(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135287
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置およびその制御回路
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20240927BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240927BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L27/04 F
H01L29/78 653C
H01L29/78 653A
H01L29/78 652P
H01L29/78 657G
H01L29/44 Y
H01L29/06 301V
H01L29/06 301F
H01L29/78 301D
H01L29/78 657A
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H03K17/687
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045905
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】西脇 達也
【テーマコード(参考)】
4M104
5F038
5F048
5F140
5J055
【Fターム(参考)】
4M104CC05
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4M104HH18
5F038AC04
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5J055AX03
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5J055DX19
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5J055EY21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オン抵抗及びスイッチング損失を低減できる半導体装置並びにその制御回路を提供する。
【解決手段】スイッチング素子SDと、制御回路CCと、を含む半導体装置1において、制御回路CCは、第1端子DT、第2端子ST、制御端子GT及びスイッチング素子の第3電極50に電気的に接続され、第2電極30と第3電極50との間にフィールドプレート電圧を印可する。第1ダイオードD1及びコンデンサCBは、第1端子DTと第2端子STとの間に直列接続される。第1ダイオードD1のアノードは、第1端子DTに接続され、第1ダイオードD1のカソードは、コンデンサCBの一方の端子CBDに接続される。コンデンサCBの他方の端子CBSは、第2端子STに接続される。第1トランジスタTr1のドレイン及び第2トランジスタTr2のドレインは、スイッチング素子SDの第3電極50に電気的に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バイアス端子と、
前記第1バイアス端子から離間した第2バイアス端子と、
前記第1バイアス端子および前記第2バイアス端子から離間した入力側端子と、
前記第1バイアス端子に接続されたアノードを有するダイオードと、
前記ダイオードのカソードに接続された第1端子と、前記第2バイアス端子に電気的に接続された第2端子と、を有するコンデンサと、
前記コンデンサの前記第1端子に接続された第3端子と、第4端子と、前記第3端子と前記第4端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第1制御端子と、を含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの前記第4端子に接続された第5端子と、前記第2バイアス端子に接続された第6端子と、前記第5端子と前記第6端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第2制御端子と、を含む第2トランジスタと、
前記第1バイアス端子、前記第2バイアス端子および前記入力側端子から離間し、前記第1トランジスタの前記第4端子と前記第2トランジスタの前記第5端子に接続された出力側端子と、
を備え、
前記入力側端子に入力される信号に基づいた制御信号を前記第1制御端子および前記第2制御端子に入力し、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが交互にオンし、交互にオフするように構成された制御回路。
【請求項2】
前記第1バイアス端子、前記第2バイアス端子、前記入力側端子および前記出力側端子から離間し、前記入力側端子に入力される信号を直接出力する第2の出力側端子をさらに備える、請求項1記載の制御回路。
【請求項3】
前記第4端子は、前記第1トランジスタのドレイン側端子であり、前記第5端子は前記第2トランジスタのドレイン側端子である、請求項1記載の制御回路。
【請求項4】
前記第1バイアス端子に接続されたアノードを有する第2のダイオードと、
前記第2のダイオードのカソードに接続される第7端子と、前記第2バイアス端子に接続される第8端子と、前記第7端子と前記第8端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第3制御端子と、を含む第3トランジスタと、
をさらに備え、
前記第1トランジスタの前記第1制御端子、および、前記第2トランジスタの前記第2制御端子は、前記第3トランジスタの前記第7端子に接続され、
前記第3トランジスタの前記第3制御端子は、前記入力側端子に接続される、請求項1記載の制御回路。
【請求項5】
前記第1バイアス端子に抵抗を介して接続された第7端子と、前記第2バイアス端子に接続される第8端子と、前記第7端子と前記第8端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第3制御端子と、を含む第3トランジスタと、
をさらに備え、
前記第1トランジスタの前記第1制御端子、および、前記第2トランジスタの前記第2制御端子は、前記第3トランジスタの前記第7端子に接続され、
前記第3トランジスタの前記第3制御端子は、前記入力側端子に接続される、請求項1記載の制御回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の制御回路と、
前記制御回路に接続されるスイッチング素子と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記制御回路の前記第1バイアス端子に接続される第1電極と、前記制御回路の前記第2バイアス端子に接続される第2電極と、前記制御回路の前記出力側端子に接続される第3電極と、前記制御回路の前記入力側端子に接続される制御電極と、前記第1電極および前記第2電極に電気的に接続される半導体部と、を含み、
前記制御電極は、前記入力側端子に入力される前記信号により前記第1電極と前記第2電極との間の前記半導体部における電気的導通をオンオフ制御するように構成され、
前記第3電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記半導体部に絶縁膜を介して向き合う、半導体装置。
【請求項7】
前記制御回路の前記コンデンサは、前記第3電極と前記第1電極との間の寄生容量よりも大きい容量値を有する、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記制御回路の前記コンデンサは、前記半導体部上に集積される、請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記半導体部上に集積される、請求項7記載の半導体装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記スイッチング素子がオン状態となった後に、前記第3電極の電位を上昇させるように構成される、請求項6記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置およびその制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSトランジスタなどの半導体装置には、オン抵抗(導通損失)およびスイッチング損失の低減が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、オン抵抗およびスイッチング損失を低減できる半導体装置およびその制御回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る制御回路は、第1バイアス端子と、第2バイアス端子と、入力側端子と、ダイオードと、コンデンサと、第1トランジスタと、第2トランジスタと、出力側端子と、を備える。前記第2バイアス端子は、前記第1バイアス端子から離間し、前記入力側端子は、前記第1バイアス端子および前記第2バイアス端子から離間している。前記ダイオードは、前記第1バイアス端子に接続されたアノードを有し、前記コンデンサは、前記ダイオードのカソードに接続された第1端子と、前記第2バイアス端子に接続された第2端子と、を有する。前記第1トランジスタは、前記コンデンサの前記第1端子に接続された第3端子と、第4端子と、前記第3端子と前記第4端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第1制御端子と、を含む。前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタの前記第4端子に接続された第5端子と、前記第2バイアス端子に接続された第6端子と、前記第5端子と前記第6端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第2制御端子と、を含む。前記出力側端子は、前記第1バイアス端子、前記第2バイアス端子および前記入力側端子から離間し、前記第1トランジスタの前記第4端子と前記第2トランジスタの前記第5端子とに接続される。前記制御回路は、前記入力側端子に入力される信号に基づいて、前記第1制御端子および前記第2制御端子に制御信号を入力し、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが交互にオンし、交互にオフするように構成される。
【0006】
実施形態に係る半導体装置は、前記制御回路と、前記制御回路に接続されるスイッチング素子と、を備える。前記スイッチング素子は、前記制御回路の前記第1バイアス端子に接続される第1電極と、前記制御回路の前記第2バイアス端子に接続される第2電極と、前記制御回路の前記出力側端子に接続される第3電極と、前記制御回路の前記入力側端子に接続される制御電極と、前記第1電極および前記第2電極に電気的に接続される半導体部と、を含む。前記制御電極は、前記入力側端子に入力される前記信号により前記第1電極と前記第2電極との間の前記半導体部の電気的導通をオンオフ制御するように構成され、前記第3電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記半導体部に絶縁膜を介して向き合う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置のオフ状態における動作を示す回路図である。
【
図4】第1実施形態に係る半導体装置のオン状態における動作を示す回路図である。
【
図5】第1実施形態に係る半導体装置の制御方法を示すタイムチャートである。
【
図6】第1実施形態に係る半導体装置の制御波形を示すタイムチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る制御回路を示す回路図である。
【
図8】比較例に係る半導体装置の制御方法を示す模式断面図である。
【
図9】第1実施形態および比較例に係る半導体装置のスイッチング特性を示すグラフである。
【
図10】第1実施形態および比較例に係る半導体装置の別のスイッチング特性を示すグラフである。
【
図11】第1実施形態の変形例に係る半導体装置を示す回路図である。
【
図12】第1実施形態の別の変形例に係る制御回路を示す回路図である。
【
図13】第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置の制御方法を示すタイムチャートである。
【
図14】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図15】第2実施形態に係る半導体装置における電極接続を示す模式断面図である。
【
図16】第2実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図17】第3実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図18】第4実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0009】
さらに、図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。半導体装置1は、例えば、スイッチング素子SDと、制御回路CCと、を含む。スイッチング素子SDは、例えば、トレンチゲート構造を有するパワーMOSトランジスタである。
【0011】
図1に示すように、スイッチング素子SDは、例えば、半導体部10と、第1電極20と、第2電極30と、制御電極40と、第3電極50と、を含む。半導体部10は、第1電極20と第2電極30との間に位置する。第2電極30は、例えば、半導体部10を挟んで第1電極20に向き合う。
【0012】
第1電極20は、例えば、半導体部10の裏面上に設けられる。第1電極20は、例えば、ドレイン電極である。第2電極30は、例えば、半導体部10の裏面とは反対側の表面上に設けられる。第2電極30は、例えば、ソース電極である。
【0013】
半導体部10は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層13と、第1導電形の第3半導体層15と、第2導電形の第4半導体層17と、第1導電形の第5半導体層19と、を含む。以下、第1導電形をn形、第2導電形をp形として説明するが、実施形態は、これに限定される訳ではない。
【0014】
第1半導体層11は、第1電極20と第2電極30との間に延在する。第1半導体層11は、例えば、n形ドリフト層である。第2半導体層13は、第1半導体層11と第2電極30との間に設けられる。第2半導体層13は、例えば、p形ボディ層である。
【0015】
第3半導体層15は、第2半導体層13と第2電極30との間に設けられる。第3半導体層15は、例えば、n形ソース層である。第3半導体層15は、例えば、第2電極30に接し、且つ、電気的に接続される。
【0016】
第4半導体層17は、第2半導体層13と第2電極30との間に設けられ、少なくとも一部が第2半導体層13中に位置する。第4半導体層17は、例えば、p形コンタクト層である。第4半導体層17は、第2半導体層13中の第2導電形不純物の濃度よりも高濃度の第2導電形不純物を含む。第2電極30は、例えば、第4半導体層17に接し、且つ、電気的に接続されるコンタクト部30cを含む。第2電極30は、第4半導体層17を介して、第2半導体層13に電気的に接続される。
【0017】
第5半導体層19は、第1半導体層11と第1電極20との間に設けられる。第5半導体層19は、例えば、n形バッファ層である。第5半導体層19は、第1半導体層11中のn形不純物の濃度よりも高濃度のn形不純物を含む。第1電極20は、例えば、第5半導体層19に接し、且つ、電気的に接続される。
【0018】
半導体部10は、その表面側に設けられるトレンチTGを有する。制御電極40および第3電極50は、トレンチTGの内部に設けられる。制御電極40は、第2電極30と第3電極50との間に位置する。第3電極50は、第1電極20と制御電極40との間に位置する。
【0019】
制御電極40は、例えば、ゲート電極である。制御電極40は、第1絶縁膜43を介して、第2半導体層13に向き合う位置に設けられる。第1絶縁膜43は、例えば、ゲート絶縁膜である。制御電極40は、第1絶縁膜43を介して、第1半導体層11にも向き合うように設けられる。また、制御電極40は、第1絶縁膜43を介して、第3半導体層15にも向き合う。言い換えれば、第1絶縁膜43は、半導体部10から制御電極40を電気的に絶縁する。
【0020】
さらに、第2電極30と制御電極40との間には、第2絶縁膜45が設けられる。第2絶縁膜45は、例えば、層間絶縁膜である。第2絶縁膜45は、制御電極40を第2電極30から電気的に絶縁する。
【0021】
第3電極50は、例えば、フィールドプレートである。第3電極50は、第1半導体層11中に位置する。第3電極40は、第3絶縁膜53を介して、第1半導体層11に向き合うように設けられる。第3絶縁膜53は、例えば、フィールドプレート絶縁膜(FP絶縁膜)である。第3絶縁膜53は、第1半導体層11から第3電極50を電気的に絶縁する。制御電極40と第3電極50との間には、第4絶縁膜55が設けられる。第4絶縁膜55は、第3電極50から制御電極40を電気的に絶縁する。
【0022】
図1に示すように、半導体装置1は、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GTをさらに備える。第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GTは、スイッチング素子SDおよび制御回路CCに接続される。
【0023】
第1端子DTは、例えば、ドレイン端子である。第1端子DTは、スイッチング素子SDの第1電極20に接続される。第2端子STは、例えば、ソース端子である。第2端子STは、スイッチング素子SDの第2電極30に接続される。制御端子GTは、例えば、ゲート端子である。制御端子GTは、例えば、スイッチング素子SDの制御電極40に電気的に接続される。制御端子GTは、例えば、ゲート抵抗Rgを介して、制御電極40に電気的に接続される。ゲート抵抗Rgは、例えば、制御電極40の内部抵抗である。
【0024】
制御回路CCは、例えば、第1端子DT、第2端子ST、制御端子GT、および、スイッチング素子SDの第3電極50に電気的に接続される。制御回路CCは、第2電極30と第3電極50との間にフィールドプレート電圧VFPを印可するように構成される。
【0025】
制御回路CCは、例えば、第1トランジスタTr1と、第2トランジスタTr2と、第3トランジスタTr3と、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、コンデンサCBと、を含む。第1トランジスタTr1は、例えば、PMOSトランジスタである。第2トランジスタTr2および第3トランジスタTr3は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0026】
第1ダイオードD1およびコンデンサCBは、第1端子DTと第2端子STとの間に直列接続される。第1ダイオードD1のアノードは、第1端子DTに接続され、第1ダイオードD1のカソードは、コンデンサCBの一方の端子CBDに接続される。コンデンサCBの他方の端子CBSは、第2端子STに接続される。
【0027】
第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2は直列接続され、第1トランジスタTr1のドレインは、第2トランジスタTr2のドレインに接続される。第1トランジスタTr1のソースは、第1ダイオードD1のカソードおよびコンデンサCBの端子CBDに接続される。第2トランジスタTr2のソースは、第2端子STに接続される。
【0028】
第2ダイオードD2および第3トランジスタTr3は、第1端子DTと第2端子STとの間に直列接続される。第2ダイオードD2のアノードは、第1端子DTに接続され、第2ダイオードD1のカソードは、第3トランジスタTr3のドレインに接続される。第3トランジスタのソースは、第2端子STに接続される。第1トランジスタTr1のゲートおよび第2トランジスタTr2のゲートは、第2ダイオードD2のカソードおよび第3トランジスタTr3のドレインに接続される。
【0029】
第3トランジスタTr3のゲートは制御端子GTに接続される。また、第1トランジスタTr1のドレインおよび第2トランジスタTr2のドレインは、スイッチング素子SDの第3電極50に電気的に接続される。
【0030】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す回路図である。
図2に示すように、スイッチング素子SDおよび制御回路CCは、第1端子DTおよび第2端子STに接続され、第1端子DTと第2端子STとの間に印可される電圧Vds(
図5参照)によりバイアスされる。
【0031】
スイッチング素子SDのドレインDは第1端子DTに接続され、スイッチング素子SDのソースSは、第2端子STに接続される。さらに、スイッチング素子SDのゲートGは、制御端子GTに接続される。
【0032】
スイッチング素子SDは、ゲートGに入力される制御信号Vg(
図5参照)によりオンオフ制御される。制御信号Vgは、制御端子GTに入力される。制御端子GTは、スイッチング素子SDのゲートGに電気的に接続される。ゲート信号Vgは、例えば、制御端子GTとスイチング素子SDのソースSとの間に供給される。
【0033】
制御信号Vgは、制御端子GTを介して第3トランジスタTr3のゲートにも入力される。第3トランジスタTr3は、制御信号Vgによりオンオフ制御される。さらに、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2は、第3トランジスタTr3のドレイン側の電位によりオンオフ制御される。
【0034】
例えば、第3トランジスタTr3がオフ状態にあり、第3トランジスタTr3のドレイン側が高電位「High」であるとき、第1トランジスタTr1はオフ状態、第2トランジスタTr2はオン状態にある。第3トランジスタTr3がオン状態になると、第3トランジスタTr3のドレイン側は、低電位「Low」になり、第1トランジスタTr1は、オフ状態からオン状態に移行し、第2トランジスタTr2は、オン状態からオフ状態に移行する。
【0035】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置1のオフ状態における動作を示す回路図である。この時、制御端子GTに入力される制御信号Vg(
図5参照)は、「Low」である。制御信号Vgは、外付けのゲート抵抗Rgeを介して、スイッチング素子SDのゲートGに印加され、スイッチング素子SDはオフ状態になる。第1端子DTと第2端子STとの間には、負荷抵抗RLを介して、電圧Vddが印加される。第1端子DTと第2端子STとの間には、ドレイン電圧Vd-off(
図5参照)が印加される。
【0036】
制御信号Vgが「Low」の時、制御回路CCの第3トランジスタTr3(
図2参照)はオフ状態であり、第3トランジスタTr3のドレイン側の電位は「High」となる。この時、第1トランジスタTr1はオフ状態となり、第2トランジスタTr2はオン状態となる。コンデンサCBは、ドレイン電圧Vd-offにより充電される。スイッチング素子SDのフィールドプレートFP(第3電極50)は、オン状態の第2トランジスタTr2を介して、第2端子STと同電位になる。すなわち、スイッチング素子SDのフィールドプレートFPとソースSとの間の電位差VFPは0Vである(
図5参照)。
【0037】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置のオン状態における動作を示す回路図である。この時、制御端子GTに入力される制御信号Vg(
図5参照)は、「High」である。スイッチング素子SDのゲートGは「High」となり、スイッチング素子SDはオン状態となる。第1端子DTと第2端子STとの間にはドレイン電流Idが流れ、第1端子DTと第2端子STとの間の電圧は、オン電圧Vd-onのレベルに低下する(
図5参照)。
【0038】
制御信号Vgが「High」の時、制御回路CCの第3トランジスタTr3(
図2参照)はオン状態となり、第3トランジスタTr3のドレイン側の電位は「Low」となる。この時、第1トランジスタTr1はオン状態となり、第2トランジスタTr2はオフ状態となる。このため、スイッチング素子SDのフィールドプレートFPと第2端子STとの間の電気的接続が切り離され、コンデンサCBの端子CBDとフィールドプレートFPとがオン状態の第1トランジスタTr1を介して電気的に接続される。これにより、コンデンサCBの電荷が、フィールドプレートFPに移動し、フィールドプレートFPは、コンデンサCBの端子CBDと同電位になる。すなわち、コンデンサCBの両端子間の電圧Vc-onが、スイッチング素子SDのフィールドプレートFPとソースSとの間にVfp-onとして印可される(
図5参照)。
【0039】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置1の制御方法を示すタイムチャートである。
図5中には、ゲート入力信号Vg-in、ゲート出力信号Vg-out、第1トランジスタTr1の制御信号Vg1、第2トランジスタTr2の制御信号Vg2、ソース・ドレイン間電圧Vds、コンデンサCBの端子間電圧VCB、および、フィールドプレート電圧VFPを示している。
【0040】
図5に示すように、制御端子GTに入力されるゲート入力信号Vg-inは、例えば、時間T1において、LowからHighへ上昇する。制御回路CCから出力されるゲート出力信号Vgoutは、ゲート入力信号Vg-inと同じであり、スイッチング素子SDのゲートGとソースSとの間に印可される。これにより、スイッチング素子SDは、オフ状態からオン状態へ移行(以下、ターンオン)する。
【0041】
ゲート入力信号Vg-inは、第3トランジスタTr3のゲートにも入力され、第3トランジスタTr3は、時間T1においてターンオンする。このため、第3トランジスタTr3のドレイン側の電位は、HighからLowへ変化し、第1トランジスタTr1の制御信号Vg1および第2トランジスタTr2の制御信号Vg2もHighからLowへ変化する。これにより、第1トランジスタTr1はターンオンし、第2トランジスタTr2は、オン状態からオフ状態に移行(以下、ターンオフ)する。
【0042】
ソース・ドレイン間電圧Vdsは、時間T1において、オフ電圧Vd-offからオン電圧Vd-onへ低下する。オン電圧Vd-onは、スイッチング素子SDがオフ状態にある時のコンデンサCBの電圧Vc-offよりも低いため、時間T1において、コンデンサCBへの充電が停止される。
【0043】
コンデンサCBは、オン状態の第1トランジスタTr1を介して、スイッチング素子SDのフィールドプレートFPに電気的に接続される。一方、フィールドプレートFPとソースSとの間の電気的接続は、第2トランジスタTr2のターンオフにより切断される。このため、コンデンサCBの電荷が第1トランジスタTr1を介してフィールドプレートFPへ移動する。これにより、コンデンサCBの端子間電圧は、スイッチング素子SDがオン状態にある時の電圧Vc-onへ低下する。
【0044】
スイッチング素子SDにおけるフィールドプレートFPの寄生容量は、フィールドプレートFPとソースSとの間の電位差がコンデンサCBの端子間電圧VCBと同じになるまで、コンデンサCBから移動する電荷により充電される。これにより、フィールドプレート電圧VFPは、時間T1において、0VからVfp-onまで上昇する。Vfp-onは、コンデンサCBの電圧Vc-onと同じである。
【0045】
さらに、ゲート入力信号Vg-inは、時間T2において、HighからLowへ変化する。ゲート出力信号Vg-outもHighからLowへ変化し、スイッチング素子SDは、ターンオフされる。また、第3トランジスタTr3もターンオフされる。このため、第3トランジスタTr3のドレイン側の電位は、LowからHighへ変化し、第1トランジスタTr1の制御信号Vg1および第2トランジスタTr2の制御信号Vg2もLowからHighへ変化する。これにより、第1トランジスタTr1はターンオフし、第2トランジスタTr2はターンオンする。
【0046】
ソース・ドレイン間電圧Vdsは、時間T2において、オン電圧Vd-onからオフ電圧Vd-offへ上昇し、コンデンサCBへの充電が開始される。コンデンサCBの端子間電圧VCBは、Vc-onからVc-offへ上昇する。コンデンサCBとスイッチング素子SDのフィールドプレートFPとの間の電気的接続は、ターンオフした第1トランジスタTr1により遮断され、フィールドプレートFPとソースSは、ターンオンした第2トランジスタTr2を介して電気的に接続される。このため、フィールドプレートFPとソースSとの間のフィールドプレート電圧VFPは0Vになる。
【0047】
続いて、ゲート入力信号Vg-inは、時間T3において、LowからHighへ変化し、スイッチング素子SDおよび第3トランジスタTr3はターンオンされる。これに伴い、第1トランジスタTr1はターンオンされ、第2トランジスタTr2はターンオフされる。その結果、フィールドプレートFPとソースSとの間のフィールドプレート電圧VFPは、0VからVfp-onまで上昇する。
【0048】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置1の制御波形を示すタイムチャートである。縦軸は、電圧であり、横軸は、時間である。
図6中には、制御信号Vg、ソース・ドレイン間電圧VdsおよびコンデンサCBの端子間電圧VCBを示している。
【0049】
図6に示すように、制御信号Vgは、時間T1において立ち上がり、時間T2において立ち下がる。制御信号Vgがスイッチング素子SDのゲート閾値電圧を超えると、スイッチング素子SDはターンオンされ、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オフ電圧Vd-offから、例えば、0Vに近いオン電圧Vd-onまで低下する。これに対応して、コンデンサCBの端子間電圧VCBは、Vc-on(=Vfp-on)のレベルに低下する。この時、フィールドプレートFPとソースSとの間に印可される電圧Vfp-onは、制御信号Vgの「High」レベルよりも大きいことが好ましい。フィールドプレートFPとソースSとの間に十分なレベルの電圧Vfp-onを印加するためには、例えば、コンデンサCBの容量値は、フィールドプレートFPとドレインDとの間の寄生容量よりも大きいことが好ましい。
【0050】
制御信号Vgがスイッチング素子SDのゲート閾値電圧よりも低いレベルに低下すると、スイッチング素子SDはターンオフされ、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オン電圧Vd-onからオフ電圧Vd-offへ上昇する。これにより、コンデンサCBへの充電が開始され、端子間電圧VCBは、Vc-offへ上昇する。
【0051】
図7は、第1実施形態に係る制御回路CCを示す回路図である。制御回路CCは、例えば、バイアス端子TB1およびTB2と、入力側端子TIと、出力側端子TO1およびTO2と、を有する。各端子は、相互に離間して設けられる。
【0052】
バイアス端子TB1は、例えば、第1端子DTに接続され、バイアス端子TB2は、例えば、第2端子STに接続される。入力側端子TIは、制御端子GTに該当する。出力側端子TO1は、第1トランジスタTr1のドレインおよび第2トランジスタのドレインに接続される。出力側端子TO2は、入力側端子TIに接続され、入力側端子TIに入力される信号は、直接、出力側端子TO2から出力される。
【0053】
入力側端子TIは、第3トランジスタのゲートにも接続され、第3トランジスタは、入力側端子TIに入力される信号によりオンオフ制御される。
【0054】
駆動対象のスイッチング素子SDがオフ状態の時、制御回路CCの第1トランジスタTr1は、オフ状態であり、第2トランジスタTr2はオン状態である。このため、第1トランジスタTr1のドレイン・ソース間には、スイッチング素子SDのドレイン・ソース間の電圧とほぼ同等の電圧が印加される。したがって、第1トランジスタTr1のドレイン・ソース間の耐圧は、スイッチング素子SDのドレイン・ソース間の耐圧以上であることが好ましい。
【0055】
また、スイッチング素子SDがオフ状態の時、第3トランジスタTr3は、オフ状態である。このため、第3トランジスタのドレイン・ソース間には、スイッチング素子SDのドレイン・ソース間の電圧とほぼ同等の電圧が印加される。したがって、第3トランジスタTr3のドレイン・ソース間の耐圧は、スイッチング素子SDのドレイン・ソース間の耐圧以上であることが好ましい。
【0056】
第1乃至第3トランジスタTr1、Tr2、Tr3のそれぞれの入力容量Ciss、出力容量Coss、帰還容量Crssは、ゲートドライブ損失およびスイッチング損失を小さくするため、スイッチング素子SDの各寄生容量よりも小さいことが好ましい。すなわち、制御回路CCにおけるゲートドライブ損失およびスイッチング損失は、スイッチング素子SDのスイッチング損失との比較において、無視できることが望ましい。
【0057】
図8(a)および(b)は、比較例に係る半導体装置1の制御方法を示す模式断面図である。
図8(a)および(b)は、スイッチング素子SDの第3電極50の制御方法を表している。
【0058】
図8(a)に示す例では、第3電極50は、第2電極30と同電位となるように、第2電極30に電気的に接続される。言い換えれば、フィールドプレートFPは、ソースSに接続される。
【0059】
図8(b)に示す例では、第3電極50は、制御端子GTに接続される。すなわち、フィールドプレートFPは、ゲートGと同電位になる。例えば、制御端子GTから「High」レベルの制御信号Vgが制御電極40に印加され、スイッチング素子SDがターンオンした時、第3電極50(フィールドプレートFP)に向き合う第1半導体層11中には、n形蓄積層ALが誘起される。これにより、隣り合うトレンチTG間における第1半導体層11の電気抵抗が低減され、スイッチング素子SDのオン抵抗を小さくすることができる。
【0060】
図9(a)~(c)は、第1実施形態および比較例に係る半導体装置1のスイッチング特性を示すグラフである。
図9(a)~(c)は、半導体装置1のターンオン時における電圧波形および電流波形を表している。横軸は、時間である。
【0061】
図9(a)は、フィールドプレートFPをソースSに接続した場合のターンオン特性を表している。時間T1において、制御信号Vgが立ち上がり、スイッチング素子SDのゲート閾値電圧を超えると、ドレイン電流Idが流れ始め、オン電流Id-onのレベルまで上昇する。一方、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オフ電圧Vd-offからオン電圧Vd-onまで低下する。この間、フィールドプレートFPとソースSの間の電圧VFPは0Vである。
【0062】
図9(b)は、フィールドプレートFPをゲートGに接続した場合のターンオン特性を表している。時間T1において、制御信号Vgが立ち上がり、スイッチング素子SDのゲート閾値電圧を超えると、ドレイン電流Idが流れ始める。制御信号Vgは、フィールドプレートFPにも供給されるため、フィールドプレートFPに向き合う第1半導体層11内にn形蓄積層ALが誘起され、オン抵抗を低減できる。しかしながら、ゲート・ドレイン間の寄生容量が大きくなり、制御信号Vgの立ち上がりが遅れる。結果として、ドレイン電流IdがId-onのレベルに達する時間、および、ソース・ドレイン間電圧VdsがVd-onまで低下する時間が遅れ、ターンオン時間ΔTonが長くなる。すなわち、フィールドプレートFPをゲートGに接続した場合には、オン抵抗を低減することが可能であるが、ターンオン時間ΔTonが長くなる。
【0063】
図9(c)は、実施形態に係る制御方法におけるターンオン特性を表している。時間T1において、制御信号Vgが立ち上がり、スイッチング素子SDのゲート閾値電圧を超えると、ドレイン電流Idが流れ始める。一方、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オフ電圧Vd-offからオン電圧Vd-onまで低下する。この間、フィールドプレートFPとソースSの間の電圧VFPは0VからVfp-onまで上昇する。Vfp-onは、制御信号Vgよりも高く、フィールドプレートFPは、制御信号Vgよりも高い電位にバイアスされる。これにより、第1半導体層11中には、より高密度のn形蓄積層が誘起され、オン抵抗をさらに下げることができる。
【0064】
この場合、フィールドプレートFPには、コンデンサCBの端子間電圧VCBが印加され、フィールドプレートFPとドレインとの間の容量がゲート・ドレイン間容量と切り離される。このため、ゲート・ドレイン間の寄生容量が大きくなることを回避できる。これにより、フィールドプレートFPをゲートGに接続した場合に比べて、ターンオン時間ΔTonを短縮することができる。実施形態に係る制御方法におけるターンオン時間ΔTonは、フィールドプレートFPをソースSに接続した場合のターンオン時間ΔTonと同等である。
【0065】
図10(a)~(c)は、第1実施形態および比較例に係る半導体装置1の別のスイッチング特性を示すグラフである。
図10(a)~(c)は、半導体装置1のターンオフ時の電圧波形および電流波形を表している。横軸は、時間である。
【0066】
図10(a)は、フィールドプレートFPをソースSに接続した場合のターンオフ特性を表している。時間T2において、制御信号Vgが立ち下がり、スイッチング素子SDのゲート閾値電圧に近づくと、ドレイン電流Idは減少し始め、0レベルまで低下する。一方、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オン電圧Vd-onからオフ電圧Vd-offまで上昇する。この間、フィールドプレートFPとソースSの間の電圧VFPは0Vである。
【0067】
図10(b)は、フィールドプレートFPをゲートGに接続した場合のターンオフ特性を表している。時間T2において、制御信号Vgが立ち下がり、スイッチング素子SDのゲート閾値電圧に近づくと、ドレイン電流Idは減少し始め、0レベルまで低下する。第1半導体層11内に誘起されるn形蓄積層ALは、制御信号Vgの低下と共に消失される。この場合も、ゲート・ドレイン間の寄生容量が大きいため、制御信号Vgの立ち下がりが遅れる。結果として、ドレイン電流IdがId-onから0レベルに達する時間、および、ソース・ドレイン間電圧VdsがVd-onからVd-offまで上昇する時間が遅れ、ターンオフ時間ΔToffが長くなる。
【0068】
図10(c)は、実施形態に係る制御方法におけるターンオン特性を表している。時間T2において、制御信号Vgが立ち下がり、スイッチング素子SDのゲート閾値電圧に近づくと、ドレイン電流Idが減少し始める。ソース・ドレイン間電圧Vdsも、オン電圧Vd-onからオフ電圧Vd-offまで上昇する。この間、電圧VFPはVfp-onから0Vまで低下する。このため、第1半導体層11内に誘起されたn形蓄積層は消失される。
【0069】
実施形態に係る制御方法では、スイッチング素子SDのターンオフ時に、フィールドプレートFPとコンデンサCBとの電気的接続が遮断され、フィールドプレートFPはソースSに接続される。このため、フィールドプレートFPからソースSに電荷が放電され、フィールドプレート電圧VFPはVfp-onから0Vまで低下する。したがって、フィールドプレートFPからの電荷の放電は、スイッチング素子SDのターンオフには影響せず、ターンオフ時間ΔToffを短縮することができる。
【0070】
このように、半導体装置1では、コンデンサCBを含む、所謂ブートストラップ回路を制御回路CCに設け、フィールドプレートFPとソースSとの間の電圧VFPを制御する。コンデンサCBは、スイッチング素子SDのターンオフ時にドレイン側から充電され、ターンオン時に、フィールドプレートFPに電荷を充電する。すなわち、フィールドプレートFPの電位は、ゲート電極から独立して制御されるため、ターンオン時間およびターンオフ時間を短縮することが可能であり、さらに、ゲートドライバの損失を回避できる。また、フィールドプレートFPをゲート電極の電位よりも高い電位にバイアスすることにより、n形蓄積層ALの密度を高くしてオン抵抗をより低減することが可能となる。
【0071】
図11は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置2を示す回路図である。半導体装置2は、スイッチング素子SDと、制御回路CC2と、を含む。
【0072】
この例では、制御回路CC2において、第1端子DTと第3トランジスタTr3との間の第2ダイオードD2(
図2参照)を抵抗R1に置き換えた構成を有する。すなわち、制御回路CC2における第1乃至第3トランジスタTr1、Tr2およびTr3のスイッチング速度が、スイッチング素子SDのスイッチング速度に比べて十分に速い場合、第2ダイオードD2に代えて、抵抗R1を用いることにより、回路の簡素化、低コスト化を図ってもよい。
【0073】
図12は、第1実施形態の別の変形例に係る制御回路CC3を示す回路図である。この例では、第1トランジスタTr1のゲートと第3トランジスタTrのドレインとの間、および、第2トランジスタTr2のゲートと第3トランジスタTrのドレインとの間にそれぞれ、遅延回路DEが設けられる。
【0074】
図13は、第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置1の制御方法を示すタイムチャートである。
図13中には、制御信号Vg、ソース・ドレイン間電圧Vds、ドレイン電流Id、および、フィールドプレートFPとソースSとの間の電圧VFPを示している。
【0075】
図13に示すように、制御端子GTに入力される制御信号Vgは、例えば、時間T1において、LowからHighへ上昇する。制御信号Vgは、スイッチング素子SDのゲートGとソースSとの間に印可される(
図2参照)。これにより、スイッチング素子SDはターンオンし、ドレイン電流Idは、0レベルからオン電流Id-onへ増加する。これに伴い、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オフ電圧Vd-offからオン電圧Vd-onへ低下する。
【0076】
さらに、時間T1よりも後の時間T2において、制御信号Vgは、HighからLowへ低下される。これにより、スイッチング素子SDはターンオフし、ドレイン電流Idは、オン電流Id-onから0レベルへ減少する。これに伴い、ソース・ドレイン間電圧Vdsは、オン電圧Vd-onからオフ電圧Vd-offへ上昇する。
【0077】
一方、フィールドプレートFPとソースSとの間の電圧VFPは、時間T1よりも後であり、時間T2よりも前の時間T3において、0レベルからVfp-onへ上昇するように制御される。このような、立ち上がり制御は、制御回路CC3において実施される。すなわち、時間T1と時間T3との間の遅延は、遅延回路DEにより制御される。
【0078】
例えば、ドレイン・ソース間電圧がオフ電圧Vd-offのまま、制御信号Vgの雑音などにより、第1トランジスタTr1がターンオンすると、フィールドプレートFPにVfp-onが印可されてしまう。このため、フィールドプレートFPとゲートGとの間において絶縁破壊が生じる恐れがある。そこで、スイッチング素子SDをターンオンさせるタイミングよりも後に、フィールドプレート電圧VFPをVfp-onに上昇させることが好ましい。フィールドプレート電圧VFPの立ち上がりを遅らせる遅延回路DEには、例えば、シュミットトリガ回路を用いることができる。
【0079】
(第2実施形態)
図14は、第2実施形態に係る半導体装置3を示す模式断面図である。半導体装置3は、スイッチング素子SDとコンデンサCBとをモノリシック集積した構造を有する。スイッチング素子SDは、
図1に示すMOSトランジスタと同じ構造を有する。
【0080】
図14に示すように、半導体部10は、第1電極20と第2電極30との間において、スイッチング領域SDRと、コンデンサ領域CBRと、を含む。スイッチング領域SDRおよびコンデンサ領域CBRは、半導体部10の裏面に沿った方向に並ぶ。第2電極30は、コンデンサ領域CBRにおいて、例えば、層間絶縁膜45を介して、半導体部10の表面上に設けられる。
【0081】
スイッチング領域SDRには、第1トレンチTG1が設けられ、コンデンサ領域CBRには、第2トレンチTG2が設けられる。第1トレンチTG1は、制御電極40および第3電極50を含む。第2トレンチTG2は、第4電極60を含む。第4電極60は、誘電体膜63を介して、半導体部10に向き合う。また、第4電極60は、半導体部10から誘電体膜63により電気的に絶縁される。誘電体膜63は、所定の誘電率を有する絶縁膜である。
【0082】
コンデンサ領域CBRにおいて、半導体部10は、例えば、第1半導体層11と、第5半導体層19と、第2導電形の第6半導体層21と、を含む。第1半導体層11は、第1電極20と第2電極30との間に延在する。第5半導体層19は、第1電極20と第1半導体層11との間に設けられる。第6半導体層21は、第1半導体層11中に設けられる。第1半導体層11は、第6半導体層21と第2電極30との間に延在する。また、第5半導体層19と第6半導体層21との間には、第1半導体層11の一部が介在する。
【0083】
第2トレンチTG2は、半導体部10の第2電極30側の表面から第2半導体層11中に延在する。第2トレンチTG2の底部は、第6半導体層21中に位置する。第4電極60は、第1電極20と第2電極30との間に設けられ、誘電体膜63を介して、第6半導体層21に向き合う。また、第4電極60は、第2トレンチTG2の開口側において、第2電極30に接続される。第2電極30は、層間絶縁膜45に設けられるコンタクトホールを通って第4電極に電気的に接続される。
【0084】
第6半導体層21は、例えば、第1電極20に電気的に接続される。言い換えれば、第6半導体層21は、PN接合を介在させないで、第1電極20に電気的に接続される。
【0085】
この例では、コンデンサCBは、例えば、第1半導体層11と第4電極60との間に設けられる。誘電体膜63は、コンデンサCBが所定の容量値を有するように設けられる。さらに、第1半導体層11および第6半導体層21は、第1ダイオードD1(
図2参照)を構成する。第6半導体層21は、第1ダイオードD1のアノードであり、第1電極20に電気的に接続される。第1半導体層11は、第1ダイオードD1のカソードと、コンデンサCBの端子CBDと、を兼ねる(
図2参照)。
【0086】
第1電極20は、スイッチング素子SDのドレイン電極であり、第1ダイオードD1のアノードに接続される(
図2参照)。第2電極30は、スイッチング素子SDのソース電極であり、コンデンサCBの端子CBSを兼ねる(
図2参照)。
【0087】
半導体装置3は、ダイオード端子TD1をさらに含む。ダイオード端子TD1は、第1ダイオードD1のカソード端子であり、第1半導体層11に電気的に接続される。ダイオード端子TD1は、例えば、第1トランジスタTr1のソースに接続される(
図2参照)。
【0088】
図15(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置3における電極接続を示す模式断面図である。
図15(a)は、第1電極20と第6半導体層21との接続構造を例示している。
図15(b)は、ダイオード端子TD1と第1半導体層11の接続構造を例示している。
【0089】
図15(a)に示すように、第1電極20は、半導体部10の裏面側に設けられるコンタクトトレンチBTの内部に延びるコンタクト部20pを有する。コンタクトトレンチTBは、第5半導体層19および第1半導体層11を貫いて第6半導体層21に至る深さを有するように設けられる。第2電極30は、コンタクトトレンチBTの内部に延びるコンタクト部20pにおいて第6半導体層21に接続される。
【0090】
図15(b)に示すように、ダイオード端子TD1は、第2絶縁膜45を介して、第1半導体層11上に設けられる。ダイオード端子TD1は、第2絶縁膜45上において、第2電極30から離間して設けられる。ダイオード端子TD1は、第2絶縁膜45に設けられるコンタクトホール45ch中に延びる部分を有する。すなわち、ダイオード端子TD1は、コンタクトホール45chを通して、第1半導体層11に接続される。
【0091】
図16は、第2実施形態の変形例に係る半導体装置4を示す模式断面図である。この例でも、半導体装置4は、スイッチング素子SDとコンデンサCBとをモノリシック集積した構造を有する。スイッチング素子SDは、
図1に示すMOSトランジスタと同じ構造を有する。
【0092】
半導体装置4は、第1電極20と、第2電極30と、制御電極40と、第3電極50と、第4電極60と、第5電極70と、を含む。半導体部10は、第1電極20と第2電極30との間、および、第1電極20と第5電極70との間に位置し、スイッチング領域SDRと、コンデンサ領域CBRと、を含む。第5電極70は、コンデンサ領域CBRの表面側において、層間絶縁膜45上に設けられる。第2電極30および第5電極70は、層間絶縁膜45上において、相互に離間して設けられる。
【0093】
制御電極40および第3電極50は、スイッチング領域SDRにおいて、第1トレンチTG1の内部に設けられる。第4電極60は、コンデンサ領域CBRにおいて、第2トレンチTG2の内部に設けられる。第4電極60は、例えば、層間絶縁膜45に設けられるコンタクトホールを通って、第2電極30に接続される。
【0094】
半導体部10は、コンデンサ領域CBRにおいて、第1半導体層11と、第5半導体層19と、第6半導体層21と、第2導電形の第7半導体層22と、第1導電形の第8半導体層23を含む。第5半導体層19は、第1半導体層11と第1電極20との間に設けられる。
【0095】
第6半導体層21は、第1電極20と第2電極30との間、および、第1電極20と第5電極70との間において、第1半導体層11中に設けられる。第1半導体層11は、第6半導体層21と第2電極30との間に延在する。また、第1半導体層11の一部は、第5半導体層19と第6半導体層21との間に介在する。
【0096】
第6半導体層21は、第1電極20と第5電極70との間において、半導体部10の表面側に引き出される。半導体部10の表面側において、第6半導体層21は、第7半導体層22を介して、第5電極70に電気的に接続される。第7半導体層22は、第6半導体層21と第5電極70との間に設けられ、第6半導体層21の第2導電形不純物の濃度よりも高濃度の第2導電形不純物を含む。第5電極70は、層間絶縁膜45に設けられるコンタクトホールを通って、第7半導体層22に接続される。
【0097】
第8半導体層23は、第1半導体層11と第5電極70との間に設けられる。第8半導体層23は、例えば、半導体部10の表面側において、第1半導体層11中に設けられる。第8半導体層23は、第1半導体層11中の第1導電形不純物の濃度よりも高濃度の第1導電形不純物を含む。第5電極70は、層間絶縁膜45に設けられる別のコンタクトホールを通って、第8半導体層23に接続される。第5電極70は、第8半導体層23を介して、第1半導体層11に電気的に接続される。
【0098】
この例でも、第1電極20は、スイッチング素子SDのドレイン電極である。第2電極30は、スイッチング素子SDのソース電極であり、コンデンサCBのソース側端子CBSを兼ねる。
【0099】
第1半導体層11および第6半導体層21は、第1ダイオードD1(
図2参照)を構成する。第5電極70は、第1ダイオードD1のアノード電極であり、第8半導体層23、第1半導体層11および第5半導体層19を介して、第1電極20に電気的に接続される。
【0100】
コンデンサCBは、第1半導体層11と第4電極60との間に設けられる。第1半導体層11は、第1ダイオードD1のカソードと、コンデンサCBの端子CBD(
図2参照)と、を兼ねる。ダイオード端子TD1は、第1半導体層11に電気的に接続される。ダイオード端子TD1は、第1ダイオードD1のカソード端子であり、例えば、第1トランジスタTr1のソースに接続される。
【0101】
(第3実施形態)
図17は、第3実施形態に係る半導体装置5を示す模式図である。半導体装置5は、スイッチング素子SD2と、制御回路CCと、を含む。スイッチング素子SD2は、例えば、プレナーゲート構造を有するパワーMOSトランジスタである。半導体装置5は、例えば、スイッチング素子SD2と、制御回路CCを含む制御チップと、を備えるハイブリッドデバイスである。
【0102】
スイッチング素子SD2は、例えば、半導体部10と、第3電極(以下、ゲート電極40)と、第4電極(以下、フィールドプレート50)と、を含む。なお、以下の説明では、ソース電極をソースS、ドレイン電極をドレインD、ゲート端子をゲートG、フィールドプレート端子をFP端子として説明する。
【0103】
図17に示すように、半導体部10は、n形ドリフト層11と、p形ボディ層13と、n形ソース層15と、p形コンタクト層17と、n形バッファ層19と、p形ウェル25と、n形コンタクト層26と、を含む。
【0104】
p形ウェル25は、p形ボディ層13のp形不純物の濃度よりも低濃度のp形不純物を含む。n形ドリフト層11およびp形ボディ層13は、p形ウェル25上に並ぶ。n形ドリフト層11およびp形ボディ層13は、半導体部10の表面に沿った方向、例えば、X方向に並ぶ。n形バッファ層19は、n形ドリフト層11上に部分的に設けられる。n形コンタクト層26は、n形バッファ層19上に設けられる。n形コンタクト層26は、n形バッファ層19におけるn形不純物の濃度よりも高濃度のn形不純物を含む。
【0105】
n形ソース層15およびp形コンタクト層17は、p形ボディ層13上において、例えば、X方向に並ぶ。n形ソース層15は、例えば、n形ドリフト層11とp形コンタクト層17との間に位置する。また、p形ボディ層13は、n形ドリフト層11とn形ソース層15との間に延在する。
【0106】
n形ドリフト層11のZ方向の厚さは、例えば、p形ボディ層13のZ方向の厚さよりも厚い。半導体部10の表面側において、n形ドリフト層11上には、STI(Shallow Trench Isolation)が部分的に設けられる。STIは、n形ドリフト層11のp形ボディ層13に向き合う部分とn形コンタクト層26との間に設けられる。
【0107】
ゲート電極40は、ゲート絶縁膜43を介して、半導体部10の表面上に設けられる。ゲート電極40は、n形ドリフト層11とn形ソース層15との間のp形ボディ層13に、ゲート絶縁膜43を介して向き合う。フィールドプレート50は、FP絶縁膜53を介して、半導体部10の表面上に設けられる。フィールドプレート50は、FP絶縁膜53を介してn形ドリフト層11に向き合う。ゲート電極40およびフィールドプレート50は、隣接して設けられ、相互に離間する。また、フィールドプレート50は、STI上に延びる。
【0108】
スイッチング素子SD2は、層間絶縁膜45をさらに含む。層間絶縁膜45は、半導体部10の表面側に設けられ、ゲート電極40およびフィールドプレート50を覆う。ソースS、ドレインD、ゲートGおよびFP端子は、層間絶縁膜45上に設けられる。
【0109】
ドレインDは、層間絶縁膜45に設けられるコンタクトホールを通って、n形コンタクト層26に接続される。ソースSは、層間絶縁膜45に設けられる別のコンタクトホールを通って、n形ソース層15およびp形コンタクト層17に接続される。ゲートGおよびFP端子は、層間絶縁膜45に設けられる他のコンタクトホールを通って、ゲート電極40およびフィールドプレート50にそれぞれ接続される。
【0110】
ドレインDは、第1端子DTに接続される。ソースSは、第2端子STに接続される。また、ゲートGは、制御端子GTに接続される。
【0111】
制御回路CCは、コンデンサCB、第1トランジスタTr1、第2トランジスタTr2および第3トランジスタTr3を含み、
図2に示す制御回路CCと同じ構成を有する。スイッチング素子SD2のFP端子は、第1トランジスタTr1のドレインおよび第2トランジスタTr2のドレインに接続される。また、制御端子GTは、第3トランジスタTr3のゲートにも接続される。
【0112】
(第4実施形態)
図18は、第4実施形態に係る半導体装置6を示す模式図である。半導体装置6は、モノリシック集積される、スイッチング素子SD2(
図17参照)と、第1トランジスタTr1と、第2トランジスタTr2と、第3トランジスタTr3と、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、コンデンサCBと、を備える。各素子は、例えば、半導体基板SS上に絶縁層65を介して設けられるSOI(silicon on insulator)構造を有する。第1乃至第3トランジスタTr1~Tr3は、例えば、プレナーゲート構造を有するMOSトランジスタである。
【0113】
スイッチング素子SD2のドレインDは、第1端子DTに接続される。また、第1ダイオードD1のアノードAおよび第2ダイオードD2のアノードも第1端子DTに接続される。
【0114】
スイッチング素子SD2、第2トランジスタTr2および第3トランジスタTr3のそれぞれのソースSは、第2端子STに接続される。また、コンデンサCBの一方の端子CBS(
図2参照)も第2端子STに接続される。
【0115】
第1トランジスタTr1のソースSは、第1ダイオードD1のカソードおよびコンデンサCBの他方の端子CBD(
図2参照)に接続される。また、第1トランジスタTr1のドレインDは、第2トランジスタTr2のドレインDおよびスイッチング素子SD2のFP端子に接続される。
【0116】
スイッチング素子SD2のゲートGは、制御端子GTに接続される。第1トランジスタTr1のゲートGおよび第2トランジスタTr2のゲートGは、第3トランジスタTr3のドレインDおよび第2ダイオードD2のカソードKに接続される。第3トランジスタTr3のゲートGは、制御端子GTに接続される。
【0117】
実施形態に係る半導体装置5および6においても、スイッチング素子SD2は、
図2に示す制御方法により動作され、オン抵抗およびスイッチング損失を低減することが可能である。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0119】
(付記1)
第1バイアス端子と、
前記第1バイアス端子から離間した第2バイアス端子と、
前記第1バイアス端子および前記第2バイアス端子から離間した入力側端子と、
前記第1バイアス端子に接続されたアノードを有するダイオードと、
前記ダイオードのカソードに接続された第1端子と、前記第2バイアス端子に電気的に接続された第2端子と、を有するコンデンサと、
前記コンデンサの前記第1端子に接続された第3端子と、第4端子と、前記第3端子と前記第4端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第1制御端子と、を含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの前記第4端子に接続された第5端子と、前記第2バイアス端子に接続された第6端子と、前記第5端子と前記第6端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第2制御端子と、を含む第2トランジスタと、
前記第1バイアス端子、前記第2バイアス端子および前記入力側端子から離間し、前記第1トランジスタの前記第4端子と前記第2トランジスタの前記第5端子に接続された出力側端子と、
を備え、
前記入力側端子に入力される信号に基づいた制御信号を前記第1制御端子および前記第2制御端子に入力し、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとが交互にオンし、交互にオフするように構成された制御回路。
(付記2)
前記第1バイアス端子、前記第2バイアス端子、前記入力側端子および前記出力側端子から離間し、前記入力側端子に入力される信号を直接出力する第2の出力側端子をさらに備える、付記1記載の制御回路。
(付記3)
前記第4端子は、前記第1トランジスタのドレイン側端子であり、前記第5端子は前記第2トランジスタのドレイン側端子である、付記1または2に記載の制御回路。
(付記4)
前記第1バイアス端子に接続されたアノードを有する第2のダイオードと、
前記第2のダイオードのカソードに接続される第7端子と、前記第2バイアス端子に接続される第8端子と、前記第7端子と前記第8端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第3制御端子と、を含む第3トランジスタと、
をさらに備え、
前記第1トランジスタの前記第1制御端子、および、前記第2トランジスタの前記第2制御端子は、前記第3トランジスタの前記第7端子に接続され、
前記第3トランジスタの前記第3制御端子は、前記入力側端子に接続される、付記1乃至3のいずれか1つに記載の制御回路。
(付記5)
前記第1バイアス端子に抵抗を介して接続された第7端子と、前記第2バイアス端子に接続される第8端子と、前記第7端子と前記第8端子との間の電気的導通をオンオフ制御する第3制御端子と、を含む第3トランジスタと、
をさらに備え、
前記第1トランジスタの前記第1制御端子、および、前記第2トランジスタの前記第2制御端子は、前記第3トランジスタの前記第7端子に接続され、
前記第3トランジスタの前記第3制御端子は、前記入力側端子に接続される、付記1乃至3のいずれか1つに記載の制御回路。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか1つに記載の制御回路と、
前記制御回路に接続されるスイッチング素子と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記制御回路の前記第1バイアス端子に接続される第1電極と、前記制御回路の前記第2バイアス端子に接続される第2電極と、前記制御回路の前記出力側端子に接続される第3電極と、前記制御回路の前記入力側端子に接続される制御電極と、前記第1電極および前記第2電極に電気的に接続される半導体部と、を含み、
前記制御電極は、前記入力側端子に入力される前記信号により前記第1電極と前記第2電極との間の前記半導体部における電気的導通をオンオフ制御するように構成され、
前記第3電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記半導体部に絶縁膜を介して向き合う、半導体装置。
(付記7)
前記制御回路の前記コンデンサは、前記第3電極と前記第1電極との間の寄生容量よりも大きい容量値を有する、付記6記載の半導体装置。
(付記8)
前記制御回路の前記コンデンサは、前記半導体部上に集積される、付記7記載の半導体装置。
(付記9)
前記制御回路は、前記半導体部上に集積される、付記6乃至8のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記10)
前記制御回路は、前記スイッチング素子がオン状態となった後に、前記第3電極の電位を上昇させるように構成される、付記6乃至8のいずれか1つ記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0120】
1~6…半導体装置、10…半導体部、11…第1半導体層(n形ドリフト層)、13…第2半導体層(p形ボディ層)、15…第3半導体層(n形ソース層)、17…第4半導体層(p形コンタクト層)、19…第5半導体層(n形バッファ層)、21…第6半導体層、22…第7半導体層、23…第8半導体層、25…p形ウェル、26…n形コンタクト層、20…第1電極、30…第2電極、30c…コンタクト部、40…制御電極(ゲート電極)、43…第1絶縁膜(ゲート絶縁膜)、45…第2絶縁膜(層間絶縁膜)、50…第3電極(フィールドプレート)、53…第3絶縁膜(FP絶縁膜)、63…誘電体膜、65…絶縁層、A…アノード、K…カソード、S…ソース、D…ドレイン、G…ゲート、AL…n形蓄積層、CB…コンデンサ、CBD、CBS…端子、CBR…コンデンサ領域、CC、CC2、CC3…制御回路、DE…遅延回路、FP…フィールドプレート、GT…制御端子、Id…ドレイン電流、R1…抵抗、RL…負荷抵抗、Rg、Rge…ゲート抵抗、SD、SD2…スイッチング素子、SDR…スイッチング領域、SS…半導体基板、TB1、TB2…バイアス端子、TD1…ダイオード端子、TG、TG1、TG2…トレンチ、TI…入力側端子、TO1、TO2…出力側端子、VCB…端子間電圧、VFP…フィールドプレート電圧、Vds…ソース・ドレイン間電圧、Vg、Vg1、Vg2…制御信号、Vg-in…ゲート入力信号、Vg-out…ゲート出力信号、ΔToff…ターンオフ時間、ΔTon…ターンオン時間