(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135304
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】時間貸し駐車場管理装置、コンピュータプログラム及び時間貸し駐車場管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045927
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朋秀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】 時間貸し駐車場における短時間利用を促進し、路上駐車を抑制につなげる。
【解決手段】 未利用時間算出手段11と、未利用時間に応じた時間ポイントを算出する時間ポイント算出手段12と、新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、時間ポイントを差し引く時間ポイント差し引き手段13とを有し、差し引き利用時間に基づき、新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する構成である。未利用時間が存在する場合に、所定の条件のもと時間ポイントが付与され、その時間ポイントを新たな時間貸し駐車場の利用料金の精算に充当することができ、短時間利用の割高感が抑制され、時間貸し駐車場の利用を促すことができ、路上駐車の抑制に貢献できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間貸し駐車場の利用精算時に、利用時間に基づき、当該時間貸し駐車場の単位時間当たりの料金に基づいて利用料金を算出する時間貸し駐車場管理装置であって、
前記利用時間が単位時間未満である場合に、その未利用時間を算出する未利用時間算出手段と、
前記未利用時間に応じた時間ポイントを算出し、ユーザー情報に紐付けて記憶部に記憶させる時間ポイント算出手段と、
新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、前記記憶部にアクセスして前記ユーザー情報に紐付けられた時間ポイントを読み出し、前記新たな時間貸し駐車場の利用時間から前記時間ポイントを差し引く時間ポイント差し引き手段と、
前記時間ポイントを差し引いた後の差し引き利用時間に基づき、前記新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する差し引き料金算出手段と
を有する時間貸し駐車場管理装置。
【請求項2】
前記時間ポイント算出手段は、前記単位時間未満の利用時間が、前記単位時間に対して所定の割合以下の場合に、前記未利用時間に応じた前記時間ポイントを算出する請求項1記載の時間貸し駐車場管理装置。
【請求項3】
前記時間ポイント算出手段によって算出される前記時間ポイントが、時間貸し駐車場毎、利用日毎若しくは利用時間帯毎に可変して設定される請求項2記載の時間貸し駐車場管理装置。
【請求項4】
前記時間ポイント差し引き手段は、前記新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、その利用時間が、直前の単位時間を超過し次の単位時間を経過する前である場合に限り、前記直前の単位時間を満了した時点から精算時までの超過時間から前記時間ポイントを差し引く請求項1記載の時間貸し駐車場管理装置。
【請求項5】
前記時間ポイント差し引き手段は、前記ユーザー情報に紐付けられて記憶された前記時間ポイントが前記超過時間以上である場合に、前記超過時間に相当する前記時間ポイントを差し引く請求項4記載の時間貸し駐車場管理装置。
【請求項6】
前記時間ポイント差し引き手段は、前記超過時間が前記単位時間に対して所定の割合以下の場合に前記時間ポイントを差し引く請求項4記載の時間貸し駐車場管理装置。
【請求項7】
前記時間ポイントの付与対象となる前記時間貸し駐車場を、路上駐車発生状況及び事故発生状況を含む周辺交通情報を参照し、前記周辺交通情報が所定以上の地域に所在する時間貸し駐車場の中から選定する対象駐車場選定手段を有する請求項1記載の時間貸し駐車場管理装置。
【請求項8】
コンピュータを、時間貸し駐車場の利用精算時に、利用時間に基づき、当該時間貸し駐車場の単位時間当たりの料金に基づいて利用料金を算出する時間貸し駐車場管理装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記利用時間が単位時間未満である場合に、その未利用時間を算出する手順と、
前記未利用時間に応じた時間ポイントを算出し、ユーザー情報に紐付けて記憶部に記憶させる手順と、
新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、前記記憶部にアクセスして前記ユーザー情報に紐付けられた時間ポイントを読み出し、前記新たな時間貸し駐車場の利用時間から前記時間ポイントを差し引く手順と、
前記時間ポイントを差し引いた後の差し引き利用時間に基づき、前記新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する手順と
を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記時間ポイントを算出する手順では、前記単位時間未満の利用時間が、前記単位時間に対して所定の割合以下の場合に、前記未利用時間に応じた前記時間ポイントを算出する請求項8記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記時間ポイントを算出する手順によって算出される前記時間ポイントが一定値である請求項9記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記時間ポイントを差し引く手順では、前記新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、その利用時間が少なくとも初回の単位時間を超過し次の単位時間を経過する前に限り、その超過時間から前記時間ポイントを差し引く請求項8記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記時間ポイントを差し引く手順では、前記ユーザー情報に紐付けられて記憶された前記時間ポイントが前記超過時間以上である場合に、前記超過時間に相当する前記時間ポイントを差し引く請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータとしての携帯情報端末にインストールされる請求項8~12記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
コンピュータを用いて、時間貸し駐車場の利用精算時に、利用時間に基づき、当該時間貸し駐車場の単位時間当たりの料金に基づいて利用料金を算出する時間貸し駐車場管理方法であって、
前記利用時間が単位時間未満である場合に、その未利用時間を算出し、
前記未利用時間に応じた時間ポイントを算出し、ユーザー情報に紐付けて記憶部に記憶させ、
新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、前記記憶部にアクセスして前記ユーザー情報に紐付けられた時間ポイントを読み出し、前記新たな時間貸し駐車場の利用時間から前記時間ポイントを差し引き、
前記時間ポイントを差し引いた後の差し引き利用時間に基づき、前記新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する
時間貸し駐車場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間貸し駐車場を管理する技術に関し、特に、利用料金の精算処理を改良した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる時間貸し駐車場というサービスが広く提供されている。利用料金は、ユーザーの利用時間に応じて課金される従量制が採用されているが、利用時間には単位時間が設定されているのが通例で、10分、15分等の単位時間毎に課金される。例えば、特許文献1では、充電装置を備えた電気自動車用の時間貸し駐車場の課金システムに関するもので、充電開始から充電完了までの時間帯とそれ以外の駐車時間帯とで異なる料金体系を採用することを特徴としているものであるが、いずれの時間帯においても単位時間毎の課金システムを採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単位時間毎に課金されるため、利用時間が単位時間よりも遙かに短い場合、ユーザーにとっては単位時間分の利用料金の支払いが割高に感じたり、無駄に感じたりする場合がある。このような場合、時間貸し駐車場を利用せずに路上駐車して用事を済まそうとするドライバーも存在する。しかし、路上駐車は当然交通の妨げとなり、抑制されることが望まれる。交通量の多い地域ではなおさらである。
【0005】
単位時間の概念をなくし、利用時間に応じた利用料金を支払うシステムとすることも考えられるが、10分~30分程度の単位時間で運用されている現状のシステムの大幅な変更となり、運営側にとって様々な面で多大なコストが発生する。もとより、ユーザーにとっても、利用料金の事前予測が面倒となり現実的ではない。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、短時間駐車でも時間貸し駐車場の利用を促し、路上駐車の抑制に貢献できる時間貸し駐車場管理装置、コンピュータプログラム及び時間貸し駐車場管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の時間貸し駐車場管理装置は、
時間貸し駐車場の利用精算時に、利用時間に基づき、当該時間貸し駐車場の単位時間当たりの料金に基づいて利用料金を算出する時間貸し駐車場管理装置であって、
前記利用時間が単位時間未満である場合に、その未利用時間を算出する未利用時間算出手段と、
前記未利用時間に応じた時間ポイントを算出し、ユーザー情報に紐付けて記憶部に記憶させる時間ポイント算出手段と、
新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、前記記憶部にアクセスして前記ユーザー情報に紐付けられた時間ポイントを読み出し、前記新たな時間貸し駐車場の利用時間から前記時間ポイントを差し引く時間ポイント差し引き手段と、
前記時間ポイントを差し引いた後の差し引き利用時間に基づき、前記新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する差し引き料金算出手段と
を有する。
【0008】
前記の「時間ポイント算出手段」は、前記単位時間未満の利用時間が、前記単位時間に対して所定の割合以下の場合に、前記未利用時間に応じた前記時間ポイントを算出する構成とすることが好ましい。
前記時間ポイント算出手段によって算出される前記時間ポイントが、時間貸し駐車場毎、利用日毎若しくは利用時間帯毎に可変して設定される構成とすることもできる。
【0009】
前記の「時間ポイント差し引き手段」は、前記新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、その利用時間が、直前の単位時間を超過し次の単位時間を経過する前である場合に限り、前記直前の単位時間を満了した時点から精算時までの超過時間から前記時間ポイントを差し引く構成とすることが好ましい。
前記時間ポイント差し引き手段は、前記ユーザー情報に紐付けられて記憶された前記時間ポイントが前記超過時間以上である場合に、前記超過時間に相当する前記時間ポイントを差し引く構成とすることが好ましい。
前記時間ポイント差し引き手段は、前記超過時間が前記単位時間に対して所定の割合以下の場合に前記時間ポイントを差し引く構成とすることが好ましい。
【0010】
前記の時間ポイントの付与対象となる前記の「時間貸し駐車場」を、路上駐車発生状況及び事故発生状況を含む周辺交通情報を参照し、前記周辺交通情報が所定以上の地域に所在する時間貸し駐車場の中から選定する対象駐車場選定手段を有する構成とすることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、
コンピュータを、時間貸し駐車場の利用精算時に、利用時間に基づき、当該時間貸し駐車場の単位時間当たりの料金に基づいて利用料金を算出する時間貸し駐車場管理装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記利用時間が単位時間未満である場合に、その未利用時間を算出する手順と、
前記未利用時間に応じた時間ポイントを算出し、ユーザー情報に紐付けて記憶部に記憶させる手順と、
新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、前記記憶部にアクセスして前記ユーザー情報に紐付けられた時間ポイントを読み出し、前記新たな時間貸し駐車場の利用時間から前記時間ポイントを差し引く手順と、
前記時間ポイントを差し引いた後の差し引き利用時間に基づき、前記新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する手順と
を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム
を提供する。
【0012】
前記時間ポイントを算出する手順では、前記単位時間未満の利用時間が、前記単位時間に対して所定の割合以下の場合に、前記未利用時間に応じた前記時間ポイントを算出することが好ましい。
前記時間ポイントを算出する手順によって算出される前記時間ポイントが一定値であることが好ましい。
前記時間ポイントを差し引く手順では、前記新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、その利用時間が少なくとも初回の単位時間を超過し次の単位時間を経過する前に限り、その超過時間から前記時間ポイントを差し引くことが好ましい。
前記時間ポイントを差し引く手順では、前記ユーザー情報に紐付けられて記憶された前記時間ポイントが前記超過時間以上である場合に、前記超過時間に相当する前記時間ポイントを差し引くことが好ましい。
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータとしての携帯情報端末にインストールして、携帯情報端末用のアプリケーションソフトウェアとして用いることができる。
コンピュータプログラムは、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、DVD-R、フラッシュメモリなどである。
【0013】
また、本発明は、
コンピュータを用いて、時間貸し駐車場の利用精算時に、利用時間に基づき、当該時間貸し駐車場の単位時間当たりの料金に基づいて利用料金を算出する時間貸し駐車場管理方法であって、
前記利用時間が単位時間未満である場合に、その未利用時間を算出し、
前記未利用時間に応じた時間ポイントを算出し、ユーザー情報に紐付けて記憶部に記憶させ、
新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、前記記憶部にアクセスして前記ユーザー情報に紐付けられた時間ポイントを読み出し、前記新たな時間貸し駐車場の利用時間から前記時間ポイントを差し引き、
前記時間ポイントを差し引いた後の差し引き利用時間に基づき、前記新たな時間貸し駐車場の利用料金を算出する
時間貸し駐車場管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、単位時間に満たない未利用時間が存在する場合、所定の条件のもと時間ポイントが付与され、その時間ポイントを新たな時間貸し駐車場の利用料金の精算に充当することができる。よって、単位時間毎に課金される時間貸し駐車場システムにおいて、単位時間よりかなり短い短時間利用でありながら単位時間相当の利用料金を支払ったとしても、割高や無駄に感じることが抑制され、時間貸し駐車場の利用を促すことができる。その結果、路上駐車の抑制に貢献できる。また、新たな時間貸し駐車場の利用料金の精算に充当できるため、単位時間経過間際における出庫動作に余裕を持たせることができ、慌てたり、心理的に焦りを感じたりすることの抑制につながる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一の実施形態に係る時間貸し駐車場管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【
図2】
図2は、上記時間貸し駐車場管理装置と時間貸し駐車場に設置される管理機との関係を示した図である。
【
図3】
図3は、時間ポイントが充当される超過時間の概念を説明するための図である。
【
図4】
図4は、対象駐車場選定手段を備えた態様を説明するための図である。
【
図5】
図5は、短時間駐車により時間ポイントを獲得する際の過程を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、獲得した時間ポイントを充当する際の過程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る時間貸し駐車場管理装置1の概略構成を示した図である。この図に示したように、本実施形態の時間貸し駐車場管理装置1は、プロセッサ(CPU)1a、記憶部(本明細書において「記憶部」と称する場合、メモリ、ストレージ等、揮発性や不揮発性の記録媒体のいずれも含む意味であり、いずれかに限定するものではない)1bを備えたコンピュータ(コンピュータの種類は限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、携帯型情報端末等を含む)から構成され、基本的には時間貸し駐車場の運営側で管轄されるサーバーとして用いられる。
【0017】
具体的には、本実施形態の時間貸し駐車場管理装置1には、当該時間貸し駐車場管理装置1であるコンピュータを、未利用時間算出手段11、時間ポイント算出手段12、時間ポイント差し引き手段13、差し引き料金算出手段14等として機能させる手順を実行するコンピュータプログラムが記憶部1bに記憶されている。コンピュータプログラムは、通常、当該コンピュータ(時間貸し駐車場管理装置1)に内蔵又は外付けのハードディスクやSSD等の不揮発性の記録媒体又はネットワークサーバに記憶され、上記プロセッサ1aによって読み出されて実行される。また、各種データの記憶場所は、時間貸し駐車場管理装置1に内蔵又は外付けの記憶部1bのほか、通信回線を介して接続された記憶部であってもよい。
【0018】
時間貸し駐車場管理装置1は、本実施形態では、上記のようにサーバーとして用いられており、
図2に示したように、各時間貸し駐車場P(P1,P2,P3・・・)に設置される端末装置としての機能を備えた管理機200(200A,200B,200C・・・)と通信回線により接続されている。また、時間貸し駐車場管理装置1の記憶部1bには、管理対象の時間貸し駐車場P毎に、設置場所、駐車可能台数、単位時間等の駐車場データベース100が構築されている(
図1参照) 。
【0019】
未利用時間算出手段11は、時間貸し駐車場Pの利用精算時に、単位時間未満の未利用時間を算出する。具体的には、まず、当該時間貸し駐車場Pへの入庫時刻と出庫時刻とを管理機200から取得して利用時間を算出するか若しくは管理機200において算出した利用時間を受信する。次いで、駐車場データベース100にアクセスして、当該時間貸し駐車場1の単位時間を読み出し、その単位時間から利用時間を差し引いて未利用時間を算出する。例えば、単位時間10分の時間貸し駐車場Pにおいて、入庫時刻が12:35、出庫時刻が12:38の場合、利用時間が3分で未利用時間7分となり、単位時間15分の時間貸し駐車場Pでは、入庫時刻が15:05、出庫時刻が15:18の場合、利用時間が13分、未利用時間が2分となる。
【0020】
時間ポイント算出手段12は、未利用時間算出手段11により求められた未利用時間に応じた時間ポイントを算出すると共に、算出された時間ポイントを、記憶部1bに構築されている会員データベース110にユーザー情報に紐付けて記憶させる。
【0021】
時間ポイントとは、未利用時間に応じて付与されるが、本実施形態では会員ポイントの類いではなく、「時間」自体をポイントとしている。例えば、未利用時間が7分、6分、5分等の場合には、7分、6分、5分等の時間を時間ポイントとして算出する。但し、未利用時間と時間ポイントとしての時間は一対一で対応している場合に限らず、例えば、未利用時間の1/2,1/3に相当する時間を時間ポイントとすることもできる。
【0022】
時間ポイント算出手段12は、利用時間が単位時間に対して所定の割合以下の短時間駐車である場合に、未利用時間に応じた時間ポイントを算出して付与する構成とすることが好ましい。所定の割合は例えば50%、30%等である。仮に50%の場合、単位時間10分の時間貸し駐車場Pでは、利用時間が5分以下の場合に限り時間ポイントが付与される。本発明は、短時間駐車による割高感を軽減することが目的であり、単位時間の例えば60%以上さらには70%以上の利用であれば、単位時間分に相当する利用料金を負担することによる割高感は一般的には小さいものと考えられる。
【0023】
時間ポイントは、上記のように、未利用時間に応じて算出されるが、ここでいう「未利用時間に応じて」とは、未利用時間に対して必ずしも比例して増減する場合だけでなく、利用時間が単位時間に対して所定の割合以下という条件を満たしたならば、一定値で算出する場合も含む意味である。例えば、単位時間10分の場合で、利用時間が5分、3分、2分等のいずれのケースも、一律に例えば「1分」の時間ポイントを付与する。一定値であれば、1分に限らず、2分、3分等とすることも可能であるが、時間貸し駐車場における単位時間経過の経過が分単位でカウントされていることから時間貸し駐車場の収益とのバランスを考慮するとその最低単位である「1分」とすることが合理的である。また、時間ポイントを一定値ではなく、各時間貸し駐車場の収益等に鑑みて、時間貸し駐車場毎、利用日毎あるいは利用時間帯毎に、付与する時間ポイントを、n分(1分、2分、3分等)と可変できるようにすることも望ましい。
【0024】
本発明において、未利用時間に比例した時間ポイントを付与することを除外するものではないが、ユーザーが少しでも時間ポイントを稼ごうとして、利用時間をできるだけ短時間にして、急いで出庫しようとする心理がより強く働くこともあり得、結果的に出庫動作を慌てさせることにつながる場合がある。この点、「1分」等の一定値とすれば、利用時間が2分、3分、5分等のいずれであっても、付与される時間ポイントが変わらないため、出庫動作(利用料金の精算、乗車動作、時間貸し駐車場外への移動等)を慌てて行うことの抑制に貢献でき好ましい。
【0025】
時間ポイント差し引き手段13は、時間ポイントが付与されている場合、その後のタイミングで時間貸し駐車場Pを新たに利用して精算する時に、会員データベース110にアクセスして当該ユーザー情報に対応する時間ポイントを読み出す。そして、この新たな時間貸し駐車場Pの利用時間から当該ユーザーが保有する時間ポイントを差し引く。なお、「新たな時間貸し駐車場」とは、時間ポイントを保有している状態で利用する時間貸し駐車場を指し、時間ポイントが付与された時間貸し駐車場と異なる場合もあれば同じ場合もある。
【0026】
差し引き料金算出手段14は、時間ポイント差し引き手段13によって差し引きされた後の差し引き利用時間に基づき、新たに利用された時間貸し駐車場Pの利用料金を算出する。
【0027】
例えば、「1分」の時間ポイントを保有する場合において、単位時間10分の新たな時間貸し駐車場Pの利用時間が9分だった場合、残り1分で精算を終えないと次の単位時間に移行する。この際、精算作業に手間取り、単位時間である10分を超過してしまい、利用時間11分になったとしても、時間ポイント差し引き手段13によって、11分から超過時間1分が差し引かれ、差し引き料金算出手段14によって、差し引き利用時間10分として利用料金が算出される。よって、ユーザーは、時間ポイントを有することを把握していれば、このような単位時間経過間際の精算であっても、慌てたり焦ったりすることが抑制され、安心感を持つことができる。ユーザーの時間ポイントは、例えば、時間貸し駐車場管理装置1より、定期的にあるいは時間貸し駐車場Pの利用時に、ユーザーの保有するスマートフォン等に送信して知らせることができる。
【0028】
時間ポイントは、本実施形態では時間そのものであることは上記のとおりであるが、時間そのものであることから、時間ポイント差し引き手段13では、実際の利用時間から時間ポイントとして付与された時間を差し引く処理を行うだけでよいため、会員ポイントのように換算して保有するよりも、計算負荷の増加等もほとんどない。また、ユーザーとしても、時間ポイントを時間で把握していた方が、会員ポイントとして把握するよりも、単位時間経過間際の精算作業等に余裕を持つことができると考えられる。
【0029】
時間ポイントは、上記のように未利用時間に対して一定値(例えば「1分」)とすることが好ましい。さらに、この時間ポイントは累積させることも、あるいは累積させないこともできる。累積させない場合とは、ユーザーが複数回にわたり時間貸し駐車場Pを利用し、時間ポイントを複数回付与されたとしても、時間ポイントを「1分」のまま維持することである。この時間ポイントは、会員データベース110に残っている時間ポイントが消費されるまで、「1分」のまま維持される。
一方、ユーザーが複数回にわたり時間貸し駐車場Pを利用し、時間ポイントを複数回付与された場合に、時間ポイントをその都度累積可能とし、会員データベース110に累積した時間ポイントの累積値が記憶されるようにすることもできる。
【0030】
累積されない場合には、単位時間に対して所定割合以下の短時間駐車を連続して行っても時間ポイントが増加しないが、累積可能とすると、短時間駐車のたびに、時間ポイントが付与されるため、当該サービスを提供している時間貸し駐車場Pの利用を促すさらなるインセンティブにもなり、短時間駐車への躊躇も軽減され、結果として路上駐車の抑制につながる。例えば、累積した時間ポイントが「5分」となった場合には、単位時間からの超過時間が5分となっても、単位時間分の支払いで済む。
【0031】
時間ポイント差し引き手段13は、当該ユーザーが、時間ポイントを保有する場合において、単位時間超過の際にその時間ポイントを自動的に充当して利用時間を算出する構成とすることもできるが、ユーザーが時間ポイントを充当するか否かを選択可能とする構成とすることもできる。選択可能とする際には、管理機200の画面に選択画面を表示させるようにしてもよいし、ユーザーの保有するスマートフォン等の携帯情報端末からその旨を時間貸し駐車場管理装置1に送信できる構成としてもよい。
【0032】
自動的に時間ポイントを充当する構成とする場合には、実際の利用時間から所定の時間ポイントを差し引くことで、結果が単位時間内に収まる場合に限り適用し、累積している時間ポイントを全て差し引いても単位時間内に収まらない場合には、時間ポイントを差し引いたところで次の単位時間の利用料金が加算されることになるため、時間ポイントを差し引かない構成とすることが好ましい。
【0033】
単位時間毎に課金されるため、ここでいう「時間ポイントを差し引くことで単位時間内に収まる場合」とは、例えば、
図3に示したように、単位時間10分の場合において、ケース1:利用時間15分の場合には、時間ポイントを差し引くことで直前の単位時間である初回の10分間に相当する単位時間内に収まることを指し、ケース2:利用時間23分の場合には、時間ポイントを差し引くことで直前の単位時間である10~20分までの2回目の単位時間内に収まることを指す。これらの場合の超過時間は、直前の単位時間が満了した時点から精算時までの時間であり、ケース1が5分、ケース2が3分となる。よってユーザーが時間ポイントをケース1では5分以上、ケース2では3分以上保有していると、超過時間が全て時間ポイントで充当される。
【0034】
これに対し、ユーザーが、時間ポイントを2分しか保有していない場合には、ケース1,ケース2のいずれの場合も、時間ポイントを差し引いても超過時間が0にならず、単位時間内に収まらない。よって、その場合には、次の単位時間10分の料金が加算されることになる。時間ポイントを差し引く実益が少ないため、時間ポイントは差し引きせずに、そのまま累積されるようにする。
【0035】
ユーザーが時間ポイントを充当することを選択する場合も、時間ポイントを差し引いても単位時間内に収まらない場合には、同様に、時間ポイントが差し引かれない構成とすることが好ましい。
【0036】
以上より、時間ポイント差し引き手段13は、新たな時間貸し駐車場の利用精算時に、その利用時間が単位時間(初回の単位時間だけでなく、2回目、3回目と複数回の単位時間を経過した場合には、直前に経過した単位時間)を超過し次の単位時間を経過する前の超過時間に対し、この超過時間に相当する時間ポイントを差し引く構成とすることが好ましい。これにより、時間ポイントによってサービスされる時間は超過時間のみが対象となり、単位時間1回分を上回ることがない。また、時間ポイントの累積値が超過時間以上となっていない場合には、上記のように時間ポイントの差し引きを行わない構成とすることが好ましい。運営側にとっては、所定の単位時間を経過するまでの分は収入として得ることができる一方、ユーザー側は、超過時間によって次の単位時間分まで課金されることがなくなり、短時間駐車によって得られる利益を享受できる。
【0037】
上記の設定では、累積された時間ポイントによって差し引かれる超過時間は、最大で単位時間に至る前まで(単位時間10分であれば9分まで)となるが、使用可能な時間ポイントを単位時間に対して所定の割合以下、例えば、50%、30%と制限することも可能である。これらの制限情報は、上記の駐車場データベース100に時間貸し駐車場P毎に登録しておくことで、時間ポイント差し引き手段13が、利用料金の精算時にその情報を読み出して、差し引き可能な時間ポイントを算出する。例えば、30%の制限情報が付されている場合には、単位時間10分であれば、超過時間分として充当可能な時間ポイントは最長3分となる。時間ポイントの付与は、単位時間経過間際の出庫動作に余裕を持たせることが本来の目的であることから、このように制限された時間で十分である。また、この制限情報は、時間貸し駐車場P毎に取り決めるのではなく、ユーザー毎に設定可能としてもよい。例えば、利用頻度の高いユーザーに対するサービス時間(時間ポイントを充当可能な超過時間の最大値)を手厚くしたりすることも可能である。
【0038】
本実施形態では、上記のように、短時間駐車によって生じた未利用時間について、時間ポイントが付与され、新たな時間貸し駐車場利用時において、その時間ポイントを利用できるが、時間ポイントの付与は、運営側が管理する時間貸し駐車場Pのうちの一部に絞る対象駐車場選定手段14を時間貸し駐車場管理装置1に設けるようにしてもよい(
図4参照)。
【0039】
対象駐車場選定手段14は、路上駐車発生状況及び事故発生状況を含む周辺交通情報を参照し、時間ポイントを付与する時間貸し駐車場を選定する手順を実行するコンピュータプログラムである。路上駐車の抑制は、交通量が激しい道路ほど、あるいは事故発生頻度の高い道路ほど求められる。よって、対象駐車場選定手段14を実行することで、時間ポイントの付与を実施するのに適する対象駐車場を出力でき、路上駐車の抑制ニーズに即した対応が可能となる。路上駐車発生状況、事故発生状況等の周辺交通情報としては、運営側が蓄積した情報、管轄警察や交通事故総合分析センター等の有する情報を活用することができる。また、VICS(登録商標)等からできるだけ最新の情報を逐次入手し、最新の道路交通情報に基づいて短時間駐車によって時間ポイントを付与する時間貸し駐車場Pを選定する構成とすることもできる。これにより、路上駐車が発生する可能性のより高い地域、高い時間帯における路上駐車の発生を優先的に抑制することにつながる。
【0040】
なお、対象駐車場選定手段14は、
図4に示したように、対象駐車場とする時間貸し駐車場を選定したならば、その旨をユーザーの端末装置(スマートフォンやカーナビゲーション等)に速やかに送信する構成とすれば、ユーザーが、時間ポイントが付与される時間貸し駐車Pを容易に把握できる。
【0041】
次に、本実施形態の作用を
図5及び
図6に基づき説明する。
[短時間駐車による時間ポイント獲得」(
図5)
ユーザーAが、時間貸し駐車場P1を利用する。具体的には、ユーザーAが駐車場P1に到着し、入り口ゲートで会員カードを管理機にかざす。あるいは駐車場P1の入り口に設置されたカメラによりユーザーAの車両ナンバーを読み取るなどの方法により、ユーザーAが特定される。この結果、ユーザーAの会員ID等のユーザー情報、時間貸し駐車場P1の情報(位置情報、料金情報等)及び入庫時刻が当該時間貸し駐車場P1の管理機200Aから時間貸し駐車場管理装置1に送信される(S501)。所定時間経過後ユーザーAの車両が出庫し、管理機200Aを介してその出庫時刻が時間貸し駐車場管理装置1に送信される(S502)。
時間貸し駐車場管理装置1では、ユーザーAのユーザー情報、時間貸し駐車場P1の情報および入庫時刻を受信する。さらに、会員データベース110及び駐車場データベース100にアクセスしてユーザーAや時間貸し駐車場P1の情報を得る(S511)。次に、所定時間経過後ユーザーAの車両が出庫した際には、管理機200Aを介して送信された出庫時刻を受信する(S512)。
こうして受信した入庫時刻および出庫時刻に基づき、未利用時間算出手段11がユーザーAの利用時間を算出し、この利用時間と単位時間との差である未利用時間を算出する(S513)。なお、利用時間を管理機200Aにおいて算出し、その算出結果としての利用時間を時間貸し駐車場管理装置1側に送信してもよいことは上記のとおりである。
【0042】
時間ポイント算出手段12は、得られた未利用時間が時間ポイントの付与対象となる短時間駐車かどうか、すなわち、単位時間に対して所定の割合以下かどうかを判断する。具体的には、まず、駐車場データベース100にアクセスして、時間貸し駐車場P1の時間ポイントの付与条件を参照する(S514)。例えば、当該時間貸し駐車場P1について、利用料金が単位時間10分で300円、利用時間が単位時間の50%以下の場合に時間ポイント「1分」を付与する、という条件を読み出す。
【0043】
次に、利用時間とこの条件を比較する(S515)。例えば、利用時間が7分(未利用時間が3分)の場合には、上記の条件を満たさないため、S515において「No」となり、時間ポイントは付与されない。そして、今回の利用時間7分に対応した単位時間すなわち10分について精算を行う(S503)。これに対して、利用時間が3分(未利用時間が7分)の場合は、S515において「Yes」となり、「1分」の時間ポイントが付与される(S516)と共に、今回の利用時間3分に対応した単位時間すなわち10分について精算を行う(S503)。この時間ポイント「1分」は、会員データベース110において当該ユーザーAの情報に紐付けて記憶され、ユーザー情報が更新される(S517)。
【0044】
[時間ポイントの充当](
図6)
ユーザーAが時間ポイントを獲得した場合、それ以降に時間貸し駐車場P1と同系列の運営主体(例えば会員データベース110を共用し、同様のシステムを有する運営主体)に属する時間貸し駐車場P2を利用したとする。以下、この場合において利用料金の支払いに時間ポイントを充当する流れについて説明する。
なお、異なる時間貸し駐車場P2ではなく、異なる時間帯において改めて、時間ポイントを獲得したときと同じ時間貸し駐車場P1を利用した場合も同様である。さらに、時間ポイントを新たに獲得した場合に限らず、既に時間ポイントを保有している場合に時間貸し駐車場P2を利用した場合も同様である。
【0045】
まず、時間貸し駐車場P2の入庫時に、ユーザーAのユーザー情報、時間貸し駐車場P2の情報及び入庫時刻が、出庫時に出庫時刻が、それぞれ管理機200Bと時間貸し駐車場管理装置1との間で送受信されることは上記短時間駐車時と同様である(S601,S602,S611,S612)。
時間ポイント差し引き手段13は、ユーザーAが新たな時間貸し駐車場P2の精算を行う際に、入出庫時刻から上記と同様に利用時間(例えば、16分)を得る(S613)。また、駐車場データベース100にアクセスし、当該時間貸し駐車場P2の利用料金の情報を参照する(S614)。例えば、利用料金200円で単位時間15分とする。次に、会員データベース110にアクセスして、ユーザーAに紐付けられた時間ポイントを読み出す(S615)。例えば、ユーザーAが以前に時間貸し駐車場P1を利用し、時間ポイント「1分」を保有していることを読み出す。
【0046】
時間ポイント差し引き手段13は、今回の利用時間16分から単位時間経過後の超過時間として「1分」を算出する(S616)。次に、超過時間と時間ポイント(累積値)とを比較する(S617)。超過時間「1分」は、ユーザーAの保有する時間ポイント「1分」以下であるため、S617において「Yes」となり、時間ポイント「1分」の差し引きを実行する(S618)。
これにより、利用料金は初回の単位時間「15分」に収まることとなり、差し引き料金算出手段14は、利用料金を200円として算出する(S619)。こうして時間ポイントが差し引かれて算出された利用料金は、管理機200Bに送信され、ユーザーAがそれに従って精算を行う。なお、S617において「No」の場合には、時間ポイントが消費されず、利用時間「16分」に相当する利用料金、すなわち、単位時間2回分の400円であることの情報が管理機200Bに送信され、精算処理が行われる。
【0047】
ユーザーAは、入庫時刻から例えば14分後に時間貸し駐車場P2に戻った場合に、通常であれば、残り1分で精算、車両への乗り込み、場合により荷物の搭載作業、エンジン始動、出口への移動といった一連の出庫動作を行わなければならないが、時間ポイントを活用できるため、ユーザーAは出庫までに2分の時間が得られることになり、これらの出庫動作に余裕を持つことができる。このような特典が得られることから、3~4分の短時間であっても時間貸し駐車場Pを利用することに対する躊躇が抑制され、結果的に路上駐車の抑制に貢献できる。
【0048】
時間ポイント1分を利用すると、ユーザーAの時間ポイントは0となり、会員データバース110のユーザー情報が更新される(S620)。短時間駐車を複数回行って累積された場合には、通常駐車時において、次の単位時間が経過する前の超過時間が時間ポイントの累積値以下である等の条件を満たす場合、累積された時間ポイントに相当する超過時間が差し引かれ、単位時間内として利用料金が算出されることは上記のとおりである。
【0049】
上記実施形態では、時間ポイントを「時間」そのもので付与する構成としているが、ユーザーの保有する会員ポイントに変換して保有させることも可能である。この場合、通常の会員ポイントと同種のものとすることも可能であるが、その場合には、種々のポイント付与条件の一つに短時間駐車が加わるだけで、短時間駐車の利用促進へのインセンティブとしてはインパクトに欠けると考えられる。ポイントに換算する場合でも、上記実施形態の時間ポイント差し引き手段13による超過時間への充当専用とする方が、ユーザーにとって短時間駐車による特典を直接感じられる。よって、時間ポイントを「時間」そのものではなくポイント換算して、例えば、1分:10ポイント、3分:30ポイントというように付与する場合には、超過時間への充当のみに使用できる専用ポイントとして付与することが好ましい。この場合、時間ポイント差し引き手段13は、専用ポイントを時間に換算し、例えば10ポイントであれば1分と換算して、超過時間から差し引く。但し、計算負荷やユーザーの把握のしやすさ等を考慮すると、上記実施形態のように、時間ポイントは「時間」自体とすることが好ましい。
【0050】
また、上記実施形態では、未利用時間算出手段11、時間ポイント算出手段12、時間ポイント差し引き手段13、差し引き料金算出手段14等として機能させる手順を実行するコンピュータプログラムをサーバーとしての時間貸し駐車場管理装置1に設定しているが、時間貸し駐車場Pに設置される管理機200において同様の機能を持たせたり、サーバーと端末装置の両者によって同様の機能を果たす構成としたりすることも可能である。但し、時間ポイントはユーザー情報に紐付けられるため、ユーザー情報が記憶される会員データベース110は、サーバー側に設定される構成とするのが通常である。
【0051】
また、本発明において、ユーザーは、利用料金の精算を精算機ではなく、ユーザーが所有するスマートフォン等の携帯情報端末でも行うことができる。例えば、
図1に示した時間貸し駐車場管理装置1から、ユーザーが所有するスマートフォン等にアプリケーションソフトウェア(アプリ)をダウンロードし、このアプリの実行により、スマートフォン等を未利用時間算出手段11、時間ポイント算出手段12、時間ポイント差し引き手段13、及び差し引き料金算出手段14として機能させる構成でもよい。この場合、ユーザーはスマートフォンにインストールされているクレジット機能、電子マネー機能などを用いて料金の精算を行うこともできる。
【0052】
また、時間貸し駐車場管理装置1であるサーバーとスマートフォン等の携帯情報端末の双方を合わせて、未利用時間算出手段11、時間ポイント算出手段12、時間ポイント差し引き手段13及び差し引き料金算出手段14として機能するようにコンピュータプログラムをインストールし、本発明に係る時間貸し駐車場管理方法を実現することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1 時間貸し駐車場管理装置
11 未利用時間算出手段
12 時間ポイント算出手段
13 時間ポイント差し引き手段
14 差し引き料金算出手段
100 駐車場データベース
110 会員データベース