柔軟なフィルム状のものを使用することができる。
【0004】
保護カバーの一端(固定端)は、例えば、ハウジングのコネクタ受け部の上部に固定され、反対側の自由端はデバイスのコネクタの上部を覆うように、ハウジングの外側に向かって延びる構造となっている。
【0005】
ところで、各種デバイスのコネクタが大型化すると、保護カバーがコネクタの上部と干渉して浮き上がったりして、良好な姿勢を保つのが困難となり、保護カバー本来の機能を十分に発揮できない恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、保護カバーを良好な姿勢に保つことで、当該保護カバーの機能を十分に発揮できるようなコントロールユニット用ハウジングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、車両に搭載される各種デバイスを制御するコントロールユニット用のハウジングであって、前記コントロールユニットを収容する本体部と;前記各種デバイスのコネクタと連結されるコネクタ接続部と;前記コネクタ接続部の上部において前記本体部に連結される固定端と、前記固定部から前記本体部の外側に向かって延びる自由端とを有し、前記コネクタの上方を覆うように配置される保護カバーと;前記保護カバーの固定端と前記本体部との間に配置され、前記保護カバーの固定端の高さを可変とするスペーサー部材と;を備えている。
【0008】
ここで、「車両」とは、自動車、トラック、バス等を含む比較的広い概念であり、人間によって運転操作される車両、乗り物を意味する。
【0009】
コントロールユニットとしては、例えば、エンジンECU、モータECU、ブレーキECU、バッテリーECU、トランスミッションECU、エアバッグECUを含むことができる。コントロールユニットは、例えば、センターコンソール付近に配置することができる。
【0010】
デバイスのコネクタは、例えば、各種デバイスに接続されたワイヤーハーネスの先端部に連結され、ハウジング(本体部)内部のコントロールユニットと電気的に接続される。
【0011】
保護カバーは、コネクタの上方を覆うことによって、家の軒のように作用し、ハウジングの上方から水等の液体がコネクタ部分に進入するのを防ぐことができる。進入を防ぐべき液体としては、例えば、エアコン等の結露によって発生する水滴や、乗員がこぼした飲み物等が想定される。
【0012】
本発明においては、保護カバーの固定端と本体部との間に、高さを可変とするスペーサー部材を備えている。例えば、高さの高いコネクタをコネクタ接続部に連結させる場合には、高め(厚め)のスペーサー部材を設けることにより、コネクタの上部が保護カバーの自由端と干渉して、保護カバーとコネクタとの間に大きな隙間が形成されてしまう事態を回避することができる。仮に、スペーサー部材を設けない場合には、保護カバーの自由端がコネクタの上部と干渉して上方に持ち上がってしまい、保護カバーとコネクタとの間に大きな隙間が形成されてしまい、水や埃の浸入の危険性が高まる。
【0013】
前記スペーサー部材は、前記本体部と一体成形することができる。あるいは、前記本体部と別部材とすることもできる。別部材とした場合には、スペーサー部材は本体部に対して接着等の手段によって固定することになる。
【0014】
前記スペーサー部材は、前記保護カバーの固定端と接する部分が前記本体部の上面と平行になるように成形することができる。
【0015】
前記スペーサー部材は、前記保護カバーの固定端と接する部分が前記コネクタ接続部に向かって下がる方向に傾斜させることができる。
【0016】
前記スペーサー部材は、前記保護カバーの固定端と接する部分が前記コネクタ接続部に向かって上がる方向に傾斜させることができる。
【0017】
前記保護カバーは、自重によって撓むように柔軟な素材で成形することができる。例えば、PET材によって成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施例に係る車両用コントロールユニットのハウジングを示す斜視図(A)及び、側面図(B)である。
図2図2(A),(B)は、本発明の他の実施例に係る車両用コントロールユニットのハウジングを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例に係る安全システムについて、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例に係る車両用コントロールユニットのハウジングを示す斜視図(A)及び側面図(B)である。本実施例に係るハウジング10は、自動車のECUを収容するものであり、例えば、センターコンソール付近に配置される。なお、(A)図においては、便宜上、コネクタ及びワイヤーハーネスは省略して示すものとする。
【0021】
本実施例に係るハウジングは、コントロールユニット(ECU)を収容する本体部12と;各種デバイスのコネクタ14と連結されるコネクタ接続部16と;保護カバー18と;スペーサー部材20とを備えている。
【0022】
保護カバー18はPET材によってフィルム状に成形され、コネクタ接続部16の上部において本体部12に連結される固定端18aと、固定部から本体部12の外側に向かって延びる自由端18bとを有し、コネクタ14の上方を覆うように配置される。
【0023】
保護カバー18は、コネクタ14の上方を覆うことによって、家の軒のように作用し、ハウジング10の上方から水滴等の液体がコネクタ部分に浸入するのを防ぐようになっている。
【0024】
保護カバー18を形成するPETフィルムは、自重によって撓まない硬質なものや、自重によって撓む柔軟なものを使い分けることができる。図1(B)に示す保護カバー18は硬質なものとなっている。
【0025】
スペーサー部材20は、保護カバー18の固定端18aと本体部12との間に配置され、保護カバー18の固定端18aの高さを調整可能になっている。実施例においては、コネクタ14の上方への出っ張り部分を補完する高さとなっており、その結果、保護カバー18は概ね水平な状態を維持する。
【0026】
スペーサー部材20は、本体部12と別部材であり、樹脂等で成形することができ、本体部12に対して接着剤等を用いて固定される。なお、スペーサー部材20は、本体部12と一体に成形することもできる。
【0027】
コネクタ14は、各種デバイスに接続されたワイヤーハーネス22の先端部に連結され、コネクタ接続部16に差込むことにより、本体部12内部のコントロールユニット(図示せず)と電気的に接続される。
【0028】
(他の実施例)
図2(A),(B)は、本発明の他の実施例に係る車両用コントロールユニットのハウジングを示す側面図である。なお、上述した実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明は省略する。
【0029】
図2(A)に示すハウジング110に適用されるスペーサー部材120は、保護カバー118の固定端と接する部分がコネクタ14側(外側)に向かって上がる方向に傾斜している。保護カバー118は、比較的柔軟な素材で成形され、コネクタ14から先端方向に向かって自重によって垂れ下がる感じとなる。この例のような形状のスペーサー部材120を採用することにより、スペーサー部材120の後方側(図の右側)の高さを低めに設定することが可能となる。
【0030】
図2(B)に示すハウジング210に適用されるスペーサー部材220は、保護カバー218の固定端と接する部分がコネクタ14側(外側)に向かって下がる方向に傾斜している。保護カバー218は、比較的柔軟な素材で成形され、コネクタ14から先端方向に向かって自重によって垂れ下がる感じとなる。この例のような形状のスペーサー部材220を採用することにより、保護カバー218の先端が下方を向き、コネクタ14の周辺を確実に保護することができる。なお、本実施例の場合には、(A)に示す場合と異なり、硬質な保護カバー218を使用することができる。
【0031】
(本発明の技術的範囲の解釈)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に表現された技術思想の範囲内で適宜変更可能なものである。
図1
図2