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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135294
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電源回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G05F1/56 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045913
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テー チェンコン
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB11
5H430EE06
5H430EE12
5H430LA06
(57)【要約】
【課題】スイッチ回路の入出力端間における逆流を防止する。
【解決手段】 実施形態の電源回路は、ソースが入力端子に接続され、ゲートに第1ノードから第1制御電圧が供給される第1トランジスタと、ドレインが前記第1トランジスタのドレインに接続され、ソースが出力端子に接続され、ゲートに第2制御電圧が供給される第2トランジスタと、前記入力端子に供給される電圧が第1入力端に与えられ、前記第1及び第2トランジスタのドレイン同士の接続点である第2ノードに現れる電圧が第2入力端に与えられ、前記第1入力端と第2入力端との電圧を比較し、比較結果に基づいて前記第1ノードに供給する前記第1制御電圧を制御するコンパレータと、前記コンパレータの前記第1入力端と前記第2入力端との間に接続されるダイオードと、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースが入力端子に接続され、ゲートに第1ノードから第1制御電圧が供給される第1トランジスタと、
ドレインが前記第1トランジスタのドレインに接続され、ソースが出力端子に接続され、ゲートに第2制御電圧が供給される第2トランジスタと、
前記入力端子に供給される電圧が第1入力端に与えられ、前記第1及び第2トランジスタのドレイン同士の接続点である第2ノードに現れる電圧が第2入力端に与えられ、前記第1入力端と第2入力端との電圧を比較し、比較結果に基づいて前記第1ノードに供給する前記第1制御電圧を制御するコンパレータと、
前記コンパレータの前記第1入力端と前記第2入力端との間に接続されるダイオードと、
を具備する電源回路。
【請求項2】
前記第2ノードと前記コンパレータの前記第2入力端との間の導通、非導通を制御する第3トランジスタ、
を更に具備する請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
ソースが前記第1ノードに接続され、ゲートに前記入力端子に供給される電圧が供給される第4トランジスタと、
ドレインが前記第4トランジスタのドレインに接続され、ソースが基準電位点に接続され、ゲートに前記コンパレータの出力が供給される第5トランジスタと、
を更に具備する請求項2に記載の電源回路。
【請求項4】
前記入力端子と第1ノードとの間に接続される抵抗と、
ドレインが前記第3トランジスタのゲートに接続され、ソースが第1電流源を介して前記基準電位点に接続され、ゲートに電源電圧が供給される第6トランジスタと、
前記第2ノードと前記第3トランジスタのゲートとの間に接続される抵抗と、
前記入力端子と前記基準電位点との間に接続される静電気保護素子と、
を更に具備する請求項3に記載の電源回路。
【請求項5】
前記コンパレータは、
ソースが前記第1入力端に接続され、ドレインが第2電流源を介して前記基準電位点に接続される第7トランジスタと、
ソースが前記第2入力端に接続され、ゲートが前記第7トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3電流源を介して前記基準電位点に接続されと共に前記第7トランジスタのゲートにも接続される第8トランジスタと、
ドレインが前記電源電圧を供給する電源ライン及び前記第5トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記基準電位点に接続され、ゲートが前記第7トランジスタのソースに接続される第9トランジスタと、
を更に具備する請求項4に記載の電源回路。
【請求項6】
前記コンパレータの前記第2入力端には、前記第2ノードに代えて前記出力端子に現れる電圧が与えられる、
請求項1に記載の電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電源回路は、電源とグランドを逆接続した場合に内部回路が破壊されることを防ぐため、電源線にスイッチ回路を挿入する。
【0003】
しかしながら、スイッチ回路のオン動作中に、スイッチ回路の出力端子の電圧が入力端子電圧よりも高くなると、逆流が生じる場合があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6993243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態は、スイッチ回路の入出力端間における逆流を防止することができる電源回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電源回路は、ソースが入力端子に接続され、ゲートに第1ノードから第1制御電圧が供給される第1トランジスタと、ドレインが前記第1トランジスタのドレインに接続され、ソースが出力端子に接続され、ゲートに第2制御電圧が供給される第2トランジスタと、前記入力端子に供給される電圧が第1入力端に与えられ、前記第1及び第2トランジスタのドレイン同士の接続点である第2ノードに現れる電圧が第2入力端に与えられ、前記第1入力端と第2入力端との電圧を比較し、比較結果に基づいて前記第1ノードに供給する前記第1制御電圧を制御するコンパレータと、前記コンパレータの前記第1入力端と前記第2入力端との間に接続されるダイオードと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電源回路を示す回路図である。
図2】逆流防止動作を説明するための説明図である。
図3】負電圧に対する保護を説明するための説明図である。
図4】本発明の第2の実施形態を示す回路図である。
図5】第2の実施形態の動作を説明するための回路図である。
図6】変形例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る電源回路を示す回路図である。本実施形態は、スイッチ回路の入出力端間の逆流を防止する保護回路を設ける。更に、本実施形態では、入力電圧が負電圧になった場合保護回路が破壊されることを防止することも可能である。
【0010】
図1に示すように、電源回路1は、外部から入力電圧VINが供給される入力端子11と、外部の図示しない負荷回路に出力電圧VOUTを出力する出力端子12との間に、スイッチ回路を構成するNMOSトランジスタM1,M2を有する。スイッチ回路は、トランジスタのボディダイオード(寄生ダイオード)によりトランジスタオフ時に電流が流れることを阻止するために、2つのトランジスタM1,M2により構成されている。
【0011】
更に、電源回路1は、PMOSトランジスタM3,M5と、NMOSトランジスタM4,M6と、抵抗R1,R2,R3と、ダイオードD1とコンパレータCMPと、電流源I1と、ESD(Electro-Static Discharge)素子I2とを含む。
【0012】
トランジスタM1は、ソースが入力端子11に接続され、ドレインがトランジスタM2のドレインに接続される。トランジスタM2は、ソースが出力端子12に接続され、ドレインがトランジスタM1のドレインに接続される。トランジスタM1,M2のゲートには、図示しないゲートコントローラからそれぞれ第1制御電圧である電圧VGATE1と第2制御電圧であるVGATE2とが供給されるようになっている。
【0013】
ゲートコントローラは、電圧VOUTの出力時に、スイッチ回路を導通させるための電圧をトランジスタM1,M2のゲートに印加することができる。また、ゲートコントローラは、電圧VOUTの停止時に、スイッチ回路を非導通させるための電圧をトランジスタM1,M2のゲートに印加することができる。例えば、電圧VINが80Vであるものとすると、ゲートコントローラは、トランジスタM1,M2のゲートに電圧VGATE1,VGATE2として85Vを印加することでスイッチ回路を導通させる。また、ゲートコントローラは、スイッチ回路を非導通とするために、トランジスタM1のゲートに80Vの電圧VGATE1を印加し、トランジスタM2のゲートに0Vの電圧VGATE2を印加してもよい。
【0014】
トランジスタM1のゲート(以下、ノードN1という)と入力端子11との間には、抵抗R1が接続される。
【0015】
ノードN1と基準電位点VSSとの間には、トランジスタM3,M4の電流経路が直列に接続される。トランジスタM3は、ソースがノードN1に接続され、ドレインはM4のドレインに接続され、ゲートには電圧VINが供給される。また、トランジスタM4は、ソースが基準電位点VSSに接続され、ゲートにはコンパレータCMPの出力が供給される。
【0016】
トランジスタM1,M2の共通ドレイン(以下、ノードN2という)は、トランジスタM5の電流経路を介してコンパレータCMPの正極性入力端+に接続される。トランジスタM5は、ソースがノードN2に接続され、ドレインがコンパレータCMPの正極性入力端+に接続され、ゲートは抵抗R3を介してノードN2に接続される。
【0017】
コンパレータCMPの負極性入力端-は、抵抗R2を介して入力端子11に接続される。コンパレータCMPの正極性入力端+にはダイオードD1のアノードが接続され、コンパレータCMPの負極性入力端-にはダイオードD1のカソードが接続される。なお、コンパレータCMPの正極性入力端+と負極性入力端-との間には、ダイオードD1に代えて抵抗を接続してもよい。
【0018】
トランジスタM5のゲートは、トランジスタM6の電流経路及び電流源I1を介して基準電位点VSSに接続される。トランジスタM6は、ドレインがトランジスタM5のゲートに接続され、ソースが電流源I1に接続され、ゲートには電源電圧VDDが供給される。
【0019】
入力端子11と基準電位点VSSとの間には静電気保護素子であるESD素子I2が接続される。ESD素子I2は、静電気による過渡過電圧から素子を保護する機能を有する。
【0020】
次に、このように構成された実施形態の動作について図2及び図3を参照して説明する。図2は逆流防止動作を説明するための説明図であり、図3は負電圧に対する保護を説明するための説明図である。図2及び図3は各部の電圧の例を示している。
【0021】
(逆流防止)
先ず、図2を参照して、逆流防止の動作について説明する。いま、電圧VINが80Vで、ゲートコントローラによって、電圧VGATE1,電圧VGATE2が85Vに設定されているものとする。この場合には、トランジスタM1,M2はオンであり、通常動作時には、入力端子11に供給された80Vの電圧VINがトランジスタM1,M2によるスイッチ回路を介して出力端子12から負荷に供給される。
【0022】
ここで、出力端子12の電圧が81Vに上昇するものとする。そうすると、トランジスタM1,M2のチャネルは導通しているので、図2の矢印に示すように、出力端子12から入力端子11に逆流が生じようとする。これにより、ノードN2の電圧(以下、電圧MIDという)も81Vに上昇する。また、入力端子11に正電圧が供給される通常動作時には、トランジスタM6のゲートに電圧VDD(例えば、5V)が印加される。従って、トランジスタM6はオンであり、ノードN2から抵抗R3を介して基準電位点VSSに電流が流れる。この電流は、電流源I1による定電流(例えば1μA)となる。なお、トランジスタM6は、ソースが電圧VDD(5V)よりも低くなるので、電流源I1を構成するトランジスタの耐圧違反を防止する機能を有する。
【0023】
抵抗R3に電流が流れることで、トランジスタM5は、ゲート電圧がソース電圧よりも低くなりオンとなる。これにより、電圧MIDがトランジスタM5を経由してコンパレータCMPの正極性入力端に印加される。一方、コンパレータCMPの負極性入力端-には、入力端子11から抵抗R2を介して電圧VINが印加される。
【0024】
電圧VINは80Vであり、電圧MIDは81Vであるので、コンパレータCMPの出力はハイレベル(以下、Hレベルという)となる。コンパレータCMPのHレベル出力は、トランジスタM4のゲートに供給されて、トランジスタM4はオンとなる。トランジスタM3は、ゲートに電圧VINが印加されており、ノードN1が85Vの状態ではオンである。従って、トランジスタM4がオンとなることによって、矢印に示すように、トランジスタM3,M4の電流経路を経由して基準電位点VSSに電流が流れて、ノードN1の電圧を低下させる。
【0025】
ノードN1の電圧がおおよそ80Vまで低下すると、トランジスタM3がオフとなり、ノードN1の電圧を略80Vに維持する。即ち、電圧VGATE1が80Vとなって、トランジスタM1はオフする。トランジスタM1がオンからオフに切換ることで、出力端子12から入力端子11への逆流が阻止される。トランジスタM3を設けることで、ノードN1の電圧が低くなり過ぎることがなく、トランジスタM1のゲートに過大な電圧が印加されてトランジスタM1が破壊されることを防止することができる。
【0026】
このように本実施形態においては、破線にて囲った逆流防止保護回路によって、出力端子12から入力端子11に逆流が生じることを防止することができる。
【0027】
しかしながら、何らかの理由により、入力端子11に負電圧が印加されてしまうことがある。この場合には、コンパレータCMPの正極性入力端+に印加される電圧MIDと負極性入力端-に印加される電圧VINとの差が大きくなり、コンパレータCMPが破壊される虞がある。そこで、本実施形態においては、逆流防止保護回路を構成するコンパレータCMPの破壊を防止する機能を備える。
【0028】
(コンパレータ保護回路)
図3を参照して、コンパレータ保護の動作について説明する。
【0029】
いま、電圧VINが0Vで、電圧VOUT及び電圧MIDが0Vであるものとする。この状態から入力端子11の電圧VINが負電圧、例えば電圧VINが-60Vになるものとする。そうすると、入力端子11と出力端子12との間に突入電流が流れようとする。仮に突入電流が流れてしまうと、トランジスタM1,M2が破壊される虞がある。本実施形態においては、入力端子11とノードN1との間に抵抗R1が設けられている。電圧VINが-60Vになると、抵抗R1を介してトランジスタM1のゲートから電流が流れ、電圧VGATE1も略-60Vに低下する。これにより、トランジスタM1はオフとなり、電圧VOUT及び電圧MIDは、略0Vを維持する。こうして、入力端子11と出力端子12との間の突入電流を防止し、トランジスタM1,M2が破壊されることを阻止することができる。
【0030】
上述した逆流防止の説明では、コンパレータCMPの正極性入力端+と負極性入力端-には、それぞれノードN2の電圧と入力端子11の電圧とが印加された。入力端子11が負電圧の場合には、トランジスタM1がオフなのでノードN2及び出力端子12は略0Vであり、コンパレータCMPには、0Vの電圧MIDと、-60Vの電圧VINとが供給される。このように比較的大きい電圧差の入力がコンパレータCMPに供給されると、コンパレータCMPが破壊される虞がある。そこで、本実施形態においては、破線で囲った負電圧保護回路を備える。
【0031】
入力端子11と基準電位点VSSとの間にはESD素子I2が設けられており、電圧VINが0Vから-60Vに変化すると、ESD素子I2によって基準電位点VSSも0Vから-60Vに変化する。そうすると、トランジスタM6のゲート電圧は、基準電位点VSSの影響により0Vから-60Vに低下して、トランジスタM6はオフする。この結果、抵抗R3には電流が流れない。トランジスタM5は、ゲート電圧及びソース電圧が等しく略0Vとなって、オフする。
【0032】
これにより、コンパレータCMPの正極性入力端+とノードN2との間の電流経路が非導通となる。コンパレータCMPの正極性入力端+と負極性入力端-との間はダイオードD1によって接続されており、コンパレータCMPの正極性入力端+は、負極性入力端-の電圧(-60V)に一致するように変化する。従って、コンパレータCMPに過大な入力が印加されることが防止されてコンパレータCMPが破壊されることが防止される。
このように本実施形態においては、入力端子11に負電圧が供給される異常時において、ノードN2とコンパレータCMPの正極性入力端+との間の導通をトランジスタM5により遮断し、ダイオードD1によってコンパレータCMPの正極性入力端+と負極性入力端-の電圧を一致させることで、コンパレータCMPが破壊されることを防止することが可能である。
【0033】
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態を示す回路図である。図4において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態はコンパレータCMPの具体的な構成例を示すものである。
【0034】
図4において、コンパレータCMPは、PMOSトランジスタM11,M12、NMOSトランジスタM13~M15及び電流源I3~I5により構成される。なお、トランジスタM15は薄膜トランジスタである。抵抗R2とダイオードD1のカソードとの接続点(以下、ノードN3という)は、トランジスタM11の電流経路、トランジスタM13の電流経路及び電流源I3を介して基準電位点VSSに接続される。トランジスタM11は、ソースがノードN3に接続され、ドレインがトランジスタM13のドレインに接続され、ゲートはトランジスタM12のゲートに接続される。トランジスタM13は、ソースが電流源I3に接続され、ゲートには電圧VDDが供給される。
【0035】
トランジスタM5のドレインとダイオードD1のアノードとの接続点(以下、ノードN4という)は、トランジスタM12の電流経路、トランジスタM14の電流経路及び電流源I4を介して基準電位点VSSに接続される。トランジスタM12は、ソースがノードN4に接続され、ゲートがトランジスタM11のゲートに接続され、ドレインがトランジスタM14のドレイン及びトランジスタM11のゲートに接続される。トランジスタM14は、ソースが基準電位点VSSに接続され、ゲートには電圧VDDが供給される。
【0036】
電圧VDDを供給する電源ラインと基準電位点VSSとの間には、電流源I5及びトランジスタM15の電流経路が接続される。トランジスタM15は、ドレインが電流源I5及びトランジスタM4のゲートに接続され、ソースが基準電位点VSSに接続され、ゲートがトランジスタM13のソースに接続される。
【0037】
なお、トランジスタM13は、トランジスタM6と同様の耐圧違反防止機能、即ち、電流源I3を構成するトランジスタの耐圧違反を防止する機能を有する。また、同様に、トランジスタM14は、電流源I4を構成するトランジスタの耐圧違反を防止する機能を有する。
【0038】
次に、このように構成された実施形態の動作について図5を参照して説明する。図5は入力端子11が80Vで出力端子12が81Vとなって逆流が発生しようする場合の各部の電圧の例を示している。
【0039】
まず、正常動作時、即ち、入力端子11が80Vで出力端子12から80Vが負荷に供給される場合のコンパレータCMPの動作について説明する。トランジスタM1,M2は、ゲートにゲートコントローラから85Vが印加されて、オンである。この場合には、上述したように、ノードN2は、80Vである。トランジスタM5はオンであり、ノードN4は80Vとなる。厳密には、ノードN4の電圧は80Vよりも若干低い電圧となる。一方、ノードN3の電圧は80Vである。
【0040】
トランジスタM11,M12のゲートは共通であり、トランジスタM11のゲート・ソース間電圧の方が、トランジスタM12のゲート・ソース間電圧よりも大きい。従って、トランジスタM13の電流経路に流れる電流の方がトランジスタM14の電流経路に流れる電流よりも大きい。電流源I3,I4の電流が同一であるものとすると、トランジスタM13のソースから流れる電流の一部がトランジスタM15のゲートに流れて、M15はオンである。トランジスタM4はオフであり、トランジスタM1のゲートには、ゲートコントローラから85Vの電圧VGATE1が印加されてトランジスタM1はオンを維持する。
【0041】
次に、出力端子12が81Vになり、逆流が生じようとするものとする。トランジスタM1がオンであり、ノードN2は80Vから81Vに変化する。トランジスタM5はオンであり、ノードN4も81Vとなる。一方、ノードN3の電圧は80Vである。従って、例えば、トランジスタM11,M12の共通ゲートの電圧が79Vであるものとすると、トランジスタM11のゲート・ソース間電圧は1Vとなり、トランジスタM12のゲート・ソース間電圧は2Vとなる。即ち、トランジスタM11のゲート・ソース間電圧の方が、トランジスタM12のゲート・ソース間電圧よりも小さくなり、トランジスタM14の電流経路に流れる電流の方がトランジスタM13の電流経路に流れる電流よりも大きくなる。
【0042】
例えば、電流源I3,I4のいずれも電流が10μAであるものとすると、トランジスタM14の電流経路に流れる電流は10μAで、トランジスタM13の電流経路に流れる電流は10μAよりも小さい電流(例えば5μA)となる。この結果、トランジスタM15のゲートから基準電位点VSSに電流が流れて、トランジスタM15はオフする。これにより、トランジスタM4のゲートはHレベルとなり、トランジスタM4がオンとなる。これにより、上述したように、ノードN1は80Vに低下し、トランジスタM1はオフする。こうして、逆流が阻止される。
【0043】
このように本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
(変形例)
図6は変形例を示す回路図である。図6において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
本変形例は、トランジスタM5のソースを出力端子12に接続し、MID電圧に代えて電圧VOUTをトランジスタM5のソースに供給する点が図1と異なる。電圧VOUTと電圧MIDとは、略同じ電圧であり、本変形例の動作は図1と同様となる。なお、電圧VOUTが電圧VINよりも上昇する場合には、電圧VOUTの電圧変化の方がMID電圧の電圧変化よりも若干早いので、本変形例の方が図1の例よりも若干早くトランジスタM1をオフにできることが考えられる。
【0046】
このように本変形例においても、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、逆流防止をより高速に行うことができる。
【0047】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0048】
1…電源回路、11…入力端子、12…出力端子、CMP…コンパレータ、D1…ダイオード、I1~I5…電流源、I2…ESD素子、M1~M6,M11~M15…トランジスタ、N1~N4…ノード、R1~R3…抵抗。
図1
図2
図3
図4
図5
図6